JP5983263B2 - リフロー炉および電子部品実装基板の製造方法 - Google Patents

リフロー炉および電子部品実装基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リフロー対象物のリフローを実施するリフロー炉、および電子部品実装基板の製造方法に関する。
従来、例えば、特開平10−284571号公報に開示されているように、製造歩留まりを低下させる異物、例えば鉄等の磁性を有する金属系異物を磁石により取り除く構成を備えた半導体素子の製造装置が知られている。この製造装置では、搬送用ベルトの循環経路の途中に電磁石を設けている。搬送用ベルトに付着した異物を電磁石の磁力により吸着除去することにより、搬送用ベルト上における半導体ウエハへ異物が付着することを防ぐことができる。
上記公報のほか、特開昭62−112790号公報には磁力を用いて異物除去を行う薄膜処理装置が開示されている。また、特開2000−36529号公報には、ロードロック室内に磁石を設けて強磁性体パーティクルを除去する真空処理装置が開示されている。
ほかに、磁力による装置内の金属粉対策としては、特開昭62−100146号公報にかかる技術や、特開2003−289061号公報にかかる技術が開示されている。
一般に、リフロー炉内で基板を搬送するコンベアには金属製チェーンが用いられている。この金属製チェーンが稼動中に金属製の駆動部品(スプロケット、レール、ローラ等)と接触することで、金属粉が生ずるという問題がある。その対策として、コンベアの構造自体に工夫を施す技術が知られている。例えば、特開2000−165033号公報は、チェーンコンベアを用いない搬送機構を開示している。また、特開2003−179342号公報は、非金属製材料の構造物をレールに設置することで、構造物同士の接触による金属粉発生を抑制している。
特開平10−284571号公報 特開昭62−112790号公報 特開2000−36529号公報 特開平2−218456号公報 特開2000−174431号公報 特開2003−179342号公報 特開昭63−145557号公報 特開平5−267839号公報 特開2000−165033号公報 特開昭62−100146号公報 特開2003−289061号公報
リフロー炉においては、上記のとおり、金属製のコンベアが駆動部品間の磨耗によって金属粉を生じさせるという問題があった。リフロー炉には、加熱したガス(一般には空気)をリフロー対象物に当てて加熱を行う送風装置を備えるタイプのものがある。このタイプのリフロー炉では、リフロー炉内で送風装置がガスを吸入および排出することで風が生じ、リフロー炉内を金属粉が舞っている。また、リフロー対象物に直接に風を当てるので、金属粉を含むガスがリフロー対象物に直接当たる。これにより、リフロー対象物表面への汚れなど好ましくない影響が生じてしまう。結果、リフローによる電子部品実装後の回路基板の表面(特に、回路基板上に露出した電極パッドやコネクタ電極)が、金属粉で汚された状態になってしまう。なお、以下、便宜上、電子部品実装後の回路基板のことを「電子部品実装基板」とも称す。
特開昭62−112790号公報、特開2000−36529号公報、および特開平10−284571号公報にかかる装置は、いずれもリフロー炉ではないが、半導体ウェハや半導体製品などの製造過程における金属異物対策として、磁石による金属異物の捕集を行うものである。コンベアの金属製部品が鉄等の磁性体であるならば、その磨耗により生じた金属粉は、磁石により捕集することができる。しかしながら、リフロー炉は、送風装置により炉内に風が生じて金属粉が舞ったり、積極的にリフロー対象物に風を当てる必要があるなど特有の事情がある。このようなリフロー炉特有の状況下において、従来の金属異物対策では確実に金属粉を捕集することはできず、金属異物による製造品質への悪影響が生じていた。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、金属異物による製造品質への悪影響を確実に抑制することができるリフロー炉、および電子部品実装基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるリフロー炉は、
筐体と、
前記筐体内部に設けられ、リフロー対象物を載せる搭載部を有する金属製のコンベアと、
前記筐体内に開口した入口部および前記筐体内で前記搭載部に対向する出口部を有し、前記入口部を介して吸入したガスから前記出口部を介して前記コンベアの前記搭載部に載せた前記リフロー対象物に送風する送風ガスを生成する送風装置と、
前記送風ガスを加熱するヒータと、
前記送風装置において前記入口部から前記出口部へ流れるガスの経路の少なくとも一箇所に設けられ、前記コンベアから生じた金属粉を捕集する磁石と、
を備えることを特徴とする。
本発明にかかる電子部品実装基板の製造方法は、
基板上に電子部品および前記電子部品をはんだ付けするためのソルダーペーストが設けられたリフロー対象物を準備する準備工程と、
金属製コンベアおよび送風装置を備えたリフロー炉を用いて、前記コンベアで搬送する前記リフロー対象物に向けて前記送風装置により加熱した送風ガスを送ることにより、リフローを実施し、前記基板上に前記電子部品をはんだ付けするリフロー工程と、
を備え、
前記送風装置は、前記リフロー炉内に、ガスの入口部および出口部を備え、
前記送風装置における前記入口部から前記出口部へ流れるガスの経路の少なくとも一箇所において磁石を用いて前記コンベアから生じた金属粉を捕集することを特徴とする。
本発明によれば、送風装置の入口部から出口部へとガスが流れる過程で、このガスから磁石が金属異物を捕集することができる。これにより、金属異物による製造品質への悪影響を確実に抑制することができる。
本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉の斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉におけるリフロー炉本体の内部構成を示す図である。 図2におけるA−A´線に沿って見た断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる送風装置の仕切板周辺を拡大した斜視図である。 チェーンコンベア3にリフロー対象物10が載せられている様子を示す斜視図である。 チェーンコンベア3のスプロケット4周辺を拡大した図である。 本発明の実施の形態1にかかるリフロー対象物の斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる電子部品実装基板を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉における金属粉の捕集作用を説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかる電子部品実装基板の製造方法の内容を示すフローチャートである。 ワイヤボンディング工程の途中におけるプリント回路基板上の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるワイヤボンディング構造を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1にかかるボンディング工程の様子を示す模式図である。 本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉における、磁石の取り付け位置の変形例を説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉における、磁石の取り付け位置の変形例を説明するための図である。 本発明の実施の形態1にかかるボンディング工程の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかるリフロー炉の構成を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかるリフロー炉の構成を示す図である。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
(リフロー炉の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉1の斜視図である。リフロー炉1は、電子部品の表面実装技術において、はんだで電子部品と実装基板(多くの場合は、プリント回路基板)とを電気的、機械的に接合させるためのリフロー炉である。リフロー炉1は、リフロー炉本体2を備えている。リフロー炉本体2は後述する内部構成を有しており、リフロー炉1の炉本体を構成するものである。リフロー炉本体2には、投入口11および取出口12が設けられている。投入口11から「リフロー対象物」をリフロー炉本体2内部に投入することができる。
「リフロー対象物」とは、リフローによりはんだ付けを行うべき物品を意味している。「リフロー対象物」は、通常は、プリント回路基板上にソルダーペーストを塗布し、その上に電子部品が設置されたものである。プリント回路基板上にはんだ付けされる電子部品としては、セラミックコンデンサ等の受動素子部品や、トランジスタ等の能動素子が形成された半導体チップ、およびこれを集積した集積回路(IC)などがある。ソルダーペーストとは、はんだの粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたものである。
リフロー炉1は、制御装置30を備えている。制御装置30は、後述するリフロー炉本体2の内部構成と接続することで、炉内の温度制御、送風制御、コンベアの駆動速度制御などを実施するためのものである。制御装置30内の具体的構成は、一般的な制御装置と同様に、演算処理装置(CPU)、記憶装置(RAM,ROMなどの一次記憶装置、ハードディスク等の大容量ストレージ)、入力部(キーボード等)、出力部(モニタ等)を備えている。記憶装置には、炉内の温度制御、送風制御、コンベアの駆動速度制御を行うための制御プログラムが記憶されている。リフロー炉本体2には、換気部32が取り付けられている。換気部32は、リフロー炉本体2の換気を行うためのものである。換気部32は、図示しないホースあるいはパイプにより、ガス処理系統に連通している。
(リフロー炉の炉本体における内部構成)
図2は、本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉1におけるリフロー炉本体2の内部構成を示す図である。リフロー炉本体2は、耐熱性の筐体2aを備えている。内部に、下記に述べる各種構成を内蔵している。
リフロー炉本体2の内部には、チェーンコンベア3が設けられている。チェーンコンベア3は、基板搬送用に設けられた鉄製のものであり、リフロー対象物10を載せる搭載部を有する金属製のチェーンコンベアである。チェーンコンベア3は、ピン3aを有する鉄製のチェーン3b、鉄製のスプロケット4、および鉄製のガイドローラ5を備えている。スプロケット4は、図示しないモータにより回転駆動される。
スプロケット4の回転により、チェーンコンベア3のチェーン3bがスプロケット4の歯と噛み合い、チェーン3bが循環する。ガイドローラ5は、チェーン3bの循環をガイドするためのローラであり、チェーン3bに必要な張力(テンション)を与えることもできる。制御装置30は、チェーンコンベア3の駆動速度を所定速度とするように、スプロケット4を回転させるモータの回転速度を制御する。
図2に示すように、リフロー炉本体2内には、送風装置6が設けられている。送風装置6は、複数のファン6aとこの複数のファン6aをそれぞれ駆動するモータ部6cを備えている。複数のファン6aを仕切るように、仕切板8が設けられている。仕切板8は、紙面上方と紙面下方が開口している。ファン6aの回転により、送風装置6は、チェーンコンベア3に載せられたリフロー対象物10に向けて風を送ることができる。
送風装置6は、チェーンコンベア3を挟むように、紙面上方および紙面下方に上下対称に設けられている。図2において、仕切板8下方に示した紙面下方および紙面上方を向く複数の矢印は、送風装置6により生成される風の向きを示している。制御装置30は、送風装置6の送風量を目標値に一致させるように、複数のモータ部6c内のモータの回転速度を制御する。以下、送風装置6により送風されるガスを「送風ガス」とも称す。
リフロー炉本体2内部には、ヒータ7が備えられている。ヒータ7は、仕切板8が仕切る個々の空間に1つずつ設けられており、ファン6aの近傍に位置している。ヒータ7への通電を行うことで、ファン6aが回転することで発生する風を加熱できる。これにより温風(加熱ガス)をチェーンコンベア3上のリフロー対象物10へと送ることができる。ヒータ7は、リフロー対象物10のリフローを実施する程度に高温の所定温度に、送風ガスを加熱することができる。
図2において、リフロー炉本体2内の構成は、予備加熱部13、本加熱部14、冷却部15に区分される。予備加熱部13には、送風装置6のうち4つのファン6aが属している。本加熱部14には、送風装置6のうち紙面中央に位置する2つのファン6aが属している。冷却部15には、送風装置6のうち2つのファン6aが属している。ヒータ7は、予備加熱部13および本加熱部14に属するファン6aの近傍に、それぞれ設けられている。一方、ヒータ7は、冷却部15に属するファン6aの近傍には、設けられていない。冷却部15では加熱ではなく、冷却のための送風を行うからである。
制御装置30は、ヒータ7への通電量を制御することができ、これによりヒータ7の発熱量を制御することができる。ヒータ7の通電量制御は、予備加熱部13と本加熱部14とで個別に実施することができる。これにより、予備加熱部13におけるヒータ7発熱量と、本加熱部14における発熱量とを独立に調節することができる。
図2に示すように、それぞれのモータ部6cには、磁石9が取り付けられている。磁石9は、永久磁石である。磁石9の磁場により、鉄などの磁性材料が引き寄せられて捕集される。ガスが含む金属粉19を捕集可能な程度の磁力がガス経路上に及ぶように、磁石の磁力およびガス経路と磁石の距離が設計されている。
図3は、図2におけるA−A´線に沿って見た断面図である。図4は、本発明の実施の形態1にかかる送風装置6の仕切板8周辺を拡大した斜視図である。図4(a)は送風装置6の仕切板8周辺の拡大図であり、図4(b)は、送風装置6におけるガスの吸入を行うための部位である入口部6dを示した図である。入口部6dは、送風装置6の構成のうち、「符号8cを付した破線により囲まれた位置の開口」を構成する部位である。具体的には、実施の形態1では、仕切板8の一部とモータ部6cの一部が、入口部6dを構成している。
ファン6aは、回転軸6bに連結され、モータ部6c内部のモータによって回転駆動することができる。モータ部6cは、内部のモータ本体と、モータ外部のケースとを備えている。仕切板8内部には、ヒータ7および温度センサ7aが配置されている。温度センサ7aは、発熱中のヒータ7により加熱されたガスの温度を計測するためのものであり、熱電対などを用いることができる。
図3および図4に示すように、仕切板8は、第1の開口である仕切板入口部8aおよび第2の開口である仕切板出口部8bを備えている。仕切板8は、仕切板入口部8aと仕切板出口部8bにかけて、その内部が貫通している。
仕切板入口部8aは、回転軸6bとモータ部6cとの接続部位に備えられている。仕切板入口部8aは、モータ部6c側に開口している。仕切板入口部8aおよびモータ部6cは、送風装置6全体でみたときにリフロー炉本体2内に開口してガスを吸入する部位であり、リフロー炉本体2内のガス(空気)を吸入するための入口部6dを構成している。
仕切板出口部8bは、仕切板8におけるチェーンコンベア3側に備えられている。仕切板出口部8bは、送風装置6においては仕切板8のチェーンコンベア3を向く開口部であり、チェーンコンベア3のリフロー対象物10搭載部側に対向している。仕切板出口部8bは、送風装置6全体でみたときに、ガスを排出するための出口部を構成している。
図3で仕切板8周囲に設けられた太線矢印は、風の流れ16である。風の流れ16は、入口部6dから吸入され、仕切板出口部8bから排出される風の流れを図示したものである。送風装置6は、入口部6dを介してリフロー炉本体2内部の空気を吸入し、送風装置6の出口部(すなわち仕切板出口部8b)を介して、チェーンコンベア3の搭載部に加熱ガス(高温空気)を送風する。
図3に示すように、本実施の形態では、磁石9は、モータ部6cにおける回転軸6bとの接続部位に取り付けられており、ファン6aよりも上流に設けられている。磁石9は、入口部6dから仕切板出口部8bへ流れるガスの経路(風の流れ16)に設けられている。具体的には、本実施の形態では、モータ部6cにおける回転軸6bを形成した表面に、磁石9を取り付けている。磁石9は、モータ部6cの表面における回転軸6bの周囲を囲むように設けられている。
磁石9の形状は特に限定しないが、連続した一個の磁石に、回転軸6bを貫通させる穴を設けたものであってもよい。また、複数の磁石片を回転軸6bを囲むように、モータ部6c表面(ケース表面)に並べたものであってもよい。
なお、モータ部6c内部にはモータが備えられるが、モータ自身も磁石(電磁石)を備える。磁石9は、このモータ内部の磁石とは別の磁石であり、モータ部6c外部(つまりモータ部6cのケース表面よりも外側)に配置されたものである。磁石9の磁力は、モータ部6c内部のモータの回転を阻害しない程度のものである。
図5は、チェーンコンベア3にリフロー対象物10が載せられている様子を示す斜視図である。チェーンコンベア3は、対向して配置された2本のチェーン3bからなっている。チェーンコンベア3のそれぞれのチェーン3bには、ピン3aが設けられている。
チェーンコンベア3の2本のチェーン3bは、ちょうどリフロー対象物10の幅と同程度の間隔を置いて配置されている。2本のチェーンの間にリフロー対象物10を置いたときに、リフロー対象物10の両端がこのピン3aにより支持されるようになっている。このピン3aが、チェーンコンベア3におけるリフロー対象物10の「搭載部」である。
これにより、リフロー対象物10の表面と裏面とを、十分にリフロー炉本体2内のガス(空気)に晒すことができ、リフロー対象物10を均一に加熱することができる。スプロケット4の回転によりチェーンコンベア3が回転駆動されることで、リフロー対象物10がチェーンコンベア3の移動方向(チェーンの循環方向)に搬送される。
図6は、チェーンコンベア3のスプロケット4周辺を拡大した図である。スプロケット4がチェーンコンベア3のチェーン3bに噛み合っており、スプロケット4の回転によりチェーンコンベア3が移動している様子が図示されている。スプロケット4とチェーンコンベア3のチェーン3bとの摩擦により、金属粉19が生じている。
(リフロー対象物10)
図7は、本発明の実施の形態1にかかるリフロー対象物10の斜視図である。図8は、本発明の実施の形態1にかかる電子部品実装基板50の斜視図を示す。電子部品実装基板50は、リフロー対象物10がリフロー炉1を通過してリフローが実施された後、プリント回路基板10aに半導体チップ10gが実装(ワイヤボンディング)された後の段階における物品である。
リフロー対象物10は、「プリント回路基板10a上にソルダーペースト10cを印刷または塗布し、その上に電子部品10bを搭載したもの」である。上述したように、「リフロー対象物」とは、リフローによりはんだ付けを行うべき物品を意味している。
プリント回路基板10aは、セラミック基板やプリント配線板などの単層又は多層の配線基板である。プリント回路基板10aの材質は、ガラスエポキシ樹脂、セラミック、ポリイミド等である。プリント回路基板10aの大きさは様々であり、厚みも数百μmから数mmの範囲で設計される。プリント回路基板10aの上面には、複数の電極パッドが形成されている。電極パッドは導電性物質からなり、プリフラックス、はんだめっき、Ni/Auめっきなどの表面処理を銅に行ったものである。なお、図7では省略しているが、一般のプリント回路基板と同様に、プリント回路基板10の表面には配線パターンが設けられている。
電子部品10bは、表面実装用のチップ抵抗やコンデンサ、インダクタであるが、同じ実装構造の部品であればこの限りではない。電子部品10bはセラミック製の本体の内部に銀などで配線が形成されたものである。電子部品10bの両端には、電極が形成されており、この電極はニッケルや錫のめっきである。電子部品10bの電極には、ソルダーペースト10cが塗布されている。また、プリント回路基板10aには、コネクタ10fも配置されている。コネクタ10fの表面にも、導電性材料からなるコネクタ電極が設けられている。コネクタ電極はリフロー対象物10上で露出している。
プリント回路基板10aの中央には、チップ実装部10dが設けられている。チップ実装部10dは、リフロー工程の後に半導体チップが配置される領域である。チップ実装部10dの周囲を取り囲むように、複数の電極パッド10eが設けられている。電極パッド10eには、ソルダーペースト10cは塗布されていない。
図8は、本発明の実施の形態1にかかる電子部品実装基板50を示す斜視図である。電子部品実装基板50は、プリント回路基板10a上に、半導体チップ10gがワイヤ10hにより接続されたものである。また、リフローによりソルダーペースト10cがはんだ10jとなっており、はんだ10jは電子部品10bとプリント回路基板10aとの電気的および機械的に接続している。
[実施の形態1の装置の動作]
図6に示すように、スプロケット4とチェーン3bとの摩擦により、金属粉19が生じている。スプロケット4とチェーン3bとの接触以外にも、チェーンコンベア3が駆動する際にチェーン3bが接触する金属製の駆動部品(スプロケット4、ガイドローラ5、あるいは図示しないレール等)と接触することで金属粉19が生じうる。
リフロー対象物10がリフロー炉本体2内を搬送されていく途中で、金属粉19がリフロー対象物10の表面に付着してしまうおそれがある。金属粉19は本来リフロー対象物10に付着すべきでない異物であり、リフローの過程でこのような異物が付着することで電子部品実装基板50の製造品質に悪影響を及ぼす恐れがある。
より具体的には、ワイヤボンドを行うべき電極パッド10eの表面に、この金属粉19が固着することが問題となる。電極パッド10eの表面が汚れると、ワイヤボンドの接合が弱くなることが懸念される。また、コネクタ10fのコネクタ電極に金属粉19が付着することが懸念される。この場合、コネクタ10fで接触不良が起きるおそれがある。また、一旦リフローを実施した後に再度のリフローを行うような場合に、はんだ接合を行うべき電極パッドに金属粉19が付着しているときには、その金属粉19が付着した電極パッド上におけるはんだの接合性劣化が懸念される。
そこで、実施の形態1では、磁石9を設けることで、金属粉19が発生しても、プリント回路基板10aに金属粉19が付着することを防ぐことができるようにした。図9は、本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉1における金属粉19の捕集作用を説明するための図である。ファン6aの回転により空気が取り入れられ、仕切板出口部8bより風が排出され、図3や図9に示すような風の流れ16が生じる。
磁石9は、入口部6dから仕切板出口部8bへ流れるガスの経路(風の流れ16の当たる場所)に設けられている。その流れに乗ってリフロー炉本体2内に舞い飛ぶ金属粉19も移動する。鉄製の金属粉19は磁性体であるため、図9に示すように、途中で入口部6d(具体的にはモータ部6c表面)に設置した磁石9に引き寄せられて捕集される。これにより、リフロー対象物10をリフロー炉に投入し、はんだ付けを行う過程において、磁石9が金属粉19を捕集することができる。
リフロー炉内のリフロー対象物10は、チェーンコンベア3で搬送される。リフロー炉本体2内において、リフロー対象物10は、予備加熱部13、本加熱部14、冷却部15を通って最終的に取出口12から取り出される。予備加熱部13は、リフロー対象物10を100℃〜180℃の温度雰囲気に置く領域である。本加熱部14では、リフロー対象物10が200℃以上の温度雰囲気に置かれ、はんだ付けが実施される。冷却部15は、本加熱部14を通ってきたリフロー対象物10を冷却するための領域である。
リフロー対象物10の加熱は、チェーンコンベア3の上部および下部に備えられたヒータ7とファン6aにより、熱風をリフロー対象物10に吹き付けて行う。冷却は、ヒータ7なしで、ファン6aにより冷風をリフロー対象物10に吹き付けることで行う。このような加熱および冷却を実施するので、リフロー炉本体2内にはガス(空気)が絶えず循環している。
なお、換気部32の主たる役割は、フラックスの蒸気や、リフロー炉1内の熱を、作業室内に出さないようにすることである。換気部32が無い場合、フラックスの蒸気(有機溶剤や有機酸などの化学物質)やリフロー炉1内の高温空気が、投入口11や取出口12からリフロー炉1の外部すなわち作業室内に排出されてしまう。こににより、作業室内における作業環境を悪化させることが懸念される。そこで、この換気部32により、それらのフラックス蒸気や高温空気を処理し、室外に排出して、作業環境悪化を抑制することができる。なお、リフロー炉内の空気循環を工夫してフラックス成分の回収機構を設けたリフロー炉の場合には、この換気部を有さないものもある。
換気部32により、金属粉19もある程度排出されうることが予想されるが、完全には除去できないという問題があった。この点、本実施の形態にかかるリフロー炉1は金属粉19の確実な回収が可能となっている。
[実施の形態1の製造方法]
図10は、本発明の実施の形態1にかかる電子部品実装基板の製造方法の内容を示すフローチャートである。
図10に示すフローでは、先ず、リフロー対象物10を準備する準備工程が実施される(ステップS100)。このステップでは、図7で説明したように、プリント回路基板10a上にソルダーペースト10cを介して電子部品10bが取り付けられたリフロー対象物10を準備する。
(リフロー工程)
次に、投入口11からリフロー対象物10をリフロー炉本体2に投入する工程が実施される(ステップS102)。このステップでは、チェーンコンベア3のピン3a上に支持させるように、投入口11からリフロー対象物10を投入する。
次に、リフロー実施、温度制御および送風制御を行う工程が実施される(ステップS104)。このステップでは、制御装置30により、制御装置30内で実行される制御プログラムに従って、ヒータ7の通電量制御、ファン6aを回転駆動するためのモータ部6cの通電量制御、スプロケット4を回転させるためのモータへの通電量制御を行う。なお、ヒータ7の通電量制御は、温度センサ7aの出力に基づいて目標温度と一致する温度となるようにフィードバック制御するものであってもよい。
送風装置6は、ファン6aの回転により、送風装置6の入口部6dから送風装置6の出口部(すなわち仕切板出口部8b)へと向かう風の流れ16を生成する。この風の流れ16がヒータ7で加熱されることで、リフロー対象物10に加熱した送風ガスを送ることができる。磁石9は、送風ガスから磁性を帯びた異物である金属粉19を取り除くことができる。金属粉19が取り除かれたうえで、送風ガスがリフロー対象物10に当たる。これにより、金属粉19がリフロー対象物10に付着するのを抑制でき、リフロー後に最終的に完成する電子部品実装基板50に金属粉19の悪影響がおよぶことを抑制することができる。
リフロー対象物10は、予備加熱部13、本加熱部14を経由したのち、冷却部15で冷却される。
次に、冷却されたリフロー対象物10を取出口12から取り出す工程が実施される(ステップS106)。
(ワイヤボンディング工程)
続いて、ステップS106で取り出されたリフロー対象物10に対して、ワイヤボンディング工程が実施される(ステップS108)。図11乃至図13を用いて、本実施の形態にかかるワイヤボンディング工程を説明する。
図11は、ワイヤボンディング工程の途中におけるプリント回路基板10a上の構成を示す図である。図11に示すように、プリント回路基板10aは、ワイヤボンディングに用いられる電極パッド10eを備えている。図7で説明したチップ実装部10d上に、半導体チップ10gが固定されている。半導体チップ10gは、複数のチップ上電極10iを備えている。ワイヤボンディングが実施されることで、チップ上電極10iと電極パッド10eとの間がワイヤ10hで接続される。ワイヤ10hは、金属線であり、具体的には金線を用いることができる。
図12は、本発明の実施の形態1にかかるワイヤボンディング構造を説明するための模式図である。図12(a)は平面図であり、図12(b)は側面図である。ワイヤ10hは、端部20aと端部20b、およびこれらを結ぶワイヤ本体部20を備えている。
図13は、本発明の実施の形態1にかかるボンディング工程の様子を示す模式図である。実施の形態1では、図13(a)に示すように、三角ループを形成するワイヤボンディングを行う。図13(a)における点線は、三角ループ形成時におけるキャピラリ40の軌跡を模式的に示している。図13(b)は、三角ループ形成時の2ndボンドの様子を示している。図13(a)に示すように、三角ループの場合には、通常、リバース動作は1回である。
実施の形態1にかかるワイヤボンディングでは、具体的には、先ず、アーク放電によってワイヤ先端にボールが形成される。ボールが形成された後、このボールを1つめの被ボンド面(チップ上電極10iの表面)へ接合(ボールボンド)するようにキャピラリ40がワイヤ10hを案内し、第1のボンディング(1stボンド)が行われる。続いてリバース動作を経てワイヤのループ形状化が行われ、その後もう1つの被ボンド面(電極パッド10eの表面)へのボンディング(2ndボンド)が行われる。
2ndボンドの際には、熱、荷重、および超音波を併用してワイヤを変形させ、ワイヤを電極パッド10e上に接合させる。これは、サーモソニック(超音波熱圧着)方式とも呼ばれるものであり、ワイヤボンディングで多用されている方式である。リバース動作とは、ワイヤのループ形状を安定させるために、ループ形成方向の反対側へと一旦ワイヤを振る動作である。このようにして、2点間を接続するワイヤボンディング構造が完成する。
電極パッド10e表面に金属粉19が付着する汚染が生じていると、この2ndボンド時に、端部20bが電極パッド10eに十分な強度で接合をすることができない恐れがある。この点、本実施の形態にかかるリフロー炉1によれば、磁石9により金属粉19を捕集することができるので、リフロー対象物10に当たる送風ガスを金属粉19が取り除かれた清浄なものとすることができる。従って、電極パッド10e表面に金属粉19が付着することを抑制でき、2ndボンドにより端部20bと電極パッド10eとの接合強度を確保することができる。
図8に示した電子部品実装基板50は、このワイヤボンディング工程が完了した後の状態のプリント回路基板10aを示している。
(パッケージング工程)
次に、実施の形態1では、電子部品実装基板50のパッケージング工程が実施される(ステップS110)。パッケージング工程では、ワイヤボンディング実施後における電子部品実装基板50の表面が、封止樹脂により封止される。封止樹脂は例えばガラスフィラーを含有したエポキシ樹脂を用いてもよい。なお、このパッケージ工程は、必ずしも樹脂封止工程に限られるものではない。電子部品実装基板50を金属製ケース内に取り付けたり、樹脂ケース内に取り付けるなどの工程が実施されても良い。また、電子部品実装基板50そのものが製品として販売され市場に流通する場合にはこのパッケージング工程が省略されることもある。
その後、今回の製造フローが終了する。
以上説明した実施の形態1によれば、チェーンコンベア3上のリフロー対象物10に送風ガスを当てる場合に、磁石9を用いて、金属粉19を除去したガスを送風ガスとすることができる。
すなわち、リフロー炉は、送風装置により炉内に風が生じて金属粉が舞ったり、積極的にリフロー対象物に風を当てる必要があるなど特有の事情がある。リフロー対象物に当たる送風ガスから金属粉を確実に除去することが好ましい。
この点、本実施の形態によれば、送風装置6によりリフロー炉本体2内のガス(空気)が吸入、排出される過程で、そのガスが不可避的に磁石9の近傍を通過することとなる。よって、磁石9により確実に金属粉19を捕集することができる。その結果、リフロー対象物10に当たる送風ガスを金属粉19が取り除かれた清浄なものとすることができる。特に、実施の形態1にかかる製造方法によれば、ワイヤボンディングが実施される電極パッド10e表面に金属粉19が付着することを抑制でき、ワイヤと電極パッド10eの接合強度を確保することができる。
本実施の形態1に示すように、磁石9の好ましい取り付け位置としては入口部6d付近がよい。ファン6a下流の仕切板出口部8b付近では風速が速くなっているので、金属粉19を捕らえ難いからである。入口部6d付近であれば、金属粉19は必ず磁石9の近くを通り、そのときの風速も仕切板出口部8b付近ほどには速くない。また、送風装置6内部に位置する構成(ファン6a、回転軸6b、仕切板8内面、温度センサ7a、ヒータ7など)へ金属粉19が付着することを防止できるという利点もある。
[実施の形態1の変形例]
磁石9は、送風装置6の入口部6dから送風装置6の出口部(すなわち仕切板出口部8b)へ流れるガスの経路の少なくとも一箇所に設けられたものである。本実施の形態では、好ましい形態として、入口部6d付近に磁石9が設けられている。しかしながら本発明はこれに限られるものではない。
磁石9は、「送風装置6において入口部6dから出口部(仕切板出口部8b)へ流れるガスの経路(風の流れ16)上」に設けられている。図3では入口部6dに磁石を設置しているが、ファン6aの回転を妨げない位置であれば、入口部6dから出口部(仕切板出口部8b)に至るガスの経路(風の流れ16)が接する所望の位置に磁石9を設けることができる。
図14および図15は、本発明の実施の形態1にかかるリフロー炉1における、磁石9の取り付け位置の変形例を説明するための図である。
例えば、図14に示すように、仕切板8の内面であって、仕切板入口部8aと仕切板出口部8bの中央付近に磁石9を設けても良い。
また、図15のように、仕切板出口部8bに磁石9を設置してもよい。図15(a)は出口部に磁石9を設ける第1の変形例である。温度センサ7aの位置を一例として仕切板8の外側(図2であれば、紙面の手前側あるいは奥側の仕切板8表面)に配置している。図15(a)に示す変形例では、仕切板出口部8bの全周縁(四辺全て)にわたって磁石9を設ける。
なお、仕切板出口部8bの全周縁にわたって磁石9を設けてもよいが、必ずしもこれに限られない。図15(b)は出口部に磁石を設ける第2の変形例である。仕切板出口部8bの周縁部のうち、対向する二辺のみに長方形の磁石49a、49bを設けて、磁石49a、49bを設けない辺に温度センサ7aを設けている。このようにすることで、温度センサ7aによる送風ガスの温度検知精度の確保と、磁石49a、49bによる金属粉19の捕集とを両立することができる。
また、図示しないが、仕切板8の仕切板入口部8aの縁に磁石9を設けても良い。
なお、図3、図14、図15では、それぞれ、磁石9の取り付け位置は一箇所ずつであった。しかしながら本発明はこれに限られるものではない。複数の箇所に、磁石9を設けても良い。例えば、図3のようにモータ部6cに第1の磁石9を取り付け、図14や図15のように仕切板8内部のファン6a下流側に第2の磁石9を取り付けても良い。また、3つ以上の箇所に磁石9を設けても良い。
なお、仕切板入口部8aとモータ部6cとの間は離間しており、磁石9は仕切板8の仕切板入口部8aに取り付けられてはいない。この場合においても、前述したように、「モータ部6cの回転軸6b側表面部位」は送風装置6の構成の一部であるとともに風の流れ16が仕切板8内に流入する入口に当たり、送風装置6の入口部6dを構成している。よって、実施の形態1の磁石9の取り付け位置も、送風装置6において「入口部から出口部へ流れるガスの経路の少なくとも一箇所」に含まれる。
なお、実施の形態1では、送風装置6は、その構成要素(ファン6a、回転軸6b、モータ部6c、および仕切板8)が、リフロー炉本体2内部に露出された構成である。しかしながら、本発明はこのような送風装置に限られるものではない。
送風装置6が更にケースを有しており、このケース内にファン6a、回転軸6b、モータ部6c、仕切板8が収納されたものであってもよい。このケースの一部に「リフロー炉本体2内部で開口する入口部」を設け、このケースの他の一部に「チェーンコンベア3側に向けて開口する出口部」を設けてもよい。この入口部からリフロー炉本体2内のガスを吸入するようにして、この入口部からこの出口部までのガスの経路の途中に、磁石9を配置すればよい。この場合には、当該入口部の開口の縁部、ケース内壁又は外壁における開口付近(開口の周縁の少なくとも一部)、ケース内壁、出口部の開口の縁などの、送風装置が生成する風の流れの経路上の少なくとも一箇所に、磁石9を取り付ければよい。
なお、実施の形態1では磁石9の形状は直方体となっているが、円柱状やU字形など、特に限定しない。環状、ドーナツ状であってもよい。
実施の形態1においてチェーンコンベア3の各構成(チェーン3b、スプロケット4、ガイドローラ5)は鉄製であったが、本発明はこれに限られるものではない。チェーンコンベア3の各構成は、リフロー炉本体2内部の高温に耐えられる材料であることが求められる。鉄以外の磁性を有する材料であってもよく、他の金属材料(コバルト、ニッケルなど)、合金材料(ステンレススチール、SUSなど)で形成されたものでもよい。磁性を帯びた粉状体である金属粉19が生じうるのであれば、これを磁石9で捕集することができるからである。
実施の形態1では、図13(a)に示すように、三角ループを形成するワイヤボンディングを行っている。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。
図16は、本発明の実施の形態1にかかるボンディング工程の変形例を示す図である。図16のように、台形ループを形成するワイヤボンディングを行ってもよい。図16(a)は、台形ループ形成時におけるキャピラリ40の軌跡を模式的に示している。図16(b)は、台形ループ形成時の2ndボンドの様子、および、台形ループ形状のワイヤ10hを示している。図16(a)に示すように、台形ループの場合には、リバース動作は2回であり、三角ループの場合よりも多い。
なお、実施の形態1では、上述のようにボールを形成する工程(スパークを飛ばしてワイヤを溶かす)を有するワイヤボンディングを実施した。ボールを形成するこの種のワイヤボンディング方法は、ボールボンディング法あるいはネールヘッドボンディング(Nail Head Bonding)法と称され、量産工程で多用されるものである。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。ボールを形成しない方式(いわゆる「ウェッジボンディング方式」)を用いても良い。ウェッジボンディング方式は、大電流を流すパワーデバイス(IGBT、パワーMOSFET、ダイオード等)や、過酷な条件下で用いられる集積回路(たとえば、自動車関連IC)などの生産に利用される方式である。ボールボンディングと違い、ボールを作る必要がないために、金線以外にもアルミ線などのワイヤを使うこともできる。ボンディングには、キャピラリ40ではなく、ウェッジツールと呼ばれるものを用いる。
使用する磁石9の材料は特に限定しないが、より好ましい形態として、加熱ファン近傍などの高温になる部分ではサマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石を用いることが好ましい。高温雰囲気でも十分に磁力を保つことができるからである。
実施の形態2.
図17は、本発明の実施の形態2にかかるリフロー炉の構成を示す図であって、ファン6aおよび仕切板8の周辺部位を拡大して示す図である。実施の形態1では永久磁石である磁石9を用いたが、実施の形態2では磁石9に代えて、電磁石120を用いる。電磁石120にかかる部分を除き、実施の形態2にかかるリフロー炉は、実施の形態1のリフロー炉1と同様の構成を備えている。
磁石9を電磁石120に変更することで、電磁石120の電源を切ったときに、捕集した金属粉19が電磁石120から離れる。これにより、電磁石120で捕集した金属粉19を容易に除去することができる。なお、電磁石120の通電制御は、制御装置30により行われる。
なお、上述した実施の形態1にかかる電子部品実装基板の製造方法および実施の形態1の変形例においても、実施の形態2にかかる構成(すなわち電磁石120を用いるリフロー炉)を利用することができる。例えば、電磁石120の取り付け位置、形状、個数などについて、実施の形態1で述べた変形例と同様の変形を加えることができる。
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3にかかるリフロー炉の構成を示す図であって、ファン6aおよび仕切板8の周辺部位を拡大して示す図である。実施の形態3では、磁石9を覆う磁石カバー121が設けられている。この点を除き、実施の形態3にかかるリフロー炉は、実施の形態1のリフロー炉1と同様の構成を備えている。
磁石9の周囲に取り外し可能な磁石カバー121を設けると、磁石カバー121を交換することで捕集した金属粉19を容易に除去できる。磁石カバー121は、磁石9の磁気を遮蔽せずに磁石9を覆う取外し可能なカバーである。より具体的には、実施の形態3にかかる磁石カバー121は、磁石9と接する面に粘着面を備えたポリイミドテープである。このポリイミドテープは、リフロー炉1内の高温雰囲気(200℃以上)に十分に耐えられる耐熱性材料である。
なお、磁石カバー121を、両面(表面および裏面)に粘着性を備える両面粘着シートとしてもよい。これにより、磁石9が金属粉19に引き寄せられて磁石カバー121に接したときに、シート表面の粘着性によって確実な捕集が可能となる。
また、粘着性のテープ以外に、セラミックなど非磁性材料で作成した磁石カバーを、磁石9を覆う位置に取り付けてもよい。この場合の固定方法は、例えば、ボルトによる締結やばねによる押圧固定により、モータ部6c表面や仕切板8に大して、磁石カバーを取り付けてもよい。
なお、上述した実施の形態1にかかる電子部品実装基板の製造方法および実施の形態1の変形例においても、実施の形態3にかかる構成(すなわち磁石カバー121で磁石9を覆ったリフロー炉)を利用することができる。例えば、磁石カバー121を取り付けた磁石9について、その取り付け位置、形状、個数などについて、実施の形態1で述べた変形例と同様の変形を加えることができる。
なお、磁石カバー121は、少なくともリフロー炉本体2の内部空間に露出する面に、粘着面を備えるものとしてもよい。具体的には、上述のようにポリイミド性の両面粘着シートとすることで、リフロー炉本体2の内部空間に露出する面に粘着面を設けてもよい。あるいは、セラミック等の非磁性材料からなる磁石カバーに対して、リフロー炉本体2の内部空間に露出する面に粘着テープ等により粘着面を設けても良い。
このように磁石カバー121を構成した場合、これを実施の形態2(電磁石120を備える構成)と組み合わせることで、次の利点がある。すなわち、電磁石は、通電中に限り磁石として機能する。そこで、両面粘着性シートからなる磁石カバー121でこの電磁石120を覆うことで、電磁石120が非通電中の期間においても、両面粘着性シートからなる磁石カバー121によって金属粉19を捕獲しておくことができる。これにより、取り外し可能なカバーによるメインテナンス性向上とともに、非通電中においても金属粉19を捕獲しておくことができるという利点も得られる。
1 リフロー炉、2 リフロー炉本体、2a 筐体、3 チェーンコンベア、3a ピン、3b チェーン、 4 スプロケット、5 ガイドローラ、6 送風装置、6a ファン、6b 回転軸、6c モータ部、6d 入口部、7 ヒータ、7a 温度センサ、8 仕切板、8a 仕切板入口部、8b 仕切板出口部、9 磁石、10 リフロー対象物、10a プリント回路基板、10b 電子部品、10c ソルダーペースト、10d チップ実装部、10e 電極パッド、10f コネクタ、10g 半導体チップ、10h ワイヤ、10i チップ上電極、11 投入口、12 取出口、13 予備加熱部、14 本加熱部、15 冷却部、19 金属粉、20 ワイヤ本体部、20a 端部、20b 端部、30 制御装置、32 換気部、40 キャピラリ、50 電子部品実装基板、120 電磁石、121 磁石カバー

Claims (11)

  1. 筐体と、
    前記筐体内部に設けられ、リフロー対象物を載せる搭載部を有する金属製のコンベアと、
    前記筐体内に開口した入口部および前記筐体内で前記搭載部に対向する出口部を有し、前記入口部を介して吸入したガスから前記出口部を介して前記コンベアの前記搭載部に載せた前記リフロー対象物に送風する送風ガスを生成する送風装置と、
    前記送風ガスを加熱するヒータと、
    前記送風装置において前記入口部から前記出口部へ流れるガスの経路の少なくとも一箇所に設けられ、前記コンベアから生じた金属粉を捕集する磁石と、
    を備えることを特徴とするリフロー炉。
  2. 前記コンベアは、金属製のチェーン、金属製のスプロケット、および金属製のガイドローラの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のリフロー炉。
  3. 前記磁石は、前記入口部に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載のリフロー炉。
  4. 前記磁石は、電磁石であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリフロー炉。
  5. 前記磁石の磁気を遮蔽せずに前記磁石を覆う取外し可能なカバーであって、前記筐体内に露出して粘着性を有する粘着面を備えたカバーを、
    さらに備えることを特徴とする請求項4に記載のリフロー炉。
  6. 前記磁石の磁気を遮蔽せずに前記磁石を覆う取外し可能なカバーを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリフロー炉。
  7. 前記磁石は、サマリウムコバルト磁石又はアルニコ磁石であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のリフロー炉。
  8. 前記送風装置は、
    それぞれが前記コンベアに送風するように配列され、それぞれが回転軸を備えた複数のファンと、
    前記回転軸をそれぞれ回転させるためのモータ部と、
    前記モータ部と離間して配置され、前記搭載部に対向する第1の開口および前記回転軸と前記モータ部とが接続する部位に対向する第2の開口を備え、前記複数のファンの間を仕切る仕切部材と、
    を備え、
    前記第1の開口が、前記送風装置の前記出口部を構成し、
    前記仕切部材における前記第2の開口の縁部と前記第2の開口と対向する前記モータ部の表面部位とが、前記送風装置の前記入口部を構成し、
    前記磁石は、前記モータ部の前記表面部位に取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリフロー炉。
  9. 基板上に電子部品および前記電子部品をはんだ付けするためのソルダーペーストが設けられたリフロー対象物を準備する準備工程と、
    金属製コンベアおよび送風装置を備えたリフロー炉を用いて、コンベアで搬送する前記リフロー対象物に向けて前記送風装置により加熱した送風ガスを送ることにより、リフローを実施し、前記基板上に前記電子部品をはんだ付けするリフロー工程と、
    を備え、
    前記送風装置は、前記リフロー炉内に、ガスの入口部および出口部を備え、
    前記送風装置における前記入口部から前記出口部へ流れるガスの経路の少なくとも一箇所において磁石を用いて前記コンベアから生じた金属粉を捕集することを特徴とする電子部品実装基板の製造方法。
  10. 前記リフロー対象物は、ワイヤボンディングに用いられる電極パッドを備える実装基板であり、
    前記リフロー工程の後に、前記実装基板上に半導体チップを搭載し、前記半導体チップの電極と前記電極パッドとをワイヤで接続するようにワイヤボンディングを実施する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の電子部品実装基板の製造方法。
  11. 前記送風装置における前記入口部において前記磁石を用いて前記金属粉を捕集することを特徴とする請求項9または10に記載の電子部品実装基板の製造方法。
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