以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である、電源系統図および電源シーケンス図の設計支援装置(以下、単に「設計支援装置」と称する)100の全体構成図である。
設計支援装置100は、記憶部10〜13および20と、データ入力部30と、作成部40と、出力部50と、アラーム通知部60と、を含む。記憶部10〜13および20は、個別に設けられてもよいし、1つの記憶部が記憶部10〜13および20を兼用してもよい。作成部40は、電源系統図作成部41と、電源シーケンス図作成部42と、を含む。なお、本実施形態では、作成部40として、コンピュータ(例えば、演算処理装置、プロセッサ、データ処理装置)が用いられる。
記憶部10〜13および20は、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体の一例であり、例えば、メモリやHDDである。
記憶部10は、部品シンボル形状ライブラリを格納する。部品シンボル形状ライブラリには、電源系統図を構成する複数の部品(デバイス)を表す図(以下「部品シンボル」と称する)が登録され、格納されている。なお、部品シンボルは、デバイスシンボルの一例である。
記憶部11は、電源系統図データ・ライブラリを格納する。電源系統図データ・ライブラリには、設計支援装置100で作成された電源系統図が登録され、格納されている。
記憶部12は、シーケンス・シンボル形状ライブラリを格納する。シーケンス・シンボル形状ライブラリには、電源シーケンス図を構成するタイミング図の雛形となるシーケンス・シンボルが登録され、格納されている。
記憶部13は、電源シーケンス図データ・ライブラリを格納する。電源シーケンス図データ・ライブラリには、設計支援装置100で作成された電源シーケンス図が登録され、格納されている。
記憶部20は、設計支援プログラムを格納する。設計支援プログラムは、設計者による電源系統図、電源シーケンス図の作成を設計支援するプログラムであり、作成部40に読み込まれ、電源系統図作成部41および電源シーケンス図作成部42の動作を制御し、電源系統図および電源シーケンス図の作成支援の処理を実行する。
データ入力部30は、受付手段の一例であり、例えば、キーボードまたはマウスである。
データ入力部30は、電源系統図および電源シーケンス図を作成するのに必要な情報をユーザー(設計者)が入力する際に使用される。
データ入力部30は、例えば、複数の部品シンボルの位置関係を特定するための位置関係情報と、複数の部品シンボルの接続関係を特定するための接続関係情報と、複数の部品シンボルへの電源投入順または電源切断順を特定するための順番情報と、複数の部品シンボルの各々の動作応答時間(立上り時間や立下り時間)を特定するための動作時間情報と、複数の部品シンボルの動作間隔時間(タイミング時間間隔)を特定するための動作間隔情報と、を受け付ける。
作成部40は、データ入力部30が受け付けた各情報に基づいて、部品シンボル形状ライブラリ、電源系統図データ・ライブラリ、シーケンス・シンボル形状ライブラリ、電源シーケンス図データ・ライブラリを用いながら、電源系統図および電源シーケンス図を作成する。
電源系統図作成部41は、第1作成手段の一例である。
電源系統図作成部41は、部品シンボル形状ライブラリと電源系統図データ・ライブラリを用いながら、位置関係情報にて特定される位置関係に従って、部品シンボル形状ライブラリ内の複数の部品シンボルをコンピュータ上の仮想空間に配置し、接続関係情報にて特定される接続関係に従って複数の部品シンボルを接続することで、複数の部品シンボルに関する電源系統図を作成する。電源系統図作成部41は、電源系統図を電源系統図データ・ライブラリに格納する。
電源シーケンス図作成部42は、第2作成手段の一例である。
電源シーケンス図作成部42は、電源系統図データ・ライブラリとシーケンス・シンボル形状ライブラリと電源シーケンス図データ・ライブラリとを用いながら、順番情報、動作時間情報および動作間隔情報に基づいて、電源系統図内の複数の部品シンボルの各々に対応づけて、部品シンボルの動作タイミングを表すタイミング図を作成し、複数のタイミング図を用いて電源シーケンス図を作成する。本実施形態では、電源シーケンス図作成部42は、電源系統図内の複数の部品シンボルの各々に対応づけて、シーケンス・シンボル形状ライブラリ内のシーケンス・シンボルを順番情報に基づいて電源系統図に配置し、そのシーケンス・シンボルの形状を動作時間情報に基づいて変更し、またシーケンス・シンボル間の相対位置を動作間隔情報に基づいて変更して、タイミング図を作成する。電源シーケンス図作成部42は、電源シーケンス図を電源シーケンス図データ・ライブラリに格納する。
出力部50は、表示手段の一例であり、例えば、ディスプレイとプリンタとを含む。
出力部50は、電源系統図と電源シーケンス図とを出力(表示や印刷)する。また、出力部50は、電源シーケンス図を構成するタイミング図を、電源系統図内の複数の部品シンボルのうち、該タイミング図に対応する部品シンボル(以下「対応部品シンボル」とも称する)に関連づけて表示する。なお、対応部品シンボルは、対応デバイスシンボルの一例である。
アラーム通知部60は、アラーム手段の一例である。
アラーム通知部60は、アラームを通知する。なお、出力部50が、アラーム通知部60を兼ねてもよい。
次に、動作を説明する。
図2は、設計支援装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザーは、データ入力部30を操作して、電源系統図に使用する部品シンボルの配置を指示する。
データ入力部30は、ユーザーからの配置指示(電源系統図に使用する部品シンボルの配置)を、電源系統図作成部41に出力する。なお、配置指示は、位置関係情報の一例である。
電源系統図作成部41は、データ入力部30からの配置指示に応じて、部品シンボル形状ライブラリ内の部品シンボルを配置指示にて指示された位置に配置した画面を出力部50に表示する(ステップS1)。
次に、ユーザーは、データ入力部30を操作して、部品シンボルの出力端子と、その出力端子の接続先となる部品シンボルの入力端子と、の間の接続を指示する。
データ入力部30は、ユーザーからの接続指示(部品シンボルの出力端子と、接続先の部品シンボルの入力端子と、の間の接続)を、電源系統図作成部41に出力する(ステップS2)。なお、接続指示は、接続関係情報の一例である。
電源系統図作成部41は、データ入力部30からの接続指示に応じて、部品シンボルの出力端子と、接続先の部品シンボルの入力端子と、の間の接続を出力部50の画面上で行って、電源系統図を生成する。続いて、電源系統図作成部41は、電源系統図を、出力部50に表示する(ステップS3)。
次に、ユーザーは、データ入力部30を操作して、電源系統図内の部品シンボルのうち、電源の負荷となる部品シンボル(以下「負荷部品シンボル」とも称する)の入力端子に対して、電源投入/切断のシーケンス番号を付与する指示を入力する。なお、負荷部品シンボルは、負荷デバイスシンボルの一例である。また、電源投入/切断のシーケンス番号は、電源投入順または電源切断順を表す情報(順番情報)の一例である。
データ入力部30は、ユーザーからの付与指示(負荷部品シンボルの入力端子に対して、電源投入/切断のシーケンス番号を付与)を、電源シーケンス図作成部42に出力する(ステップS4)。
電源シーケンス図作成部42は、データ入力部30からの付与指示に応じて、電源系統図内の負荷部品シンボルの入力端子に対して、電源投入/切断のシーケンス番号を付与する。
その後、電源シーケンス図作成部42は、電源投入/切断のシーケンス番号が付与された電源系統図に基づいて電源シーケンス図を作成し、電源シーケンス図を、出力部50に表示する(ステップS5)。
本実施形態では、ステップS5に関し、電源シーケンス図作成部42が、特に、電源系統図の電源部品のシンボルの入力端子/出力端子の表示位置と対応づけて電源投入/切断シーケンス図を生成し、出力部50に表示する。
図3は、電源シーケンス図の生成および表示に関する動作(ステップS5)を説明するためのフローチャートである
また、図4A〜図4Fに、電源系統図および電源シーケンス図(タイミング図)の表示例を示す。
図3を参照して、まず、電源シーケンス図作成部42は、電源投入/切断のシーケンス番号が付与された電源系統図を参照して、電源系統図に配置された全ての部品シンボルの入力端子および出力端子の座標データ、入力端子と出力端子間の接続関係データ、電源負荷となる部品シンボルの入力端子の電源投入/切断シーケンス番号を読み込む(ステップS10)。
ここで、ステップS10について、図4Aおよび図4Bを参照して説明する。
図4Aを参照すると、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V”の出力端子座標、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“12V→1.8V”、“1.8V→0.9V”の入力端子座標および出力端子座標、および、部品シンボル“A”、“B”、“C”、“D”の入力端子座標を読み込む。
また、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V”の出力端子と、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“12V→1.8V”、“D”の入力端子との接続関係、部品シンボル“12V→5V”の出力端子と部品シンボル“A”の入力端子との接続関係、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子と部品シンボル“A”、“B”の入力端子との接続関係、部品シンボル“12V→1.8V”の出力端子と部品シンボル“1.8V→0.9V”の入力端子との接続関係、部品シンボル“1.8V→0.9V”の出力端子と部品シンボル“C”の入力端子との接続関係を読み込む。
更に、図4Bを参照すると、電源シーケンス図作成部42は、電源負荷となる部品シンボル“A”、“B”、“C”、“D”の入力端子の電源投入/切断する際のシーケンス番号「1」〜「4」を読み込む。
次に、再び図3を参照し、ステップS10が終了すると、電源シーケンス図作成部42は、電源負荷となる部品シンボルの入力端子のシーケンス番号と、部品シンボルの入力端子と出力端子間の接続関係データと、に基づき、部品シンボルの出力端子および入力端子に電源投入/切断の関連シーケンス番号を割り当て、出力部50に表示されている電源系統図に、割り当て結果を追加する(ステップS11)。
ここで、ステップS11について、図4Cを参照して説明する。
図4Cにおいて、電源シーケンス図作成部42は、まず、電源負荷となる部品シンボルの入力端子に対して、読み込んだシーケンス番号「1」、「2」、「3」、「4」(但し、「1」<「2」<「3」<「4」)とは別に、同じシーケンス関係を持つ番号形態である関連シーケンス番号、例えばA(1)、A(2)、A(3)、A(4)(但し、A(1)<A(2)<A(3)<A(4))を割り当てる。
また、電源シーケンス図作成部42は、関連シーケンス番号が割り当てられていない部品シンボルの出力端子に対しては、出力端子の関連シーケンス番号として、その出力端子と直接接続されている入力端子の関連シーケンス番号の中の任意の1つを割り当てる。
また、電源シーケンス図作成部42は、関連シーケンス番号が割り当てられた出力端子と直接接続されている入力端子の関連シーケンス番号に対しては、割り当てられた出力端子の関連シーケンス番号と同一である旨の関係性を表す関係性情報も同時に付与する。既に、シーケンス番号間で関係性情報がある場合には、同一である旨の関係性情報を上書きする。
例えば、部品シンボル“12V→5V”の出力端子と部品シンボル“A”の入力端子は直接接続されているため、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→5V”の出力端子の関連シーケンス番号として、部品シンボル“A”の入力端子の関連シーケンス番号A(2)を割り当てる。この場合には、割り当てられた出力端子の関連シーケンス番号A(2)と、その出力端子と直接接続されている入力端子の関連シーケンス番号A(2)の関係性が同一であることは自明である。
電源シーケンス図作成部42は、シーケンス番号が付与されていない、部品シンボルの入力端子に対しては、その入力端子の関連シーケンス番号として、既存の番号形態とは異なる番号形態の関連シーケンス番号を付与する。
また、電源シーケンス図作成部42は、電源投入シーケンスの場合には、付与した入力端子の関連シーケンス番号に対して、同一部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号より小さいという関係性を表す関係性情報も同時に付与する。
一方、電源シーケンス図作成部42は、電源切断シーケンスの場合には、付与した入力端子の関連シーケンス番号に対して、同一部品シンボルの出力端子のシーケンス番号より大きいという関係性を表す関係性情報も同時に付与する。
例えば、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→5V”の入力端子に対して、入力端子のシーケンス番号として、既存の番号形態A(1)、A(2)、A(3)、A(4)(但し、A(1)<A(2)<A(3)<A(4))とは異なる番号形態として、B(1)(但し、電源投入シーケンスの場合にはB(1)<A(2)、電源切断シーケンスの場合にはB(1)>A(2))を割り当てる。
図4Cにおける電源系統図のシーケンスとしては、電源投入シーケンスの場合、A(1)=B(1)=C(2)=E(2)<A(2)<A(3)<A(4)、A(1)<D(3)<A(4)の関係性がある。
全体シーケンスの中で、シーケンスが一意に決まっていないD(3)に対して、考えられるシーケンス候補A(1)<D(3)<A(2)、D(3)=A(2)、A(2)<D(3)<A(3)、D(3)=A(3)、A(3)<D(3)<A(4)の中から、ユーザーにて指示してもらってもよい。
例えば、A(2)<D(3)<A(3)が指示されたとすると、全体シーケンスはA(1)=B(1)=C(2)=E(2)<A(2)<D(3)<A(3)<A(4)と一意に決定される。なお、ステップS11における部品シンボルの入力/出力端子に対する電源投入/切断のシーケンスの割り当てとして、全て、もしくは、部分的に、ユーザーにて指示してもらってもよい。
次に、再び図3を参照し、ステップS11が終了すると、電源シーケンス図作成部42は、電源系統図と、部品シンボルの入力/出力端子に割り当てられた関連シーケンス番号と、の関係性に矛盾がないかどうか判定する(ステップS12)。
ステップS12で矛盾がある場合には、電源シーケンス図作成部42は、アラーム通知部60からアラームを通知する(ステップS13)。
ここで、ステップS12およびS13について一例を説明する。
電源シーケンス図作成部42は、電源負荷となる部品シンボルの入力端子に対して、読み込んだ(指示された)シーケンス番号と、関連シーケンス番号と、の大小関係に矛盾がないかどうかを判定し、矛盾がある場合にはアラームを通知する。
次に、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号と、その出力端子と直接接続されている入力端子の関連シーケンス番号が同一または同一である旨の関係性を有しているかどうか判定し、同一でなく同一である旨の関係性も有していない場合には、アラームを通知する。
続いて、電源シーケンス図作成部42は、電源投入シーケンスの場合には、部品シンボルの入力端子の関連シーケンス番号が、同一部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号より小さいという関係性を有しているかどうかを判定し、大きいという関係性を有している場合(小さいという関係性を有していない場合)にはアラームを通知する。
電源シーケンス図作成部42は、電源切断シーケンスの場合には、部品シンボルの入力端子の関連シーケンス番号が同一部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号より大きいという関係性を有しているかどうかを判定し、小さいという関係性を有している場合(大きいという関係性を有していない場合)にはアラームを通知する。
ここで、電源負荷となる部品シンボルの入力端子についてシーケンス番号の大小関係と関連シーケンス番号の大小関係との間に矛盾がないかどうかの判定に関して、図4Cを参照して説明する。
電源シーケンス図作成部42は、電源負荷となる部品シンボル“A”、“B”、“C”、“D”の入力端子において、シーケンス番号「1」、「2」、「3」、「4」に対して、関連シーケンス番号A(1)、A(2)、A(3)、A(4)が各々対応しており、シーケンス番号「1」<「2」<「3」<「4」の大小関係と、関連シーケンス番号A(1)<A(2)<A(3)<A(4)の大小関係に矛盾が生じていないかどうか判定する。この場合には、矛盾が生じていないため、電源シーケンス図作成部42は、Yes(矛盾が生じていない)と判定する。
次に、部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号と、その出力端子と直接接続されている入力端子の関連シーケンス番号が、同一または同一である旨の関係性を有しているかどうかの判定に関して、図4Cの部品シンボル“12V”を例に挙げて説明する。
電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V”の出力端子の関連シーケンス番号A(1)と、部品シンボル“12V”の出力端子と直接接続されている入力端子の関連シーケンス番号B(1)、C(2)、E(2)、A(1)が同一または同一の関係性を有しているかどうか判定する。この場合には、A(1)=B(1)=C(2)=E(2)の関係が成立しているため、電源シーケンス図作成部42は、Yes(同一または同一の関係性を有している)と判定する。
続いて、電源投入シーケンスの場合に、部品シンボルの入力端子の関連シーケンス番号が同一部品の出力端子の関連シーケンス番号より小さいという関係性を有しているかどうかの判定に関して、図4Cの部品シンボル“12V→1.8V”を例に挙げて説明する。
電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→1.8V”の入力端子の関連シーケンス番号E(2)が、同一部品シンボル“12V→1.8V”の出力端子の関連シーケンス番号D(3)より小さいかどうか判定する。電源シーケンス図作成部42は、D(3)>E(2)の関係が成立しているため、Yes(部品シンボルの入力端子の関連シーケンス番号が同一部品の出力端子の関連シーケンス番号より小さい)と判定する。
続いて、図3を参照し、ステップS12でYesと判定すると、電源シーケンス図作成部42は、電源系統図内の部品シンボルの入力/出力端子を選択し、関連シーケンス番号に基づき、選択された部品シンボルの入力/出力端子に関連づけて、シーケンス・シンボルを、出力部50の画面(電源系統図)上に配置・表示する(ステップS14)。
ここで、ステップS14について、図4Dを参照して説明する。
図4Dにおいて、例えば、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に対して、立上り/立下り時間Ta(0)(但し、Ta(0)は初期設定値)と、部品シンボル“12V→3.3V”の関連シーケンス番号(A(3))の1つ前の関連シーケンス番号(A(2))を有する部品シンボルの端子(部品シンボル“12V→5V”の出力端子)のシーケンス・シンボル12aに対するタイミング時間間隔Tb(0)(但し、Tb(0)は初期設定値)と、に基づき、シーケンス・シンボル12bを関連づけて配置・表示する。なお、シーケンス・シンボル12aおよび12bは、シーケンス・シンボル形状ライブラリから読み取られる。
なお、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に対して、立上り/立下り時間Ta(0)と、部品シンボル“12V→3.3V”の入力端子のシーケンス・シンボルに対するタイミング時間間隔Tb(0)と、に基づいて、シーケンス・シンボル12bを関連づけて配置・表示してもよい。
シーケンス・シンボルが配置される順番は、シーケンス・シンボルと関連づけられた部品シンボルの入力/出力端子が整列している順番と対応し、部品シンボルの入力/出力端子が表示されている位置と、その部品シンボルの入力/出力端子と関連づけられたシーケンス・シンボルが表示される位置の視点移動距離が短くなるように並べて表示されることが望ましい。
例えば、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボルの入力/出力端子の横に、その部品シンボルと関連づけられたシーケンス・シンボルを表示する。
なお、図4Dに示した表示例では、タイミング時間間隔として、各シーケンス・シンボルの立ち上がり完了時点での時間間隔が用いられているが、タイミング時間間隔は、これに限らず、各シーケンス・シンボルが立ち上がる過程の任意の時点での時間間隔が用いられてもよい。例えば、タイミング時間間隔として、各シーケンス・シンボルの立上り開始時点での時間間隔が用いられてもよい。
図4Dは、電源投入のシーケンスに対応したシーケンス・シンボル(立上り部分を有するシーケンス・シンボル)を示しているが、電源切断のシーケンスの場合(シーケンス・シンボルが立下り部分を有する)も同様に、タイミング時間間隔として、各シーケンス・シンボルの立下り完了時点での時間間隔が用いられてもよく、これに限らず、各シーケンス・シンボルが立ち下がる過程の任意の時点での時間間隔が用いられてもよい。
再び図3を参照し、ステップS14が終了すると、ユーザーは、データ入力部30を操作して、初期設定値Ta(0)およびTb(0)に対して、シーケンス・シンボルの立上り/立下り時間Ta、タイミング時間間隔Tbを、部品シンボルの入力端子/出力端子と関連づけて指示する。
データ入力部30は、ユーザーからの時間指示(部品シンボルの入力端子/出力端子と、シーケンス・シンボルの立上り/立下り時間Taと、タイミング時間間隔Tbとの指示)を、電源シーケンス図作成部42に出力する(ステップS15)。
電源シーケンス図作成部42は、データ入力部30からの時間指示(部品シンボルの入力端子/出力端子と、シーケンス・シンボルの立上り/立下り時間Ta、タイミング時間間隔Tbの指示)に基づき、指示された部品シンボルの入力端子/出力端子に関連づけられたシーケンス・シンボルの形状、および、シーケンス・シンボル間の相対位置を自動修正する(ステップS16)。
ここで、ステップS16について、図4Eを参照して説明する。
図4Eにおいて、例えば、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に対して、立上り時間Taと、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子が有する関連シーケンス番号の1つ前の関連シーケンス番号を有する部品シンボル“12V→5V”の出力端子のシーケンス・シンボルに対するタイミング時間間隔Tbが指示された場合、電源シーケンス図作成部42は、時間指示にて指示された値に基づいて、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に関連づけられたシーケンス・シンボルの形状、および、部品シンボル“12V→5V”の出力端子に関連づけられたシーケンス・シンボルに対する相対位置を自動修正して表示する。
具体的には、電源シーケンス図作成部42は、図4Dに示された立上り時間Ta(0)およびタイミング時間間隔Tb(0)を、それぞれ、図4Eに示すように、立上り時間Ta、タイミング時間間隔Tbに修正する。
なお、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に対して、立上り時間Taと、部品シンボル“12V→3.3V”の入力端子のシーケンス・シンボルに対するタイミング時間間隔Tbが指示された場合、立上り時間Ta(0)およびタイミング時間間隔Tb(0)を、それぞれ、指示された立上り時間Taおよびタイミング時間間隔Tbに修正して、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に関連づけられたシーケンス・シンボルの形状、および、部品シンボル“12V→3.3V”の入力端子のシーケンス・シンボルに対する相対位置を自動修正して表示する。
再び、図3を参照し、ステップS16が終了すると、電源シーケンス図作成部42は、時間を基準に、全てのシーケンス・シンボルを重ね合わせた場合に、全てのシーケンス・シンボルの立上り/立下り過程(遷移過程)において交差がないかどうか、全てのシーケンス・シンボルの立上り/立下り過程と関連シーケンス番号との関係性に矛盾がないかどうかを判定する(ステップS17)。
ステップS17において、交差がある場合または矛盾がある場合には、電源シーケンス図作成部42は、アラーム通知部60を用いてアラームを通知する(ステップS18)。
ここで、ステップS17およびS18について、図4Eを参照して説明する。
部品シンボル“12V→5V”の出力端子のシーケンス・シンボルの立上り過程と、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子のシーケンス・シンボルの立上り過程を比較すると、相互に交差が生じている。つまり、部品シンボル“12V→5V”の出力端子のシーケンス・シンボルと部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子のシーケンス・シンボルとを時間を基準に重ね合わせた場合に、立上り過程である遷移過程において、2つのシーケンス・シンボルは交差している。
また、シーケンス・シンボルの立上り完了時点にシーケンスが確定する場合、部品シンボル“12V→5V”の出力端子のシーケンス・シンボルおよび部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子のシーケンス・シンボルと、関連シーケンス番号の関係性(A(2)<A(3))と、の間に矛盾はない。
この場合、相互に交差が生じているため、電源シーケンス図作成部42は、Noと判定し、アラーム通知部60からアラームを通知する。
再び、図3を参照し、ステップS17でYes(Ok)と判定されると、電源シーケンス図作成部42は、最後に、電源系統図の部品シンボル、または、部品シンボルの入力/出力端子の選択に応じて、その選択された部品シンボルの入力/出力端子と関連づけされたシーケンス・シンボルと、シーケンス番号においてそのシーケンス・シンボルと前後どちらか少なくとも一方の関係にあるシーケンス・シンボルのみを出力部50に表示または強調表示する(ステップS19)。
ここで、ステップS19について、図4Fを参照して説明する。
図4Fにおいて、例えば、ユーザーが、データ入力部30を操作して、部品シンボル“12V→5V”の出力端子を選択する旨の特定選択入力を入力すると、データ入力部30は、特定選択入力を電源シーケンス図作成部42に出力する。
電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→5V”の出力端子を選択する旨の特定選択入力を受け付けると、関連シーケンス番号A(2)に対応するシーケンス・シンボルに加えて、関連シーケンス番号A(2)の前後関係にある関連シーケンス番号A(1)、A(3)に対応するシーケンス・シンボルのみを表示、または、強調表示する。
強調表示としては、例えば、シーケンス・シンボルの線を基準の太さよりも太く表示したり、色を基準の色から変更して表示したり、線種を基準の線種から変更して表示したり、基準の大きさよりも大きく表示したり、囲んで表示したり、旗印などの印を付加して表示したりすることなどが挙げられる。また、電源シーケンス図において、シーケンスが確定する時点が視覚的にわかるように、シーケンスが確定する時点に▼印等の印を表示してもよい。
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態では、データ入力部30は、複数の部品シンボルの位置関係と、複数の部品シンボルの接続関係と、複数の部品シンボルへの電源投入順(関連シーケンス番号)または電源切断順(関連シーケンス番号)を特定するためのシーケンス番号(順番情報)と、複数の部品シンボルの各々の立上り/立下り時間(動作応答時間)を特定するための立上り/立下り時間Ta(動作時間情報)と、複数の部品シンボルのタイミング時間間隔(動作間隔時間)を特定するためのタイミング時間間隔Tb(動作間隔情報)と、を受け付ける。
電源系統図作成部41は、複数の部品シンボルの位置関係および接続関係に基づいて、複数の部品シンボルに関する電源系統図を作成する。
電源シーケンス図作成部42は、シーケンス番号(順番情報)、立上り/立下り時間Ta(動作時間情報)およびタイミング時間間隔Tb(動作間隔情報)に基づいて、複数の部品シンボルの各々に対応づけて、部品シンボルの動作タイミングを表すシーケンス・シンボル(タイミング図)を作成し、複数のシーケンス・シンボルを用いて電源シーケンス図を自動作成する。
出力部50は、シーケンス・シンボルを、複数の部品シンボルのうち該シーケンス・シンボルに対応する対応部品シンボルに関連づけて表示する。
このため、本実施形態では、電源系統図の部品シンボルの入力/出力端子と、電源投入/切断シーケンスとが関連づけて表示されるため、電圧/電流の分配経路と電源投入/切断シーケンスの対応関係の認識が容易となり、電源投入/切断シーケンスが妥当であるか否かの判断ミス、判断時間を低減できる。
また、本実施形態では、出力部50は、シーケンス・シンボルを、複数の部品シンボルのうち該シーケンス・シンボルに対応する対応部品シンボルの横に表示する。
このため、電圧/電流の分配経路と電源投入/切断シーケンスの対応関係の認識を直感的に行うことが容易になり、電源投入/切断シーケンスが妥当であるか否かの判断ミス、判断時間を低減できる。
また、本実施形態では、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボルの動作タイミングを表すタイミング図として、該部品シンボルの入力端子または出力端子での信号の遷移を表す図であるシーケンス・シンボルを作成する。
このため、部品シンボルの入力端子または出力端子での信号の遷移を認識しやすくできる。
また、本実施形態では、出力部50は、データ入力部30が、複数の部品シンボルのいずれかを選択する旨の特定選択入力を受け付けた場合、複数のシーケンス・シンボルのうち、特定選択入力にて選択された選択部品シンボルに対応するシーケンス・シンボル、および、関連シーケンス番号にて特定される順番が選択部品シンボルの前後どちらか少なくとも一方の該当部品シンボルに対応するシーケンス・シンボルのみを、選択部品シンボルと該当部品シンボルの配列に応じた配列で表示する。
このため、確認に必要となる可能性が高いシーケンス・シンボルのみを、そのシーケンス・シンボルに関連する部品シンボルの配列で表示することが可能になる。
なお、電源シーケンス図作成部42は、データ入力部30が、複数のシーケンス・シンボルのいずれかを選択する旨の選択入力(所定選択入力)を受け付けた場合、複数のシーケンス・シンボルのうち、その選択入力にて選択された選択シーケンス・シンボル、および、関連シーケンス番号が、選択シーケンス・シンボルに対応する部品シンボルの前後どちらか一方の該当部品シンボルに対応するシーケンス・シンボルのみを、該シーケンス・シンボルに対応する部品シンボルの配列に応じた配列で表示してもよい。
この場合も、確認に必要となる可能性が高いシーケンス・シンボルのみを表示することが可能になる。
また、電源シーケンス図作成部42は、データ入力部30が、立上り/立下り時間Taまたはタイミング時間間隔Tbの変更を受け付けると、その変更に応じて、シーケンス・シンボルの形状、および、シーケンス・シンボル間の相対位置を変更してもよい。
このため、シーケンス・シンボルの形状およびシーケンス・シンボル間の相対位置を視覚的に把握しながら、を容易に変更することが可能になる。
また、本実施形態では、電源シーケンス図作成部42は、シーケンス番号と複数の部品シンボルの接続関係とに基づいて、複数の部品シンボルのうち、電源負荷となる負荷部品シンボル以外の部品シンボルについて電源投入順または電源切断順についての関連シーケンス番号を特定する。
このため、関連シーケンス番号を自動的に設定することが可能になる。
また、本実施形態では、電源シーケンス図作成部42は、シーケンス番号と複数の部品シンボルの接続関係とに基づいて、複数の部品シンボルのうち、負荷部品シンボル以外の部品シンボルの入力端子および出力端子について電源投入順または電源切断順についての関連シーケンス番号を特定する。
このため、関連シーケンス番号を自動的に設定することが可能になる。
また、本実施形態では、アラーム通知部60は、関連シーケンス番号に矛盾が存在する場合、または、関連シーケンス番号と、立上り/立下り時間Taと、タイミング時間間隔Tbと、の間に矛盾が存在する場合に、アラームを通知する。
このため、シーケンス図と、電源系統図のシーケンス番号が矛盾していないかどうか自動的に抽出可能となり、また、エラーが発生したことを自動的に通知可能になる。
本実施形態では、アラーム通知部60は、電源系統図において直接接続されている入力端子と出力端子との関連シーケンス番号に同時性が設定されていない場合に、アラームを通知する。
このため、電源系統図における部品シンボルの接続情報とシーケンス番号が矛盾していないかどうか自動的に抽出可能となり、また、エラーが発生したことを自動的に通知可能になる。
本実施形態では、アラーム通知部60は、シーケンス番号が電源投入順を表す状況では、各部品シンボルについて、部品シンボルの入力端子の関連シーケンス番号が、該部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号よりも順番が後である旨の設定がなされている場合に、アラームを通知する。
このため、電源系統図における部品シンボルの端子情報とシーケンス番号が矛盾していないかどうか自動的に抽出可能となり、また、エラーが発生したことを自動的に通知可能になる。
本実施形態では、アラーム通知部60は、シーケンス番号が電源切断順を表す状況では、各部品シンボルについて、部品シンボルの入力端子の関連シーケンス番号が、該部品シンボルの出力端子の関連シーケンス番号よりも順番が前である旨の設定がなされている場合に、アラームを通知する。
このため、電源系統図における部品シンボルの端子情報とシーケンス番号が矛盾していないかどうか自動的に抽出可能となり、また、エラーが発生したことを自動的に通知可能になる。
本実施形態では、アラーム通知部60は、時間を基準に、各シーケンス・シンボルを重ね合わせた場合に、シーケンス・シンボルの立上り過程または立下り過程である遷移過程において、2以上のシーケンス・シンボルが交差している場合に、アラームを通知する。
このため、シーケンス図の立上り過程または立下り過程の遷移過程において、シーケンスが入れ替わっているかどうか自動的に抽出可能となり、また、遷移過程においてシーケンスが入れ替わっており、問題がないかどうか確認が必要であることを自動的に通知可能になる。
本実施形態では、アラーム通知部60は、電源シーケンス図と関連シーケンス番号との間に矛盾が存在する場合に、アラームを通知する。
このため、電源系統図における部品シンボルの端子情報および接続情報とシーケンス番号が矛盾していることを自動的に抽出可能となり、通知可能になる。
また、本実施形態によれば、電源系統図の部品シンボルの接続情報と、電源負荷となる負荷部品シンボルのシーケンス番号に基づき、電源負荷となる負荷部品シンボル以外の部品シンボルについて電源投入順または電源切断順についての関連シーケンス番号を自動設定できる。また、電源系統図の部品シンボルの接続情報とシーケンス番号との間に、矛盾が生じていることを自動的に抽出可能となり、エラーを通知することができる。更に、シーケンス番号に基づいて、シーケンス・シンボルを用いたシーケンス図の自動生成が可能となる。また、シーケンス図を修正する場合には、シーケンス・シンボルの形状およびシーケンス・シンボル間の相対位置を視覚的に把握し、シーケンス番号と矛盾が生じていないことを確認しながら、容易に変更することが可能になる。シーケンス番号とシーケンス図の間に矛盾が生じていたり、シーケンスの遷移状態においてシーケンスの入れ替えが生じていたりする場合に、自動的に抽出可能となり、エラーを通知することができる。
このため、電源投入/切断シーケンスを作成する作業、電源系統図とシーケンス図との間に矛盾がないかどうか確認する作業を効率化(省力化)できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、シーケンスの生成、表示に関する処理フローのみが異なる。以下、第2の実施の形態について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。このため、第2の実施の形態の設計支援装置の全体構成および全体動作フローについては説明を省略する。
図5は、第2の実施の形態におけるシーケンスの生成、表示に関する動作を示すフローチャートである。
図5に示したフローチャートでは、図3に示した第1の実施の形態のフローチャートと比べると、ステップS14が削除され、ステップS16がステップS26に置き換わった点が異なっているため、ステップS26についてのみ説明する。
ステップS26では、電源シーケンス図作成部42は、電源系統図の部品シンボルの入力/出力端子を選択すると、関連シーケンス番号、立上り/立下り時間Ta、およびタイミング時間間隔Tbに基づき、選択された部品シンボルの入力/出力端子に関連づけて、シーケンス・シンボルを、出力部50の画面(電源系統図)上に配置・表示する。
ここで、ステップS26について、図4Eを参照して説明する。
図4Eにおいて、例えば、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に対して、立上り/立下り時間Taと、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子が有する関連シーケンス番号の1つ前の関連シーケンス番号を有する部品シンボル“12V→5V”の出力端子のシーケンス・シンボルに対するタイミング時間間隔Tbが指示された場合、電源シーケンス図作成部42は、立上り/立下り時間Taと、タイミング時間間隔Tbと、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に付された関連シーケンス番号A(3)と、に基づいて、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に関連するシーケンス・シンボルの形状、および、部品シンボル“12V→5V“の出力端子のシーケンス・シンボルに対する相対位置を自動修正し、出力端子と関連づけて配置・表示する。ステップS26において、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に関連するシーケンス・シンボルの形状を自動修正する手法は、ステップS16で示した手法と同様である。
なお、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子に対して、立上り/立下り時間Taと、部品シンボル“12V→3.3V”の入力端子のシーケンス・シンボルに対するタイミング時間間隔Tbが指示された場合、それら立上り/立下り時間Taおよびタイミング時間間隔Tbに基づいて、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子のシーケンス・シンボルの形状、および、部品シンボル12V→3.3V”の入力端子のシーケンス・シンボルに対する相対位置を自動修正し、修正後のシーケンス・シンボルを、部品シンボル“12V→3.3V”の出力端子と関連づけて配置・表示されてもよい。
シーケンス・シンボルが配置される順番は、シーケンス・シンボルと関連づけられた部品シンボルの入力/出力端子が整列している順番と対応し、部品シンボルの入力/出力端子が表示されている位置と、その部品シンボルの入力/出力端子と関連づけられたシーケンス・シンボルが表示される位置の視点移動距離が短くなるように並べて表示されることが望ましい。
なお、図4に示した表示例では、タイミング時間間隔として、各シーケンス・シンボルの立ち上がり完了時点での時間間隔が用いられているが、タイミング時間間隔は、これに限らず、各シーケンス・シンボルが立ち上がる過程の任意の時点での時間間隔が用いられてもよい。例えば、タイミング時間間隔として、各シーケンス・シンボルの立上り開始時点での時間間隔が用いられてもよい。
電源切断のシーケンスの場合(シーケンス・シンボルが立下り部分を有する)も同様に、タイミング時間間隔として、各シーケンス・シンボルの立下り完了時点での時間間隔が用いられてもよく、これに限らず、各シーケンス・シンボルが立ち下がる過程の任意の時点での時間間隔が用いられてもよい。
次に、本実地の形態の効果について説明する。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、電源系統図の部品シンボルの入力/出力端子と、電源投入/切断シーケンスを関連づけて表示しているため、電圧/電流の分配経路と電源投入/切断シーケンスの対応関係の認識が容易となり、電源投入/切断シーケンスが妥当であるか否かの判断ミス、判断時間を低減できる。また、電源投入/切断シーケンスを作成する作業を効率化(省力化)できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
第3の実施の形態は、第1、2の実施の形態と比較して、シーケンスの生成、表示に関する処理フローのみが異なる。以下、第3の実施の形態について、第1、2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。このため、第3の実施の形態の設計支援装置の全体構成および全体動作フローについては説明を省略する。
図6、7は、第3の実施の形態におけるシーケンスの生成、表示に関する動作を示すフローチャートである。図8は、第3の実施の形態における電源系統図および電源シーケンス図の表示例を示す。
図6は、第1の実施の形態の処理フローに準じており、図3に示した第1の実施の形態のフローチャートと比べると、ステップS19がステップS29に置き換わった点が異なっている。
図7は、第2の実施の形態の処理フローに準じており、図5に示した第2の実施の形態のフローチャートと比べると、ステップS19がステップS29に置き換わった点が異なっている。
以下、第1の実施の形態の処理フローおよび第2の実施の形態の処理フローと異なっているステップS29についてのみ説明する。
ステップS29では、電源シーケンス図作成部42は、電源系統図の部品シンボルの入力/出力端子の整列方向の選択に応じて、その方向に位置する部品シンボルの入力/出力端子と関連づけされた各シーケンス・シンボルにて構成される電源シーケンス図を表示する。
ここで、ステップS29について、図8Aを参照して説明する。
図8Aにおいて、例えば、ユーザーが、データ入力部30を操作して、部品シンボル“12V→5V”の出力端子が属する列を選択する旨の列選択入力を入力すると、データ入力部30は、列選択入力を電源シーケンス図作成部42に出力する。
電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→5V”の出力端子が属する列を選択する旨の列選択入力を受け付けると、部品シンボル“12V→5V”の出力端子が属する列に存在する全ての部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子を特定する。
続いて、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子に対応するシーケンス・シンボルを、出力部50に表示する。なお、電源シーケンス図作成部42は、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子に対応するシーケンス・シンボルを、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子の横に表示する。
なお、電源シーケンス図において、シーケンスが確定する時点が視覚的にわかるように、シーケンスが確定する時点に▼印等の印を表示してもよい。
また、図8Bに示すように、部品シンボル“12V→5V”の出力端子の列を選択すると、該当する列に属する全ての部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子の長さが、関連シーケンス番号の大小関係(A(2)<A(3)<A(4))とタイミング時間に応じて、変化してもよい。この場合、出力部50は、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子の電源シーケンス図と併せて表示してもよい。
また、図8Cに示すように、部品シンボル“12V→5V”の出力端子の列を選択すると、該当する列に属する全ての部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子の関連シーケンス番号の大小関係(A(2)<A(3)<A(4))とタイミング時間とに応じた遷移図を出力部50が表示してもよい。この場合、出力部50は、部品シンボル“12V→5V”、“12V→3.3V”、“1.8V→0.9V”の出力端子の電源シーケンス図と併せて表示してもよい。
次に、本実地の形態の効果について説明する。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、電源系統図の部品シンボルの入力/出力端子と、電源投入/切断シーケンスを関連づけて表示しているため、電圧/電流の分配経路と電源投入/切断シーケンスの対応関係の認識が容易となり、電源投入/切断シーケンスが妥当であるか否かの判断ミス、判断時間を低減できる。また、電源投入/切断シーケンスを作成する作業を効率化(省力化)できる。
なお、上記各実施形態は、情報機器、通信機器等の電源が供給される電気機器・装置であって、電源投入/切断のシーケンスが必要となる全ての電気機器・装置の設計支援に適用できる。
また、上記実施形態において、設計支援装置100は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、このコンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、または、有線通信または無線通信で受信したプログラムを受信し実行して、設計支援装置100として機能する。記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)デバイスを表す複数のデバイスシンボルの位置関係および接続関係と、前記複数のデバイスシンボルへの電源投入順または電源切断順を特定するための順番情報と、前記複数のデバイスシンボルの動作応答時間を特定するための動作時間情報と、前記複数のデバイスシンボルの動作間隔時間を特定するための動作間隔情報と、を受け付ける受付手段と、
前記受け付けた位置関係および接続関係に基づいて、前記複数のデバイスシンボルに関する電源系統図を作成する第1作成手段と、
前記受け付けた順番情報、動作時間情報および動作間隔情報に基づいて、前記複数のデバイスシンボルの各々に対応づけて、当該デバイスシンボルの動作タイミングを表すタイミング図を作成する第2作成手段と、
前記作成したタイミング図を、前記複数のデバイスシンボルのうち当該タイミング図に対応する対応デバイスシンボルに関連づけて表示する表示手段と、を含む設計支援装置。
(付記2)付記1に記載の設計支援装置において、
前記表示手段は、前記タイミング図を前記対応デバイスシンボルの横に表示する、設計支援装置。
(付記3)付記1または2に記載の設計支援装置において、
前記第2作成手段は、前記タイミング図として、前記対応デバイスシンボルの入力端子または出力端子での信号の遷移を表す図を作成する、設計支援装置。
(付記4)付記1から3のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記表示手段は、前記受付手段が、前記複数のデバイスシンボルのいずれかを選択する旨の特定選択入力を受け付けた場合、前記複数のタイミング図のうち、当該特定選択入力にて選択された選択デバイスシンボルに対応するタイミング図、および、前記順番情報にて特定される順番が前記選択デバイスシンボルの前後どちらか一方の該当デバイスシンボルに対応するタイミング図のみを、前記選択デバイスシンボルと前記該当デバイスシンボルとの配列に応じた配列で表示する、設計支援装置。
(付記5)付記1から4のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記表示手段は、前記受付手段が、前記複数のタイミング図のいずれかを選択する旨の所定選択入力を受け付けた場合、前記複数のタイミング図のうち、当該所定選択入力にて選択された選択タイミング図、および、前記順番情報にて特定される順番が、前記選択タイミング図に対応するデバイスシンボルの前後どちらか一方の該当デバイスシンボルに対応する対応タイミング図のみを、前記選択タイミング図に対応するデバイスシンボルと前記該当デバイスシンボルとの配列に応じた配列で表示する、設計支援装置。
(付記6)付記1から5のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記第2作成手段は、前記受付手段が、前記動作時間情報または前記動作間隔情報の変更を受け付けると、前記変更に応じて、前記タイミング図を変更する、設計支援装置。
(付記7)付記1から6のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記順番情報は、前記複数のデバイスシンボルのうち、電源の負荷となる負荷デバイスシンボルについての電源投入順または電源切断順を表す情報であり、
前記第2作成手段は、前記順番情報と前記接続関係とに基づいて、前記複数のデバイスシンボルのうち前記負荷デバイスシンボル以外のデバイスシンボルについて電源投入順または電源切断順を特定する、設計支援装置。
(付記8)付記7に記載の設計支援装置において、
前記順番情報は、前記複数のデバイスシンボルのうち、電源の負荷となる負荷デバイスシンボルの入力端子についての電源投入順または電源切断順を表す情報であり、
前記第2作成手段は、前記順番情報と前記接続関係とに基づいて、前記複数のデバイスシンボルのうち前記負荷デバイスシンボル以外のデバイスシンボルの入力端子および出力端子について電源投入順または電源切断順を特定する、設計支援装置。
(付記9)付記1から8のいずれか1項に記載の設計支援装置において、
前記順番情報にて特定される順番に矛盾が存在する場合、または、前記順番情報にて特定される順番と、前記動作時間情報にて特定される動作応答時間と、前記動作間隔情報にて特定される動作間隔時間と、の間に矛盾が存在する場合に、アラームを通知するアラーム手段をさらに含む、設計支援装置。
(付記10)付記9に記載の設計支援装置において、
前記順番情報は、前記複数のデバイスシンボルのうち、電源の負荷となる負荷デバイスシンボルの入力端子についての電源投入順または電源切断順を表す情報であり、
前記第2作成手段は、前記順番情報と前記接続関係とに基づいて、前記複数のデバイスシンボルのうち前記負荷デバイスシンボル以外のデバイスシンボルの入力端子および出力端子について電源投入順または電源切断順を特定し、
前記アラーム手段は、前記電源系統図において直接接続されている入力端子と出力端子との順番に同時性が設定されていない場合に、前記アラームを通知する、設計支援装置。
(付記11)付記9に記載の設計支援装置において、
前記アラーム手段は、
前記番号情報が電源投入順を表す状況では、各デバイスシンボルについて、当該デバイスシンボルの入力端子の順番が、当該デバイスシンボルの出力端子の順番よりも後に設定されている場合に、前記アラームを通知し、
前記番号情報が電源切断順を表す状況では、各デバイスシンボルについて、当該デバイスシンボルの入力端子の順番が、当該デバイスシンボルの出力端子の順番よりも前に設定されている場合に、前記アラームを通知する、設計支援装置。
(付記12)付記9に記載の設計支援装置において、
前記タイミング図は、当該タイミング図に対応する対応デバイスシンボルにおける時間の経過に伴う電源のオン状態とオフ状態とを表した線グラフであり、
前記アラーム手段は、各線グラフを時間を基準に重ね合わせた場合に、前記線グラフの立上り過程または立下り過程である遷移過程において、2以上の前記線グラフが交差している場合に、前記アラームを通知する、設計支援装置。
(付記13)付記9に記載の設計支援装置において、
前記アラーム手段は、前記電源シーケンス図と前記順番との間に矛盾が存在する場合に、前記アラームを通知する、設計支援装置。
(付記14)設計支援装置が行う設計支援方法であって、
デバイスを表す複数のデバイスシンボルの位置関係および接続関係と、前記複数のデバイスシンボルへの電源投入順または電源切断順を特定するための順番情報と、前記複数のデバイスシンボルの動作応答時間を特定するための動作時間情報と、前記複数のデバイスシンボルの動作間隔時間を特定するための動作間隔情報と、を受け付ける受付ステップと、
前記受け付けた位置関係および接続関係に基づいて、前記複数のデバイスシンボルに関する電源系統図を作成する第1作成ステップと、
前記受け付けた順番情報、動作時間情報および動作間隔情報に基づいて、前記複数のデバイスシンボルの各々に対応づけて、当該デバイスシンボルの動作タイミングを表すタイミング図を作成する第2作成ステップと、
前記作成したタイミング図を、前記複数のデバイスシンボルのうち当該タイミング図に対応する対応デバイスシンボルに関連づけて表示する表示ステップと、を含む設計支援方法。
(付記15)コンピュータに、
デバイスを表す複数のデバイスシンボルの位置関係および接続関係と、前記複数のデバイスシンボルへの電源投入順または電源切断順を特定するための順番情報と、前記複数のデバイスシンボルの動作応答時間を特定するための動作時間情報と、前記複数のデバイスシンボルの動作間隔時間を特定するための動作間隔情報と、を受け付ける受付手順と、
前記受け付けた位置関係および接続関係に基づいて、前記複数のデバイスシンボルに関する電源系統図を作成する第1作成手順と、
前記受け付けた順番情報、動作時間情報および動作間隔情報に基づいて、前記複数のデバイスシンボルの各々に対応づけて、当該デバイスシンボルの動作タイミングを表すタイミング図を作成する第2作成手順と、
前記作成したタイミング図を、前記複数のデバイスシンボルのうち当該タイミング図に対応する対応デバイスシンボルに関連づけて表示する表示手順と、を実行させるためのプログラム。