JP5981793B2 - 撮像装置及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体 - Google Patents

撮像装置及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、レンズユニットの光学特性に起因する画像劣化を補正する技術に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置により得られる画像の高画質化を妨げる一つの要因として、被写体像を結像するために用いられる撮像レンズの光学特性による画像劣化がある。この画像劣化を引き起こす光学特性の例としては周辺減光、歪曲収差、倍率色収差などが挙げられる。これらの光学特性はレンズユニットの光学系により異なるが、レンズユニットの小型化が求められる近年、これら画像劣化の要因となる光学特性を完全に排除した光学系の実現は困難である。そのため、このような画像劣化を画像処理により補正する技術がある。
レンズの光学特性を画像から完全に抽出することは非常に困難であるため、画像処理による補正を精度良く行うためには、カメラ内のメモリに、撮像光学系の光学特性を示すデータであって上記補正に用いる光学補正データを記憶させておく方法がある。特に、一眼レフデジタルカメラでは、カメラボディに装着可能な複数種のレンズユニット(撮像光学系)のそれぞれの光学補正データを記憶しておく必要がある。さらに、同じ撮像光学系であっても、焦点距離、撮影距離、絞り値等の光学パラメータによって光学特性が変化する。そのため、複数の光学パラメータに対応する光学補正データをカメラ内のメモリに記憶させ、撮影条件に合致した補正値を算出する。また一眼レフカメラは前述したように複数種のレンズユニットの光学補正データを記憶しておく必要があるが、装着可能なレンズユニットの種類が多数ある場合は、カメラ内のメモリ容量では全てのレンズユニットの補正データを記憶することは困難なこともある。
ここで、特許文献1には、前述のようにレンズユニットが装着可能なカメラにおいて、レンズユニット側に補正データを保持しておき、カメラに装着されたときに補正データをカメラ側へ転送する方法が記載されている。また特許文献2には、光学特性の補正をカメラ側で実施する場合において、事前にユーザが補正量を制限することによって、過剰な補正や不正な補正を防ぐ方法が記載されている。
特開2012−078425号公報 特開2010−187183号公報
しかしながら、上記特許文献1では、光学補正データをレンズユニットからカメラへ転送することは可能であるが、光学補正データはデータ量が多いこと、レンズユニットとカメラは電気的な接点を介して接続することが一般的である。また、記録されたRAWデータを現像するときの処理については言及がない。
また、上記特許文献2では、ユーザが事前に補正量の上限を設定することによって、過剰な補正や不正な補正を防ぐことができる。しかしながら、ユーザが手動で補正値の上限を設定しなければならず、特にレンズユニットごとに上限値を設定することは非常に手間であり現実的ではない。また、記録されたRAWデータを現像するときの処理については言及がない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ユーザが特に意識することなく、交換式のレンズユニットに応じた光学補正を適正に行える撮像装置を実現することである。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、レンズ交換式の撮像装置であって、装着されているレンズユニットから、補正データを取得する取得手段と、前記取得手段で取得した補正データに対応する情報と画像とを関連付けて記録する記録手段と、を有し、前記補正データは、レンズの光学特性に起因する信号の補正処理に用いられるデータであって、撮影に関する各パラメータを離散的に分割した分割点の情報と、前記パラメータの分割点ごとの補正値を含み、撮影の際の前記パラメータの値が前記分割点の情報に基づく前記パラメータの値の範囲と対応しない場合、前記記録手段は、補正処理を適用しないことを示す情報を記録する。
本発明によれば、ユーザが特に意識することなく、交換式のレンズユニットに応じた光学補正を適正に行うことができる。
本発明に係る実施形態の撮像装置の構成を示すブロック図。 実施形態1の光学補正データを例示する図。 実施形態1の光学補正値算出処理を示すフローチャート。 実施形態1のレンズデータ正当性判定処理を示すフローチャート。 実施形態1の光学補正結果を記録したファイルのデータ構造を例示する図。 実施形態2の初期画像表示処理を示すフローチャート。 実施形態2のアプリケーション画面を例示する図。
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
[実施形態1]以下、本発明を、例えば、静止画や動画を撮影するデジタルカメラなどの撮像装置に適用した実施形態について説明する。
<装置構成>図1を参照して、本発明に係る実施形態の撮像装置の構成及び機能の概略について説明する。
図1に示す撮像装置において、カメラ本体100にはレンズユニット101が装着されており、不図示の被写体像はレンズユニット101の撮像光学系によってカメラ本体100の撮像素子102に結像される。撮像光学系を構成する絞り101aは、Fナンバーの撮影状態設定として開口径が制御される。また、撮像光学系を構成するフォーカスレンズ101bは、被写体の距離に応じて焦点合わせを行うために不図示のオートフォーカス(AF)機構や手動のマニュアルフォーカス機構によりレンズの位置が制御される。レンズユニット内記憶部101cは光学特性による画像劣化を画像処理によって補正する際に必要な光学補正データを保持する不揮発性のメモリである。
レンズユニット101はカメラ本体100に対して着脱可能であり、他のレンズユニットへの交換が可能である。被写体像は撮像素子102で電気信号に変換され、A/D変換部103でデジタル信号に変換され、画像処理部104に入力される。画像処理部104は光学補正部111と所定の画像処理を行うその他画像処理部112とを有する。光学補正部111では撮像光学系のレンズの光学特性による画像劣化を画像処理によって補正する。その他画像処理部112では画素補間処理や輝度信号処理、色信号処理などの一連の現像処理を行う。光学補正部111とその他画像処理部112での処理の順番は光学補正の特徴に応じて入れ替えても良い。本実施形態における光学補正処理は、例えば周辺光量や倍率色収差補正、歪曲収差補正などの撮像光学系に起因する画像劣化処理全般を意味するものとする。
レンズユニット制御部106はレンズユニット101の制御及びデータ通信を行う。状態検知部107はレンズユニット制御部106を通じて、撮像光学系の焦点距離、撮影距離、絞り値等の撮影条件に関する各種情報を得る。また、レンズユニット制御部106はレンズユニット101内のレンズユニット内記憶部101cに保持されている光学補正データを取得し、記憶部108に保存する。レンズユニット101から光学補正データを取得するタイミングは、装置の起動時でも良いし、処理が間に合うのであれば撮影ごとであっても良い。
本実施形態のようにレンズユニット101からカメラ本体100にデータを転送する場合は、通信が完了しないと起動または撮影ができないため、起動や撮影までの時間を短縮するためにはデータ量をできる限り少なくすることが望ましい。ただし、レンズユニットはズームレンズや単焦点レンズやマクロレンズ等の様々な種類のものが装着される可能性があるため、レンズユニットごとに最適なサイズの光学補正データを転送することが望ましい。
ここで図2を参照して、レンズユニット101からカメラ本体100へ転送される光学補正データのデータ構成について説明する。図2に示すように、光学補正データは、ヘッダ領域aと補正格納領域bの2つからなる。ヘッダ領域aは対象レンズユニットのIDが先頭に記録され、以下、分割点数格納領域a1と焦点距離別情報数格納領域a2と分割点情報格納領域a3を含む。
撮影時に得られる焦点距離、撮影距離、絞り値の全光学パラメータに対応した補正値を光学補正データとして保持するのではなく、上述の各光学パラメータを分割し離散的に選択し、対象の光学パラメータに応じた補正値のみを光学補正データとして保持する。
分割点数格納領域a1は各パラメータを離散的に保持する分割点数を記録する領域である。例えば分割点数格納領域a1中の焦点距離分割数zNumは、対象レンズユニットがズームレンズの場合、TeleからWideまでの焦点距離をzNum分割したときの分割点数のデータを保持する。具体的にはWide端が28mm、Tele端が200mmといったレンズユニットであった場合、zNumが4であると、28mmと200mmを4分割(例えば28mm 50mm 100mm 200mm)した分割個数のデータを保持する。この分割数や分割ポイントはレンズユニットごとに最適な値を保持することが望ましい。
ここでは焦点距離の分割点数を説明したが、焦点距離に限らず撮影距離や絞りについても同様であり、各パラメータに対する光学特性に応じた分割点数を設定することができる。
焦点距離別情報数格納領域a2は、焦点距離によって撮影距離や絞りの分割点を可変に設定するための情報を保持する。ズームレンズ型のレンズユニットではズーム位置を変動することにより、開放Fnoや最短撮影距離が変動するタイプのものが存在する。焦点距離別絞り情報zfNumは分割点数格納領域a1中で設定した焦点距離分割数zNumそれぞれに対する最小絞値を設定するための最小絞り値の保持する個数を示す。このように各焦点距離分割位置別に最小絞り値の値を保持できるようにして補正精度を向上することができる。もちろん焦点距離に応じて開放Fnoが変化しないようなレンズユニットに対しては保持する必要がないので0を記載しておけばデータの削減が可能となる。
ここでは焦点距離別絞り情報数zfNumを例として説明したが、焦点距離別撮影距離情報数zdNumについても同様に考えることができる。
分割点情報格納領域a3には、分割点数格納領域a1と焦点距離別情報数格納領域a2で設定された分割点の情報が記述される。例えば前述した例である28−200mmのレンズユニットの場合、分割した4点(28mm 50mm 100mm 200mm)をz[0]〜z[3]に格納する。以下同様に絞り分割情報・撮影距離分割情報・像高分割情報が記述される。
補正値格納領域bは、分割点情報格納領域a3に格納された各光学パラメータの分割点の組み合わせに対応した補正値を保持する。例えばz[0]−f[0][0]−d[0][0]の領域には焦点距離がWide側の分割点z[0]かつ撮影距離が焦点距離z[0]mmの時の最短撮影距離f[0][0]かつ絞りが焦点距離z[0]mmの時の開放Fnoのd[0][0]の全像高h[0]〜h[hNum]の補正値が記述されている。このようにレンズユニット全領域の光学補正情報を補正値格納領域bに記述しておく。
以上、レンズユニットから光学補正データが転送されることを前提として説明した。しかしながら、レンズ交換式の撮像装置では、様々なタイプのレンズユニットが存在し、製造時期やレンズユニットのコスト等の特徴によってレンズユニット内記憶部101cに光学補データを保持していないものもある。このようなレンズに関しては事前にカメラ本体100内の記憶部108に光学補正データを格納したり、ユーザがパーソナルコンピュータ(以下、PC)等を用いて外部から取得しても良い。このような場合は事前にデータの保持が可能なため、通信時間を気にする必要がないので、レンズごとにデータサイズを変えずに全てのレンズユニットで余裕を持ったサイズに統一しても良い。当然、このようにレンズユニット内記憶部101cにデータを保持するレンズユニットと、保持しないレンズユニットが混在するシステムも存在し得る。
図1に戻り、上述のように得られた光学補正データの適用方法について説明する。
光学補正部111は記憶部108に格納された光学補正データから、状態検知部107により取得した撮影条件に対応する補正値を生成し、光学特性による画像劣化を補正する処理に使用する。この補正処理の詳細については後述する。
算出された補正値は画像ファイルに関連付けて記録される。これにより、作成された画像ファイルがどのような補正値で補正が行われたかを後で確認することができる。例えば、作成された画像ファイルを後からPC等のアプリケーションで読み出す場合、これらの情報を参照することによって、画像ファイルに光学補正がなされたかどうかを判定することができる。よって、補正を2重にかけてしまうことを防ぐことができる。
また、後処理がなされていないRAWデータを記録するモードにおいては、上記光学補正結果情報をファイルに付加することにより、画像データ(RAWデータ)を本来の意図通り変更することなく、アプリケーションによって同等の光学補正が可能となる。図5は光学補正結果を記録したファイルのデータ構造を例示している。図5に示す領域501〜503には周辺光量補正や倍率色収差補正や歪曲収差補正がされたか否かを示す補正の有無を記録し、領域505〜507には、各領域の補正の有無に対応する補正結果を記録する。ここで補正しないことを示すフラグ(例えば0)が記録された場合、例えば周辺光量補正が「しない」に設定されていた場合(領域501が0の場合)は周辺光量補正結果領域505に全て0等の無効値を記録する。一方、周辺光量補正が適用された場合(領域501が1の場合)は、算出補正値を領域505に記録する。記録する補正データは、撮影条件に相当する補正データを図2に示す光学補正データから抽出または補間演算等により取得し記録する。
ここで、像高分割数hNumはレンズユニットごとに異なる可能性があるので像高分割数領域504に記録する。このようにして求めた補正結果について、像高h[0]〜h[hNum]と対になる周辺光量補正値Vig[0]〜Vig[hNmu]を周辺光量補正結果領域505に記録する。ここでVig[0]〜Vig[hNmu]は対応する像高においてどの程度光量が低下しているかを示す値を記録する。本例では全ての補正において共通の分割数を用いているが、もちろん補正ごとに像高分割数を可変になるように補正データを作成しても良い。その場合は当然各補正毎に像高分割数を記録する必要がある。
同様にして、倍率色収差補正の有無及び結果を領域502、506に記録し、歪曲収差補正の有無及び結果を領域503、507に記録する。倍率色収差の補正値AberRは各像高のGに対するRの色ずれ量を示し、AberBは各像高のGに対するBの色ずれ量を示す。また歪曲収差補正の補正値Distは理想状態に対してどの程度歪んでいるかを示す値を保持している。また補正結果を記録する領域に関して画像ファイルに付加されるメーカーノートの領域に記録するのが一般的であるがこの限りではない。
画像処理部104で処理された画像は画像記録媒体109に所定のフォーマットで保存される。また、表示部105には、光学補正処理後の画像に表示用の所定の処理を行った画像を表示しても良いし、光学補正処理を行わない画像を表示しても良い。
一連の制御はシステムコントローラ110で行われ、レンズユニットの機械的な駆動はシステムコントローラ110の指示によりレンズユニット制御部106で行う。
<光学補正値算出処理>次に、図3を参照して、本実施形態の光学補正値算出処理について説明する。以下では、光学補正としているが、周辺光量補正でも倍率色収差補正でも歪曲収差補正でもその他の補正でも同様に扱うことができる。なお、図3の処理は、システムコントローラ110が、記憶部108に格納された制御プログラムを、RAM等のメモリのワークエリアに展開し、実行することで実現される。
システムコントローラ110は、画像の撮影を行うと、撮影を行ったときの撮影条件を取得する(S301)。ここで言う撮影条件とは光学補正に必要な条件である撮影時のレンズユニット101のレンズIDや焦点距離や撮影距離、絞り値などに相当する。
S302では、システムコントローラ110は、撮影時のレンズユニット101が光学補正データを通信可能なレンズか否かを判定する。この判定方法は、レンズユニット101側が光学補正データを通信可能であることを示すフラグをカメラ本体側へ送信しても良いし、カメラ本体側でレンズID等から判定しても良い。S302にて光学補正データが通信可能であった場合、S303に進み、システムコントローラ110は、レンズユニット101から取得した光学補正データが正しいか否かを判定する。このようなデータの正当性の判定が必要な理由は、前述したように、レンズユニットとカメラ本体の間の通信は通常の有線通信と比べて不安定である場合があり、正しく通信されない場合や通信したつもりで以前のデータが残っている可能性が高いからである。すなわち、このような不完全な通信が行われた場合、S303の判定を行わずに補正を適用してしまうと、予期せぬ補正結果になる場合や、最悪の場合画像破綻してしまうような補正がなされてしまう可能性があるからである。
ここで、図4を参照して、S303での補正データの正当性の判定処理の一例について説明する。
図4において、S401では、システムコントローラ110は、S301で取得したレンズIDと光学補正データ内のヘッダ領域aに記載されているレンズIDとを比較する。ここで両レンズIDが一致しない場合は、システムコントローラ110は、正しい補正データが記録されていないものとして、Falseと判定する(S405)。一方、両レンズIDが一致した場合は、システムコントローラ110は、焦点距離判定を行う(S402)。ここでは、システムコントローラ110は、S301で取得した撮影条件の焦点距離のデータが補正データ内に存在する値か否かを判定する。具体的には図2の分割点情報格納領域(a−3)の焦点距離分割情報を参照し、S301で取得した焦点距離がz[0]〜z[zNum−1]の間の値になっているかどうかを判定する。ここで撮影焦点距離がz[0]〜z[zNum−1]の間に含まれない場合は撮影条件と補正データの相関がとれていないと判定し、Falseと判定する(S405)。一方、相関がとれた場合はTrueと判定する(S406)。
同様にS403、S404にて、システムコントローラ110は、S301で取得した撮影条件の絞り値と撮影距離について補正データ内に存在する値との相関がとれた場合はTrue(S406)、相関がとれない場合はFalseと判定する(S405)。
図3の説明に戻り、S303での判定の結果がFalseである場合は、システムコントローラ110は、補正非適用フラグ(例えば0)を図5中の各補正に対する補正の有無を示す領域501〜503に記録する(S304)。一方、S303での判定の結果がTrueの場合は、システムコントローラ110は、ファイル記録のために図2の分割点数格納領域a1から像高分割数点hNumを読み出し(S305)、図5中の像高分割数領域504に記録する(S306)。
その後、システムコントローラ110は、S301にて読み出した撮影条件である焦点距離・撮影距離・絞り値を利用して図2の補正データ中から撮影条件に適した補正値を算出する(S307)。ここで、該当するデータが存在しない場合は最も近い値から補間演算により算出しても良い。このように算出した補正値は、図5に例示したようにそれぞれの補正の種類に応じて領域505〜507に記録される(S308)。最後に正常に補正値が作成されたので、それぞれの補正の種類に応じた補正適用を示す値(例えば1)が領域501〜503に記録される(S309)。
一方、S302での判定の結果、光学補正データが通信可能でないレンズユニットであった場合は、システムコントローラ110は、光学補正データが予め記録されている記憶部108にS301で取得したレンズID等から該当レンズに相当する光学補正データが存在するか探索する(S310)。その結果、補正データが存在した場合は、システムコントローラ110は、S307〜S309と同様に補正値を算出して補正結果を記録する。一方、補正データが存在しない場合は、システムコントローラ110は、補正不可能であるので、S304と同様に補正非適用フラグを記録する(S311)。
以上説明したように、交換後のレンズユニットからの光学補正データの取得が可能か否かにかかわらず、交換後のレンズユニットの光学補正を適正に行うことができる。また、補正結果をファイルに記録することにより後述するアプリケーション等においても適正に画像処理を施すことができる。
[実施形態2]実施形態2として、補正結果を記録したファイルを用いてPC等のアプリケーションにより画像処理を行う例について説明する。
図7は、PC等でアプリケーションを起動したときに表示される画面例を示している。
図7において、701はアプリケーション上の画像表示領域であり、ユーザが選択したフォルダ内にある画像を表示する領域である。702は光学補正適用選択領域であり、ユーザが表示された画像に光学補正を適用するかしないかを補正処理ごとに設定することができる。具体的には、「適用」と記載された横のチェックボックスにチェックを入れると該当光学補正が適用されたという意味になる。また、ユーザが選択している画像に対して、アプリケーション上での処理が完了した後にOKボタン703を押下することにより設定した条件で処理された画像を新たに記録することができる。
特に、撮像素子102の出力信号を画像処理部104を通さずに記録されたRAW画像は、撮影後にユーザがPC等で後処理することによって、一般的な画像ファイル(JPEGやBMP)に変換される。このRAW画像をアプリケーションで処理する場合、ユーザが画像を編集する前に最初に表示する画像は、カメラ本体の撮影時の設定に変換してから表示することが望ましい。つまり、RAW画像の撮影時に光学補正が適用される設定であった場合、最初に表示する画像に対しては光学補正が適用されることが期待される。ただし、RAW画像は画像処理前のデータであるため、アプリケーション側で画像を表示する際に光学補正を適用する必要がある。
ここで、図6を参照して、実施形態2による撮影画像のアプリケーションでの画像表示処理について説明する。
図6において、まずユーザが編集したいRAW画像をアプリケーション上の画像表示領域701から選択する(S601)と、アプリケーションは、選択された画像の図5に示す補正結果の記録領域を参照する(S602)。
次に、アプリケーションは、RAW画像が光学補正が適用される設定で撮影されたかどうかを判定するために各補正の有無を示す領域501〜503を読み込んで撮影時の設定状態を判定する(S603)。ここで光学補正が適用されない設定で撮影されていた場合は、光学補正処理(S604〜S606)をスキップしてその他の画像処理を行う(S607)。ここで言うその他画像処理とは前述の通り画素補間処理や輝度信号処理、色信号処理等の一連の現像処理を意味する。
一方、光学補正が適用される設定で撮影されていた場合は、アプリケーションは、まず像高分割数情報504を読み込み(S604)、次に、読み込んだ像高分割数情報504に応じて、それぞれの補正結果領域505〜507を読み込む(S605)。ここでレンズユニットごとに像高分割数が可変であると、この像高分割情報を記録しておかないと対応する補正値を正しく読み取れないという問題が発生する。
次に、アプリケーションは、読み込んだ補正値をアプリケーションの補正に適した形式に変換して補正処理を行う(S606)。その後、その他の画像処理を行い(S607)画像を表示する(S608)。
以上説明したように、レンズユニットから光学補正データを取得できない場合でも、アプリケーション上でカメラでの処理と同等の補正を適用することが可能となる。また、補正が適用された画像を選択した場合は、自動的に各補正の光学補正適用選択領域702のチェックボックスにチェックを入れて表示することによってユーザが補正の適否を視認することができる。
上述した例では、画像撮影時に光学補正を適用する設定にしていないとアプリケーション上で光学補正が実行されないが、撮影後にユーザが光学補正を適用したくなるケースも想定される。そこで、光学補正を適用しない設定で撮影した場合であっても、像高分割数領域504や補正結果領域505〜507の情報をファイルに記録しておく。そうすることで、ユーザが撮影後に光学補正適用選択領域702のチェックボックスにチェックを入れることで光学補正を適用することが可能となる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、本実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (12)

  1. レンズ交換式の撮像装置であって、
    装着されているレンズユニットから、補正データを取得する取得手段と
    記取得手段で取得した補正データに対応する情報と画像とを関連付けて記録する記録手段と、を有し、
    前記補正データは、レンズの光学特性に起因する信号の補正処理に用いられるデータであって、撮影に関する各パラメータを離散的に分割した分割点の情報と、前記パラメータの分割点ごとの補正値を含み、
    撮影の際の前記パラメータの値が前記分割点の情報に基づく前記パラメータの値の範囲と対応しない場合、前記記録手段は、補正処理を適用しないことを示す情報を記録することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記補正データは、レンズユニットの識別情報を含み、
    装着されているレンズユニットから取得した識別情報が前記補正データに含まれている識別情報と対応しない場合、前記記録手段は、前記補正処理を適用しないことを示す情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記補正データは、レンズユニットごとであって、当該レンズユニットごとに焦点距離、絞り値、撮影距離、及び像高の少なくともいずれか一つのパラメータに対応する情報を含ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記補正データは、各パラメータの前記分割点の数の情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 記記録手段は、前記補正処理の適用の有無と補正の結果を記録することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記補正処理を適用する場合、前記記録手段は、前記補正の結果として、撮影の際の前記パラメータの値に基づく補正値の情報を記録することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記補正の結果として記録される前記補正値の情報は、像高の分割点の情報と、前記像高の分割点ごとの補正値を含むことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記記録手段は、前記像高の分割点の数の情報を記録することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記補正処理は、光量補正、色収差補正、歪曲収差補正の少なくともいずれかの処理であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. レンズ交換式の撮像装置の制御方法であって、
    装着されているレンズユニットから、補正データを取得する取得工程と
    記取得した補正データに対応する情報と画像とを関連付けて記録する記録工程と、を有し、
    前記補正データは、レンズの光学特性に起因する信号の補正処理に用いられるデータであって、撮影に関する各パラメータを離散的に分割した分割点の情報と、前記パラメータの分割点ごとの補正値を含み、
    撮影の際の前記パラメータの値が前記分割点の情報に基づく前記パラメータの値の範囲と対応しない場合、前記記録工程において、補正処理を適用しないことを示す情報を記録することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  11. 請求項10に記載の撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. コンピュータに、請求項10に記載された撮像装置の制御方法を実行させるためのプログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。
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