JP5988410B2 - 吸収性物品の伸縮構造、その伸縮構造を備えた吸収性物品、及び吸収性物品の伸縮構造の形成方法 - Google Patents
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<請求項1記載の発明>
一枚の通気性素材からなり、倒伏状態で重ならないように間隔を空けて複数並設された襞、及び各襞が倒伏した状態で重なる襞間部を有するシート状部材と、各襞の対向面間に、襞の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材とを有しており、
前記襞の外面は、前記襞の長手方向の両端部を除いて前記襞間部と接合されておらず、
前記弾性伸縮部材は、前記襞の根元部より先端側に配されるとともに、少なくともその両端部が前記襞の対向面間に固定されており、
前記襞の対向面が、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と交差する方向に連続する接合部により接合されるとともに、この接合部の部位で、前記襞が倒伏状態に固定され且つ前記弾性伸縮部材が襞の対向面間に固定されており、
前記弾性伸縮部材の収縮により、前記襞及び前記襞間部がそれぞれ収縮されている、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
本発明の伸縮構造は、一枚の通気性素材に襞を形成し、その襞内に弾性伸縮部材を設けるものであるため、従来の2枚の通気性素材で挟むものと比べて資材コストを大幅に削減することができる。また、襞が倒伏状態で襞間部と重なる部位では素材の重なり枚数は3枚以上となるが、襞及び襞間部は接合されず、各々の収縮皺により互いの間に通気間隙が形成されるから、柔軟性や通気性の低下は抑制される。また、このような接合形態を採用すると、伸縮方向に沿って延びる収縮皺が伸縮方向に間欠的に形成され、通気性、見栄えに優れるものとなる。
一枚の通気性素材からなり、倒伏状態で重ならないように間隔を空けて複数並設された襞、及び各襞が倒伏した状態で重なる襞間部を有するシート状部材と、各襞の対向面間に、襞の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材とを有しており、
前記襞は、少なくとも根元部の対向面が離間しないように襞の長手方向に連続的又は間欠的に接合されており、
前記襞の外面は、前記襞の長手方向の両端部を除いて前記襞間部と接合されておらず、
前記弾性伸縮部材は、前記襞の根元部より先端側に配されるとともに、少なくともその両端部が前記襞の対向面間に固定されており、
前記弾性伸縮部材の収縮により、前記襞及び前記襞間部がそれぞれ収縮されている、
吸収性物品の伸縮構造を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮構造は、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記襞の長手方向が幅方向となるように設けられており、
前記外装体は、前身頃を構成する前部外装体と、後身頃を構成する後部外装体とからなり、前部外装体と後部外装体とが股間側で連続しておらず、離間しており、
前記前部外装体及び後部外装体の少なくとも一方は、前記襞の長手方向が幅方向となるように一方のサイドシール部から他方サイドシール部まで前記襞が形成されるとともに、少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に前記襞による前記伸縮構造が設けられており、幅方向両側のサイドシール部から幅方向中央に向かうにつれて前記襞の突出高さが低くなり、且つこれに伴い股間側の縁が股間側に膨出されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
本発明の伸縮構造は、パンツタイプ使い捨ておむつの外装体に好適なものである。ところで、パンツタイプ使い捨ておむつには、外装体を前後一体的に形成する外装一体型と、前後別々に分割し、股間側で離間させた外装二分割型とがある。外装二分割型のものは、脚を通すための脚開口部を打ち抜かなくて済む、又は打ち抜くとしても小面積で済むといった利点がある。すなわち、切離し片(以下、トリムともいう)は廃棄処分されるため、その資材ロス(以下、トリムロスともいう)を抑えることができる。しかしながら、外装二分割型において、トリムロスを完全に無くそうとした場合、脚開口部の縁を鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状とすることができない。よって、脚周りへのフィット性を考慮する場合、外装2分割タイプであっても股間側の縁を一部切断する必要があり、トリムロスを完全に無くすことはできない。これに対して、上述のように、本発明の伸縮構造を採用し、幅方向両側のサイドシール部から幅方向中央に向かうにつれて襞の突出高さを低くすると、襞形成に必要な前後方向長さが幅方向中央側で短くなり、余分を股間側に伸ばすことにより当該外装体の股間側の縁を股間側に膨出させることができる。そして、その結果、当該外装体の股間側の縁のうち内装体の幅方向両側に延び出る脚周り部分の縁を、鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状とすることができる。
一枚の通気性素材からなり、倒伏状態で重ならないように間隔を空けて複数並設された襞、及び各襞が倒伏した状態で重なる襞間部を有するシート状部材と、各襞の対向面間に、襞の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材とを有しており、
前記襞は、少なくとも根元部の対向面が離間しないように襞の長手方向に連続的又は間欠的に接合されており、
前記襞の外面は、前記襞の長手方向の両端部を除いて前記襞間部と接合されておらず、
前記弾性伸縮部材は、前記襞の根元部より先端側に配されるとともに、少なくともその両端部が前記襞の対向面間に固定されており、
前記弾性伸縮部材の収縮により、前記襞及び前記襞間部がそれぞれ収縮されている、
吸収性物品の伸縮構造を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮構造は、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記襞の長手方向が幅方向となるように設けられており、
前記外装体は、前身頃を構成する前部外装体と、後身頃を構成する後部外装体とからなり、前部外装体と後部外装体とが股間側で連続しておらず、離間しており、
前記前部外装体及び後部外装体の少なくとも一方は、前記襞の長手方向が幅方向となるように一方のサイドシール部から他方サイドシール部まで前記襞が形成されるとともに、幅方向中間部分における前記襞と襞との間の部分に、前記襞の長手方向に沿うスリットが形成されており、且つこのスリットが股間側に拡幅されることにより、股間側の縁が股間側に膨出されている、
ことを特徴とする吸収性物品。
本発明の伸縮構造は、パンツタイプ使い捨ておむつの外装体に好適なものである。ところで、パンツタイプ使い捨ておむつには、外装体を前後一体的に形成する外装一体型と、前後別々に分割し、股間側で離間させた外装二分割型とがある。外装二分割型のものは、脚を通すための脚開口部を打ち抜かなくて済む、又は打ち抜くとしても小面積で済むといった利点がある。すなわち、切離し片(以下、トリムともいう)は廃棄処分されるため、その資材ロス(以下、トリムロスともいう)を抑えることができる。しかしながら、外装二分割型において、トリムロスを完全に無くそうとした場合、脚開口部の縁を鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状とすることができない。よって、脚周りへのフィット性を考慮する場合、外装2分割タイプであっても股間側の縁を一部切断する必要があり、トリムロスを完全に無くすことはできない。これに対して、上述のように、幅方向中間部分における襞と襞との間の部分に、襞の長手方向に沿うスリットを形成するとともに、このスリットを股間側に拡幅することにより、股間側の縁を股間側に膨出させることができる。そして、その結果、当該外装体の股間側の縁のうち内装体の幅方向両側に延び出る脚周り部分の縁を、鼠蹊部や臀部の周囲に沿った形状とすることができる。
外周面に周方向に連続する溝が形成された襞形成ロールを軸心を中心に回転駆動するとともに、その外周面に連続帯状の通気性素材を巻きかけて回転方向に通しつつ、
前記襞形成ロールの入側で、前記通気性素材の溝通過位置上に細長状の弾性伸縮部材をライン流れ方向に沿って供給し、
前記襞形成ロールの入側における前記通気性素材のラインテンションを、前記通気性素材の幅入りが発生するラインテンションとし、
前記襞形成ロールの出側における前記通気性素材のラインテンションを、前記幅入りが戻るラインテンションとし、
前記襞形成ロール上でのラインテンションの減少により、前記通気性素材の幅入りの戻り分を、前記弾性伸縮部材のラインテンションで前記溝内に押し込んで、通気性素材に襞状部分を形成し、
しかる後、この襞状部分の少なくとも根元部の対向面が離間しないように接合し、
一方、前記弾性伸縮部材の供給以降に、前記弾性伸縮部材の少なくとも両端部となる部分を前記襞状部分の対向面間に固定する、
ことを特徴とする、吸収性物品の伸縮構造の形成方法。
このような方法により、襞の少なくとも根元部の対向面が離間しないように襞の長手方向に連続的又は間欠的に接合された伸縮構造を製造することができる。なお、幅入りとは素材がライン流れ方向に伸びることにより幅が縮むことを意味する。
前記襞形成ロールとして、溝の深さが周方向に変化するロールを用い、襞の突出高さをライン流れ方向に変化させる、請求項4記載の吸収性物品の伸縮構造の形成方法。
このような方法により請求項2記載の伸縮構造を製造することができる。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装体12と、外装体12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。符号Yはおむつの全長を示しており、符号Xはおむつの全幅を示している。
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性且つ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
外装体12は、股間部から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、股間部から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、展開状態における前身頃Fのウエスト縁から後身頃Bのウエスト縁までの前後方向中央を意味し、それよりも前側の部分及び後側の部分が前身頃F及び後身頃Bをそれぞれ意味する。
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装体12により連続的に覆っているが、図12に示すように、腹側をなす前部外装体12Fと背側をなす後部外装体12Bとが股間側で連続しておらず、離間されている形態とすることもでき、その場合、内装体200の外面のうち、前部外装体12Fと後部外装体12Bとの間に露出する部分を覆う股間部外装体12Mを貼り付けることもできる。股間部外装体12Mとしては、前述した外装体12に用いられるものと同様の資材を用いることができる。
外装体12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装体12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
液不透過性シート11と外装体12との間には、印刷によりデザインの施された印刷シート25が設けられている。外装体12を省略し、印刷シート25が外面に露出する形態とすることもできる。また、図示例の印刷シート25は、それが配置される身頃よりも小さい面積を有しており、前身頃F及び後身頃Bに個別に設けられているが、前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで一体的に連続するように設けることもできる。
本パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、ウエスト下部Uから中間部Lにかけての領域に本発明により形成可能な伸縮構造が採用されている。すなわち、当該部分は、図6及び図9に示すように、肌接触側と反対側に突出する襞80が倒伏状態で重ならないように縦方向に間隔を空けて多数並設され、各襞80が倒伏した状態で襞80の肌側に重なる襞間部85を有するシート状部材12Sと、各襞80の対向面80a,80b間に、襞80の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材90(前述の弾性伸縮部材15,16,18,19)とを有している。弾性伸縮部材90は、襞80の根元部81より先端側を通るように配されるとともに、少なくともその両端部が襞80の対向面80a,80b間に固定されている。また、襞80は、根元部81の対向面80a,80bが離間しない(口が開かない)ように襞80の延在方向に連続的又は間欠的に固定されている。さらに、襞80の外面は、襞80の長手方向の両端部を除いて襞間部85と接合されていない。そして、弾性伸縮部材90の収縮により、襞80及び襞間部85がそれぞれ収縮し、それぞれ皺が形成される構造となっている。
図16(b)に示すように、襞80の内面と弾性伸縮部材90の外面との間に隙間を実質的に形成しない構造とすることも可能である。このような構造は、例えば襞80の内側の周長を、弾性伸縮部材90の収縮時の外側の周長と同じ又はそれ以下にすることにより形成することができる。また、後述する形態のように、襞80の内面と弾性伸縮部材90の外面との隙間を、弾性伸縮部材90の長手方向に変化させることもできる。
上記例は、パンツタイプ使い捨ておむつのウエスト下部Uから中間部Lまでの部分への適用例であるが、ウエスト縁部Wまでを含めて適用しても良く、また中間部Lの弾性伸縮部材16を省略しても良い。また、上述の伸縮構造は、従来の技術の項で述べたテープタイプ使い捨ておむつの背側部分の胴周り部や、立体ギャザー等、他の伸縮部にも適用することができる。
このように一枚の通気性素材でシート状部材12Sを構成する場合の伸縮構造の製造方法は特に限定されず、例えば一枚の通気性素材をセーラーで折り畳み固定しつつ間に弾性伸縮部材を挟む手法(立体ギャザー60を製造する際に使用される)を応用しても良いが、図17〜図18に示す方法も提案する。すなわちこの吸収性物品の伸縮構造の形成方法は、外周面に周方向に連続する溝301が形成された襞形成ロール300を軸心を中心に回転駆動するとともに、その外周面に連続帯状の通気性素材120を巻きかけて回転方向に通しつつ、襞形成ロール300の入側で、通気性素材120の溝通過位置上に細長状弾性伸縮部材90をライン流れ方向に沿って供給し、襞形成ロール300の入側における通気性素材120のラインテンションを、通気性素材120の幅入りが発生するラインテンションとし、襞形成ロール300の出側における通気性素材のラインテンションを、幅入りが戻るラインテンションとし、襞形成ロール300上でのラインテンションの減少により、図18及び図19に示すように、通気性素材120の幅入りの戻り分を、弾性伸縮部材90のラインテンションで溝301内に押し込んで、通気性素材120に襞状部分125を形成し、しかる後、この襞状部分125の少なくとも根元部の対向面が離間しないように接合し、一方、弾性伸縮部材90の供給以降に、弾性伸縮部材90の少なくとも両端部となる部分を襞状部分125の対向面間に固定する、というものである。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
Claims (5)
- 一枚の通気性素材からなり、倒伏状態で重ならないように間隔を空けて複数並設された襞、及び各襞が倒伏した状態で重なる襞間部を有するシート状部材と、各襞の対向面間に、襞の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材とを有しており、
前記襞の外面は、前記襞の長手方向の両端部を除いて前記襞間部と接合されておらず、
前記弾性伸縮部材は、前記襞の根元部より先端側に配されるとともに、少なくともその両端部が前記襞の対向面間に固定されており、
前記襞の対向面が、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と交差する方向に連続する接合部により接合されるとともに、この接合部の部位で、前記襞が倒伏状態に固定され且つ前記弾性伸縮部材が襞の対向面間に固定されており、
前記弾性伸縮部材の収縮により、前記襞及び前記襞間部がそれぞれ収縮されている、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。 - 一枚の通気性素材からなり、倒伏状態で重ならないように間隔を空けて複数並設された襞、及び各襞が倒伏した状態で重なる襞間部を有するシート状部材と、各襞の対向面間に、襞の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材とを有しており、
前記襞は、少なくとも根元部の対向面が離間しないように襞の長手方向に連続的又は間欠的に接合されており、
前記襞の外面は、前記襞の長手方向の両端部を除いて前記襞間部と接合されておらず、
前記弾性伸縮部材は、前記襞の根元部より先端側に配されるとともに、少なくともその両端部が前記襞の対向面間に固定されており、
前記弾性伸縮部材の収縮により、前記襞及び前記襞間部がそれぞれ収縮されている、
吸収性物品の伸縮構造を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮構造は、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記襞の長手方向が幅方向となるように設けられており、
前記外装体は、前身頃を構成する前部外装体と、後身頃を構成する後部外装体とからなり、前部外装体と後部外装体とが股間側で連続しておらず、離間しており、
前記前部外装体及び後部外装体の少なくとも一方は、前記襞の長手方向が幅方向となるように一方のサイドシール部から他方サイドシール部まで前記襞が形成されるとともに、少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に前記襞による前記伸縮構造が設けられており、幅方向両側のサイドシール部から幅方向中央に向かうにつれて前記襞の突出高さが低くなり、且つこれに伴い股間側の縁が股間側に膨出されている、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 一枚の通気性素材からなり、倒伏状態で重ならないように間隔を空けて複数並設された襞、及び各襞が倒伏した状態で重なる襞間部を有するシート状部材と、各襞の対向面間に、襞の長手方向に沿って設けられた細長状の弾性伸縮部材とを有しており、
前記襞は、少なくとも根元部の対向面が離間しないように襞の長手方向に連続的又は間欠的に接合されており、
前記襞の外面は、前記襞の長手方向の両端部を除いて前記襞間部と接合されておらず、
前記弾性伸縮部材は、前記襞の根元部より先端側に配されるとともに、少なくともその両端部が前記襞の対向面間に固定されており、
前記弾性伸縮部材の収縮により、前記襞及び前記襞間部がそれぞれ収縮されている、
吸収性物品の伸縮構造を備えた吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、胴周り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、
前記伸縮構造は、前記外装体における少なくとも内装体の幅方向両側を含む領域に、前記襞の長手方向が幅方向となるように設けられており、
前記外装体は、前身頃を構成する前部外装体と、後身頃を構成する後部外装体とからなり、前部外装体と後部外装体とが股間側で連続しておらず、離間しており、
前記前部外装体及び後部外装体の少なくとも一方は、前記襞の長手方向が幅方向となるように一方のサイドシール部から他方サイドシール部まで前記襞が形成されるとともに、幅方向中間部分における前記襞と襞との間の部分に、前記襞の長手方向に沿うスリットが形成されており、且つこのスリットが股間側に拡幅されることにより、股間側の縁が股間側に膨出されている、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 外周面に周方向に連続する溝が形成された襞形成ロールを軸心を中心に回転駆動するとともに、その外周面に連続帯状の通気性素材を巻きかけて回転方向に通しつつ、
前記襞形成ロールの入側で、前記通気性素材の溝通過位置上に細長状の弾性伸縮部材をライン流れ方向に沿って供給し、
前記襞形成ロールの入側における前記通気性素材のラインテンションを、前記通気性素材の幅入りが発生するラインテンションとし、
前記襞形成ロールの出側における前記通気性素材のラインテンションを、前記幅入りが戻るラインテンションとし、
前記襞形成ロール上でのラインテンションの減少により、前記通気性素材の幅入りの戻り分を、前記弾性伸縮部材のラインテンションで前記溝内に押し込んで、通気性素材に襞状部分を形成し、
しかる後、この襞状部分の少なくとも根元部の対向面が離間しないように接合し、
一方、前記弾性伸縮部材の供給以降に、前記弾性伸縮部材の少なくとも両端部となる部分を前記襞状部分の対向面間に固定する、
ことを特徴とする、吸収性物品の伸縮構造の形成方法。 - 前記襞形成ロールとして、溝の深さが周方向に変化するロールを用い、襞の突出高さをライン流れ方向に変化させる、請求項4記載の吸収性物品の伸縮構造の形成方法。
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