JP5984006B2 - すき間充填材への注水方法 - Google Patents
すき間充填材への注水方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5984006B2 JP5984006B2 JP2012198984A JP2012198984A JP5984006B2 JP 5984006 B2 JP5984006 B2 JP 5984006B2 JP 2012198984 A JP2012198984 A JP 2012198984A JP 2012198984 A JP2012198984 A JP 2012198984A JP 5984006 B2 JP5984006 B2 JP 5984006B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- pressure
- water injection
- gap
- tunnel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Description
図2に基づいて、一体型廃棄体の埋設手順およびすき間への注水に至る作業手順を説明する。なお、図2は、一体型廃棄体の埋設手順を示すフローチャートである。
ペレットに注水する場合には、まず、ペレットを充填したすき間の容積を求める。図3に示す例では、一体型廃棄体Pの外径を2,200mm、処分坑道1の坑道径を3,000mm、すき間幅を400mm、坑道延長を100mとする。この例によると、すき間の断面積は3.267m2となり、すき間の容積は327m3となる。
つぎに、水位上昇速度を求める。ペレットに注水する前は、図6に示す状態にある。注水管から注水すると、すき間内の水位は、図7−1に示すように上昇すると考えられるが、すき間は、坑道に比べて狭く、かつ、ペレットB(図6参照)が充填されているので、図7−2のように、モデル化することができる。このモデルを図5に示した処分坑道1と廃棄体Pとの間に生じるすき間内の水位上昇に適用すると、図8に示すようになる。
ペレットの透水係数が1.0×10−4より小さい場合は、透水係数の低下に伴い注水圧力が増大する。図11は、ペレットの透水係数を変化させて注水圧力を算定したもので、透水係数が1/10、1/100、1/1000、1/10000とオーダーで低下すると、注水圧力がオーダーで増加することを示している。これによると、注水ポンプの最大注水圧力が1MPaである場合には、ペレットの透水係数が1.0×10−5m/sよりも小さいと注入ポンプの能力が不足することがわかる。この場合には、注入ポンプの吐出圧力を高圧仕様に変更する方法も考えられるが、高圧ポンプの能力の高圧化には限界がある。また、他の方法として、注入ポンプの注入量をオーダーで小さくすることにより、水位上昇速度を遅くし、注水圧力を増加させない方法も考えられるが、満水に至るまでの時間は著しく大きくなるという欠点がある。
水位上昇速度1.0m/hの場合の注水圧力の増加を求めると、図15に示す結果が得られる。透水係数が変化しない場合には、水位上昇位置と注水圧力とが線形関係にあるが、透水係数の低下を考慮すると、水位上昇位置が高いところでは、時間の経過に伴い透水係数が低下しているので、注水圧力が大きくなるカーブを描く。なお、点Aは注水完了時(満水時)の注水圧力を示す。
つぎに、水位上昇速度を変化させて、注水圧力を求めると、図16、図17に示す結果が得られる。図16に示すように、水位上昇速度を5.0m/hにすると、注水完了(満水)までの時間が短いので、透水係数の低下が小さく、線形形状となる。一方、最終圧力は、1.65MPaとなるので、注水圧力は想定するポンプの吐出圧力(1MPa)を越える。
注水圧力を様々に変化させて注水完了時(満水時)の注水圧力を求めると、図18に示すように、水位上昇速度を0.5m/h程度にした場合が最も注水圧力を小さくできることがわかる。また、ポンプの吐出能力を1MPaとした場合、水位上昇速度を0.2〜2.6m/hとしなければならないことがわかる。このように、水位上昇速度を0.2〜2.6m/hとすると、17〜1.3時間で注水が完了する。
図19は、処分坑道が複数の湧水帯を貫通した廃棄体の埋設処分施設を示す図である。わが国の地質岩盤条件では、坑道が複数の湧水帯を貫通することは珍しくないので、処分坑道5の坑道延長が長い場合には、図19に示すように、処分坑道5が複数の湧水帯WA,WB,WCを貫通することがある。このような場合には、シール材(膨潤し始めた緩衝材C)の損傷が懸念される。
その後、処分坑道5と処分坑道5に定置した一体型廃棄体Pとの間にペレットを充填した後、図示せぬ排水設備による地下水の湧水の排水行為を停止してから、処分坑道5と一体型廃棄体Pとの間に注水すると、その直後は、湧水帯WA,WB,WCから処分坑道5の内部に地下水が流入する。水は、短時間の内に処分坑道5の内部に満たされるので、その後は、時間の経過とともに遮水性能を発揮する。
離間距離 Lab=10m
湧水圧 Pa=30mH2O,Pb=10mH2O
i=(30−10)/10=2
離間距離 Lbc=100m
湧水圧 Pb〜〜10mH2O,Pc=20mH2O
i=(20−10)/100=0.1
上記の試算例は、一例であって、実際には、湧水帯WA,WB,WCのそれぞれの水理特性に応じてさまざまな流動場となるので、複数の湧水帯WA,WB,WCを横切る処分坑道5の壁面付近を処分坑道5の軸方向に浸透する地下水の流れは、いろいろな条件で、地下水が流動することになる。たとえば、上記の試算例1や2で、試算例1のように、動水勾配が大きくなったり、圧力差が大きくなったりすると、シール性能が損なわれることが懸念される。具体的には、坑道壁面に沿って卓越して地下水が流れる流路が生じるパイピング現象が発生し、その後はその水みちを流動する地下水が流れとともに緩衝材を洗掘し、喪失させていくことが懸念される。
つぎに、図23に基づいて一体型廃棄体Pの埋設手順を説明する。図23は、一体型廃棄体の埋設手順を示すフローチャートである。ここでは、掘削する処分坑道5の深度を500mとし、掘削する処分坑道5が三つの湧水帯WA,WB,WCを貫通するものとする。また、湧水帯WA,WB,WCの地下水面が地表(深度0)にあるものとする。
図24は、注水圧を短時間で坑道掘削前の元の地下水圧まで昇圧する途上において、坑道壁面部における水圧が60mH2Oに達した場合における地山の地下水圧分布を示す図であり、図25は、注水圧が坑道掘削前の元の地下水圧に相当する100mH2Oに達した場合における地山の地下水圧分布を示す図である。
図25に示すように、注水圧力を短時間で坑道掘削前の元の地下水圧と略同一となる100mH2Oまで上昇させると、処分坑道周囲の地下水の水頭値は元の地下水圧Piに等しい値に回復する。その後は、湧水帯相互の地下水圧の水圧差はほとんどゼロになり、坑道軸方向の地下水の流れは発生しなくなる。
図26は、処分坑道の入口部に遮水プラグを設けていない場合の地下水圧の分布を概念的に示した図である。処分坑道内部の水圧を処分坑道の掘削前の元の地下水圧と同等の圧力で維持することにより、処分坑道への地下水の浸入量は抑制することができ、かつ、処分坑道の軸方向の地下水圧の勾配も端子間で解消されるので、すき間に充填したペレットの侵食は防止することができるが、処分坑道の入口区間には主要坑道が存在しており、主要坑道は大気圧環境であることから、主要坑道に向かう地下水流れ場は大きな水圧勾配が生じる。その結果、入口に近い領域では処分坑道の軸方向の地下水流れによる影響が懸念される。
11 台座
12 注水管
13 枝管
5 処分坑道
6 主要坑道
9 吐出ポンプ
10 遮水プラグ
B ペレット(すき間充填材)
P 一体型廃棄体(緩衝材一体型の廃棄体)
WA,WB,WC 湧水帯
Claims (3)
- 処分坑道に定置した廃棄体を囲繞する緩衝材と処分坑道との間に生じるすき間に充填したペレット状のすき間充填材に処分坑道の底部から注水するすき間充填材への注水方法において、
事前に把握したすき間充填材の浸水後の透水係数の変化特性に基づいて、前記底部からの注水によって前記すき間を満水状態にするために必要な時間と注水に要する圧力とを算出し、
これに適した注水量速度と注水圧力を決定することを特徴とするすき間充填材への注水方法。 - 前記すき間に水を満たした後、注水圧力を事前に把握した坑道掘削前の地下水圧と同等の圧力で維持することを特徴とする請求項1に記載のすき間充填材への注水方法。
- 処分坑道の入口区間、さらには、処分坑道の途中の要所に、処分坑道の軸方向への地下水の流れを抑制する遮水プラグを設置することを特徴とする請求項2に記載のすき間充填材への注水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012198984A JP5984006B2 (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | すき間充填材への注水方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012198984A JP5984006B2 (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | すき間充填材への注水方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014052359A JP2014052359A (ja) | 2014-03-20 |
JP5984006B2 true JP5984006B2 (ja) | 2016-09-06 |
Family
ID=50610942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012198984A Active JP5984006B2 (ja) | 2012-09-10 | 2012-09-10 | すき間充填材への注水方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5984006B2 (ja) |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4439062A (en) * | 1981-12-21 | 1984-03-27 | American Colloid Co. | Sealing system and method for sealing earthen containers |
JPH07294698A (ja) * | 1994-04-27 | 1995-11-10 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 放射性廃棄物の地層処分方法 |
JP2943647B2 (ja) * | 1995-03-07 | 1999-08-30 | 株式会社大林組 | 仕切り壁から漏出する汚染水の管理方法 |
JP3164196B2 (ja) * | 1995-08-04 | 2001-05-08 | 株式会社大林組 | 遮水壁およびその構築方法 |
JP4370700B2 (ja) * | 2000-07-04 | 2009-11-25 | 株式会社大林組 | 放射性廃棄物における試験体への冠水方法 |
JP2002048900A (ja) * | 2000-08-07 | 2002-02-15 | Shimizu Corp | 高レベル放射性廃棄物地層処分の定置構造 |
JP4067279B2 (ja) * | 2001-02-01 | 2008-03-26 | 建設環境エンジニアリング有限会社 | 土質遮蔽水封型埋設処分場 |
JP4217953B2 (ja) * | 2003-02-03 | 2009-02-04 | 清水建設株式会社 | 難透水性土質材料の試験方法 |
JP2006043492A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-16 | Keiichi Fujita | 廃棄物処分施設における汚染水漏出防止方法 |
JP4798057B2 (ja) * | 2007-05-09 | 2011-10-19 | 鹿島建設株式会社 | 地層処分施設及びその構築方法 |
JP5336915B2 (ja) * | 2009-04-15 | 2013-11-06 | 鹿島建設株式会社 | 廃棄体の定置方法 |
JP5637376B2 (ja) * | 2010-10-28 | 2014-12-10 | 清水建設株式会社 | 放射性廃棄物の埋設方法 |
JP5628014B2 (ja) * | 2010-12-03 | 2014-11-19 | みらい建設工業株式会社 | 遮水壁構造 |
JP5747739B2 (ja) * | 2011-08-29 | 2015-07-15 | 清水建設株式会社 | 原位置試験方法 |
JP5839273B2 (ja) * | 2011-11-11 | 2016-01-06 | 清水建設株式会社 | 原位置試験方法および原位置試験装置 |
-
2012
- 2012-09-10 JP JP2012198984A patent/JP5984006B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014052359A (ja) | 2014-03-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Xu et al. | Evaluation of the blocking effect of retaining walls on groundwater seepage in aquifers with different insertion depths | |
RU2611095C1 (ru) | Искусственная плотина распределенного подземного резервуара для угольных шахт и способ ее возведения | |
US5927907A (en) | Method and apparatus for preventing liquefaction of ground caused by violent earthquake | |
CN103510501B (zh) | 一种防止回灌井中堵塞涌水的方法 | |
CN106400746B (zh) | 渠道衬砌修复旁通管输水及围堰截断式基坑及施工方法 | |
JP2015045527A (ja) | 透水試験装置 | |
JP4898233B2 (ja) | マンホールの浮上防止構造 | |
CN105926579B (zh) | 一种加压式套管冲击排水固结系统及方法 | |
CN103643690A (zh) | 一种深基坑勘探孔涌水处理方法 | |
Richards et al. | Seepage and pore pressures around contiguous pile retaining walls | |
Li et al. | The development of sand erosion induced by shield-tunnel joint leakage | |
CN113914291A (zh) | 一种膜下排气盲沟及其设计方法 | |
KR101793360B1 (ko) | 지반변형 억제 시스템 및 억제 방법 | |
JP5984006B2 (ja) | すき間充填材への注水方法 | |
CN104975610B (zh) | 一种扩大端降压井、深基坑结构及其施工方法 | |
JP2007239405A (ja) | 地盤の液状化防止方法 | |
CN102979105A (zh) | 一种井孔注浆隔渗的地下水控制方法 | |
JP6040552B2 (ja) | バキュームディープウェルを用いた地下水位低下工法及びシステム | |
Milanovic | Prevention and remediation in karst engineering | |
JP5983995B2 (ja) | 廃棄体の埋設処分施設 | |
CN104141294A (zh) | 基坑支护止水体系缺陷引发土体渗透破坏的判断方法 | |
CN210766827U (zh) | 深基坑坑内降压井 | |
Indraratna et al. | Ground improvement at the Port of Brisbane, Australia using vertical drains and vacuum assisted preloading | |
CN110043272A (zh) | 控制盾构机掘进过程中喷涌的方法 | |
JP6703438B2 (ja) | 処分孔の支保構造、地層処分施設および地層処分方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160705 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160720 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5984006 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |