JP5984648B2 - クリアランス計測システム及びクリアランス計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タービンの動翼等の回転体の先端と、この回転体を囲んだケーシングの内壁面とのクリアランスをタービンの稼動前に計測するクリアランス計測システム及びクリアランス計測方法に関する。
一般的なタービン(例えば、ガスタービン)は、ケーシングに回転軸であるロータが回転自在に支持され、このロータの外周部に動翼が設置されると共に、ケーシングの内壁に静翼が設置され、作動流体(例えば、燃焼ガスの)通路にこの動翼と静翼とが交互に複数配設されている。そして、作動流体がこの動翼及び静翼が配置された蒸気通路を流れる過程で、動翼及び動翼が取り付けられたロータが回転駆動する。
このようなタービンにおいて、回転体である動翼の先端と、動翼を囲んだケーシングの内壁面とのクリアランスは、タービンの性能に大きく影響する。すなわち、このクリアランスが大きいと、クリアランスからの作動流体の漏れによって、タービンの性能を低下させてしまう。したがって、タービンの稼動時には、このクリアランスを計測して適切な公差内に入っているどうかを確認することが重要となる。
このような、タービンにおけるクリアランスを計測する装置として、例えば、特許文献1には、ロータの高速回転中に、ケーシングの開口内にプローブを挿入し、そのプローブの先端から電磁エネルギーを放射するクリアランスの検出方法が記載されている。この検出方法は、プローブの先端から電磁エネルギーを放射し、このプローブによって回転中の動翼の先端で反射した当該電磁エネルギーを検出することによって、クリアランスを検出する非接触式の検出方法である。
また、タービンにおけるクリアランスを直接検出するものではないが、例えば、特許文献2には、ロータの高速回転中に、ケーシングの開口内に計測ロッドが挿入され、この計測ロッドの先端に、動翼の先端が接触したか否かを検出するタッチセンサが記載されている。このタッチセンサは、計測ロッドの先端が動翼の先端との接触を検出した場合、ピニオンによって所定量だけケーシングの開口から計測ロッドを引き抜き方向に移動させる。そして、クリアランスとして許容される限界値となるまで、動翼の先端がケーシングの内壁側に近接したことが検出された場合、タービンの動作を停止する。
特開2010−106836号公報 特開2001−50737号公報
特にガスタービンは、燃焼ガスによって動翼及びロータが高速回転する通常運転の停止後、内部では相対的に温度の高い空気が上側に移動し、相対的に温度の低い空気が下側に移動する。その結果、上側の空気の熱によって上側のケーシングが熱伸びし、ケーシング全体が反り返るように変形してしまう。このように、ケーシング全体に変形が発生した場合、次回、タービンを稼動させた場合に、動翼の先端と、ケーシングの内壁面とが接触してしまう可能性がある。したがって、通常、タービンの高速回転による通常運転の停止時には、ターニング運転と呼ばれる運転が行われる。ターニング運転は、電動モータによってロータを低速回転(例えば、5[rpm]以下)回転させ、タービン内の空気を循環させることによってタービンを均一に冷却するようにしている。
しかし、ターニング運転によって、タービンを冷却したとしても、次回のタービンの稼動時に、動翼の先端とケーシングの内壁面とのクリアランスが、タービンの稼動に支障のない許容される公差内であるか否かについては、実際に計測してみないと判断はできない。したがって、例えば、タービンを稼動させる前に、ターニング運転を行って、すべての動翼についてのクリアランスを計測する必要がある。以下、タービンを高速回転稼動させる前の、低速回転によるターニング運転中における動翼の先端と、ケーシングの内壁面とのクリアランスを、「初期クリアランス」という。特許文献1に記載された非接触式のクリアランス検出方法は、熱影響補正回路等の影響がノイズとなり、低速回転域では正確な初期クリアランスの計測ができない可能性がある。非接触式のクリアランス検出装置として、静電容量型センサ及び渦電流型センサを用いた場合でも上記と同様の問題を有する可能性がある。
また、特許文献2に記載されたタッチセンサは、ケーシングの開口内に挿入された計測ロッドによって、単に、当該計測ロッドの先端に、動翼の先端が接触したか否かを検出するのみであり、クリアランスそのものを計測することができない。
本発明は、ターニング運転中に、動翼の先端とケーシングの内壁面との初期クリアランスを計測することができるクリアランス計測システム及びクリアランス計測方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明に係るクリアランス計測システムは、タービン内に回転自在に支持されたロータの外周に、その周方向に沿って複数並設されて固定された動翼の先端と、前記タービンのケーシングの内壁面とのクリアランスを計測するクリアランス計測システムであって、筒形状を呈した筐体と、該筐体内に配置された本体と、該本体の検出側部分から前記筐体の軸心方向に延出したロッドと、該ロッドの先端に取り付けられた接触子とを有した変位計と、筒形状を呈し、検出側の端面に、前記ロッドの軸心線が中心と交わる円形の支持穴が形成され、前記動翼と接触させる球体を前記支持穴によって支持し、前記筐体に連結される支持体と、前記変位計と通信可能に接続され、作動流体によって前記動翼及び前記ロータが回転する通常運転よりも低速で該ロータを回転させるターニング運転時のクリアランスである初期クリアランスを計測する演算部と、を備え、前記接触子の検出側部分は、前記球体と点接触し、前記球体は、前記支持体の検出側の前記端面の前記支持穴から一部が凸状に露出した出代を有し、前記筐体及び前記支持体が、前記ケーシングの外壁面から前記動翼が配置された作動流体通路まで貫通して形成された計測用開口部に挿入して設置された場合、前記球体の前記出代の全体が前記作動流体通路内に入り込み、前記変位計は、前記ターニング運転時に、前記動翼の先端が、前記球体の前記出代の部分に点接触して、該球体が前記接触子側に押し込まれることによって前記接触子の変位を検出し、前記演算部は、前記変位計から受信した前記変位に基づいて、前記動翼に対応する前記初期クリアランスを求めることを特徴とするものである。このうち、前記演算部は、前記筐体及び前記支持体が前記計測用開口部に設置されている状態における前記内壁面から前記球体の検出側の頂部までの長さと、前記変位とに基づいて、前記初期クリアランスを算出するものとしてもよい。
本発明は、球体を動翼に点接触させて、当該球体の変位を計測する接触方式を採用したので、ターニング運転のような低速回転運転時に発生するノイズから受ける影響を抑制でき、ノイズの影響を受けやすい非接触方式の計測方法よりも、正確な初期クリアランスの計測が可能となる。また、動翼に接触する部分を球体としているので、動翼との接触に対する耐久性も向上させることができる。
また、本発明に係るクリアランス計測システムは、前記接触子は、検出側の端面が前記ロッドの軸心方向に垂直な平面を呈し、該平面が前記球体と点接触することが好ましい。
本発明は、動翼から点接触による摩擦力を含む力を受けた場合でも、接触子の検出側の端面は、常時、球体の通信側の頂部と点接触する。したがって、変位計は、球体のロッドの軸心方向の変位と、接触子の当該軸心方向の変位とは同一となるので、正確な初期クリアランスの計測が可能となる。
また、本発明に係るクリアランス計測システムは、前記支持体は、前記支持穴が形成された前記端面の内面側に設置された穴径調整機構を有し、該穴径調製機構は、リング形状を呈し、穴径を調整可能とする中央に形成された調整穴を有し、該調整穴の周縁部に当接した状態で前記球体を支持し、該調整穴の径を調整することによって、前記球体の前記出代を調整することが好ましい。
本発明は、ある計測用開口部において、すべての動翼の先端と、球体との接触が検出されない場合、調整穴を拡径して、球体の出代の大きさを調整することができるので、すべての動翼について球体との接触を検出することができる。
また、本発明に係るクリアランス計測システムは、前記筐体は、円筒形状を呈し、外側面の検出側部分が縮径して形成された段部を有し、該段部は、内面にネジが切られて形成された段部嵌合部を有し、前記支持体は、前記筐体の内径よりも小さい外径である円筒形状を呈し、内部に前記変位計を支持し、外側面の所定範囲にネジが切られて形成された支持体嵌合部を有し、該支持体嵌合部と前記段部嵌合部とが嵌合することによって前記筐体に連結され、回転することによって前記筐体に対して該筐体の軸心方向に移動可能であることが好ましい。
本発明は、ある計測用開口部において、すべての動翼の先端と、球体との接触が検出されない場合、球体の検出側の頂部を動翼の先端に近づけることができるので、すべての動翼について球体との接触を検出することができる。
また、本発明に係るクリアランス計測システムは、筒形状を呈し、内面にネジが切られて形成された計測装置支持体嵌合部と、検出側の端面に開口された挿通穴とを有した計測装置支持体を備え、前記支持体は、外側面にネジが切られて形成された嵌合部と、該外側面の該嵌合部の検出側端部から縮径された段部を有し、前記計測装置支持体は、検出側の前記端面の内面側に当接する円形リング形状のシムを設置可能であり、前記支持体の前記段部が前記挿通穴に挿通し、前記計測装置支持体嵌合部と前記嵌合部とが嵌合することによって、前記支持体に連結可能とし、前記シムを設置して前記支持体に連結した場合、該シムの検出側とは反対側の端面が前記支持体に当接し、前記シムを設置しないで前記支持体に連結した場合、検出側の前記端面の内面が前記支持体に当接し、前記筐体及び前記支持体が前記計測用開口部に挿入して設置された場合、検出側の前記端面が、前記計測用開口部内の前記作動流体通路側に形成されたフランジ部に当接することが好ましい。
本発明は、計測装置支持体に設置するシムの厚さを調整し、あるいは、シム自体を取り除くことによって、内壁面から球体の検出側の頂部までの長さを調製することができる。したがって、ある計測用開口部において、すべての動翼の先端と、球体との接触が検出されない場合、当該長さを調整することができるので、すべての動翼について球体との接触を検出することができる。
また、本発明に係るクリアランス計測方法は、タービン内に回転自在に支持されたロータの外周に、その周方向に沿って複数並設されて固定された動翼の先端と、前記タービンのケーシングの内壁面とのクリアランスを計測するクリアランス計測方法であって、前記動翼が流体の圧力を受けることによって前記ロータが回転する通常運転よりも低速で前記ロータを回転させるターニング運転を開始させるステップと、筒形状の筐体と、該筐体内に配置された本体、該本体の検出側部分から前記筐体の軸心方向に延出したロッド、及び該ロッドの先端に取り付けられた接触子を有する変位計と、筒形状を呈し、検出側の端面に、前記ロッドの軸心線が中心と交わる円形の支持穴が形成され、前記動翼と接触させる球体を前記支持穴によって支持し、前記筐体に連結される支持体とを備えたクリアランス計測装置を、前記ケーシングの外壁面から動翼が配置された作動流体通路まで貫通して形成された計測用開口部に挿入して設置するステップと、前記接触子の検出側部分と点接触し、前記支持体の検出側の前記端面の前記支持穴から一部が凸状に露出した出代を有した前記球体に、前記動翼の先端が点接触して、前記球体が前記接触子側に押し込まれることによる前記接触子の変位を検出するステップと、前記接触子の前記変位に基づいて、前記ターニング運転時のクリアランスである初期クリアランスを計測する計測ステップとを有したことを特徴とするものである。
本発明は、球体を動翼に点接触させて、当該球体の変位を計測する接触方式を採用したので、ターニング運転のような低速回転運転時に発生するノイズから受ける影響を抑制でき、ノイズの影響を受けやすい非接触方式の計測方法よりも、正確な初期クリアランスの計測が可能となる。また、動翼に接触する部分を球体としているので、動翼との接触に対する耐久性も向上させることができる。
また、本発明に係るクリアランス計測方法は、前記変位を検出するステップにおいて、前記クリアランス計測装置が挿入された前記計測用開口部に対応するすべての前記動翼について、前記接触子の前記変位が検出できなかった場合、前記球体の前記出代を調製するステップを有することが好ましい。
本発明は、ある計測用開口部において、すべての動翼の先端と、球体との接触が検出されない場合、調整穴を拡径して、球体の出代の大きさを調整することができるので、すべての動翼について球体との接触を検出することができる。
また、本発明に係るクリアランス計測方法は、前記変位を検出するステップにおいて、前記クリアランス計測装置が挿入された前記計測用開口部に対応するすべての前記動翼について、前記接触子の前記変位が検出できなかった場合、前記計測用開口部に支持された前記筐体に対して前記支持体を検出側に移動させるステップを有することが好ましい。
本発明は、ある計測用開口部において、すべての動翼の先端と、球体との接触が検出されない場合、球体の検出側の頂部を動翼の先端に近づけることができるので、すべての動翼について球体との接触を検出することができる。
また、本発明に係るクリアランス計測方法は、前記クリアランス計測装置を前記計測用開口部に挿入して設置するステップにおいて、筒形状を呈し、検出側の端面の内面側に円形リング形状のシムを当接して設置し、かつ、該シムの検出側とは反対側の端面が前記支持体に当接した状態で、該支持体の検出側に連結された計測装置支持体の検出側の端面を、前記計測用開口部内の前記作動流体通路側に形成されたフランジ部に当接させ、前記変位を検出するステップにおいて、前記クリアランス計測装置が挿入された前記計測用開口部に対応するすべての前記動翼について、前記接触子の変位が検出できなかった場合に、前記クリアランス計測装置を前記計測用開口部から抜き出し、前記計測装置支持体に設置された前記シムを除去し、又は、該シムよりも薄いシムを設置して、再度、前記計測装置支持体を前記支持体に連結し、前記クリアランス計測装置を前記計測用開口部に挿入して設置するステップを有したことを特徴としている。
本発明は、計測装置支持体に設置するシムの厚さを調整し、あるいは、シム自体を取り除くことによって、内壁面から球体の検出側の頂部までの長さを調製することができる。したがって、ある計測用開口部において、すべての動翼の先端と、球体との接触が検出されない場合、当該長さを調整することができるので、すべての動翼について球体との接触を検出することができる。
本発明は、ターニング運転中に、動翼の先端とケーシングの内壁面との初期クリアランスを計測することができるクリアランス計測システム及びクリアランス計測方法を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る初期クリアランス装置が設置されたガスタービンの概略構成図である。 図2−1は、初期クリアランス計測装置の全体外観図である。 図2−2は、初期クリアランス計測装置の先端部分の断面図である。 図2−3は、初期クリアランス計測装置の球体がターニング運転中の動翼の先端と接触した状態を示す図である。 図3は、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置がガスタービンのケーシングに設置された状態を示す図である。 図4は、実施形態1の変位計によって計測された各動翼の変位量を示す図である。 図5−1は、初期クリアランス計測装置の検出側部分の構造のうち、球体支持体の第2の段部の内径が球体の直径よりも大きく、球体の外表面から第2の段部の内面まで間隙を有する構造を示す図である。 図5−2は、初期クリアランス計測装置の球体が動翼の先端と接触した場合に発生する計測誤差を示す図である。 図6−1は、実施形態2の初期クリアランス計測装置の接触子の構成を示す図である。 図6−2は、初期クリアランス計測装置の球体が動翼の先端と接触した状態を示す図である。 図7−1は、実施形態3の穴径調整機構による球体の出代の調整を示す図である。 図7−2は、実施形態3の穴調整機構によって球体の出代を最大に調整した状態を示す図である。 図8−1は、実施形態3の穴径調整機構の構造の例を示す図である。 図8−2は、実施形態3の穴径調整機構の羽根体を示す図である。 図8−3は、実施形態3の穴径調整機構の穴径調整リングを示す図である。 図8−4は、実施形態3の穴径調整機構の球体支持調整穴の径を調整した状態を示す図である。 図9は、実施形態3に係る初期クリアランスの計測方法を示すフローチャートである。 図10は、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。 図11−1は、実施形態5に係る初期クリアランス計測装置においてシムを設置した状態の要部断面図である。 図11−2は、実施形態5に係る初期クリアランス計測装置においてシムを除去した状態の要部断面図である。 図12は、実施形態6に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。 図13−1は、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。 図13−2は、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置の動作説明図である。 図14は、実施形態8に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[実施形態1]
(ガスタービン1の概略構成)
図1は、実施形態1に係る初期クリアランス装置が設置されたガスタービンの概略構成図である。以下、図1を参照しながら、実施形態1に係るガスタービン1の構造の概略について説明する。
図1に示すように、実施形態1に係るガスタービン1において、ケーシング11は、中空形状を呈し、回転軸としてのロータ12が複数の軸受13によって回転自在に支持されている。ケーシング11内には、動翼15及び静翼16が配設されている。動翼15は、ロータ12に形成された円盤状のロータディスク14の外周にその周方向に沿って、複数並設され固定されている。静翼16は、ケーシング11の内壁にその周方向に沿って、複数並設され固定されている。これらの動翼15及び静翼16は、ロータ12の軸方向に沿って交互に配設されている。
また、ケーシング11内には、上記の動翼15及び静翼16が配設され、蒸気が流通するガス通路17が形成されている。このガス通路17には、蒸気が供給される入口として燃焼器18が形成され、蒸気が外部に排出される出口として排出口19が形成されている。
また、ケーシング11には、その外壁面から内壁面(ケーシング内壁面23)まで円形状に貫通して形成された計測用開口部21が形成されている。計測用開口部21は、ロータ12の軸方向の各段における動翼15の延設方向に対向するケーシング11の壁面に、周方向に沿って複数形成されている。図1においては、複数の計測用開口部21の一つに初期クリアランス計測装置31が挿入されて設置された状態を示している。初期クリアランス計測装置31は、ターニング運転時における動翼15の先端と、ケーシング11のケーシング内壁面23とのクリアランス(初期クリアランス)を計測するものであり、通信線52を介して演算部51に接続されている。演算部51は、初期クリアランス計測装置31から送信される測定情報に基づいて、初期クリアランスを演算等することによって求める。
なお、計測用開口部21を、ロータ12の軸方向の各段における動翼15の延設方向に対向するケーシング11の壁面に、周方向に沿って複数形成するものとしたが、必ずしも、複数形成する必要はない。また、計測用開口部21を、ロータ12の軸方向の動翼15の各段に対応する部分に形成するものとしたが、必ずしも、各段すべてに対応する部分に形成する必要はなく、熱伸びが特に懸念されるケーシング11の特定の段に対応する部分にのみ形成するものとしてもよい。
(ガスタービン1の概略動作)
次に、図1を参照しながら、ガスタービン1の動作の概略を説明する。
ガスタービン1の燃焼器18から噴射した燃焼ガスは、一段目の静翼16を通過して一段目の動翼15に吹き付けられて複数の動翼15及びこれらが取り付けられたロータ12を回転させる。燃焼ガスは、一段目の動翼15から最終段の動翼15まで流れて排出口19から外部に排出される。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図2−1は、初期クリアランス計測装置の全体外観図であり、図2−2は、初期クリアランス計測装置の先端部分の断面図であり、そして、図2−3は、初期クリアランス計測装置の球体がターニング運転中の動翼の先端と接触した状態を示す図である。図2−1〜2−3を参照しながら、実施形態1の初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31は、計測装置筐体32、変位計33、変位計支持体34、球体35、球体支持体36及び計測装置支持体37を含む。前述のように、初期クリアランス計測装置31は、ケーシング11に形成された計測用開口部21に挿入されるものであり、以下、初期クリアランス計測装置31において、計測用開口部21に挿入される側を「検出側」、そして、通信線52が延在する側を「通信側」と記す。
計測装置筐体32は、円筒形状の初期クリアランス計測装置31の外形を構成するものである。
変位計支持体34は、変位計33の本体を支持する円筒形状の部材あり、外側面のうち通信側の部分には、ネジが切られた嵌合部34aが形成され、検出側の部分には、同様にネジが切られた嵌合部34bが形成されている。また、計測装置筐体32の内面のうち、その長手方向の検出側の部分には、ネジが切られた嵌合部32aが形成されており、当該嵌合部32aと上記の嵌合部34aとが嵌合することによって、計測装置筐体32と変位計支持体34とが連結される。この計測装置筐体32と変位計支持体34との連結によって、変位計33の一部が、計測装置筐体32の円筒内に収納される。図2−2に示すように、変位計33の通信側部分から通信線52が延びており、当該通信線52は、計測装置筐体32の内部を通って、計測装置筐体32の通信側の開口部から外部に延出し、演算部51に接続されている。また、変位計支持体34の検出側の端面には、開口部が形成されており、変位計支持体34によって支持された変位計33の検出側部分から、接触子ロッド33aが検出側に向かって延出して、開口部を挿通している。この接触子ロッド33aの軸心線は、計測装置筐体32の軸心線と略一致している。また、接触子ロッド33aの検出側の先端には、検出側に向けて凸形状を呈した接触子33bが取り付けられている。また、変位計33の内部にはバネが内蔵されており、接触子33bの先端を通信側に押すことによって、接触子ロッド33aが変位計33の内部へ移動(通信側方向)し、バネによる付勢力を受ける。
球体支持体36は、初期クリアランスの計測時に動翼15の先端と点接触する球体35を支持する複数の段部が形成された円筒形状物であり、当該円筒の内面のうち、その長手方向の通信側の部分には、ネジが切られた嵌合部36aが形成されている。変位計支持体34の嵌合部34bと、嵌合部36aとが嵌合することによって、変位計支持体34と球体支持体36とが連結される。また、円筒形状の球体支持体36の外側面には、通信側から検出側に向かう方向に亘って、縮径した第1の段部36d及び当該第1の段部36dからさらに縮径した第2の段部36eが形成されている。この第2の段部36eの検出側の端面には、接触子ロッド33aの軸心線が中心と交わる円形の球体支持穴36cが開口されている。球体35は、当該球体支持穴36cの周縁部に当接した状態で、球体支持体36内部に支持されている。これによって、球体35は、第2の段部36eの検出側の端面から一部が凸状に露出した出代を有している。また、球体35の通信側の頂部は、変位計33の接触子33bの先端と点接触している。また、第1の段部36dの外側面には、ネジが切られた嵌合部36bが形成されている。
計測装置支持体37は、球体支持体36に嵌合し、かつ、初期クリアランス計測装置31がケーシング11の計測用開口部21に挿入された際に、後述するフランジ部22に当接して初期クリアランス計測装置31全体を支持する円筒形状物である。計測装置支持体37の内面は、ネジが切られた嵌合部37aが形成されている。また、計測装置支持体37の検出側は、後述するフランジ部22と当接する支持面37cが形成されており、計測装置支持体37には、球体支持体36の第2の段部36eが挿通する挿通穴37bが開口されている。また、計測装置支持体37は、上記のように挿通穴37bに第2の段部36eを挿通させ、嵌合部36bと嵌合部37aとが嵌合することによって、球体支持体36と連結される。
以上のように、初期クリアランス計測装置31、演算部51及び通信線52によって、クリアランス計測システムが構成される。
演算部51は、計測装置筐体32の外部に配置され、当該計測装置筐体32内の変位計33と、通信線52を介して接続されている構造としたが、これに限定されるものではなく、計測装置筐体32内に内蔵される構造としてもよい。
変位計支持体34及び球体支持体36は、支持体に相当し、嵌合部37aは、計測装置支持体嵌合部に相当し、そして、第2の段部36eは、支持体の段部に相当する。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
図3は、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置がガスタービンのケーシングに設置された状態を示す図であり、図4は、実施形態1の変位計によって計測された各動翼の変位量を示す図である。図3及び図4を参照しながら、初期クリアランスの計測方法について説明する。
まず、初期クリアランスを測定しようとする作業者は、ガスタービン1に対してターニング運転を開始させる。
次に、作業者は、初期クリアランス計測装置31を、その長手方向の検出側から、ケーシング11の計測用開口部21に挿入する。この際、初期クリアランス計測装置31は、計測装置筐体32の外側面と、計測用開口部21の内面である開口部内壁面21aとが摺接しながら、計測用開口部21内を、動翼15が配設されたガス通路17へ向かって移動する。
図3に示すように、計測用開口部21のガス通路17側部分の内面にはリング形状のフランジ部22が固定されている。フランジ部22のガス通路17側の端面と、ケーシング11のケーシング内壁面23とは、略同一の平面に存在する。初期クリアランス計測装置31は、計測用開口部21内をさらに移動すると、球体支持体36の第2の段部36eが、リング形状のフランジ部22の穴に挿通してフランジ部内壁面22aと摺接し、計測装置支持体37の支持面37cが、フランジ部22の計測装置支持面22bと当接する。このとき、少なくとも、第2の段部36eの一部がガス通路17内に突出し、あるいは、球体35の第2の段部36eの検出側の端面からの出代の部分のすべてがガス通路17内に入リ込んだ状態となるようにする。このように、第2の段部36e及び球体35のうち、計測用開口部21からガス通路17内に突出した部分を、初期クリアランス計測装置31の「延出部分」と記す。このようにして、初期クリアランス計測装置31が、計測用開口部21に設置される。このとき、ケーシング内壁面23(フランジ部22のガス通路17側の端面)から球体35の検出側の頂部までの長さを、「延出部分の長さ」と記す。この初期クリアランス計測装置31の延出部分の長さは、予め測定しておき、予め既知であるものとする。
このように、ターニング運転中に初期クリアランス計測装置31が計測用開口部21に設置されると、図2−3に示すように、特定のロータディスク14に並設された複数の動翼15の先端が、次々に、球体35に点接触する。球体35に点接触した動翼15は、球体35を、通信側、すなわち、図2−3に示した矢印の方向に変位させ、それに伴って、接触子33bも変位する。そして、変位計33は、図4に示すように、球体35に点接触する各動翼15が、球体35及び接触子33bを変位させた量をそれぞれ検出する。各動翼15による球体35及び接触子33bの変位を検出した変位計33は、通信線52を介して、変位情報を演算部51に送信する。変位情報を受信した演算部51は、既知である延出部分の長さから、各動翼15に対応する変位を差し引くことによって、各動翼15の先端と、ケーシング内壁面23との初期クリアランスを算出し、算出された初期クリアランスを記憶する。
作業者は、ガスタービン1のターニング運転を継続させ、ケーシング11に形成された複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、同様に初期クリアランスの計測を実施する。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、通常運転を開始させる。
なお、演算部51は、所定の表示器を備えるものとしてもよく、この表示器に、図4に示す各動翼15に対応する球体35及び接触子33bの変位のグラフを表示するものとしてもよく、計測及び記憶した各計測用開口部21における初期クリアランスの値を表示させるものとしてもよい。これによって、作業者は、各計測用開口部21における初期クリアランスを視覚的に確認することができる。
以上のような初期クリアランス計測装置31の構成及び計測方法は、球体35を動翼15に点接触させて、球体35の変位を計測する接触方式を採用したので、ターニング運転のような低速回転運転時に発生するノイズから受ける影響を抑制できる。これによって、ノイズの影響を受けやすい非接触方式の計測方法よりも、正確な初期クリアランスの計測が可能となる。
また、初期クリアランス計測装置31は、動翼15に接触する部分を球体としているので、動翼15との接触に対する耐久性も向上させることができる。
なお、初期クリアランス計測装置31における計測装置筐体32、変位計支持体34、球体支持体36及び計測装置支持体37は、すべて円筒形状を呈し、初期クリアランス計測装置31を挿入する計測用開口部21は、円形状に形成されている構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、計測装置筐体32、変位計支持体34、球体支持体36及び計測装置支持体37の外側面は、すべて矩形状を呈し、計測用開口部21は、同様に矩形状に形成される構成としてもよい。
[実施形態2]
実施形態2に係る初期クリアランス計測装置31の構造について、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31と相違する点を中心に説明する。なお、実施形態2に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法は、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法と同様である。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図5−1は、初期クリアランス計測装置の検出側部分の構造のうち、球体支持体の第2の段部の内径が球体の直径よりも大きく、球体の外表面から第2の段部の内面まで間隙を有する構造を示す図であり、図5−2は、初期クリアランス計測装置の球体が動翼の先端と接触した場合に発生する計測誤差を示す図である。図6−1は、実施形態2の初期クリアランス計測装置の接触子の構成を示す図であり、図6−2は、初期クリアランス計測装置の球体が動翼の先端と接触した状態を示す図である。図5−1、5−2、6−1及び6−2を参照しながら、実施形態2に係る初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
図5−2に示すように、動翼15が回転して球体35に点接触する場合、球体35は、動翼15の先端から、接触子ロッド33aの軸心方向の通信側の向きの力と、点接触による摩擦力との合力である力Fを受ける。球体35は、力Fによって、接触子ロッド33aの軸心方向の通信側に変位すると共に、動翼15と球体35との点接触による摩擦力の向きに変位する。この球体35の摩擦力の向きの変位によって、接触子33bの先端は、球体35の通信側の頂部からずれた位置に点接触する。この点接触のずれによって、図5−2に示すように、球体35の接触子ロッド33aの軸心方向の変位と、接触子33bの当該軸心方向の変位とでは誤差Eが生じる。その結果、変位計33が検出する接触子33bの当該軸心方向の変位L1は、誤差Eを含有した値となり、球体35の当該軸心方向の変位とは相違する値となる。この場合、変位計33は、正確な初期クリアランス(球体35の接触子ロッド33aの軸心方向の変位)の計測ができない可能性がある。
図6−1は、実施形態2に係る初期クリアランス計測装置31の検出側部分の構造を示している。図6−1に示すように、実施形態2においては、実施形態1の接触子33bの代わりに、円柱形状の接触子33cが、接触子ロッド33aの先端に取り付けられている。接触子33cの検出側の端面は、接触子ロッド33aの軸心方向に垂直な平面となっており、当該平面が球体35と点接触することになる。したがって、球体35が、動翼15から前述した力Fを受け、動翼15と球体35との点接触による摩擦力の向きに変位しても、接触子33cの検出側の端面は、常時、球体35の通信側の頂部と点接触する。これによって、球体35の接触子ロッド33aの軸心方向の変位と、接触子33cの当該軸心方向の変位とは同一である変位L2となるので、変位計33は、正確な初期クリアランスの計測が可能となる。
上述したように、初期クリアランス計測装置31は、変位計33の接触子を、検出側の端面が接触子ロッド33aの軸心方向に垂直な平面を有する円柱形状物としたので、動翼15から力Fを受けた場合でも、円柱形状の接触子の検出側の端面は、常時、球体35の通信側の頂部と点接触する。これによって、変位計33は、球体35の接触子ロッド33aの軸心方向の変位と、接触子の当該軸心方向の変位とは同一となるので、正確な初期クリアランスの計測が可能となる。
なお、接触子33cは円柱形状物としたが、これに限定されるものではない。すなわち、球体35が動翼15から力Fを受け、動翼15と球体35との点接触による摩擦力の向きに変位しても、常時、球体35の通信側の頂部と点接触する接触子ロッド33aの軸心方向に垂直な平面を有する形状物であればよい。
[実施形態3]
実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31及び計測方法について、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31及び計測方法と相違する点を中心に説明する。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図7−1は、実施形態3の穴径調整機構による球体の出代の調整を示す図であり、図7−2は、実施形態3の穴調整機構によって球体の出代を最大に調整した状態を示す図である。図7を参照しながら、実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
図7−1に示すように、実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31において、球体支持体36の第2の段部36eの検出側の端面には、球体支持穴36cが開口されており、当該端面の内面側に、リング形状の穴径調整機構38が設置されている。球体35は、当該穴径調整機構38の中央の穴(後述する球体支持調整穴38g)に当接した状態で、球体支持体36内部に支持されている。
穴径調整機構38は、球体支持調整穴38gの穴径を調整する機構を有している。図7−1は、穴径調整機構38の球体支持調整穴38gが縮径され、球体35の第2の段部36eの検出側の端面からの出代がP1となっている状態を示している。また、図7−2は、穴径調整機構38の球体支持調整穴38gが最大に拡径され、球体35の第2の段部36eの検出側の端面からの出代がP2(>P1)となっている状態を示している。このように、穴径調整機構38が球体支持調整穴38gの穴径を調整することによって、球体35の第2の段部36eの検出側の端面からの出代が調整される。
(穴径調整機構38の構造)
図8−1は、実施形態3の穴径調整機構の構造の例を示す図であり、図8−2は、実施形態3の穴径調整機構の羽根体を示す図であり、図8−3は、実施形態3の穴径調整機構の穴径調整リングを示す図であり、そして、図8−4は、実施形態3の穴径調整機構の球体支持調整穴の径を調整した状態を示す図である。以下、図8−1〜8−4を参照しながら、穴径調整機構38の構造の例について説明する。
図8−1に示すように、穴径調整機構38は、複数(図8−1においては6枚)の湾曲形状を呈した羽根体38a、及び、円形リング形状の穴径調整リング38dによって構成されている。図8−2に示すように、羽根体38aは、長穴38b及び支点ピン穴38cが形成されている。また、図8−3に示すように、穴径調整リング38dは、中央に円形のリング穴38fが開口され、リング形状の周方向に等間隔で複数(図8−3においては6つ)のピン38eが立設されている。
また、球体支持体36の第2の段部36eの球体支持穴36cが開口された端面の内面には、周方向に等間隔に、かつ、通信側に向かって複数(図8−1においては6つ)の支持ピン36fが立設されている。そして、図8−1に示すように、第2の段部36eの当該内面に、穴径調整リング38dを載置し、複数の羽根体38aの支点ピン穴38cに支持ピン36fを挿通させ、かつ、長穴38bにピン38eを挿通させ、互いに重なり合うように設置する。このように、各羽根体38aが設置されることによって、図8−1に示すように、各羽根体38aの湾曲形状の内側の周縁部によって、調整穴としての球体支持調整穴38gが形成される。
穴径調整機構38は、穴径調整リング38dを回転することによって、ピン38eが回転方向に移動して長穴38b内をスライドする。ピン38eが長穴38b内をスライドすることによって、各羽根体38aが、支持ピン36fが挿通した支点ピン穴38cを中心に回転する。そして、各羽根体38aが回転することによって、各羽根体38aの湾曲形状の内側の周縁部によって形成される球体支持調整穴38gの穴径が調整される。
具体的には、図8−1に示すように、穴径調整リング38dが紙面視において左回転することによって、当該穴径調整リング38dの各ピン38eが長穴38b内をスライドし、各羽根体38aが紙面視において右回転する。これによって、球体支持調整穴38gは拡径する。図8−1は、球体支持調整穴38gが最大に拡径された場合を示しており、当該球体支持調整穴38gの内径と、穴径調整リング38dのリング穴38fの内径とが一致している状態を示している。
一方、図8−4に示すように、穴径調整リング38dが紙面視において右回転することによって、当該穴径調整リング38dの各ピン38eが長穴38b内をスライドし、各羽根体38aが紙面視において左回転する。これによって、球体支持調整穴38gは縮径する。
穴径調整機構38の球体支持調整穴38gの穴径を調整するには、穴径調整リング38dを回転させる必要があるが、手動によって回転させるものとしてもよく、穴径調整リング38dを回転させる駆動機構を有し、当該駆動機構は、初期クリアランス計測装置31の内部又は外部に設置された制御装置からの制御信号に基づいて、球体支持調整穴38gの穴径を調整するものとしてもよい。また、当該制御装置が備えられる場合、当該制御装置に接続された操作部が備えられるものとしてもよく、この場合、作業者は、当該操作部を操作することによって、制御装置及び駆動機構を介して、穴径調整リング38dを回転させることができるものとしてもよい。
また、図8−1に示すように、球体支持調整穴38gが最大に拡径された場合、当該球体支持調整穴38gの内径と、穴径調整リング38dのリング穴38fの内径とが一致するものとしているが、これに限定されるものではない。すなわち、穴径調整機構38は、球体支持調整穴38gが最大に拡径された場合の穴径が、リング穴38fの穴径よりも小さい構成としてもよい。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
図9は、実施形態3に係る初期クリアランスの計測方法を示すフローチャートである。以下、図9を参照しながら、初期クリアランスの計測方法について説明する。
(ステップS1)
まず、初期クリアランスを測定しようとする作業者は、ガスタービン1に対してターニング運転を開始させる。そして、ステップS2へ進む。
(ステップS2)
作業者は、初期クリアランス計測装置31を、その長手方向の検出側から、ケーシング11の計測用開口部21に挿入し、初期クリアランス計測装置31の計測装置支持体37の支持面37cが、フランジ部22の計測装置支持面22bと当接するまで押し込む。そして、ステップS3へ進む。
(ステップS3)
作業者は、変位計33によってすべての動翼15が球体35に接触して、当該球体35の変位が検出されたか否かを確認する。その確認の結果、検出された場合は、ステップS4へ進み、一部の動翼15について球体35の変位が検出されない、あるいは、すべての動翼15について球体35の変位が検出されない場合は、ステップS5へ進む。
(ステップS4)
変位計33は、検出した球体35の変位情報を、通信線52を介して、演算部51に送信する。演算部51は、既知である初期クリアランス計測装置31のガス通路17への延出部分の長さ、及び、変位計33から受信した変位情報に基づいて、各動翼15の先端と、ケーシング内壁面23との初期クリアランスを算出し、当該初期クリアランスを記憶する。以上の手順により、初期クリアランス計測装置31を挿入した計測用開口部21における初期クリアランスの計測が実施される。
(ステップS5)
作業者は、初期クリアランス計測装置31を計測用開口部21から引き抜き、穴径調整機構38の穴径調整リング38dを回転させることによって、球体支持調整穴38gを拡径させ、球体35の出代を大きくする。そして、作業者は、再度、初期クリアランス計測装置31を計測用開口部21に挿入する。そして、ステップS3へ戻る。
作業者は、ガスタービン1のターニング運転を継続させ、ケーシング11に形成された複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、図9に示す初期クリアランスの計測を実施する。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、当該通常運転を開始させる。
なお、前述のように、初期クリアランス計測装置31が穴径調整リング38dを回転させる駆動機構を備え、当該駆動機構を制御する初期クリアランス計測装置31の内部又は外部に制御装置が備えられ、さらに、当該制御装置に操作部が備えられている場合、作業者は、当該操作部を操作することによって、球体支持調整穴38gを拡径するものとしてもよい。これによって、初期クリアランス計測装置31を計測用開口部21から引き抜く必要がなくなるので、作業効率を向上させることができる。
初期クリアランス計測装置31は、穴径調整機構38を備えているので、球体35が当接する球体支持調整穴38gの穴径を調整することができる。これによって、ある計測用開口部21において、すべての動翼15の先端と、球体35との接触が検出されない場合、球体支持調整穴38gを拡径して、球体35の出代の大きさを調整することができるので、すべての動翼15について球体35との接触を検出することができる。
なお、上述したような、実施形態3の初期クリアランス計測装置31の構成は、実施形態2の初期クリアランス計測装置31に適用することも可能である。
[実施形態4]
実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31の構造について、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31と相違する点を中心に説明する。また、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法について、図9に示す実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法と相違する点を中心に説明する。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図10は、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。以下、図10を参照しながら、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31は、計測装置筐体32、変位計33、調整機構筐体39、球体35及び計測装置支持体37によって構成されている。
計測装置筐体32は、円筒形状の初期クリアランス計測装置31の外形を構成するものである。計測装置筐体32の外側面の検出側の部分には、縮径した段部32bが形成されており、当該段部32bの内面には、段部嵌合部として、ネジが切られた嵌合部32cが形成されている。また、段部32bの外側面には、ネジが切られた嵌合部32dが形成されている。
調整機構筐体39は、変位計33の本体を支持し、かつ、初期クリアランスの計測時に動翼15の先端と点接触する球体35を支持する円筒形状物である。調整機構筐体39の内面の所定箇所には、縮径して形成された支持部39aが形成されており、支持部39aの通信側の端面に、変位計33が当接して支持されている。また、支持部39aによって支持された変位計33の検出側部分から、接触子ロッド33aが検出側に向かって延出している。この接触子ロッド33aの軸心線は、計測装置筐体32の軸心線と略一致している。また、接触子ロッド33aの検出側の先端には、支持嵌合部として、検出側に向けて凸形状を呈した接触子33bが取り付けられている。また、調整機構筐体39の検出側の端面には、接触子ロッド33aの軸心線が、中心と交わる円形の球体支持穴39cが開口されており、球体35は、球体支持穴39cの周縁部に当接した状態で、調整機構筐体39内部に支持されている。また、調整機構筐体39の外側面には、通信側から検出側に向かう方向の所定範囲に亘って、ネジが切られた嵌合部39bが形成されている。また、計測装置筐体32の嵌合部32cと、嵌合部39bとが嵌合することによって、計測装置筐体32と調整機構筐体39とが連結される。調整機構筐体39の通信側の端部は、計測装置筐体32の通信側の端部から突出している。そして、当該突出部を回転させることによって、嵌合している嵌合部32c及び嵌合部39bを介して、調整機構筐体39を、計測装置筐体32との位置関係において検出側又は通信側に移動させることができる。この場合、調整機構筐体39の移動範囲は、調整機構筐体39の外側面に形成された嵌合部39bの調整機構筐体39の長手方向の範囲によって定まる。
計測装置支持体37は、計測装置筐体32に嵌合し、かつ、初期クリアランス計測装置31がケーシング11の計測用開口部21に挿入された際に、フランジ部22に当接して初期クリアランス計測装置31全体を支持する円筒形状物である。計測装置支持体37の内面は、ネジが切られた嵌合部37aが形成されている。また、計測装置支持体37の検出側は、フランジ部22と当接する支持面37cが形成されており、計測装置支持体37には、計測装置筐体32が挿通する挿通穴37bが開口されている。また、計測装置支持体37は、上記のように挿通穴37bに計測装置筐体32を挿通させ、嵌合部32dと嵌合部37aとが嵌合することによって、計測装置筐体32と連結される。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
次に、実施形態3の図9を参照しながら、実施形態4の初期クリアランスの計測方法について、実施形態3と相違する点を中心に説明する。
実施形態3において図9に示すステップS1〜S4の手順は、実施形態4においても同様である。
(ステップS5)
作業者は、初期クリアランス計測装置31の計測装置筐体32の通信側の端部から突出した調整機構筐体39の通信側の部分を回転させることによって、調整機構筐体39を検出側に移動させて、球体35の検出側の頂部を動翼15の先端に近づける。そして、ステップS3へ戻る。
作業者は、ガスタービン1のターニング運転を継続させ、ケーシング11に形成された複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、上記の初期クリアランスの計測を実施する。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、当該通常運転を開始させる。
以上の構成のように、計測装置筐体32の通信側の端部から突出した調整機構筐体39の通信側の部分を回転させることによって、調整機構筐体39を検出側に移動させることができる。これによって、ある計測用開口部21において、すべての動翼15の先端と、球体35との接触が検出されない場合、球体35の検出側の頂部を動翼15の先端に近づけることができるので、すべての動翼15について球体35との接触を検出することができる。
また、作業者は、調整機構筐体39の検出側への移動作業を、初期クリアランス計測装置31を計測用開口部21から引き抜かずに実施することができるので、作業効率を向上させることができる。
なお、実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31の穴径調整機構38の構成は、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31に適用することも可能である。
[実施形態5]
実施形態5に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法について、実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法1と相違する点を中心に説明する。なお、実施形態5に係る初期クリアランス計測装置31の構造は、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31と同様である。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
図11−1は、実施形態5に係る初期クリアランス計測装置においてシムを設置した状態の要部断面図であり、図11−2は、実施形態5に係る初期クリアランス計測装置においてシムを除去した状態の要部断面図である。図11−1及び11−2、並びに、実施形態3の図9を参照しながら、実施形態5の初期クリアランスの計測方法について、実施形態3と相違する点を中心に説明する。
実施形態3において図9に示すステップS1、S3及びS4の手順は、実施形態5においても同様である。
(ステップS2)
作業者は、図11−1に示すように計測装置支持体37内の支持面37cの内面に当接するように、円形リング形状のシム40を設置する。次に、作業者は、シム40が設置された計測装置支持体37を、挿通穴37bに第2の段部36eを挿通させ、シム40の通信側の端面が第1の段部36dの検出側の端面に当接するまで、嵌合部36bと嵌合部37aとを嵌合させ、球体支持体36に連結させる。このような操作によって、計測装置支持体37の支持面37cが、シム40の厚さ分だけ検出側に移動することになる。そして、作業者は、初期クリアランス計測装置31を、その長手方向の検出側から、ケーシング11の計測用開口部21に挿入し、初期クリアランス計測装置31の計測装置支持体37の支持面37cが、フランジ部22の計測装置支持面22bと当接するまで押し込む。そして、ステップS3へ進む。
(ステップS5)
作業者は、初期クリアランス計測装置31を計測用開口部21から引き抜き、計測装置支持体37を球体支持体36から取り外す。次に、作業者は、計測装置支持体37に設置したシム40を取り除き、シム40より薄いシムを計測装置支持体37に設置する。そして、作業者は、再び、計測装置支持体37を、挿通穴37bに第2の段部36eを挿通させ、交換したシムの通信側の端面が第1の段部36dの検出側の端面に当接するまで、嵌合部36bと嵌合部37aとを嵌合させ、球体支持体36に連結させる。あるいは、作業者は、計測装置支持体37に前回設置したシムを取り除いて、計測装置支持体37を球体支持体36に連結させる(図11−2参照)。そして、作業者は、再度、初期クリアランス計測装置31を計測用開口部21に挿入する。これによって、初期クリアランス計測装置31のガス通路17への延出部分の長さを長くすることができる。そして、ステップS3へ戻る。
作業者は、ガスタービン1のターニング運転を継続させ、ケーシング11に形成された複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、図9に示す初期クリアランスの計測を行う。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、当該通常運転を開始させる。
以上の構成のように、初期クリアランス計測装置31は、計測装置支持体37に設置するシムの厚さが調整され、あるいは、シム自体が取り除かれることによって、初期クリアランス計測装置31のガス通路17への延出部分の長さが調整される。これによって、ある計測用開口部21において、すべての動翼15の先端と、球体35との接触が検出されない場合、延出部分の長さを調整することができるので、すべての動翼15について球体35との接触を検出することができる。
なお、実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31の穴径調整機構38の構成は、実施形態5に係る初期クリアランス計測装置31に適用することも可能である。
[実施形態6]
実施形態6に係る初期クリアランス計測装置31の構造について、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31と相違する点を中心に説明する。また、実施形態6に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法について、図9に示す実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法と相違する点を中心に説明する。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図12は、実施形態6に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。以下、図12を参照しながら、実施形態6に係る初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
実施形態6に係る初期クリアランス計測装置31は、計測装置筐体32、圧力検出計41、調整機構筐体39、球体35及び計測装置支持体37によって構成されている。
調整機構筐体39は、圧力検出計41の本体を支持し、かつ、初期クリアランスの計測時に動翼15の先端と点接触する球体35を支持する円筒形状物である。調整機構筐体39の内面の所定箇所には、縮径して形成された支持部39aが形成されており、当該支持部39aの通信側の端面に、圧力検出計41が当接して支持されている。また、支持部39aによって支持された圧力検出計41の検出側部分から、感圧素子接続線41aが検出側に向かって延出している。また、感圧素子接続線41aの検出側の端部は、感圧素子41bに接続されている。また、調整機構筐体39の検出側の端面には、当該調整機構筐体39の軸心線が中心と交わる円形の球体支持穴39cが開口されており、球体35は、当該球体支持穴39cの周縁部に当接した状態で、調整機構筐体39内部に支持されている。また、感圧素子41bは、計測装置筐体32内の、球体35の通信側の頂部と接触する位置で固定されている。また、調整機構筐体39の外側面には、通信側から検出側に向かう方向の所定範囲に亘って、ネジが切られた嵌合部39bが形成されている。また、計測装置筐体32の嵌合部32cと、嵌合部39bとが嵌合することによって、計測装置筐体32と調整機構筐体39とが連結される。また、調整機構筐体39の通信側の端部は、計測装置筐体32の通信側の端部から突出している。そして、この突出した部分を回転させることによって、嵌合している嵌合部32c及び嵌合部39bを介して、調整機構筐体39を、計測装置筐体32との位置関係において検出側又は通信側に移動させることができる。この場合、調整機構筐体39の移動範囲は、調整機構筐体39の外側面に形成された嵌合部39bの調整機構筐体39の長手方向の範囲によって定まる。さらに、調整機構筐体39の通信側の外側面には、目盛が刻んであり、調整機構筐体39の検出側又は通信側への移動量を計測することができる。
その他の構造は、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31の構造と同様である。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
次に、実施形態3の図9を参照しながら、実施形態6の初期クリアランスの計測方法について、実施形態3と相違する点を中心に説明する。
実施形態3において図9に示すステップS1及びS2の手順は、実施形態6においても同様である。
(ステップS3)
作業者は、圧力検出計41及び感圧素子41bによってすべての動翼15が球体35に接触したか否かを確認する。その確認の結果、検出された場合は、ステップS4へ進み、一部の動翼15について球体35との接触が検出されない、あるいは、すべての動翼15について球体35との接触が検出されない場合は、ステップS5へ進む。
(ステップS4)
感圧素子41bは、球体35が動翼15の先端に接触することによって、当該球体35から圧力を受けたことを検出し、その検出情報を、感圧素子接続線41aを介して圧力検出計41に送信する。圧力検出計41は、受信した検出情報を、通信線52を介して、演算部51に送信する。演算部51は、当該検出情報を受信すると、既知である最初の初期クリアランス計測装置31の延出部分の長さ及び調整機構筐体39の通信側の外側面に刻まれた目盛によって計測した調整機構筐体39の検出側への移動量に基づいて、初期クリアランスを算出し、当該初期クリアランスを記憶する。この場合、圧力検出計41及び感圧素子41bは、球体35から圧力を受けたか否かのみを検出するものであり、球体35の変位を検出することはできない。したがって、演算部51によって算出される初期クリアランスは、各動翼15の先端と、ケーシング内壁面23とのクリアランスの概算値となる。上述した手順により、初期クリアランス計測装置31を挿入した計測用開口部21における初期クリアランスの計測が実施される。
なお、感圧素子41bは、感圧素子接続線41aを介して、圧力検出計41に接続される構造としたが、これに限定されるものではなく、感圧素子41bは、感圧素子接続線41a又は通信線52によって、直接、演算部51に接続される構造としてもよい。
(ステップS5)
作業者は、初期クリアランス計測装置31の計測装置筐体32の通信側の端部から突出した調整機構筐体39の通信側の部分を回転させることによって、調整機構筐体39を検出側に移動させて、球体35の検出側の頂部を動翼15の先端に近づける。また、作業者は、調整機構筐体39の通信側の外側面に刻まれた目盛によって、調整機構筐体39の検出側への移動量を計測し、演算部51に入力する。当該移動量の演算部51への入力は、例えば、演算部51に操作部が接続されており、作業者が当該操作部を操作することによって実施されるものとすればよい。そして、ステップS3へ戻る。
作業者は、ガスタービン1のターニング運転を継続させ、ケーシング11に形成された複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、上述した方法で初期クリアランスを計測する。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、当該通常運転を開始させる。
調整機構筐体39は、通信側の突出部を回転させて、検出側へ移動させることができる構成とし、その移動量を計測可能とし、かつ、感圧素子41bによって、動翼15の先端と球体35との接触を検出することができる。これによって、ある計測用開口部21において、すべての動翼15の先端と、球体35との接触が検出されない場合、球体35の検出側の頂部を動翼15の先端に近づけることができるので、すべての動翼15について球体35との接触を検出することができる。
[実施形態7]
実施形態7に係る初期クリアランス計測装置31の構造について、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31と相違する点を中心に説明する。また、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法について、図9に示す実施形態3に係る初期クリアランス計測装置31による計測方法と相違する点を中心に説明する。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図13−1は、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図であり、図13−2は、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置の動作説明図である。図13−1及び13−2を参照しながら、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
図13−1に示すように、実施形態7に係る初期クリアランス計測装置31は、計測装置筐体32、通電検出計42、薄板42b、42c、調整機構筐体39及び計測装置支持体37を備えている。
調整機構筐体39は、通電検出計42の本体を支持する円筒形状物である。調整機構筐体39の内面の所定箇所には、縮径して形成された支持部39aが形成されており、支持部39aの通信側の端面に、通電検出計42が当接して支持されている。また、支持部39aによって支持された通電検出計42の検出側部分から、2本の接続線42aが検出側に向かって延出している。この2本の接続線42aのうち、一方の接続線42aの端部には、薄板42bが接続されており、他方の接続線42aの端部には、計測装置筐体32の軸心方向の長さが薄板42bよりも短い薄板42cが接続されている。また、調整機構筐体39の検出側の端面には、薄板支持穴39dが開口されており、薄板支持穴39dの内面に当接する状態で、薄板支持体42dが固定されている。そして、薄板42b、42cは、薄板支持体42dによって支持され、薄板支持穴39dから検出側へ向かって延出している。また、調整機構筐体39の外側面には、通信側から検出側に向かう方向の所定範囲に亘って、ネジが切られた嵌合部39bが形成されている。また、計測装置筐体32の嵌合部32cと、嵌合部39bとが嵌合することによって、計測装置筐体32と調整機構筐体39とが連結される。また、調整機構筐体39の通信側の端部は、計測装置筐体32の通信側の端部から突出している。そして、この突出した部分を回転させることによって、嵌合している嵌合部32c及び嵌合部39bを介して、調整機構筐体39を、計測装置筐体32との位置関係において検出側又は通信側に移動させることができる。この場合、調整機構筐体39の移動範囲は、調整機構筐体39の外側面に形成された嵌合部39bの調整機構筐体39の長手方向の範囲によって定まる。さらに、調整機構筐体39の通信側の外側面には、目盛が刻んであり、調整機構筐体39の検出側又は通信側への移動量を計測することができる。
その他の構造は、実施形態4に係る初期クリアランス計測装置31の構造と同様である。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
次に、図13−1及び13−2、並びに、実施形態3の図9を参照しながら、実施形態7の初期クリアランスの計測方法について、実施形態3と相違する点を中心に説明する。
実施形態3において図9に示すステップS1及びS2の手順は、実施形態7においても同様である。
(ステップS3)
作業者は、通電検出計42及び薄板42b、42cによってすべての動翼15が薄板42bに接触したか否かを確認する。その確認の結果、検出された場合は、ステップS4へ進み、一部の動翼15について薄板42bとの接触が検出されない、あるいは、すべての動翼15について薄板42bとの接触が検出されない場合は、ステップS5へ進む。
(ステップS4)
薄板42bは、図13−2に示すように、動翼15の先端と接触すると、先端が薄板42c側に移動して、薄板42cと接触する。薄板42bと薄板42cとが接触すると、2本の接続線42aの間で、薄板42b、42cを介して電流が流れ、その通電状態は、通電検出計42によって検出される。通電検出計42は、2本の接続線42aの間の通電を検出すると、当該検出情報を、通信線52を介して、演算部51に送信する。演算部51は、当該検出情報を受信すると、既知である最初の初期クリアランス計測装置31の延出部分の長さ、及び、調整機構筐体39の通信側の外側面に刻まれた目盛によって計測した調整機構筐体39の検出側への移動量に基づいて、初期クリアランスを算出し、当該初期クリアランスを記憶する。この場合、通電検出計42及び薄板42b、42cは、薄板42bと動翼15との接触のみを検出するものであり、薄板42b、42cの変位を検出することはできない。したがって、演算部51によって算出される初期クリアランスは、各動翼15の先端と、ケーシング内壁面23とのクリアランスの概算値となる。上述した手順により、初期クリアランス計測装置31を挿入した計測用開口部21における初期クリアランスが計測される。
(ステップS5)
作業者は、初期クリアランス計測装置31の計測装置筐体32の通信側の端部から突出した調整機構筐体39の通信側の部分を回転させることによって、調整機構筐体39を検出側に移動させて、薄板42bの検出側の頂部を動翼15の先端に近づける。また、作業者は、調整機構筐体39の通信側の外側面に刻まれた目盛によって、調整機構筐体39の検出側への移動量を計測し、演算部51に入力する。当該移動量の演算部51への入力は、例えば、当該演算部51に操作部が接続されており、作業者が当該操作部を操作することによって実施されるものとすればよい。そして、ステップS3へ戻る。
作業者は、ガスタービン1のターニング運転を継続させ、ケーシング11に形成された複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、上記の初期クリアランスの計測を実施する。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、当該通常運転を開始させる。
調整機構筐体39の通信側の突出部を回転させて、検出側へ移動させることができる構成とし、その移動量を計測可能とし、かつ、通電検出計42及び薄板42b、42cによって、動翼15の先端と薄板42bとの接触を検出することができる。これによって、ある計測用開口部21において、すべての動翼15の先端と、薄板42bとの接触が検出されない場合、薄板42bの検出側の頂部を動翼15の先端に近づけることができるので、すべての動翼15について薄板42bとの接触を検出することができる。
[実施形態8]
実施形態8に係る初期クリアランス計測装置31及び計測方法について、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31及び計測方法と相違する点を中心に説明する。
(初期クリアランス計測装置31の構造)
図14は、実施形態8に係る初期クリアランス計測装置の要部断面図である。以下、図14を参照しながら、実施形態8に係る初期クリアランス計測装置31の構造について説明する。
実施形態8に係る初期クリアランス計測装置31は、計測装置筐体32、変位計33、変位計支持体34、円柱体35a及び円柱体支持体43によって構成されている。このうち、計測装置筐体32、変位計33及び変位計支持体34の構造は、実施形態1に係る初期クリアランス計測装置31と同様である。
円柱体支持体43は、初期クリアランスの計測時に動翼15の先端と面接触する円柱体35aを支持する円筒形状物であり、当該円筒の内面のうち通信側の部分には、ネジが切られた嵌合部43aが形成されている。変位計支持体34の嵌合部34bと、嵌合部43aとが嵌合することによって、変位計支持体34と円柱体支持体43とが連結される。また、円筒形状の円柱体支持体43の外側面の検出側の部分には、縮径した段部43cが形成されている。この段部43cの検出側の端面には、接触子ロッド33aの軸心線が、中心と交わる円形の円柱体支持穴43bが開口されており、円柱体35aは、円柱体支持穴43bの周縁部に当接した状態で、円柱体支持体43内部に支持されている。具体的には、円柱体35aは、検出側が縮径した2段形状をしており、径の小さい検出側の部分が円柱体支持穴43bに挿通し、径の大きい通信側の部分が円柱体支持穴43bの内面に支持されている。このような構造によって、円柱体35aは、段部43cの検出側の端面から凸状に延出した出代を有している。また、円柱体35aの通信側の端面は、変位計33の接触子33bの先端と点接触しており、接触子33bから付勢されている。
(初期クリアランス計測装置31による初期クリアランスの計測方法)
次に、初期クリアランスの計測方法について説明する。
まず、初期クリアランスを測定しようとする作業者は、ガスタービン1を稼動停止状態にする。
次に、作業者は、初期クリアランス計測装置31を、その長手方向の検出側から、ケーシング11の計測用開口部21に挿入する。初期クリアランス計測装置31は、計測用開口部21内を移動していくと、円柱体支持体43の段部43cが、リング形状のフランジ部22の穴に挿通してフランジ部内壁面22aと摺接し、円柱体支持体43において縮径した部分の検出側の端面が、フランジ部22の計測装置支持面22bと当接する。このとき、少なくとも、段部43cの一部がガス通路17内に突出し、あるいは、円柱体35aの段部43cの検出側の端面からの出代の部分のすべてがガス通路17内に入リ込んだ状態となるようにする。このように、段部43c及び円柱体35aのうち、計測用開口部21からガス通路17内に突出した部分を、実施形態1と同様に、初期クリアランス計測装置31の「延出部分」と記す。このようにして、初期クリアランス計測装置31が、計測用開口部21に設置される。このとき、ケーシング内壁面23(フランジ部22のガス通路17側の端面)から円柱体35aの検出側の端面までの長さを、実施形態1と同様に「延出部分の長さ」と記す。この初期クリアランス計測装置31の延出部分の長さは、予め測定しておき、予め既知であるものとする。
このように、初期クリアランス計測装置31が計測用開口部21に設置されると、動翼15の先端が、円柱体35aに面接触する。円柱体35aに面接触した動翼15は、円柱体35aを、通信側の向きに変位させ、それに伴って、接触子33bも変位する。そして、変位計33は、円柱体35aに面接触する動翼15が、円柱体35a及び接触子33bを変位させた量を検出する。動翼15による円柱体35a及び接触子33bの変位を検出した変位計33は、通信線52を介して、変位情報を演算部51に送信する。当該変位情報を受信した演算部51は、既知である延出部分の長さから、動翼15に面接触している円柱体35aの変位を差し引くことによって、動翼15の先端と、ケーシング内壁面23との初期クリアランスを算出し、この初期クリアランスを記憶する。
作業者は、初期クリアランス計測装置31が設置された計測用開口部21に対応する各動翼15に対して、同様に初期クリアランスを計測する。この際、作業者は、初期クリアランスの計測をしていない動翼15の先端が、計測用開口部21に対向するように、ガスタービン1のロータ12をモータによって位置決めさせる。さらに、作業者は、複数の計測用開口部21に対して、それぞれ初期クリアランス計測装置31を挿入して、上記と同様の手順で初期クリアランスの計測を実施する。そして、作業者は、計測したすべての初期クリアランスが所定の公差内に入っている場合、ガスタービン1の高速回転による通常運転が可能であると判断し、当該通常運転を開始させる。
初期クリアランス計測装置31の構成及び計測方法のように、円柱体35aを動翼15に面接触させて、円柱体35aの変位を計測する接触方式を採用したので、ガスタービン1が稼動停止状態においても、初期クリアランスの計測が可能となる。
なお、前述の実施形態1〜8における初期クリアランス計測装置31及びその計測方法は、ガスタービンを対象として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、蒸気タービン等のその他の回転機械にも適用できる。
以上、実施形態1〜8について説明したが、上述した内容により実施形態1〜8が限定されるものではない。また、上述した実施形態1〜8の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態1〜8の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
1 ガスタービン
11 ケーシング
12 ロータ
13 軸受
14 ロータディスク
15 動翼
16 静翼
17 ガス通路
18 燃焼器
19 排出口
21 計測用開口部
21a 開口部内壁面
22 フランジ部
22a フランジ部内壁面
22b 計測装置支持面
23 ケーシング内壁面
31 初期クリアランス計測装置
32 計測装置筐体
32a 嵌合部
32b 段部
32c、32d 嵌合部
33 変位計
33a 接触子ロッド
33b、33c 接触子
34 変位計支持体
34a、34b 嵌合部
35 球体
35a 円柱体
36 球体支持体
36a、36b 嵌合部
36c 球体支持穴
36d 第1の段部
36e 第2の段部
36f 支点ピン
37 計測装置支持体
37a 嵌合部
37b 挿通穴
37c 支持面
38 穴径調整機構
38a 羽根体
38b 長穴
38c 支点ピン穴
38d 穴径調整リング
38e ピン
38f リング穴
38g 球体支持調整穴
39 調整機構筐体
39a 支持部
39b 嵌合部
39c 球体支持穴
39d 薄板支持穴
40 シム
41 圧力検出計
41a 感圧素子接続線
41b 感圧素子
42 通電検出計
42a 接続線
42b、42c 薄板
42d 薄板支持体
43 円柱体支持体
43a 嵌合部
43b 円柱体支持穴
43c 段部
51 演算部
52 通信線
E 誤差
F 力
L1、L2 変位
P1、P2 出代

Claims (9)

  1. タービン内に回転自在に支持されたロータの外周に、その周方向に沿って複数並設されて固定された動翼の先端と、前記タービンのケーシングの内壁面とのクリアランスを計測するクリアランス計測システムであって、
    筒形状を呈した筐体と、
    該筐体内に配置された本体と、該本体の検出側部分から前記筐体の軸心方向に延出したロッドと、該ロッドの先端に取り付けられた接触子とを有した変位計と、
    筒形状を呈し、検出側の端面に、前記ロッドの軸心線が中心と交わる円形の支持穴が形成され、前記動翼と接触させる球体を前記支持穴によって支持し、前記筐体に連結される支持体と、
    前記変位計と通信可能に接続され、作動流体によって前記動翼及び前記ロータが回転する通常運転よりも低速で該ロータを回転させるターニング運転時のクリアランスである初期クリアランスを計測する演算部と、
    を備え、
    前記接触子の検出側部分は、前記球体と点接触し、
    前記球体は、前記支持体の検出側の前記端面の前記支持穴から一部が凸状に露出した出代を有し
    記変位計は、前記ターニング運転時に、前記動翼の先端が、前記球体の前記出代の部分に点接触して、該球体が前記接触子側に押し込まれることによって前記接触子の変位を検出し、
    前記演算部は、前記変位計から受信した前記変位に基づいて、前記動翼に対応する前記初期クリアランスを求めることを特徴とするクリアランス計測システム。
  2. 前記演算部は、前記筐体及び前記支持体が、前記ケーシングの外壁面から前記動翼が配置された作動流体通路まで貫通して形成された計測用開口部に設置されている状態における前記内壁面から前記球体の検出側の頂部までの長さと、前記変位とに基づいて、前記初期クリアランスを算出する、請求項1に記載のクリアランス計測システム。
  3. 前記接触子は、検出側の端面が前記ロッドの軸心方向に垂直な平面を呈し、該平面が前記球体と点接触した、請求項1又は2に記載のクリアランス計測システム。
  4. 前記支持体は、前記支持穴が形成された前記端面の内面側に設置された穴径調整機構を有し、
    該穴径調製機構は、リング形状を呈し、穴径を調整可能とする中央に形成された調整穴を有し、該調整穴の周縁部に当接した状態で前記球体を支持し、該調整穴の径を調整することによって、前記球体の前記出代を調整する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクリアランス計測システム。
  5. 前記筐体は、円筒形状を呈し、外側面の検出側部分が縮径して形成された段部を有し、
    該段部は、内面にネジが切られて形成された段部嵌合部を有し、
    前記支持体は、前記筐体の内径よりも小さい外径である円筒形状を呈し、内部に前記変位計を支持し、外側面の所定範囲にネジが切られて形成された支持体嵌合部を有し、該支持体嵌合部と前記段部嵌合部とが嵌合することによって前記筐体に連結され、回転することによって前記筐体に対して該筐体の軸心方向に移動可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のクリアランス計測システム。
  6. タービン内に回転自在に支持されたロータの外周に、その周方向に沿って複数並設されて固定された動翼の先端と、前記タービンのケーシングの内壁面とのクリアランスを計測するクリアランス計測方法であって、
    前記動翼が流体の圧力を受けることによって前記ロータが回転する通常運転よりも低速で前記ロータを回転させるターニング運転を開始させるステップと、
    筒形状の筐体と、該筐体内に配置された本体、該本体の検出側部分から前記筐体の軸心方向に延出したロッド、及び該ロッドの先端に取り付けられた接触子を有する変位計と、筒形状を呈し、検出側の端面に、前記ロッドの軸心線が中心と交わる円形の支持穴が形成され、前記動翼と接触させる球体を前記支持穴によって支持し、前記筐体に連結される支持体とを備えたクリアランス計測装置を、前記ケーシングの外壁面から動翼が配置された作動流体通路まで貫通して形成された計測用開口部に挿入して設置するステップと、
    前記接触子の検出側部分と点接触し、前記支持体の検出側の前記端面の前記支持穴から一部が凸状に露出した出代を有した前記球体に、前記動翼の先端が点接触して、前記球体が前記接触子側に押し込まれることによる前記接触子の変位を検出するステップと、
    前記接触子の前記変位に基づいて、前記ターニング運転時のクリアランスである初期クリアランスを計測するステップと
    を有したことを特徴とするクリアランス計測方法。
  7. 前記変位を検出するステップにおいて、前記クリアランス計測装置が挿入された前記計測用開口部に対応するすべての前記動翼について、前記接触子の前記変位が検出できなかった場合、前記球体の前記出代を調製するステップを有した、請求項に記載のクリアランス計測方法。
  8. 前記変位を検出するステップにおいて、前記クリアランス計測装置が挿入された前記計測用開口部に対応するすべての前記動翼について、前記接触子の前記変位が検出できなかった場合、前記計測用開口部に支持された前記筐体に対して前記支持体を検出側に移動させるステップを有した、請求項に記載のクリアランス計測方法。
  9. 前記クリアランス計測装置を前記計測用開口部に挿入して設置するステップにおいて、筒形状を呈し、検出側の端面の内面側に円形リング形状のシムを当接して設置し、かつ、該シムの検出側とは反対側の端面が前記支持体に当接した状態で、該支持体の検出側に連結された計測装置支持体の検出側の端面を、前記計測用開口部内の前記作動流体通路側に形成されたフランジ部に当接させ、
    前記変位を検出するステップにおいて、前記クリアランス計測装置が挿入された前記計測用開口部に対応するすべての前記動翼について、前記接触子の変位が検出できなかった場合に、前記クリアランス計測装置を前記計測用開口部から抜き出し、前記計測装置支持体に設置された前記シムを除去し、又は、該シムよりも薄いシムを設置して、再度、前記計測装置支持体を前記支持体に連結し、前記クリアランス計測装置を前記計測用開口部に挿入して設置するステップを有した、請求項に記載のクリアランス計測方法。
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