JP5982912B2 - ペースト製造方法 - Google Patents

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本発明は、無機粒子と不飽和二重結合を持つ化合物を含む高粘度材料(以下、ペーストという)を微細に分散させるのに好適な製造方法に関するものである。
高粘度のペーストを微細に分散させる分散機として、ロールミルやメディア型分散機が多用されているが、ロールミルは装置が開放形であるために溶媒が蒸発したり、吸湿することによるペースト特性の変動、作業環境からの異物の混入の問題があった。また、機械操作にも熟練を必要とし、ロールの間隙の不均一性に起因する分散不良の問題もある。一方、メディア型分散機は密封構造とすることができ、連続処理も可能であるが、粉砕媒体の摩耗や破壊による交換頻度が高く、高粘度のペーストでは出口部分に配置されているスクリーンやギャップセパレータに媒体が集中し、運転ができなくなる問題もあった。
これらに代わるものとして、密閉型連続処理分散機としてローターと自公転可能なローラーを有する分散機が提案されている(例えば、特許文献1)。前記分散機においては、円筒容器と同軸状に、回転軸と平行な溝を複数形成した回転可能なローターを有し、前記溝内に自公転可能なローラーを有し、ローターが回転することによりペーストがローラーと円筒容器の内壁の間、及びローラーとローターの溝内面との間での圧縮、剪断作用により分散を行う。ここで、分散前混合物の通過部分は、円筒容器の内壁面とローターの外周面との間の隙間部分およびローターに形成された溝とローラーのわずかな隙間である。しかしながら、不飽和二重結合を持つ化合物を含む粘度が数十Pa・s以上の高粘度なペーストを分散する場合、遠心力によって発生するずり応力を大きくするほど発熱が大きくなり、熱による開始剤や不飽和二重結合からのラジカル発生、重合反応進行が起こる場合があった。この場合、得られたペーストが経時的に粘度上昇したり、所望の硬化特性が得られない等の品質不具合が発生する。特に、このような品質不具合は、少量のサンプル試作では発生することが少なく、実生産のスケールではじめて発生する場合が多かった。
分散時の重合抑制として、重合禁止剤を増量する方法があるが、この場合ペーストの反応特性が低下し、所望の硬化度が得られない問題があった。また、ローター内部や円筒外周を水冷する方法があるが、この方法では一定水温以下にした場合、混練機内部での結露の懸念があるため、水温に制約があり、必要な量の除熱が出来ない問題があった。また、発熱を抑えるため、ずり応力を抑えると、所望の分散度が得られないため、ペースト中に凝集粒子が残ったり、フォトリソグラフィー用ペーストの場合、高精細なパターンが得られない問題があった。
特開平11−197479号公報
本発明は、無機粒子と、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む有機成分とを含有するペーストを、密閉型混練機を用いて分散処理する際に、ラジカル重合による特性劣化を解消し、十分な分散特性を示し、異物混入のないペーストを得ることを目的とするものである。
本発明のペースト製造方法は、無機粒子と、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む有機成分とを含有するペーストの製造方法であって、前記有機成分を混合し有機ビヒクルを作製する工程、前記無機粒子と前記有機ビヒクルを混合して分散前混合物を得る工程、前記分散前混合物を密閉型混練機を用いて分散処理する工程を含み、前記有機ビヒクル中の重合禁止剤の量が不飽和二重結合を持つ化合物に対し1質量%以下であり、かつ前記分散処理する工程に供する前記分散前混合物中の溶存酸素濃度を2〜20mg/Lの範囲内とし、前記無機粒子と前記有機ビヒクルを混合して分散前混合物を得る工程において、前記無機粒子と前記有機ビヒクルの体積の和の1.25〜2.50倍の容積を有する混合槽を用い、酸素を含む気体の存在下で撹拌羽根を用いて撹拌することを特徴とするペースト製造方法である。
本発明の製造方法を用いた場合、高粘度ペーストにおいても、均一且つ十分に分散され、凝集粒子がなく、異物混入のないペーストを製造することができる効果がある。
本発明のペースト製造方法で製造するペーストは、無機粒子と、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む有機成分とを含有する。
本発明のペースト製造方法で製造するペーストは、無機粒子を含む。無機粒子を含むペーストとすることにより、これを塗布して有機物と無機粒子からなる塗膜として用いるか、必要に応じ得られた塗膜を焼成して有機成分を除去して無機成分のみからなる無機膜あるいは無機物パターンとして用いることができる。無機粒子としては焼成後に強固な膜を得るために低軟化点ガラス粉末を含むことが好ましい。
本発明のペースト製造方法で製造するペーストは、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む。不飽和二重結合を持つ化合物および重合開始剤を含むことによって熱硬化型あるいは光硬化型のペーストとすることができる。また、重合禁止剤を含むことによって、ペースト保管時に重合が進んでしまう場合があり、保管時に粘度が上昇したり、保管後のペーストを用いて塗膜を形成し、これを加熱あるいは露光しても十分硬化しないといった品質不具合が発生するのを防ぐことができる。
本発明のペースト製造方法は、前記有機成分を混合攪拌し有機ビヒクルを作製する工程、前記無機粒子と前記有機ビヒクルを混合して分散前混合物を得る工程、前記分散前混合物を密閉型混練機を用いて分散処理する工程を含む。この3段階の工程を含むことによって、有機成分の組成を均一にでき、また無機粒子の凝集を抑制することができ、有機成分と無機成分の混合状態が均一なペーストを得ることができる。
上述のようなペースト製造方法においては、分散処理の工程において熱が発生するため、その熱により重合開始剤や不飽和二重結合からラジカルが発生し、重合反応進行が起こり、粘度上昇や硬化性能不良といった問題が発生することが多い。この問題を解決するために重合禁止剤の量を多くすると、塗膜を加熱あるいは露光しても十分硬化しないといった品質不具合が発生する。
このような問題点を解決するため、本発明は、前記有機ビヒクル中の重合禁止剤の量が不飽和二重結合を持つ化合物に対し1質量%以下であり、かつ前記分散処理する工程に供する前記分散前混合物中の溶存酸素濃度を2〜20mg/Lの範囲内とすることを特徴とする。重合開始剤の量を不飽和二重結合を持つ化合物に対し1質量%以下とすることによって十分な塗膜の硬化性能を得ることができ、分散前混合物中の溶存酸素濃度を2〜20mg/Lの範囲内とすることによって分散処理の工程でラジカルが発生するのを抑制することができる。分散前混合物中の溶存酸素濃度が2mg/L未満では保管時に粘度が上昇し、十分な硬化性能が得られないという問題が生じる。一方、分散前混合物中の溶存酸素濃度が20mg/Lよりも多い場合は、例えペーストを使用する前に脱泡処理を行っても十分な硬化性能を得ることができない。
上記目的を達成するために、本発明の好ましい形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明による製造方法のプロセスフローの一例である。
ペースト原料のうち、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む有機成分を混合攪拌し有機ビヒクルを調整する。混合攪拌をより均一に行うために、加温することが好ましい。また、無機粒子径よりも微細な異物については、無機粒子と混合した後は濾過により除去することが困難であるため、無機粒子と混合する前の有機ビヒクルの状態で精密濾過することが好ましい。
次に無機粒子と前記有機ビヒクルを混合し、分散前混合物を得る。
本発明において分散前混合物中の溶存酸素濃度を2〜20mg/Lの範囲内とする方法として、該混合工程にて、攪拌時に酸素を含む気体の随伴を利用する方法が好ましい。図2、図3に本発明の製造方法の有機成分と無機粒子の混合工程に使用する混合機の例を示す。気体の随伴を効率よく行うために、主に系の全体均一性を担保するための主翼攪拌羽根1の他に、主翼よりも高速回転を行う攪拌羽根(ディスパー)2を備えることが好ましい。より有効に気体の随伴を行うため、該高速攪拌羽根(ディスパー)2の分散前混合物4の液面からの深さ及び回転数を調整することで、酸素または酸素を含む気体の気泡5の量を調整することができ、所望の溶存酸素濃度が得られる。
また、気体の随伴を効率よく行うために、無機粒子と有機ビヒクル体積の和に対し、1.25〜2.5倍、より好ましくは1.5〜2.0倍の容積を有する混合槽を用い、酸素を含む気体の存在下で撹拌羽根を用いて撹拌することが好ましい。
また、高速攪拌羽根(ディスパー)2に向けて、酸素または酸素を含む気体を注入する方法も有効である。この場合、導入する酸素の量は、取り扱う分散前混合物の引火点やその蒸気の爆発下限界濃度を鑑み調整すると良い。また、注入する気体は、温度が低いほど分散前混合物への溶解が進むため、結露等の弊害が発生しない範囲で冷却することが好ましい。
図4は本発明の分散処理に用いる密閉型混練機の一例である。
分散前混合物は図4に示すように、定量ポンプ14を用いて供給することが好ましい。定量ポンプ14の具体例としては、渦巻ポンプ、タービンポンプなどの遠心ポンプ、軸流ポンプなどのプロペラポンプ、渦流ポンプなどの粘性ポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、チューブポンプなどの往復動ポンプ、ギアーポンプ、偏心ネジポンプ、ベーンポンプ、ローラーポンプなどの回転ポンプが挙げられる。粘度の高い分散前混合物を供給するのには、ダイヤフラムポンプ、偏心ネジポンプが好ましい。定量ポンプ14を用いることで、分散前混合物の分散性を安定させることができる。また、接液部がジルコニア、サイアロンなどのセラミックス材で作製されていることが、耐摩耗性を向上できるため好ましい。
本発明に用いる分散機は、密閉型であれば、いずれも好適に使用できる。密閉型分散機を用いることによって、異物や水分の混入を防止し、分散性の優れた分散前混合物を得ることができる。図4は特に好適に用いることの出来る密閉型分散機の外観を示した模式図である。図4に示す密閉型分散機は密閉された混練部となる筒状容器6を有し、筒状容器の一方の端部近傍に分散前混合物の供給口12を、他方の端部近傍に分散前混合物の吐出口13を備える。筒状容器の長手方向に垂直な断面は円であることが好ましい。
筒状容器4は密閉された混練部として働くが、混練部は図5に示す密閉型ロール式混練機、あるいは図6に示す密閉型ビーズ式混練機とすることが好ましい。
図5に示す密閉型ロール式混練機は回転軸8に垂直な方向の内面の断面形状が円である筒状容器6を有する。後述のローター7およびローラー9が筒状容器内部で回転し、ローター7およびローラー9と筒状容器6内面の距離を一定に保つため、前記回転軸8に垂直な方向の内面の断面形状が円である必要がある。筒状容器6内に、これと同軸状に回転可能なローター7を配置する。該ローター7の外周部にはその回転軸8と平行な溝を複数形成し、各溝内にローラー9を配置する。ローター7が筒状容器6内で回転すると、遠心力によりローター7の各溝内に封入されているローラー9が筒状容器6の内壁面に当接して自転しながら筒状容器6内を公転する。そして、供給口12から筒状容器6内に強制的に導入された分散前混合物は、ローラー9により筒状容器6の内壁面に押し付けられ、また、遠心力により溝の内壁とローラー9の外周面との間に形成されたわずかな隙間において、圧縮、剪断作用を繰り返し受けながら吐出口13へと押し出される。ローラー9は、外周面とのわずかな隙間全体に分散前混合物が浸透することにより、その潤滑作用によって自転しながら公転することができる。この結果、溝内で自転するローラー9により、上述の隙間およびわずかな隙間で分散前混合物は強力な圧縮作用と剪断作用を受ける。ローラー9の大きさは、溝にほぼ内接しながら筒状容器6の内壁面にほぼ接する程度の径とするのが好ましく、溝とローラー9との間に形成されたわずかな隙間が0.5〜1.5mmとなる程度の径とするのがより好ましい。
図6は密閉型ビーズ式分散機を示す模式図である。回転軸8方向の一方の端部近傍に分散前混合物の供給口12を、他方の端部近傍に分散前混合物の吐出口13を備え、前記回転軸8に垂直な方向の内面の断面形状が円である筒状容器4を有する。ローター15が筒状容器内部で回転し、筒状容器4内部に仕込まれたビーズ16に衝突することで、ビーズ16に運動エネルギーを与える。そして、ビーズ16が分散前混合物中の無機粒子に衝突する際の衝撃エネルギーによって凝集粒子の解砕が行われる。密閉型ビーズ式分散機の場合は、ビーズ径や回転数の選定が重要であり、与える運動エネルギーが大きすぎる場合、無機粒子の破砕や再凝集を引き起こすことがある。
本発明の分散工程においては、筒状容器4の外周または分散前混合物の供給配管の外周に、冷却水を通過させるジャケット11を形成することが好ましい。このジャケット11が形成されていると、冷却水がジャケット11を通過することにより、分散前混合物を冷却しながら分散させることができる。また、冷却には、水以外の冷媒を使用しても良い。
冷媒の温度は、5〜25℃であることが好ましく、さらに好ましくは10〜20℃である。5℃未満では、分散前混合物の粘度が上がりすぎ、配管や分散機内での圧損が大きく、供給速度が不安定になる、供給ポンプの装置負荷増大により、装置寿命が短くなる、冷却コストが増大する、配管表面で結露が起こる 等の不具合が生じる。25℃を超えると、分散前混合物の粘度が下がるため、ロール式混練機での剪断力が低下し所望の分散度が得られない、等の不具合が生じる場合がある。
本発明の分散機においては、耐摩耗性を向上させるために、筒状容器4、ローター5およびローター15、ローラー8、ビーズ16は超硬材料やジルコニア、サイアロン等のセラミックス材で作製するのが好ましい。
本発明の製造方法で製造する、無機粒子と、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む有機成分とを含有するペーストは、熱重合性ペーストまたは感光性ペーストである。特に、電子材料用途として、プラズマディスプレイの製造に用いる電極ペースト、誘電体ペースト、隔壁ペーストまたは蛍光体ペーストの製造に好適である。
本発明の製造方法で製造するペーストは、不飽和二重結合を持つ化合物および重合開始剤が必須成分として含む。不飽和二重結合を持つ化合物としては、反応性モノマー、反応性オリゴマー、反応性ポリマーのうち少なくとも1種類を含有する。重合開始剤としては、特定波長により開始反応する光重合開始剤を用いる。さらに必要に応じて、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などの添加剤成分を加えたものがあげられる。
反応性モノマーとは、炭素−炭素不飽和二重結合を含有する化合物で、その具体的な例としては、単官能および多官能の(メタ)アクリレート類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類などを用いることができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート等のアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素原子または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上させることができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
これら反応性モノマーの含有率は、ペースト総和に対して、0.5〜20質量%が好ましい。
また、反応性オリゴマー、反応性ポリマーとしては、前記炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物のうちの少なくとも1種類を重合して得られるオリゴマーやポリマーを用いることができる。前記炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物の含有率は、反応性オリゴマーまたは反応性ポリマー中、10質量%以上であることが好ましく、さらに30質量%以上であることがより好ましい。さらに、反応性オリゴマー、反応性ポリマーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重合することによって、アルカリ水溶液などの水系現像液を用いる場合の感光後の現像性を向上することができるため好ましい。不飽和カルボン酸の具体的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物などがあげられる。こうして得られた側鎖にカルボキシル基等の酸性基を有するオリゴマーまたはポリマーの酸価(AV)は30〜150であることが好ましく、70〜120であることがより好ましい。酸価が30未満であると、未露光部の現像液に対する溶解性が低下するため現像液濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくい傾向がある。また、酸価が150を超えると現像許容幅が狭くなる傾向がある。
これらの反応性オリゴマー、反応性ポリマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、反応性を持つ反応性ポリマーや反応性オリゴマーとして用いることができる。好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させる方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等がある。
また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させることが好ましい。
本発明のガラスペーストを感光性ガラスペーストとする場合、感光性ガラスペースト中の反応性オリゴマーおよび/または反応性ポリマーの含有量は、パターン形成性、焼成後の収縮率の点から、無機粉末と有機溶媒を除く有機成分の和に対して、5〜30質量%であることが好ましい。
本発明のガラスペーストを感光性ペーストとする場合には重合開始剤として光重合開始剤を含有する。その具体的な例としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4’−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤などがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
重合開始剤は、ペーストに対し、0.1〜10質量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.2〜5質量%である。
本発明のペースト製造方法で製造するペーストは、重合禁止剤を不飽和二重結合を持つ化合物に対し1質量%以下、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは、0.01〜0.8質量%の範囲で含有する。
使用する重合禁止剤は、具体的には、ヒドロキノン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジブチルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、N−フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノール、クロラニール、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール等が挙げられるがこれらに限定されない。本発明では、これらを1種以上使用することができる。
重合禁止剤が多すぎると、所望の感度が得られず、工業的に実用的な露光時間内では、硬化不足により現像時にパターンが蛇行したり、剥がれたりする。重合開始剤が少ない場合は、ペースト常温保管中に粘度上昇したり、塗布加工する前に脱泡処理した時に、ゲル化がおきたりする場合がある。
本発明のペースト製造方法で感光性ペーストを製造する場合は、光重合開始剤と共に増感剤を使用し、感度を向上させ、また、反応に有効な波長範囲を拡大することができる。
増感剤の具体例としては、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニルビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾール等が挙げられる。
本発明のペースト製造方法では、上記増感剤を1種または2種以上使用することができる。増感剤を感光性ペーストに添加する場合、その添加量は感光性有機成分に対して通常0.1〜30質量%、より好ましくは0.2〜25質量%である。
本発明のペースト製造方法で感光性ペーストを製造する場合は、紫外線吸収剤を添加することも有効である。感光性ペーストでは、ペースト被膜の内部で露光光の散乱が大きく、パターンが広がりやすい傾向にある。紫外線吸収剤を添加することで、露光光による感光性ペースト内部の散乱光を吸収し、散乱光を弱め、シャープなパターンが得られる。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリチル酸系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物、無機系の微粒子酸化金属等が挙げられる。これらの中でもベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、インドール系化合物が特に有効である。これらの具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、インドール系の吸収剤であるBONASORB UA−3901(オリエント化学社製)、BONASORB UA−3902(オリエント化学社製)SOM−2−0008(オリエント化学社製)等が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、これら紫外線吸収剤の骨格にメタクリル基等を導入し反応型として用いてもよい。本発明では、これらを1種以上使用することができる。
紫外線吸収剤の添加量は、感光性ペースト中に0.001〜10質量%、より好ましくは、0.005〜5質量%の範囲である。
本発明のペースト製造方法で感光性ペーストを製造する場合、紫外線吸収剤と重合禁止剤をコントロールすることで、パターン形状のコントロールが可能となる。
本発明のペースト製造方法で製造するペーストがアクリル系共重合体を含む場合、保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐためにガラスペースト中に酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤の具体的な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−6−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェニルホスファイトなどがあげられる。酸化防止剤を添加する場合、その添加量は、ガラスペースト中に、0.01〜1質量%であることが好ましい。
本発明のペースト製造方法で製造するペーストに使用される有機溶剤としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、イソプロピルアルコール、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ベンジルアルコール、テルピネオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなどのケトン類、乳酸エチル、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、ノルマルプロピルアセテート、イソブチルアセテート、ノルマルペンチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートなどのエステル類、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類などが挙げられる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)[分散前混合物・ペーストの評価方法]
(1)粘度
使用装置:フィールド型の粘度計(ブルックフィールド製、モデルDV−III)。
測定条件:回転数3rpm、測定温度25℃。
判定基準:ペースト粘度の経日変化率によって安定性を判定する。合格基準を粘度変化率10%/14日 未満とした。
(2)分散性
使用装置:遠心沈降評価装置(日本ルフト製LUMiSizer)。
測定方法: ペーストをガラスセルに1cc注入し、4000rpmで遠心をかける。該遠心場において無機粒子成分が沈降し、上澄みが形成される。該上澄み形成に伴いペーストの光線透過率の増大を連続計測し、積算透過率の時間変化を算出した。
判定基準:数値が大きいことは、凝集粒子径が大きく、沈降速度が速い、即ち分散性が悪いことを示す。合格基準を600(%/hr・Pa・s)未満とした。
(3)溶存酸素濃度
使用装置:隔膜型ガルバニ電池式DOメータ(飯島電子工業製MODEL:B−505)
測定方法:100ccビーカーに23℃に温度調整した分散前混合物100ccを充填する。該ビーカーを室温23℃の環境下に設置し、DOメータのプローブを約3cm挿入する。該状態で20分静置後の計測値を溶存酸素濃度とした。
(4)パターン評価
1.4mm厚125mm角のソーダガラス基板上に誘電体ペーストをスクリーン印刷し、クリーンオーブンにて160℃15分の熱風乾燥を行った。
次に作製した隔壁ペーストをスリットダイコーターを用いてウエット厚み300μmで塗布した後に、クリーンオーブンで100℃90分間乾燥させた。
続いてマスク露光を行った。ピッチ160μm、線幅30μmのストライプ状のクロムマスクを使用した。露光は、20mW/cmの出力の超高圧水銀ランプで360〜500mJ/cmの範囲で20mJ/cm刻みで行った。その後、炭酸ナトリウム0.5%水溶液(35℃)でシャワー現像を行った。この基板を590℃で焼成し、高さ120μmの断面が略台形状のストライプ隔壁を形成した。得られた隔壁パターンは、露光量水準毎に、底部幅(誘電体との接地部分の幅)をCCDカメラ式測長機にて計測し、蛇行や剥がれのない最小線幅部分を最小形成線幅とした。合格基準を60μm未満とした。

[ペースト組成]
(1)誘電体ペースト
バインダー樹脂(エチルセルロース)2質量%、有機溶剤(テルピネオール)18質量%、モノマー(プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート):2.8質量%、熱重合開始剤(AIBN)0.2質量%を温水式加熱攪拌機にて50℃で60分間加熱撹拌して溶解し、有機ビヒクルを作製した。該有機ビヒクルに、低軟化点ガラス粉末(酸化ビスマス、酸化珪素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛からなる平均粒径2.5μm、軟化点470℃のガラス粉末)65質量%、フィラー粉末(酸化チタン 平均粒径1μm)12質量%を加え、プラネタリーミキサーで60分間混合した後、三本ロールミルにて混練し、誘電体ペーストを作製した。
(2)隔壁ペーストバインダー樹脂(メチルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/スチレン共重合体(重量組成比30/25/15/30、重量平均分子量32000):11質量%、モノマー1(プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート):2.5質量%、モノマー2(ポリプロピレングリコールジアクリレート 分子量2500):2.9質量%、光重合開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1):2質量%、重合禁止剤(p−メトキシフェノール):0.09質量%、有機染料(スダンIV):0.01質量%、分散剤(ポリエーテル・エステル型アニオン系界面活性剤 楠本化成(株)製、“ディスパロン”7004):0.5質量%、有機溶剤1(γ−ブチロラクトン 沸点200〜208℃):19質量%、有機溶剤2(3−メトキシ−3−メチルー1−ブタノール 沸点174℃):9質量%を、温水式加熱攪拌機にて50℃で60分間加熱撹拌して溶解し、有機ビヒクル(屈折率1.55(g線))を作製した。該有機ビヒクルをディスパー付きミキサー(図2参照 槽容積1000L)に移液した。この時点で、ビヒクル溶液の占める容積は、釜容量の53%であった。
該有機ビヒクルに、低軟化点ガラス粉末、高軟化点ガラス粉末を攪拌しながら添加した。低軟化点ガラス粉末および高軟化点ガラス粉末は、ディスパー400rpm、主翼攪拌羽根50rpmの条件にて、有機ビヒクルを攪拌しながら、順に15kg/分の速度で添加した。該条件によって、粉末は深さ方向の軸流に沿って沈み込みながら混合され、このときに釜の気相にある大気も随伴され、分散前混合物に拡散する。釜の気相温度は30℃であった。
これにチキソトロピー付与剤としてペースト状の脂肪酸アマイド(ポリ・N−ビニルアセトアミド20質量%のベンジルアルコール溶液)5質量%を加えて15分間撹拌した。
ガラス粉末および高軟化点ガラス粉末の添加が終了した時点で、分散前混合物の占める容積は、釜容量の76%(混合槽容積÷分散前混合物容積=1.3)であった。
低軟化点ガラス粉末、高軟化点ガラス粉末の成分、特性、添加量は以下の通り。
低軟化点ガラス粉末:酸化ホウ素、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化リチウム、酸化マグネシウムが主成分のガラスを粉砕した平均粒子径3μmの粉末。ガラス転移点490℃、軟化点530℃、熱膨張係数74×10−7−1、屈折率1.56(g線)。添加量37質量%。
高軟化点ガラス粉末:酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムが主成分の高軟化点ガラスを粉砕した平均粒子径3μmの粉末。ガラス転移点700℃、軟化点740℃、熱膨張係数74×10−7−1、屈折率1.56(g線)。添加量11質量%。
該分散前混合物を、プラネタリーミキサーに移液し、60rpmで120分間攪拌を行った。得られた分散前混合物の溶存酸素濃度は、3.5mg/Lであった。
分散前混合物は偏心ネジポンプを用いて、50kg/hrの定量にて分散機へ送液した。
分散機は、図4、図5に示す筒状容器型のロール型混練設備を用いた。供給口から筒状容器内に導入された分散前混合物が筒状容器の内面に沿って吐出口に至るまで分散処理が行われる。
前記筒状容器内に、これと同軸状に回転可能なローターを配置する。該ローターの外周部にはその回転軸と平行な溝を複数形成し、各溝内にローラーを配置する。
ローターが筒状容器内で回転すると、遠心力によりローターの各溝内に封入されているローラーが筒状容器の内壁面に当接して自転しながら筒状容器内を公転する。そして、供給口9から筒状容器内に強制的に導入された分散前混合物は、隙間においてローラーにより筒状容器の内壁面に押し付けられ、また、遠心力により溝の内壁とローラーの外周面との間に形成されたわずかな隙間において、圧縮、剪断作用を繰り返し受けながら吐出口へと押し出され、吐出口から吐出される。分散機においては、筒状容器の外周に、冷却水を通過させるジャケットに23℃の冷却水を通水し、分散前混合物を冷却しながら分散処理を行った。
分散処理したペーストは、プラネタリーミキサーに仕込み、1kPaに減圧し20rpmにて攪拌脱泡を行った。
得られたペーストを前述の評価方法にて、分散性、粘度経日変化率、パターン評価を行った。分散度520、粘度経日変化率4.9%、パターン評価最小形成線幅48μmといずれも合格基準内の特性が得られた。
(実施例2)
分散前混合物の攪拌条件を、ディスパー回転数を600rpmとした以外は、実施例1と同条件でペーストを作製、評価を行った。分散度510、粘度経日変化率3.2%、パターン評価最小形成線幅46μmといずれも合格基準内の特性が得られた。
(実施例3)
重合禁止剤の添加量を0.04質量%とし、重合禁止剤減量分は有機溶剤(γ−ブチロラクトン)を増量・置換した。また、分散前混合物の仕込量を42Lに減量し、混合槽容積÷分散前混合物容積比を2.4とした。それ以外は実施例1と同様にペースト作製、評価を行った。分散性548、粘度経日変化率5.1%、パターン評価最小形成線幅44μmといずれも合格基準内の特性が得られた。
(実施例4)
ペースト組成を実施例3と同一とし、ディスパー付きミキサー内にガラスフリットを添加する際、乾燥エア(露点−30℃、温度18℃)を、液内に10L/分で注入しながら攪拌を行い、分散前混合物を作製した以外は、実施例1と同様にペースト作製、評価を行った。分散性560、粘度経日変化率1.9%、パターン評価最小形成線幅44μmといずれも合格基準内の特性が得られた。
(実施例5)
分散前混合物の混合方法を、ディスパー付きミキサーの後、ディスパー付きプラネタリーミキサー(図2−2参照)にて、ディスパー600rpmで攪拌を行った以外は、実施例4と同様にペースト作製、評価を行った。分散性555、粘度経日変化率1.9%、パターン評価最小形成線幅44μmといずれも合格基準内の特性が得られた。
(実施例6)
分散機の筒状容器外周に通水する冷却水温度を15℃にした以外は、実施例2と同条件でペーストを作製、評価を行った。分散度470、粘度経日変化率2.0%、パターン評価最小形成線幅40μmといずれも合格基準内の特性が得られた。
(比較例1)
分散前混合物の混合方法を、ディスパーミキサーを停止し、且つ仕込量を900Lに増量し、混合槽容積÷分散前混合物容積比を1.1とした。それ以外は、実施例1と同様にペースト作製、評価を行った。粘度経日変化率が65.1%、パターン評価は、蛇行、現像剥がれのため細い幅領域が形成できず、最小形成線幅88μmといずれも不合格となった。

(比較例2)
重合禁止剤の添加量を0.25質量%とし、重合禁止剤増量分は有機溶剤(γ−ブチロラクトン)を減量・置換した。それ以外は、実施例1と同様にペースト作製、評価を行った。粘度経日変化率が14.4%、パターン評価は、蛇行、現像剥がれのため細い幅領域が形成できず、最小形成線幅72μmといずれも不合格となった。
(比較例3)
分散前混合物の混合方法を、乾燥エア(露点−30℃、温度18℃)の液内注入量を50L/分に増量し、ディスパー付きミキサーのディスパー回転数を1000rpmとした後、ディスパー付きプラネタリーミキサー(図2−2参照)にて、ディスパー1000rpmで攪拌を行った。それ以外は実施例5と同一条件でペースト作製、評価を行った。分散性720、パターン評価は、蛇行、現像剥がれのため細い幅領域が形成できず、最小形成線幅68μmといずれも不合格となった。
Figure 0005982912
本発明のペースト製造フローである。 本発明の製造方法の有機成分と無機粒子の混合工程に使用する混合機の好ましい例を示した模式図である。 本発明の製造方法の有機成分と無機粒子の混合工程に使用する混合機の好ましい他の例を示した模式図である。 本発明の製造方法に使用する混練機の例を示した模式図である。 密閉型ロール式混練機の円筒容器内の構成を示した模式図である。 密閉型ビーズ式混練機の円筒容器内の構成を示した模式図である。
1:主翼攪拌羽根
2:高速攪拌羽根(ディスパー)
3:酸素または酸素を含む気体の供給配管
4:分散前混合物
5:気泡
6:筒状容器
7:ローター
8:回転軸
9:ローラー
10:ビーズ
11:ジャケット
12:供給口
13:吐出口
14:定量ポンプ
15:ローター

Claims (3)

  1. 無機粒子と、不飽和二重結合を持つ化合物、重合開始剤および重合禁止剤を含む有機成分とを含有するペーストの製造方法であって、前記有機成分を混合し有機ビヒクルを作製する工程、前記無機粒子と前記有機ビヒクルを混合して分散前混合物を得る工程、前記分散前混合物を密閉型混練機を用いて分散処理する工程を含み、前記有機ビヒクル中の重合禁止剤の量が不飽和二重結合を持つ化合物に対し1質量%以下であり、かつ前記分散処理する工程に供する前記分散前混合物中の溶存酸素濃度を2〜20mg/Lの範囲内とし、前記無機粒子と前記有機ビヒクルを混合して分散前混合物を得る工程において、前記無機粒子と前記有機ビヒクルの体積の和の1.25〜2.50倍の容積を有する混合槽を用い、酸素を含む気体の存在下で撹拌羽根を用いて撹拌することを特徴とするペースト製造方法。
  2. 前記分散処理する工程に供する前に前記分散前混合物を冷却することを特徴とする請求項1記載のペースト製造方法。
  3. 前記分散処理する工程または分散処理する前の冷却手段として、分散機の外周または分散前混合物の供給配管の外周に、5〜25℃の冷媒を流して冷却することを特徴とする請求項1記載のペースト製造方法。
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