JP5994587B2 - ディスクブレーキ用パッド - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキ用パッドに関し、特に、摩擦材と、この摩擦材の裏面を支持する裏板を有していて、前記裏板が合成樹脂製であるディスクブレーキ用パッドに関する。
この種のディスクブレーキ用パッドは、例えば、下記特許文献1に示されていて、裏板のロータ周方向両端部に設けられている各トルク受け部が、裏側に向けて突出していて同裏板の中央部に比して厚肉に形成されている。
特開2012−72848号公報
上記した特許文献1に記載されているディスクブレーキ用パッドでは、軽量化を図るために裏板が合成樹脂製とされているものの、裏板の背面に組付けられるシムプレートについての配慮がなされていない。また、裏板の耐熱性についての配慮もなされていない。
本発明は、上記した実状に鑑みてなされたものであり、
摩擦材と、この摩擦材の裏面を支持する裏板を有していて、前記裏板が合成樹脂製であり、同裏板のロータ周方向両端部に設けられている各トルク受け部が、裏側に向けて突出していて同裏板の中央部に比して厚肉に形成されているディスクブレーキ用パッドであって、
前記各トルク受け部には、前記裏板の背面に組付けられるシムプレートと係合可能で同シムプレートのロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制する保持部が設けられている
ことに特徴がある。
本発明のディスクブレーキ用パッドでは、各トルク受け部にシムプレートと係合可能で同シムプレートのロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制する保持部が設けられている。このため、本発明では、各トルク受け部を有効に活用して、シムプレートのための保持部をシンプルかつ安価に構成することが可能である。また、本発明では、各トルク受け部に設けた保持部によってシムプレートのロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制することが可能である。このため、シムプレートには、裏板と係合してシムプレートのロータ軸方向およびロータ径方向外方への移動を規制する係止爪を設けることで実施することが可能であり、シムプレート自体もシンプルかつ安価に構成することが可能である。
上記した本発明の実施に際して、各トルク受け部の背部には、冷却用フィンが設けられていることも可能である。この場合には、各冷却用フィンにより、各トルク受け部自体を補強することが可能であるとともに、各トルク受け部の冷却効率を高めることができて、裏板全体の熱劣化を防ぐことが可能である。
本発明によるディスクブレーキ用パッドの一実施形態を概略的に示した正面図である。 図1に示したディスクブレーキ用パッドの平面図である。 図1に示したディスクブレーキ用パッドと同パッドに組付けたシムプレートの背面斜視図である。 図3の分解斜視図である。 本発明によるディスクブレーキ用パッドの他の実施形態と同パッドに組付けたシムプレートの背面斜視図である。 図1〜図4に示したディスクブレーキ用パッドにおける各トルク受け部の背部に冷却用フィンが設けられている実施形態を示した背面斜視図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明によるディスクブレーキ用パッドの一実施形態を概略的に示していて、このディスクブレーキ用パッド10(以下、実施形態では、単にパッドという)は、車両用の可動キャリパ型ディスクブレーキに適用されるものである。なお、図1では、当該ディスクブレーキの支持体である周知のマウンティング20のパッド支持部21,22と、ディスクロータ30の一部がそれぞれ仮想線にて示されている。
図1に示したパッド10は、周知のようにディスクロータ30の外周部を挟むように対向配置されて使用されるものであり、摩擦材(ライニング)11と、この摩擦材11の裏面を支持する裏板12を有していて、裏板12のロータ周方向両端部(図1の左右両端部)には一対のトルク受け部12a・12bが形成されている。なお、各トルク受け部12a・12bは、通称、耳部である。
摩擦材11は、それ自体周知のものであり、制動時には、ディスクロータ30の環状被制動面に摺動可能に係合して、ディスクロータ30の回転を制動する。裏板12は、合成樹脂製(例えば、強化繊維を含む熱硬化性樹脂製)であり、各トルク受け部12a・12bは、裏側に向けて所定量突出していて、同裏板12の中央部に比して厚肉に形成されている。なお、各トルク受け部12a・12bの厚肉部は、図1に示したように、摩擦材11の背部にまで延びていて、摩擦材11と部分的に重なっている。
ところで、この実施形態においては、各トルク受け部12a・12bに、裏板12の背面に組付けられるシムプレート40と係合可能な保持部12a1、12b1が設けられている(図3参照)。各保持部12a1、12b1は、傾斜した直線状の段部であり、ロータ周方向にて対向するように設けられていて、シムプレート40のロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制するように構成されている。
シムプレート40は、それ自体周知の制動時のブレーキ鳴きを低減するためのものであり、ロータ周方向両端部にて各保持部12a1、12b1に係合(当接)するように形成されていて、一つの係止爪41を有している。係止爪41は、裏板12に設けた切欠12cに係合するように形成されていて、シムプレート40のロータ軸方向およびロータ径方向外方への移動を規制するように機能する。
上記のように構成した本実施形態のパッド10においては、各トルク受け部12a・12bにシムプレート40と係合可能で同シムプレート40のロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制する保持部12a1、12b1が設けられている。このため、この実施形態では、各トルク受け部12a・12bを有効に活用して、シムプレート40のための保持部12a1、12b1をシンプルかつ安価に構成することが可能である。
また、この実施形態では、各トルク受け部12a、12bに設けた保持部12a1、12b1によってシムプレート40のロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制することが可能である。このため、シムプレート40には、裏板12と係合してシムプレート40のロータ軸方向およびロータ径方向外方への移動を規制する係止爪41を設けることで実施することが可能であり、シムプレート40自体もシンプルかつ安価に構成することが可能である。
上記した実施形態においては、各保持部12a1、12b1を、傾斜した直線状に形成して実施したが、各保持部12a1、12b1の形状は、シムプレート40のロータ周方向両端部と係合して少なくともシムプレート40のロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制するものであればよく、適宜設定可能であり、例えば、図5に示したように、円弧状に形成して実施することも可能である。
また、上記した実施形態においては、各トルク受け部12a・12bを単に厚肉として実施したが、図6に例示したように、各トルク受け部12a・12bの背部に、冷却用フィン12a2・12b2を設けて実施することも可能である。この場合には、各冷却用フィン12a2・12b2により、各トルク受け部12a・12b自体を補強することが可能であるとともに、各トルク受け部12a・12bの冷却効率を高めることができて、裏板12全体の熱劣化を防ぐことが可能である。なお、各冷却用フィンの長手方向は、図6に例示したロータ径方向に限定されるものではなく、各パッドの車両への配置や車両走行時の空気流等を考慮して、例えば、ロータ周方向であってもよく、適宜設定が可能である。
また、上記した実施形態においては、パッド10における裏板12の通称が耳部である部位に各トルク受け部12a・12bを設定して実施したが、各トルク受け部を設定する部位は、裏板のロータ周方向両端部であればよく、裏板の通称が耳部である部位以外の部位、例えば、耳部のロータ径方向外側の部位またはロータ径方向内側の部位であってもよく、適宜設定が可能である。
10…ディスクブレーキ用パッド、11…摩擦材、12…裏板、12a・12b…トルク受け部、12a1・12b1…保持部、12a2・12b2…冷却用フィン、20…マウンティング、21,22…パッド支持部、30…ディスクロータ、40…シムプレート、41…係止爪

Claims (2)

  1. 摩擦材と、この摩擦材の裏面を支持する裏板を有していて、前記裏板が合成樹脂製であり、同裏板のロータ周方向両端部に設けられている各トルク受け部が、裏側に向けて突出していて同裏板の中央部に比して厚肉に形成されているディスクブレーキ用パッドであって、
    前記各トルク受け部には、前記裏板の背面に組付けられるシムプレートと係合可能で同シムプレートのロータ周方向およびロータ径方向内方への移動を規制する保持部が設けられているディスクブレーキ用パッド。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキ用パッドにおいて、
    前記各トルク受け部の背部には、冷却用フィンが設けられていることを特徴とするディスクブレーキ用パッド。
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