JP5987789B2 - リニアモータ - Google Patents
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Description
また上記課題を解決するため、本発明の別の観点によれば、磁気的空隙を介して相対移動可能に対向配置された界磁と電機子を有するリニアモータであって、前記相対移動方向に交互に極性が異なるように配置された永久磁石列を、前記相対移動方向に垂直な方向に2列備えた界磁磁極と、ヨークから前記磁気的空隙側に突出して設けられたティースが前記相対移動方向に複数配置されたティース列を、前記2列の永久磁石列にそれぞれ対向するように、前記相対移動方向に垂直な方向に2列備えた電機子コアと、前記ティースごとに設けられた集中巻き方式の複数の電機子巻線と、を有するリニアモータであって、前記電機子コアにおいて、前記2列のティース列が、それぞれ3つの前記ティースを有するとともに、互いの前記3つのティースの位置が前記相対移動方向に等位置となるように設けられ、かつ、前記界磁磁極において、一方側の前記永久磁石列と他方側の前記永久磁石列とが前記相対移動方向に前記磁石ピッチの1/2ずれるように構成されることで、一方側の前記ティース列と他方側の前記ティース列とが前記永久磁石の磁石ピッチを180°とする電気角で互いに略90度ずれるように構成されることにより、前記界磁磁極が、前記2列のティース列と当該2列のティース列にそれぞれ対向する前記2列の永久磁石列の各部位とを直列に配置した場合に、5ポール6スロットのスロットコンビネーションとなっているリニアモータが適用される。
図1乃至図3により第1実施形態のリニアモータについて説明する。図1は、第1実施形態のリニアモータを上方から透視した平面図である。図2(a)は、図1のA−A線矢視図、図2(b)は、図1のB−B線矢視図である。図3(a)は、リニアモータの第1ティース列の電気角を表す説明図、図3(b)は、リニアモータの第2ティース列の電気角を表す説明図である。
図1及び図2に示すように、第1実施形態のリニアモータ1は、磁気的空隙Qを介してストローク方向(相対移動方向)に相対移動可能に対向配置された固定子2(界磁)と可動子3(電機子)とを有する。固定子2は、界磁磁極5を構成する2列の第1永久磁石列4A(一方側の永久磁石列)及び第2永久磁石列4B(他方側の永久磁石列)を備えている。第1永久磁石列4A及び第2永久磁石列4Bは、ストローク方向と垂直な方向に2列となるように配置されている。第1永久磁石列4A及び第2永久磁石列4Bは、それぞれストローク方向に交互に磁極(極性)が異なるように等ピッチで配置された複数の永久磁石4を備える。第1永久磁石列4A及び第2永久磁石列4Bの複数の永久磁石4は、一体又は別体である固定部9a及び固定部9bに設けられている。
ここで、リニアモータ1では、2列のティース列6A,6Bを一列(直列)に配置し、ティース列6A,6Bにそれぞれ対向する2列の永久磁石列4A,4Bの各対向部分を一列(直列)に配置した場合に、一列に配置したティース列6A,6Bの6個のティース6に一列に配置した永久磁石列4A,4Bの7個の永久磁石4が対向して配置される。つまり、リニアモータ1は7ポール6スロットのスロットコンビネーションとなるように構成されている。
一般に、リニアモータの巻線係数(巻線利用率)は、短節巻係数と分布巻係数の積である。短節巻係数は、永久磁石列の磁極数をNp、ティース列のスロット数(ティース数)をNtとすると、短節巻係数=sin(90×Np/Nt)で求められる。分布巻係数は、同じ相の突極磁極(ティース)の分布状況から求められ、同じ相の電気角差をθとすると、分布巻係数=cos(θ/2)で求められる。
以上説明したように、本第1実施形態のリニアモータ1は、2列の永久磁石列4A,4Bを備えた界磁磁極5と、2列の永久磁石列4A,4Bにそれぞれ対向するように配置された2列のティース列6A,6Bを備えた電機子コア7とを有する。これにより、ストローク方向に直列配置した場合に巻線係数の高いスロットコンビネーションとなる構成を、ストローク方向に垂直な方向に並列配置した構成によって実現することができる。その結果、電機子コア7のストローク方向の大きさを小型化しつつ、巻線係数の高いリニアモータを実現できる。
図4乃至図6により第2実施形態のリニアモータについて説明する。図4乃至図6において、図1乃至図3と同一の要素については同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
ここで、リニアモータ1Aでは、2列のティース列6A,6Bを一列に配置し、ティース列6A,6Bにそれぞれ対向する2列の永久磁石列4A,4Bの各対向部分を一列に配置した場合に、一列に配置したティース列6A,6Bの6個のティース6に一列に配置した永久磁石列4A,4Bの5個の永久磁石4が対向して配置される。つまり、リニアモータ1Aは5ポール6スロットのスロットコンビネーションとなるように構成されている。
本第2実施形態では、磁極数Np=5、スロット数Nt=6である。また、図6に示すように、電機子コア7のU相とU相、V相とV相、W相とW相における電気角の差は、U相=|360°−330°|=30°、V相=|90°−120°|=30°、W相=|240°−210°|=30°である。電気角差θは各相とも同じで、θ=30°である。したがって、短節巻係数=sin(90×5/6)=0.966、分布巻係数=cos(30/2)=0.966となり、巻線係数=0.966×0.966=0.933となる。
なお、以上説明した第1及び第2実施形態は、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
上記第1、第2の実施形態では、いずれも、第1永久磁石列4Aと第2永久磁石列4Bとがストローク方向に磁石ピッチPmの半ピッチ(Pm/2)ずれるように配置されたが、これに限定されるものではない。本変形例では、第1ティース列6Aと第2ティース列6Bとがストローク方向に半ピッチ(Pm/2)ずれるように配置されることで、第1ティース列6Aと第2ティース列6Bとの間に電気角で90°のずれを設けてもよい。本変形例の一例を図7に示す。
一般にリニアモータの電機子では、ティース列の両端に位置するティースはそれ以外のティースに比べて磁束鎖交数が少なくなる。このため、ストロークエンドにおける推力が小さくなり、所望のストロークが得られない可能性がある。
以上では、リニアモータの界磁を固定子とし、電機子を可動子としたが、反対に界磁を可動子とし、電機子を固定子としてもよい。
1A リニアモータ
2 固定子(界磁)
3 可動子(電機子)
4 永久磁石
4A 第1永久磁石列(一方側の永久磁石列)
4B 第2永久磁石列(他方側の永久磁石列)
5 界磁磁極
6 ティース
6A 第1ティース列(一方側のティース列)
6B 第2ティース列(他方側のティース列)
7 電機子コア
8 電機子巻線
10 ヨーク
Q 磁気的空隙
Claims (3)
- 磁気的空隙を介して相対移動可能に対向配置された界磁と電機子を有するリニアモータであって、
前記相対移動方向に交互に極性が異なるように配置された永久磁石列を、前記相対移動方向に垂直な方向に2列備えた界磁磁極と、
ヨークから前記磁気的空隙側に突出して設けられたティースが前記相対移動方向に複数配置されたティース列を、前記2列の永久磁石列にそれぞれ対向するように、前記相対移動方向に垂直な方向に2列備えた電機子コアと、
前記ティースごとに設けられた集中巻き方式の複数の電機子巻線と、
を有するリニアモータであって、
前記電機子コアにおいて、前記2列のティース列が、それぞれ3つの前記ティースを有するとともに、互いの前記3つのティースの位置が前記相対移動方向に等位置となるように設けられ、かつ、前記界磁磁極において、一方側の前記永久磁石列と他方側の前記永久磁石列とが前記相対移動方向に前記磁石ピッチの1/2ずれるように構成されることで、一方側の前記ティース列と他方側の前記ティース列とが前記永久磁石の磁石ピッチを180°とする電気角で互いに略90度ずれるように構成されることにより、
前記界磁磁極が、前記2列のティース列と当該2列のティース列にそれぞれ対向する前記2列の永久磁石列の各部位とを直列に配置した場合に、7ポール6スロットのスロットコンビネーションとなっている
ことを特徴とするリニアモータ。 - 磁気的空隙を介して相対移動可能に対向配置された界磁と電機子を有するリニアモータであって、
前記相対移動方向に交互に極性が異なるように配置された永久磁石列を、前記相対移動方向に垂直な方向に2列備えた界磁磁極と、
ヨークから前記磁気的空隙側に突出して設けられたティースが前記相対移動方向に複数配置されたティース列を、前記2列の永久磁石列にそれぞれ対向するように、前記相対移動方向に垂直な方向に2列備えた電機子コアと、
前記ティースごとに設けられた集中巻き方式の複数の電機子巻線と、
を有するリニアモータであって、
前記電機子コアにおいて、前記2列のティース列が、それぞれ3つの前記ティースを有するとともに、互いの前記3つのティースの位置が前記相対移動方向に等位置となるように設けられ、かつ、前記界磁磁極において、一方側の前記永久磁石列と他方側の前記永久磁石列とが前記相対移動方向に前記磁石ピッチの1/2ずれるように構成されることで、一方側の前記ティース列と他方側の前記ティース列とが前記永久磁石の磁石ピッチを180°とする電気角で互いに略90度ずれるように構成されることにより、
前記界磁磁極が、前記2列のティース列と当該2列のティース列にそれぞれ対向する前記2列の永久磁石列の各部位とを直列に配置した場合に、5ポール6スロットのスロットコンビネーションとなっている
ことを特徴とするリニアモータ。 - 前記電機子コアは、
各々の前記ティース列において、前記3つのティースのうち中央の前記ティースが他の2つの前記ティースよりも短くなるように構成される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアモータ。
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