JP5816355B2 - 撮像装置およびその制御方法、並びにレンズユニット - Google Patents
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Description
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関し、特にレンズユニットの光学特性が画像に与える影響を補正する技術に関する。
本発明はまた、自身の光学特性が画像に与える影響を撮像装置が補正することを容易にするレンズユニットに関する。
本発明はまた、自身の光学特性が画像に与える影響を撮像装置が補正することを容易にするレンズユニットに関する。
デジタルカメラを代表とする撮像装置には、出力画像が高画質であることが常に求められているが、画質を劣化させる一要因として、被写体像を結像するために用いられるレンズユニットの光学特性がある。画像劣化を引き起こす光学特性の例としては周辺減光、歪曲収差、倍率色収差などが挙げられるが、これらを完全に排除したレンズユニットを実現することは困難である。そのため、撮影された画像に対して画像処理を適用し、光学特性による画像劣化を補正する技術(光学補正技術)が知られている。
同一のレンズユニットであっても、焦点距離(ズームレンズの画角)、撮影距離(合焦距離)、絞り値等の光学パラメータの値によって光学特性が変化する。従って、光学特性による画像劣化を画像処理によって補正する場合、精度良く補正するには撮影時の光学パラメータに対応した光学補正値を用いる必要がある。
特許文献1には、ズームレンズのズーム位置(焦点距離)に応じた歪補正量の推移から生成した多項近似式を基に、光学補正量を決定する方法が提案されている。
レンズ固定式の撮像装置であれば、予め全ての光学パラメータ値の組み合わせに関して光学補正値を求めておくこともできる。実際には必要な記憶容量などに応じて離散的な組み合わせのみを記憶し、記憶されていない組み合わせについては補間によって求める構成となるかもしれないが、補正精度の確保は比較的容易である。
一方、レンズ交換式の撮像装置の場合、装着可能なレンズユニットの種類は膨大であり、マクロレンズやシフトレンズといった特殊なレンズも存在する。
前述の通り、1つの交換レンズでも光学特性は複数の光学パラメータの組み合わせごとに異なる。一般的なレンズでは焦点距離、撮影距離、絞り値の組み合わせによって光学補正値を一意に求めることができるが、レンズユニットの多様化により、光学補正値を特定するために他の光学パラメータが必要な場合がある。この点について以下説明する。
図2は等倍からn倍までの拡大撮影が可能な単焦点マクロレンズにおける倍率と撮影距離の関係例を示す図である。この例では撮影倍率がmの場合とnの場合とで撮影距離が同じ値をとるが、撮影倍率が変わると光学特性は変化するため、光学補正値は撮影倍率がmの場合とnの場合とで異なる。
図3は図2の特性を有するマクロレンズにおける周辺減光特性と、図2で示した撮影距離からもとめた光学補正値を用いて周辺減光を補正した結果の例を示す図である。具体的には、均一輝度の被写体を撮影して得られた画像の明るさ(光量)が、画像中心からの距離である像高に応じてどのように変化しているかを、画像中心の明るさを100として示している。
図3(a),(b)はそれぞれ、撮影倍率がmの場合とnの場合とにおけるマクロレンズの周辺減光特性を示している。像高が高くなるにつれ(画面の中心から周辺に向かうにつれ)光量が減少する点では共通しているが、特性は異なっている。従って、焦点距離、撮影距離、絞り値の組み合わせからでは、撮影倍率がmの場合とnの場合との少なくとも一方について、用いるべき周辺減光の光学補正値を特定することができない。
図3(c),(d)に、撮影倍率を考慮せずに特定した光学補正値を用いた補正結果の例を示す。この例では、撮影倍率がmの場合は周辺減光が適切に補正されているば、撮影倍率がnの場合は補正が不足し、適切な補正が行なわれていない。このように、レンズユニットによっては、焦点距離、撮影距離、絞り値の情報だけでは適切な光学補正値を決定することができない場合がある。
例えば図2の特性を有するマクロレンズを用いて撮影された画像に対して適切な光学補正を行うには、撮影倍率を特定するための情報が必要である。例えば撮影倍率はレンズユニットに設けられた倍率変更用リングの手動操作によって機械的に設定されるが、設定された撮影倍率が分かれば適切な光学補正値を特定することができる。
このように、レンズ交換式の撮像装置において、様々な種類(機種)のレンズユニットで撮影されうる画像に対して適切な光学補正を適用するためには、光学補正値を特定するために必要な光学パラメータ値を、レンズユニットの機種ごとに取得する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、光学補正値の特定に必要な光学パラメータの種類がレンズユニットの機種によって異なる場合があることが考慮されておらず、上述した課題は解決されていない。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、光学補正値の特定に必要な光学パラメータがレンズユニットの機種に応じて異なる場合でも、適切な光学補正が可能な撮像装置およびその制御方法を提供することを一目的とする。
上述の目的は、レンズユニットが着脱可能であり、撮影された画像に光学補正値を用いた画像処理を適用することにより、撮影に用いたレンズユニットの光学特性が画像に与える影響を補正する光学補正機能を有する撮像装置であって、装着されたレンズユニットから、撮影の際の光学特性に関する光学パラメータを取得する取得手段であって、装着されたレンズユニットが第1のレンズユニットの場合は、第1の光学パラメータを取得し、装着されたレンズユニットが第2のレンズユニットの場合は、第1の光学パラメータと、第1の光学パラメータと異なる情報であって第2のレンズユニットが有する撮影倍率を変化させる機構の位置情報を含む第2の光学パラメータとを取得する取得手段と、光学補正データを保持するメモリと、撮影された画像に対し、光学補正データと取得手段が取得した光学パラメータとに基づく光学補正値を用いた画像処理を適用することにより、装着されたレンズユニットの光学特性に対応させて当該撮影された画像を補正可能な補正手段とを有し、補正手段は、装着されたレンズユニットが第1のレンズユニットの場合は光学補正データおよび第1の光学パラメータに基づいた光学補正値を、装着されたレンズが第2のレンズユニットの場合は光学補正データおよび第2の光学パラメータに基づいた光学補正値を用いることを特徴とする撮像装置によって達成される。
このような構成により、本発明によれば、光学補正値の特定に必要な光学パラメータがレンズユニットの機種に応じて異なる場合でも、適切な光学補正が可能な撮像装置およびその制御方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのレンズ交換式デジタルカメラシステムの機能構成例を示すブロック図である。カメラシステムはカメラ10と、カメラ10に着脱可能なレンズユニットである交換レンズ100とから構成される。マウント1は、カメラ10に対して交換レンズ100を着脱可能に装着するための機構であり、カメラ10から交換レンズ100に電源を供給したり、カメラ10と交換レンズ100との間で相互に通信したりするための電気的接点を備える。マウント1は、カメラ10が有する部分と交換レンズ100が有する部分とに分かれるが、図1では便宜上まとめて記載している。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのレンズ交換式デジタルカメラシステムの機能構成例を示すブロック図である。カメラシステムはカメラ10と、カメラ10に着脱可能なレンズユニットである交換レンズ100とから構成される。マウント1は、カメラ10に対して交換レンズ100を着脱可能に装着するための機構であり、カメラ10から交換レンズ100に電源を供給したり、カメラ10と交換レンズ100との間で相互に通信したりするための電気的接点を備える。マウント1は、カメラ10が有する部分と交換レンズ100が有する部分とに分かれるが、図1では便宜上まとめて記載している。
イメージセンサ(撮像素子)11は複数の画素を有する光電変換デバイスである。イメージセンサ11は、交換レンズ100内の撮像レンズ101により形成された被写体像を各画素で光電変換して被写体像に対応したアナログ電気信号を出力する。また、A/D変換部12は、イメージセンサ11から出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換する。画像処理部13は、A/D変換部12の出力するデジタル信号に対して各種の画像処理を適用し、画像データを生成する。画像処理部13は、撮像レンズ101の光学特性が画像に与える影響を画像処理によって補正する光学補正機能を提供する光学補正部130と、画素補間処理や輝度信号処理、色信号処理など、いわゆる現像処理を行うその他画像処理部131とを有する。画像処理部13にて生成された画像データは表示部14に表示されたり、メモリカードなどの記録媒体15に記録されたりする。
メモリ16は、画像処理部13の処理バッファや、後述するカメラ制御部18が実行するプログラムの記憶装置として利用される。メモリ16は、光学補正部130が使用する光学補正値が定義された後述の光学補正データの記憶装置や、カメラ10が表示部14に表示するメニュー画面などのGUIデータの記憶装置としても用いられる。
操作入力部17は、電源のオン/オフを行うための電源スイッチ、画像の記録を開始させる撮影スイッチおよび、各種メニューの設定を行うための選択/設定スイッチ等、ユーザがカメラ10に指示を入力するための入力デバイス群である。カメラ制御部18は、マイクロコンピュータを有し、メモリ16に記憶されたプログラムを実行し、画像処理部13の制御や交換レンズ100との通信制御など、カメラシステム全体の動作制御を行う。
交換レンズ100が有するレンズ駆動部102は、レンズ制御部103の制御に従い、撮像レンズ101のアクチュエータやモータを駆動する。撮像レンズ101のアクチュエータやモータは、撮像レンズ101が有するフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞りおよび防振レンズなどを移動または動作させる。レンズ制御部103はマイクロコンピュータを有し、カメラ制御部18からマウント1を通じて受信した制御信号に応じてレンズ駆動部102を制御する。メモリ104は、レンズ制御部103が用いる各種データの記憶装置として用いられる。
図4は、図1における、カメラ制御部18とレンズ制御部103との通信に係る構成の例を示すブロック図である。
まず、マウント1が有する端子について説明する。
LCLK端子 1−1は、カメラ10から交換レンズ100に出力される通信クロック信号用の端子である。DCL端子 1−2は、カメラ10から交換レンズ100に出力される通信データ用の端子である。DLC端子 1−3は、交換レンズ100からカメラ10に出力される通信データ用の端子である。
MIF端子 1−4は、カメラ10に交換レンズ100が装着されたことを検出するための端子である。カメラ制御部18内のマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)20は、MIF端子 1−4の電圧に基づいて、交換レンズ100がカメラ10に装着されたことを検出する。
まず、マウント1が有する端子について説明する。
LCLK端子 1−1は、カメラ10から交換レンズ100に出力される通信クロック信号用の端子である。DCL端子 1−2は、カメラ10から交換レンズ100に出力される通信データ用の端子である。DLC端子 1−3は、交換レンズ100からカメラ10に出力される通信データ用の端子である。
MIF端子 1−4は、カメラ10に交換レンズ100が装着されたことを検出するための端子である。カメラ制御部18内のマイクロコンピュータ(以下、カメラマイコンという)20は、MIF端子 1−4の電圧に基づいて、交換レンズ100がカメラ10に装着されたことを検出する。
DTEF端子 1−5は、カメラ10に装着された交換レンズ100の種類を検出するための端子である。カメラマイコン20は、DTEF端子 1−5の電圧に基づいて、カメラ10に装着された交換レンズ100の種類を検出する。
VBAT端子 1−6は、カメラ10から交換レンズ100に、通信制御を除く各種動作に用いられる駆動用電源(VM)を供給するための端子である。VDD端子 1−7は、カメラ10から交換レンズ100に、通信制御に用いられる通信制御用電源(VDD)を供給する端子である。DGND端子 1−8は、カメラ10と交換レンズ100の通信制御系をグランドに接続する端子である。PGND端子 1−9は、カメラ10と交換レンズ100に設けられたアクチュエータやモータ等を含むメカニカル駆動系をグランドに接続するための端子である。
本実施形態のカメラ10には、カメラ10との通信電圧が異なる複数種類の交換レンズ100が装着されうる。以下の説明では、説明及び理解を容易にするため、カメラ10がDTEF端子 1−5の電圧に基づいて識別する交換レンズ100の種類が、2種類であるとする。具体的には、第1の交換レンズ(第1のレンズユニット)と、第1のレンズユニットと通信電圧が異なる第2の交換レンズ(第2のレンズユニット)とする。
なお、DTEF端子 1−5の電圧で検出される「種類」は、光学補正値を特定するために必要な光学パラメータの種類によって分類される「種類」であり、いわゆる「機種」とは必ずしも対応しない。また、交換レンズの「種類」と、光学補正値を特定するために必要な光学パラメータの種類とは、予め対応付けて例えばメモリ16に記憶しておくことができる。
本実施形態において第1の交換レンズは、光学補正値を特定するために必要な光学パラメータが、焦点距離(単位はmm)、撮影距離(単位はcm)、および絞り値のぞれぞれを特定可能な情報である交換レンズである。焦点距離を特定可能な情報は、例えば焦点距離の値や、ズームレンズの位置である。撮影距離を特定可能な情報は、例えば撮影距離の値や、フォーカスレンズの位置である。絞り値を特定可能な情報は、例えば絞り値や絞り値に対応する数値である。
一方、第2の交換レンズは、光学補正値を特定するために必要なパラメータが、絞り値と撮影倍率のぞれぞれを特定可能な情報である交換レンズである。撮影倍率を特定可能な情報は、例えば撮影倍率の値や、撮影倍率を制御する光学部材の位置情報である。マクロレンズは第2の交換レンズに該当する交換レンズの一例である。マクロレンズの撮影倍率は、倍率変更用リングの回転によって位置が変化する光学部材によって変化する。そのため、撮影倍率を特定可能な情報として、倍率変更用リングのような撮影倍率変更機構の位置情報を、撮影倍率を制御する光学部材の位置情報として用いてもよい。
カメラ制御部18内に設けられたカメラ電源部21は、カメラ10に搭載されたバッテリから供給されたバッテリ電圧を各部の動作に必要な電圧に変換する。本実施形態においてカメラ電源部21は、電圧V1,V2,V3,VMを生成するものとする。
第1の電圧V1は、第1および第2の交換レンズの通信制御用電源(VDD)としての電源電圧であるとともに、第1の交換レンズの通信電圧である。第2の電圧V2は、第2の交換レンズの通信電圧である。第3の電圧V3は、カメラマイコン20の動作用電源としての電源電圧である。第4の電圧VMは第1および第2の交換レンズの駆動用電源としての電源電圧である。
操作入力部17の電源スイッチの操作により電源オンが指示されると、カメラマイコン20は、CNT_VDD_OUT端子からスイッチ22をオンする信号を出力し、カメラ10から交換レンズ100へのVDDとVMの供給を開始する。電源オフが指示されるとカメラマイコン20は、CNT_VDD_OUT端子からの信号出力を停止してスイッチ22をオフとし、カメラ10から交換レンズ100へのVDDとVMの供給を停止する。
カメラマイコン20は、電圧変換部23を介して交換レンズ100との通信を行う。カメラマイコン20は、通信用クロック信号を出力するLCLK_OUT端子と、交換レンズへの通信データを出力するDCL_OUT端子と、交換レンズからの通信データの入力を受けるDLC_IN端子とを有する。通信用クロック信号および通信データは、通信用信号である。
また、カメラマイコン20は、交換レンズ100の装着を検出するためのMIF_IN端子と、交換レンズ100の種類を識別するためのDTEF_IN端子と、電圧変換部23への通信電圧切り替え信号を出力するCNT_V_OUT端子とを有する。
さらに、カメラマイコン20は、スイッチ22をオン・オフさせる信号を出力するCNT_VDD_OUT端子と、画像処理部13との接続端子と、操作入力部17との接続端子とを有する。
レンズ制御部103内のマイクロコンピュータ(以下、レンズマイコンという)211は、カメラ制御部18の電圧変換部23を介してカメラマイコン20と通信を行う。レンズマイコン211は、通信用クロック信号の入力を受けるLCLK_IN端子と、カメラ10への通信データを出力するDLC_OUT端子と、カメラ10からの通信データの入力を受けるDCL_IN端子と、レンズ駆動部102との接続端子とを有する。また、レンズ制御部103はVDDからレンズマイコン211の動作電圧を生成するレンズ電源部214を有する。
交換レンズ100のカメラ10への装着検出について説明する。カメラマイコン20のMIF_IN端子は、抵抗R2(100KΩ)によって電源にプルアップされているので、レンズ未装着時にはその電圧値はH(High)となる。しかし、MIF_IN端子は、交換レンズ(第1および第2の交換レンズ)100が装着されると交換レンズ100においてGNDに接続されるため、交換レンズ100の種類にかかわらず交換レンズ100が装着された時点でその電圧値はL(Low)となる。
図5は、レンズ制御部103が有するレンズ種類被判定部213の構成例を示す図である。レンズ種類被判定部213は、マウント1に設けられたDTEF端子とGNDとの間に設けられたアクセサリ側抵抗RLにより構成される。抵抗RLの抵抗値は、交換レンズの種類に応じた値を予め設定しておく。例えば、図5(A)に示す第1の交換レンズに設けられた抵抗RLでは0Ωとし、図5(B)に示す第2の交換レンズに設けられた抵抗RLでは300KΩとする。
カメラ10では、マウント1のDTEF端子とカメラマイコン20の動作用電源の電圧(V3)との間にカメラ側抵抗R1(例えば100KΩとする)が接続され、さらにDTEF端子がカメラマイコン20のDTEF_IN端子に接続される。カメラマイコン20のDTEF_IN端子は、AD変換機能(ここでは、0〜1.0Vを入力レンジとする10BitのAD変換機能とする)を備えている。
カメラマイコン20による交換レンズの種類判定の動作について説明する。カメラマイコン20は、DTEF_IN端子に入力される電圧値に応じて、装着された交換レンズの種類判定を行う。具体的には、カメラマイコン20は、入力された電圧値をAD変換し、そのAD変換値とカメラマイコン20が予め有するレンズ種類判定基準とを比較することでレンズ種類判定を行う。
例えば、第1の交換レンズが装着された場合は、DTEF_IN端子に入力される電圧のAD変換値は、R1の100KΩとRLの0Ωとの抵抗比RL/(R1+RL)で、およそ「0x0000」と決まる。このため、カメラマイコン20は、DTEF_IN端子のAD変換値が第1のレンズ種類判定基準である「0x0000〜0x007F」の範囲内にあることを検出して、装着された交換レンズが第1の交換レンズであると判定する。
一方、第2の交換レンズが装着された場合は、DTEF_IN端子に入力される電圧のAD変換値はR1の100KΩとRLの300KΩとの抵抗比RL/(R1+RL)で、およそ「0x02FF」と決まる。このため、カメラマイコン20は、DTEF_IN端子のAD変換値が第2のレンズ種類判定基準である「0x0280〜0x037F」の範囲内にあることを検出して、装着された交換レンズが第2の交換レンズであると判定する。
前述したように、カメラマイコン20は、装着された交換レンズ100の種類を、DTEF_IN端子に入力される電圧値に基づいて判定する。そして、交換レンズ100の種類の判定結果に応じて、CNT_V_OUT端子から出力する信号の論理レベルを制御する。具体的には、DTEF_IN端子の電圧値から、装着された交換レンズ100が第1の交換レンズであると判定した場合、カメラマイコン20は、CNT_V_OUT端子からHレベルの信号を出力して通信電圧をV1に制御する。また、装着された交換レンズ100が第2の交換レンズであると判定した場合、カメラマイコン20は、CNT_V_OUT端子からLレベルの信号を出力して通信電圧をV2に制御する。
DTEF_IN端子の電圧値(AD変換値)として上述した第1および第2のレンズ種類判定基準外の範囲の電圧値を検出した場合、カメラマイコン20は、カメラ10が対応していない交換レンズである「非対応レンズ」が装着されたものと判定する。または、レンズ種類判定が正常に行えないとして判定を留保(Reserved)する。これらの場合は、カメラマイコン20は、交換レンズ100との通信を行わない。
図6は、本実施形態においてカメラマイコン20が行う交換レンズ種別の判定処理および光学パラメータ受信処理を説明するためのフローチャートである。図6に示す処理は、カメラマイコン20が、メモリ16内に格納されたプログラムを実行することにより実施される。
カメラマイコン20は、S60でMIF_IN端子から電圧値H又はLを、S61でDTEF_IN端子から電圧値を読み込む。なお、S60とS61とを同時に実行してもよい。
MIF_IN端子の電圧値がLであり、交換レンズ100の装着が検出された場合、S62でカメラマイコン20は、DTEF_IN端子の電圧値(のAD変換結果)に基づいて、装着された交換レンズ100の種類を判定する。カメラマイコン20は、装着された交換レンズ100が第1の交換レンズ(図にはレンズタイプ1と記す)であると判定した場合は、S63にてCNT_V_OUT端子からHを出力して通信電圧をV1に設定し、処理をS63Aに進める。また、装着された交換レンズ100が第2の交換レンズ(図にはレンズタイプ2と記す)であると判定した場合、カメラマイコン20は、S64にてCNT_V_OUT端子からLを出力して通信電圧をV2に設定し、処理をS64Aに進める。さらに、装着された交換レンズ100が第1および第2の交換レンズのいずれでもなく、「非対応レンズ」又は留保(Reserved)と判定した場合、カメラマイコン20は処理をS65Aに進める。
S63AおよびS64Aでカメラマイコン20は、設定した通信電圧での交換レンズ100との通信を開始する。S65Aでカメラマイコン20は、装着された交換レンズ100との通信を開始せず、ユーザに対する警告等の処理を行う。
S66では、カメラマイコン20は、操作入力部17の撮影スイッチにより画像の記録を開始させる撮影割り込みが生じたか否かを判定する。撮影割り込みが生じていない場合、カメラマイコン20は処理をS70に進める。撮影割り込みが生じている場合、カメラマイコン20は、S67で第1の光学パラメータを交換レンズ100との通信により取得する。
上述の通り、第1の光学パラメータはレンズタイプ1の交換レンズの光学補正値の特定に必要な情報であり、少なくとも焦点距離、撮影距離、絞り値のそれぞれを特定可能な情報を含む、交換レンズの基本的な光学パラメータである。これらの情報は光学補正以外の処理にも利用可能であるため、本実施形態では判定されたレンズの種類に関わらず第1の光学パラメータは取得する。すなわち、本実施形態では、第2の交換レンズが装着されていると判定されている場合も、S67で第1の光学パラメータを取得する。
次にS68およびS69でカメラマイコン20は、S62で交換レンズ100が第2の交換レンズと判定されていれば、第2の光学パラメータを交換レンズ100から取得する。第2の光学パラメータは第2の交換レンズの光学補正値の特定に必要な光学パラメータである。通常、第2の光学パラメータは、第1の光学パラメータとして取得するパラメータの少なくとも一部を含むため、ここでは第2の光学パラメータのうち、少なくとも第1の光学パラメータとは異なるものを取得する。本実施形態において、第2の光学パラメータは少なくとも撮影倍率を特定可能な情報を含む。また、第2のレンズがマクロレンズの場合、光学補正値は撮影倍率と絞り値から特定可能であるが、絞り値は第1の光学パラメータとして取得済みのため、S69で取得しなくてもよい。このように、第2の光学パラメータのうち、第1の光学パラメータと重複するものは、再度取得してもしなくてもよい。
S70でカメラマイコン20は、操作入力部17の電源スイッチのOFF操作による電源OFFの割り込みが生じたか否かを判定し、電源OFFの割り込みが生じた場合はS71にて電源OFFの処理を行う。一方、電源OFFの割り込みが生じていない場合、カメラマイコン20はS72で、MIF_IN端子の電圧がHレベルか否か、すなわち交換レンズ100がカメラ10から取り外されたか否かを判定する。MIF_IN端子からHレベルの電圧が入力された場合、カメラマイコン20はS73で交換レンズ100との通信を停止し、処理をS60に戻す。一方、MIF_IN端子からHレベルの電圧が入力されていない場合、カメラマイコン20は処理をS66に戻す。
このような通信処理を行なうことで、カメラ制御部18は装着された交換レンズ100の種別の判定と、装着された交換レンズ100の光学補正値の特定に必要な光学パラメータを取得することが可能である。
なお、図6の例では装着された交換レンズ100の種類をDTEF_IN端子に入力される電圧値に応じて判定する方法を説明したが、他の判定方法を用いてもよい。例えば、S61およびS62のレンズ種別判定と、S63AおよびS64Aにおけるレンズタイプに応じた出力電圧の設定とを行わずに、S63Aの直後にレンズ種別に関する情報を交換レンズ100から受信してレンズ種別を判定してもよい。
次に光学補正部130で行なう光学補正処理について説明する。図7は光学補正部130における光学補正処理を説明するためのフローチャートである。
まず、S100で光学補正部130は、メモリ16で保持する光学補正データのテーブルから、撮影時に使用された交換レンズ100に対応した光学補正値が含まれている光学補正データを取得する。
まず、S100で光学補正部130は、メモリ16で保持する光学補正データのテーブルから、撮影時に使用された交換レンズ100に対応した光学補正値が含まれている光学補正データを取得する。
メモリ16は、複数の交換レンズの機種について光学補正データを保持する、図8に示すような構造の光学補正データテーブルを保持している。テーブルの先頭に設けられたアドレス情報領域には、交換レンズ100の機種識別情報であるレンズIDと、対応する光学補正データが格納された先頭アドレスを特定するための情報が記録されている。補正データ領域には、各レンズIDに対応した光学補正データが順次格納されている。後述するように、補正データ領域は、第1の交換レンズに分類される交換レンズについては第1の光学パラメータから、第2の交換レンズに分類される交換レンズについては第2の光学パラメータから、光学補正値を得ることができるように構成されている。まず、光学補正部130は、撮影時に使用された交換レンズのIDをアドレス情報領域で検索し、アドレス情報領域で得られたアドレスから格納された光学補正データを取得する。
次のS101で光学補正部130は、上述の通り電源オン時や交換レンズ100が交換された際にカメラ制御部18がS62で行ったレンズ種別の判定結果に基づいて、処理を分岐させる。装着されている交換レンズ100が第1の交換レンズの場合、S102において光学補正部130は、第1の光学パラメータを用いて補正データから光学補正値を取得する。また、装着されている交換レンズ100が第2の交換レンズの場合、S103において光学補正部130は、第2の光学パラメータを用いて補正データから光学補正値を取得する。
図9Aは、第1の交換レンズに対応する補正データの構造を示している。補正データは、アドレス情報領域と、補正値領域とから構成されている。
図9においてOptInfo1[n]、OptInfo2[m]、OptInfo3[p](n,m,pはそれぞれ0以上の整数)はそれぞれ、交換レンズが取りうる以下の光学パラメータの配列を示している。
OptInfo1[n]:焦点距離情報
OptInfo2[m]:撮影距離情報
OptInfo3[p]:絞り値情報
なお、焦点距離や撮影距離のように、実質的に連続値を取りうる値の情報については、所定の離散値を配列値として記憶しておくことができる。
図9においてOptInfo1[n]、OptInfo2[m]、OptInfo3[p](n,m,pはそれぞれ0以上の整数)はそれぞれ、交換レンズが取りうる以下の光学パラメータの配列を示している。
OptInfo1[n]:焦点距離情報
OptInfo2[m]:撮影距離情報
OptInfo3[p]:絞り値情報
なお、焦点距離や撮影距離のように、実質的に連続値を取りうる値の情報については、所定の離散値を配列値として記憶しておくことができる。
第1の交換レンズについては、アドレス情報領域に、これら3つの光学パラメータの各組み合わせと、その組み合わせに対応する光学補正値の格納アドレスを特定するための情報が設定されている。格納アドレスは、補正値領域内のアドレスである。補正値領域には、光学パラメータの各組み合わせに対応した光学補正値が順次格納されている。
従って、撮影時に用いられた第1の光学パラメータを用いてアドレス情報領域を参照し、補正値領域から光学補正値を取得することができる。
従って、撮影時に用いられた第1の光学パラメータを用いてアドレス情報領域を参照し、補正値領域から光学補正値を取得することができる。
図9Bは、第2の交換レンズに対応する補正データの構造を示している。補正データは、アドレス情報領域と、補正値領域とから構成されている。
図9においてOptInfo3[p]、OptInfo4[q](p,qはそれぞれ0以上の整数)はそれぞれ、交換レンズが取りうる以下の光学パラメータの配列を示している。
OptInfo3[p]:絞り値情報
OptInfo4[q]:撮影倍率情報
図9においてOptInfo3[p]、OptInfo4[q](p,qはそれぞれ0以上の整数)はそれぞれ、交換レンズが取りうる以下の光学パラメータの配列を示している。
OptInfo3[p]:絞り値情報
OptInfo4[q]:撮影倍率情報
第2の交換レンズについては、アドレス情報領域に、これら2つの光学パラメータの各組み合わせと、その組み合わせに対応する光学補正値の格納アドレスを特定するための情報が設定されている。格納アドレスは、補正値領域内のアドレスである。補正値領域には、光学パラメータの各組み合わせに対応した光学補正値が順次格納されている。
従って、撮影時に用いられた第2の光学パラメータを用いてアドレス情報領域を参照し、補正値領域から光学補正値を取得することができる。
従って、撮影時に用いられた第2の光学パラメータを用いてアドレス情報領域を参照し、補正値領域から光学補正値を取得することができる。
図10は図9Aおよび図9Bにおいて、光学パラメータの組み合わせごとに保持する光学補正値の例を示す図である。ここでは、周辺減光の補正値の例を示す。記憶容量を節減するため、離散的な像高h0〜h4に対する光量の値を光学補正値として保持し、離散的な光学補正値を多項式で近似して補正曲線を生成することにより、任意の像高に対する補正値を得ることができる。
このように、レンズ種別およびレンズの機種(ID)に応じて、光学補正量を特定するために必要な光学パラメータの組み合わせごとに光学補正値を記憶しておく。なお、アドレス情報領域に記憶する光学パラメータの組み合わせについても離散的な組み合わせとしておき、記憶されていない組み合わせについては、近い値の組み合わせに対応する複数の補正値を補間して光学補正値を生成してもよい。
周辺減光を例に画像処理による補正方法を説明する。補正対象の画像データの各画素について、まず画像中心からの距離である像高を求め、補正曲線から像高に対応する光量を得る。次に光量の逆数に応じたゲインを画素値に適用する。これらの処理を画像データの全画素に対して実行することで周辺減光の補正ができる。
図11は、マクロレンズの周辺減光特性と本実施形態の方法を適用した補正結果の例を図3と同様にして示した図である。図11(a),(b)はそれぞれ、撮影倍率がmの場合とnの場合とにおけるマクロレンズの周辺減光特性を示し、図3(a),(b)と同一である。
図3(c),(d)に示した、撮影倍率を考慮せずに特定した光学補正値を用いた補正結果の例と異なり、本実施形態では撮影倍率を考慮した光学補正値を用いて補正している。そのため、図11(c),(d)に示すように、撮影倍率によらず、全像高において明るさがほぼ100となり、高精度な補正画像を得ることができる。
ここでは、画像劣化の原因となる光学特性の例として、周辺減光の補正を行う場合について説明した。しかし、歪曲収差や倍率色収差などの他の光学特性についても、周辺減光と同様、光学パラメータの組み合わせに対応した、像高と補正量との離散的な組み合わせから補正曲線を生成し、像高に応じた補正値を求めて補正するという基本的な方法は共通である。
このように、本実施形態によれば、光学補正値の特定に必要な光学パラメータの組み合わせが異なるレンズユニットの種類を判別し、レンズユニットの種類に応じた適切な光学パラメータを取得し、光学補正値を特定する。そのため、レンズユニットの種類によらず共通した種類の光学パラメータの組み合わせから光学補正値を求めていた従来技術と比較して、精度の良い光学補正を実現することができる。
なお、本実施形態では説明及び理解を容易にするため、判別するレンズユニット(または光学補正値を特定するために必要な光学パラメータの組み合わせ)が2種類である場合について説明した。しかし、レンズユニットの種類や光学パラメータの組み合わせは2種類の場合に限定されず、より多くの種類に対しても同様に適用可能である。
例えば、本実施形態では第2の光学パラメータを有するレンズユニットとしてマクロレンズを、第2の光学パラメータとして撮影倍率を変化させるための機構の位置情報を有する場合を説明した。しかし、第2の光学パラメータを有するレンズユニットがマクロレンズでなくてもよく、また第2の光学パラメータが焦点距離や撮影距離を制御する光学部材の位置に関する情報であってもよい。この場合の光学部材の位置に関する情報とは、焦点距離や撮影距離を変化させるためにレンズを駆動させる機構の位置情報である。第1の光学パラメータとして取得した焦点距離(単位はmm)、撮影距離(単位はcm)の具体値ではなく、第2の光学パラメータとして取得した、焦点距離や撮影距離を制御する光学部材の位置に関する情報を、光学補正値の特定に利用することが可能である。焦点距離(単位はmm)、撮影距離(単位はcm)よりも光学部材の位置情報の方が分解能が高いシステムでは、光学部材の位置情報を使うことで高精度な光学補正が実現できる。
例えば、第1のレンズユニットは、焦点距離を具体値(例えば○○mm等)でのみ提供可能なレンズであり、第2のレンズユニットは、焦点距離を、焦点距離を制御する光学部材の位置(例えば変倍レンズの位置情報)で提供可能なレンズであってよい。この場合、光学補正値の特定に必要な光学パラメータの組み合わせが第1のレンズユニットと第2のレンズユニットとで同じであってもよい。
光学部材の位置情報は光学部材の可動域を所定数で分割した際の位置情報であってよい。例えば、変倍レンズの可動域を32分割するレンズユニットであれば、位置情報は0,1,2,...,31のいずれかの値として与えられる。レンズユニットの焦点距離範囲と分割数との関係に基づき、カメラマイコン20はレンズの位置情報から焦点距離を割り出すことができる。つまり、光学部材の位置情報はそれ単体では焦点距離を特定しない。この、レンズユニットの焦点距離範囲と分割数の情報は、レンズ通信の開始時に取得することができる。
装着されたレンズが第1のレンズユニットと判定された場合、S67ではmmで表される焦点距離情報を含んだ第1の光学パラメータを取得する。そして、装着されたレンズが第2のレンズユニットと判定された場合、S67ではmmで表される焦点距離情報を含んだ第1の光学パラメータを取得し、S69では少なくとも光学部材の位置情報で表される焦点距離情報を第2の光学パラメータとして取得する。
第2のレンズユニットに対する光学補正量の特定には、光学部材の位置情報で表される焦点距離情報を用いる。これにより、mmで表される焦点距離情報を用いる場合よりも、精度の高い光学補正値を得ることができる。これは、上述の通り、光学部材の位置情報の方が焦点距離との対応づけが高精度かつ詳細である(分解能が高い)ことによる。
このように、同じ情報(焦点距離)を表す異なる光学パラメータを、レンズユニットの種類に応じて切り替えることでも、光学補正値の精度を向上させることができる。この切替は、光学補正値の特定に必要な光学パラメータの組み合わせが第1のレンズユニットと第2のレンズユニットと異なる、上述のマクロレンズとそれ以外のレンズの場合との構成と組み合わせて用いることもできる。
例えば第1のレンズユニットが装着されている場合、レンズユニットが焦点距離情報をmmで焦点距離をmmでのみ提供可能なレンズか、焦点距離を制御する光学部材の位置で提供可能なレンズかをさらに判定する。そして、後者であれば、焦点距離情報として、少なくとも焦点距離を制御する光学部材の位置を取得するようにする。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る撮像装置の基本構成およびマウント1に設けられた端子は第1の実施形態で示したものと同一であるが、本実施形態において第2の交換レンズはレンズからカメラに対し光学補正データを送信する構成を有するものとする。そのために、第2の交換レンズが有するメモリ104には光学補正データが格納されている。ここで保持する光学補正データは図9Bに示した構造を有する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る撮像装置の基本構成およびマウント1に設けられた端子は第1の実施形態で示したものと同一であるが、本実施形態において第2の交換レンズはレンズからカメラに対し光学補正データを送信する構成を有するものとする。そのために、第2の交換レンズが有するメモリ104には光学補正データが格納されている。ここで保持する光学補正データは図9Bに示した構造を有する。
図12は、本実施形態のカメラシステムにおいてカメラマイコン20が行う、レンズ種別判定処理、光学補正データ受信処理、および光学補正値の特定に必要な撮影時の光学パラメータ受信処理を説明するためのフローチャートである。これらの処理は、カメラマイコン20が、メモリ16内に格納されたプログラムを実行することにより実施される。図12において、第1の実施形態で説明した図6と同じ処理を行うステップについては同じ参照数字を付し、説明を省略する。
図12に示した処理は基本的に第1の実施形態と同じであるが、S62でレンズタイプ2と判定されS64Aで通信を開始した後に、カメラマイコン20がS64Bで交換レンズ100から光学補正データ取得のための通信を行なう点が異なる。この処理により交換レンズ100のメモリ104に記憶された光学補正データはカメラ10に送信され、カメラ10のメモリ16に保存される。送信される光学補正データは図9Bに示したデータ構造を有し、S67で取得する第1の光学パラメータとS69で取得する第2の光学パラメータとから光学補正値を特定することができるように設定されている。
なお、レンズユニットは装着されたカメラに対し、自身が有する(提供可能な)光学パラメータについて報知する。例えば、レンズ制御部103は、レンズユニットが光学特性を表すパラメータとして、具体値だけを有しているのか、具体値と光学部材の位置情報との両方を有しているのかをカメラに報知する。あるいは、具体値だけを有しているのか、具体値と光学部材の位置情報との両方を有しているのかをカメラが判定できるような情報を報知してもよい。
なお、レンズユニットが光学特性を表すパラメータとして、具体値と光学部材の位置情報との両方を有している場合、メモリ104に格納される光学補正データは、光学部材の位置情報に対応した光学補正データである。これは、上述したように、具体値よりも光学部材の位置情報を用いた方が高精度かつ高分解能であるという理由による。
また、この場合、レンズユニットはカメラとの通信開始時に、光学部材の位置情報を具体値に変換するために必要な情報をカメラに送信する。例えば焦点距離を調整する光学部材の位置情報を有する場合、レンズユニットの焦点距離範囲とその分割数についての情報をカメラに送信する。
また、この場合、レンズユニットはカメラとの通信開始時に、光学部材の位置情報を具体値に変換するために必要な情報をカメラに送信する。例えば焦点距離を調整する光学部材の位置情報を有する場合、レンズユニットの焦点距離範囲とその分割数についての情報をカメラに送信する。
メモリ16で保持する光学補正データのテーブルは図8に示した構造を有し、交換レンズ100から受信した光学補正データを後から参照できるようにテーブルに追加する必要がある。先述のとおり交換レンズが取り外され再度装着された場合はS73を通りS60に戻り、繰り返し処理が行なわれる。この場合、S64Bでも光学補正データ取得のための通信を再度行なう必要が無いように、メモリ16に装着された交換レンズに対応する光学補正データが既にあるか判定、既にある場合はS64Bをスキップしても良い。こうすることでカメラが既に光学補正データを持っている場合は、光学補正データの通信に要する処理時間を節約することが可能である。
このような処理により、第2の交換レンズに対する光学補正データの取得と、取得した光学補正データから補正値を特定するための光学パラメータの取得が行なわれる。
光学補正部130で行なう光学補正処理は第1の実施形態と同じでよい。第2の交換レンズから取得した光学補正データは既にメモリ16に格納されているため、図7で示した処理を行なうことで補正値の特定と補正処理を行なうことが可能である。
光学補正部130で行なう光学補正処理は第1の実施形態と同じでよい。第2の交換レンズから取得した光学補正データは既にメモリ16に格納されているため、図7で示した処理を行なうことで補正値の特定と補正処理を行なうことが可能である。
本実施形態のように、レンズユニットから光学補正データをカメラに送信し、カメラに登録して光学補正値の特定に用いることで、装着されたレンズユニットに対応した光学補正データがメモリ16に登録されていなくても適切な光学補正が可能になる。
本実施形態では第2の交換レンズが光学補正データをカメラに送信するものとしたが、本発明はそのような形態に限定されず、複数の種類の交換レンズが光学補正データをカメラに送信してもよい。また、光学補正データをカメラに送信するレンズの種類と、その種類のレンズで必要な光学パラメータの組み合わせについても、本実施形態で示した限りではなく複数のものに対応可能である。
以上、本発明を特定の構成を有する撮像装置に適用した実施形態を示したが、本発明は特許請求の範囲の記載範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
以上、本発明を特定の構成を有する撮像装置に適用した実施形態を示したが、本発明は特許請求の範囲の記載範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
11…イメージセンサ、12…A/D変換部、13…画像処理部、14…表示部、15…記録媒体、16…メモリ、17…操作入力部、18…カメラ制御部、101…撮像レンズ、102…レンズ駆動部、103…レンズ制御部、104…メモリ
Claims (10)
- レンズユニットが着脱可能であり、撮影された画像に光学補正値を用いた画像処理を適用することにより、撮影に用いたレンズユニットの光学特性が画像に与える影響を補正する光学補正機能を有する撮像装置であって、
装着されたレンズユニットから、撮影の際の光学特性に関する光学パラメータを取得する取得手段であって、装着されたレンズユニットが第1のレンズユニットの場合は、第1の光学パラメータを取得し、前記装着されたレンズユニットが第2のレンズユニットの場合は、前記第1の光学パラメータと、前記第1の光学パラメータと異なる情報であって前記第2のレンズユニットが有する撮影倍率を変化させる機構の位置情報を含む第2の光学パラメータとを取得する取得手段と、
光学補正データを保持するメモリと、
撮影された画像に対し、前記光学補正データと前記取得手段が取得した光学パラメータとに基づく光学補正値を用いた画像処理を適用することにより、前記装着されたレンズユニットの光学特性に対応させて当該撮影された画像を補正可能な補正手段とを有し、
前記補正手段は、前記装着されたレンズユニットが前記第1のレンズユニットの場合は前記光学補正データおよび前記第1の光学パラメータに基づいた光学補正値を、前記装着されたレンズが前記第2のレンズユニットの場合は前記光学補正データおよび前記第2の光学パラメータに基づいた光学補正値を用いることを特徴とする撮像装置。 - 前記第2の光学パラメータは、前記第1の光学パラメータに具体値として含まれる光学特性に関するパラメータに対応する、光学部材の位置情報を含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記第1の光学パラメータが、前記第1のレンズユニットの光学補正値の特定に必要な光学パラメータの組み合わせであり、前記第2の光学パラメータが、前記第2のレンズユニットの光学補正値の特定に必要な光学パラメータの組み合わせであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記取得手段は、前記第2の光学パラメータを取得する際、前記第1の光学パラメータとして取得されている光学パラメータを除いて取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記メモリには、前記光学補正データとして、前記第1の光学パラメータもしくは前記第2の光学パラメータの組み合わせに対応した光学補正値が予め記憶されており、前記補正手段は、前記取得手段が取得した光学パラメータを用いて前記光学補正データを参照することにより、前記画像に適用すべき光学補正値を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記取得手段は、前記装着されたレンズユニットから、レンズの機種識別情報をさらに取得し、
前記メモリには、前記光学補正データとして、前記機種識別情報に対応して、前記第1の光学パラメータもしくは前記第2の光学パラメータの組み合わせに対応した光学補正値が予め記憶されていることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。 - 前記補正手段は、前記装着されたレンズユニットから光学補正データを受信した場合、前記装着されたレンズユニットから受信した光学補正データと、前記取得手段が取得した光学パラメータとを用いて、前記画像に適用すべき光学補正値を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第1の光学パラメータは、少なくとも焦点距離、撮影距離、絞り値のそれぞれに対応する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記第2の光学パラメータは少なくとも撮影倍率に対応する光学パラメータを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- レンズユニットが着脱可能であり、撮影された画像に光学補正値を用いた画像処理を適用することにより、撮影に用いたレンズユニットの光学特性が画像に与える影響を補正する光学補正機能を有する撮像装置の制御方法であって、
取得手段が、装着されたレンズユニットから、撮影の際の光学特性に関する光学パラメータを取得する工程であって、装着されたレンズユニットが第1のレンズユニットの場合は、第1の光学パラメータを取得し、前記装着されたレンズユニットが第2のレンズユニットの場合は、前記第1の光学パラメータと、前記第1の光学パラメータと異なる情報であって前記第2のレンズユニットが有する撮影倍率を変化させる機構の位置情報を含む第2の光学パラメータとを取得する工程と、
補正手段が、撮影された画像に対し、前記撮像装置が有するメモリが保持する光学補正データと前記取得する工程で取得した光学パラメータとに基づく光学補正値を用いた画像処理を適用することにより、前記装着されたレンズユニットの光学特性に対応させて当該撮影された画像を補正する工程とを有し、
前記補正する工程では、前記装着されたレンズユニットが前記第1のレンズユニットの場合は前記光学補正データおよび前記第1の光学パラメータに基づいた光学補正値を、前記装着されたレンズが前記第2のレンズユニットの場合は前記光学補正データおよび前記第2の光学パラメータに基づいた光学補正値を用いることを特徴とする撮像装置の制御方法。
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