JP5985359B2 - 炎検知装置及び炎検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炎を検知するための炎検知装置及び炎検知方法に関する。
従来、炎から放射される赤外線を検出することによって炎検知を行う炎検知装置として、炎を放射源として放射される赤外線と、炎以外(例えば、太陽や人体等)を放射源として放射される赤外線とを識別することを目的とした、2波長式又は3波長式の炎検知装置が実用化されている。
このような2波長式又は3波長式の炎検知装置は、赤外線の放射源の種類に応じて、赤外線の波長帯毎の放射強度が相違することを利用して識別を行うものである。すなわち、赤外線の放射源が炎である場合に特有な現象として、物体の燃焼時に発生する炭酸ガスの共鳴放射(CO共鳴放射)の影響により、放射強度がピークとなる波長帯(以下、ピーク波長帯)は4.5μm付近に存在し、一方で、この近傍の3.8μm付近や5.1μm付近では放射強度が低くなることが知られている(なお、ピーク波長帯の理論値は4.3μm付近であるが、放射源から離れた位置で赤外線検知を行った場合のピーク波長帯は4.5μm付近になることが経験的に知られているため、以下では、ピーク波長帯が4.5μmであるとして説明する)。
そこで、2波長式の炎検知装置では、4.5μm付近の赤外線のみを通過させる光学狭帯域フィルタと、3.8μm付近の赤外線のみを通過させる光学狭帯域フィルタとを設けておき、各光学狭帯域フィルタを通過した赤外線をそれぞれ異なる赤外線検出素子で検知することで、2波長帯の各々の放射強度を取得し、これら2波長帯の各々の放射強度の相対比を算定して所定閾値と比較することで、赤外線の放射源が炎であるか否かを識別している。また、3波長式の炎検知装置では、3.8μm付近の赤外線の放射強度と4.5μm付近の赤外線の放射強度とに加えて、さらに5.1μm付近の赤外線の放射強度を、上記2波長式の炎検知装置と同様に取得し、これら3波長帯の各々の放射強度の相対比を算定して所定閾値と比較することで、赤外線の放射源が炎であるか否かを識別している。そして、このような識別を行うことにより、赤外線の放射源が炎以外であるにも関わらず、炎を検知したものと誤って判断して炎報知出力を行ってしまうこと(以下、誤報)を防止することができる。
特開昭50−2497号公報
しかしながら、このような従来の2波長式又は3波長式の炎検知装置においても、誤報を完全に防止することが困難な場合があった。具体的には、アーク溶接が行われた際、溶接棒の被覆に含まれるでんぷん等の有機物が燃焼することで生じるCO共鳴放射や、非溶接体(ワーク)が高温となることで生じる黒体放射によって、4.5μm付近の赤外線が発生するため、アーク溶接が行われる工場等に炎検知装置が設置された場合には、アーク溶接による赤外線と火災の炎による赤外線とを識別することが困難であり、炎検知装置において誤報が生じる可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、アーク溶接の如き特殊な放射源による赤外線と火災の炎による赤外線との識別能力を向上させることにより、特殊な放射源によって誤報が生じる可能性を低減することができる、炎検知装置及び炎検知方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の炎検知装置は、監視対象領域における可視光又は近赤外光の第1画像を取得する第1撮影手段と、前記監視対象領域における中赤外光の第2画像を取得する第2撮影手段と、前記第1撮影手段にて取得された前記第1画像に基づいて、前記監視対象領域における可視光又は近赤外光のレベルである第1レベルを特定する第1レベル特定手段と、前記第2撮影手段にて取得された前記第2画像に基づいて、前記監視対象領域における中赤外光のレベルである第2レベルを特定する第2レベル特定手段と、前記第1レベル特定手段にて特定された前記第1レベルと、前記第2レベル特定手段にて特定された前記第2レベルとに基づいて、前記第1レベルに所定変化が生じた第1タイミングと前記第2レベルに所定変化が生じた第2タイミングとの相互の時間差を特定する時間差特定手段と、前記時間差特定手段にて特定された時間差に基づいて、前記可視光又は近赤外光と前記中赤外光との放射源の種類を識別する識別手段と、前記識別手段にて識別された放射源に基づいて、火災報知の出力を行う火災報知手段とを備える。
また、請求項2に記載の炎検知装置は、請求項1に記載の炎検知装置において、前記時間差特定手段は、前記第1レベルが所定の第1閾値以上になった前記第1タイミングから、前記第2レベルが所定の第2閾値以上になった前記第2タイミングまでの経過時間を、前記時間差として特定し、前記識別手段は、前記時間差が所定時間未満である場合に前記放射源が所定の第1放射源であり、前記時間差が前記所定時間以上である場合に前記放射源が所定の第2放射源であると識別する。
また、請求項3に記載の炎検知装置は、請求項2に記載の炎検知装置において、前記第1放射源は、アーク溶接以外の有炎燃焼体であり、前記第2放射源は、アーク溶接である。
また、請求項4に記載の炎検知装置は、請求項3に記載の炎検知装置において、前記第1レベルと前記第2レベルとに基づいて、前記放射源が前記第1放射源及び前記第2放射源以外の第3放射源であるか否かを判定する炎判定手段を備える。
また、請求項5に記載の炎検知装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の炎検知装置において、前記第2レベル特定手段が前記第2画像において前記第2レベルを特定する第2領域を、前記第1レベル特定手段が前記第1画像において前記第1レベルを特定する第1領域を包含する領域に設定した。
また、請求項6に記載の炎検知方法は、監視対象領域における可視光又は近赤外光の第1画像を取得する第1撮影ステップと、前記監視対象領域における中赤外光の第2画像を取得する第2撮影ステップと、前記第1撮影ステップにおいて取得された前記第1画像に基づいて、前記監視対象領域における可視光又は近赤外光のレベルである第1レベルを特定する第1レベル特定ステップと、前記第2撮影ステップにおいて取得された前記第2画像に基づいて、前記監視対象領域における中赤外光のレベルである第2レベルを特定する第2レベル特定ステップと、前記第1レベル特定ステップにおいて特定された前記第1レベルと、前記第2レベル特定ステップにおいて特定された前記第2レベルとに基づいて、前記第1レベルに所定変化が生じた第1タイミングと前記第2レベルに所定変化が生じた第2タイミングとの相互の時間差を特定する時間差特定ステップと、前記時間差特定ステップにおいて特定された時間差に基づいて、前記可視光又は近赤外光と前記中赤外光の放射源を識別する識別ステップと、前記識別ステップにおいて識別された放射源に基づいて、火災報知の出力を行う火災報知ステップとを含む。
請求項1に記載の炎検知装置又は請求項6に記載の炎検知方法によれば、アーク溶接の如き特殊な放射源による赤外線と火災の炎による赤外線との識別能力を向上させることにより、特殊な放射源によって誤報が生じる可能性を低減することができ、炎検知の信頼性を向上させることができる。
請求項2に記載の炎検知装置によれば、可視光又は近赤外光の第1レベルが第1閾値以上になった第1タイミングから、中赤外光について第2レベルが第2閾値以上になった第2タイミングまでの時間差に基づいて、放射源が第1放射源であるか第2放射源であるかを識別するので、可視光又は近赤外光が放射されてから中赤外光が放射されるまでに時間差を生じ得る放射源を識別するための識別能力を向上させることが可能になる。
請求項3に記載の炎検知装置によれば、放射源がアーク溶接以外の有炎燃焼体であるかアーク溶接であるかを識別することが可能になり、例えば、アーク溶接が行われる工場等において、アーク溶接と火災による炎とを識別することが可能になる。
請求項4に記載の炎検知装置によれば、放射源がアーク溶接及びアーク溶接以外の有炎燃焼体以外の放射源であるか否かを判定することが可能になり、例えば、太陽光や照明を炎として誤検知することを防止することが可能になる。
請求項5に記載の炎検知装置によれば、第2レベル特定手段が第2レベルを特定する第2領域を、第1レベル特定手段が第1レベルを特定する第1領域を包含する領域としたので、これら第1領域を包含する領域を対象として第2レベルを特定することが可能になり、同一の放射源から放射された可視光又は近赤外光と中赤外光とに基づいて識別を行うことが可能になる。
本発明の実施の形態に係る炎検知装置を機能概念的に示したブロック図である。 炎検知処理のフローチャートである。 図2に続く、炎検知処理のフローチャートである。 炎検知処理のタイミングチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る炎検知装置及び炎検知方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。この実施の形態は、監視対象領域における炎を検知するための炎検知装置及び炎検知方法に関するものである。ここで、「炎検知装置」として、以下では、炎検知機能のみを有する専用装置を例示するが、その他の機能を有する装置(例えば、炎を検知して消火を行う消火ロボット)として構成してもよい。同様に、「炎検知方法」として、以下では、炎検知処理のみを含む専用方法を例示するが、その他の処理を含む方法(例えば、炎を検知して消火を行う消火方法)として構成してもよい。「監視対象領域」とは、炎を監視する対象となる領域であり、その種類や広さは任意であるが、例えば、一般家屋の室内領域、オフィスビルの室内領域、商業施設の内部領域、あるいは屋外領域が該当する。ただし、このような各領域の中で、火災発生の可能性が高い領域を狭い範囲に予め限定できる場合や、炎検知装置を多数設けることができる等のために1台の炎検知装置で監視すべき領域を狭い範囲に限定できる等の場合には、このような狭い範囲を監視対象領域としてもよく、例えば、調理器具の周辺領域や、暖房器具の周辺領域のみを監視対象領域としてもよい。
特に、この実施の形態は、可視光又は近赤外光を放射すると共に、中赤外光を放射する放射源を識別することができる炎検知装置及び炎検知方法に関するものである。ここで、例えば、「可視光」とは、約0.38μm〜約0.75μmの波長を有する電磁波であり、「近赤外光」とは、約0.7μm〜約1μmの波長を有する電磁波であり、「中赤外光」とは、約2.5μm〜約4μmの波長を有する電磁波である。
このような電磁波を放射する「放射源」として、以下では、「アーク溶接」と「アーク溶接以外の有炎燃焼体」とを例示するものとし、これら2種類の放射源を相互に識別する例について説明する。ここで、「アーク溶接」とは、溶接棒の電極と母材(被溶接体である鉄等。以下、ワーク)との間に発生させたアーク(プラズマ)の熱により、ワークを溶融させて溶接する方法であり、ティグ溶接、ミグ溶接、マグ溶接、及び炭酸ガスアーク溶接を含む溶接法である。「アーク溶接以外の有炎燃焼体」とは、代表的には火災により発生した炎(CO共鳴放射により、4.5μm付近にピーク波長帯を有するもの)である。ただし、このように相互に識別する対象となる2種類の放射源の種類は任意であり、後述する第1タイミングと第2タイミングとの相互に時間差が生じ得るものである限り、任意の2種類の放射源を識別対象とすることができる。
このように以下の例において「アーク溶接」と「アーク溶接以外の有炎燃焼体」とを相互に識別するのは、上述のように、アーク溶接が行われた際、溶接棒の被覆に含まれる有機物が燃焼することで生じたCO共鳴放射や、ワークが高温となることで生じる黒体放射によって、4.5μm付近の赤外線が発生し、アーク溶接による赤外線と火災の炎による赤外線とを識別することが困難であるためである。このようなアーク溶接に伴う工程をより詳しく説明すると、アーク溶接では、溶接棒の電極とワークとの間にアークを発生させる工程(以下、アーク発生工程)、アークにより溶接棒の被覆を燃焼させてシールドガスを発生させる工程(以下、溶接棒燃焼工程)、アークの熱によりワークを高温化して溶融させて溶接を行う工程(以下、ワーク溶融工程)が順次行われることになる。ここで、アーク発生工程においては、アークから可視光又は近赤外光が放射される。つまり、アークからの光が周囲の物質分子に衝突してコンプトン散乱を生じさせると、この衝突はエネルギー授受を伴う非弾性衝突であることから、光のエネルギーが減衰することになり、光の周波数は低くなるため、光の波長は長くなる。このため、光の波長は広がり、アークによって生じる紫外線成分が可視光又は近赤外光に転じるため、可視光又は近赤外光が放射される。また、溶接棒燃焼工程においては、燃焼した被覆から中赤外光(CO共鳴放射による4.5μm付近の赤外光を含む光)が放射される。さらに、ワーク溶融工程においては、溶融したワークから中赤外光(黒体放射による4.5μm付近の赤外光を含む光であり、プランク則に従うピークと帯域分布を持つ光)が放射されることになる。ここで、アーク発生工程で可視光又は近赤外光が放射されるタイミングと、溶接棒燃焼工程において中赤外光が放射されるタイミング(あるいは、その後にさらにワーク溶融工程中赤外光が放射されるタイミング)との間には、約100sec程度の時間差が生じるものと考えられる。そこで、この時間差を利用して、「アーク溶接」と「アーク溶接以外の有炎燃焼体」とを相互に識別する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、この実施の形態の具体的内容について説明する。実施の形態は、第1撮影手段を可視光カメラにより構成すると共に、第2撮影手段を赤外線カメラ(赤外線マイクロボロメータアレイ)により構成した形態である。
(構成)
次に、この実施の形態に係る炎検知装置の構成を説明する。図1は実施の形態に係る炎検知装置を機能概念的に示したブロック図である。この炎検知装置1は、監視対象領域における炎を検知するための装置であり、特に、赤外線の放射源がアーク溶接とアーク溶接以外の有炎燃焼体のいずれであるのかを識別可能な装置であって、可視光カメラ2、赤外線カメラ3、第1メモリ4、第2メモリ5、判定部6、及び火災報知部7を備えて構成されている。
(構成−可視光カメラ)
可視光カメラ2は、監視対象領域における可視光又は近赤外光の画像(以下、第1画像)を取得する第1撮影手段であり、監視対象領域の全域をカバー可能な撮影領域を有するものであって、監視対象領域から放射された可視光又は近赤外光(あるいは可視光及び近赤外光)を受光して電気信号に変換して出力する撮像素子によって構成される。この撮像素子としては、炎を迅速に検知するため及び後述する時間差特定部6dにて特定される時間差を増大させるために、応答時定数ができるだけ小さいものを使用することが好ましい。このように時定数の小さい撮像素子としては、量子型素子を挙げることができ、例えば、公知のシリコン系のフォトダイオードを使用することができる。このようなフォトダイオードを2次元配列してフォトダイオードアレイを構成することで、可視光カメラ2を構成することができる。
(構成−赤外線カメラ)
赤外線カメラ3は、監視対象領域における中赤外光の画像(以下、第2画像)を取得する第2撮影手段であり、監視対象領域の中の後述する第2領域を少なくともカバー可能な撮影領域を有するものであって、監視対象領域から放射された中赤外光を受光して電気信号に変換して出力する撮像素子によって構成される。この撮像素子としては、例えば、アモルファスシリコンによる感熱素子をシリコン基板上に二次元配列させた赤外線マイクロボロメータアレイを使用することができる。
(構成−第1メモリ)
第1メモリ4は、可視光カメラ2からの出力を所定時間間隔(以下、フレーム)毎に記憶する第1記憶手段である。この第1メモリ4としては、例えば、フラッシュメモリを使用することができる。
(構成−第2メモリ)
第2メモリ5は、赤外線カメラ3からの出力をフレーム毎に記憶する第2記憶手段である。この第2メモリ5としては、例えば、フラッシュメモリを使用することができる。
(構成−判定部)
判定部6は、第1検知部からの出力と第2検知部からの出力とに基づいて、監視対象領域における炎の有無を判定すると共に、赤外線の放射源がアーク溶接とアーク溶接以外の有炎燃焼体のいずれであるのかを識別する判定手段である。この判定部6は、第1レベル特定部6a、第2レベル特定部6b、炎判定部6c、時間差特定部6d、及び識別部6eを備えて構成されている。この判定部6は、具体的には、公知のMPUに、本実施の形態に係る炎検知方法に対応する炎検知プログラムを組み合わせることによって構成することができる。
第1レベル特定部6aは、可視光カメラ2にて取得された第1画像に基づいて、監視対象領域における可視光又は近赤外光のレベル(以下、第1レベル)を特定する第1レベル特定手段である。例えば、この第1レベル特定部6aは、可視光カメラ2にて取得された第1画像に基づいて、公知の画像処理を行うことで、監視対象領域の中で、第1レベルが所定の第1閾値以上である領域が存在するか否か等を監視する。なお、本実施の形態において、「可視光又は近赤外光のレベル」とは、具体的には放射輝度である。
第2レベル特定部6bは、赤外線カメラ3にて取得された第2画像に基づいて、監視対象領域における中赤外光のレベル(以下、第2レベル)を特定する第2レベル特定手段である。例えば、この第2レベル特定部6bは、赤外線カメラ3にて取得された第2画像に基づいて、公知の画像処理を行うことで、監視対象領域の中で、第2レベルが所定の第2閾値以上である領域が存在するか否か等を監視する。なお、本実施の形態において、「中赤外光のレベル」とは、具体的には放射輝度である。
炎判定部6cは、第2検知部からの出力に基づいて、監視対象領域における炎の有無を判定する炎判定手段である。この炎判定部6cは、例えば、可視光カメラ2からの出力と、赤外線カメラ3からの出力とに基づいて、アーク溶接やアーク溶接以外の有炎燃焼体による炎が発生したか否かを判定する。本実施の形態では、所定条件に合致した場合に、放射源が後述する第1放射源及び第2放射源以外の第3放射源(本実施の形態においては、照明や太陽)であると判定する。
時間差特定部6dは、第1レベル特定部6aにて特定された第1レベルと、第2レベル特定部6bにて特定された第2レベルとに基づいて、第1レベルに所定変化が生じた第1タイミングと第2レベルに所定変化が生じた第2タイミングとの相互の時間差を特定する時間差特定手段である。ここで、「第1レベルに所定変化が生じた第1タイミング」とは、第1レベルが所定の第1閾値以上となったタイミングであり、放射源から放射された第1閾値以上のレベルの可視光又は近赤外光が、炎検知装置1によって検知されたタイミングである。また、「第2レベルに所定変化が生じた第2タイミング」とは、第2レベルが所定の第2閾値以上となったタイミングであり、放射源から放射された第2閾値以上のレベルの中赤外光が、炎検知装置1によって検知されたタイミングである。具体的には、時間差特定部6dは、第1レベルが所定の第1閾値以上になった第1タイミングから、第2レベルが所定の第2閾値以上になった第2タイミングまでの経過時間を、時間差として特定する。
識別部6eは、時間差特定部6dにて特定された時間差に基づいて、可視光又は近赤外光と中赤外光との放射源の種類を識別する識別手段である。具体的には、識別部6eは、炎判定部6cにて監視対象領域に炎が発生したものと判定されていることを条件として識別を行うものであり、この識別の基準としては、時間差特定部6dにて特定された経過時間が所定時間未満である場合に放射源が所定の第1放射源(本実施の形態においては、アーク溶接以外の有炎燃焼体)であり、経過時間が所定時間以上である場合に放射源が所定の第2放射源(本実施の形態においては、アーク溶接)であると識別する。
(構成−火災報知部)
火災報知部7は、識別部6eにて識別された放射源に基づいて、火災報知の出力を行う火災報知手段である。具体的には、火災報知部7は、放射源がアーク溶接以外の有炎燃焼体であることが識別部6eによって識別された場合に、火災報知を出力するための所定制御を行う。この制御の具体的内容は任意であるが、例えば、外部端子に発報電流を流すことで、この外部端子に有線接続されている防災受信機に対して火災発報信号を出力する。この他、火災報知部7は、火災発生を示す表示灯の点滅や点灯を行ったり、火災発生を示すブザー音や音声の出力を行ったりするものでもよい。
(処理)
次に、このように構成された炎検知装置1によって炎検知方法を実行するための炎検知処理について説明する。図2、3は、炎検知処理のフローチャートである。この炎検知処理は、炎検知装置1の電源起動後に繰り返して実行される。なお、特に説明なき場合には、この処理における各ステップは判定部6によって実行されるものとし、各ステップを「S」と略記する。
第1レベル特定部6aは、可視光カメラ2にて取得された第1画像に基づいて、監視対象領域の中で、第1レベルが所定の監視開始閾値以上になった領域(以下、第1レベル領域)が存在するか否かを継続的に監視する(SA1)。「監視開始閾値」とは、赤外線カメラ3による炎の監視を開始する必要があるか否かを判定するための閾値であり、例えば、有炎燃焼体が存在する場合に放射され得る可視光又は近赤外光の最低レベルに対して、レベル下方側に余裕度を持たせたレベルとして、炎検知プログラムに予め設定される。
そして、このような領域が存在すると判定した場合(SA1、Yes)、第1レベル特定部6aは、監視対象領域における第1レベル領域の位置を特定する(SA2)。このような特定を行うための具体的方法としては種々の方法が考えられるが、例えば、第1レベル特定部6aは、可視光カメラ2の監視対象領域における特定位置を原点とする座標軸が予め設定されている場合において、この座標軸による第1レベル領域の外形座標を特定する。
次いで、赤外線カメラ3を起動する(SA3)。すなわち、炎検知装置1の電源起動時には赤外線カメラ3の電源をオフとしておくことで消費電力を低減し、第1レベルが監視開始閾値以上になったことをトリガとして、赤外線カメラ3を起動する。
そして、第2レベル特定部6bが第2レベルを監視すべき領域(以下、第2レベル領域)を、第1レベル領域に対応する領域に設定する(SA4)。このような設定を行うための具体的方法としては種々の方法が考えられるが、例えば、可視光カメラ2の監視対象領域と赤外線カメラ3の監視対象領域とを予め相互に同一領域に設定すると共に、この監視対象領域の特定の同一位置を原点とする座標軸を予め設定している場合において、第1レベル特定部6aにて特定された第1レベル領域の外形座標に基づいて、第2レベル領域を設定する。
その後、可視光カメラ2からの出力をフレーム毎に第1メモリ4に継続して記憶すると共に(SA5)、赤外線カメラ3からの出力をフレーム毎に第2メモリ5に継続して記憶する(SA6)。
次いで、第1レベル特定部6aは、可視光カメラ2にて取得された第1画像に基づいて、第1レベル領域における第1レベルが所定の第1火災判定閾値以上になった否かを継続的に監視すると共に、第2レベル特定部6bは、赤外線カメラ3にて取得された第2画像に基づいて、第2レベル領域における第2レベルが所定の第2火災判定閾値以上になったか否かを継続的に監視する(SA7)。ここで、「第1火災判定閾値」とは、可視光カメラ2にて取得された第1画像に基づいて、火災が発生した可能性があるか否かを判定するための閾値であり、例えば、有炎燃焼体が存在する場合に放射され得る可視光又は近赤外光の最低レベルとして、炎検知プログラムに予め設定される。ただし、第1火災判定閾値はSA1の監視開始閾値と同じであってもよく、この場合には、SA7における第1火災判定閾値の判定を省略することができる。また、「第2火災判定閾値」とは、赤外線カメラ3にて取得された第2画像に基づいて、火災が発生した可能性があるか否かを判定するための閾値であり、例えば、有炎燃焼体が存在する場合に放射され得る中赤外光の最低レベルとして、炎検知プログラムに予め設定される。
このような監視を所定の第1時間継続して行い、この監視の間、可視光カメラ2からの出力の記憶と(SA5)、赤外線カメラ3からの出力の記憶を(SA6)、継続して行う。ここで、「第1時間」は、可視光又は近赤外光が放射されてから中赤外光が放射されるまでの時間であり、例えば、アーク発生工程から溶接棒燃焼工程までの移行時間である。
そして、第1時間以上経過しても、第1レベルが第1火災判定閾値以上になったと共に第2レベルが第2火災判定閾値以上になったと判定できない場合には(SA7、No,SA8、Yes)、SA1で第1レベルが監視開始閾値以上になったのは、アーク溶接やアーク溶接以外の、有炎燃焼体ではない何らかの原因によるもの(例えば、照明や太陽からの光のように、第1レベルが第1火災判定閾値以上になると同時に第2レベルが第2火災判定閾値以上になる可能性が低い光)であると考えられるため、判定部6は、SA2で設定した第1レベル領域とSA4で設定した第2レベル領域をキャンセルすると共に、SA5で第1メモリ4に記憶させた可視光カメラ2からの出力とSA6で第2メモリ5に記憶させた赤外線カメラ3からの出力とをキャンセルし(SA9)、赤外線カメラ3をオフにした上で(SA10)、SA1に戻る。
一方、所定時間の監視の間に、第1レベルが第1火災判定閾値以上になったと共に第2レベルが第2火災判定閾値以上になったと判定した場合(SA7、Yes)、炎判定部6cは、第1レベルと第2レベルとが相互に所定の関係にあるか否かを判定する(SA11)。ここで、「所定の関係」とは、放射源が、アーク溶接やアーク溶接以外の有炎燃焼体ではない(例えば、照明や太陽からの光)と判定できる関係であり、公知の関係性を適用することができるが、例えば、第1レベルよりも第2レベルが大きい場合や、第1レベルと第2レベルの比が所定値以上である場合には、所定の関係にあると判定する。このように所定の関係にあると判定した場合(SA11、Yes)、SA7で第1レベルが第1火災判定閾値以上になると共に第2レベルが第2火災判定閾値以上になったのは、アーク溶接やアーク溶接以外の有炎燃焼体ではない、何らかの原因によるものであると考えられるため、判定部6は、上記と同様にSA9及びSA10を経てSA1に戻る。
あるいは、第1レベルと第2レベルとが相互に所定の関係にないと判定した場合(SA11、No)、時間差特定部6dは、第1タイミングと第2タイミングの時間差を特定する(SA12)。例えば、時間差特定部6dは、第1レベルが第1火災判定閾値以上になったと判定された時点で第1レベル特定部6aからの第1タイミング報知出力を受けると共に、第2レベルが第2火災判定閾値以上になったと判定された時点で第2レベル特定部6bからの第2タイミング報知出力を受け、これら第1タイミング報知出力を受けた時点から第2タイミング報知出力を受けた時点までの経過時間を特定する。ここで、第1タイミングは、第1メモリ4に格納した各フレーム毎の出力を参照することで特定し、第2タイミングは、第2メモリ5に格納した各フレーム毎の出力を参照することで特定することができる。なお、このように出力の特定はフレーム毎に行うことになるが、フレームの相互間隔を十分に短くすることで、実用上支障がない精度で、時間差を特定することができる。
そして、識別部6eは、SA12で特定された時間差が所定の第2時間未満であるか否かを判定する(SA13)。この「第2時間」は、例えば、アーク溶接において、アーク発生工程で可視光又は近赤外光が放射されるタイミングと、溶接棒燃焼工程において中赤外光が放射されるタイミングとの間の時間差の最大値(上述した約100sec程度の時間差)に対して余裕時間を必要に応じて加減して決定された時間が設定される。そして、時間差が第2時間未満でないと判定された場合(SA13、No)、SA7で第1レベルが第1火災判定閾値以上になると共に第2レベルが第2火災判定閾値以上になったのは、アーク溶接によるものであると考えられるため、判定部6は、上記と同様にSA9及びSA10を実行した後、SA1に戻る。
一方、時間差が第2時間未満であると判定された場合(SA13、Yes)、SA7で第1レベルが第1火災判定閾値以上になると共に第2レベルが第2火災判定閾値以上になったのは、アーク溶接以外の有炎燃焼体によるものであると考えられるため、火災報知部7は、火災報知出力を行う(SA14)。すなわち、SA13において時間差が所定時間未満であると判定された場合、識別部6eは火災報知部7に火災検知信号を出力し、これを受けた火災報知部7は、外部端子に発報電流を流すことで、この外部端子に有線接続されている防災受信機に対して火災発報信号を出力する。これにて炎検知処理が終了する。
次に、このように行われる炎検知処理をタイミングチャートを参照しつつ説明する。図4は、炎検知処理のタイミングチャートである。なお、以下において、「t」は図4におけるタイミングを示し、「SA」は図2、3において当該タイミングに対応するステップを示す。
可視光カメラ2による第1レベルの監視を開始した後(t0、SA1)、監視対象領域においてアーク溶接が開始されたことにより、アーク発生工程で可視光又は近赤外光が放射されると(t1)、ほぼ同時に、第1レベルが監視開始閾値以上になった領域(第1レベル領域)が存在すると判定されるため(t1、SA1、Yes)、赤外線カメラ3が起動される(SA3)。その後、溶接棒燃焼工程で中赤外光が放射されると(t2)、第2レベルが第2火災判定閾値以上になったと判定される(SA7、Yes、t3)(なお、この例では、第1火災判定閾値を監視開始閾値と同じに設定しており、SA7における第1火災判定閾値の判定を省略する場合を示している)。そして、これらのタイミングの時間差(t3−t1)が第2時間未満であると判定された場合に(SA13、Yes)、火災報知出力が行われる(SA14)。
ここで、図4に示すように、溶接棒燃焼工程で中赤外光が放射されたタイミング(t2)と、第2レベルが第2火災判定閾値以上になったと判定されるタイミング(t3)は、赤外線カメラ3の時定数(例えば10〜20msec)だけ遅れることになる。従って、識別部6eが算定する時間差である、アーク発生工程で可視光又は近赤外光が放射されたことを可視光カメラ2を介して検知したタイミング(t1)から、溶接棒燃焼工程で中赤外光が放射されたことを赤外線カメラ3で検知したタイミング(t3)までの時間差は、アーク発生工程で可視光又は近赤外光が放射されたタイミング(t1)から、溶接棒燃焼工程で中赤外光が放射されたタイミング(t2)までの時間差よりも、当該時定数(t3−t2)だけ長くなる。このため、識別部6eは、算定した時間差から、予め設定された赤外線カメラ3の時定数を減算することで、時間差を補正するようにしてもよい。あるいは、時間差を判定する第2時間を、予め設定された赤外線カメラ3の時定数の分だけ予め長くしてもよい。
その後、監視対象領域においてアーク溶接が終了することで、アーク発生工程で放射されていた可視光又は近赤外光がなくなると(t4)、ほぼ同時に、可視光カメラ2の出力レベルが下がる(t4)。その後に、やや遅れて、溶接棒燃焼工程で放射されていた中赤外光がなくなると(t5)、ほぼ同時に、赤外線カメラ3の出力レベルが下がる(t5)。なお、実際には、アーク溶接は、1つの溶接箇所に対して複数回繰り返して行われたり、同一の監視対象領域内に複数の溶接箇所がある場合にも複数回行われたりすることになるため、図4の如きタイミングチャートが繰り返して行われることになるが、各アーク溶接毎に上記図2、3の炎検知処理を行うことで、各アーク溶接を、アーク溶接以外の有炎燃焼体から識別することができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、この実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、アーク溶接とアーク溶接以外の有炎燃焼体との識別力が、従来より向上できていない場合であっても、従来と同程度の識別力を従来とは異なる構成や処理により達成できている場合には、本願の課題が解決されている。
(分散や統合について)
上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散や統合して構成できる。例えば、判定部6の機能の一部を可視光カメラ2や赤外線カメラ3に持たせたり、第1メモリ4や第2メモリ5を判定部6の一部として構成したりすることができる。
(識別対象について)
識別対象として、上記の例では、「アーク溶接」と「アーク溶接以外の有炎燃焼体」とを識別する場合を例示したが、これ以外にも、可視光又は近赤外光の放射タイミングと中赤外光の放射タイミングとの時間差に基づいて識別可能なものであれば、任意の対象を識別対象とすることができる。例えば、「発煙筒や花火」と「発煙筒や花火以外の有炎燃焼体」とを識別するようにしてもよい。
(識別対象波長について)
識別対象波長として、上記の例では、「可視光又は近赤外光」と「中赤外光(4.5μm付近の赤外線)」との合計2波長を対象としているが、従来と同様に3波長以上を対象としてもよい。例えば、3.8μm付近の赤外線の放射強度のみを検出する検出部と、5.1μm付近の赤外線の放射強度のみを検出する検出部とを設けて、4波長を検出対象として、各放射強度の大小関係や比率に基づく公知の識別ロジックを適用して、放射源を識別してもよい。
(第1撮影手段について)
第1撮影手段としては、上記したフォトダイオードアレイ以外にも、様々な撮影手段を用いることができる。例えば、監視対象領域を狭い範囲に限定できる場合には、フォトダイオード単素子を使用してもよい。
また、可視光カメラ2としては、可視光又は近赤外光のみを検出波長とする狭帯域のものを使用することができるが、それ以上の帯域を検出波長に含む場合には、可視光カメラ2の前段側に、可視光及び近赤外光のみを透過させる第1光学フィルタを配置する。また、可視光カメラ2の後段には、さらに公知の信号処理要素を備えることができ、例えば、信号成分を増幅するプリアンプやメインアンプを設けてもよい。
(第2撮影手段について)
第2撮影手段としては、上記した赤外線マイクロボロメータアレイ以外にも、様々な撮影手段を用いることができる。例えば、冷却式シリコンダイオードアレイ等の量子型赤外線素子を使用することができ、この場合には、時定数が小さいため、図4におけるt2〜t3の時間差を解消することができる。
また、第2撮影手段としては、鉛セレン(PbSe)や水銀カドミウムテルル(HgCdTe)等の量子型赤外線単素子を、ポリゴンミラー等でスキャンさせることで監視対象領域を走査させてもよい。この場合、スキャンタイミングに応じて、スキャン対象領域が第2レベル領域に合致するまでの時間が変わることになり、図4におけるt1〜3の時間差が変動することになる。この問題を解消するためには、可視光カメラ2によって第1レベル領域が特定された時点で、スキャン対象領域を、第1レベル領域に対応する第2レベル領域に限定することで、量子型赤外線単素子を第2レベル領域の監視のみを行う非スキャン型の赤外線センサとすればよい。
また、赤外線カメラ3としては、中赤外光のみを検出波長とする狭帯域のものを使用することができるが、それ以上の帯域を検出波長に含む場合には、赤外線カメラ3の前段側に、中赤外光のみを透過させる第2光学フィルタを配置する。また、赤外線カメラ3の後段には、さらに公知の信号処理要素を備えることができ、例えば、信号成分を増幅するプリアンプやメインアンプを設けてもよい。
また、上記実施の形態では、第1レベル領域が検知されたことをトリガとして、赤外線カメラ3を起動しているが、炎検知装置1の電源がオンとなった時点で、赤外線カメラ3を起動しておいてもよい。
(レベルを特定する対象領域について)
上記実施の形態では、第1レベル領域と同一の領域として第2レベル領域を設定する例を示したが、これら第1レベル領域と第2レベル領域は相互に完全に同一の領域でなくてもよく、少なくとも第2レベル領域は第1レベル領域を完全に包含する領域であればよく、例えば、第2レベル領域として、第1レベル領域を完全に包含する領域であって、第1レベル領域より広い領域として設定してもよい。
ただし、第2レベル領域を第1レベル領域に基づいて設定する場合であっても、第1レベル領域を完全に包含する領域以外の領域として設定してもよい。例えば、工場等において火災発生源となり得る物であってアーク溶接のワークとなり得る物がコンベアやロボット等にて移動することが予め判っている場合には、第1レベル領域が特定された後の経過時間に伴って、この物が移動する軌跡に応じて、第2レベル領域を移動後の領域に設定してもよい。
(時間差特定手段における特定対象データ)
また、時間差特定部6dで時間差を特定する対象データとして、第1メモリ4や第2メモリ5に記憶されたフレーム毎の出力のうち、初期のアーク溶接に対応するフレームをスキップするようにしてもよい。すなわち、最初のアーク溶接が開始された後、第1レベルが監視開始閾値以上になったことをトリガとして赤外線カメラ3を起動する場合において、赤外線カメラ3の起動時間が、最初のアーク溶接におけるアーク発生工程から溶接棒燃焼工程に至る時間より長い場合には、最初のアーク溶接における溶接棒燃焼工程で放射された中赤外光を検知できない可能性がある。このような可能性がある場合には、最初のアーク溶接によるアーク発生工程や溶接棒燃焼工程に対応するフレームをスキップして、2回目又はそれ以降のアーク溶接におけるアーク発生工程や溶接棒燃焼工程に対応するフレームを対象として、識別を行ってもよい。各フレームが何回目のアーク溶接に対応するものであるかは、第1レベルが第1火災判定閾値以上である時間と、第2レベルが第2火災判定閾値以上である時間との関係に基づいて特定することができる。例えば、第1レベルが第1火災判定閾値以上となった時間に対応するフレームと、第2レベルが第2火災判定閾値以上となった時間に対応するフレームであって、相互に重複する時間に対応するフレームは、同一のアーク溶接に対応するフレームであると特定することができ、このようなアーク溶接の数を数えることで、各フレームが何回目のアーク溶接に対応するものであるかを特定することができる。また、最初に第1レベルが第1火災判定閾値以上となった時間に対応するフレームが存在するが、第2レベルが第2火災判定閾値以上となった時間に対応するフレームであって、相互に重複する時間に対応するフレームが存在しない場合には、最初のアーク溶接に対応するフレームであると特定することができる。
1 炎検知装置
2 可視光カメラ
3 赤外線カメラ
4 第1メモリ
5 第2メモリ
6 判定部
6a 第1レベル特定部
6b 第2レベル特定部
6c 炎判定部
6d 時間差特定部
6e 識別部
7 火災報知部

Claims (6)

  1. 監視対象領域における可視光又は近赤外光の第1画像を取得する第1撮影手段と、
    前記監視対象領域における中赤外光の第2画像を取得する第2撮影手段と、
    前記第1撮影手段にて取得された前記第1画像に基づいて、前記監視対象領域における可視光又は近赤外光のレベルである第1レベルを特定する第1レベル特定手段と、
    前記第2撮影手段にて取得された前記第2画像に基づいて、前記監視対象領域における中赤外光のレベルである第2レベルを特定する第2レベル特定手段と、
    前記第1レベル特定手段にて特定された前記第1レベルと、前記第2レベル特定手段にて特定された前記第2レベルとに基づいて、前記第1レベルに所定変化が生じた第1タイミングと前記第2レベルに所定変化が生じた第2タイミングとの相互の時間差を特定する時間差特定手段と、
    前記時間差特定手段にて特定された時間差に基づいて、前記可視光又は近赤外光と前記中赤外光との放射源の種類を識別する識別手段と、
    前記識別手段にて識別された放射源に基づいて、火災報知の出力を行う火災報知手段と、
    を備える炎検知装置。
  2. 前記時間差特定手段は、前記第1レベルが所定の第1閾値以上になった前記第1タイミングから、前記第2レベルが所定の第2閾値以上になった前記第2タイミングまでの経過時間を、前記時間差として特定し、
    前記識別手段は、前記時間差が所定時間未満である場合に前記放射源が所定の第1放射源であり、前記時間差が前記所定時間以上である場合に前記放射源が所定の第2放射源であると識別する、
    請求項1に記載の炎検知装置。
  3. 前記第1放射源は、アーク溶接以外の有炎燃焼体であり、
    前記第2放射源は、アーク溶接である、
    請求項2に記載の炎検知装置。
  4. 前記第1レベルと前記第2レベルとに基づいて、前記放射源が前記第1放射源及び前記第2放射源以外の第3放射源であるか否かを判定する炎判定手段を備える、
    請求項3に記載の炎検知装置。
  5. 前記第2レベル特定手段が前記第2画像において前記第2レベルを特定する第2領域を、前記第1レベル特定手段が前記第1画像において前記第1レベルを特定する第1領域を包含する領域に設定した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の炎検知装置。
  6. 監視対象領域における可視光又は近赤外光の第1画像を取得する第1撮影ステップと、
    前記監視対象領域における中赤外光の第2画像を取得する第2撮影ステップと、
    前記第1撮影ステップにおいて取得された前記第1画像に基づいて、前記監視対象領域における可視光又は近赤外光のレベルである第1レベルを特定する第1レベル特定ステップと、
    前記第2撮影ステップにおいて取得された前記第2画像に基づいて、前記監視対象領域における中赤外光のレベルである第2レベルを特定する第2レベル特定ステップと、
    前記第1レベル特定ステップにおいて特定された前記第1レベルと、前記第2レベル特定ステップにおいて特定された前記第2レベルとに基づいて、前記第1レベルに所定変化が生じた第1タイミングと前記第2レベルに所定変化が生じた第2タイミングとの相互の時間差を特定する時間差特定ステップと、
    前記時間差特定ステップにおいて特定された時間差に基づいて、前記可視光又は近赤外光と前記中赤外光との放射源の種類を識別する識別ステップと、
    前記識別ステップにおいて識別された放射源に基づいて、火災報知の出力を行う火災報知ステップと、
    を含む炎検知方法。
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