JP5981287B2 - テープカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、記録テープが巻回されるリールを内蔵したテープカートリッジに関する。特に、リールを構成するハブ部材と上フランジとの接合精度が向上したテープカートリッジに関する。
LTOカートリッジで代表される単リール型のテープカートリッジは、主にコンピュータシステムのデータバックアップ用途として用いられている。
この種のテープカートリッジに用いられるリールは、データ記録テープを巻き取る円筒部と下フランジとが一体に成形されたハブ部材と、上フランジとの2部品からなり、ハブ部材と上フランジとは超音波溶着により一体化されている。超音波溶着を行うために、ハブ部材の円筒部と当接する上フランジの領域には、複数の溶着リブと、溶着リブより低い複数の位置決めリブとが互いに近接して設けられている。上フランジに超音波振動を印加すると、上フランジとハブ部材の接触界面に存在する溶着リブが超音波振動により加熱され溶融し、位置決めリブが円筒部に当接する。これにより、上フランジが高さ方向に位置決めされて、上フランジとハブ部材とが溶着される(例えば特許文献1参照)。
特許第4579099号明細書
ハブ部材と上フランジとを超音波溶着する場合、超音波溶着機のアンビル上にハブ部材及び上フランジを順に載置し、更に溶着ホーンを上フランジに押し当てる。このとき、上フランジが傾いた状態でハブ部材上に載置されると、複数の溶着リブのうちの一部のみがハブ部材の円筒部に接触する。この状態で超音波振動を印加すると、円筒部に接触した当該一部の溶着リブのみが最初に溶融し始め、その後、溶融した溶着リブの近傍の位置決めリブが円筒部に接触する。一般に、位置決めリブの上面は、超音波溶着時に溶融しにくいように平面に形成されているが、上フランジが傾いていると、位置決めリブの上面の端部のみが円筒部に接触するので、当該端部が溶融してしまうことがある。上フランジの傾きを修正しようとして溶着ホーンの加圧力や超音波振動エネルギーを増大させると、位置決めリブの溶融が更に進行するので、上フランジの傾きを修正することは困難である。位置決めリブが溶融してしまうと、上フランジを正確に位置決めすることができず、上フランジは傾いた状態でハブ部材に溶着されてしまう。
上フランジが傾いていると、リールを回転させたときの上フランジの外周部の上下方向の振れ幅が大きくなる。その結果、記録テープのエッジが上フランジの外周部に接触し、記録テープの安定した巻き出し/巻き取りができなくなったり、記録テープのエッジが削られて粉落ちが生じたり、記録テープが切断されたりする問題が発生する。
本発明は、上記の従来のテープカートリッジの課題を解決するためのものであり、上フランジの傾きを低減し、リール回転時の上フランジの振れ幅を低減することを目的とする。
本発明のテープカートリッジは、筐体内に収納された、記録テープが巻回されたリールを備える。前記リールは、前記記録テープが巻き付けられる円筒部と、前記円筒部の下端から外向きに突出した下フランジと、前記円筒部の下側の開口を閉じる内底板とが一体的に成形されたハブ部材、及び、前記下フランジに対向する上フランジの2部品からなる。前記上フランジは、前記円筒部に内挿された筒壁を備える。前記筒壁の先端は前記内底板に当接している。前記上フランジと前記円筒部の天面とが溶着部にて溶着されている。前記溶着部は、周方向に断続的に形成されている。前記溶着部を除いて、前記円筒部の前記天面は前記上フランジに対して上下方向に離間している。
本発明では、上フランジの筒壁の先端をハブ部材の内底板に当接させることにより、上フランジをハブ部材に対して上下方向に位置決めすることができる。筒壁の先端は、超音波溶着する際に超音波が印加される位置から遠いので、超音波は減衰し、溶融し難くなる。従って、上フランジとハブ部材とを超音波溶着する際に、上フランジがハブ部材に対して傾いていたとしても、溶着リブのみが溶融し、筒壁の先端が内底板に当接することにより上フランジの傾きが修正される。よって、上フランジの傾きを低減し、リール回転時の上フランジの振れ幅を小さくすることができる。
図1は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジの概略斜視図である。 図2は、図1の2−2線を含む面に沿った本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジの主要部の縦断面図である。 図3は、図1に示した本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジの主要部材を示した分解斜視図である。 図4Aは、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の斜視図である。 図4Bは、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の平面図である。 図5は、従来の上フランジの斜視図である。 図6Aは、従来の上フランジの平面図である。 図6Bは、図6Aの6B−6Bを含む面に沿った、従来の上フランジの溶着リブ及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図6Cは、図6Aの6C−6Cを含む面に沿った、従来の上フランジの位置決めリブ及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図7は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの斜視図である。 図8Aは、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの平面図である。 図8Bは、図8Aの8B−8Bを含む面に沿った、本発明の実施形態1の上フランジの溶着リブ及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図8Cは、図8Aの8C−8Cを含む面に沿った、本発明の実施形態1の上フランジの溝及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図9Aは、本発明の実施形態1において、超音波溶着する直前のリールを示した断面図である。 図9Bは、図9Aの部分9Bの拡大断面図である。 図10Aは、本発明の実施形態1において、超音波溶着した後のリールを示した断面図である。 図10Bは、図10Aの部分10Bの拡大断面図である。 図11は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールの、上フランジ側から見た斜視図である。 図12Aは、従来のリールの超音波溶着において、ハブ部材と上フランジとが、傾きなく溶着される様子を概念的に示した側面図である。 図12Bは、従来のリールの超音波溶着において、上フランジが傾いて溶着される様子を概念的に示した側面図である。 図12Cは、従来のリールの超音波溶着において、下フランジが傾いて溶着される様子を概念的に示した側面図である。 図13Aは、従来のリールの下フランジ及び上フランジの高さの測定位置を示した断面図である。図13Bは、上フランジの円筒部近傍及び外周端近傍の2カ所での高さの周方向の変化を測定した結果を示した図である。図13Cは、下フランジの円筒部近傍及び外周端近傍の2カ所での高さの周方向の変化を測定した結果を示した図である。 図14Aは、本発明の実施形態1のリールを超音波溶着する直前の、上フランジが傾いている状態を示した断面図である。図14Bは、本発明の実施形態1の、超音波溶着直後の、上フランジの傾きが修正されたリールの断面図である。 図15は、本発明の実施形態1の上フランジを成形するための金型構造の一例を示した断面図である。 図16Aは、超音波溶着直前に、図14Aよりも上フランジが更に大きく傾いた状態を示した断面図である。図16Bは、図16Aの部分16Bの拡大断面図である。 図17Aは、本発明の実施形態2にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の斜視図である。図17Bは、図17Aに示した本発明の実施形態2にかかるテープカートリッジの円筒部及びその周辺部分の拡大断面図である。 図18は、本発明の実施形態3において、超音波溶着する直前の円筒部及びその周辺部分の拡大断面図である。 図19は、本発明の実施形態4にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの斜視図である。 図20Aは、本発明の実施形態5において、超音波溶着する直前の円筒部及びその周辺部分の拡大断面図である。図20Bは、本発明の実施形態5において、超音波溶着した後の円筒部及びその周辺部分の拡大断面図である。
上記の本発明のテープカートリッジにおいて、前記円筒部と前記筒壁とは、半径方向に離間していることが好ましい。これにより、超音波溶着する前であれば、ハブ部材に対して上フランジを上下方向及び周方向に自由に移動させることができる。また、超音波溶着時に円筒部と筒壁とが意図せずに溶融するのを防ぐことができる。
上記の本発明のテープカートリッジにおいて、前記円筒部の前記天面の内側端縁に面取りが形成されていることが好ましい。これにより、超音波溶着時に円筒部の天面や筒壁が意図せずに溶融するのを防ぐことができる。
上記の本発明のテープカートリッジが、前記内底板と前記筐体の上ハーフとの間に、不使用時に前記リールの回転を阻止するリールロック機構を備えていてもよい。この場合、前記リールロック機構は、上下動可能且つ回転不能に前記上ハーフに支持されたリール押さえ部材と、前記リール押さえ部材に対して前記内底板に向かう向きの付勢力を印加するバネと、前記リール押さえ部材と前記内底板との間に配置され、且つ、前記リール押さえ部材を前記バネの付勢力に反して上昇させるロック解除部材とを含むことが好ましい。前記内底板及び前記リール押さえ部材の互いに対向する側の面には、互いに係合することで前記リールの回転を阻止するロック歯がそれぞれ設けられていることが好ましい。前記ロック解除部材は、略等角度間隔に放射状に延びた3本のアームと、前記3本のアームのそれぞれの先端から下方に向かって突出した操作爪とを備えることが好ましい。前記操作爪が前記内底板を貫通して下方に向かって突出することができるように、前記リールの中心軸から略等距離の位置に3つの貫通孔が前記内底板に設けられていることが好ましい。前記筒壁が、前記貫通孔に対応する位置で周方向に分割されていることが好ましい。これにより、リールロック機構を備えたテープカートリッジに本発明を適用して、上記の効果を得ることができる。また、筒壁が分割された部分に、ロック解除部材のアームの先端を挿入することができる。その結果、円筒部の外径を拡大することなく、円筒部内にリールロック機構を収納することができる。また、ロック解除部材を円筒部内に挿入するのが容易になる。
上記において、前記筒壁の前記先端が、入れ子により成形されることが好ましい。これにより、筒壁の先端の平面度を微調整するのが容易になる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。以下の図面において、同一の部材又は要素には同一の符号を付しており、これにより当該部材又は要素についての重複する説明を省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジ1の概略斜視図である。テープカートリッジ1は、上ハーフ3と下ハーフ3bとが上下方向に接合された箱状(中空の略直方体形状)の筐体3を備える。
図2は、図1の2−2線を含む面に沿った本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジ1の主要部(中央部)の縦断面図である。図3は、リール10及びリールロック機構の分解斜視図である。図2、図3において、一点鎖線10aは、リール10の中心軸である。リール10は中心軸10aのまわりに回転する。以下の説明の便宜のために、中心軸10a方向を「上下方向」と呼び、中心軸10a方向において上ハーフ3aの側を「上側」、下ハーフ3bの側を「下側」と呼ぶ。但し、この「上」、「下」はテープカートリッジ1の実際の使用状態での上下方向を意味するものではない。また、中心軸10aの周りを回転する方向を「周方向」と呼ぶ。中心軸10aを通り、中心軸10aに直交する方向を「半径方向」と呼ぶ。
筐体3内にはリール10及びリールロック機構が内蔵されている。図3に示されているように、リールロック機構は、リール10の中央の円筒部22内に収納されており、下から上に向かって、ロック解除部材30、リール押さえ部材40、及び、バネ45をこの順に備える。
リール10は、中央に開口12が形成された円板状の上フランジ11と、ハブ部材20との2部品で構成される。ハブ部材20は、中空円筒形状を有する円筒部22と、円筒部22の下端から外向きに突出する円板状の下フランジ21と、円筒部22の下側の開口を閉じる内底板23とを備え、これらが一体的に成形されている。上フランジ11と下フランジ21とが対向するように、円筒部22の天面(即ち、上端面)22tに上フランジ11が接合されてハブ部材20と一体化される。記録テープ(例えば磁気テープ、図示せず)は、上フランジ11と下フランジ21との間に、円筒部22の外周面である円筒面上に巻き付けられる。
図2に示されているように、内底板23の下面には、中央が開口した円形の金属プレート24が取り付けられている。金属プレート24は、インサート成形によりハブ部材20と一体化されている。
下ハーフ3bの中央には円形の開口3cが形成されている。この開口3c内にバブ部材20の内底板23が露出している。内底板23には、内底板23を上下方向に貫通する開口(孔)である3つの貫通孔(出退口)25が形成されている。3つの貫通孔25は、リール10の中心軸10aから等距離の位置に、中心軸10aに対して等角度間隔(即ち、120度間隔)で配置されている。内底板23の上面には、周方向に隣り合う貫通孔25間の領域に、リール10と同心の円弧に沿ってロック歯26(後述する図4A、図4Bを参照)が形成されている。貫通孔25のリール10の中心軸10aからの距離は、ロック歯26のそれと同じか、わずかに遠い。内底板23の下面には、ドライブ装置の駆動軸50に設けられた駆動歯51とかみ合う被駆動歯27が、リール10と同心の円弧に沿って設けられている。3つの貫通孔25が、被駆動歯27を3つに分断している。
図3に示されているように、ロック解除部材30は、120度間隔で放射状に延びた3本のアームを備え、全体として三叉形状(略Y字形状)を有している。各アームの先端には下向きに突出した操作爪31が形成されている。
リール押さえ部材40は、上側が開口した有底円筒形状を有する。リール押さえ部材40の底板の下面には、リール10のロック歯26とかみ合うロック歯41(図2参照)が円状に配置されている。また、リール押さえ部材40の底板の上面の中央には略十字形状の溝(十字溝)42が形成されている。上ハーフ3aの下面には、十字溝42に嵌入する略十字形状の十字突起3d(図2参照)が立設されている。十字溝42に十字突起3dが嵌入することにより、リール押さえ部材40は、筐体3内において、上下方向には移動可能であるが、回転は不能に上ハーフ3aに支持される。
バネ45は、リール押さえ部材40と上ハーフ3aとの間に配置されて、リール押さえ部材40に対して下向き(内底板23に向かう向き)の付勢力を印加する。
テープカートリッジ1の不使用時には、バネ45の下向きの付勢力によって、リール押さえ部材40は下方に変位し、リール押さえ部材40のロック歯41とリール10のロック歯26とがかみ合う。従って、リール10は回転することができない。また、リール押さえ部材40がロック解除部材30を下方に変位させて、ロック解除部材30の操作爪31がリール10の内底板23の貫通孔25を貫通し、内底板23よりも下側に突出する。
テープカートリッジ1がドライブ装置に装填されると、ドライブ装置の駆動軸50が、図2の矢印Aの向きに下ハーフ3bの開口3c内に挿入される。駆動軸50の上面にはマグネット(図示せず)が設けられており、リール10の下面に取り付けられた金属プレート24が当該マグネットに吸着される。これにより、駆動軸50の上面に形成された駆動歯51がリール10の被駆動歯27とかみ合う。これと同時に、駆動歯51が、リール10の内底板23から突出したロック解除部材30の操作爪31に当接して、ロック解除部材30を上方に押し上げる。これにより、リール押さえ部材40は、バネ45の付勢力に反して上方に変位し、リール押さえ部材40のロック歯41とリール10のロック歯26とのかみ合いが解除される。従って、リール10は回転可能状態となり、駆動軸50により回転される。ロック解除部材30は、リール10とともに回転する。
図2は、ロック解除部材30及びリール押さえ部材40が上方に変位し、リール10が回転可能な状態を示している。但し、理解を容易にするために、実際には開口3c内に挿入されリール10と係合しているはずの駆動軸50を、リール10から下方に離して描いている。
以下に、テープカートリッジ1を構成するリール10を、従来のテープカートリッジに用いられていたリールと比較しながら詳細に説明する。以下に参照する本発明のリール10及び従来のリールを示した図において、同一の要素には同一の符号を付しており、それらについての重複する説明を省略する。
図4Aはリール10を構成するハブ部材20の斜視図、図4Bはハブ部材20の平面図である。円筒部22の内底板23に、3つの貫通孔25が、ハブ部材20と同心の円周上に等間隔で形成されている。ロック解除部材30の3つの操作爪31が、この3つの貫通孔25にそれぞれ挿入される(図2参照)。円弧状の3つのロック歯26が、内底板23の隣り合う貫通孔25の間の領域に、ハブ部材20と同心の円に沿って設けられている。円筒部22の天面(上面)22tは、下フランジ21と平行な水平面である。
本実施形態1の上フランジ11を説明する前に、従来の上フランジ111を説明する。
図5は従来の上フランジ111の斜視図、図6Aは上フランジ111の平面図である。上フランジ111には、中央の開口12の周縁に沿って、一方の側(下フランジ21に対向する側)に向かって突出した円環状の嵌合リブ113が形成されている。嵌合リブ113よりも外側(開口12とは反対側)に、8つの溶着リブ114と8つの位置決めリブ115とが周方向に交互に配置されている。溶着リブ114及び位置決めリブ115は、上フランジ111と同心の円に沿って円弧状に配置されている。
図6Bは、図6Aの6B−6B線を含む面に沿った、溶着リブ114及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。図6Cは、図6Aの6C−6C線を含む面に沿った、位置決めリブ115及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。図6Bに示されているように、溶着リブ114は先端が尖った略楔状の断面形状を有している。一方、図6Cに示されているように、位置決めリブ115は、溶着リブ114に比べて比較的大きな面積を有する平坦な上面を有している。上フランジ111からの突出高さは、嵌合リブ113が最も高く、次いで溶着リブ114が高く、位置決めリブ115が最も低い。上フランジ111とハブ部材20の円筒部22の天面22tとを超音波溶接法により溶着する際、溶着リブ114を天面22tに当接させる。この状態で超音波を印加して溶着リブ114を溶融させ、上フランジ111をハブ部材20の側(下側)に変位させ、位置決めリブ115を天面22tに当接させる。これにより、ハブ部材20に対して上フランジ111が上下方向に位置決めされて溶着される。
本実施形態1の上フランジ11を説明する。
図7は上フランジ11の斜視図、図8Aは上フランジ11の平面図である。図8Bは、図8Aの8B−8B線を含む面に沿った拡大矢視断面図、図8Cは、図8Aの8C−8C線を含む面に沿った拡大矢視断面図である。図7、図8A〜図8Cにおいて、従来の上フランジ111を示した図5、図6A〜図6Cに示された要素と同じ要素には同じ符号が付されており、それらについての説明を省略する。図5、図6A〜図6Cに示した従来の上フランジ111と比べると、本実施形態1の上フランジ11は以下の点で相違する。第1に、従来の上フランジ111の嵌合リブ113に代えて、本実施形態1の上フランジ11には3つの筒壁13が形成されている。筒壁13の突出高さは、嵌合リブ113に比べてはるかに高い。第2に、従来の上フランジ111で形成されていた位置決めリブ115が本実施形態1の上フランジ11には形成されていない。
3つの筒壁13は、中央の開口12の周縁に沿って、一方の側(下フランジ21に対向する側)に向かって突出している。筒壁13の外周面及び内周面は、上フランジ11と同心の円筒面である。筒壁13の先端(下端)13tは、下フランジ21に対向する上フランジ11の領域の面11sと平行な平面に形成されている。3つの筒壁13の寸法は同一であり、中心軸10aに対して等角度間隔で、周方向に互いに離間して配置されている。周方向に隣り合う筒壁13は、離間部18を介して周方向に離間している。
筒壁13の外側に、上フランジ11の面11sより凹んだ環状の溝(凹部)17が形成されている。8つの溶着リブ14が、この溝17内に形成されている。溶着リブ14は、上フランジ11と同心の円に沿って円弧状に配置されている。8つの溶着リブ14の寸法は同一であり、中心軸10aに対して等角度間隔で、周方向に互いに離間して配置されている。溶着リブ14の数は、8に限らず、これより多くても、少なくてもよい。図8Bに示されているように、溶着リブ14は先端が尖った略楔状の断面形状を有している。図8B、図8Cに示されているように、溶着リブ14の先端は、上フランジ11の面11sよりも下側(ハブ部材20側)に突出している。上フランジ11とハブ部材20の円筒部22の天面22tとを超音波溶接法により溶着する際、溶着リブ14を天面22tに当接させる。この状態で超音波を印加して溶着リブ14を溶融させ、天面22tに溶着させる。
本実施形態1の上フランジ11は、従来の上フランジ111と同様に、樹脂材料を用いた射出成形等の方法により一体的に成形することができる。
図9Aは、本実施形態1において、超音波溶着する直前のリール10を示した断面図である。図面を簡単化するために、ハブ部材20を保持するアンビル、上フランジ11の上面に押し付けて上フランジ11に超音波を印加する溶着ホーンの図示が省略されている。筒壁13はハブ部材20の円筒部22内に挿入されている。離間部18は、貫通孔25(図4B参照)と周方向の位置が一致するように、上フランジ11はハブ部材20に対して周方向に位置合わせされる。
図9Bは、図9Aの部分9Bの拡大断面図である。上フランジ11の面11sより突出した溶着リブ14が、ハブ部材20の円筒部22の天面22tに当接している。筒壁13の先端(下端)13tは、内底板23から上方に離間している。溶着リブ14の面11sからの突出高さをH1、筒壁13の先端13tと内底板23との間の上下方向距離をDとしたとき、これらは0<D<H1を満足する。
円筒部22の内径は、筒壁13の外径より大きい。即ち、円筒部22と筒壁13とは半径方向に離間し、両者間に隙間29が形成されている。従って、超音波溶着する前であれば、ハブ部材20に対して上フランジ11を上下方向及び周方向に自由に移動可能である。また、超音波溶着時に円筒部と筒壁とが接触して両者が意図せずに溶融するのを防ぐことができる。
図10Aは、超音波溶着終了後のリール10を示した断面図である。図9Aと同様に、図面を簡単化するために、ハブ部材20を保持するアンビル、上フランジ11の上面に押し付けた溶着ホーンの図示が省略されている。図10Bは、図10Aの部分10Bの拡大断面図である。図10Bを図9Bと比較すれば理解できるように、筒壁13の先端13tが内底板23に当接している。上フランジ11の溶着リブ14が溶融し且つ変形して、上フランジ11が円筒部22の天面22tに溶着部19にて溶着している。溶着部19を除いて、円筒部22の天面22tは、上フランジ11の面11sから距離H2(H2>0)だけ離間している。図7、図8Aに示したように、溶着リブ14は溝17内に周方向に断続的に形成されている。従って、図示を省略するが、溶着リブ14が形成されていない領域では、溶着部19は形成されず、円筒部22の天面22tは上フランジ11の面11sから距離H2(H2>0)だけ離間する。このように、本実施形態1では、超音波溶着により溶着リブ14を溶融させ、筒壁13の先端13tを内底板23に当接させることにより、ハブ部材20に対して上フランジ11を上下方向に位置決めしている。
図11は得られたリール10の上フランジ11側から見た斜視図である。周方向に隣り合う筒壁13間の離間部18の周方向の位置が、貫通孔25のそれと一致している。離間部18内にロック解除部材30の3つのアームの先端が挿入される(図2参照)。これにより、円筒部22の外径を拡大することなく、円筒部22内にリールロック機構を収納することができる。また、ロック解除部材30を円筒部22内に挿入するのが容易になる(即ち、組み立て性が向上する)。
以上のように構成された本実施形態1の作用を、従来のリールと比較しながら説明する。
図12A〜図12Cは、従来のリールの超音波溶着において、ハブ部材20と上フランジ111との傾きを概念的に示した側面図である。これらの図では、図面を簡単化するために、ハブ部材20を保持するアンビル、上フランジ111の上面に押し付けて上フランジ111に超音波を印加する溶着ホーンの図示が省略されている。
理想的には、図12Aに示すように、上フランジ111とハブ部材20の下フランジ21とが互いに平行な状態で超音波溶着されるのが望ましい。ところが、実際には、図12Bに示すように上フランジ111が傾いたり、図12Cに示すようにハブ部材20が傾いたりした状態で超音波溶着されてしまうことが多い。このように上フランジ111やハブ部材20が傾く原因としては、溶着リブ114(図5、図6B参照)の高さや周方向の位置にバラつきがあること、上フランジ111を押圧する溶着ホーンやハブ部材20が搭載されるアンビルの姿勢(水平度)が不適切であることなどが挙げられる。上フランジ111及び/又はハブ部材20が傾いた状態では、複数の溶着リブ114が円筒部22の天面22tに均等に接触することはなく、複数の溶着リブ114のうちの一部のみが、更には、当該一部の溶着リブ114のうちの特定箇所のみが、円筒部22の天面22tに接触する。この状態で上フランジ111とハブ部材20を押圧しながら上フランジ111に溶着ホーンから超音波を印加すると、円筒部22の天面22tに接触している一部の溶着リブ114の特定箇所のみが溶融し始める。溶着リブ114の溶融が進行するにしたがって、上フランジ111がハブ部材20の側(下側)に変位する。従って、次に、溶融した当該一部の溶着リブ114の近傍の位置決めリブ115(図5参照)が円筒部22の天面22tに接触する。位置決めリブ115の上面は、比較的大きな面積を有する平面であるが(図6C参照)、上フランジ111及び/又はハブ部材20が傾いているので、位置決めリブ115の上面の一部のみが円筒部22の天面22tに接触する。従って、位置決めリブ115の、天面22tに接触した当該一部が溶融し始める。このように位置決めリブ115が溶融してしまうと、上フランジ111をハブ部材20に対して位置決めするという位置決めリブ115の機能が発揮されなくなる。その結果、上フランジ111はハブ部材20に対して傾いた状態で溶着されてしまう。上フランジ111が傾くと、リールを回転させたときの上フランジ111の外周部の上下方向の振れ幅が大きくなってしまう。
従来のリールの上フランジ111及び下フランジ21の高さの周方向における変化を測定した結果を示す。図13Aは、従来のリール110の下フランジ21及び上フランジ111の高さの測定位置P1a、P1b、P2a、P2bを示した断面図である。図示したように、上フランジ111の下フランジ21に対向する面において、リールの中心軸10aから23.2mmの位置(円筒部22の近傍の位置)をP1a、48mmの位置(上フランジ111の外周端近傍の位置)をP1bとする。また、下フランジ21の上フランジ111に対向する面において、リール110の中心軸10aから23.2mmの位置(円筒部22の近傍の位置)をP2a、48mmの位置(下フランジ21の外周端近傍の位置)をP2bとする。ハブ部材20の被駆動歯27上に設けた架空の基準平面27aから上記各測定位置までの高さを、真円度測定機「Mitutoyo製Roundtest RA-2100」を用いてリール110を回転させながら全周(360度測定)にわたって測定した。
図13Bに、上フランジ111上の測定位置P1a、P1bでの測定結果を示し、図13Cに、下フランジ21上の測定位置P2a、P2bでの測定結果を示す。図13B、図13Cにおいて、横軸は中心軸10a周りの位置を示し、両図間で横軸の位置は一致している。図13Bに示されているように、上フランジ111の外周端近傍の位置P1bの高さは、20°付近で最小値をとり、200°付近で最大値をとり、最小値と最大値とは約180°離れている。これに対して、下フランジ21の外周端近傍の位置P2bの高さの最小値及び最大値の位置は、上フランジ111の位置P1bのそれと一致していない。これより、上フランジ111の外周端近傍の位置P1bの高さの周方向の変化は、上フランジ111が下フランジ21に対して傾いた状態で溶着されていることに起因することが分かる。このように、上フランジ111が傾いて溶着されると、特に上フランジ111の外周端の上下方向の振れ幅が大きくなる。
次に、本実施形態1について説明する。
図14Aは、本実施形態1のリール10を超音波溶着する直前の状態を示した断面図である。アンビル90の円環状に突出した支持突起91上にハブ部材20を載置する。ハブ部材20の円筒部22内に上フランジ11の筒壁13を挿入し、円筒部22上に上フランジ11を積み重ねる。更に、上フランジ11上に溶着ホーン95の円環状に突出した押圧リブ96を押し当てる。図14Aでは、ハブ部材20に対して上フランジ11が傾いている。従って、図14Aにおいて左側の溶着リブ14は円筒部22の天面22tから離間している。
しかしながら、本実施形態1では、上フランジ11が、長い突出長の筒壁13を備えている。溶着ホーン95で上フランジ11を下向きに押圧すると、この筒壁13が円筒部22の内周面上を摺動し、この際に上フランジ11の傾きの一部が修正され得る。
その後、上フランジ11が傾いた状態で溶着ホーン95から超音波を上フランジ11に印加すると、複数の溶着リブ14のうち、円筒部22の天面22tに接触している溶着リブ14(図14Aにおいて右側の溶着リブ14)のみが溶融し始める。溶着リブ14が溶融するにしたがって、上フランジ11は徐々に下降する。
本実施形態1では、従来の上フランジ111では溶着リブ114の近傍に設けられていた位置決めリブ115(図5、図6A参照)が設けられていない。従来の位置決めリブ115と同様に機能する筒壁13の先端13tは、溶着リブ14からはるか遠くに位置している。超音波エネルギーは、超音波の印加位置(即ち、上フランジ11の溶着ホーン95による押圧位置)から遠いほど減衰するから、筒壁13の先端13tが内底板23に当接したとしても、筒壁13の先端13tが溶融することはない。むしろ、溶融し始めた溶着リブ14と隣り合う未溶融の溶着リブ14が円筒部22の天面22tに接触して溶融し始める。このように、筒壁13の先端13tではなく、溶着リブ14が優先的に溶融する。溶融する溶着リブ14が徐々に増えるにしたがって上フランジ11はさらに下降する。これにともない、筒壁13の先端13tが内底板23に当接し、上フランジ11の傾きが修正される。
このように、本実施形態1によれば、超音波溶着の開始前にハブ部材20に対して上フランジ11が相対的に傾いていたとしても、超音波溶着の過程で、筒壁13の先端13tが内底板23に当接することにより、上フランジ11の相対的な傾きが修正される。従って、超音波溶着後に得られたリール10において、ハブ部材20に対する上フランジ11の相対的傾きは小さい。その結果、回転時に上フランジ11の外周部の上下方向の振れ幅を小さくすることができる。
本実施形態1では、上フランジ11の上下方向の位置決めや傾きを、筒壁13の先端13tで規制する。先端13tを高い面精度に仕上げることにより、上フランジ11の上下方向位置や傾きを高精度に管理することができる。筒壁13の先端13tの面精度は、例えば射出成形時に使用する金型構造を工夫することで確保することができる。図15は、そのような金型構造の一例の断面図である。上金型91と下金型92とが上下方向に対向している。下金型92の中央には、略筒形状の第1入れ子93aと、3つの第2入れ子93b(図15では2つの第2入れ子93bは見えない)と、第1入れ子93a及び第2入れ子93bを下金型92に固定するための治具94とを備える。第1入れ子93aは、互いに分離した3つの筒壁13の内周面を除く側面を成形する。3つの第2入れ子93bは、3つの筒壁13の先端13tをそれぞれ成形する。本実施形態1では、筒壁13が、周方向に連続した円筒形状ではなく、周方向に3つに分割されているので、3つの第2入れ子93bの先端面をそれぞれ高精度に加工することにより、3つの筒壁13の先端13tの面精度を容易に微調整することができる。その結果、超音波溶着後の上フランジ11の傾きや上下方向位置を高精度に管理することができる。
(実施形態2)
図16Aは、超音波溶着直前に、実施形態1で説明した図14Aよりも上フランジ11が更に大きく傾いた状態を示した断面図である。図16Bは、図16Aの部分16Bの拡大断面図である。ハブ部材20に対する上フランジ11の傾きが大きくなると、図16Bに示されているように、筒壁13の外周面が、円筒部22の天面22tの内側端縁22eに接触する。この状態で、溶着ホーン95から超音波を上フランジ11に印加すると、内側端縁22eが超音波の印加位置(即ち、上フランジ11の溶着ホーン95による押圧位置)から比較的近いので、筒壁13の外周面と内側端縁22eとの接触部分が溶融する可能性がある。
図17Aは本実施形態2のハブ部材20の斜視図、図17Bは図17Aに示すハブ部材20の、中心軸10aを含む面に沿った、円筒部22及びその周辺部分の拡大断面図である。本実施形態2では、図17A、図17Bに示すように、円筒部22の天面22tの内側端縁22eを切り欠いて面取り22cを形成している。面取り22cは、円筒部22の天面22tの全周にわたって連続している。面取り22cを形成することにより、ハブ部材20と上フランジ11とを超音波溶着する際に、図16Aに示したように上フランジ11が大きく傾いても、筒壁13が円筒部22の天面22tの内側端縁22eに接触する可能性が低減する。更に、仮に筒壁13と円筒部22とが接触しても、円筒部22の内側端縁22eに面取り22cが形成されているために、筒壁13と円筒部22との接触面積が大きくなる。そのため、接触界面での溶融が起こりにくい。
以上のように、本実施形態2では、円筒部22の天面22tの内側端縁22eに面取り22cが形成されているので、超音波溶着時に円筒部22の天面22tや筒壁13が意図せずに溶融するのを回避することができる。
面取り22cの形状は任意である。例えば、断面形状が円弧状の面取り(いわゆるR面取り)や直線状の面取り(いわゆるC面取り)など、任意の形状を選択しうる。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。
(実施形態3)
本実施形態3は、溶着リブ14が、上フランジ11ではなく、ハブ部材20の円筒部22の天面22tに形成されている点で、実施形態1と異なる。
図18は、本実施形態3において、超音波溶着する直前の円筒部22及びその周辺部分を図9Bと同様に示した拡大断面図である。円筒部22の天面22tに、溶着リブ14が形成されている。溶着リブ14は、実施形態1で説明した溶着リブ14と同様に、天面22tの周方向に断続的に形成されている。楔状断面を有する溶着リブ14の先端が、上フランジ11に当接している。図9Bで説明したのと同様に、溶着リブ14の天面22tからの突出高さをH3、筒壁13の先端13tと内底板23との間の上下方向距離をDとしたとき、これらは0<D<H3を満足する。
本実施形態3は、上記を除いて実施形態1と同じである。本実施形態3を実施形態2に適用することもできる。
(実施形態4)
本実施形態4は、図19に示すように、上フランジ11の筒壁13が、周方向に連続する円筒形状を有する点で実施形態1と異なる。実施形態1では、筒壁13が周方向に複数に分割されていたので、各筒壁の先端13tの成形精度を、それぞれ別個の第2入れ子93bを用いて微調整することができた。本実施形態2では、筒壁13の先端13tが周方向に連続しているので、実施形態1と同じ手法で先端13tの成形精度を微調整することは困難である。しかしながら、実施形態1に比べて上フランジ11を成形するための金型構造を簡単化することが可能である。
本実施形態4は、上記を除いて実施形態1と同じである。本実施形態4を実施形態2,3に適用することもできる。
(実施形態5)
本実施形態5では、上フランジ11の溝17(図7参照)の幅(半径方向寸法)が、円筒部22の天面22tの幅(半径方向寸法)より大きい点で実施形態1と異なる。
図20Aは、本実施形態5において、超音波溶着する直前の円筒部22及びその周辺部分を図9Bと同様に示した拡大断面図である。溝17の幅は、円筒部22の天面22tの幅より大きい。溝17の底面に溶着リブ14が形成されている。溶着リブ14の溝17の底面からの突出高さをH5、筒壁13の先端13tと内底板23との間の上下方向距離をDとしたとき、これらは0<D<H5を満足する。
図20Bは、超音波溶着後の円筒部22及びその周辺部分を図10Bと同様に示した拡大断面図である。筒壁13の先端13tが内底板23に当接することにより、上フランジ11はハブ部材20に対して上下方向に位置決めされている。円筒部22の天面22tは上フランジ11の溝17内に嵌入している。上フランジ11は円筒部22の天面22tに溶着部19にて溶着している。溶着部19を除いて、円筒部22の天面22tは、溝17の底面と距離H6(H6>0)だけ離間している。
本実施形態5によれば、超音波溶着後に溝17内に円筒部22の天面22tが嵌入する。これにより、溶着リブ14が溶融した樹脂が円筒部22の外周面にはみ出すのを防ぐことができる。
図10Bのように、円筒部22の天面22tが、上フランジ11の面11sより下側に位置していると、円筒部22の外周面と天面22tとによって形成される段差が、円筒部22に巻回される記録テープに転写されて記録テープの上フランジ11側のエッジにシワや折れが生じる可能性がある。本実施形態5によれば、円筒部22の天面22tが上フランジ11の面11sによって隠されるので、上記段差によって記録テープのエッジにシワや折れが生じることを防ぐことができる。
本実施形態5は、上記を除いて実施形態1と同じである。本実施形態5を実施形態2〜4に適用することもできる。
上記の実施形態1〜5は例示に過ぎず、本発明はこれらの実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態1〜3,5では、上フランジ11の筒壁13は周方向に3つに分割されていたが、筒壁13の分割数はこれに限定されず、これより多くても少なくてもよい。
テープカートリッジの不使用時にリールの回転を阻止するリールロック機構は、上記の実施形態に示したものに限定されず、任意の構成を用いうる。また、リールロック機構を備えていないテープカートリッジに本発明を適用することができる。
上記の実施形態に示したテープカートリッジは、筐体内に1つのリールのみが収納された1リールタイプであったが、2つのリールが収納された複リールタイプであってもよい。
請求項に記載した本発明の範囲内において、公知のテープカートリッジの構成を適宜選択して本発明のテープカートリッジに組み合わせることができる。
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えばデータ記録用途等に用いられる単リール型のテープカートリッジとして好ましく利用することができる。
1 テープカートリッジ
3 筐体
3a 上ハーフ
10 リール
11 上フランジ
13 筒壁
13t 筒壁の先端
14 溶着リブ
18 離間部
19 溶着部
20 ハブ部材
21 下フランジ
22 円筒部
22c 面取り
22e 円筒部の天面の内側端縁
22t 円筒部の天面
23 内底板
26 ロック歯
29 隙間
30 ロック解除部材
31 操作爪
40 リール押さえ部材
41 ロック歯
45 バネ
93a 第1入れ子
93b 第2入れ子

Claims (4)

  1. 記録テープが巻回されたリールが筐体内に収納されたテープカートリッジであって、
    前記リールは、前記記録テープが巻き付けられる円筒部と、前記円筒部の下端から外向きに突出した下フランジと、前記円筒部の下側の開口を閉じる内底板とが一体的に成形されたハブ部材、及び、前記下フランジに対向する上フランジの2部品からなり、
    前記上フランジは、前記円筒部に内挿された筒壁を備え、
    前記筒壁の先端は前記内底板に当接し、
    前記上フランジと前記円筒部の天面とが溶着部にて溶着されており、
    前記溶着部は、周方向に断続的に形成されており、
    前記溶着部を除いて、前記円筒部の前記天面は前記上フランジに対して上下方向に離間していることを特徴とするテープカートリッジ。
  2. 前記円筒部と前記筒壁とは、半径方向に離間している請求項1に記載のテープカートリッジ。
  3. 前記円筒部の前記天面の内側端縁に面取りが形成されている請求項1又は2に記載のテープカートリッジ。
  4. 前記内底板と前記筐体の上ハーフとの間に、不使用時に前記リールの回転を阻止するリールロック機構を備え、
    前記リールロック機構は、
    上下動可能且つ回転不能に前記上ハーフに支持されたリール押さえ部材と、
    前記リール押さえ部材に対して前記内底板に向かう向きの付勢力を印加するバネと、
    前記リール押さえ部材と前記内底板との間に配置され、且つ、前記リール押さえ部材を前記バネの付勢力に反して上昇させるロック解除部材とを含み、
    前記内底板及び前記リール押さえ部材の互いに対向する側の面には、互いに係合することで前記リールの回転を阻止するロック歯がそれぞれ設けられており、
    前記ロック解除部材は、略等角度間隔に放射状に延びた3本のアームと、前記3本のアームのそれぞれの先端から下方に向かって突出した操作爪とを備え、
    前記操作爪が前記内底板を貫通して下方に向かって突出することができるように、前記リールの中心軸から略等距離の位置に3つの貫通孔が前記内底板に設けられており、
    前記筒壁が、前記貫通孔に対応する位置で周方向に分割されている請求項1〜3のいずれかに記載のテープカートリッジ。
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