JP5984425B2 - 簡便に製造可能な光電変換装置 - Google Patents

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本発明は、簡便に製造可能な光電変換装置に関する。
地震に端を発した原発事故の影響を受け、安全で環境に対しよりクリーンであり、より安価なエネルギーが求められている。その一つとしてクリーンな発電技術である太陽光発電が注目を浴びており、新エネルギーとなりうる低価格太陽電池の開発は急務である。太陽光エネルギーは無尽蔵で、化石燃料のような枯渇の心配がなく、また、COを増やす事もない。しかし、現在市販されている太陽電池は高額な材料であるシリコン、インジウム等を使用し、また真空プロセスであるCVD、スパッタリング等を使用するために設備費がかさみ、さらなる低価格化が困難となっている。
そこで、安価な材料としてセレンを使用して太陽電池が作製された(非特許文献1)。
Tokio Nakata et al., JJAP Vol.24, 1985, pp. L536-L538
しかし、上記非特許文献1の技術は、全ての層を真空プロセスにより製膜することから、依然として高価であり、実用化には至らなかった。そこで本発明は、真空プロセス製膜のみに依拠せず、簡便に製造可能な光電変換装置を提供することを目的とする。
上記目的に鑑み、鋭意検討した結果、本発明者らは、セレンを含む光吸収層を非真空プロセスであるメッキ法で作製することで、より簡便にスーパーストレート型の太陽電池が作製できることを見出した。このような知見に基づき、本発明者らは、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置であって、
セレンを含むメッキ膜からなる光吸収層を備える、光電変換装置。
項2.前記セレンを含むメッキ膜が、テルル層とセレン層との複層、又はテルルとセレンとの混合層からなる、項1に記載の光電変換装置。
項3.前記光吸収層が、透光性の多孔質電子輸送材料からなる電子輸送層上に形成される、項1又は2に記載の光電変換装置。
項4.前記透光性の多孔質電子輸送材料が、TiO、WO、ZnO、Nb及びSrTiOよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項3に記載の光電変換装置。
項5.前記電子輸送層が、第一電極層である透光性導電層上に形成される、項3又は4に記載の光電変換装置。
項6.前記光吸収層が、第一電極層である透光性導電層上に形成される、項1又は2の光電変換装置。
項7.前記透光性導電層が、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、及びニオブドープチタン酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、項5又は6に記載の光電変換装置。
項8.前記透光性導電層が、透光性基板上に形成される、項5〜7のいずれかに記載の光電変換装置。
項9.前記光吸収層の上に、さらに、正孔輸送層を備える、項1〜8のいずれかに記載の光電変換装置。
項10.前記正孔輸送層が、セレン、沃化物、コバルト錯体、鉄錯体、CuSCN、MoO、NiO、及び有機ホール輸送材よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、項9に記載の光電変換装置。
項11.前記光吸収層又は正孔輸送層の上に、さらに第二電極層を備える、項1〜10のいずれかに記載の光電変換装置。
項12.前記第二電極層は、カーボン、金、タングステン、モリブデン及びチタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、項11に記載の光電変換装置。
光吸収層として、セレンを含むメッキ膜を採用することにより、真空プロセスを使用せず簡便に高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することができる。
実施例2〜3の試験例の結果を示すグラフである。 実施例4の試験例の結果を示すグラフである。
1.光電変換装置
本発明の光電変換装置は、セレンを含むメッキ膜からなる光吸収層を備える。これにより、簡便に高い光電変換効率を有する光電変換装置を実現することができる。
<光吸収層>
本発明では、上記のとおり、光吸収層は、セレンを含むメッキ膜からなる。このセレンを含むメッキ層は、セレンを含む層であれば特に制限されないが、単層でも複層でもよい。複層の場合は、各層全てがセレンを含む層であってもよいし、少なくとも1層がセレンを含む層であってもよい。
このような光吸収層を構成するセレンを含むメッキ層としては、セレンからなるメッキ層であってもよいが、テルル層とセレン層との複層、又はテルルとセレンとの混合層からなることが好ましい。テルルは、セレンと同じ16族の元素であり、セレンとなじみやすく、セレンとテルルとを組合せることで、飛躍的に変換効率を向上させることができる。
本発明において、光吸収層は、メッキ法(好ましくは電解メッキ法)により形成されるメッキ膜である。真空プロセスを使用しないため、真空プロセスを用いる従来の光電変換装置と比較し、光電変換効率を維持しつつ、非常に簡便に光電変換装置を作製することができる。
光吸収層の厚みは、通常の色素増感太陽電池よりも薄くすることができ、0.01〜2.5μm程度が好ましく、0.1〜0.5μm程度がより好ましい。複層の場合、光吸収層の厚みは、総厚みを上記した範囲内とすることが好ましい。光吸収層の厚みを上記範囲内とすることにより、光吸収層にピンホールを発生させず、一定の強度を保てるとともに、より効率よく光を吸収できる。
光吸収層として、テルルとセレンとの混合層を採用する場合、テルルとセレンの混合比は特に制限されない。例えば、テルルとセレンとの混合比を1:500〜1:1(モル比)、特に1:100〜1:10(モル比)が好ましい。
光吸収層をテルル層とセレン層との複層とする場合、各層の形成順序は特に制限されないが、テルル層を後述の透光性導電層側に形成することが好ましい。
次に、光吸収層の形成方法について、説明する。
例えば、後述の透光性導電層上に光吸収層としてセレン層を形成する場合、セレンメッキ液中に透光性導電層を浸漬し、電解メッキを施すことが好ましい。
セレンメッキ液としては特に制限されない。例えば、水溶性セレン化合物を含む水溶液が好ましい。
水溶性セレン化合物としては、特に制限はなく、例えば、亜セレン酸、セレン酸、亜セレン酸カリウム、亜セレン酸水素カリウム、亜セレン酸ナトリウム等が挙げられる。
セレンメッキ液の組成としては、セレン(Se)が1〜500mmol/L、特に5〜50mmol/Lとなるように調整することが好ましい。特に、セレン(Se)が15〜40mmol/Lとなるように調整すれば、さらに顕著に光電変換特性を向上させることができる。
セレンメッキ液においては、上記の水溶性セレン化合物以外にも、NaCl等の電解質塩、あるいは、光沢剤、レベリング剤、錯化剤、安定化剤等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませることができる。
また、セレンメッキ液は、セレンを電着させるためには酸性条件とすることが好ましく、また、水素ガスを発生しにくくするためにpHを下げすぎないほうが好ましい。この観点から、25℃におけるpHが1〜7程度、好ましくは1.5〜4程度が好ましい。
電解メッキの際に使用する対極には、特に制限されるわけではないが、白金板、チタン板、カーボン板、黒鉛板等が使用できる。
電解メッキの条件としては、特に制限されないが、浴温を10〜30℃程度(例えば室温)、電圧を−0.5〜−1.0V vs Ag/AgCl程度とし、10〜60分間(特に15〜40分間)通電することが好ましい。なお、電圧については、−0.7Vにおいてセレンが電子移動律速から拡散律速へ変化し、−1.2VにおいてHSeガスが電子移動律速から拡散律速へ変化することから、電圧を上記条件とすることが好ましい。また、時間については、10〜60分間とすることが好ましいが、15〜45分間とすれば、より顕著に光電変換特性を向上させることができる。さらに、電流のパターンは直流、交流、パルス電流等、特に限定されない。特に、後述のように、多孔質電子輸送材料からなる電子輸送層上にセレンメッキ膜を形成する場合は、数秒間隔のパルス電流が好ましい。
また、光吸収層として、テルルとセレンとの混合層を採用する場合、上記セレンメッキ液中に、水溶性テルル化合物を含ませることが好ましい。水溶性テルル化合物としては、例えば、酸化テルル、テルル酸、亜テルル酸カリウム等が挙げられる。
光吸収層として、テルルとセレンとの混合層を採用する場合、めっき液の組成は、セレン(Se)が1〜500mmol/L、特に5〜50mmol/L、テルル(Te)が0.01〜100mmol/L、特に0.5〜5mmol/Lとなるように調整することが好ましい。特に、セレン(Se)が15〜40mmol/Lとなるように調整すれば、さらに顕著に光電変換特性を向上させることができる。
さらに、光吸収層として、テルル層とセレン層との複層を採用する場合、セレン層を電着させる前に、テルルメッキ液中に透光性導電層を浸漬させて電解メッキを施すことが好ましい。
テルルメッキ液としては特に制限されない。例えば、水溶性テルル化合物を含む水溶液が好ましい。
水溶性テルル化合物としては、特に制限はなく、例えば、酸化テルル、テルル酸、亜テルル酸カリウム等が挙げられる。
テルルメッキ液の組成としては、テルル(Te)が0.01〜100mmol/L、特に0.5〜5mmol/Lとなるように調整することが好ましい。
テルルメッキ液においては、上記の水溶性テルル化合物以外にも、NaCl等の電解質塩、あるいは、光沢剤、レベリング剤、錯化剤、安定化剤等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませることができる。
また、テルルメッキ液は、25℃におけるpHが1〜7程度が好ましい。
電解メッキの際に使用する対極には、特に制限されるわけではないが、白金板、チタン板、カーボン板、黒鉛板等が使用できる。
電解メッキの条件としては、特に制限されないが、浴温を10〜30℃程度(例えば室温)、電圧を−0.5〜−1.0V vs Ag/AgCl程度とし、10〜60秒間通電することが好ましい。また、電流のパターンは直流、交流、パルス電流等、特に限定されない。特に、時間を15〜40秒間とすれば、さらに光電変換特性を向上させることができる。また、後述のように、多孔質電子輸送材料からなる電子輸送層上にテルルメッキ膜を形成する場合は、数秒間隔のパルス電流が好ましい。
このようにして、透光性導電層上にテルルを電着させた後、上述のセレンメッキ液を用いてセレンを電着させることが好ましい。これにより、テルル層とセレン層との複層からなる光吸収層を形成することができる。
また、テルル層とセレン層との良好な界面形成のため、成膜後加熱アニーリングしてもよい。アニーリング条件は100〜300℃で1〜10分が好ましい。
ここでは、光吸収層の製造方法について一例を示したが、これに限定されることはなく、様々な組成及び条件で作製することができる。
<電子輸送層>
本発明では、上記光吸収層は、電子輸送層の上に形成されることが好ましい。
電子輸送層は、平滑構造であってもよいし、多孔質構造であってもよい。多孔質構造とは、特に制限されるわけではないが、粒状体、線状体(線状体:針状、チューブ状、柱状等)等が集合して、全体として多孔質な性質を有していることが好ましい。また、細孔サイズはナノスケールであることが好ましい。電子輸送層を多孔質構造とすれば、ナノスケールであるため、メッキ膜である光吸収層の活性表面積を著しく増加させ、光電変換効率を向上させるとともに、電子収集に優れる電子輸送層とすることができる。なお、多孔質構造を採用する場合には、電子輸送層の全厚みにわたって多孔質構造とする必要はなく、例えば、後述の透光性導電層に近い側を平滑構造、光吸収層に近い側を多孔質構造とすることも可能である。
電子輸送層は、例えば、多孔質電子輸送材料からなる層とすることが好ましい。多孔質電子輸送材料としては、例えば、TiO、WO、ZnO、Nb、Ta、SrTiO等の一種又は二種以上を採用できる。なお、半導体を使用する場合には、ドナーがドープされていてもよい。これにより、電子輸送層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力を効率よく取り出すことができる。多孔質電子輸送材料としてTiOを採用する場合には、結晶形態はアナターゼ型が好ましい。
電子輸送層の厚みは、10〜2000nm程度が好ましく、20〜1500nm程度がより好ましい。電子輸送層の厚みを上記範囲内とすることにより、より確実にリーク電流を抑制し、且つ、光吸収層からの電子を収集することができる。
上記説明した電子輸送層を、例えばスプレー法等の非真空プロセスにより形成すれば、より簡便に本発明の光電変換装置を製造することが可能である。また、大面積化が容易で品質が安定するという利点も有する。
スプレー法で電子輸送層を形成する場合には、噴霧表面が室温〜700℃程度、好ましくは300〜500℃程度に調整された基材(具体的には後述の透光性導電層)に、所定の多孔質電子輸送材料を含む原料溶液を、空気中で噴霧することが好ましい。多孔質電子輸送材料としてTiOを使用する場合には、上記温度範囲内に調整することで、TiOの結晶性を向上させ、絡電流密度Jsc及び開放電圧Vocを改善できるため、光電変換効率を向上させることができる。
<透光性導電層>
本発明では、上記光吸収層は、透光性導電層の上に形成されることが好ましい。また、電子輸送層を形成する場合には、電子輸送層は、透光性導電層の上に形成されることが好ましい。
透光性導電層は、例えば、透明導電性酸化物からなる層とすることが好ましい。透明導電性酸化物としては、例えば、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、ニオブドープチタン酸化物等の一種又は二種以上を採用できる。これにより、透光性導電層が、光吸収層に導入するための窓層となり、且つ、光吸収層から得られた電力を効率よく取り出すことができる。
透光性導電層の厚みは、0.01〜10.0μm程度が好ましく、0.3〜1.0μm程度がより好ましい。透光性導電層の厚みを上記範囲内とすることにより、シート抵抗を低減し、結果として光電変換装置のシリーズ抵抗を低減できるため、フィルファクター特性を維持できる。
<透光性基板>
本発明では、前記透光性導電層は、透光性基板の上に形成されることが好ましい。
透光性基板としては、特に制限されないが、例えば、ガラス、プラスチック等から構成することが好ましい。これにより、光を光吸収層に導入するための窓層になり得る。
透光性基板の厚みは、特に限定されないが、0.1〜5.0mm程度とすることが好ましい。
例えば、ITO膜付きガラス、FTO膜付きガラス等の透明導電膜付き基板を、透光性基板及び透光性導電層とすることも可能である。
<正孔輸送層>
本発明の光電変換装置においては、光吸収層として使用するセレンが正孔輸送層としても機能するため、セレンを含むメッキ膜を光吸収層兼正孔輸送層として使用することもできる。また、光吸収層の上に、さらに正孔輸送層を備えることもできる。
正孔輸送層に使用される材料としては、例えば、セレン、ヨウ化銅(CuI)等の沃化物、層状コバルト酸化物等のコバルト錯体、CuSCN、MoO、NiO、有機ホール輸送材等が挙げられる。
沃化物としては、例えば、ヨウ化銅(CuI)等が挙げられる。層状コバルト酸化物としては、例えば、ACoO(A=Li、Na、K、Ca、Sr,Ba;0≦X≦1)等が挙げられる。また、有機ホール輸送材としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体、2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(spiro-MeO-TAD)等のフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジフェニルアミン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアニリン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層の厚みは、特に制限されないが、0.01〜10μm程度が好ましい。
上記した正孔輸送層も、メッキ法、スプレー法等の非真空プロセスにより形成することが好ましい。
<第二電極層>
本発明では、光吸収層又は正孔輸送層の上(具体的には、正孔輸送層を形成する場合はその上、正孔輸送層を形成しない場合は光吸収層の上)に、第二電極層を備えることが好ましい。
第二電極層を構成する材料としては、特に制限されないが、例えば、カーボン、金、タングステン、モリブデン、チタン等が好ましい。また、金、タングステン、モリブデン、チタン等の金属の合金等も好ましく用いられる。
第二電極層の厚みは、特に制限されないが、0.01〜2.0μm程度とすることが好ましい。
2.光電変換装置の用途
本発明の光電変換装置を、発電手段として用い、発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成した構成とすることで、様々な用途に適用可能である。具体的には、本発明の光電変換装置、本発明の光電変換装置から出力された直流電流を交流電流に変換するインバータ装置、電気モーター、照明装置等の負荷等を有する構成の光電変換装置とすることができる。その用途としては、例えば、建築物の屋根、壁面等に設置される太陽電池等として使用することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
実施例1
予め、亜セレン酸64mg(10mM)と塩化ナトリウム876mg(0.3M)とを蒸留水50mLに溶解させ、さらに20 wt% HCl水溶液を50μL加えたセレン溶液を用意した。F-dope SnO2 (FTO)ガラス基板を、セレン溶液に浸漬し、-0.7 V (vs.Ag/AgCl)の電圧を10分間印加して、セレンを電着させた。その後、裏面電極として金を蒸着させ、最後に大気中、ホットプレート上で200℃、数分加熱し、< glass / FTO / Se / Au >構造の太陽電池を得た。
実施例2
予め、酸化テルル8mg(1mM)を蒸留水50mLに溶解させ、0.1M NaOH水溶液を1mL加え、さらに20wt% HCl水溶液を50μL加えたテルル溶液を用意した。F-dope SnO2 (FTO)ガラス基板を、テルル溶液に浸漬し、-0.7 V (vs.Ag/AgCl)の電圧を30秒間印加して、テルルを電着させた。次に、亜セレン酸64mg(10mM)と塩化ナトリウム876mg(0.3M)とを蒸留水50mLに溶解させ、さらに20wt% HCl水溶液を50μL加えた溶液を用意し、その溶液にテルルを電着させた基板を浸漬し、-0.7 V (vs.Ag/AgCl)の電圧を10分間印加して、セレンを電着させた。その後、裏面電極として金を蒸着させ、最後に大気中、ホットプレート上で200℃、数分加熱し、< glass / FTO / Te / Se / Au >構造の太陽電池を得た。
実施例3
< glass / F-doped SnO2 / TiO2 / Se /Au >構造の太陽電池を作製した。作製方法としては、F-doped SnO2ガラス基板にTiO2膜を大気中、ホットプレート上でスプレー熱分解法(SPD法)により製膜し100nmの膜を得た。Seは実施例1〜2と同様に電界析出法によりチタニア電極上に製膜した。Se電着溶液は実施例1〜2と同様の溶液を用い、パルス電流 (-0.7V_0V (vs. Ag/AgCl), 1s_1s, 10分間)を印加してSe電着を行った。Au背面電極を蒸着法により製膜した後、大気圧中で200℃、3分間加熱して目的の太陽電池を得た。
実施例4
3次元Se太陽電池のセル構造として、スーパーストレート構造< glass / F-doped SnO2 / TiO2/ porous TiO2 / Se /Au >構造の太陽電池を作製した。作製方法としては、F-doped SnO2ガラス基板にTiO2膜を大気中、ホットプレート上でスプレー熱分解法(SPD法)により実施例3と同様に製膜し100nmの膜を得た。さらに、この膜上に、スクリーン印刷法によりpourous TiO2を約1μm製膜し、3次元チタニア電極を得た。Se電着溶液は、亜セレン酸の使用量を128mg(20mM)、塩化ナトリウムの使用量を1314mg(45mM)、HCl水溶液の使用量を100μLとすること以外は実施例1〜3と同様とし、パルス電流 (-0.7V_0V (vs. Ag/AgCl), 1s_1s, 20分間)を印加してSe電着を行った。Au背面電極を蒸着法により製膜した後、大気圧中で200℃、3分間加熱して目的の太陽電池を得た。
試験例
実施例2〜4の太陽電池について、AM1.5のソーラーシミュレータの光(100mW/cm)を照射し、光電特性の測定を行った。結果を表1及び図1に示す。
Figure 0005984425

Claims (9)

  1. 光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換装置であって、
    セレンからなるメッキ膜、或いはセレンからなるメッキ膜とテルルからなるメッキ膜との複層からなる光吸収層を備え、且つ
    前記光吸収層が、透光性の多孔質電子輸送材料からなる電子輸送層上に形成される、光電変換装置。
  2. 前記透光性の多孔質電子輸送材料が、TiO、WO、ZnO、Nb及びSrTiOよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項に記載の光電変換装置。
  3. 前記電子輸送層が、第一電極層である透光性導電層上に形成される、請求項1又は2に記載の光電変換装置。
  4. 前記透光性導電層が、フッ素ドープ錫酸化物、インジウム錫酸化物、ガリウムドープ亜鉛酸化物、アルミドープ亜鉛酸化物、及びニオブドープチタン酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、請求項に記載の光電変換装置。
  5. 前記透光性導電層が、透光性基板上に形成される、請求項3又は4に記載の光電変換装置。
  6. 前記光吸収層の上に、さらに、正孔輸送層を備える、請求項1〜のいずれかに記載の光電変換装置。
  7. 前記正孔輸送層が、セレン、沃化物、コバルト錯体、鉄錯体、CuSCN、MoO、NiO、及び有機ホール輸送材よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、請求項に記載の光電変換装置。
  8. 前記光吸収層又は正孔輸送層の上に、さらに第二電極層を備える、請求項1〜のいずれかに記載の光電変換装置。
  9. 前記第二電極層は、カーボン、金、タングステン、モリブデン及びチタンよりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる層である、請求項に記載の光電変換装置。
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