JP5989149B2 - 鼻緒の末端整形処理用端部品及びその端部品を使用した鼻緒の挿げ構造並びに同鼻緒の挿げ方法 - Google Patents
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Description
他の係止手段として、鼻緒の末端に突部を形成し、その突部を履物台座の鼻緒取付孔を拡径して履物台座の裏面に導き、その突部を履物台座の裏面に係止することによって鼻緒の末端を履物台座から抜け止めしたり(特許文献2、第3図参照)、履物台座の裏面に導いた鼻緒末端をねじ止めしたり(特許文献4、図1、図2参照)、履物台座の裏面に導いた鼻緒末端を金属部品でカシメ止めしたり(特許文献5、第3図等参照)するものもある。
このように鼻緒付履物の構造は色々あるが、和鼻緒の定義は鼻緒業界においては形状が色々変化しているので特定しにくい状況である。このため、本願の中での和鼻緒は合成樹脂で一体成型して作成されている鼻緒以外の少なくともシート状部材から構成される鼻緒を示すことにする。
また、鼻緒の末端に突部を形成する手段、ねじ止め手段及び金属部品カシメ止めは、シート状部材から構成される和鼻緒では困難である。
さらに、和鼻緒の場合、シート状部材の末端のほつれを整形して台座に固定する必要がある。
シート状部材の鼻緒は、そのシート状部材の末端が広がったりするため、その整形処理が必要であり、この構成の鼻緒の末端整形処理用端部品はその整形処理(ほつれを防止して形状を整形する)を行うとともに、鼻緒の履物台座への固定処理も行う。
この構成であると、第1部材にシート状部材の末端を被せ、その第1部材にシート状部材を介在して第2部材を嵌め込めば、その鼻緒末端の整形処理とともに、鼻緒末端へのこの部品の固定が成される。
このとき、上記第1部材がその両端にそれぞれ鍔を有したものであり、上記第2部材が前記第1部材にその一方の鍔を乗り越えて嵌め込まれるものとすることができる。
また、第1部材に第2部材の嵌め込む側の端からその嵌め込み方向のスリットを形成すれば、第2部材を第1部材に嵌め込む際、そのスリットを介して第1部材の端部が縮径方向に撓むため、その嵌め込みが容易となる。
この挿げ作業時、台座にウレタン素材などの少し柔軟な素材を用いることで、挿げ作業の時のみ一時的に鼻緒取付孔が挿げ時の意識的な強い力で広がり鼻緒を挿げることが容易となる。
この挿げ作用には熟練を必要としないため、シート状部材の模様などのデザインを種々のものに変えることによって履物の趣を容易に変えることができる。
この鼻緒の取り替えが容易なものとなることによって、例えば、和鼻緒以外のビーチサンダルなどビニル製の鼻緒を挿げる際に用いる挿げ具を和鼻緒でも利用可能となり、鼻緒付履物を販売する場合に、同じ台座に和鼻緒やビニル製の一体成型された鼻緒(特許文献2第3図参照)などを混在して同じ挿げ具で顧客の好みに合わせてそれらの任意の鼻緒を選択的に挿げて提供することが可能となる。
また、シート状部材は筒状でなくても、例えば、心材にシート状部材を貼り合わせたり、シート状部材を筒にまでせずに単に左右から折り込んだりして、鼻緒の形態に作りこむことも可能であり、さらに、シート状部材の端部に至るまで心材が無くても良く、シート状部材に鼻緒としての硬さ肉厚が確保できれば心材も必要ない。ただし、この発明に係る鼻緒は外観が和風の鼻緒となる場合を想定しており、端部に末端整形処理が必要となるシート状部材の端部を有する構造の鼻緒を対象とする。
その横緒22の末端への端部品30の取付は、図5に示すように、横緒22の末端に端部品30の第2部材32を通した後(同図(a))、シート状部材22bを第1部材31の外周面に被せる(同図(b))。このとき、シート状部材22bの末端22b’は第1部材31をオーバーラップさせて所要長さ突出するようにする。その突出長さの調整によって、横緒22の長さを調節し得る。
この状態は、シート状部材22bの末端22b’の折り返しによって、第2部材32が第1部材31にシート状部材22bを介在して確実に嵌め込まれたことであり、第1部材31と第2部材32によってシート状部材22bが挟まって固定されているため、横緒22の末端22b’から端部品30が抜け出ることはなく、また、シート状部材22bの末端22b’は整形され、この整形によって、仮に、シート状部材22bの端がほつれていてもそのほつれが目立たなくなる。
この状態(図2参照)は、第1部材31と第2部材32によって前緒21の末端が挟まって固定されているため、前緒21の末端から端部品30が抜け出ることはない。
また、台座10は、挿げ具によって端部品30を取付孔14、15に通し得れば、弾性素材でなくても、木等の孔が拡径しないものを採用し得る。このとき、端部品30は変形して取付孔14、15を通り得る弾性素材とする。
さらに、端部品30は、鼻緒20のフィット感を無視すれば、鼻緒20の末端を台座10の取付孔14、15に挿通した後、その挿通した末端に取付け、鼻緒20を引き戻すことによって台座10に固定することもできる。
鼻緒20は、シート状部材22bで強度等を担保できれば、心材22aを挿入する必要はない。
すなわち、一つの部品で2つの機能を実現することが可能となるので、安価に和鼻緒を提供可能になると同時に、これに用いる挿げ具も和鼻緒以外の鼻緒の挿げ具と同じ挿げ具を利用可能である。このため、販売店などで履物台座に挿げる鼻緒として塩化ビニル等で製作された一体成型品の鼻緒と和風仕様のシート状部材で構成された鼻緒を混在して店頭販売し、これらの鼻緒を自由に選択してその選択した鼻緒を挿げることが可能になる。
14、15 鼻緒の末端(端部)の取付孔
14a、15a 同取付孔の縮径段部
20 鼻緒
21 前緒
21a 前緒の通し孔
21b’前緒のシート状部材の末端
22 横緒
22a 横緒の心材
22b 横緒のシート状部材
22b’ 横緒のシート状部材の末端
30 鼻緒の末端整形処理用端部品
31 同末端整形処理用端部品の第1部材
31a 同第1部材の筒状体
31b、31c 同第1部材の端の鍔
32 同末端整形処理用端部品の第2部材
33 スリット
34 調整輪
A 履物
Claims (4)
- 鼻緒(20)の末端整形処理と共に履物台座(10)の鼻緒取付孔(14、15)に前記鼻緒(20)の末端を固定する手段を有する、シート状部材で構成された鼻緒(20)の末端整形処理用端部品(30)であって、
上記シート状部材の末端にその末端のシート状部材が被うように装着される第1部材(31)と、その第1部材(31)に前記シート状部材を介在して嵌め込まれてそのシート状部材が第1部材(31)から外れないように挟み込む第2部材(32)とを少なくとも有し、前記第1部材(31)がその両端にそれぞれ鍔(31b、31c)を有したものであり、
上記第2部材(32)が前記第1部材(31)の一方の鍔(31b)を乗り越えて前記シート状部材を介在して筒状体(31a)に嵌め込まれて、上記鼻緒(20)の末端整形処理と共に履物台座(10)の鼻緒取付孔(14,15)に前記鼻緒(20)の末端を固定するものであることを特徴とする鼻緒の末端整形処理用端部品。 - 上記第1部材(31)に第2部材(32)の嵌め込む側の端からその嵌め込み方向のスリット(33)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の鼻緒の末端整形処理用端部品。
- 請求項1又は2に記載の鼻緒の末端整形処理用端部品(30)が履物台座(10)の鼻緒取付孔(14、15)を通った鼻緒(20)の末端に固定され、前記端部品(30)が履物台座(10)の裏面に係止することによって鼻緒(20)の末端を履物台座(10)から抜け止めして鼻緒(20)が履物台座(10)に挿げられていることを特徴とする鼻緒の挿げ構造。
- 請求項1又は2に記載の鼻緒の末端整形処理用端部品(30)を鼻緒(20)の末端に固定してその末端を整形し、その鼻緒(20)の末端に固定した端部品(30)を、履物台座(10)の裏面から鼻緒取付孔(14、15)を通した挿げ具の先端で掴み、その状態で、前記挿げ具を履物台座(10)の裏面側に引き抜くことにより、前記鼻緒取付孔(14、15)を拡径して前記端部品(30)を履物台座(10)の裏面に導き、その端部品(30)を履物台座(10)の裏面に係止することによって鼻緒(20)の末端を履物台座(10)から抜け止めして鼻緒(20)を履物台座(10)に挿げることを特徴とする鼻緒の挿げ方法。
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