上述した本発明の実施例について説明する。以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤ユニットの構成:
A−3.制御基板の構成:
B.遊技制御処理:
C.演出制御処理:
D.バトル演出:
E.ボタン演出:
A.パチンコ機の構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、パチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面側には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aには合成樹脂製の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20(図2参照)の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4の中央に大きく開口した窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠の下部の前面(遊技者から見てパチンコ機1の一番下の位置)には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、パチンコ機1に対応して設けられたカードユニット246の残金情報に基づいて貸し出される遊技球や、パチンコ機1から賞球として払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図6参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーター262(図6参照)が回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
前面枠4における上皿部7の上面には、遊技者が操作する操作部が搭載されている。本実施例では、操作部として、プッシュ式の演出ボタン10が採用されている。この演出ボタン10が操作されると、後述する演出の内容が切り替えられる。
前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。前面枠4および中枠は、一端(図1における左側)が本体枠に対して軸支されており、前面枠4は中枠および本体枠に対して前方側に回動可能に支持され、中枠は本体枠に対して前方側に回動可能に支持されている。中枠の前面側には遊技盤20を有する遊技盤ユニット18が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1前方側に回動(開放)されると、遊技盤ユニット18が露出された状態となる。
A−2.遊技盤ユニットの構成 :
図2は、遊技盤ユニット18の正面図である。遊技盤ユニット18の前面側には遊技盤20が搭載されており、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21の周囲には、発射装置ユニット261(図6参照)から発射された遊技球を遊技領域21へ案内する案内通路が、外レール22と内レール23とによって形成されている。発射装置ユニット261から発射された遊技球は、この案内通路を通過して遊技領域21に放出される。
遊技領域21に放出された遊技球は、遊技領域21の上部から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の中央には大きな中央開口部30が形成されており、その中央開口部30の奥には、演出を表示する表示部が設けられている。本実施例では、この表示部として、液晶表示器からなる2つの演出表示装置40,41が設けられている。これらの演出表示装置40,41は可動式となっており、図2に示すように、上下に連続した状態で並べて配置させることができる。そして、このように上下に並べて配置した状態では、2つの演出表示装置40,41の表示画面を1つの表示領域として使用することができる。このため、大画面で迫力のある演出が可能となる。尚、以下では、上下に連続した状態で並べて配置した演出表示装置40,41のうち、上側の表示部を演出表示装置40、下側の表示部を演出表示装置41として説明する。
上述した中央開口部30の周縁部には、遊技領域21を流下する遊技媒体が中央開口部30に進入しないように、手前に突出した壁31が形成されている。これによって、遊技媒体が中央開口部30に進入することが抑制される。
なお、演出表示装置40,41は、一部が遊技盤20によって隠れてしまうが、遊技盤20は透過性のある部材(例えば、透明のアクリル板など)で形成されているため、遊技者は演出表示装置40,41の表示画面全体を見ることが可能となっている。
上述した中央開口部30を囲む壁31の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図6参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口(始動口)である第2始動口25が設けられている。第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図6参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知することが可能となっている。
中央開口部30の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図6参照)が設けられている。普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過した場合には、普図当り判定が行われる。そして、普図当り判定の結果、普図当りであった場合には、上述した開閉扉26が開放状態となる。
同じく、中央開口部30の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28(可変入球口)が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図6参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。上述した第1始動口24または第2始動口25に遊技球が入球すると大当り判定が行われ、大当り判定の結果が大当りであった場合に、遊技者にとって有利な大当り状態へ移行する。そして、大当り状態に移行すると、大入賞口28が開放状態となる。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が入球可能な一般入球口(図示省略)や、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイールや多数の障害釘(図示省略)が設けられている。
第1始動口24、第2始動口25、一般入球口の何れかに遊技球が入球した場合は、所定数(本実施例では3個)の遊技球が遊技者に払い出され、大入賞口28に遊技球が入球した場合は、所定数(本実施例では13個)の遊技球が遊技者に払い出される。払い出される遊技球が通過する通路には払出検知センサー249(図6参照)が設けられており、払い出された遊技球を検知可能である。
遊技領域21の最下部であって第2始動口25の下方には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入球口の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏面側に排出される。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。
セグメント表示部50には、上述した普図当り判定の結果を表示する普図表示部が設けられている。普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過して、その遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定値として判定乱数(後述する普図当り判定乱数)を取得し、該判定乱数に基づいて普図当りであるか外れであるかを判定する普図当り判定を行う。そして、この普図当り判定の結果に基づいて、普図表示部にて普通図柄を変動表示させた後に停止表示させる。本実施例のパチンコ機1では、普図表示部には2個のLEDが配置されており、普通図柄は、これら2個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示され、2個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで停止表示される。また、普通図柄として、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた普図当り図柄と、右のLEDを点灯させた普図外れ図柄との2種類の図柄を停止表示可能である。普図当り判定の結果が普図当りである場合は普通図柄が普図当り図柄で停止表示され、普図当り判定の結果が普図外れである場合は普通図柄が普図外れ図柄で停止表示される。こうして普通図柄を普通当り図柄または普通外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(確定表示)を行う。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が開放状態となった後に閉鎖状態となる普図当り状態が設定される。
こうして普図当り状態が設定されると、前述した開閉扉26が開放状態となり、第2始動口25への入球が可能となる(または入球しやすくなる)。また、本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態と、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態とのうち何れか一方が選択的に設定可能となっている。第2始動口25への遊技球の入球頻度を異ならせる方法としては、例えば、普通図柄の変動時間を異ならせる方法、普図当り判定における当選確率を異ならせる方法、普図当りとなった場合に開放状態とする開放時間を異ならせる方法、および普図当りとなった場合に開放状態とする回数を異ならせる方法のうち、何れか1つの方法または複数の方法の組み合わせを採用することができる。
セグメント表示部50には、普通図柄作動ゲート27への遊技球の通過に伴って取得された判定乱数(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示部が設けられている。普図当り判定や変動表示は、判定乱数の取得後(遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過後)に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を普図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した普図保留に基づいて普図当り判定や普通図柄の変動表示を行う。このような普図保留は4個を上限として記憶される。こうして記憶された普図保留の数(普図保留数)が、普図保留表示部に表示される。例えば、普図保留表示部には2個のLEDが配置されており、この普図保留表示部では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで普図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで普図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで普図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで普図保留数が4個であることを示す。尚、本実施例のパチンコ機1では、普図保留が記憶されている場合において、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中、普図当り状態中の何れでもなければ、最先に記憶された普図保留に係る普図当り判定および普通図柄の変動表示を行う。
セグメント表示部50には、第1始動口24への入球に伴って実行された大当り判定の結果を表示する第1特図表示部が設けられている。第1始動口24に遊技球が入球して、第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定値として判定乱数(後述する大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、リーチ乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、第1特図表示部に識別情報としての第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)を変動表示させた後に、大当り判定の結果に応じた第1特図を停止表示させる。第1特図の変動表示については、後述の「特別図柄の変動表示」で詳しく説明する。
セグメント表示部50には、第1始動口24への遊技球の入球に伴って取得された判定乱数(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示部が設けられている。第1始動口24に遊技球が入球すると、上述したように大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第1始動口24に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第1特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第1特図保留に基づいて大当り判定や第1特図の変動表示を行う。このような第1特図保留は4個を上限として記憶される。こうして記憶された第1特図保留の数(第1特図保留数)が、第1特図保留表示部に表示される。例えば、第1特図保留表示部には2個のLEDが配置されており、この第1特図保留表示部では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第1特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第1特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第1特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第1特図保留数が4個であることを示す。
セグメント表示部50には、第2始動口25への入球に伴って実行された大当り判定の結果を表示する第2特図表示部が設けられている。第2始動口25に遊技球が入球して、第2始動口センサー25sによって検知されると、所定の判定値として判定乱数(後述する大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、リーチ乱数など)を取得し、該判定乱数に基づいて大当りであるか外れであるかを判定する大当り判定を行う。そして、第2特図表示部に識別情報としての第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)を変動表示させた後に、大当り判定の結果に応じた第2特図を停止表示させる。第2特図の変動表示については、後述の「特別図柄の変動表示」で詳しく説明する。
セグメント表示部50には、第2始動口25への遊技球の入球に伴って取得された判定乱数(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示部が設けられている。第2始動口25に遊技球が入球すると、上述したように大当り判定や変動表示が行われるものの、これらの大当り判定や変動表示は、遊技球が第2始動口25に入球後に直ぐに行われるのではなく、取得された判定乱数を第2特図保留として一旦記憶する。そして、所定の条件が成立したら、記憶した第2特図保留に基づいて大当り判定や第2特図の変動表示を行う。このような第2特図保留は4個を上限として記憶される。こうして記憶された第2特図保留の数(第2特図保留数)が、第2特図保留表示部に表示される。例えば、第2特図保留表示部には2個のLEDが配置されており、この第2特図保留表示部では、2個のLEDのうち1個のLEDを点灯することで第2特図保留数が1個であることを示し、2個のLEDを点灯することで第2特図保留数が2個であることを示し、1個のLEDを点滅することで第2特図保留数が3個であることを示し、2個のLEDを点滅することで第2特図保留数が4個であることを示す。
<特別図柄の変動表示>
上述したように、第1始動口24に遊技球が入球すると、第1特図表示部で第1特図が変動表示され、第2始動口25に遊技球が入球すると、第2特図表示部で第2特図が変動表示される。第1特図表示部および第2特図表示部には、それぞれ8個のLEDが配置されている。第1特図および第2特図(以下、これらを特に区別をしない場合は、まとめて「特別図柄」という)は、それぞれの表示部において、8個のLEDのうち点灯するLEDを切り換えることによって変動表示される。
特別図柄の変動パターンは、予め記憶された変動パターン選択テーブルを参照して選択される。ここで、変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)である。
特別図柄の変動表示が開始されてから、選択された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、8個のLEDのうち所定のLEDを点灯した状態とすることで、特別図柄が停止表示される。ここでは、上述した大当り判定の結果に基づいて選択された特別図柄が停止表示される。すなわち、大当り判定の結果が大当りであった場合には、大当りに対応した大当り図柄が停止表示され、大当り判定の結果が外れであった場合には、外れに対応した外れ図柄が停止表示される。これらの図柄の種類は、点灯するLEDの組合せの相違によって識別可能である。こうして特別図柄(第1特図または第2特図)を大当り図柄または外れ図柄で停止表示したら、停止表示された図柄を確定させるべく、図柄が停止表示された状態を所定の時間が経過するまで維持する表示(以下「確定表示」ともいう)を行う。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、所定の変動時間の経過によって当該変動表示が終了して、特別図柄が大当り図柄または外れ図柄で確定表示されるまでの遊技、すなわち1回の変動表示の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」と表現する。
尚、本実施例のパチンコ機1では、何れかの特別図柄の変動表示中や、何れかの特別図柄の確定表示中、大当り状態中は、第1特図保留や第2特図保留が記憶されていても、これらの保留に係る図柄変動遊技は行わない。また、第1特図保留および第2特図保留のうち第1特図保留のみが記憶されている場合は、最先に記憶された第1特図保留に係る図柄変動遊技を行うが、第2特図保留が記憶されている場合は第1特図保留が記憶されているか否かに拘わらず、最先に記憶された第2特図保留に係る図柄変動遊技を行う。すなわち、第2特図を第1特図に優先して変動表示させる(いわゆる第2特図の優先変動機能を有する)。
第1特図または第2特図が何れかの大当り図柄で停止表示(確定表示)されると、大入賞口28が開放状態となるラウンド遊技が複数回行われる大当り状態に移行する。
本実施例のパチンコ機1では、1回のラウンド遊技は、9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または30秒が経過した場合に終了するので、ほとんどの場合、1回のラウンド遊技では117個(9カウント×払出球数13個)の遊技球が払い出される。
図3には、本実施例のパチンコ機1の基本性能が示されている。図3に示すように、本実施例のパチンコ機1では、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数種類の大当り状態が設定可能とされている。大当り状態の有利度合いを異ならせる方法としては、大別して、大当り状態中に付与する利益(例えば、遊技媒体の数)を異ならせる方法と、大当り状態の終了後に移行させる遊技状態を異ならせる方法との、2種類の方法がある。
大当り状態中に付与する利益を異ならせる方法としては、例えば、1回の大当り状態中に実行するラウンド遊技の実行回数を異ならせる方法がある。図3に示す例では、6回のラウンド遊技を実行する6ラウンド大当り状態と、13回のラウンド遊技を実行する13ラウンド大当り状態とが実行可能とされており、1ラウンドあたりに付与される利益は同じであるため、13ラウンド大当り状態の方が6ラウンド大当り状態よりも遊技者にとって有利な大当り状態となっている。
また、大当り状態の終了後に移行させる遊技状態を異ならせる方法としては、以下の方法がある。本実施例のパチンコ機1では、大当り判定が行われる遊技状態として、「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(299分の1の確率である)低確率状態」および「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(50分の1の確率である)高確率状態」が設定可能とされている。そして、大当り状態には、大当り状態の終了後に低確率状態へ移行させる通常大当り状態と、大当り状態の終了後に高確率状態へ移行させる確変大当り状態とが設定可能とされており、確変大当り状態の方が通常大当り状態よりも遊技者にとって有利な大当り状態となっている。
本実施例のパチンコ機1では、確変大当り状態として、13ラウンド大当り状態と6ラウンド大当り状態とが設定可能されており、通常大当り状態として、6ラウンド大当り状態が設定可能とされている。大当り状態の振り分けは、第1特図についての大当り判定であるか、第2特図についての大当り判定であるかによって異なっている。第1特図についての大当り判定では、3%が13ラウンドの確変大当り状態となっており、62%が6ラウンドの確変大当り状態となっており、35%が6ラウンドの通常大当り状態となっている。また、第2特図についての大当り判定では、65%が13ラウンドの確変大当り状態となっており、残りの35%が6ラウンドの通常大当り状態となっている。
従って、第1特図についての大当り判定では、13ラウンド大当り状態となる確率は僅か3%であり、大半の97%が6ラウンド大当り状態となる。これに対し、第2特図についての大当り判定では、65%が13ラウンド大当り状態となっており、残りの35%が6ラウンド大当り状態であるので、大当り状態となった場合に、多くの遊技媒体の払出が期待できる。その一方、確変大当り状態となる確率は、第1特図についての大当り判定であるか、第2特図についての大当り判定であるかに関わらず、同じ65%となっている。このため、第2特図についての大当り判定は、第1特図についての大当り判定よりも遊技者にとって有利な大当り判定となっている。
確変大当り状態が終了した後は、高確率状態へ移行するとともに、前述した電サポ状態にも移行する。こうした高確率状態と電サポ状態とが設定された状態は、次回の大当りに当選するまで継続され、次回の大当りに当選すると終了する。
通常大当り状態が終了した後は、低確率状態へ移行するが、この場合にも電サポ状態が設定される。但し、この電サポ状態は、次回の大当りに当選するか、あるいは図柄変動遊技が所定回数実行されると終了して、非電サポ状態へ移行する。電サポ状態が終了となる図柄変動遊技の回数は、この電サポ状態への移行契機となった通常大当り状態が、第1特図についての大当り判定の結果に基づいて付与された場合には20回、第2特図についての大当り判定の結果に基づいて付与された場合には100回となっている。
なお、上述した例は、大当り状態の有利度合いを異ならせる方法の一例であり、大当り状態の有利度合いを異ならせることができるのであれば、別の方法を採用することもできる。例えば、大当り状態の終了後に移行させる遊技状態の終了条件を異ならせることで有利度合いを異ならせることができる。
例えば、大当り状態の終了後に、次回の大当りの当選によって終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態と、図柄変動遊技が所定回数実行されると終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態とを設定することもできる。
あるいは、大当り状態の終了後に、図柄変動遊技が所定の第1回数実行されると終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態と、図柄変動遊技が上記第1回数よりも多い第2回数実行されると終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態とを設定することもできる。
あるいは、大当り状態の終了後に、次回の大当りの当選によって終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態と、図柄変動遊技を実行するごとに行われる抽選に当選する(外れる)と終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態とを設定することもできる。
あるいは、大当り状態の終了後に、図柄変動遊技が実行されるごとに所定の第1確率で行われる抽選に当選する(外れる)と終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態と、図柄変動遊技が実行されるごとに上記第1確率よりも高い第2確率で行われる抽選に当選する(外れる)と終了する高確率状態(または電サポ状態)へ移行させる大当り状態とを設定することもできる。
また、大当り状態中に所定の権利を獲得するとその大当り状態が終了した後に相対的に有利な遊技状態(例えば高確率状態や電サポ状態など)へ移行させる一方、上記所定の権利を獲得できなかった場合には大当り状態が終了した後に相対的に不利な遊技状態(例えば低確率状態や非電サポ状態など)へ移行させる遊技機においては、上記所定の権利を獲得する可能性が異なる複数種類の大当り状態を設定することもできる。
上述したように、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定の結果が大当りであった場合には大当り図柄が停止表示されるが、この大当り図柄としては、大当り状態の種類に対応した大当り図柄が停止表示される。したがって、停止表示された特別図柄によって、大当りであるか外れであるかが示されるだけでなく、大当りである場合には、その大当りによって移行する大当り状態の種類も示される。
こうした基本性能を有する本実施例のパチンコ機1では、以下のようにして遊技が進行する。本実施例のパチンコ機1では、非電サポ状態、すなわち、第2始動口25への入球頻度が低い状態から開始されるので、まずは第1始動口24へ入球させるように遊技が行われる。遊技者は、発射ハンドル9の回転角度を調整することで遊技球の発射強度を調整することができ、中央装置40の左右に打ち分けることができる。第1始動口24は中央装置40の左側の遊技領域21に放出された遊技球が入球可能となっているため、非電サポ状態では、左側の遊技領域21に遊技球を放出させる左打ちが行われる。第1始動口24に遊技球が入球して大当り判定が行われ、その結果、大当りになると、大当り状態へ移行する。大当り状態へ移行すると大入賞口28が開放状態となる。大入賞口28は、中央装置40の右側の遊技領域21に放出された遊技球が入球可能となっているため、大当り状態では、右側の遊技領域21に遊技球を放出させる右打ちが行われる。大当り状態が終了すると、電サポ状態が設定される。電サポ状態では、第2始動口25への入球頻度が高くなるので、第2始動口25および該第2始動口25を開放状態とするための普通図柄作動ゲート27へ入球させるように遊技が行われる。第2始動口25および普通図柄作動ゲート27はともに、右側の遊技領域21に放出された遊技球が入球可能となっているため、電サポ状態では右打ちが行われる。そして、電サポ状態が終了すると、非電サポ状態となるので左打ちに戻される。
<演出表示装置41の表示内容>
本実施例のパチンコ機1では、上述したような遊技の進行に伴って演出を行う。その演出の1つとして、演出表示装置40,41では、表示画面に種々の画像を表示する表示演出を行う。例えば、演出表示装置40,41では、第1特図または第2特図の変動表示(図柄変動遊技)に伴って各種の演出(以下「図柄変動演出」という)が行われる。すなわち、第1特図表示部または第2特図表示部で表示される特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示(図柄変動遊技)の開始タイミングと同期して、演出表示装置40,41では図柄変動演出が開始され、特別図柄の変動表示の終了タイミングと同期して図柄変動演出が終了される。
前述したように演出表示装置40,41は上下に連続した状態で配置することが可能となっており、この状態では、演出表示装置40,41の表示画面を1つの表示領域(以下では、「連結表示領域」と称することもある。)として使用することができる。図4には、図柄変動演出の一例が示されている。この図柄変動演出では、識別図柄が変動表示される。上述した連結表示領域には、識別図柄を変動表示させる変動表示領域が、所定方向(本実施例では左右方向)に所定数(本実施例では3つ)並べて配置されており、識別図柄は、各変動表示領域で変動表示される。本実施例では、図4(a)に示すように、識別図柄が所定方向(本実施例では上方から下方)へ移動することによって変動表示される。このとき、識別図柄は、2つの演出表示装置40,41に跨って変動表示される。
なお、本実施例では、各変動表示領域が一直線上に並べて配置されているが、配置は自由である。例えば、山型に配置することもできるし、V字型に配置することもできる。また、各変動表示領域は、全て同じ演出表示装置に形成されている必要はなく、例えば、各変動表示領域を全て別々の演出表示装置に表示させることもできる。また、各変動表示領域は、図柄変動の途中などで位置を移動させることもできる。
識別図柄としては、「1」から「7」の数字を意匠化した7種類の図柄が採用されている。なお、識別図柄は、遊技者が識別することができる図柄であれば別の図柄とすることもできる。例えば、アルファベットなど数字以外の文字を意匠化した図柄とすることもできるし、文字以外の図柄とすることもできる。
各変動表示領域で変動表示させる識別図柄は、全てが同時に停止表示されるのではなく、所定の順序で停止表示される。本実施例では、先ず左側の変動表示領域で識別図柄が停止表示され(図4(b)参照)、次に右側の変動表示領域で識別図柄が停止表示される(図4(c)(e)参照)。そして、最後に、真ん中の変動表示領域で識別図柄が停止表示される(図4(d)(f)(g)参照)。なお、以下では、1つ目の識別図柄が停止表示されることを第1停止表示と称することがあり、2つ目の識別図柄が停止表示されることを第2停止表示と称することがあり、3つ目(最後)の識別図柄が停止表示されることを第3停止表示(最終停止表示)と称することがある。
本実施例では、大当り判定の結果が大当りであった場合には、大当りに対応した大当り図柄が停止表示され(識別図柄が特定態様で停止表示され)、大当り判定の結果が外れであった場合には、外れに対応した外れ図柄が停止表示される(識別図柄が外れ態様で停止表示される)。本実施例では、大当り図柄として、「1」「1」「1」など、3つの同一の識別図柄で構成される図柄(以下、「ゾロ目」と称することもある。)が設定されている。外れ図柄としては、この大当り図柄以外の図柄、すなわち、複数種類の識別図柄で構成される図柄(以下、「バラケ目」と称することもある。)が設定されている。
従って、図4(c)に示すように、停止表示された2つの識別図柄が互いに異なる場合には、その時点で外れであることが確定し、その後、図4(d)に示すように、第3停止表示されることで、外れ図柄が停止表示される。
その一方、図4(e)に示すように、停止表示された2つの識別図柄が同一である場合には、最後に停止表示される変動表示領域でも同一の識別図柄が停止表示されることで大当り図柄となるので、リーチ状態となる。ここで、リーチ状態とは、1つの変動表示領域を除いた複数の変動表示領域では、大当り図柄(特定態様)を構成する識別図柄が停止表示され、残った1つの変動表示領域では識別図柄が停止表示されていない状態をいう。このリーチ状態では、1つの変動表示領域を除いた複数の変動表示領域に識別図柄が停止表示されていればよく、残った1つの変動表示領域で、識別図柄が表示されているか否かは関係ない。従って、例えば、1つの変動表示領域を除いた複数の変動表示領域で、大当り図柄(特定態様)を構成する識別図柄が停止表示された時点で、残った1つの変動表示領域に識別図柄が表示されていなくともリーチ状態となる。このように、1つの変動表示領域を除いた複数の変動表示領域で、大当り図柄(特定態様)を構成する識別図柄が停止表示された時点で、残りの1つの変動表示領域に識別図柄が表示されていない場合としては、例えば、1つの変動表示領域を除いた複数の変動表示領域で、大当り図柄(特定態様)を構成する識別図柄が停止表示された時点で、残った1つの変動表示領域に識別図柄が一時的に表示されなくなっている場合のほか、1つの変動表示領域を除いた複数の変動表示領域で、大当り図柄(特定態様)を構成する識別図柄が停止表示されてから、残った1つの変動表示領域で識別図柄の変動表示が開始され、その後、停止表示される場合などがある。
このリーチ状態から、図4(f)に示すように、最後に停止表示される変動表示領域に、他の変動表示領域で停止表示された識別図柄とは異なる識別図柄が停止表示されると、外れ図柄が停止表示されることとなる(リーチ外れとなる)。これに対して、リーチ状態から、図4(g)に示すように、最後に停止表示される変動表示領域にも、他の変動表示領域で停止表示された識別図柄と同一の識別図柄が停止表示されると、大当り図柄が停止表示されることとなる。
なお、大当り図柄は、予め定められた特定態様の識別図柄であればよく、必ずしも同一の識別図柄からなる組み合わせ(ゾロ目)である必要はない。例えば、特定の組み合わせで構成される識別図柄とすることもできる。その具体例としては、「1」「2」「3」や、「A」「B」「C」などがある。
本実施例では、大当り状態が、通常大当り状態であるか、確変大当り状態であるかによって、停止表示される識別図柄が異なっている。図5には、通常大当り状態に対応した通常大当り図柄と、確変大当り状態に対応した確変大当り図柄とがそれぞれ示されている。図5に示すように、通常大当り図柄としては、「1」「2」「4」又は「6」を意匠化したゾロ目が設定されており、確変大当り図柄としては、「3」「5」又は「7」を意匠化したゾロ目が設定されている。また、識別図柄は、通常大当り図柄に対応する識別図柄であるか、確変大当り図柄に対応する識別図柄であるかを遊技者が容易に区別することができるように、通常大当り図柄に対応する識別図柄と、確変大当り図柄に対応する識別図柄とをそれぞれ異なる色で着色している。図5に示す例では、通常大当り図柄に対応する識別図柄である「1」「2」「4」及び「6」を銀色で着色しており、確変大当り図柄に対応する識別図柄である「3」「5」及び「7」を金色で着色している。
このように大当り判定の結果は、前述した第1特図表示部または第2特図表示部に表示されるだけでなく、演出表示装置40,41によっても表示される。但し、演出表示装置40,41の方が第1特図表示部および第2特図表示部よりも表示領域が大きく、さらに、大当り判定の結果も、第1特図表示部および第2特図表示部よりも演出表示装置40,41の方が遊技者にとって分かりやすく表示されるので、遊技者は、通常、演出表示装置40,41の図柄変動演出を見ながら遊技を行う。
A−3.制御回路の構成 :
図6は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(CPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(ROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(RAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、普通図柄作動ゲートを通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28sなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて出力する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29mなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対しては、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信し、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信することによって、遊技の演出を行う。
また、サブ制御基板220には、前述した演出ボタン10が接続されている。演出ボタン10の操作を検知するセンサーから検知信号を受信すると、演出ボタン10の操作に対応したコマンドを、画像音声制御基板230やランプ制御基板226に対して送信することによって、演出ボタン10の操作に対応した演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出して、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
払出制御基板240には主制御基板200が接続されており、主制御基板200のCPU201が、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、大入賞口センサー28sなどから遊技球の検知信号を受信すると、払出制御基板240に対して遊技球の払い出しを指示する払出コマンドが出力される。払出制御基板240は、この払出コマンドを受信すると、遊技球を払い出すための制御を行う。
また、払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン245(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット246、遊技球を払い出す払出装置247などが接続されている。球貸ボタン245が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット246に伝達される。カードユニット246は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出装置247の払出モーター248を駆動して遊技球の貸し出しを行う。
払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技制御処理 :
こうした構成の下、以下のような遊技制御が行われる。図7は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
<出力処理>
図7に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、各種処理において、サブ制御基板220や払出制御基板240などの各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて出力する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、払出制御基板240では、払出モーター248を駆動して遊技球の払い出しが行われることとなる。
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S110)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、大当り判定や普図当り判定は所定の判定乱数に基づいて行われる。詳しくは、大当り判定は「大当り判定乱数」に基づいて行われ、普図当り判定は「普図当り判定乱数」に基づいて行われる。また、本実施例のパチンコ機1では、複数種類の大当り状態が実行可能となっており、大当り判定の結果が大当りであった場合には、「大当り種別乱数」に基づいて大当り状態の種類が決定される。本実施例のパチンコ機1における特別図柄の変動表示は変動パターンに基づいて行われるが、この変動パターンは「変動パターン選択乱数」に基づいて選択される。また、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定の結果が外れであった場合、演出表示装置41で実行される図柄変動演出でリーチ状態とするか否かを「リーチ乱数」に基づいて決定する。乱数更新処理(S110)では、これらの乱数を更新する。尚、これらの乱数の更新は、乱数更新処理(S110)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間にも行うこととしてもよい。また、乱数更新の専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新することとしてもよい。
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S120)を行う。始動口等センサー検出処理(S120)では、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s等からの検知信号に基づいて、始動口24、第2始動口25への遊技球が入球したか否かを判定する。そして、遊技球が入球したと判定した場合には、入球に応じて払い出す遊技球の数を含む払出コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。払出コマンドが出力バッファに記憶されると、次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に出力される。払出コマンドを受信した払出制御基板240では、遊技球の払い出しが行われる。
また、始動口等センサー検出処理(S120)では、ゲートセンサー27sからの検知信号に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判定する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したと判定した場合には、普図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判定する。そして、普図保留数が4個に達していなければ、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を普図保留として記憶する。普図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された普図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過していなかった場合や、普図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな普図保留は記憶しない。
さらに、始動口等センサー検出処理(S120)では、第1始動口センサー24sからの検知信号に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判定する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球したと判定した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判定する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、リーチ乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。
ここで、第1特図の変動表示(図柄変動遊技)は、第1特図保留として取得された乱数のうち大当り判定乱数、大当り種別乱数、および変動パターン選択乱数に基づいて行われる。また、第1特図の変動表示に合わせて行われる演出(図柄変動演出)は、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、およびリーチ乱数に基づいて行われる。従って、第1特図保留を記憶した場合は、未だ該第1特図保留に基づく変動表示が開始されていなくても(変動開始条件が成立していなくても)、該第1特図保留に基づく変動表示や演出(第1特図保留に基づく図柄変動遊技や図柄変動演出)の態様を判定することが可能である。例えば、第1特図保留に基づく変動表示が行われる前であっても、該第1特図保留に基づく変動表示が行われた場合に大当り図柄が停止表示されるか否かや、リーチ状態で実行されるリーチ演出が行われるか否か等を判定することが可能である。このような判定は事前判定と称されるものであって、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留を記憶すると、該第1特図保留について事前判定を行い、該事前判定結果を該第1特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第1特図保留を記憶すると共に該第1特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドは次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sからの検知信号に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判定する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判定する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、およびリーチ乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。こうして第2特図保留を記憶したら、該第2特図保留についても上述と同様の事前判定を行い、該事前判定結果を該第2特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第2特図保留を記憶すると共に該第2特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第2特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第2特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S130)を行う。この普通動作処理(S130)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り状態へ移行させたりする処理が行われる。本実施例の普通動作処理(S130)では、普通動作ステータスが1〜4の4段階で設定されており、設定された普通動作ステータスによって実行される処理が選択される。例えば、普通動作ステータスが1の状態では、普通図柄の変動開始条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合に変動表示を開始する普図変動待機処理が選択され、普通動作ステータスが2の状態では、変動表示中の普通図柄を停止表示させる普図変動中処理が選択され、普通動作ステータスが3の状態では、普通図柄の確定表示を行い、普図当り図柄が確定表示された場合には普図当り状態へ移行させる普通図柄確定処理が選択され、普通動作ステータスが4の状態では、普図当り状態への移行に伴い開閉扉26を開閉させる普図電動役物処理が選択される。選択された何れかの処理が実行された後は、普通動作処理(S130)を終了する。すなわち、普通動作ステータスが切り替わるまで、普通動作処理(S130)が実行される度に同じ処理が繰り返されることとなる。
普通動作ステータスは初期値として1が設定されている。このため、最初は普図変動待機処理が実行される。普図変動待機処理では、先ず上述の普図保留記憶領域に普図保留が記憶されているか否かを判定する。普図保留が記憶されていない場合には、普図変動待機処理を終了する。すなわち、普図保留が記憶されるまで待機状態となる。一方、普図保留が記憶されている場合には、記憶されている普図保留のうち最先に記憶された普図保留を読み出す。そして、読み出した普図保留(普図当り判定乱数)に基づいて普図当り判定を行う。普図当り判定の結果、普図当りであった場合には、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。こうして今回の普通図柄の変動表示の結果を記憶したら、普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図保留を普図保留記憶領域から消去する。その後、次回の普通動作処理(S130)で普図変動中処理が実行されるように、普通動作ステータスを2に設定し、普図変動待機処理を終了する。
普通動作ステータスが2に設定されると、上述した普図変動中処理が実行される。この普図変動中処理では、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過していない場合には、そのまま普図変動中処理を終了する。すなわち、変動時間が経過するまで、この普図変動中処理を繰り返すこととなる。そして、変動時間が経過すると、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部の右のLEDを点灯した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。このように普通図柄が停止表示した後、普通図柄の確定表示時間を設定して、普通図柄の確定表示を開始する。そして、次回の普通動作処理(S130)で普通図柄確定処理が実行されるように普通動作ステータスを3に設定し、普図変動中処理を終了する。
普通動作ステータスが3に設定されると、上述した普通図柄確定処理が実行される。この普通図柄確定処理では、上述の普図変動中処理で設定された確定表示時間が経過したか否かを判定する。その結果、確定表示時間が経過していない場合には、そのまま普通図柄確定処理を終了する。すなわち、確定表示時間が経過するまで、この普通図柄確定処理を繰り返すこととなる。そして、確定表示時間が経過すると、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部の左のLEDの点灯)であるか否かを判定する。その結果、停止表示された普通図柄が外れ図柄であった場合には、次回の普通動作処理(S130)で普図変動待機処理が実行されるように、普図動作ステータスを1に戻す。これに対して、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合には、普図当り状態における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定した後、普図当り状態に移行させる。その後、次回の普通動作処理(S130)で普通電動役物処理が実行されるように特別動作ステータスを4に設定し、普通図柄確定処理を終了する。
普通動作ステータスが4に設定されると、上述した普通電動役物処理が実行される。この普通電動役物処理では、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り状態を終了する。その後、次回の普通動作処理(S130)で普通電動役物処理が実行されるように特別動作ステータスを4に設定し、普通図柄確定処理を終了する。
また、本実施例のパチンコ機1では、上述したように、電サポ状態および非電サポ状態のうち何れか一方が選択的に設定される。この電サポ状態および非電サポ状態は以下のようにして実現される。
すなわち、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り状態における第2始動口25の開放時間が長く設定される。従って、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、第2始動口25が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。例えば、非電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の1の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を20秒に設定し、普図当り状態における第2始動口25の開放時間を0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定する。これに対して、電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の99の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の99の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を1秒に設定し、普図当り状態における第2始動口25の開放時間を4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定する。
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S140)を実行する。特別動作処理(S140)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り状態に移行させたりする処理が行われる。本実施例の特別動作処理(S140)では、特別動作ステータスが1〜4の4段階で設定されており、設定された特別動作ステータスによって実行される処理が選択される。すなわち、特別動作ステータスが1の状態では、特別図柄の変動開始条件が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合に特別図柄の変動表示を開始する特図変動待機処理が選択され、特別動作ステータスが2の状態では、変動表示中の特別図柄を停止表示させる特図変動中処理が選択され、特別動作ステータスが3の状態では、特別図柄の確定表示を行う特別図柄確定処理が選択され、特別動作ステータスが4の状態では、特図当り遊技の実行に伴い開閉扉29を開閉させる特図電動役物処理が選択される。選択された何れかの処理が実行された後は、特別動作処理(S140)を終了する。すなわち、特別動作ステータスが切り替わるまで、特別動作処理(S140)が実行される度に同じ処理が繰り返されることとなる。
<特別図柄待機処理>
特別動作ステータスの初期値は1となっており、この場合には、上述した特別図柄待機処理が行われる。上述したように、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留よりも第2特図保留が優先的に消化される。このため、特別図柄待機処理では、先ず第2特図保留があるか否かを判定する。第2特図保留がある場合には、第2特図大当り判定処理が行われる。第2特図大当り判定処理では、最先に記憶された第2特図保留の大当り判定乱数(大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、リーチ乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。
第2特図保留がない場合には、第1特図保留があるか否かを判定する。第1特図保留がある場合には、第1特図大当り判定処理が行われる。第1特図大当り判定処理では、最先に記憶された第1特図保留の大当り判定乱数(大当り判定乱数、大当り種別乱数、変動パターン選択乱数、リーチ乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。尚、第1特図保留もない場合には、特別図柄待機処理を終了する。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、前述したように、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は「大当り判定において大当りと判定される確率が低い(299分の1の確率である)低確率状態」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い(50分の1の確率である)高確率状態」に設定される。このような低確率状態あるいは高確率状態の設定は次のように実現される。すなわち、低確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち299分の1の乱数を大当りとし、高確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち50分の1の乱数を大当りとする。
第2特図大当り判定処理または第1特図大当り判定処理が終了すると、大当り判定の結果に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する図柄の種類が選択される。大当り判定の結果が大当りであった場合には、大当りに対応した大当り図柄が停止表示され、大当り判定の結果が外れであった場合には、外れに対応した外れ図柄が停止表示される。特に、大当り判定の結果が大当りであった場合には、大当りの種類に対応した大当り図柄が停止表示される。また、これらの大当り図柄や外れ図柄は複数種類用意されており、大当りの種別に対応した大当り図柄についても複数種類用意されている。このため、停止表示された特別図柄を確認しても、何れの結果に対応した図柄であるかを識別することが困難になっており、その結果、演出表示装置41で実行される図柄変動演出に一層注目が集まる。尚、主制御基板200のROM202には、大当り判定の結果、および大当り種別に対応した図柄選択テーブルが予め記憶されており、この図柄選択テーブルに従って停止表示される特別図柄が選択される。そして、停止表示する図柄として選択された大当り図柄、および外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
停止表示する図柄が選択されると、続いて特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンが選択される。変動パターンとは、前述したように、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)であり、各変動パターンには他の変動パターンと識別するための情報(変動パターンID)が付されている。変動パターンを選択する処理では変動パターン選択テーブル(図示省略)を参照する。変動パターン選択テーブルとは、複数の変動パターン(変動パターンID、変動時間)に変動パターン選択乱数が割り振られたテーブルである。変動パターンを選択する処理では、このような変動パターン選択テーブルにおいて、今回第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン選択乱数に対応する変動パターンを、今回の変動パターンとして決定する。従って、各変動パターンが選択される確率は、取得可能な変動パターン選択乱数のうち各変動パターンに割り振られた乱数の割合によって決定される。
また、参照する変動パターン選択テーブルは、大当り判定の結果のみによって決定されるのではなく、特別図柄の種類(第1特図または第2特図)や、現在設定されている遊技状態、大当り状態の種類、記憶されている第1特図保留および第2特図保留の数などの種々の遊技進行状況に対応する変動パターン選択テーブルが選択される。こうすることで、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンを選択可能となる。
変動パターンを選択したら、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回選択された変動パターン、大当り判定の結果、大当り状態の種類およびリーチの有無を示す変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて出力される。上述したように、変動パターンは、種々の遊技進行状況に対応する変動パターンが選択されるため、変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板220は、種々の遊技進行状況に対応する演出パターンで図柄変動演出を実行することができる。また、今回の大当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。そして、次回の特別動作処理で特図変動中処理が行われるように、特別動作ステータスを2に更新してから、特別図柄待機処理を終了する。
<特図変動中処理>
特別図柄の変動表示が開始され、特別動作ステータスが2に更新されると、上述した特図変動中処理が行われる。特図変動中処理では、変動終了タイミングとなったか否かを判定する。すなわち、特別図柄の変動表示が開始されてからの時間が、上記特別図柄待機処理で選択された変動時間に達したか否かを判定する。変動終了タイミングとなっていない場合には、特別図柄の変動表示を継続させるため、そのまま特図変動中処理を終了する。一方、変動終了タイミングとなった場合には、上記特別図柄待機処理で選択された図柄が停止表示される。例えば、大当り判定の結果が大当りであった場合には上記特別図柄待機処理で選択された大当り図柄を停止表示し、大当り判定の結果が外れであった場合には上記特別図柄待機処理で選択された外れ図柄を停止表示する。そして、図柄の確定表示を開始し、特別図柄を確定表示させる確定表示時間を設定する。その後、次回の特別動作処理で特別図柄確定処理が行われるように、特別動作ステータスを3に更新してから、特図変動中処理を終了する。
<特別図柄確定処理>
特別動作ステータスが3に更新されると、上述したように特別図柄の確定表示を行う特別図柄確定処理が行われる。特別図柄確定処理では、特図変動中処理で設定された確定表示時間が経過したか否かを判定する。その結果、確定表示時間が経過していない場合には、確定表示を継続させるためにそのまま特別図柄確定処理を終了する。
確定表示時間が経過すると、停止表示(確定表示)された図柄が大当り図柄であるか否かを判定し、大当り図柄である場合には、大当り状態の開始に向けた処理を行う。例えば、大当り状態における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。その後、サブ制御基板220に向けて大当り状態が開始されたことを示す大当り状態開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。こうして出力バッファに記憶された大当り状態開始コマンドは、次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。大当り状態開始コマンドが出力バッファに記憶されると、次に高確率状態であるか否かを判定し、高確率状態である場合には、低確率状態を設定する。そして、遊技状態が低確率状態であることを示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。こうして出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。遊技状態指定コマンドが出力バッファに記憶されると、次回の特別動作処理で特別電動役物処理が行われるように、特別動作ステータスを4に更新する。そして、図柄変動遊技が終了したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。出力バッファに記憶された変動停止コマンドは次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に出力される。変動停止コマンドが出力バッファに記憶されると、特別図柄確定処理を終了する。
以上では、停止表示された図柄が大当り図柄であった場合の流れについて説明したが、停止表示(確定表示)された図柄が外れ図柄である場合には、先ず電サポ状態であるか否かを判定する。判定の結果、電サポ状態である場合には、電サポ状態の終了条件が成立したか否かを判定する。すなわち、図柄変動遊技が実行される毎に電サポ状態の残り実行回数を示す電サポ回数カウンタの値から1を減算し、電サポ回数カウンタの値が0となった場合に電サポ状態の終了条件が成立したと判定する。電サポ状態の終了条件が成立した場合には、電サポ状態を終了して、非電サポ状態を設定する。そして、遊技状態が非電サポ
状態であることを示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。こうして出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。遊技状態指定コマンドを出力バッファに記憶させた後、または電サポ状態の終了条件が成立していないか、もしくは既に非電サポ状態である場合には、図柄変動遊技の待機状態に戻すために特別動作ステータスを1に更新する。そして、図柄変動遊技が終了したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。出力バッファに記憶された変動停止コマンドは次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に出力される。変動停止コマンドが出力バッファに記憶されると、特別図柄確定処理を終了する。
<特別電動役物処理>
特別動作ステータスが4に更新されると、上述したように大当り状態への移行に伴って大入賞口28の開閉動作を行う特別電動役物処理が行われる。特別電動役物処理では、先ず上述したラウンド遊技の開始条件(以下、「ラウンド開始条件」ともいう)が成立したか否かを判定する。本実施例では、1回目のラウンド遊技については、大当り状態が開始されたことがラウンド開始条件となっており、2回目以降のラウンド遊技については、直前のラウンド遊技が終了してから所定時間が経過したことがラウンド開始条件となっている。このラウンド開始条件が成立した場合には、ラウンド遊技が開始となるため、大入賞口28を開放する。そして、ラウンド遊技が開始したことを示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。
ラウンド遊技開始コマンドを出力バッファに記憶した後、またはラウンド開始条件が成立したと判定されなかった場合には、ラウンド遊技の終了条件(以下、「ラウンド終了条件」ともいう)が成立したか否かを判定する。ラウンド終了条件は、上述したように、大入賞口28に9個の遊技球が入球したこと(9カウント)または30秒が経過したこととなっている。ラウンド終了条件が成立していない場合には、そのまま特別電動役物処理を終了する。一方、ラウンド終了条件が成立した場合には、ラウンド遊技が終了となるため、大入賞口28を閉鎖して、ラウンド遊技が終了したことを示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。こうして出力バッファに記憶されたラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。ラウンド遊技終了コマンドを出力バッファに記憶させた後、ラウンド遊技の残り実行回数を示すラウンドカウンタの値から1を減算する。そして、ラウンドカウンタの値が0になったか否かを判定する。ラウンドカウンタの値が0でない場合には、大当り状態を継続させるため、そのまま特別電動役物処理を終了する。
ラウンドカウンタの値が0である場合には、大当り状態が終了となるため、大当り状態を終了するための処理を実行する。本実施例では、大当り状態が終了したことを示す大当り状態終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された大当り状態終了コマンドは、次回の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。大当り状態終了コマンドを出力バッファに記憶した後、今回の大当り状態が確変大当り状態であれば高確率状態かつ電サポ状態を設定し、通常大当り状態であれば低確率状態かつ電サポ状態を設定する。そして、設定後の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶させる。こうして出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次の出力処理(S100)で、サブ制御基板220に向けて出力される。遊技状態指定コマンドを出力バッファに記憶した後、図柄変動遊技の待機状態に戻すために特別動作ステータスを1に更新してから、特別電動役物処理を終了する。
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(S150)を行う。この保留数処理(S150)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて出力される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留図柄を演出表示装置41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。保留数処理が終了すると、遊技制御処理を終了する。
このように、主制御基板200では、遊技制御処理が実行され、その結果、遊技が進行する。そして、サブ制御基板220では、主制御基板200から受信した各種コマンドに基づき、遊技の進行に伴って演出が実行される。
C.演出制御処理 :
図8は、サブ制御基板220のCPU221が、演出に係る制御として行う演出制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。演出制御処理は、サブ制御基板220のCPU221によって、所定周期毎(例えば10msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、サブ制御基板220のCPU221が行う演出制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
演出制御処理を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、コマンド解析処理を行う(S200)。ここで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からコマンドを受信するたびに、外部割り込み処理として、このコマンドをRAM223の受信コマンド記憶領域に記憶している。コマンド解析処理(S200)では、この受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンド、すなわち、主制御基板200から受信したコマンドに対応する演出を決定し、この演出を行うために画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信するコマンドをRAM223に確保された出力バッファに記憶する。
サブ制御基板220のCPU221は、続いて、出力処理を行う(S210)。この処理では、RAM223の出力バッファに記憶されたコマンドを画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に送信する。サブ制御基板220からコマンドを受信すると、画像音声制御基板230は、受信したコマンドに対応する画像を演出表示装置41に表示すると共に、受信したコマンドに対応する音声を各種スピーカー6a,6b等から出力する。また、ランプ制御基板226は、受信したコマンドに対応する発光パターンで各種ランプ5a〜5c等を発光させる。
以上のように、サブ制御基板220は、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行するが、本明細書では説明の便宜上、サブ制御基板220が画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行することを、単に、「サブ制御基板220のCPU221が各種演出を実行する」とも表現する。
図9には、主制御基板200から受信したコマンドに対応して、サブ制御基板220のCPU221が行う処理を示している。図9に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、事前判定結果コマンドを受信した場合は、事前判定結果に基づく演出である事前演出を行う。例えば、事前判定結果に対応するキャラクタ等の画像を演出表示装置41に表示させたり、演出表示装置41の第1保留表示領域や第2保留表示領域に表示する保留図柄の態様を事前判定結果に対応する態様としたりする。尚、事前判定演出は、事前判定結果コマンドを受信した場合において、常時行う必要はなく、所定の条件が成立したら(例えば所定の実行抽選に当選したら)行うこととしてもよい。
また、図9に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、保留数伝達コマンドを受信すると、このコマンドによって示される第1特図保留数および第2特図保留数と同数の保留図柄を、演出表示装置41の第1保留表示領域や第2保留表示領域に表示する。尚、第1特図保留数および第2特図保留数の両方を常時表示する必要はなく、例えば、左打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第1特図主体の遊技が行われる状態においては、第1特図保留数を表示し、右打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第2特図主体の遊技が行われる状態においては、第2特図保留数を表示することとしてもよい。
また、図9に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示に伴って図柄変動演出(識別図柄の変動表示を含む)を開始する。
サブ制御基板220のROM222には、変動パターンに対応した図柄変動演出の実行パターンが記憶されている。このため、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると、変動パターン指定コマンドが示す変動パターンに対応する図柄変動演出を選択し、その図柄変動演出を実行する。こうすることで、特別図柄の変動表示に合わせて図柄変動演出が実行される。
上述した図柄変動演出の実行中に変動停止コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、図柄変動演出を終了する(識別図柄を停止表示させる)。なお、識別図柄は、大当り判定の結果を遊技者に示唆(または報知)することが可能な態様で表示されればよいので、完全に停止表示される必要はなく、例えば、搖動するように表示させてもよいし、移動させずに識別図柄が示す情報(例えば「1」〜「7」の数字情報)を維持したまま変形させるようにしてもよい。
また、図9に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、大当り状態開始コマンドを受信すると、大当り状態中であることを示す大当り状態演出を開始する。例えば、大当り状態が開始されるタイミングで、大当り状態の開始を示すファンファーレ演出を実行すると共に、大当り状態中であることを示す動画(いわゆるムービー)の表示を開始する。
大当り状態中にラウンド遊技開始コマンドを受信すると、サブ制御基板220のCPU221は、ラウンド遊技中であることを示すラウンド遊技演出を(例えば、大当り状態演出に重ねて)開始する。例えば、実行中の大当り状態におけるラウンド遊技の回数を示す演出(例えば、1R,2R,3R・・・を表示する演出など)を開始する。そして、ラウンド遊技終了コマンドを受信すると、ラウンド遊技演出を終了し、大当り状態終了コマンドを受信すると、大当り状態演出を終了する。
また、図9に示すように、サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態指定コマンドを受信すると、設定された遊技状態に対応する演出を開始する。例えば、識別図柄41a,41b,41cやその背景画像を遊技状態に対応する態様(色彩や形状など)とする演出を実行したり、電サポ状態が設定された場合は残りの電サポ回数を表示する演出を開始したりする。
D.バトル演出 :
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1では、始動口24,25に遊技球が入球したことに基づいて、大当り判定が行われ、この大当り判定の結果が大当りであった場合には、大当り図柄が停止表示されてから大当り状態へ移行する。そして、この大当り状態が確変大当り状態であった場合には、大当り状態の終了後に高確率状態へ移行する一方、通常大当り状態であった場合には、大当り状態の終了後に低確率状態へ移行する。
また、本実施例のパチンコ機1では、確変大当りとなった場合に、常に確変大当り図柄を停止表示させるのではなく、一旦、通常大当り図柄を停止表示させておき、大当り状態中に実際には確変大当り状態であることを遊技者に示唆することが可能となっている。このため、通常大当り図柄が停止表示された場合であっても、確変大当り状態へ移行することを遊技者に期待させることができる。本実施例のパチンコ機1では、大当り状態中の表示演出として、主役キャラクタと敵キャラクタとが対決し、その対決結果によって、実行中の大当り状態が確変大当り状態であるか否かを遊技者に示唆する所謂バトル演出が実行される。そして、バトル演出の結果、主役キャラクタが勝利した場合には、このことによって確変大当り状態であることが示唆され、主役キャラクタが敗北した場合には、このことによって通常大当り状態であることが示唆される。
なお、バトル演出の結果、主役キャラクタが勝利すると、大当り状態の終了後に遊技者にとって相対的に有利な遊技状態へ移行して、主役キャラクタが敗北すると、大当り状態の終了後に遊技者にとって相対的に不利な遊技状態へ移行するので、このバトル演出は、大当り状態の終了後に移行する遊技状態を示唆する演出と捉えることもできる。また、バトル演出は、所定の特典が付与される可能性(または所定の演出が実行される可能性)を遊技者に示唆する演出であればよく、示唆する対象は、上述した内容に限らない。
本実施例のパチンコ機1では、第1特図についての大当り判定の結果が6ラウンド大当りであった場合に、バトル演出が実行される。すなわち、6ラウンドの確変大当りであった場合と、6ラウンドの通常大当りであった場合に、通常大当り図柄が停止表示され、大当り状態中にバトル演出が実行される。なお、第1特図についての大当り判定の結果が13ラウンド大当りであった場合には、確変大当り図柄が停止表示される。このため、第1特図についての大当り判定の結果に基づいて、確変大当り図柄が停止表示された場合には、13ラウンドの確変大当り状態が確定することとなり、バトル演出は実行されない。
また、第2特図についての大当り判定の結果が、確変大当りであった場合には確変大当り図柄が停止表示され、通常大当りであった場合には通常大当り図柄が停止表示される。このため、バトル演出は実行されない。もちろん、第2特図についての大当り判定の結果が確変大当りであった場合に通常大当り図柄を停止表示させて、大当り状態中にバトル演出を実行するようにしてもよい。
図10には、こうしたバトル演出に絡む遊技の流れが示されている。バトル演出は、大当り状態の所定ラウンド遊技(ここでは、最終ラウンド遊技である第6ラウンド遊技)で実行される。そして、バトル演出の結果、主役キャラクタが勝利すると、大当り状態の終了後に高確率状態へ移行する一方、主役キャラクタが敗北すると、大当り状態の終了後に低確率状態へ移行する。なお、本実施例では、大当り状態中の所定ラウンド遊技でバトル演出を実行するようにしたが、大当り状態が終了(高確率状態または低確率状態へ移行)する前の段階であれば、別のタイミングで実行させることもできる。
図11には、こうしたバトル演出を実現するためにサブ制御基板220で実行されるバトル演出設定処理が示されている。このバトル演出設定処理は、前述したコマンド解析処理(S200)の中で実行される。バトル演出設定処理では、まず大当り状態でラウンド遊技が開始されたときに主制御基板200から出力されるラウンド遊技開始コマンドを受信したか否かを判定する(S300)。その結果、ラウンド遊技開始コマンドを受信していなければ(S300:no)、図11のバトル演出設定処理を終了する。
その後、ラウンド遊技が開始され、ラウンド遊技開始コマンドを受信すると(S300:yes)、ここで開始されたラウンド遊技が所定ラウンド遊技(本実施例では最終ラウンド遊技である6ラウンド遊技)であるか否かを判定する。例えば、大当り状態が開始されてからのラウンド遊技開始コマンドの受信回数を計数し、その計数結果が所定値になると、所定ラウンド遊技が開始されたと判定する。このように判定した結果、開始されたラウンド遊技が所定ラウンド遊技でないと判定した場合には(S310:no)、バトル演出を実行することなく、図11のバトル演出設定処理を終了する。
その後、所定ラウンド遊技が開始されると(S310:yes)、バトル演出を実行させるべく、以下の処理を行う。すなわち、まず今回の大当り状態が確変大当り状態であるか否かを判定し(S320)、確変大当り状態である場合には(S320:yes)、主役キャラクタが勝利するパターンのバトル演出を選択する(S330)。これに対し、通常大当り状態である場合には(S320:no)、主役キャラクタが敗北するパターンのバトル演出を選択する(S340)。
何れかのバトル演出を選択すると、続いて、バトル演出の中で実行するボタン演出を選択する(S350)。ここで、ボタン演出とは、前述した演出ボタン10が操作されたことに基づいて演出内容が変化する演出である。このボタン演出は、バトルの結果、主役キャラクタが勝利する可能性を示唆する演出となっている。すなわち、今回の大当り状態が確変大当り状態である可能性(大当り状態の終了後に高確率状態へ移行する可能性)を示唆する演出となっている。なお、ボタン演出は、所定の特典が付与される可能性(または所定の演出が実行される可能性)を遊技者に示唆する演出であればよく、示唆する対象は、上述した内容に限らない。ボタン演出について、詳しくは後述する。
ボタン演出の選択が終了すると、バトル演出を開始するための処理を行う(S360)。すなわち、このバトル演出に対応したコマンドを、画像音声制御基板230やランプ制御基板226などに送信して、バトル演出を実行させる。そして、図11のバトル演出設定処理を終了する。
図12には、バトル演出が実行される様子が示されている。バトル演出における表示演出は、前述した演出表示装置40,41で実行される。図12(a)に示すように、バトル演出が開始されると、上側の演出表示装置40で、演出表示装置40,41の配列方向と直交する方向(本実施例では左右方向)の片側(本実施例では右側)に主役キャラクタ70が表示されるとともに、主役キャラクタの反対側(本実施例では左側)に敵キャラクタ71が表示される。また、上側の演出表示装置40,41の上部には、現在の大当り状態が連続して何回目の大当り状態であるかを示す情報である「BONUS 1回目」の文字が表示されるとともに、現在のラウンド遊技が今回の大当り状態における何回目のラウンド遊技であるかを示す情報である「ROUND 6」の文字が表示されている。
その後、演出ボタン10が有効化されると、ボタン演出が開始される。そして、このボタン演出が終了すると、主役キャラクタ70と敵キャラクタ71との対決結果を示す決着演出を実行し、主役キャラクタ70が勝利した場合には、主役キャラクタ70が勝利したことを示す勝利画像(図12(b)参照)を表示させる一方、主役キャラクタ70が敗北した場合には、主役キャラクタ70が敗北したことを示す敗北画像(図12(c)参照)を表示させる。なお、本実施例では、演出ボタン10が有効化される部分の演出をボタン演出としたが、演出ボタン10が有効化される部分を含む演出(例えば、バトル演出)をボタン演出と捉えることもできる。
E.ボタン演出 :
こうしたバトル演出の中で、以下のようにボタン演出が実行される。図13には、ボタン演出開始時に表示される画像の一例が示されている。図13に示すように、上側の演出表示装置40では、図12を用いて説明したように、主役キャラクタ70や敵キャラクタ71などが表示されている。また、下側の演出表示装置41では、主役キャラクタ70が勝利する可能性を示唆する情報が表示されている。
ここでは、主役キャラクタ70が勝利する可能性を示唆する情報として、演出ボタン10が操作されたことに基づいて表示態様が変化する変化対象画像が表示される。この変化対象画像は、演出ボタン10が操作されたことに基づいて、特別態様に変化可能となっており、演出ボタン10が操作されたことに基づいて特別態様に変化すると、特別態様に変化しなかった場合よりも、主役キャラクタが勝利する可能性が高いことが示唆される。すなわち、大当り状態の終了後に高確率状態へ移行する可能性が比較的高いことが示唆される。従って、本実施例では、「高確率状態」が本発明の特典に相当する。
図13に示す例では、変化対象画像として、メーター表示量が変化する複数のメーター画像が表示されている。このメーター画像では、特別態様の変化対象画像として、メーター表示量が所定量となった状態のメーター画像が設定されている。そして、各メーター画像のメーター表示量は、複数段階に設定されており、演出ボタン10が操作されたことに基づいて、上記所定量に向けて段階的に変化する。このため、メーター表示量が所定量となることへの期待感を段階的に高めることができる。
例えば、本実施例では、ボタン演出が開始された時点では、メーター表示量が空(0)の状態のメーター画像が表示される。そして、演出ボタン10が操作されたことに基づいて、メーター表示量が増加するように、メーター画像を変化させ、メーター表示量が満タンのメーター画像が表示されることで、満タンとならない場合と比較して主役キャラクタが勝利する可能性が高いことが示唆される。
なお、ボタン演出が開始されると、図13に示すように、遊技者に対して演出ボタン10を操作するように促す情報として、演出ボタン10を模した演出ボタン画像79が表示されるとともに、遊技者に連打を促す情報として、「連打」の文字を表す画像が表示される。
図13に示すように、メーター画像は、上下方向に長い略矩形状の画像となっている。これらのメーター画像は、主役キャラクタ70と同じ右側に表示される。このため、メーター画像が変化した場合に、このメーター画像の変化が主役キャラクタ70の勝利する可能性に対応した変化であることを遊技者に容易に認識させることができる。
下側の演出表示装置41には、上述した複数のメーター画像として、第1メーター画像74および第2メーター画像75が表示されている。これらメーター画像74,75は上下に並べて表示され、上側の第1メーター画像74と、下側の第2メーター画像75との間には、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったことに基づいて変化する第1対応画像76が表示されている。この第1対応画像76は、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったタイミングで変化するので、第1対応画像76の変化が、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったことに起因した変化であることを、遊技者に容易に認識させることができる。さらに、第1対応画像76は、メーター画像74,75に隣接して表示されるので、第1対応画像76の変化が、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったことに起因した変化であることを、遊技者に一層認識させやすくすることができる。なお、第1対応画像76を、メーター画像74,75に一部重複させて表示させるようにしてもよい。この場合にも、第1対応画像76の変化が、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったことに起因した変化であることを、遊技者に容易に認識させることができる。
図14には、メーター画像74,75のメーター表示量が変化する様子が例示されている。メーター画像74,75のメーター表示量は、最初は空(0)となっている(図14(a)参照)。こうした状態から、演出ボタン10が操作されたことに基づいて、各メーター画像74,75のメーター表示量が第1対応画像76の表示される方向に向けて増加していく(図14(b)参照)。そして、演出ボタン10が操作されたことに基づいて、図14(c)では、第1メーター画像74のメーター表示量が満タンとなっている。この時点では、第2メーター画像75のメーター表示量は満タンではないが、さらに演出ボタン10が操作されたことに基づいて、図14(d)では、第2メーター画像75のメーター表示量も満タンになっている。
なお、図14では、説明を省略しているが、上述したようにメーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったことに伴って、第1対応画像76も変化する。このように、本実施例では、メーター画像74,75のメーター表示量が、第1対応画像76が表示される方向に向かって変化していき、満タンになると、第1対応画像76が変化するので、第1対応画像76が変化した場合に、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量になったことに起因して第1対応画像76が変化したことを、遊技者に容易に認識させることができる。
図15には、メーター画像74,75の変化に対応したボタン演出の種類が例示されている。図15に示す例では、4種類のボタン演出が設定されている。第1ボタン演出では、メーター画像74,75のいずれのメーター表示量も満タンとならない。第2ボタン演出では、第2メーター画像75のメーター表示量は満タンとならないが、第1メーター画像74のメーター表示量は満タンとなりうる。第3ボタン演出では、第1メーター画像74のメーター表示量は満タンとならないが、第2メーター画像75のメーター表示量は満タンとなりうる。第4ボタン演出では、メーター画像74,75のいずれのメーター表示量も満タンとなりうる。
そして、メーター表示量が満タンとなったメーター画像が増加するほど主役キャラクタ70の勝利期待度が高くなるようになっている。また、メーター表示量が満タンとなったメーター画像の種類に関わらず、メーター表示量が満タンとなったメーター画像の数が同じであれば、勝利期待度も同じとなっている。なお、メーター表示量が満タンとなったメーター画像の数が同じであっても、メーター表示量が満タンとなったメーター画像の種類が異なる場合には、勝利期待度が異なるようにすることもできる。
また、メーター表示量が満タンとなりうるボタン演出が選択された場合であっても、演出ボタン10が操作されなければ、満タンとはならない。従って、遊技者は、演出ボタン10を操作することで勝利期待度を知ることが可能となっている。なお、満タンとなりうるボタン演出が選択されたにも拘らず、演出ボタン10の操作が有効な期間を経過した時点で満タンとなっていない場合に、満タンとなりうるメーター画像を満タンにする構成とすることもできる。
こうしたメーター画像のメーター表示量は、以下のように変化させることができる。例えば、メーター表示量を所定段階(例えば10段階)に区分し、演出ボタン10が操作されるごとに、所定の確率(100%を含む)で所定量に向けて変化させる。1回の操作で変化するメーター表示量は、一定であってもよいし、不定であってもよい。演出ボタン10が操作された場合に、メーター表示量を変化させる確率は、一定であってもよいし、変動可能としてもよい。変動可能とする場合、例えば、メーター表示量に応じた当選確率を予め設定しておき、メーター表示量に応じた当選確率による抽選結果に基づいて変化させるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、メーター表示量が所定量に近づくほど、当選確率を下げるようにするとよい。こうすれば、初めのうちは、メーター表示量が所定量に向けて変化しやすいので、所定量となることへの期待を煽ることができ、所定量に近づくとそれ以上変化しにくくなるので、すぐに所定量まで到達しなくても所定量となることへの期待を持続させることが可能となる。
また、演出ボタン10が1回操作されたことに基づいて、複数のメーター画像のメーター表示量を一度に(同時に)変化させることを可能としてもよい。こうすれば、1回の操作に対して、複数のメーター画像のメーター表示量が一度に変化することを期待させることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。1回の操作で、複数のメーター画像のメーター表示量を変化可能とする方法としては、例えば、1回の操作に基づいて、各メーター画像について、変化させるか否かを個別に判定する方法がある。このように個別に判定する方法としては、所定の判定値を取得して、その判定値を所定の判定テーブルと照合することによって変化させるか否かを判定する構成では、メーター画像ごとに判定値を別々に取得する方法や、互いに異なる判定テーブルを別々に設定する方法などがある。また、判定テーブルを別々に設定する方法を取る場合、判定テーブルの当選値の割合を調整することで、各メーター画像の当選確率を調整することが可能となる。
また、1回の演出ボタン10の操作に応じて、何れか1つのメーター画像を変化させるようにしてもよい。何れか1つのメーター画像に対して行う場合、変化させる対象となるメーター画像は、所定の順番で選択されるようにしてもよいし、演出ボタン10が操作されるごとに行われる抽選に基づいて選択されるようにしてもよい。この場合、常に1つのメーター画像について、メーター表示量を変化させるか否かを判定すればよいので、演出ボタン10の操作ごとに複数のメーター画像に対してメーター表示量を変化させるか否かを判定する場合と比較して、処理負担を軽減することができる。
また、メーター表示量が所定量となるまでの最低の操作回数がメーター画像ごとに同じであってもよいし、異なっていてもよい。メーター画像ごとに異なる場合には、所定量となるまでの操作回数の差の期待値が縮まるように(あるいは、期待値が同じとなるように)、上記最低の操作回数が少ないメーター画像ほど高確率でメーター表示が上記所定量に向けて変化するようにしてもよい。こうすれば、メーター画像によってメーター表示量の変化態様が異なるようにしつつ、所定量となるまでの操作回数が大差ないように(同一に)することができる。
あるいは、何回目の操作でメーター表示量をどの程度変化させるかを予め決めたシナリオを、所定量となりうる場合と所定量とならない場合とでそれぞれ複数パターン用意しておき、選択したパターンのシナリオに従って、変化させるようにしてもよい。この場合、各メーター画像で共通のテーブルからパターンを選択するようにしてもよいし、メーター画像ごとにテーブルを用意しておき、各メーター画像に対応したテーブルからパターンを選択するようにしてもよい。また、メーター表示量が上記所定量となる前段階における所定の特定量となるまでは共通のテーブルから選択して、特定量を超えると異なるテーブルを選択するようにしてもよい。こうすれば、シナリオが共通する部分についてはテーブルを1つに集約することができるので、テーブルの増加を抑制しつつ、演出の多様化を図ることが可能となる。
また、図13に示すように、メーター画像74,75のメーター表示量が所定量となったことに基づいて(所定量となったタイミングで)変化する対応画像としては、上述した第1対応画像76だけでなく、第2対応画像77および第3対応画像78も表示される。
図16には、各メーター画像74,75が所定量となったことに伴って各対応画像76,77,78が変化する態様が例示されている。図16に示すように、第1対応画像76は、最初は灰色となっており、何れかのメーター画像のメーター表示量が満タンになると、満タンになったメーター画像の種類に対応した色のメーター画像に変化する。例えば、第1メーター画像74のメーター表示量が満タンとならないまま、第2メーター画像75のメーター表示量が満タンになった場合には緑色に変化して勝利期待度が中程度であることが示される。また、第2メーター画像75のメーター表示量が満タンとならないまま、第1メーター画像74のメーター表示量が満タンになった場合には桃色に変化して勝利期待度が中程度であることが示される。さらに、メーター画像74,75の両メーター画像のメーター表示量が満タンになった場合には金色に変化して、勝利期待度が高いことが示される。
第2対応画像77は、最初は橙色となっており、何れかのメーター画像のメーター表示量が満タンになると、満タンになったメーター画像の種類に対応した色の対応画像に変化する。メーター画像の種類に対応した色は、上述した第1対応画像77と同じになっている。
また、第2対応画像77は、色だけでなく、大きさも変化する。第2対応画像77の大きさは、メーター表示量が満タンになったメーター画像の数に対応して変化するようになっており、メーター表示量が満タンになったメーター画像の数が増加するほど大きくなる。前述したように、本実施例では、メーター表示量が満タンになったメーター画像の数は主役キャラクタ70の勝利期待度に対応しているので、第2対応画像77の大きさも主役キャラクタ70の勝利期待度に対応している。従って、勝利期待度の上昇に伴って、第2対応画像77が大きくなるので、遊技者は第2対応画像77の大きさに基づいて、主役キャラクタ70の勝利期待度を容易に認識することが可能となる。ちなみに、メーター表示量が満タンになったメーター画像の数に対応して、第2対応画像77(対応画像)を変化させる場合、変化させる対象は、大きさ以外の要素とすることもできる。大きさ以外の要素を変化させる場合であっても、その変化によって、主役キャラクタ70の勝利期待度を示唆することが可能となる。なお、第2対応画像77は、メーター画像が満タンになったことに基づいて表示態様が変化するものであればよいので、大きさが変化する場合に色が変化しないようにすることもできるし、色が変化する場合に大きさが変化しないようにすることもできる。
第3対応画像78は、色は紫色から変化しないが、大きさは変化する。第3対応画像78の大きさも、上述した第2対応画像77と同じく、メーター表示量が満タンになったメーター画像の数に対応して変化するようになっているが、第2対応画像77とは逆に、メーター表示量が満タンになったメーター画像の数が増加するほど小さくなる。すなわち、主役キャラクタ70の勝利期待度の上昇に伴って、第3対応画像78は小さくなる。
また、図13に示すように、第2対応画像77が主役キャラクタ70と同じ右側に表示されるとともに、第3対応画像78が敵キャラクタ71と同じ左側に表示される。このため、第2対応画像77が主役キャラクタ70の勝利期待度を示しており、第3対応画像78が敵キャラクタ71の勝利期待度を示していることを、遊技者に容易に認識させることができる。このようにすることで、決着前に何れのキャラクタが優勢であるかを分かりやすく示唆することが可能となる。さらに、第2対応画像77は、敵キャラクタ71が表示される左側に向けて張り出しており、逆に第3対応画像78は、主役キャラクタ70が表示される右側に向けて張り出している。これによって、キャラクタ77,78同士の気力のぶつかり合いが表現されている。
図17には、上述した第1ボタン演出の例が示されている。第1ボタン演出では、遊技者によって演出ボタン10が連打されると、メーター画像74,75のメーター表示量が空の状態から徐々に増加していくが(図17(a)(b)参照)、何れのメーター表示量も満タンとなることなくボタン演出が終了する(図17(c)参照)。このため、各対応画像76,77,78はいずれも変化しない。
図18には、第2ボタン演出の例が示されている。第2ボタン演出では、遊技者によって演出ボタン10が連打されると、メーター画像74,75のメーター表示量が空の状態から徐々に増加していき(図18(a)(b)参照)、第2メーター画像75のメーター表示量が満タンになる(図18(c)参照)。これに伴って、第1対応画像76は、灰色から緑色に変化し、第2対応画像77は緑色に変化するとともに1段階大きくなり、逆に第3対応画像78は1段階小さくなる。これによって、主役キャラクタ70の勝利期待度が上昇したことが示唆される。さらに、第2対応画像77は、敵キャラクタ71が表示される左側に一層張り出し、逆に第3対応画像78の右側への張り出しは、左側へ引っ込んでいる。従って、これによっても、主役キャラクタ70が以前よりも優勢となったことが示唆され、主役キャラクタ70の勝利期待度が上昇したことがより一層明確に示される。そして、その後は第1メーター画像74のメーター表示量が満タンとなることなく、ボタン演出が終了する。
図19には、第3ボタン演出の例が示されている。第3ボタン演出では、遊技者によって演出ボタン10が連打されると、メーター画像74,75のメーター表示量が空の状態から徐々に増加していき(図19(a)(b)参照)、第1メーター画像74のメーター表示量が満タンになる(図19(c)参照)。これに伴って、第1対応画像76は、灰色から桃色に変化し、第2対応画像77は桃色に変化するとともに1段階大きくなり、逆に第3対応画像78は1段階小さくなる。これによって、主役キャラクタ70の勝利期待度が上昇したことが示唆される。また、第1メーター画像74のメーター表示量が満タンになった場合についても、第2メーター画像75のメーター表示量が満タンになった場合と同様に、第2対応画像77は、敵キャラクタ71が表示される左側に一層張り出し、逆に第3対応画像78の右側への張り出しは、左側へ引っ込む。そして、第2メーター画像75のメーター表示量が満タンとなることなく、ボタン演出が終了する。
図20には、第4ボタン演出の例が示されている。第4ボタン演出では、遊技者によって演出ボタン10が連打されると、メーター画像74,75のメーター表示量が空の状態から徐々に増加していき(図20(a)参照)、第1メーター画像74または第2メーターのメーター表示量が満タンになった後(図20(b)(c)参照)、あるいは、一方だけが満タンとなる状態を経由することなく同時に両メーター画像74,75が満タンになる(図20(d)参照)。両メーター画像74,75が満タンになったことに伴い、第1対応画像76は、灰色から金色に変化し、第2対応画像77は金色に変化するとともに第2対応画像77の中で最大の大きさとなり、逆に第3対応画像78は第3対応画像78の中で最小の大きさとなる。これによって、主役キャラクタ70の勝利期待度が上昇したことが示唆される。特に、第1メーター画像74または第2メーターのメーター表示量が満タンになった後に、両メーター画像74,75が満タンになった場合には、2段階の上昇となるので、勝利期待度が前の段階からさらに高まったことが示唆される。また、両メーター画像74,75が満タンになると、第1メーター画像74または第2メーター画像75のメーター表示量が満タンになった場合よりも、さらに第2対応画像77は左側に張り出し、第3対応画像78の右側への張り出しは一層左側へ引っ込む。このため、主役キャラクタ70の勝利期待度がさらに上昇したことがより一層明確に示される。そして、ボタン演出が終了する。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1によれば、メーター画像のメーター表示量が、遊技者のボタン操作に基づいて増加し、満タンになると、満タンにならなかった場合よりも特典が付与される可能性が高いことが示唆される。このように、遊技者の操作に基づいて、特典が付与される可能性が示唆されるので、遊技者の遊技への参加意識を高めることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となっている。
また、上述した実施例では、複数のメーター画像が満タンとなる順番は不定となっている。このため、演出を多様化することが可能となる。
なお、上述した実施例では、ボタン演出によって大当り状態が終了した後に高確率状態へ移行する可能性を示唆したが、付与される可能性を示唆する対象は高確率状態以外の特典であってもよい。例えば、リーチ状態で行われるリーチ演出などによって、大当り状態へ移行する前の段階で大当り状態が付与される可能性を示唆することもできる。
上述した実施例では、複数のメーター画像のメーター表示量の変化(所定量への変化)に対応して変化する対応画像について説明したが、対応画像は、メーター画像のメーター表示量の変化(所定量への変化)に対応して変化する画像であればよく、一部のメーター画像のメーター表示量の変化(所定量への変化)に対応する画像であってもよい。例えば、メーター画像ごとに対応画像を設け、メーター画像のメーター表示量が変化(所定量に変化)した場合に、その変化したメーター画像に対応した対応画像を変化させるようにしてもよい。こうすれば、各メーター画像のメーター表示量の変化(所定量への変化)をより強調することが可能となる。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
上記の実施例では、遊技機として、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
上記の実施例では、遊技機をパチンコ機として説明したが、いわゆるスロットマシンとしてもよい。
<実施例から抽出される遊技機>
上記実施例からは以下の遊技機を抽出することができる。
<遊技機A1>
所定の特典付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与する遊技機であって、
表示態様が変化する所定の変化対象画像を表示させる表示手段と、
所定の操作部が操作されたことに基づいて、前記変化対象画像の表示態様を変化させる変化手段と、
前記変化対象画像が特別態様に変化した場合に、該特別態様に変化しなかった場合よりも前記特典が付与される可能性が高いことを示唆する示唆手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、遊技者が行った操作に基づいて、特典が付与される可能性が示唆される。このため、遊技者の遊技への参加意識を高めることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<遊技機A2>
遊技機A1に記載された遊技機であって、
前記変化手段は、前記操作部が操作されたことに基づいて、前記変化対象画像を前記特別態様とは異なる所定態様に変化させた後、さらに前記操作部が操作されたことに基づいて、前記特別態様に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、操作部による複数回の操作によって、変化対象画像が段階的に変化した末に特別態様に変化するので、変化対象画像が特別態様となることへの期待感を段階的に高めることが可能となる。
<遊技機A3>
遊技機A2に記載された遊技機であって、
前記表示手段は、複数の前記変化対象画像を表示可能であり、
前記示唆手段は、前記複数の変化対象画像のうち、前記特別態様に変化した変化対象画像の数が増加するほど前記特典の付与される可能性が高いことを示唆する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、特別態様に変化した変化対象画像の数が増加するほど上記特典が付与される可能性が高いことが示唆される。このため、変化対象画像が特別態様となることへの期待感を段階的に高めることができるだけでなく、特別態様となった変化対象画像の数によって、特典が付与されることへの期待感を段階的に高めることが可能となっている。
<遊技機A4>
遊技機A3に記載された遊技機であって、
前記複数の変化対象画像とともに所定の対応画像を表示させる対応画像表示手段を備え、
前記対応画像表示手段は、前記変化対象画像が前記特別態様に変化したことに基づいて、前記対応画像を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、変化対象画像が特別態様に変化した場合に、上記対応画像が変化するので、特別態様に変化したことを、より一層、遊技者に認識させやすくすることが可能となる。
<遊技機A5>
遊技機A4に記載された遊技機であって、
前記対応画像表示手段は、前記変化対象画像が前記特別態様に変化すると、前記対応画像を、該変化対象画像の種類に応じた対応画像に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、特別態様となった変化対象画像の種類に応じて上記対応画像が変化するので、遊技者は、対応画像を確認することで何れの変化対象画像が特別態様に変化したかを把握することが可能となっている。
<遊技機A6>
遊技機A4または遊技機A5に記載された遊技機であって、
前記対応画像表示手段は、前記対応画像を、前記特別態様に変化した変化対象画像の数に応じた対応画像に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
上述したように、特別態様に変化した変化対象画像の数が増加するほど特典が付与されることが高いことが示唆される。従って、このような遊技機によれば、対応画像によって特典が付与される可能性が示唆されることとなるので、遊技者は対応画像を確認することで特典が付与される可能性を把握することが可能となる。また、例えば、特別態様に変化した変化対象画像の数に応じて対応画像の大きさを変化させるようにすれば、対応画像の大きさによって特典が付与される可能性が示唆される。このため、特典が付与される可能性を一層分かりやすく示唆することが可能となる。
<遊技機A7>
遊技機A4に記載された遊技機であって、
前記対応画像は、前記変化対象画像ごとに対応して設けられ、
前記対応画像表示手段は、前記変化対象画像が前記特別態様に変化したことに基づいて、該変化対象画像に対応する対応画像を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、変化対象画像ごとに対応画像が設けられているので、各変化対象画像の特別態様への変化を一層強調することが可能となる。
<遊技機A8>
遊技機A4ないし遊技機A7のうちの何れか一項に記載された遊技機であって、
前記表示手段は、前記変化対象画像を、前記対応画像に隣接して表示させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、上記変化対象画像が、上記対応画像に隣接して表示されるので、変化対象画像が特別態様となって対応画像が変化した場合に、変化対象画像が特別態様となったことに起因して対応画像が変化したことが、遊技者に伝わりやすくなる。
<遊技機A9>
遊技機A4ないし遊技機A8のうちの何れか一項に記載された遊技機であって、
前記変化対象画像は、メーター表示量が変化するメーター画像であり、
前記特別態様の変化対象画像は、前記メーター表示量が所定量になった状態の前記メーター画像であり、
前記変化手段は、前記メーター表示量が、前記対応画像の表示される方向に向けて増加または減少するように前記メーター画像を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、メーター表示量が、対応画像の表示される方向に向けて変化していき、所定量になると、対応画像が変化する。このため、メーター画像のメーター表示量が所定量となったことに起因して対応画像が変化したことが、遊技者に伝わりやすくなっている。
<遊技機A10>
遊技機A3ないし遊技機A9のうちの何れか一項に記載された遊技機であって、
前記変化対象画像の表示態様を変化させるか否かを判定する変化判定手段を備え、
前記変化判定手段は、前記操作部に対する1回の操作に基づいて、表示態様を変化させるか否かの判定を、複数の前記変化対象画像に対して行う
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、1回の操作に対して、複数の変化対象画像の表示態様が一度に変化することを遊技者に期待させることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<遊技機A11>
遊技機A10に記載された遊技機であって、
前記操作部が1回操作されたことに基づいて、1つの判定値を取得する判定値取得手段と、
前記変化対象画像の表示態様を変化させるか否かを決定するために用いる複数の判定テーブルを記憶する判定テーブル記憶手段と、
各変化対象画像に対し、前記複数の判定テーブルのうち何れかの前記判定テーブルを設定する判定テーブル設定手段と
を備え、
前記変化判定手段は、前記取得された1つの判定値と、前記設定された判定テーブルとに基づいて、各変化対象画像の表示態様を変化させるか否かを判定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、各変化対象画像に対し、異なる判定テーブルが設定されているので、同一の判定値を用いて、異なる確率で表示態様を変化させることができる。従って、判定値を変化対象画像ごとに取得する場合と比較して、判定値を取得する処理負担を軽減することが可能となる。
<遊技機B1>
所定の特典付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与する遊技機であって、
表示態様が変化する所定の変化対象画像を表示させる表示手段と、
所定の操作部が操作されたことに基づいて、前記変化対象画像の表示態様を変化させる変化手段と、
前記変化対象画像が特別態様に変化した場合に、該特別態様に変化しなかった場合よりも前記特典が付与される可能性が高いことを示唆する示唆手段と
を備え、
前記表示手段は、複数の前記変化対象画像を表示可能とし、該複数の変化対象画像を同一の表示装置に表示させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、遊技者が行った操作に基づいて、特典が付与される可能性が示唆される。このため、遊技者の遊技への参加意識を高めることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、複数の変化対象画像が表示可能とされるが、これら複数の変化対象画像は同一の表示装置で表示されるので、遊技者が複数の変化対象画像を確認しやすくなっている。
<遊技機B2>
遊技機B1に記載された遊技機であって、
前記変化手段は、前記操作部が操作されたことに基づいて、前記変化対象画像を前記特別態様とは異なる所定態様に変化させた後、さらに前記操作部が操作されたことに基づいて、前記特別態様に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、操作部による複数回の操作によって、変化対象画像が段階的に変化した末に特別態様に変化するので、変化対象画像が特別態様となることへの期待感を段階的に高めることが可能となる。
<遊技機B3>
遊技機B2に記載された遊技機であって、
前記表示手段は、複数の前記変化対象画像を表示可能であり、
前記示唆手段は、前記複数の変化対象画像のうち、前記特別態様に変化した変化対象画像の数が増加するほど前記特典の付与される可能性が高いことを示唆する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、特別態様に変化した変化対象画像の数が増加するほど上記特典が付与される可能性が高いことが示唆される。このため、変化対象画像が特別態様となることへの期待感を段階的に高めることができるだけでなく、特別態様となった変化対象画像の数によって、特典が付与されることへの期待感を段階的に高めることが可能となっている。
<遊技機B4>
遊技機B3に記載された遊技機であって、
前記複数の変化対象画像とともに所定の対応画像を表示させる対応画像表示手段を備え、
前記対応画像表示手段は、前記変化対象画像が前記特別態様に変化したことに基づいて、前記対応画像を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、変化対象画像が特別態様に変化した場合に、上記対応画像が変化するので、特別態様に変化したことを、より一層、遊技者に認識させやすくすることが可能となる。
<遊技機B5>
遊技機B4に記載された遊技機であって、
前記対応画像表示手段は、前記変化対象画像が前記特別態様に変化すると、前記対応画像を、該変化対象画像の種類に応じた対応画像に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、特別態様となった変化対象画像の種類に応じて上記対応画像が変化するので、遊技者は、対応画像を確認することで何れの変化対象画像が特別態様に変化したかを把握することが可能となっている。
<遊技機B6>
遊技機B4または遊技機B5に記載された遊技機であって、
前記対応画像表示手段は、前記対応画像を、前記特別態様に変化した変化対象画像の数に応じた対応画像に変化させる
ことを特徴とする遊技機。
上述したように、特別態様に変化した変化対象画像の数が増加するほど特典が付与されることが高いことが示唆される。従って、このような遊技機によれば、対応画像によって特典が付与される可能性が示唆されることとなるので、遊技者は対応画像を確認することで特典が付与される可能性を把握することが可能となる。また、例えば、特別態様に変化した変化対象画像の数に応じて対応画像の大きさを変化させるようにすれば、対応画像の大きさによって特典が付与される可能性が示唆される。このため、特典が付与される可能性を一層分かりやすく示唆することが可能となる。
<遊技機B7>
遊技機B4に記載された遊技機であって、
前記対応画像は、前記変化対象画像ごとに対応して設けられ、
前記対応画像表示手段は、前記変化対象画像が前記特別態様に変化したことに基づいて、該変化対象画像に対応する対応画像を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、変化対象画像ごとに対応画像が設けられているので、各変化対象画像の特別態様への変化を一層強調することが可能となる。
<遊技機B8>
遊技機B4ないし遊技機B7のうちの何れか一項に記載された遊技機であって、
前記表示手段は、前記変化対象画像を、前記対応画像に隣接して表示させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、上記変化対象画像が、上記対応画像に隣接して表示されるので、変化対象画像が特別態様となって対応画像が変化した場合に、変化対象画像が特別態様となったことに起因して対応画像が変化したことが、遊技者に伝わりやすくなる。
<遊技機B9>
遊技機B4ないし遊技機B8のうちの何れか一項に記載された遊技機であって、
前記変化対象画像は、メーター表示量が変化するメーター画像であり、
前記特別態様の変化対象画像は、前記メーター表示量が所定量になった状態の前記メーター画像であり、
前記変化手段は、前記メーター表示量が、前記対応画像の表示される方向に向けて増加または減少するように前記メーター画像を変化させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、メーター表示量が、対応画像の表示される方向に向けて変化していき、所定量になると、対応画像が変化する。このため、メーター画像のメーター表示量が所定量となったことに起因して対応画像が変化したことが、遊技者に伝わりやすくなっている。
<遊技機B10>
遊技機B3ないし遊技機B9のうちの何れか一項に記載された遊技機であって、
前記変化対象画像の表示態様を変化させるか否かを判定する変化判定手段を備え、
前記変化判定手段は、前記操作部に対する1回の操作に基づいて、表示態様を変化させるか否かの判定を、複数の前記変化対象画像に対して行う
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、1回の操作に対して、複数の変化対象画像の表示態様が一度に変化することを遊技者に期待させることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<遊技機B11>
遊技機B10に記載された遊技機であって、
前記操作部が1回操作されたことに基づいて、1つの判定値を取得する判定値取得手段と、
前記変化対象画像の表示態様を変化させるか否かを決定するために用いる複数の判定テーブルを記憶する判定テーブル記憶手段と、
各変化対象画像に対し、前記複数の判定テーブルのうち何れかの前記判定テーブルを設定する判定テーブル設定手段と
を備え、
前記変化判定手段は、前記取得された1つの判定値と、前記設定された判定テーブルとに基づいて、各変化対象画像の表示態様を変化させるか否かを判定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、各変化対象画像に対し、異なる判定テーブルが設定されているので、同一の判定値を用いて、異なる確率で表示態様を変化させることができる。従って、判定値を変化対象画像ごとに取得する場合と比較して、判定値を取得する処理負担を軽減することが可能となる。
<遊技機C1>
所定の特典付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与する遊技機であって、
表示態様が変化する所定の変化対象画像を表示させる表示手段と、
所定の操作部が操作されたことに基づいて、前記変化対象画像の表示態様を変化させる変化手段と、
前記変化対象画像が特別態様に変化した場合に、該特別態様に変化しなかった場合よりも前記特典が付与される可能性が高いことを示唆する示唆手段と
を備え、
前記表示手段は、複数の前記変化対象画像を表示可能とし、該複数の変化対象画像が互いに重複しないように表示させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、遊技者が行った操作に基づいて、特典が付与される可能性が示唆される。このため、遊技者の遊技への参加意識を高めることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、複数の変化対象画像が表示可能とされるが、これら複数の変化対象画像は互いに重複しないように表示されるので、遊技者が各変化対象画像を個別に認識しやすくなっている。
尚、遊技機C1に、遊技機A2〜遊技機A11のうちの何れかの構成を適用させることも可能である。
<遊技機D1>
所定の特典付与条件が成立したことに基づいて、遊技者に所定の特典を付与する遊技機であって、
表示態様が変化する所定の変化対象画像を表示させる表示手段と、
所定の操作部が操作されたことに基づいて、前記変化対象画像の表示態様を変化させる変化手段と、
前記変化対象画像が特別態様に変化した場合に、該特別態様に変化しなかった場合よりも前記特典が付与される可能性が高いことを示唆する示唆手段と
を備え、
前記表示手段は、複数の前記変化対象画像を表示可能とし、該複数の変化対象画像を同一の表示装置に表示させるとともに、該複数の変化対象画像が互いに重複しないように表示させる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、遊技者が行った操作に基づいて、特典が付与される可能性が示唆される。このため、遊技者の遊技への参加意識を高めることができ、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。また、複数の変化対象画像が表示可能とされるが、これら複数の変化対象画像は同一の表示装置で表示されるので、遊技者が複数の変化対象画像を確認しやすくなっている。さらに、これら複数の変化対象画像は互いに重複しないように表示されるので、遊技者が各変化対象画像を個別に認識しやすくなっている。
尚、遊技機D1に、遊技機A2〜遊技機A11のうちの何れかの構成を適用させることも可能である。
本発明は、所定の表示部で表示演出を実行する遊技機に利用することができる。