JP5992687B2 - 錠システム - Google Patents

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Description

本発明は、マンション、一般住宅またはビルディングなどの建物の複数の室の開口部にそれぞれ配置されている引違い戸(引違い窓)を施錠・開錠するための錠システムに関するものである。
例えばベランダへの出入り口(開口部)に配置されている引違い窓(引違い戸)では、防犯のために、ベランダ側および室内側のガラス戸を閉じ切ったのち、室内側のガラス戸に取り付けたクレセントのレバーを手で掴んで回転させて、ベランダ側のガラス戸に固定した受け具にクレセントを係止させることにより、前記引違い窓を施錠するようになっている。
ところで、火災などの緊急事態が発生した場合においては、消防士などがベランダの出入り口から室内に入って住人などを救出することがある。その場合、前記引違い窓が施錠されていると、前記消防士などは引違い窓のガラス戸を破壊して室内に入らなければならないが、その際にはガラスの破片などが飛び散るために、その破片などが住人などの救出の妨げになる。
その対策としては、例えば特許文献1の錠システムに示すように、前記受け具(クレセント受け)をベランダ側のガラス戸の框にスライド移動可能に固定し、前記緊急事態が発生したときには、建物の外部(ベランダ側)から前記受け具の固定を解除することで、引違い窓のガラス戸を開くことができるようにすることが考えられる。
特開2007−162397号公報
ところが、特許文献1の錠システムでは、ベランダ側のガラス戸に対する受け具の固定を解除するのに手間がかかり、引違い窓のガラス戸を迅速に開くことができないといった問題がある。また、特許文献1の錠システムでは、前記受け具の固定を建物の外部から不正に解除することが可能であり、防犯上に問題がある。
本発明は、かかる不都合を解決することを目的とするものであり、火災などの緊急事態に建物の外部からクレセントを回転させて開錠することができながら、不正に開錠することを防止できる錠システムを提供することにある。
本発明は、前記不都合を解決するものである。すなわち本発明は、建物の複数の室の開口部にそれぞれ配置している引違い戸1に錠装置11をそれぞれ配置する錠システムであって、各引違い戸1の一方の戸3に錠装置11の本体12をそれぞれ取り付けており、各本体12には、各引違い戸1の他方の戸4にそれぞれ取り付けている受け金具に対して着脱自在に係止されるクレセント13と、そのクレセント13を回転させて受け金具から外す開錠手段と、クレセント13の回転を指示する近距離無線信号を受信する受信部36と、受信部36で近距離無線信号を受信したときにクレセント13を回転させる錠制御部38とを有していて、リモコン35からの近距離無線信号を受信部36で受信可能になっており、建物の外に非常スイッチ47を配置していて、非常スイッチ47には非常制御部49を接続しており、非常制御部49には、近距離無線信号を送信するための発信部50を有していて、発信部50は、前記複数の室のいずれかの室の室内に配置しており、非常制御部49は、非常スイッチ47での操作に応じて近距離無線信号を送信するようになっていることを特徴とする。
ここでの引違い戸1には、引違い窓や片引き窓なども含まれる。近距離無線信号には、赤外線信号や、超音波信号や、10m程度の距離までは送信できる微弱な電波信号などが含まれる。非常制御部49の発信部50は、建物の複数の室の全ての室内に配置する必要はなく、前記複数の室のうち、少なくとも一つの室の室内に配置すればよい。非常スイッチ47は、建物の外面(外壁)や、建物の外であって当該建物から離れた箇所に配置するものなどが該当する。非常スイッチ47には押釦などが該当する。非常制御部49の発信部50は、建物の室内側の壁面や、室内であって壁面から離れた箇所に配置するものなどが該当する。
加えて建物には、非常スイッチ47での操作に応じて報知を行う警報装置48を設けることができる。警報装置48には、ベルやブザーや警報用ランプなどが該当する。
具体的には、前記近距離無線信号が赤外線信号であるものとすることができる。
本発明の錠システムでは、引違い戸1を施錠している室の住人などがリモコン35を操作することで、そのリモコン35から送信された近距離無線信号を、当該リモコン35を操作した室の錠装置11の本体12の受信部36が受信する。これによってクレセント13が回転して受け金具から外れ、前記住人などが引違い戸1を開くことができる。
また、引違い戸1を施錠している状態で建物の外の非常スイッチ47が操作されたときには、非常制御部49の発信部50から近距離無線信号が送信され、その発信部50を配置している室の錠装置11の本体12の受信部36が受信する。すると、クレセント13が回転して受け金具から外れ、前記発信部50を配置している室の引違い戸1を開くことができるようになる。これにより、例えば火災が発生した場合に消防士などが非常スイッチ47を操作して、前記発信部50を配置している室の引違い戸1を開錠したのち、その引違い戸1を開いて室内に入って住人などを救出することができる。また、前記発信部50を配置している室の住人などが自ら引違い戸1を開いて避難することができる。
前記近距離無線信号は、非常制御部49の受信部50を配置した室の錠装置11にしか送信されず、他の室に配置した錠装置11には送信されないので、例えば複数の個室を有する介護施設などにおいて、いたずらや侵入者によって非常スイッチ47が不正に操作されても一つの室の引違い戸1しか開錠せず、これによって前記いたずらや侵入者によって他の室の引違い戸1までも開錠することを防止することができる。
なお、前記消防士などが、引違い戸1を開錠した室以外の他の室の住人などを救出する場合には、前記引違い戸1を開錠した室に入ったのち、その室から廊下などに出て前記他の室に入ることになる。
非常スイッチ47での操作に応じて報知を行う警報装置48を建物に設けていると、その警報装置48による報知によって、当該建物の住人や周辺の建物の住人などに、火災などの緊急事態であることを知らせることができる。また、前記いたずらや侵入者によって非常スイッチ47が不正に操作されたときにも警報装置48による報知が行われるので、このことがいたずらや侵入者に対する抑止力になる。
近距離無線信号が赤外線信号であると、その赤外線信号は指向性がよい分だけ、非常制御部49の受信部50を配置した室の錠装置11にしか送信されない効果をより確実に得ることができる。
本発明の一実施例の錠システムを配置した引違い窓の正面図である。 本発明の錠システムに係る錠装置の本体の縦断面図である。 図2のA−A線矢視断面図である。 本発明の錠システムに係るクレセントの縦断面図である。 図4のB−B線矢視断面図である。 クレセント内のカムの作用を説明するための図4の相当図である。 図4のC−C線矢視断面図である。 図4のD−D線矢視断面図である。 錠システムのブロック構成図である。 クレセントを開錠した状態を示す図2の相当図である。
本発明に係る錠システムの一実施例を図1ないし図10に基づいて説明する。本発明の錠システムは、例えば、介護施設などの建物の室内とベランダとを仕切る出入り口(開口部)に配置する引違い窓(引違い戸)をクレセントで施錠するものであり、そのクレセントを、非常釦やリモコンなどで開錠操作できるようになっている。なお、前記建物には複数の室を有しており、各室に配置している前記引違い窓をそれぞれ本発明の錠システムに係るクレセントで施錠できるようになっている。
前記引違い窓1は、図1に示すように、前記出入り口に固定しているアルミニウム製の矩形状の枠2と、前記出入り口を開閉する内外二枚のガラス戸(戸)3・4とを有している。前記枠2は、左右の竪枠2a・2aと、それらの竪枠2a・2aの上端間に掛け渡した上枠2bと、竪枠2a・2aの下端間に掛け渡した下枠2cとで構成している。
各ガラス戸3・4は、ガラス5をアルミニウム製の矩形状の框6の中に取り付けている。その框6は、左右の縦框6a・6aと、その縦框6a・6aの上端間に掛け渡した上框6bと、左右の縦框6a・6aの下端間に掛け渡した下框6cとで構成している。各ガラス戸3・4は、枠2の上枠2bおよび下枠2cに配置した上下のレール(不図示)に沿って左右方向にスライド移動可能になっている。
前記ガラス戸3・4のうち、室内側(内側)となる一方のガラス戸3(図1では右側)には、左側の縦框6aの左面に本発明に係る錠装置11の本体12を取り付けており、ベランダ側(外側)となる他方のガラス戸4(図1では左側)には、右側の縦框6aであって錠装置11の本体12のクレセント13に対応する位置に、フック状の受け金具(図示せず)を取り付けている(固定している)。両ガラス戸3・4において前記出入り口の左右の端部に位置する縦框6a・6aには、その内側および外側に取っ手9をそれぞれ取り付けている。
錠装置11の本体12には、図2および図3に示すように、前記受け金具に対して着脱自在に係止される前記クレセント13と、そのクレセント13を回転自在に支持しているとともに本体12のベース20に回転自在に支持されている円筒形状のギヤ14と、クレセント13が前記受け金具から外れる開錠方向(図2では時計回り方向)にギヤ14を付勢する付勢部15と、ギヤ14を回転不能にロックするギヤロック部16と、そのギヤロック部16によるロックを解除する解除部17とを有している。本体12のベース20は、一方のガラス戸3の左側の縦框6aにビスなどで取り付けている。本体12のベース20および各部は、外装カバー21で覆われている。付勢部15と解除部17とによって開錠手段を構成している。
クレセント13は、図4および図5に示すように、円筒形状の軸部13aと、その軸部13aから外方へ延びているレバー13bと、軸部13aの外周面から突出していて前記受け金具に係止される扇形状の係止部13cと、レバー13bに配置しているクレセントロック部19とを有している。ギヤ14は、クレセント13の軸部13aに内嵌する円筒形状の筒部14aと、付勢部15のラック15a(図2)が噛合するギヤ体14bとを有している。ギヤ14の筒部14aは、錠装置11の本体12のベース20に固定している円柱形状の軸32に対して回転自在に外嵌している。ギヤ体14bは、筒部14aよりもベース20側に位置している。
付勢部15は、図2および図3に示すように、上下方向に延びる角棒形状の前記ラック15aと、そのラック15aに一端(図2では上側)を接続しているコイルバネ15bとを有している。前記ラック15aは、ギヤ14のギヤ体14bに噛合する歯15cをラック15aの長さ方向(上下方向)に並べている。コイルバネ15bの他端は本体12のベース20に取り付けている。ギヤロック部16は、付勢部15のラック15aの上端部に形成している切り欠き15dに噛合する位置(図2の位置)とラック15aから離れる所定の解除位置(図2では左側)との間でスライド移動(図2では左右方向)する爪16aと、その爪16aをラック15a側へ付勢するコイルバネ16bとを有している。ギヤロック部16の爪16aの先端面は、ギヤ14側(下側)へ向かうに従って後方(図2では左方向)となるように傾斜している。
解除部17は、後述する錠制御部38によって制御されるモータ17aと、そのモータ17aの出力軸に減速装置を介して連結しているカム17bと、そのカム17bに一端部(図2では上側)が当接して当該カム17bによって揺動駆動されるアーム17cとを有している。アーム17cは、その上下中間を揺動軸10によってベース20に揺動自在に支持されている。そのアーム17cの他端部(図2では下側)は、ギヤロック部16の爪16aに設けているピン16cに当接しており、ギヤロック部16のコイルバネ16bの付勢力によって付勢部15のラック15a側へ押されている。これによってアーム17cの一端部が解除部17のカム17bに押し付けられる。
クレセントロック部19は、図4および図5に示すように、クレセント13のレバー13b内に配置していて、レバー13bの長さ方向(図4では上下方向)へスライド移動可能なロッド19aと、ロッド19aのスライド移動を規制する規制部23と、ロッド19aをギヤ14の筒部14a側へ付勢するコイルバネ24とを有している。クレセントロック部19のロッド19aの端部(図4では下側)は、ギヤ14の筒部14aの外周面に形成している溝状の係留部14cに係留(嵌合)可能になっている。
クレセントロック部19の規制部23は、クレセントロック部19のロッド19aに形成している切り欠き27内に位置しているカム25と、そのカム25に連結していてカム25を回転させるための頭部26とを有している。カム25は、クレセント13のレバー13bの内面に回転自在に支持されている。頭部26は、レバー13b外(図5では左側)に露出しており、その露出面に、例えば十円硬貨の厚み寸法より0.5mm程度だけ大きい幅の溝26aを形成している。その溝26aに十円硬貨などを差し込んで頭部26を回転させることができる。頭部26とカム25とは、円柱形状のピン26bで連結している。
規制部23のカム25は、図4に示すように、カム山25aをロッド19aのスライド移動方向と直交する方向に向けると、ロッド19aがコイルバネ24の付勢力によってレバー13bの基端側(図4では下側)に押される。その状態で、例えばクレセント13が回転されて、ロッド19aの前記端部がギヤ14の筒部14aの係留部14cに臨むと、当該ロッド19aの端部がギヤ14の係留部14cに嵌まり込んで係留される。その係留状態でクレセント13とギヤ14とが一体化して回転可能になっている。
また、規制部23のカム25は、図6に示すように、カム山25aをレバー13bの先端側(図6では上側)に向けると、そのカム山25aによってロッド19aの切り欠き27のレバー13bの先端側の縁27aがレバー13bの先端側へ押される。これにより、前記レバー13bがコイルバネ24の付勢力に抗してギヤ14の係留部14cから外れ、その結果、クレセント13を手動で自由に回転させることができる。その手動での回転の際には、ギヤ14や付勢部15の付勢力などが抵抗にならず、クレセント13を軽い力で回転させることができる。
なお、クレセント13のロッド19aのスライド移動可能な範囲は、クレセント13のレバー13bに設けている突起29がロッド19aに形成している切り欠き28内に位置することによって規制される。
ギヤ14の筒部14aの外周の端部(図4では右側)には、図7に示すように、周方向に延びる扇形状の突起14dを形成している。その突起14dは、クレセント13の軸部13aの端面(図4では右側)からベース20側へ突出していて周方向に延びる扇形状の突起13eに当接可能になっている。クレセント13の突起13eの周方向の寸法は、ギヤ14の突起14dの周方向の寸法よりも大きくなっている。クレセント13の回転に伴ってクレセント13の突起13eがギヤ14の突起14dに当接したときには、クレセント13の回転にギヤ14が同行回転し、またギヤ14の回転に伴ってギヤ14の突起14dがクレセント13の突起13eに当接したときには、ギヤ14の回転にクレセント13が同行回転するようになっている。
錠装置11の本体12のベース20には、図8に示すように、前記軸32の外周面に沿って扇形状に延びる突起30を形成しており、その突起30は、ギヤ14のギヤ体14bの端面(図4では右端)に形成していてギヤ体14bの周方向に延びる扇形状の凹部31に入り込んでいる。そして、ギヤ14の凹部31の周方向の縁がベース20の突起30に当接することで、ギヤ14の回転範囲が規制される。ギヤ体14bの凹部31の周方向の寸法は、ベース20の突起30の周方向の寸法よりも大きくなっている。
錠装置11の本体12には、クレセント13が過度の速度で回転しないように減速手段を有している。その減速手段は、図2に示すように、付勢部15のラック15aから横方向(図2では左方向)へ延びる延出部33と、その延出部33の下方に位置するショックアブソーバー34とを有している。そして、コイルバネ15bの引っ張り力(付勢力)によってラック15aが下方向にスライド移動する際に、ラック15aの延出部33がショックアブソーバー34に受け止められることによって、当該ラック15aの移動速度が減速される。これに伴ってギヤ14の回転が減速し、そのギヤ14に同行回転するクレセント13の回転も減速する。
錠装置11の本体12には、受け金具に係止されているクレセント13を回転させて、当該クレセント13を受け金具から外させるための手段を有している。すなわち、本体12には、図9に示すように、無線式のリモコン35や非常制御部49からの赤外線信号(近距離無線信号)を受信(受光)する受光部(受信部)36と、受光部36で前記赤外線信号を受信したときに、その信号に応じて解除部17のモータ17aを作動させてクレセント13を回転させる錠制御部38とを有している。
また本体12には、ギヤロック部16の爪16aが付勢部15のラック15aから離れる解除位置になる回転角度まで解除部17のカム17bが回転したことを検知するリミットスイッチ39(図2)を有している。錠制御部38は、前記リミットスイッチ39によって前記回転角度までカム17bが回転したことを検知するとモータ17aを停止する。本体12には、一次電池や二次電池などからなる電源用の電池40(図2)を内蔵している。
錠装置11の本体12の外装カバー21の室内側およびベランダ側となる面には、図2および図3に示すように、リモコン35や非常制御部49からの赤外線信号を本体12内に導くための受光窓53をそれぞれ形成している。このように、本体12の室内側およびベランダ側に受光窓53をそれぞれ形成したので、室内およびベランダのいずれかでリモコン35を操作しても、そのリモコン35からの赤外線信号が受光窓53を介して受光部36に受信される。各受光窓53には、赤外線のみが透過可能な樹脂材54を配置している。
リモコン35には、図9に示すように、赤外線信号を送信(発光)する発光部41と、ギヤ14を回転させてクレセント13を受け金具から外す旨の赤外線信号を送信させるための押ボタン43と、前記押ボタン43の操作に応じて前記赤外線信号を送信させるリモコン制御部45とを有している。リモコン35には、電源用の電池(一次電池や二次電池)を内蔵している。
引違い窓1の近傍であって建物のベランダ側となる外面には、図1および図9に示すように、非常釦(非常スイッチ)47と警報装置48とを配置している。その非常釦47と警報装置48とは、非常釦47の近傍に配置している非常制御部49に接続しており、非常制御部49には、錠装置11の本体12のギヤ14を回転させてクレセント13を受け金具から外す旨の赤外線信号を送信する発光部(発信部)50を有している。その非常制御部49の発光部50は、例えば建物の室内側の壁面に配置しており、当該非常制御部49の発光部50から送信された赤外線信号は、その発光部50を配置している室の錠装置11の本体12のみに受信される。
また、非常制御部49は、非常釦47が押された場合(操作された場合)に警報装置48による報知を行う。例えば警報装置48がベルの場合には、そのベルを鳴らして報知する。非常制御部47および警報装置48は、商用電源(AC100Vなど)または電池(一次電池または二次電池)によって駆動される。警報装置48は、ブザーなどであってもよく、またベルやブザーでの報知とともに警報用のランプを点灯(または点滅)させてもよい。
錠装置11の動作を説明する。まず、施錠された引違い窓1を非常釦47またはリモコン35で開錠する場合について説明する。その場合の引違い窓1は、以下のようにして施錠している。すなわち、クレセント13の規制部23の頭部26を回して、規制部23のカム25のカム山25aをロッド19aのスライド移動方向と直交する方向に向け(図4の状態)、次いでクレセント13のレバー13bを手で掴んで施錠方向へ回転(図10では反時計方向)させる。
すると、そのクレセント13の回転により、クレセント13のクレセントロック部19のロッド19aがギヤ14の筒部14aの係留部14cに嵌まり込んで係留され、それによってギヤ14がクレセント13と同方向(施錠方向)へ回転(同行回転)する。そのギヤ14の回転によって付勢部15のラック15aが上方へスライド移動し、それに伴ってコイルバネ15bが上方へ引っ張られる。そして、レバー13bが上下方向に沿う姿勢(図3の姿勢)までクレセント13を回転させることで、クレセント13の係止部13cが受け金具に係止されるとともに(施錠状態)、ラック15aの切り欠き15dにギヤロック部16の爪16aが係合する(図2の状態)。これによってラック15aが移動不能になって、そのラック15aに噛合するギヤ14がロックされる(回転不能になる)。
前記施錠状態で、例えば非常釦47が押されて、非常制御部49の発光部50から赤外線信号が送信され、その赤外線信号を錠装置11の本体12の受光部36が受信(受光)すると、解除部17のモータ17aが駆動されてカム17bが回転する。そのカム17bの回転によってアーム17cの一端部が時計方向(図2では右方向)へ押され、アーム17cの他端部が、ギヤロック部16の爪16aのピン16cをコイルバネ16bの付勢力に抗して付勢部15のラック15aから離れる方向(図2では左方向)へ押す。
これにより、ギヤロック部16の爪16aが、付勢部15のラック15aから離れる解除位置にスライド移動してラック15aの切り欠き15dから外れ、ギヤロック部16によるギヤ14のロックが解除されて、コイルバネ15bの付勢力によってラック15aが下方へ引っ張られる。すると、ギヤ14がクレセント13を受け金具から外れる開錠方向(図2の時計方向)へ回転し、そのギヤ14にクレセント13が同行回転する。その結果、クレセント13の係止部13cが受け金具から外れて、引違い窓1が開錠される(図10の状態)。その際、警報装置48による報知も同時に行われる。
また、前記施錠状態で、例えばリモコン35の押ボタン43が押されて、リモコン35から赤外線信号が送信され、その赤外線信号を錠装置11の本体12の受光部36が受信すると、解除部17のモータ17aが駆動されて、ギヤ14が前記開錠方向へ回転し、クレセント13の係止部13cが受け金具から外れて引違い窓1が開錠される。
また、引違い窓1を手動で施錠および開錠する場合には、クレセント13の規制部23の頭部26を回して、規制部23のカム25をクレセント13のレバー13bの先端側に向ける(図6の状態)。これにより、クレセント13のレバー13bがギヤ14の係留部14cから外れ、クレセント13を手動で回転させて引違い窓1を施錠または開錠することができる。
このように、非常釦47を押したときには、それに伴ってクレセント13が回転して開錠するので、例えば複数の個室を有する介護施設などにおいて火災が発生した場合に、消防士などが非常釦47を押すことで、前記非常制御部49の発光部50を配置している室の引違い戸1が自動的に開錠する。これにより、前記消防士などは、その引違い戸1を開いて室内に入って住人などを救出することができる。また引違い戸1が自動的に開錠したのちに、住人などが自ら引違い戸1を開いて避難することができる。なお、前記消防士などが、引違い戸1を開錠した室以外の他の室の住人などを救出する場合には、前記引違い戸1を開錠した室に入ったのち、その室から廊下などに出てから前記他の室に入って、当該室の住人などを救出することができる。
前記赤外線信号は、非常制御部49の受信部50を配置した室の錠装置11にしか送信されず、他の室に配置した錠装置11には送信されないので、非常制御部49の受信部50を配置した室の引違い戸1しか開錠しない。従って、いたずらや不正な侵入者によって非常釦47を押されても一つの室の引違い戸1しか開錠せず、これによって前記いたずらや侵入者によって他の室の引違い戸1までも開錠することを防止できる。
加えて警報装置48による報知が行われることで、当該建物の住人や周辺の建物の住人などに、火災などの非常事態であることを知らせることができる。また、いたずらや不正な侵入者によって非常釦47が押されたときにも警報装置48による報知が行われるので、このことがいたずらや不正な侵入者に対する抑止力になる。なお、各室の住人などは、リモコン35を操作することで自己の室の引違い窓1を開錠することができる。
また、クレセント13のカム25のカム山25aをロッド19aのスライド移動方向と直交する方向に向けた状態で、クレセント13を回転させてクレセント13の係止部13cを受け金具に係止させたときには、クレセント13のロッド19aがギヤ14の係留部14cに係留されるとともにギヤ14がロックされるので、例えば侵入者が外部からガラス戸の一部を破壊したのち、その破壊部分から手を室内に差し込んでもクレセント13を回転させることができず、その分だけ防犯性が高まる。
錠装置11の本体12には、モータ17aの作動時に点灯するLED51(図9)と、内蔵ブザー52(図9)とを配置している。錠装置11の本体12の錠制御部38は、例えば電池が容量不足になったときに前記LED51の点滅や内蔵ブザー52の作動などによってその旨を報知することができる。錠制御部38は、所定時間(例えば数秒)ごとにしか作動しないようになっており、リモコン35および非常制御部49は、錠制御部38の作動停止時間よりも長い時間、前記赤外線信号を送信するようになっている。錠制御部38を所定時間ごとにしか作動しないようにしたことで、本体12での消費電力が抑えられる。
前記説明では、モータ17aや電池40などをクレセント13の上側に配置したが、モータ17aや電池40などをクレセント13の下側に配置してもよい。また、クレセント13を回転させて受け金具から外す開錠手段としては、前記説明のもの以外の構成であってもよい。すなわち、例えばクレセント13をモータなどで直接、回転駆動するものであってもよい。
1 引違い窓
3 一方のガラス戸
4 他方のガラス戸
11 錠装置
12 本体
35 リモコン
36 受光部
38 錠制御部
47 非常釦
48 警報装置
49 非常制御部
50 発光部

Claims (3)

  1. 建物の複数の室の開口部にそれぞれ配置している引違い戸(1)に錠装置(11)をそれぞれ配置する錠システムであって、
    前記各引違い戸(1)の一方の戸(3)に錠装置(11)の本体(12)をそれぞれ取り付けており、
    各本体(12)には、各引違い戸(1)の他方の戸(4)にそれぞれ取り付けている受け金具に対して着脱自在に係止されるクレセント(13)と、そのクレセント(13)を回転させて前記受け金具から外す開錠手段と、クレセント(13)の回転を指示する近距離無線信号を受信する受信部(36)と、その受信部(36)で前記近距離無線信号を受信したときにクレセント(13)を回転させる錠制御部(38)とを有していて、リモコン(35)からの前記近距離無線信号を受信部(36)で受信可能になっており、
    建物の外に非常スイッチ(47)を配置していて、その非常スイッチ(47)には非常制御部(49)を接続しており、
    その非常制御部(49)には、前記近距離無線信号を送信するための発信部(50)を有していて、その発信部(50)は、前記複数の室のいずれかの室の室内に配置しており、
    非常制御部(49)は、非常スイッチ(47)での操作に応じて前記近距離無線信号を送信するようになっており、
    前記建物には、非常スイッチ(47)での操作に応じて報知を行う警報装置(48)を設けていることを特徴とする錠システム。
  2. 前記錠装置(11)の本体(12)の受信部(36)は、リモコン(35)を建物の室内または建物の外部のいずれで操作しても、リモコン(35)からの前記近距離無線信号を受信可能になっていることを特徴とする請求項1記載の錠システム。
  3. 前記近距離無線信号が赤外線信号であることを特徴とする請求項1または2記載の錠システム。
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