以下、本実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程を備えた縦型の洗濯機(いわゆる、全自動洗濯機を例に挙げて説明するが、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程および乾燥工程を備えた縦型の洗濯乾燥機に適用することもできる。
図1は、本実施形態に係る洗濯機内部の概略構造を示す縦断面図である。なお、以下では、洗濯機1を正面から見たときの方向を基準として説明する。
図1に示すように、洗濯機1は、筺体2と、蓋体(蓋)3、洗濯槽4と、給水電磁弁(給水手段)5と、操作パネル6と、制御部7と、を含んで構成されている。
筺体2は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせてなり、全体を支持するベース21と、前板22と、後板23と、左右の側板24,24(図2参照)と、トップカバー(上板)25と、を備えて略四角箱状に構成されている。
トップカバー25には、洗濯槽4に対して洗濯物9を出し入れするための開口25aが形成されている。この開口25aは、洗濯槽4に向けて鉛直方向(上下方向)に延在している。
蓋体3は、開口25aを上方から覆うことができる平板四角形状を呈している。また、蓋体3は、後端部に左右方向(図示紙面垂直方向)に回動軸3aを有し、この回動軸3aを支点としてトップカバー25(筺体1)に回動自在に支持されている。なお、蓋体3の回動軸3aには、蓋体3を開方向に付勢する付勢部材(不図示)が組み込まれている。本実施形態の蓋体3は、ガラス板を用いて形成されており、洗濯物9を出し入れする際に全体が一体として後方へ開く一枚板方式の構造となっている。
洗濯槽4は、内槽41と、外槽42と、回転翼43と、流体バランサ44と、駆動装置45と、を含んで構成されている。
内槽41は、洗濯兼脱水槽として機能するものであり、有底円筒状に形成され、鉛直方向(上下方向)に回転軸を有している。また、内槽41は、その外周壁に通水および通風のための複数の小さな貫通孔41aが形成されるとともに、その底壁に通水および通風のための複数の貫通孔41bが形成されている。
外槽42は、内槽41を同軸上に内包し、その底部の外側に内槽41および回転翼43を駆動する駆動装置45と接続されて構成されている。また、外槽42は、筐体2の上端部の四隅部に設けた隅板に係止して垂下させた4本の支持棒に緩衝装置42cを介して該筐体2内の中心部に弾性支持されている。
また、外槽42の底部には、排水ホース42aが接続され、排水ホース42aには排水弁42bが設けられている。排水ホース42aは、洗濯機1の外部に延びている。排水弁42bは、制御部7によって適宜開弁されることにより、洗濯槽4内の洗濯水をする。
また、外槽42には、水位を検知する感圧式の水位センサ50が接続されている。外槽42は合成樹脂で形成されており、その下部壁面には水位検出のためのエアトラップ51aが形成されている。外槽42内の洗濯水の水位の検出は、このエアトラップ51aからエアチューブ51bを介して水位センサ50にて行われる。
回転翼(パルセータともいう)43は、略円盤状に形成され、内槽41の底部に設けられている。また、回転翼43は、駆動装置45によって回転可能に支持されている。これにより、洗い工程やすすぎ工程において、回転翼43を回転させることで洗濯水を洗濯物9ごと攪拌することができる。
流体バランサ44は、合成樹脂などでリング状に形成され、内槽41の胴板の上端縁部(上縁部)に設けられている。また、流体バランサ44は、内部に比重の大きな流体(塩水など)を封入して構成され、内槽41の回転時に洗濯物の偏りなどによって偏心が生じたときに、流体バランサ44内での流体の移動によって偏りを打ち消し、回転のバランスを維持する機能を有している。
駆動装置45は、インバータ駆動電動機または可逆回転型のコンデンサ分相単相誘導電動機を使用した電動機45aと電磁操作クラッチ機構(クラッチ)45bと遊星歯車減速機構(不図示)を内蔵して構成されている。また、駆動装置45は、制御部7によって電動機45aとクラッチ45bを制御することによって、クラッチ45bが内槽41を静止させるように係止、または自由に回転できるように解放した状態で、回転翼43を繰り返し正逆回転させる洗濯駆動モードと、内槽41と回転翼43とを一体的に同一方向に回転させる脱水駆動モードと、を選択的に実行する機能を有する。
給水電磁弁5は、トップカバー25の蓋体3の後方内部に設けられ、給水ホース60と接続される給水接続口5aと連通している。また、給水電磁弁5が制御部7によって開弁されることにより、給水ホース60を介して清水(洗濯水)が洗濯槽4の上方から内槽41内に供給される。
操作パネル6は、運転コースの設定や運転状態の表示などを行うものであり、トップカバー25の上面手前側に設けられている。また、トップカバー25の開口25aの奥側には、洗剤(固形、液体)や仕上剤などを投入するための引き出し式の洗剤類投入ケース8が設けられている。
図2は、本実施形態に係る洗濯機において蓋体を開いたときの斜視図である。
図2に示すように、蓋体3は、平面視略半トラック形状(略半円形状)の透明窓部(透明部)3bを有している。また、透明窓部3bは、略四角形状のガラス板を、不透明な合成樹脂部材をはめ込むことによって構成されている。なお、合成樹脂製の四角形状の板材に半トラック形状のガラス板を嵌め込む構成であってもよい。
また、蓋体3の裏面には、透明窓部3bの前端部の前方且つ幅方向(左右方向)の中央に突起部31が形成されている。この突起部31は、蓋体3を閉じたときの操作パネル6と開口25aとの間に位置している。
また、蓋体3の裏面には、前記突起部31と別の位置に、運転中に蓋体3が開かないようにするためのロック突起32が設けられている。このロック突起32は、トップカバー25の上面に形成されたロック穴25dに挿入される。ロック突起32には、水平方向に貫通する孔(不図示)が形成され、ロック突起32がロック穴25dに挿入されたときに、ロック突起32の孔(不図示)にロックピン(不図示)が挿入されることで蓋体3が開かないようにロックされる。
トップカバー25は、蓋体3の左右両端の下面縁部3d,3dが前後方向に沿って面接触する横上面部(蓋支持面)25b,25bと、蓋体3の前端縁部3cが左右方向に沿って面接触する前上面部(蓋支持面)25cと、この前上面部25cの前側に位置する前端上面部25fを有している。これにより、下面縁部3d,3dおよび前端縁部3cと、トップカバー25との間に隙間が形成されないように蓋体3が閉じられる。すなわち、蓋体3を閉じたときに、横上面部25bが蓋体3の左右両側と鉛直方向に重なり、前上面部25cは蓋体3の前側と鉛直方向と重なる。一方で、前端上面部25fは、蓋体3を閉じたときでも、蓋体3と鉛直方向と重ならずに露出するようになっている。なお、操作パネル6は、前上面部25cと前端上面部25fとにより一体的に構成されており、蓋体3を開けたときにも一体感のある意匠面が形成される。
図3(a)は蓋体を開いたときの操作パネルの平面図、図3(b)は蓋体を閉じたときの操作パネルの平面図である。
図3(a)に示すように、操作パネル6は、押圧操作式の操作部61a〜61eと、運転状態の表示などを行う表示部62a〜62eと、蓋体3を開ける際に操作される押圧操作式のプッシュボタン63を有している。また、トップカバー25には、操作パネル6と開口25aとの間の最も狭い位置に突起部31が挿入される挿入溝25eが形成されている。この挿入溝25eは、上側の面と開口25a側の面とが解放する形状を有している。
操作部は、電源ボタン61a、スタート/一時停止ボタン61b、水量追加ボタン61c、水流切替ボタン61d、マニュアル設定ボタン61eなどで構成されている。電源ボタン61a、スタート/一時停止ボタン61b、水量追加ボタン61cおよび水流切替ボタン61dは、トップカバー25の前端上面部25fにおいて、プッシュボタン63の図示右側に横一列に並んで配置されている。マニュアル設定ボタン61eは、トップカバー25の前上面部25cにおいて、プッシュボタン63の左側かつ後方側(奥側)に配置されている。なお、プッシュボタン63は、前端上面部25fの幅方向略中央に設置されている。
電源ボタン61aは、洗濯機1の電源の入り/切りを行うものである。スタート/一時停止ボタン61bは、運転の開始/一時停止を行うものである。水量追加ボタン61cは、洗い工程およびすすぎ工程において、給水手段から給水することで洗濯槽4内の水量を増やす場合に操作される給水操作部である。水流切替ボタン61dは、洗い工程およびすすぎ工程において、洗濯槽4内の洗濯物を洗濯する際の洗濯強さ(洗いの強さ、すすぎの強さ)を変更する場合に操作されるものである。マニュアル設定ボタン61eは、詳細な運転コースを選択する場合に操作されるものである。なお、プッシュボタン63は、蓋体3を閉じた位置から蓋体3の前辺を所定量持ち上げる開蓋操作部を構成するものである。
表示部は、7セグメント式のものであり、残時間/水量表示部62a、洗い時間表示部62b、すすぎ回数表示部62cおよび脱水時間表示部62dが、第1の表示部として横一列に、電源ボタン61a、スタート/一時停止ボタン61b、水量追加ボタン61cおよび水流切替ボタン61dの後方に、並んで配置されている。また、マニュアル設定表示部62eが、第2の表示部としてマニュアル設定ボタン61eの左側に配置されている。これらの表示部は、いずれも前上面部25c上に設けられている。なお、運転中に異常等が発生した場合も、この表示部の一部に表示させて、使用者へ知らせるようにしても良い。
図3(b)に示すように、蓋体3を閉じると、蓋体3の前端縁部3cが操作パネル6の一部である表示部およびマニュアル設定ボタン61eと重なるようになっている。また、前端縁部3cには、表示部のうち、残時間/水量表示部62a、洗い時間表示部62b、すすぎ回数表示部62cおよび脱水時間表示部62dに対応する位置に、表示窓部(切欠窓)3f,3g,3h,3iが形成されている。これにより、蓋体3を閉じた状態で、切欠窓3f,3g,3h,3iを通して、残時間/水量、洗い時間、すすぎ回数、脱水時間を確認できるようになっている。
図4は、本実施形態に係る洗濯機において蓋体を閉じたときの斜視図である。
図4に示すように、蓋体3を閉じたときに、透明窓部3bを通して洗濯槽4内を視認できるようになっている。よって、ユーザは、運転中に水量追加ボタン61cを押すことで、洗濯槽4内の水量を確認しながら給水できるようになっている。また、水量追加ボタン61cを押すと、清水(洗濯水)が洗剤類投入ケース8の下方から洗濯槽4内に向けて所定の幅で供給されるようになっている。
また、多数のボタンからなるマニュアル設定ボタン61eによって、詳細な運転内容やコース等を設定して運転開始した後は、通常、設定の変更は行われない。したがって、このマニュアル設定ボタン61eについては、他の操作部と異なり、前上面部25cに配置した。このため、運転を開始して、蓋体3を閉じた状態では、多数のボタンが使用者から見えない状態となっている。その結果、運転開始後にも使用者が使う可能性のある、スタート/一時停止ボタン61b、水量追加ボタン61cおよび水流切替ボタン61dの判別がし易く、使用者は操作に躊躇することがない。
図5は、図4のI−I線における斜視断面図、図6は、プッシュボタン操作後の状態を示す斜視断面図、図7は、蓋体の動作を説明する模式図を示し、(a)はプッシュボタンを押す前の状態、(b)はプッシュボタンを押している状態、(c)はプッシュボタンを離した状態である。なお、本実施形態では、蓋体3がトップカバー25にロックされる機構ではなく、プッシュボタン63を押すことで、蓋体3と操作パネル6(トップカバー25)との間に手を掛ける程度の隙間を形成されるものである。
図5に示すように、プッシュボタン63は、ユーザが指で押して操作されるボタン部63aと、このボタン部63aから挿入溝25e側に向けて延びる腕部63bと、を有して構成されている。
トップカバー25内には、回動部71と、押上げ部72と、コイルばね73と、収容部74と、が設けられている。
回動部71は、シーソー支持部71aを有し、一端71bが腕部63bと当接し、他端71cがコイルばね73の下端部に当接している。シーソー支持部71aは、収容部74内において軸71dを支点として回動自在に支持されている。また、シーソー支持部71aには、軸71dから上方に延びるとともに先端(上端)が押上げ部72に向けて突出するフック部71eが形成されている。
押上げ部72は、コイルばね73が下方から挿入されて収容される凹部72aを有している。凹部72aの上端部には、フック部71eに引っ掛かる引掛突起72bが形成されている。また、押上げ部72には、フック部71e側の面に窪み部72cが形成されている。図5に示すように蓋体3が閉じられた状態では、蓋体3の突起部31が挿入溝25e内に挿入され、押上げ部72がフック部71eに係合してロックされている。
図6に示すように、図5に示す状態において、プッシュボタン63を押すことにより、腕部63bがシーソー支持部71aの一端71bを押し下げ、フック部71eが押上げ部72から離れる方向に回動することで、フック部71eと引掛突起72bとの引っ掛かり状態が解除される。これにより、押上げ部72がコイルばね73の弾性復帰力によって押し上げられることで、突起部31が押し上げられ、蓋体3と操作パネル6(トップカバー25)との間に所定の隙間Sが形成される。この隙間Sは、ユーザが手を挿入して蓋体3に手を掛けることができる寸法(例えば、30mm)に設定される。
さらに説明すると、図7(a)に示すように、蓋体3の先端に作用する力F1は、蓋体3を開方向に付勢する付勢部材3sによる力F2よりも大きくなるように設定されている。このため、蓋体3は、力F2に打ち勝って、閉じた状態を維持する。そして、図7(b)に示すように、プッシュボタン63が押されると、フック部71eが軸71dを支点として矢印A方向に回動することで、押上げ部72のロックが解除され、押上げ部72が矢印B方向に押し上げられるとともに、蓋体3が押し上げられる。そして、図7(c)に示すように、コイルばね73の弾性復帰力によってシーソー支持部71aの他端71cが矢印C方向に押されることで、フック部71eが矢印D方向に動作して窪み部72cに入り込み、プッシュボタン63が初期状態に復帰する。
このように、蓋体3の突起部31がトップカバー25側にロックされる機構ではないので、仮にトップカバー25側の機構が壊れたとしても、蓋体3が開かなくなるといった不都合を防止することができる。
図8は、本実施形態に係る洗濯機の制御装置を示すブロック図である。
図8に示すように、制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を搭載したCPUボード、入出力インターフェースボード等を搭載し、水量追加ボタン61cの操作に基づいて給水電磁弁5を制御し、また水流切替ボタン61dの操作に基づいて駆動装置45を制御して回転翼43を制御する。また、制御部7は、水量追加ボタン61cが操作されて、増加した水量を水位センサ50の検出値から算出する。
また、制御部7は、水流切替ボタン61dの操作に基づいて表示部62の残時間/水量表示部62aを制御する。すなわち、水流切替ボタン61dを操作して水流(洗いの強度、すすぎの強度)を切り替えることにより、水流(洗濯強さ)を段階的に設定できるようになっている。
また、振動センサ55は、外槽42の外側面(外周面)に取り付けられ、内槽41が高速回転する脱水時の振動などを検出する。
次に、本実施形態に係る洗濯機の制御動作について図9(適宜、図1、図2)を参照して説明する。図9は、本実施形態の洗濯機の制御処理プログラムの一例を示すフローチャートである。
まず、制御部7は、電源ボタン61a(図2参照)が押されて電源が投入されると起動し、例えば、図9に示す洗濯の基本的な制御処理プログラムを実行する。そして、制御部7は、洗濯機1の状態確認および初期設定を行う。そして、制御部7は、操作パネル6の表示部を点灯し、操作部からの指示入力にしたがって洗濯コースを設定する。指示入力がない状態では、標準の洗濯コースまたは前回実施の洗濯コースを自動的に設定する。
そして、制御部7は、スタート/一時停止ボタン61bからのスタート信号を取得すると、ステップS1において、布量センシングを実行する。具体的には、駆動装置45によって、洗濯物9(図1参照)が収容された内槽41を回転させて、電動機45aに通電される電流の大きさの大小で、洗濯物9の重さ(量)を検知し、量のランク分けを行う。
ステップS2において、制御部7は、洗い工程における水量の初期値および水流の初期値、すすぎ工程における水量および水流の初期値を設定する。各初期値は、布量センシング(S1)によって得られた布量(負荷量)に基づいて決定される。
ステップS3において、制御部7は、洗い工程を開始する。この洗い工程では、給水電磁弁5が開弁されることで、洗剤を含む洗濯水が、ステップS2で設定された水量(初期値)に基づいて洗濯槽4に供給される。その後、駆動装置45によって回転翼43が動作することで、洗濯槽4内の洗濯物9が攪拌される。
ステップS4において、制御部7は、水量追加ボタン61cがONされたか(押されたか)否かを判定する。ステップS4において、水量追加ボタン61cがONの場合には(Yes)、ステップS5に進み、水量追加ボタン61cがOFF(押されていない)の場合には(No)、ステップS9に進む。
ステップS5において、制御部7は、水量(水位)が上限値であるか否かを判定する。なお、水量は、水位センサ50から得られる検出値によって判定することができる。ステップS5において、水量が上限値である場合には(Yes)、ステップS9に進み、水量が上限値でない場合には(No)、ステップS6に進む。これにより、洗濯槽4に給水が無駄に行われるのを防止できる。
ステップS6において、制御部7は、給水電磁弁5を開弁する。これにより、洗濯槽4内に給水が行われ、洗濯槽4内の水量(水位)が増加する。
ステップS7において、制御部7は、水量追加ボタン61cがOFFされたか(押されていないか)否かを判定する。ステップS7において、水量追加ボタン61cがOFFの場合には(Yes)、ステップS8に進み、水量追加ボタン61cがOFFではなく、ONのままの場合には(No)、ステップS5に戻る。
ステップS8において、制御部7は、給水電磁弁5を閉弁する。これにより、洗濯槽4内への給水が停止する。このように、本実施形態では、水量追加ボタン61cを押している間、継続して給水されるようになっている。
ステップS9において、制御部7は、水流切替ボタン61dがONされたか(押されたか)否かを判定する。ステップS9において、水流切替ボタン61dがONの場合には(Yes)、ステップS10に進み、水流切替ボタン61dがOFFの場合には(No)、ステップS11に進む。
ステップS10において、制御部7は、水流の変更が実行される。水流の変更では、例えば、回転翼43の回転速度などが変更され、洗濯物9を攪拌する際の強さが変更される。
ステップS11において、制御部7は、洗い工程が終了したか否かを判定する。ステップS11において、洗い工程が終了した場合には(Yes)、ステップS12に進み、洗い工程が終了していない場合には(No)、ステップS4に戻る。洗い工程の終了は、例えば、予め設定された所定時間が経過したか否かによって判定できる。
ステップS12において、制御部7は、すすぎ工程を開始する。このすすぎ工程では、まず、排水と脱水が行われる。
ステップS13において、制御部7は、洗い工程(S3〜S11)において、水流が変更されたか否かを判定する。ステップS13において、水流が変更された場合には(Yes)、ステップS14に進み、水流が変更されていない場合には(No)、ステップS15に進む。
ステップS14において(水流変更有り)、制御部7は、変更後の水流(複数回押した場合に最後に設定された水流)に応じた強さ(水流)に設定する。
ステップS15において(水流変更無し)、制御部7は、ステップS2で設定された初期値のままの強さ(水流)を設定する。
すなわち、洗い工程において、水流切替ボタン61dを押して、水流を強くまたは弱くした場合には、その強さに応じて、すすぎ工程での強さ(水流)を決定する。このように洗い工程で水流を変更した場合には、すすぎ工程での水流が自動的に変更される。
ステップS16において、制御部7は、すすぎ工程が終了したか否かを判定する。ステップS16において、すすぎ工程が終了した場合には(Yes)、ステップS17に進み、すすぎ工程が収容していない場合には(No)、ステップS16を繰り返す。すすぎ工程の終了は、例えば、予め設定されたすすぎ回数が終了したか否かによって判定される。
ステップS17において、制御部7は、脱水工程を実行する。脱水工程では、すすぎ工程でのすすぎ水を排水後、排水弁42bを開いた状態で、内槽41と回転翼43とを一体に高速回転させ、洗濯物9に遠心力を加え、遠心脱水する。
図10は、回転翼の動作パターンを示す図、図11は、水流切替ボタンを操作したときの表示例である。図10および図11に示すものは、一例であって、本実施形態に限定されるものではない。
図10では、負荷量が半負荷未満と半負荷以上の2つにランク分けされている場合を例に挙げて説明する。なお、半負荷とは、定格負荷の半分(1/2)を意味する(例えば、定格容量が10kgであれば5kg)。また、「回転翼回転速度」は、洗い工程やすすぎ工程における回転翼43の回転速度である。「加速率」は、回転翼43の回転させる際の加速率であり、事前の試験などに基づいて決定される。「回転時限」は、回転翼43を正逆反転させる際のON時間とOFF時間である。ここでは、No.1〜No.7の7段階に設定されており、No.1において水流(強さ)が最も強く、No.7において水流(洗濯強さ)が最も弱く、No.1からNo.7に向けて、水流が徐々に弱くなるように設定されている。なお、7段階に限定されるものではなく、3段階や5段階など適宜変更することができる。
「半負荷未満」では、No.4に初期値(デフォルト)が設定され、「半負荷以上」では、No.3に初期値(デフォルト)が設定されている。また、半負荷未満と半負荷以上のそれぞれにおいて、初期値(デフォルト)と、初期値より1段階強い「+1」と、初期値より2段階強い「+2」と、初期値より1段階弱い「−1」と、初期値より2段階弱い「−2」と、の5段階に移行できるように構成されている。
例えば、布量センシング(図9のステップS1)において、「半負荷未満」のランクが設定された場合には、初期値として、No.4に示すように、「回転翼回転速度」として100(r/min)、「加速率」として93(r/min/s)、「回転時限」としてON時間2.4(s)、OFF時間1.5(s)が設定される。このような初期値が設定されている場合、洗い工程において、水流切替ボタン61dが1回押された場合には、No.3(「+1」)に移行し、さらに1回押された場合には、No.2(「+2」)に移行する。さらに、1回押される毎に、No.3(「+1」)、No.4(デフォルト)、No.5(「−1」)、No.6(「−2」)の順番で移行する。なお、「半負荷以上」の場合も、水流切替ボタン61dの操作に応じて回転翼43の回転速度などが変更される。
また、図11に示すように、表示部62の残時間/水量表示部62aには、初期値の場合には、「0」が表示され、水流切替ボタン61dが1回押されると、残時間/水量表示部62aの表示が「0」から「1」に切り替わり、さらに1回押されると、「1」から「2」に切り替わる。さらに、水流切替ボタン61dが押される毎に、「1」→「0」→「−1」→「−2」のように切り替わる。このように、残時間/水量表示部62aの表示が切り替わることにより、水流が変化したことを確認することができる。また、透明窓部3bを通して洗濯槽4内の洗濯物9の動きを確認しながら、水流切替ボタン61dを操作することで、水流の強さを直観的に確認することができる。
以上説明したように、本実施形態の洗濯機1では、蓋体3に洗濯槽4内を視認可能な透明窓部3bが形成され、給水電磁弁5から給水することで洗濯槽4内の水量を増加させる水量追加ボタン61cが備えられ、制御部7が洗い工程およびすすぎ工程において、水量追加ボタン61cを操作している間、継続して給水電磁弁5から給水するものである。これによれば、ユーザは、透明窓部3bを通して洗濯槽4の水量を確認しながら給水できるので、ユーザが望む水量に直観的に変更することができ、ユーザが望む設定内容に容易に変更することが可能になる。
また、本実施形態では、水流を変更する水流切替ボタン61dが備えられ、制御部7が洗い工程において水流切替ボタン61dを操作して水流を運転開始時の初期値から変更した場合、すすぎ工程の水流の初期値から変更後の水流に対応した強さ(水流)に自動的に変更する。これによれば、すすぎ工程において再度、水流の強さを設定する必要がなくなるので、操作性を向上できる。
また、本実施形態では、制御部7が洗濯槽4を一時停止させずに水量および水流を変更する。これによれば、洗濯物9が動いている状態において、水量を変更することで洗濯物9の水の浸かり具合、水流を変更することで水流の強さを容易に確認することができる。
また、本実施形態では、水流は、少なくとも回転翼43の回転速度によって設定される。これによれば、回転翼43の回転速度を変更することで、水流(洗濯強さ)を容易に変更することができる。
また、本実施形態では、筺体2が押圧操作することで蓋体3を開方向に動作させるプッシュボタン63を備える。これによれば、蓋体3には、突起形状の部材(突起部31)を形成すればよいので、透明窓部3bを大型化することが可能になり、ユーザが洗濯槽4内を確認し易くなる。
図12は、蓋体3がガラス製であって、蓋体3が閉まっているときの表示部付近の状態を示す図である。前上面部25c上には、発光する部品として表示部62a〜62eが実装されており、洗濯の残時間や動作エラー時の警告などに用いられる。残時間/水量表示部62a、洗い時間表示部62b、すすぎ回数表示部62cおよび脱水時間表示部62dは、洗い工程から脱水工程までの間の運転中に使用者への表示が必要な部品であり、マニュアル設定表示部62eは、運転中は使用者への表示が必要でない部品である。そこで、図12(a)のように、蓋体3が閉まった状態で、マニュアル設定表示部62eの上方に位置する蓋体3の部分に、塗装33を施すことで使用者への不必要な表示を遮断する。一方、表示部62a〜62dの上方に位置する蓋体3の領域34(3f〜3i)では塗装をしないこと表示窓部を形成し、使用者への必要な情報を表示させる。
また、図12(b)に示すように、領域34に透明な色付き塗料35を塗装することにより、表示部62a〜62dからの発光色を変化させることができる。上記構造とすることで、蓋体3が閉まった状態において、使用者への不必要な情報を遮断し、必要な情報のみを低コストで提供し易くできる。
図13は、蓋体3がプラスチック製であって、蓋体3が閉まっているときの表示部付近の状態を示す図である。図13(a)のように、蓋体3が閉まった状態で、表示部62a〜62dと対応した位置にある蓋体3の領域34(3f〜3i)は、貫通部や切欠部とすることで表示窓部を形成し、使用者への必要な情報を表示させる。
また、図13(b)に示すように、領域34に透明な色付きのプラスチック36を配置することにより、表示部62a〜62dからの発光色を変化させることができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、本実施形態では、洗い工程のみにおいて水量を増加させる場合を例に挙げて説明したが、洗い工程とすすぎ工程の双方において、水量を増加させる構成を備えていてもよく、すすぎ工程のみにおいて水量を増加させる構成を備えていてもよい。