JP5991150B2 - ボイラシステム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の負荷装置に蒸気を供給するボイラシステムに関する。
従来、要求負荷の変動に基づいてボイラの燃焼状況を制御するボイラシステムとして、複数のボイラの燃焼量を段階的に増減させて蒸気の発生量を制御することで、要求負荷の変動に対する追従性を高めたボイラシステムが知られている。
このようなボイラシステムにおける燃焼制御に関する工夫は、これまで多数なされてきており、例えば、特許文献1には、燃焼している複数のボイラを均等な負荷率で運転させ、また、燃焼しているボイラの台数に変動が生じた場合には、変動後に燃焼している全てのボイラを均等な負荷率で運転させる比例制御ボイラの制御方法が提案されている。
特開平11−132405号公報
ところで、これまでの燃焼制御は、ボイラで生成された蒸気を貯留する蒸気ヘッダの圧力を監視することで要求負荷とボイラ燃焼との調整を図ることが一般的であった。
具体的には、図8(1)を参照して、蒸気ヘッダ6には蒸気圧センサ7が設置されており、この蒸気圧センサ7により目標圧力よりも低い圧力が検知されると、要求負荷(即ち負荷装置A11,A12,A13における蒸気使用量)が増えたと判断し、ボイラ20の燃焼量を増大する。一方、蒸気圧センサ7により目標圧力よりも高い圧力が検知されると、要求負荷が減ったと判断し、ボイラ20の燃焼量を減少する。ボイラシステムにおける燃焼制御では、このような燃焼量の増減により蒸気ヘッダの圧力を目標圧力に維持することとしている。
このとき目標圧力は、負荷装置において蒸気を使用する際に必要となる蒸気圧力(以下「所要圧力」と呼ぶことがある)に蒸気供給に伴う圧力損失などを考慮した安全率を上乗せし設定することで設備設計上の安全性を確保している。
具体的には、図8(1)を参照して、従来のボイラシステムでは、負荷装置A11,A12,A13への供給経路としての蒸気管Lを設け、この蒸気管Lにおける圧力損失を考慮して目標圧力を設定している。
しかしながら、従来のボイラシステムでは、蒸気ヘッダの圧力しか監視していないため、蒸気管Lの圧力損失を適切に管理できていなかった。
例えば、図8(2)を参照して、負荷装置A11へ蒸気を供給する蒸気管L11、負荷装置A12へ蒸気を供給する蒸気管L12、負荷装置A13へ蒸気を供給する蒸気管L13において圧力損失が夫々異なる場合を考える。従来のボイラシステムでは、蒸気管L11,L12,L13のうち例えば最も圧力損失係数の大きい蒸気管を蒸気管Lとした上で、この蒸気管Lに平均的な流量の蒸気を供給した場合の圧力損失を考慮して目標圧力を設定している。なお、説明を容易にするため、蒸気管L11の圧力損失係数が最も小さく、蒸気管L12の圧力損失係数が次に小さく、蒸気管L12の圧力損失係数が最も大きいものとする。
ここで、負荷装置を含めた蒸気システムとして捉えた場合、蒸気を実際に使用する負荷装置に到達した蒸気の圧力を一定に制御することが重要となる。
この点、図8(2)を参照して、負荷装置A11で蒸気を使用する一方、負荷装置A12,A13では蒸気を使用していない状況では、従来の方法で蒸気ヘッダ6の目標圧力を設定すると、蒸気が流通することのない蒸気管L13の圧力損失を考慮した上で目標圧力が設定されることになる。蒸気管L13の圧力損失は蒸気管L11の圧力損失よりも高いため、蒸気ヘッダ6の目標圧力は必要よりも高く設定され、結果、負荷装置A11に到達した蒸気の圧力は負荷装置A11の所要圧力よりも高くなってしまう。
そのため、負荷装置A11でのみ蒸気を使用している状況では、目標圧力を下げボイラを効率的に運転させることが好ましいが、従来の方法では、蒸気の使用の有無に関わらず目標圧力を設定していたため、蒸気を使用する負荷装置に適した圧力の蒸気を供給することができなかった。
そこで、本発明は、蒸気を使用する負荷装置での圧力を一定に制御し、結果、ボイラの効率的な燃焼制御を可能にするボイラシステムを提供することを目的とする。
(1) 段階的な燃焼位置で燃焼可能な複数のボイラと、前記複数のボイラから発生した蒸気を貯留する蒸気ヘッダと、前記蒸気ヘッダに貯留された蒸気の圧力を目標圧力値になるように制御する制御装置と、を備え、圧力損失が夫々異なる供給経路を介して前記蒸気ヘッダから複数の負荷装置に対して蒸気を供給するボイラシステムであって、前記制御装置は、前記複数の負荷装置毎に使用する蒸気の所要圧力を記憶する記憶手段と、前記複数の負荷装置のうち蒸気を使用している蒸気使用負荷装置を特定する使用装置特定手段と、前記蒸気使用負荷装置への供給蒸気量を取得する供給量取得手段と、前記蒸気使用負荷装置に対応する前記供給経路の圧力損失係数及び前記供給蒸気量に基づいて前記蒸気使用負荷装置への蒸気の供給に伴う圧力損失を算出する圧力損失算出手段と、前記蒸気使用負荷装置に対応する前記所要圧力及び前記圧力損失に基づいて、前記目標圧力値を設定する目標値設定手段と、を備えるボイラシステム。
(1)のボイラシステムによれば、蒸気ヘッダには蒸気を使用する蒸気使用負荷装置の所要圧力に対応する目標圧力の蒸気が貯留される。このとき、蒸気ヘッダの目標圧力は、所要圧力に加え蒸気使用負荷装置まで蒸気を供給する際の圧力損失も加味して設定される。蒸気ヘッダから供給される蒸気は、蒸気使用負荷装置に到達するまでの圧力損失により圧力が低下するが、目標圧力自体に圧力損失が加味されているため、蒸気使用負荷装置に到達した蒸気は、当該蒸気使用負荷装置の所要圧力となる。これにより、蒸気を使用する蒸気使用負荷装置での圧力を一定に制御することができる。その結果、蒸気使用と関係のない安全率を考慮し目標圧力を設定する従来の方法に比べ、蒸気ヘッダの圧力を抑えることができ、ボイラを効率的に制御することができる。
(2) 前記供給経路を流れる蒸気の流量を測定する流量計を備え、前記供給量取得手段は、前記流量計が測定した前記流量に基づいて前記供給蒸気量を取得する、(1)に記載のボイラシステム。
(3) 前記記憶手段は、前記複数の負荷装置毎に蒸気使用量を記憶し、前記供給量取得手段は、前記蒸気使用負荷装置に対応する前記蒸気使用量に基づいて前記供給蒸気量を取得する、(1)に記載のボイラシステム。
蒸気使用負荷装置までの圧力損失を算出するための蒸気使用量(流量V)は、(2)のボイラシステムのように流量計により測定することとしてもよく、また、(3)のボイラシステムのように負荷装置毎の蒸気使用量から取得することとしてもよい。
(4) 前記使用装置特定手段は、前記負荷装置からの稼働信号を受信することで前記蒸気使用負荷装置を特定する、請求項1から3のいずれかに記載のボイラシステム。
(5) 前記蒸気ヘッダ及び前記供給経路を接続又は非接続とする送気バルブを更に備え、前記使用装置特定手段は、前記送気バルブにより接続された前記供給経路を介して蒸気が供給される負荷装置を前記蒸気使用負荷装置として特定する、(1)から(3)のいずれかに記載のボイラシステム。
また、蒸気使用負荷装置の特定は、(4)のボイラシステムのように負荷装置からの稼働信号に基づいて行うこととしてもよく、(5)のボイラシステムのように開放された送気バルブの下流に位置する負荷装置を蒸気使用負荷装置として特定することとしてもよい。
(6) 前記目標値設定手段は、蒸気を使用している前記蒸気使用負荷装置が複数存在する場合、前記所要圧力及び前記圧力損失を加算した加算値が最も大きい蒸気使用負荷装置の加算値を前記目標圧力値として設定する、(1)から(5)のいずれかに記載のボイラシステム。
(7) 前記目標値設定手段は、蒸気を使用している前記蒸気使用負荷装置が複数存在する場合、前記所要圧力及び前記圧力損失を加算した加算値が最も小さい蒸気使用負荷装置の加算値を前記目標圧力値として設定する、(1)から(5)のいずれかに記載のボイラシステム。
(8) 前記目標値設定手段は、蒸気を使用している前記蒸気使用負荷装置が複数存在する場合、前記所要圧力及び前記圧力損失を加算した加算値の前記複数の蒸気使用負荷装置における平均値を前記目標圧力値として設定する、(1)から(5)のいずれかに記載のボイラシステム。
また、蒸気使用負荷装置が複数存在する場合には、(6)のボイラシステムのように所要圧力と圧力損失との加算値が最も大きいものを目標圧力として設定することとしてもよく、(7)のボイラシステムのように加算値が最も小さいものを目標圧力として設定することとしてもよく、(8)のボイラシステムのように複数の蒸気使用負荷装置における加算値の平均値を目標圧力として設定することとしてもよい。
本発明によれば、蒸気を使用する負荷装置での圧力を一定に制御し、結果、ボイラの効率的な燃焼制御を可能にするボイラシステムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係るボイラ群の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る各ボイラの燃焼パターン及び優先順位と、蒸気圧制御範囲における蒸気圧帯との関係を示す図である。 制御部の構成を示す機能ブロック図である。 記憶部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るボイラシステムの動作の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るボイラシステムの処理の流れを示すフローチャートである。 従来のボイラシステムの動作の一例を示す模式図である。
以下、本発明のボイラシステムの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。
ボイラシステム1は、複数のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備え、生成した蒸気を負荷装置群Aに対して供給する。
なお、負荷装置群Aは、複数の負荷装置A1,A2,A3(本実施形態では3台)により構成され、蒸気が流通する供給経路としての蒸気管L1,L2を介して蒸気ヘッダ6と接続される。各負荷装置A1,A2,A3は、蒸気ヘッダ6からの蒸気によって運転される設備である。
また、蒸気管L1,L2の夫々は、蒸気ヘッダ6と負荷装置群Aとを接続し、蒸気ヘッダ6から負荷装置群Aに対して蒸気を供給する。具体的には、蒸気管L1は蒸気ヘッダ6から負荷装置A1に対して蒸気を供給する配管であり、蒸気管L2は蒸気ヘッダ6から負荷装置A2,A3に対して蒸気を供給する配管である。なお、図1に示すように蒸気管L2は、途中で蒸気管L2a,L2bに分岐し、蒸気管L2aが負荷装置A2に対して蒸気を供給し、蒸気管L2bが負荷装置A3に対して蒸気を供給する。ここで、蒸気が流通する配管では、配管口径、配管延長、配管形状(曲がり、拡大・縮小など)、バルブ類の有無・個数・形状などといった諸要素により圧力損失係数が異なることが知られており、本実施形態では、蒸気管L1,L2a,L2bの夫々で圧力損失係数が異なることとする。
ボイラ群2は、複数のボイラ20(本実施形態では3台)により構成され、負荷装置群Aに供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管L1,L2を介して負荷装置群Aに接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を負荷装置群Aに供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御装置3は、信号線14を介して、複数のボイラ20と電気的に接続されている。この台数制御装置3は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧に基づいて、各ボイラ20の燃焼状態を制御する。台数制御装置3の詳細については、後述する。
以上のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、負荷装置群Aに供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、負荷装置群Aにおける蒸気使用量である。台数制御装置3は、この蒸気使用量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量を制御する。
具体的には、負荷装置群Aの需要の増大により要求負荷(蒸気使用量)が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、負荷装置群Aの需要の低下により要求負荷(蒸気使用量)が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。従って、ボイラシステム1は、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、ボイラシステム1は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、負荷装置群Aの蒸気使用量(要求負荷)に応じて必要とされる蒸発量である必要蒸発量を算出し、各ボイラ20の燃焼量を制御する。本実施形態のボイラシステム1では、要求負荷に応じた目標圧力を設定しておき、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧が目標圧力よりも低い場合に各ボイラの燃焼量を増大させ、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧が目標圧力よりも高い場合に各ボイラの燃焼量を減少させることで、燃焼量の制御を行う。
ここで、本実施形態のボイラシステム1を構成する複数のボイラ20について説明する。図2は、本実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
本実施形態のボイラ20は、複数の段階的な燃焼位置を有する段階値制御ボイラからなる。段階値制御ボイラとは、燃焼を選択的にオン/オフしたり、炎の大きさを調整したりすることなどにより燃焼量を制御して、選択された燃焼位置に応じて燃焼量を段階的に増減可能なボイラである。
ボイラ20の各燃焼位置における燃焼量は、制御対象とされる蒸気ヘッダ6における蒸気圧と目標圧力との差に対応する量の蒸気を発生するように設定されている。段階値制御ボイラからなる3台のボイラ20においては、夫々、各燃焼位置における燃焼量及び燃焼能力は、等しく設定されていてもよく、あるいは、異なって設定されていてもよい。
本実施形態におけるボイラ20は、図2に示すように、燃焼停止位置(0%)、低位燃焼位置としての低燃焼位置(20%)、ベース燃焼位置としての中燃焼位置(60%)、及び高位燃焼位置としての高燃焼位置(100%)の4段階の燃焼位置で燃焼可能とされるいわゆる4位置制御のボイラ20により構成される。この場合、例えば、一台のボイラ20の高燃焼位置における燃料状態(高燃焼状態)の燃焼量が3000kg/hであった場合、中燃焼位置における燃焼量は1800kg/hとなり、低燃焼位置における燃焼量は600kg/hとなる。
尚、N位置制御とは、段階値制御ボイラの燃焼量を、燃焼停止位置を含めてN位置に段階的に制御可能なことを表す。燃焼位置の個数は、3位置(燃焼停止位置、低燃焼位置、及び高燃焼位置)、又は5位置以上でもよい。
以上のボイラ群2には、各ボイラ20とその各燃焼位置との組み合わせからなる複数の燃焼パターンが設定されている。図3は、本実施形態に係る各ボイラ20の燃焼パターン及び優先順位と、蒸気圧制御範囲における蒸気圧帯との関係を示す図である。
本実施形態においては、図3に示すように、燃焼パターンは、ボイラを高燃焼位置で燃焼させる状態(高燃焼状態)にする場合を「H」、中燃焼位置で燃焼させる状態(中燃焼状態)にする場合を「M」、低燃焼位置で燃焼させる状態(低燃焼状態)にする場合を「L」、燃焼停止状態にする場合を「−」として示す。
燃焼パターンは、要求負荷が小さくなるほど、つまり蒸気圧センサ7にて検出される蒸気圧が目標圧力よりも高くなるほど燃焼量が小さいパターンが選択される。また、要求負荷が大きくなるほど、つまり蒸気圧が目標圧力よりも低くなるほど燃焼量が大きいパターンが選択される。図3に示すように、本実施形態では、蒸気圧制御範囲は、a〜jの10つの蒸気圧帯に区分される。そして、ボイラシステム1は、蒸気圧帯毎に、対応する燃焼パターン、即ち、燃焼状態(燃焼位置)を設定しておき、蒸気圧がどの圧力帯に対応するかによって燃焼量を決定する。燃焼パターンは、10の蒸気圧帯に対応して、10パターン設定される。
より具体的には、図3に示すように、最上位の蒸気圧帯a(要求負荷が小さい場合)においては、すべてのボイラ20が燃焼停止位置(−)に位置し、最下位の蒸気圧帯j(要求負荷が大きい場合)においては、すべてのボイラ20が高燃焼位置(H)に位置する。
複数のボイラ20には、夫々優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示を行うボイラを選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2及び図3に示すように、ボイラ20の1号機〜3号機の夫々に「1」〜「3」の優先順位が割り当てられている場合、1号機の優先順位が最も高く、3号機の優先順位が最も低い。この優先順位は、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
本実施形態では、図3に示すように、最上位の蒸気圧帯aから最下位の蒸気圧帯jに向けて低下していく場合、通常の制御においては、最も優先順位が高いボイラ(ここでは1号ボイラ)が燃焼停止状態(−)から低燃焼状態(L)に変更された後に、次に順位が高いボイラ(ここでは2号ボイラ)が燃焼停止状態(−)から低燃焼状態(L)に変更される。そして、すべてのボイラ20が低燃焼状態(L)に変更された後、最も優先順位が高いボイラ20(ここでは1号ボイラ)から順に中燃焼状態(M)に変更される。また、すべてのボイラ20が中燃焼位置(M)に変更された後に、最も優先順位の高いボイラから順に高燃焼位置(H)に変更される。
次に、本実施形態のボイラシステム1による複数のボイラ20の燃焼状態の制御の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号と目標圧力とを比較することで、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼位置(燃焼状態)を算出し、各ボイラ20(後述のローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態などの情報、複数のボイラ20の燃焼パターンの設定条件などの情報、複数のボイラ20の優先順位の設定の情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報などを記憶する。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、3台のボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
ボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を備える。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
以上のように、ボイラシステム1では蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が目標圧力となるように複数のボイラ20の燃焼状態を制御するところ、本実施形態では、この目標圧力の設定方法に特徴を有している。即ち、本実施形態では、複数の負荷装置A1,A2,A3のうち実際に蒸気を使用する負荷装置(以下「蒸気使用負荷装置」と呼ぶことがある)に着目し、この蒸気使用負荷装置に到着した蒸気の圧力が蒸気使用負荷装置の所要圧力と一致するように目標圧力を設定する。具体的には、蒸気使用負荷装置の所要圧力に、蒸気使用負荷装置に到達するまでに蒸気管の性質により損失する圧力(圧力損失)を考慮して目標圧力を設定する((1)式参照)。
Figure 0005991150
TP:目標圧力
P:蒸気使用負荷装置の所要圧力
ΔP:蒸気使用負荷装置までの圧力損失
このように、実際に蒸気を使用する蒸気使用負荷装置に着目して設定した目標圧力TPに従いボイラ20の燃焼状態を制御することで、蒸気使用負荷装置に到達した蒸気の圧力を一定(所要圧力P)に制御することができる。
ここで、所要圧力Pは、負荷装置A1,A2,A3毎に固定的に決めることができるため、予め所定のテーブルに記憶しておくことができる。一方、圧力損失ΔPは、蒸気管の圧力損失係数や蒸気管を流通する蒸気の流速により決められる。この点、蒸気管の圧力損失係数は、蒸気管の材質、口径、延長などにより固定的に決めることができるため、予め所定のテーブルに記憶しておくことができる。なお、説明を容易にするため、本実施形態では、圧力損失係数に、蒸気管の性質により決まる係数に加え、蒸気の流量(供給蒸気量)から蒸気の流速を算出するための係数も含むものとする。その結果、圧力損失ΔPは、以下の(2)式により算出することができる。
Figure 0005991150
C:蒸気使用負荷装置に接続する蒸気管の圧力損失係数
V:蒸気使用負荷装置に接続する蒸気管を流通する蒸気の流量
そこで、本実施形態では、蒸気が流通する蒸気管内の流量Vを取得することで、蒸気使用負荷装置に着目した目標圧力TPを設定することとしている。なお、本実施形態では、以下の(A)〜(C)の方法のいずれか又は2以上の組み合わせにより流量Vを取得することとしている。(A)〜(C)の方法の組み合わせとしては、夫々の方法により取得された流量Vの平均値を採用することとしてもよく、また、夫々の方法に優先順位を持たせておき優先順位の高い流量Vを採用することとしてもよく、また、夫々の方法により取得された流量Vに対して所定の重み付けをした加重平均値を採用することとしてもよい。
(A)蒸気流量計出力信号を用いた流量Vの取得
図1に示すように、蒸気管L1,L2に蒸気の流量を測定する蒸気流量計31a,31bを設置し、信号線15を介して台数制御装置3と電気的に接続する。そして、信号線15を介して蒸気流量計31a,31bから台数制御装置3に対して出力信号を送信する構成とすることで、台数制御装置3において蒸気使用負荷装置への流量Vを取得することができる。
(B)負荷装置の稼働信号を用いた流量Vの取得
図1に示すように、負荷装置A1,A2,A3の夫々に稼働中/停止中を検知する稼働検知スイッチ32a,32b,32cを設置し、信号線16を介して台数制御装置3と電気的に接続する。そして、信号線16を介して稼働検知スイッチ32a,32b,32cから台数制御装置3に対して稼働信号を送信する構成とすることで、台数制御装置3において蒸気使用負荷装置を特定することができる。蒸気使用量は、負荷装置毎に固定的に決めることができるため、予め所定のテーブルに負荷装置毎の蒸気使用量を記憶しておき、稼働信号に基づいて特定した蒸気使用負荷装置の蒸気使用量を取得することで、台数制御装置3において蒸気使用負荷装置への流量V(=蒸気使用量)を取得することができる。
なお、稼働検知スイッチ32a,32b,32cが、負荷装置A1,A2,A3の稼働率も検知可能であれば、100%稼働時の蒸気使用量に稼働率を乗算することでより正確な蒸気使用量(流量V)を取得することができる。
また、負荷装置A2,A3のように同じ蒸気管L2を共有する場合において、負荷装置A2,A3の稼働が検知された場合には、負荷装置A2の蒸気使用量と負荷装置A3の蒸気使用量とを夫々流量V1,V2として取得することとしてもよく、また、負荷装置A2の蒸気使用量と負荷装置A3の蒸気使用量とを合算した値を流量Vとして取得することとしてもよい。蒸気管を共有する場合における流量Vの取得方法は、蒸気管の分岐位置や分岐後の蒸気管における圧力損失係数の相違に応じて予め設定しておくことが好ましい。
なお、稼働検知スイッチ32a,32b,32cが、負荷装置A1,A2,A3における熱交換量を検知可能であれば、熱交換量から蒸気使用量を推定する構成としてもよい。
(C)送気バルブの開閉信号を用いた流量Vの取得
図1に示すように、蒸気ヘッダ6から蒸気管L1,L2への蒸気供給を制御する送気バルブ33a,33bを、信号線17を介して台数制御装置3と電気的に接続する。そして、信号線17を介して送気バルブ33a,33bから台数制御装置に対して開閉信号を送信する構成とすることで、台数制御装置3において蒸気ヘッダ6から蒸気を供給している蒸気管の種別(即ち、蒸気ヘッダ6と蒸気管L1,L2との接続の有無)を特定することができる。送気バルブが開放されている蒸気管には蒸気が供給されるため、開放されている送気バルブの下流にある負荷装置が蒸気使用負荷装置となる。そこで、予め所定のテーブルに記憶した負荷装置毎の蒸気使用量を用いて、開閉信号により開放されていると特定された送気バルブの下流にある負荷装置(蒸気使用負荷装置)の蒸気使用量を取得することで、台数制御装置3において蒸気使用負荷装置への流量V(=蒸気使用量)を取得することができる。
なお、蒸気管L2a,L2bのように同じ蒸気管L2から分岐する場合には、分岐を制御する送気バルブ33c,33dの開閉信号を用いて蒸気使用負荷装置を特定することが好ましい。即ち、送気バルブ33b,33cが開放されている場合には、負荷装置A2が蒸気使用負荷装置として特定され、送気バルブ33b,33dが開放されている場合には、負荷装置A3が蒸気使用負荷装置として特定される。また、送気バルブ33b,33c,33dが開放されている場合には、負荷装置A2,A3が蒸気使用負荷装置として特定される。
以上、目標圧力TPを設定するための流量Vの取得方法について説明した。続いて、図4を参照して、流量Vの取得及び目標圧力TPの設定を実現するための台数制御装置3の機能的構成について説明する。
台数制御装置3の制御部4は、使用装置特定手段41と、供給量取得手段42と、圧力損失算出手段43と、目標値設定手段44と、を含んで構成される。また、台数制御装置3の記憶部5には、負荷装置A1,A2,A3における蒸気の所要圧力Pと、蒸気ヘッダ6から負荷装置A1,A2,A3までを接続する蒸気管L1,L2a,L2bの圧力損失係数Cと、が少なくとも記憶される。なお、上記(B)(C)の方法により流量Vを取得する場合には、記憶部5に負荷装置A1,A2,A3の蒸気使用量を記憶することとが好ましい。
使用装置特定手段41は、負荷装置A1,A2,A3のうち蒸気を使用している蒸気使用負荷装置を特定する。一例として、使用装置特定手段41は、蒸気流量計31a,31bから受信した出力信号に基づいて蒸気が流入している蒸気管L1,L2の下流に位置する負荷装置A1,A2,A3を蒸気使用負荷装置として特定する。また、使用装置特定手段41は、稼働検知スイッチ32a,32b,32cからの稼働信号や、送気バルブ33a,33b,33c,33dからの開閉信号に基づいて蒸気使用負荷装置を特定することとしてもよい。
供給量取得手段42は、蒸気管L1,L2a,L2bを介して蒸気使用負荷装置に供給される蒸気の供給量(流量V)を取得する。流量Vの取得方法については、上述の通りであり、供給量取得手段42は、蒸気流量計31a,31bから受信した出力信号や、特定した蒸気使用負荷装置に対応する蒸気使用量に基づいて流量Vを取得する。
圧力損失算出手段43は、蒸気ヘッダ6から蒸気使用負荷装置までを接続する蒸気管の圧力損失係数C及び流量Vに基づいて、蒸気使用負荷装置への蒸気の供給に伴う圧力損失ΔPを算出する。具体的には、圧力損失算出手段43は、上記(2)式に従い圧力損失ΔPを算出する。
目標値設定手段44は、蒸気使用負荷装置の所要圧力P及び圧力損失ΔPに基づいて、目標圧力TPを設定する。即ち、目標値設定手段44は、上記(1)式に従い目標圧力TPを設定する。なお、目標値設定手段44による目標圧力TPの設定の具体例については、図6で後述する。
目標圧力TPが設定されると、台数制御装置3の制御部4は、図3で説明した制御方法に従い、複数のボイラ20の燃焼状態を制御することで、蒸気ヘッダ6の圧力を目標圧力TPとなるように制御する。
続いて、記憶部5について説明する。図5は、記憶部5に記憶される情報の一例を示す図である。これまで説明したように、記憶部5には、負荷装置A1,A2,A3毎の所要圧力に加え、負荷装置A1,A2,A3に対応する蒸気管L1,L2a,L2b毎の圧力損失係数が少なくとも記憶され、必要に応じて負荷装置A1,A2,A3毎の蒸気使用量が記憶される。
なお、図5では、理解を容易にするため負荷装置A1,A2,A3を100%で稼働した場合の圧力損失についても記憶部5に記憶することとしている。図5によると、蒸気ヘッダ6から負荷装置A1に蒸気が到達するまで0.20MPaの圧力が損失し、蒸気ヘッダ6から負荷装置A2に蒸気が到達するまで0.16MPaの圧力が損失し、蒸気ヘッダ6から負荷装置A3に蒸気が到達するまで0.15MPaの圧力が損失する。
続いて、図6を参照して目標圧力TPの設定の具体例について説明する。
図6(1)を参照して、負荷装置A1で蒸気を使用しており、負荷装置A2,A3で蒸気を使用していない場合、負荷装置A1が蒸気使用負荷装置となる。図5を参照すると、負荷装置A1の所要圧力Pは1.50MPaであり、圧力損失ΔPは0.20MPaであるため、目標圧力TPは1.70MPa(1.50MPa+0.20MPa)となる。その結果、台数制御装置3の制御部4は、蒸気ヘッダ6の圧力が1.70MPaとなるようにボイラ20の燃焼状態を制御する。
図6(2)を参照して、負荷装置A2で蒸気を使用しており、負荷装置A1,A3で蒸気を使用していない場合、負荷装置A2が蒸気使用負荷装置となる。図5を参照すると、負荷装置A1の所要圧力Pは1.51MPaであり、圧力損失ΔPは0.16MPaであるため、目標圧力TPは1.67MPa(1.51MPa+0.16MPa)となる。その結果、台数制御装置3の制御部4は、蒸気ヘッダ6の圧力が1.67MPaとなるようにボイラ20の燃焼状態を制御する。
このように本実施形態のボイラシステム1では、実際に蒸気を使用する負荷装置に到達する際の蒸気の圧力が一定となるように、目標圧力TPが設定されボイラ20の燃焼状態を制御する。これにより、負荷装置(蒸気使用負荷装置)では、理想的な蒸気を使用することができ、ユーザの利便性を高めることができる。また、目標圧力TPが低くなる負荷装置が蒸気使用負荷装置である場合には、蒸気ヘッダ6の圧力を必要以上に高める必要がなく、ボイラ20の燃焼を抑えることができ、ボイラ20を効率的に運転させることができる。
続いて、蒸気使用負荷装置が複数存在する場合の目標圧力TPの設定について説明する。複数の蒸気使用負荷装置において上記(1)で算出される値(P+ΔP)が夫々同一である場合には、その値を目標圧力TPとして設定することで足りる一方で、夫々の値(P+ΔP)が異なる場合には、以下の(a)〜(d)のいずれかにより目標圧力TPを設定する。
(a)P+ΔPが最も高い値を目標圧力TPとして設定
図6(3)を参照して、負荷装置A1,A3が蒸気使用負荷装置であり、負荷装置A1について上記(1)式で算出される値は1.70MPaである一方、負荷装置A3について上記(1)式で算出される値は1.65MPaであるとする。この場合、最も高い1.70MPaを目標圧力TPとして設定する。このような(a)の設定方法によれば、複数の蒸気使用負荷装置のいずれに対しても十分な圧力を確保できる一方で、P+ΔPが低い蒸気使用負荷装置に対しては圧力過剰になってしまう。
(b)P+ΔPが最も低い値を目標圧力TPとして設定
図6(3)を参照して、P+ΔPにより算出される値は、負荷装置A1(1.70MPa)、負荷装置A3(1.65MPa)であるため、最も低い1.65MPaを目標圧力TPとして設定する。このような(b)の設定方法によれば、ボイラ20の燃焼を抑えることができる一方で、P+ΔPが高い蒸気使用負荷装置に対しては圧力不足になってしまう。
(c)P+ΔPの平均値を目標圧力TPとして設定
図6(3)を参照して、P+ΔPにより算出される値は、負荷装置A1(1.70MPa)、負荷装置A3(1.65MPa)であり、平均値が1.675MPaとなるため、1.675MPaを目標圧力TPとして設定する。このような(c)の設定方法によれば、圧力過剰や圧力不足を軽減させることができる。なお、平均値としては、重み付けした加重平均値を採用することとしてもよく、また、平均値以外にもモード(最頻値)、メジアン(中央値)、標準偏差など様々な値を採用することとしてもよい。
(d)優先順位の高い負荷装置のP+ΔPを目標圧力TPとして設定
負荷装置毎に優先順位を予め設定しておき、最も優先順位の高い蒸気使用負荷装置のP+ΔPにより算出される値を、目標圧力TPとして設定する。なお、優先順位は任意に設定することとしてよく、例えば蒸気使用量の多い負荷装置が高い優先順位となるように設定してもよく、また、蒸気の使用目的に応じて優先順位を設定することとしてもよく、また、減圧弁などにより圧力の調整が可能である場合には減圧弁の有無や設置し易さなどに応じて優先順位を設定することとしてもよい。
以上(a)〜(d)の設定方法について説明したが、(a)〜(d)を組み合わせて適用することとしてもよい。このとき、組み合わせて適用するための条件として、複数の蒸気使用負荷装置におけるP+ΔPにより算出される値の乖離量を用いることとしてもよい。一例として、P+ΔPにより算出される値の乖離が所定未満である場合には(b)の設定方法(最小値)により目標圧力TPを設定し、所定以上である場合には(a)の設定方法(最大値)により目標圧力TPを設定する。このような設定によれば、乖離が小さい場合に(b)の設定方法(最小値)を採用するため圧力不足を抑えることができる。一方で、乖離が大きい場合に(a)の設定方法(最大値)を採用するため圧力過剰が大きくなってしまうものの、減圧弁などにより圧力調整を行うことで圧力過剰に対して対応することができる。
次に、図7を参照して、本実施形態のボイラシステム1の動作について説明する。
初めに、ステップST1において制御部4(使用装置特定手段41)は、信号線を介して受信した所定の信号に基づいて、蒸気を使用している負荷装置、即ち蒸気使用負荷装置を特定する。
続いて、ステップST1において制御部4(供給量取得手段42)は、特定した蒸気流量計31a,31bから受信した出力信号や、特定した蒸気使用負荷装置に対応付けて記憶する蒸気使用量に基づいて、蒸気使用負荷装置に対して蒸気を供給する蒸気管を流れる蒸気の流量Vを取得する。
続いて、ステップST3において制御部4(圧力損失算出手段43)は、上記(2)式に従い、蒸気が流れている蒸気管の圧力損失係数Cと流量Vとから圧力損失ΔPを算出する。
続いて、ステップST4において制御部4(目標値設定手段44)は、上記(1)式に従い、蒸気使用負荷装置の所要圧力Pに圧力損失ΔPを加算する。続いて、ステップST5において制御部4(目標値設定手段44)は、加算結果に基づいて目標圧力TPを設定する。このとき蒸気使用負荷装置が1つである場合には、加算結果が目標圧力TPとなり、蒸気使用負荷装置が2つ以上である場合には、上記(a)〜(d)の設定方法により目標圧力TPを設定する。
続いて、ステップST4において制御部4は、設定した目標圧力TPに基づいて、複数のボイラ20の燃焼状態を制御し、蒸気ヘッダ6の圧力を調整する。
以上、本発明のボイラシステム1の実施形態について説明した。このようなボイラシステム1によれば、蒸気ヘッダ6には蒸気を使用する蒸気使用負荷装置の所要圧力Pに対応する圧力の蒸気が貯留される。特に、蒸気ヘッダ6には、所要圧力Pに蒸気使用負荷装置までの圧力損失ΔPを加算した目標圧力TPの蒸気が貯留されるため、蒸気ヘッダ6から供給される蒸気は、蒸気使用負荷装置に到達するまでの圧力損失により圧力が低下したとしても、蒸気使用負荷装置に到達した時点で当該蒸気使用負荷装置の所要圧力Pとなる。これにより、蒸気を使用する蒸気使用負荷装置での圧力を一定に制御することができる。その結果、従来のように必要以上に高い安全率を考慮し目標圧力を設定する方法に比べ、蒸気ヘッダ6の圧力を抑えることができ、ボイラを効率的に制御することができる。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、複数のボイラ20を、段階値制御ボイラにより構成したが、これに限らない。即ち、複数のボイラを、負荷率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラにより構成してもよい。
1…ボイラシステム、2…ボイラ群、3…台数制御装置、4…制御部、41…使用装置特定手段、42…供給量取得手段、43…圧力損失算出手段、44…目標値設定手段、A…負荷装置群、L1、L2…蒸気管、TP…目標圧力、P…所要圧力、ΔP…圧力損失、V…流量(供給蒸気量)

Claims (8)

  1. 段階的な燃焼位置で燃焼可能な複数のボイラと、前記複数のボイラから発生した蒸気を貯留する蒸気ヘッダと、前記蒸気ヘッダに貯留された蒸気の圧力を目標圧力値になるように制御する制御装置と、を備え、圧力損失が夫々異なる供給経路を介して前記蒸気ヘッダから複数の負荷装置に対して蒸気を供給するボイラシステムであって、
    前記制御装置は、
    前記複数の負荷装置毎に使用する蒸気の所要圧力を記憶する記憶手段と、
    前記複数の負荷装置のうち蒸気を使用している蒸気使用負荷装置を特定する使用装置特定手段と、
    前記蒸気使用負荷装置への供給蒸気量を取得する供給量取得手段と、
    前記蒸気使用負荷装置に対応する前記供給経路の圧力損失係数及び前記供給蒸気量に基づいて前記蒸気使用負荷装置への蒸気の供給に伴う圧力損失を算出する圧力損失算出手段と、
    前記蒸気使用負荷装置に対応する前記所要圧力及び前記圧力損失に基づいて、前記目標圧力値を設定する目標値設定手段と、
    を備えるボイラシステム。
  2. 前記供給経路を流れる蒸気の流量を測定する流量計を備え、
    前記供給量取得手段は、前記流量計が測定した前記流量に基づいて前記供給蒸気量を取得する、
    請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記記憶手段は、前記複数の負荷装置毎に蒸気使用量を記憶し、
    前記供給量取得手段は、前記蒸気使用負荷装置に対応する前記蒸気使用量に基づいて前記供給蒸気量を取得する、
    請求項1に記載のボイラシステム。
  4. 前記使用装置特定手段は、前記負荷装置からの稼働信号を受信することで前記蒸気使用負荷装置を特定する、
    請求項1から3のいずれかに記載のボイラシステム。
  5. 前記蒸気ヘッダ及び前記供給経路を接続又は非接続とする送気バルブを更に備え、
    前記使用装置特定手段は、前記送気バルブにより接続された前記供給経路を介して蒸気が供給される負荷装置を前記蒸気使用負荷装置として特定する、
    請求項1から3のいずれかに記載のボイラシステム。
  6. 前記目標値設定手段は、蒸気を使用している前記蒸気使用負荷装置が複数存在する場合、前記所要圧力及び前記圧力損失を加算した加算値が最も大きい蒸気使用負荷装置の加算値を前記目標圧力値として設定する、
    請求項1から5のいずれかに記載のボイラシステム。
  7. 前記目標値設定手段は、蒸気を使用している前記蒸気使用負荷装置が複数存在する場合、前記所要圧力及び前記圧力損失を加算した加算値が最も小さい蒸気使用負荷装置の加算値を前記目標圧力値として設定する、
    請求項1から5のいずれかに記載のボイラシステム。
  8. 前記目標値設定手段は、蒸気を使用している前記蒸気使用負荷装置が複数存在する場合、前記所要圧力及び前記圧力損失を加算した加算値の前記複数の蒸気使用負荷装置における平均値を前記目標圧力値として設定する、
    請求項1から5のいずれかに記載のボイラシステム。
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