(全体構成)
図1には、本実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は額縁状の枠体12に収容されている。パチンコ機10の前面には、ガラス枠14が設けられている。
ガラス枠14には、複数の表示灯16やスピーカ18が設けられている。また、ガラス枠14の中央は窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス20(二重構造)が装着されている。さらに、図1のガラス枠14の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
ガラス枠14の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
この貯球タンクには、パチンコ機10の上端に設けられた貯留部(図示省略)に貯留されたパチンコ球が払い出されるようになっている。この払い出しには、遊技者にパチンコ球を貸し出すとき(球貸)と、遊技の進行に応じて遊技者に付与するとき(賞球)と、の2種類がある。
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が枠体12に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置166(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
図2に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域が形成されている。
遊技領域には、図示しない釘や風車の他、センター役物42、当該センター役物42に設けられた表示部43、並びに大入賞口(変動入賞装置)44等の役物、特別図柄抽選の契機となる始動口として適用された始動入賞装置46や通過装置48、一般入賞装置49等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。なお、センター役物42の上端部には、普通図柄表示装置42Aが設けられている。
通過装置48(図2の向かって左側の通過装置48のみの場合もある)は、前記普通図柄表示装置42Aの始動トリガとなっており(普通図柄始動口)、通過装置48をパチンコ球が通過すると普通図柄抽選(普図抽選)が実行され、当たりの場合、普通図柄表示装置42Aの表示が当りを表示し、電動チューリップ47が開放し、始動入賞装置46への入賞の確率が物理的に高まるようになっている。
また、表示部43の上部には、保留ランプ100が設けられており、本実施の形態では、最大4個の保留が可能であるため、この数に対応した4個の保留ランプ100が設けられている。
保留とは、前記表示部43において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに始動入賞装置46に入賞した場合に、この入賞により実行された特別図柄抽選の結果の報知を待機することを言う。なお、大役処理中に始動入賞装置46に入賞した場合も、表示部43が大役処理演出の動画パターンを再生しているため、保留の対象となる。但し、保留する数には限度があり(本実施の形態では4個)、これ以上の始動入賞装置46への入賞は保留の対象とはならない。
(制御系の構成)
図3は、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
この主制御部150には、始動入賞装置46に設けられた始動入賞センサ168、普通図柄始動口である通過装置48や、入賞装置49に設けられた通過/入賞センサ172並びに大入賞口44に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口44には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ177が設けられており、主制御部150に接続されている。このVゾーンセンサ177は、省略して大入賞口センサ173のみにするものでもよい。
さらに、主制御部150には、始動入賞装置46に設けられた電動チューリップ47(図2参照)を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口44を開閉させるためのソレノイド175が接続されている。
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
ここで、パチンコ球が始動入賞装置46に入賞すると、これを始動入賞センサ106で検出することで特別図柄抽選が実行されるようになっており、当選した場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行されるようになっている。
一方、この主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とが接続されている。
演出制御部152には、図柄・音声制御部156を介してスピーカ18、センター役物42の表示部(LCD)43、普通図柄表示装置42A、並びに保留ランプ100が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10のガラス枠14に取り付けられた複数の表示灯16の点灯・消灯を制御する。なお、表示部43では、前記特別図柄抽選の結果を報知するための図柄変動パターン演出画像を表示すると共に、スピーカ18からは当該図柄変動パターン演出時のBGMが出力されるようになっている。すなわち、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、特別図柄抽選の結果を含む演出を楽しむことができる。なお、普通図柄表示装置42A、保留ランプ100は表示部43にて表示するものでもよい。なお、図柄変動パターンには、特別図柄変動パターン及び演出図柄変動パターンがあり、双方共に特別図柄抽選の結果を報知するものであるが、特別図柄変動パターンは予め定められた変動及び停止を行い特別図柄抽選の結果を所定時間経過後に正式に報知する性質のものであるのに対し、演出図柄変動パターンは当該特別図柄抽選の結果を報知するまでの過程に演出を加味し、当選/落選かに一喜一憂させながら報知する性質のものである。
従って、実際には、演出図柄変動パターンを主として表示部43のほぼ全域に表示し、特別図柄変動パターンは、その表示部43の一部(例えば、左下隅)に形式的に表示するようにしている。
また、前述したように、前記表示部43において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに始動入賞装置46に入賞した場合、並びに大役処理中に始動入賞装置46に入賞した場合、保留ランプ100の表示がその分、点灯数が増えていく(最大4個)。
一方、前回の演出図柄変動パターン演出が終了する、或いは大役処理が終了すると、表示部43では、保留分の特別図柄抽選結果の報知を行うべく、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ100が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
また、払出制御部154には、払出装置160、貸出装置162、発射制御部164が接続されており、発射制御部164は、発射装置166を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
前記表示部43では、見掛け上帯状に複数の演出図柄(ここでは、説明を簡略化するために0〜9までの10種類の数字を演出図柄とする)が設けられた演出図柄群を3列同時に表示し、それぞれ独立して演出図柄の変動演出を行う。
この変動終了時に、全ての図柄列が同一、すなわち000、111、222、333、444、555、666、777、888、999のような「ゾロ目」となった場合を当たり図柄とし、遊技者に報知する。
上記図柄変動パターンによる報知後、当たりとなると、大入賞口44が所定時間(予め設定された制限範囲(0.5秒又は29秒))開放し、所定回数開閉動作して(1回の開閉を1ラウンドとし、予め設定された制限範囲(2回又は15)ラウンド継続)、遊技球の入賞率を高める、遊技者に有利な状態とする(大役処理)。なお、この大入賞口44の開放時間、開閉回数の詳細については後述する。
また、上記大役処理の終了後、特別図柄抽選の当選確率を通常の遊技状態に対して高める特典を付与する場合がある。この特典の付与は、当選時に1/2の確率で抽選がなされているが、遊技者には当たりの報知のみとしている。
ここで、本実施の形態では、上記開放時間と、開閉回数の組合せによって、4種類の大役処理パターン(大当たり(1)、大当たり(2)、小当たり、突然確変)を設定している(表1参照)。
上記表1に示される如く、「大当たり(1)」は、従来から存在する大役であり(大入賞口44の開放による多数賞球)、大役遊技終了後に特典として特別図柄抽選の当選確率の高確率化と、電動チューリップ47の開放時間延長(普図抽選結果の報知の時間短縮を含む)と、で構成された特典(確変)を付与するようになっている(特典(1)+特典(2))。
「大当たり(2)」は、従来から存在する大役であるが、大役遊技終了後に前記特典が付与されない。
「小当たり」は、本実施の形態において設定した新たな大役遊技仕様であり、実質的には、遊技者に有利な状態を形成するものではなく(大入賞口44への入賞がほとんどなく、特典も付与されない)、後述する「突然確変」の発生をあいまいにする役目を有している。
「突然確変」は、本実施の形態において設定した新たな大役遊技仕様であり、大入賞口44への入賞がほとんどないが、早期に当該突然確変の大役遊技が終了し、特典が付与されるようになっている。なお、この突然確変における特典には、電動チューリップ47の開放時間延長は含まれず、単純に特別図柄抽選の当選確率の高確率化が特典となる(特典(1))。
ここで、特別図柄抽選に当選し、表1の何れかの大役遊技仕様が選択されて実行されるとき、当該当選したことを報知する図柄変動パターン演出を含む、それ以降の図柄変動パターン演出の背景色を適用し、大役遊技仕様の種類を報知するようにしている。
このとき、表1に示される如く、各大役遊技仕様には、違いがあるが、「小当たり」と「突然確変」については、いずれの大役遊技仕様で遊技が進行しているかが、遊技者は視覚的に判別できない。
このような状況を踏まえて、本実施の形態では、大役遊技仕様の種類の報知の段階として、初期設定段階と再設定段階とに分け、初期設定段階では、上記「小当たり」と「突然確変」との区別がつかない状態での報知(不明確報知)を行い、その後、所定期間遅延させて、「小当たり」と「突然確変」との区別がつく状態での報知(明確報知)を行う。なお、大当たり(1)、大当たり(2)に関しては、最初から明確に報知し、初期設定のみとなる。
より具体的には、特別図柄抽選に当選すると、以下の表2のような背景色が選択されるようになっている。
初期設定後、再設定する時期は、特別図柄抽選毎に実行される報知抽選に基づいて決定される。この報知抽選は、1/10の確率で背景色を再設定し報知する。
図4は、本実施の形態における主制御基板150での大役遊技処理の仕様設定のための機能を示すブロック図である。
始動入賞装置46に設けられた入賞センサ168は、入賞確認部250に接続されており、始動入賞装置46への入賞の有無を確認する。
始動入賞装置46に入賞があったことを確認すると、入賞確認部250から乱数取得部252に確認信号が送出される。
乱数取得部252では、確認信号を受信することで、乱数カウンタ254から乱数値を取得し、この取得した乱数値を保留更新処理部256へ送出する。
保留更新処理部256には、保留メモリ258及び保留ランプ100が接続されており、必要に応じて最新に取得した乱数値を保留メモリ258に記憶したり、保留メモリ258から最先に記憶した乱数値を読み出したり、或いは保留メモリ258内の最先に記憶した乱数値と入れ替えたり、等の更新処理を実行する。
また、保留更新処理部256は、保留メモリ258内の保留数に応じて保留ランプ100を制御し、保留数を保留ランプ100の点灯数で遊技者に報知する。
なお、保留更新処理部256による乱数値の更新は、前記入賞確認時の他、後述する命令信号生成部262で設定される図柄変動パターン演出時間(変動パターン終了時に保留の更新処理)に基づいて実行される。すなわち、保留更新処理部256では、命令信号生成部262からの信号に基づき、取得した最先の乱数値を抽選部264に送出する。
抽選部264には、当たり値メモリ266が接続されている。抽選部264は、取得した乱数値と、当たり値とが比較され、当/外の判定を実行する。判定結果は、命令信号生成部262並びに大役遊技仕様設定部268へ送出されるようになっている。
本実施の形態では、非確変で1/250〜1/360の通常の抽選確率で抽選が実行され、確変では、1/50という通常遊技状態と比較して甘めの抽選確率で抽選が実行される。
命令信号生成部262では、演出制御部152へ送出するためのコマンド(命令信号)を生成すると共に、計時によって図柄変動パターン終了時に前記保留更新処理部356へ図柄変動パターン終了を示す信号を送出する。
また、命令信号生成部262では、特別図柄抽選結果並びにこの特別図柄抽選結果に続いて実行される変動パターン種抽選の結果に基づいて、命令信号出力部270を介して演出制御部152へ命令信号を送出する。
一方、大役遊技仕様設定部268には、大役遊技仕様データメモリ272が接続されており、特別図柄抽選の(当選)結果、並びに当該当選の種類に基づいて、前記表1に示される大役遊技仕様の1つが選択され、読み出されるようになっている。
大役遊技仕様設定部268で読み出された大役遊技仕様データは、大役遊技実行制御部274へ送出され、当該大役遊技仕様データに基づいて大役遊技が実行される。
また、大役遊技実行制御部274では、特典、すなわち、確変有りか無しかを示す確変判別信号を確率設定部276へ送出するようになっており、この確変設定部276では、確変判別信号に基づいて抽選部264での乱数値の比較対照である当たり値を選択し、当たり確率を変更する。
図5は、演出制御部152における大役遊技仕様を報知するための制御を機能的に示したブロック図である。
主制御部150からのコマンドはコマンド解析部300に入力され、このコマンド解析部300によってコマンドを解析する。
コマンド解析部300は、図柄変動パターン種判別部302と、当選/落選判別部304とに接続されている。
図柄変動パターン種判別部302では、主制御部150で設定(抽選)された図柄変動パターン種を判別し、その判別結果を図柄変動パターンデータ読出部304へ送出する。
図柄変動パターンデータ読出部304では、前記図柄変動パターン種判別部302から入力される情報に基づいて、図柄変動パターンデータメモリ306から図柄変動パターンデータを読み出し、画像合成部308へ送出する。
一方、当選/落選判別部304では、特別図柄抽選の抽選結果を判別し、当選の場合には、大役遊技仕様種判別部310に当選信号を送出すると共に、背景色初期設定部312へ初期設定指示信号を送出する。大役遊技仕様種判別部310では、当選信号に基づいて大役遊技仕様の種類を判別する。
背景初期設定部312では、初期設定指示があると、大役遊技仕様種判別部310で判別した大役種情報に基づいて、表2に基づいて背景色を設定する。
設定された初期の背景色は、背景色特定情報更新保存部314に送出され、この背景色特定情報更新保存部314に更新保存されるようになっている。
また、当選/落選判別部304には、報知抽選部316が接続されている。報知抽選部316は、前記背景色初期設定部312に接続されており、この背景色初期設定部312によって初期の背景色を設定することで、起動信号を受け、アクティブとなる。
このアクティブ状態で、前記当選/落選判別部304から落選信号(再設定指示)が入力されると、報知抽選部316では、1/10の確率で報知抽選が実行される。
この報知抽選部316において当選すると、報知抽選部316から背景色再設定部318に対して、当選信号(再設定実行指示)を送出する。
この再設定実行指示を受けた背景色再設定部318では、前記大役遊技仕様種判別部310からの大役種情報に基づいて、表2から背景色を設定する。
背景色再設定部318は、背景色初期設定部312と同様に背景色特定情報更新保存部314に接続されており、背景色の再設定のなされると、背景色特定情報更新保存部314へその再設定情報を送出する。
これにより、背景色特定情報更新保存部314では、更新保存される。すなわち、背景色特定情報更新保存部314では、初期設定の背景色情報が保存され、再設定があると、この再設定された背景色情報が保存されることになる。
背景色特定情報更新保存部314は、背景色データ読出部320に接続されている。
この背景色データ読出部320は、前記図柄変動パター種判別部302からの信号により起動して、背景色特定情報更新保存部314に保存されている背景色特定情報に基づいて背景色データメモリ322から背景色データを読み出し、前記画像合成部308へ送出する。
画像合成部308では、前記図柄変動パターンデータ読出部302で読み出した図柄変動パターンデータと、背景色データ読出部320で読み出した背景色データとを合成し、画像表示制御部324へ送出する。
画像表示制御部324では、図柄・音声制御部156(図3参照)に搭載されている表示ドライバ326を制御して、表示部43に図柄変動パターンを表示する。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
まず、図6のフローチャートに従い、主制御部150における遊技の流れを説明する。
遊技者がハンドル30を把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、パチンコ球が打ち出される。
パチンコ球が打ち出されると、外バンド36及び内バンド38に案内されて盤面32の釘や風車等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、始動入賞装置46にパチンコ球が入賞すると(ステップ200の肯定判定)、それが有効か否かを判断し(ステップ202)、有効でありかつ保留の必要がない場合(ステップ202で肯定判定、かつステップ204で否定判定)、所定の確率下で特別図柄抽選が開始される(ステップ206)。例えば、乱数カウンタ254から乱数を取得する。なお、大役判定は、前記取得した乱数値と予め設定した当たり値との照合をすることで、当たり/外れを判定するものである。
なお、始動入賞がなくても、保留がある場合(ステップ208の肯定判定)にも特別図柄抽選は実行される。また、保留が必要の場合には(ステップ204の肯定判定)、保留が満タンでないことを条件に(ステップ210の否定判定)、保留数が加算される(ステップ212)。
一方、普通図柄始動口としての通過装置48にパチンコ球が入賞すると、所定の確率下で普図抽選が開始される。
普図抽選の結果が当たりの場合は、電動チューリップ47を所定回数、所定期間開放し、始動入賞装置46への入賞の確率を高めることができる。なお、通常遊技中の電動チューリップ47の動作は、開閉回数が1回、開放時間が0.5秒程度である。また、特別遊技中の電動チューリップ47の動作は、開閉回数が2回、開放時間が2秒程度である。
前記特別図柄抽選後、その判定が実施され(ステップ214)、判定結果に基づいて、特別図柄変動パターンの抽選が実行され(ステップ216)、次いで特別図柄変動パターンの変動時間に準じた演出図柄変動パターンが選定されて(ステップ218)、演出制御部152へコマンドが送出される(ステップ220)。
主制御部150では、特別図柄変動パターンの変動時間を計時しており、この変動時間が終了すると(ステップ222の肯定判定)、当該特別図柄変動パターンに対応する抽選結果が当たりの場合に(ステップ224の肯定判定)、大役処理の実行が開始される(ステップ226)。
ここで、本実施の形態では、大役処理のパターンとして、4種類準備されており(大当たり(1)、大当たり(2)、小当たり、突然確変))、前記特別図柄抽選によって、何れの仕様かは決定している。従って、大役遊技仕様設定部268では、大役遊技仕様データメモリ272から、決定している大役遊技仕様データを読み出し、大役処理実行制御部274へ送出することで、大役処理が実行される。
また、この大役遊技仕様の種類は、図柄変動パターン演出時の背景色によって遊技者に報知する。
ところで、この大役遊技仕様の種類の報知は、初期の段階では、「小当たり」であるのか、「突然確変」であるのかを不明確として報知する。すなわち、「小当たり」と「突然確変」は、何れも早期に大役遊技処理は終了するが、「小当たり」には特典がなく、「突然確変」には、特典(1)が付与される(表1参照)。言い換えれば、「突然確変」に特典(2)が付与されないため、大役遊技処理の終了後の遊技進行中に、視覚的に判別不可能であり、遊技者は、遊技を進行させたとしても、何れかに当選したかを認識することができない。
その後、実際に実行されている大役遊技仕様の種類を明確に報知することで、この不明確な報知から明確な報知までの遊技に期待感を持たせることができる。
以下、図7のフローチャートに従い、演出制御部152における大役遊技仕様種類報知制御を説明する。
ステップ350では、主制御部150からコマンドが入力されたか否かが判断され、否定判定の場合にはこのルーチンは終了する。
また、ステップ350で肯定判定されると、ステップ352へ移行して、コマンドの解析が実行され、次いでステップ354へ移行して、解析した情報に基づいて、図柄変動パターンデータを読み出す。
次のステップ356では、特別図柄抽選に当選したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ358へ移行して大役遊技仕様種に基づいて背景色の初期設定を実行する。
すなわち、図8に示される如く、「小当たり」又は「突然確変」の場合には緑色が設定され、「大当たり(1)」の場合は赤色が設定され、「大当たり(2)の場合には青色が設定される。
図7に示される如く、次のステップ360では、設定した初期背景色を特定する(識別する)データを背景色特定情報更新保存部314へ更新保存する。すなわち、この背景色特定情報更新保存部314には、常に最新の1種類の背景色特定データが保存されることになる。
次のステップ362では、背景色特定情報に基づいて、背景色データが読み出され、次いでステップ364へ移行して、図柄変動パターンデータと合成され、ステップ366へ移行する。
ステップ366では、合成データに基づいて表示部43への画像表示制御を実行する。
ここで、特別図柄抽選に当選し、初期の背景色が設定され、表示されると、次からの画像変動パターン演出毎に、この初期設定された背景色を再設定するための抽選(報知抽選)が実行される。
すなわち、ステップ356において、否定判定(特別図柄抽選に落選)されると、ステップ368へ移行して、現在が大役遊技仕様種を背景色によって報知中(初期設定)か否かが判断され、肯定判定されるとステップ370へ移行して報知抽選が実行される。また、ステップ368で否定判定されると、背景色による大役遊技仕様種を報知していない状態であるため、ステップ364へ移行して、図柄変動パターンデータのみに基づいて表示制御が実行される。
ステップ370における報知抽選は当選確率が1/10で実行され、次のステップ372においてこの報知抽選に当選したか否かが判断される。このステップ372で否定判定されると、背景色の再設定を見送り、ステップ362へ移行して、現在保存されている背景色特定情報に基づいて背景色データを読み出す。すなわち、初期設定された背景色での報知を継続する。
また、ステップ372で肯定判定されると、ステップ374へ移行して、大役遊技仕様種に基づいて背景色を再設定する。すなわち、図8に示される如く、「小当たり」の場合は緑色から青色へ再設定し、「突然確変」の場合は緑色から赤色へ再設定する。なお、「大当たり(1)」及び「大当たり(2)」に関しては、既に、明確に報知しているため、再設定の必要はない。もちろん、再設定してもよいが結果は同じである。
図7に示される如く、ステップ374で背景色の再設定が実行されると、ステップ360へ移行して、背景色特定情報更新保存部314に保存されている背景色特定情報を更新保存する。
この結果、以後は、再設定された背景色データが読み出され、図柄変動パターン演出に合成されることになる。
このように、本実施の形態では、「大当たり(1)」、「大当たり(2)」という従来から存在する大役遊技仕様に、「突然確変」という大役遊技仕様を追加する際に、大入賞口44の開放時間が短く(0.5秒)、開閉回数が少ない(2回)というデメリットが遊技者に遊技意欲を減退させることがないように、「小当たり」という大役遊技仕様をさらに追加した。
なお、本実施の形態では、便宜上、「小当たり」を第2の大役遊技仕様としたが、この「小当たり」は、パチンコ機10内での制御的な動作として大当たり信号を出力するものではなく、大入賞口44の開閉動作という大役遊技と同様の物理的な動作をさせるのみである(表1参照)。また、外部にも大当たり信号を出力することもない。
「小当たり」は、「突然確変」と大入賞口44の開閉動作が同一であり、当該大役遊技終了後に特典がないものであり、実質的に遊技者に何ら有利性のないものである。
しかし、この「小当たり」を設定することで、特別図柄抽選に当選したとき、「突然確変」であるのか「小当たり」であるのかの判別を不明確とする。これにより、遊技者は「突然確変」であることを期待することになる。
また、「突然確変」において、特典(1)の特別図柄抽選の高確率化は実行するが、特典(2)の電動チューリップ47の開放時間延長は行わないようにしたため、大役遊技終了後の遊技進行中においても、視覚的に判別が不可能となり、明確な大役遊技仕様種が報知されるまで(報知抽選に当選し、緑色が変化するまで)遊技者の期待感を持続することができる。
また、上記のような、大役遊技仕様種を報知するときの初期段階として、不明確な報知を行うことで、遊技者は背景色が確定するまで、遊技を継続することになり、店側とすれば稼働率のアップにつながる。
なお、本実施の形態では、大役遊技仕様に関して、特典を付与した場合には、次の特別図柄抽選に当選するまで、当該特典を継続する構成としたが、所定の確率で抽選を行い(転落抽選)、当該転落抽選に当選してしまった場合は、特典を消滅させる仕様としてもよい。
この場合、図9に示される如く、消滅(転落)が確定したときに、すぐに明確な報知(背景色を赤色から青色に変更)をせず、所定の割合で、背景色を緑色にした後、明確な報知をすることが好ましい。すなわち、現在の背景色が赤色で遊技している場合、大役遊技仕様種が「突然確変」のときと「大当たり(1)」のときである。この赤色の背景を、適宜緑色に変化させ、また赤色に戻すような演出を実行し、その中に、実際に転落抽選によって特典が消滅する場合を含めることで、単純に転落抽選を行い、これを即明確に報知するよりも、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
なお、本実施の形態(変形例を含む)では、図柄変動パターン演出の背景の色の変化で、大役遊技仕様の種類を報知するようにしたが、別途3色以上に変化するLED等の光源や、単色に発光する3種類以上の光源をパチンコ機10の適宜箇所に設けるようにしてもよい。また、図柄変動パターン演出の演出内容によって報知するようにしてもよい。さらには、音によって報知するようにしてもよい。