JP5944806B2 - テープカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、記録テープが巻回されるリールを内蔵したテープカートリッジに関する。特に、リールを構成するハブ部材と上フランジとの接合精度が向上したテープカートリッジに関する。
単リール型のテープカートリッジは、主にコンピュータシステムのデータバックアップ用途として用いられている。
この種のテープカートリッジにおいては、不使用時にリールが遊動回転するのを防ぐために、リールと筐体との間にリールロック機構を有する。リールロック機構にはいくつかの形態がある。そのひとつに、円形状のリール押さえ部材をリールに向かって付勢し押し付けることにより、リール押さえ部材及びリールにそれぞれ設けたロック歯を互いに係合させて、リールの遊動回転を防ぐ形態がある(例えば特許文献1参照)。
この形態のテープカートリッジでは、リールの円筒部内に、ロック解除部材と、上記リール押さえ部材と、バネとがこの順に挿入されている。
リール押さえ部材は、上下動可能かつ回転不能に筐体に支持され、バネで常にリールに向かって付勢されている。リール押さえ部材とリールとの間に、ロック解除部材が設けられている。ロック解除部材は三叉状のアームを有し、各アームの先端には下方に向かって操作爪が突出している。操作爪はリールの円筒部内の内底板に設けられた3つの貫通孔(出退口)を貫通している。テープカートリッジをドライブ装置に装填すると、ドライブ装置の駆動軸が、貫通孔から突出したロック解除部材の操作爪を押し上げることにより、ロック解除部材及びリール押さえ部材が持ち上げられ、リール押さえ部材のロック歯とリールのロック歯との係合が解除される。その結果、リールはドライブ装置の駆動軸によって回転駆動可能となる。
特開2003−187548号公報(図3)
上記の従来のカートリッジでは、ロック解除部材の操作爪をドライブ装置の駆動軸側に突出させるために、リールの内底板に3つの貫通孔を形成する必要がある。一般に、内底板は、記録テープが巻き付けられる円筒部及び下フランジとともにハブ部材として一体的に樹脂成形して作成される。ハブ部材を樹脂成形する際に3つの貫通孔を同時に形成すると、貫通孔の有無が成形後の円筒部の収縮量に差を生じさせ、円筒部の天面において、貫通孔に対応する領域が相対的に高くなり、隣り合う貫通孔の間の部分に対応する領域が相対的に低くなることにより、円筒部の天面の平面精度が悪化するという問題がある。円筒部の天面の平面精度が悪いと、当該天面に溶着される上フランジに傾きや反りが生じ、リールを回転させたときに上フランジの外周部の上下方向の振れ幅が増大してしまう。
回転時の上フランジの振れ幅が大きいと、リールに巻回される記録テープが上フランジに接触したり、上フランジがリールを収納する筐体の内面に接触したりする。
本発明は、上記の従来のテープカートリッジの課題を解決するものであり、リール回転時の上フランジの振れ幅を低減することを目的とする。
本発明のテープカートリッジは、筐体内に収納された、記録テープが巻回されたリールを備える。前記リールは、前記記録テープが巻き付けられる円筒部と、前記円筒部の下端から外向きに突出した下フランジと、前記円筒部の下側の開口を閉じる内底板とが一体的に成形されたハブ部材、及び、前記下フランジに対向する上フランジの2部品からなる。前記内底板に、貫通孔又は相対的に薄肉化された凹部が、前記リールの中心軸から外れた位置に形成されている。前記円筒部の天面のうち前記貫通孔又は前記凹部に対応する領域以外の領域のみが、前記上フランジと固着されている。
内底板の中心から外れた位置に貫通孔又は凹部が形成されていると、当該貫通孔又は凹部に対応する円筒部の天面の領域(以下、「対応領域」という)に膨らみが形成されて当該領域は相対的に高くなり、これ以外の領域(以下、「非対応領域」という)は相対的に低くなる。非対応領域は、膨らみが形成されていないため、その平面性は良好である。本発明では、非対応領域のみが、上フランジと固着されている。対応領域は上フランジと固着されない。従って、ハブ部材に固着された後の上フランジの傾きや反りを低減することができるので、リール回転時の上フランジの振れ幅を低減することができる。
図1は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジの概略斜視図である。 図2は、図1の2−2線を含む面に沿った本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジの主要部の縦断面図である。 図3は、図1に示した本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジの主要部材を示した分解斜視図である。 図4は、従来のテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の斜視図である。 図5は、従来のテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの斜視図である。 図6Aは、従来のテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの平面図である。 図6Bは、図6Aの6B−6B線を含む面に沿った、溶着リブ及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図6Cは、図6Aの6C−6C線を含む面に沿った、位置決めリブ及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図7Aは、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の斜視図である。 図7Bは、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の平面図である。 図7Cは、図7Bの7C−7C線を含む面に沿った、本発明の実施形態1にかかるハブ部材の主要部の断面図である。 図8は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの斜視図である。 図9Aは、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの平面図である。 図9Bは、図9Aの9B−9B線を含む面に沿った、位置決めリブ及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。 図10Aは、図4に示した従来のハブ部材の中心軸周りの回転角度の定義を示した平面図である。図10Bは、図4に示した従来のハブ部材の円筒部の天面の高さを測定した結果を示した図である。 図11Aは、従来の別のハブ部材の中心軸周りの回転角度の定義を示した平面図である。図11Bは、従来の別のハブ部材の円筒部の天面の高さを測定した結果を示した図である。 図12は、射出成形時の金型内に存在する従来のハブ部材の、図10Aの0°−180°を通る面に沿った断面図である。 図13は、従来のハブ部材と上フランジとを超音波溶接により接合する方法を示した断面図である。 図14は、従来のハブ部材と上フランジとを超音波溶着により接合する場合に、ハブ部材の円筒部の天面に形成された膨らみと、上フランジの溶着リブとが局所的に接触することを説明する概念図である。 図15Aは、本発明の実施形態1にかかるハブ部材の円筒部の天面に形成された切り欠きを含む図7Cの部分15Aの拡大側面図である。図15Aは、図7Cの部分15の別の形態を示した拡大側面図である。 図16は、本発明の実施形態1において、円筒部に深い切り欠きが形成されたリールの斜視図である。 図17は、本発明の実施形態2にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの斜視図である。 図18は、本発明の実施形態3にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成するハブ部材の斜視図である。 図19Aは、本発明の実施形態3にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールの主要部の断面図である。図19Bは、図19Aの部分19Bの拡大断面図である。 図20は、本発明の実施形態4にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジの斜視図である。 図21Aは、本発明の実施形態4にかかるテープカートリッジに内蔵されるリールの主要部の断面図である。図21Bは、図21Aの部分21Bの拡大断面図である。
上記の本発明のテープカートリッジにおいて、前記円筒部の前記天面のうち前記貫通孔又は前記凹部に対応する前記領域(対応領域)に切り欠きが形成されていることが好ましい。これにより、簡単な方法により、円筒部の天面のうち非対応領域のみを上フランジと固着させることができる。
前記切り欠きは、前記円筒部の前記天面の内周側の領域にのみ形成されていてもよい。これにより、切り欠きが円筒部の外周面側に露出するのを防止することができる。従って、円筒部に巻き付けられる記録テープのエッジにシワや折れが生じることを防ぐことができる。
前記切り欠きの深さが0.1mm以下であることが好ましい。これにより、円筒部に巻き付けられる記録テープのエッジにシワや折れが生じる可能性を低減することができる。
前記上フランジには、前記円筒部の前記天面の少なくとも一部が嵌入する環状の溝が形成されていてもよい。これにより、円筒部に巻き付けられる記録テープのエッジにシワや折れが生じることを防ぐことができる。
上記の本発明のテープカートリッジは、前記内底板と前記筐体の上ハーフとの間に、不使用時に前記リールの回転を阻止するリールロック機構を備えていてもよい。この場合、前記リールロック機構は、上下動可能且つ回転不能に前記上ハーフに支持されたリール押さえ部材と、前記リール押さえ部材に対して前記内底板に向かう向きの付勢力を印加するバネと、前記リール押さえ部材と前記内底板との間に配置され、且つ、前記リール押さえ部材を前記バネの付勢力に反して上昇させるロック解除部材とを含むことが好ましい。前記内底板及び前記リール押さえ部材の互いに対向する側の面には、互いに係合することで前記リールの回転を阻止するロック歯がそれぞれ設けられていることが好ましい。前記ロック解除部材は、略等角度間隔に放射状に延びた3本のアームと、前記3本のアームのそれぞれの先端から下方に向かって突出した操作爪とを備えることが好ましい。前記操作爪が前記内底板を貫通して下方に向かって突出することができるように、前記リールの中心軸から略等距離の位置に3つの前記貫通孔が前記内底板に設けられていることが好ましい。前記内底板に設けられた前記ロック歯は、隣り合う前記貫通孔の間に円弧状に配置されていることが好ましい。これにより、リールロック機構を備えたテープカートリッジに本発明を適用して、上記の効果を得ることができる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の部材の寸法および各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。以下の図面において、同一の部材又は要素には同一の符号を付しており、これにより当該部材又は要素についての重複する説明を省略する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジ1の概略斜視図である。テープカートリッジ1は、上ハーフ3と下ハーフ3bとが上下方向に接合された箱状(中空の略直方体形状)の筐体3を備える。
図2は、図1の2−2線を含む面に沿った本発明の実施形態1にかかるテープカートリッジ1の主要部(中央部)の縦断面図である。図3は、リール10及びリールロック機構の分解斜視図である。図2、図3において、一点鎖線10aは、リール10の中心軸である。リール10は中心軸10aのまわりに回転する。以下の説明の便宜のために、中心軸10a方向を「上下方向」と呼び、中心軸10a方向において上ハーフ3aの側を「上側」、下ハーフ3bの側を「下側」と呼ぶ。但し、この「上」、「下」はテープカートリッジ1の実際の使用状態での上下方向を意味するものではない。また、中心軸10aの周りを回転する方向を「周方向」と呼ぶ。
筐体3内にはリール10及びリールロック機構が内蔵されている。図3に示されているように、リールロック機構は、リール10の中央の円筒部22内に収納されており、下から上に向かって、ロック解除部材30、リール押さえ部材40、及び、バネ45をこの順に備える。
リール10は、中央に開口12が形成された円板状の上フランジ11と、ハブ部材20との2部品で構成される。ハブ部材20は、中空円筒形状を有する円筒部22と、円筒部22の下端から外向きに突出する円板状の下フランジ21と、円筒部22の下側の開口を閉じる内底板23とを備え、これらが一体的に成形されている。上フランジ11と下フランジ21とが対向するように、円筒部22の天面(即ち、上端面)22tに上フランジ11が接合されてハブ部材20と一体化される。記録テープ(例えば磁気テープ、図示せず)は、上フランジ11と下フランジ21との間に、円筒部22の外周面である円筒面上に巻き付けられる。
図2に示されているように、内底板23の下面には、中央が開口した円形の金属プレート24が取り付けられている。金属プレート24は、インサート成形によりハブ部材20と一体化されている。
下ハーフ3bの中央には円形の開口3cが形成されている。この開口3c内にバブ部材20の内底板23が露出している。内底板23には、内底板23を上下方向に貫通する開口(孔)である3つの貫通孔(出退口)25が形成されている。3つの貫通孔25は、リール10の中心軸10aから等距離の位置に、中心軸10aに対して等角度間隔(即ち、120度間隔)で配置されている。内底板23の上面には、周方向に隣り合う貫通孔25間の領域に、リール10と同心の円弧に沿ってロック歯26(後述する図7Bを参照)が形成されている。貫通孔25のリール10の中心軸10aからの距離は、ロック歯26のそれと同じか、わずかに遠い。内底板23の下面には、ドライブ装置の駆動軸50に設けられた駆動歯51とかみ合う被駆動歯27が、リール10と同心の円弧に沿って設けられている。3つの貫通孔25が、被駆動歯27を3つに分断している。
図3に示されているように、ロック解除部材30は、120度間隔で放射状に延びた3本のアームを備え、全体として三叉形状(略Y字形状)を有している。各アームの先端には下向きに突出した操作爪31が形成されている。
リール押さえ部材40は、上側が開口した有底円筒形状を有する。リール押さえ部材40の底板の下面には、リール10のロック歯26とかみ合うロック歯41(図2参照)が円状に配置されている。また、リール押さえ部材40の底板の上面の中央には略十字形状の溝(十字溝)42が形成されている。上ハーフ3aの下面には、十字溝42に嵌入する略十字形状の十字突起3d(図2参照)が立設されている。十字溝42に十字突起3dが嵌入することにより、リール押さえ部材40は、筐体3内において、上下方向には移動可能であるが、回転は不能に上ハーフ3aに支持される。
バネ45は、リール押さえ部材40と上ハーフ3aとの間に配置されて、リール押さえ部材40に対して下向き(内底板23に向かう向き)の付勢力を印加する。
テープカートリッジ1の不使用時には、バネ45の下向きの付勢力によって、リール押さえ部材40は下方に変位し、リール押さえ部材40のロック歯41とリール10のロック歯26とがかみ合う。従って、リール10は回転することができない。また、リール押さえ部材40がロック解除部材30を下方に変位させて、ロック解除部材30の操作爪31がリール10の内底板23の貫通孔25を貫通し、内底板23よりも下側に突出する。
テープカートリッジ1がドライブ装置に装填されると、ドライブ装置の駆動軸50が、図2の矢印Aの向きに下ハーフ3bの開口3c内に挿入される。駆動軸50の上面にはマグネット(図示せず)が設けられており、リール10の下面に取り付けられた金属プレート24が当該マグネットに吸着される。これにより、駆動軸50の上面に形成された駆動歯51がリール10の被駆動歯27とかみ合う。これと同時に、駆動歯51が、リール10の内底板23から突出したロック解除部材30の操作爪31に当接して、ロック解除部材30を上方に押し上げる。これにより、リール押さえ部材40は、バネ45の付勢力に反して上方に変位し、リール押さえ部材40のロック歯41とリール10のロック歯26とのかみ合いが解除される。従って、リール10は回転可能状態となり、駆動軸50により回転される。ロック解除部材30は、リール10とともに回転する。
図2は、ロック解除部材30及びリール押さえ部材40が上方に変位し、リール10が回転可能な状態を示している。但し、理解を容易にするために、実際には開口3c内に挿入されリール10と係合しているはずの駆動軸50を、リール10から下方に離して描いている。
以下に、テープカートリッジ1を構成するリール10を、従来のテープカートリッジに用いられていたリールと比較しながら詳細に説明する。以下に参照する本発明のリール10及び従来のリールを示した図において、同一の要素には同一の符号を付しており、それらについての重複する説明を省略する。
図4は、従来のテープカートリッジに用いられるリールを構成するハブ部材120の斜視図である。円筒部22の内底板23に、3つの貫通孔25が、ハブ部材120と同心の円周上に等間隔で形成されている。ロック解除部材30の3つの操作爪31(図2参照)が、この3つの貫通孔25にそれぞれ挿入される。円弧状の3つのロック歯26が、内底板23の隣り合う貫通孔25の間の領域に、ハブ部材120と同心の円に沿って設けられている。
図5は、従来のテープカートリッジに内蔵されるリールを構成する上フランジ111を示した斜視図である。図6Aは、上フランジ111の平面図である。上フランジ111には、中央の開口12の周縁に沿って、一方の側(下フランジ21に対向する側)に向かって突出した円環状の嵌合リブ13が形成されている。嵌合リブ13よりも外側(開口12とは反対側)に、8つの溶着リブ14と8つの位置決めリブ15とが周方向に交互に配置されている。溶着リブ14及び位置決めリブ15は、上フランジ111と同心の円に沿って円弧状に配置されている。
図6Bは、図6Aの6B−6B線を含む面に沿った、溶着リブ14及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。図6Cは、図6Aの6C−6C線を含む面に沿った、位置決めリブ15及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。図6Bに示されているように、溶着リブ14は先端が尖った略楔状の断面形状を有している。一方、図6Cに示されているように、位置決めリブ15は、溶着リブ14に比べて比較的大きな面積を有する平坦な上面を有している。上フランジ111からの突出高さは、嵌合リブ13が最も高く、次いで溶着リブ14が高く、位置決めリブ15が最も低い。上フランジ111とハブ部材120の円筒部22の天面22tとを超音波溶接法により溶着する際、溶着リブ14を溶融させ、位置決めリブ15を円筒部22の天面22tに当接させる。これにより、ハブ部材120に対して上フランジ111が上下方向に位置決めされる。
図7Aは本実施形態1にかかるハブ部材20の斜視図、図7Bはハブ部材20の平面図、図7Cは図7Bの7C−7C線を含む面に沿ったハブ部材20の主要部の断面図である。本実施形態1のハブ部材20は、円筒部22の天面22tに3つの切り欠き22nが形成されている点で、図4に示した従来のハブ部材120と異なる。天面22tのうち、切り欠き22nが形成されていない領域(図7Bにおいてドット模様を付した領域)を、本発明では固着面22fと呼ぶ。固着面22fに比べて、切り欠き22nが形成された領域は凹状に凹んでいる。図7Bに最もよく示されているように、切り欠き22nは、貫通孔25に対応する天面22tの領域に形成されている。「貫通孔25に対応する領域」とは、ハブ部材20の中心(即ち、リール10の中心軸10a)から見て貫通孔25と同じ方向に位置する領域を意味する。換言すれば、中心軸10aを含み且つ貫通孔25を通る平面上に、切り欠き22nが形成されている。一方、円筒部22の天面22tのうち、ロック歯26に対応する領域には切り欠き22は形成されていない。即ち、中心軸10aを含み且つロック歯26を通る平面上には、固着面22fが存在し、切り欠き22nは存在しない。
図8は本実施形態1にかかる上フランジ11の斜視図、図9Aは上フランジ11の平面図、図9Bは図9Aの9B−9B線を含む面に沿った、位置決めリブ15及びその周辺部分の拡大矢視断面図である。本実施形態1の上フランジ11は、溶着リブ14と位置決めリブ15の位置に関して、図5、図6A〜図6Cに示した従来の上フランジ111と異なる。本実施形態1では、一対の溶着リブ14と、この間の1つの位置決めリブ15とが1つのリブセット16を構成する。3つのリブセット16が、嵌合リブ13よりも外側に、等角度間隔で配置されている。溶着リブ14及び位置決めリブ15は、上フランジ11と同心の円に沿って円弧状に配置されている。ハブ部材20に上フランジ11を超音波溶着する工程では、このリブセット16が、固着面22fに対向するように、上フランジ11がハブ部材20に重ね合わされる。従って、固着面22fに、溶着リブ14が溶融して溶着する。この過程で、固着面22fに位置決めリブ15を当接させることにより、ハブ部材20に対して上フランジ11が上下方向に位置決めされる。
以上のように構成された本実施形態のリール10の作用を、従来のリールと比較しながら説明する。
上述したように、ハブ部材は、一般に、樹脂材料を用いた射出成形により、下フランジ21,円筒部22、及び内底板23が一体的に成形される。内底板23に3つの貫通孔25が離散的に形成されていることが、金型内での樹脂材料の収縮量に差を生じさせる。この結果、図4に示した従来のハブ部材120では、円筒部22の天面22tの高さが周方向において一定でないという問題があった。これを、図10A、図10B、図11A、図11Bを用いて説明する。
図10Aは、図4に示した従来のハブ部材120の平面図である。図11Aは、従来の別のハブ220の平面図である。ハブ220は、周方向に隣り合う貫通孔25の各中間位置に、貫通孔25とほぼ同じ大きさで深さ0.46mmの凹部28が形成されている点で、図4及び図10Aのハブ部材120と異なる。中心軸10aの周りに等角度間隔で配置された3つの貫通孔25の位置を基準として、中心軸10a周りの周方向の角度を図10A、図11Aに示すように定義する。ハブ120,220では、円筒部22の天面22tは、中心軸10aに垂直な平面になるように設計されている。
図10Bは図10Aのハブ部材120について、また、図11Bは図11Aのハブ部材220について、それぞれの天面22tの高さの周方向の変化を測定した結果を示した図である。測定は、内底板23の下面に設けた被駆動歯27(図2参照)上に設けた架空の基準平面から円筒部22の天面22tまでの高さを、真円度測定機「Mitutoyo製Roundtest RA-2100」を用いて全周にわたって測定することで行った。図10Bでは、貫通孔25が設けられた0°、120°、240°の位置及びその近傍を含む3領域では、これら以外の領域に比べて高くなっている。また、図11Bでは、貫通孔25及び凹部28が設けられた0°、60°、120°、180°、240°、300°の位置及びその近傍を含む6領域では、これら以外の領域に比べて高くなっている。
このように、貫通孔25及び凹部28に対応する領域で天面22tの高さが高くなり、それ以外の領域で天面22tの高さが低くなる理由は、以下のように考えられる。
図12は、射出成形時の金型内に存在する従来のハブ部材120の、中心軸10aを含み且つ図10Aの0°−180°を通る面に沿った断面図である。図面を簡単化するために、図12では金型の図示を省略している。樹脂材料を注入するゲート(注入口)11gは、中心軸10aに沿って、内底板23の下面に設けられている。
射出成形において金型内に注入された樹脂材料の冷却・固化は一様ではなく、一般に、厚肉部やゲートの近傍部分は一番最後に冷却・固化される。相対的に遅く冷却・固化する部分は、それより先に既に冷却・固化した部分を引き込みながら(即ち、体積収縮しながら)冷却・固化する。その結果、成形品の表面にいわゆる「ヒケ」と呼ばれる凹みが生じやすい。
図12において中心軸10aより右側の部分では、内底板23に貫通孔25も凹部28も存在しないので、ゲート11gの近傍の内底板23の中心部分は、冷却・固化する際に、それより先に冷却・固化した円筒部22を矢印A1の向きに引き込む。その結果、天面22tは、下方に移動し、その高さが低くなる。
一方、図12において中心軸10aより左側の部分では、内底板23に貫通孔25が形成されている。貫通孔25は、ゲート11gの近傍の内底板23の中心部分が冷却・固化する際に発生する、周辺の既に固化した樹脂材料の引き込みを遮断する。従って、円筒部22に発生する矢印A2の向きの樹脂の引き込みは小さい。その結果、天面22tの高さの変化は僅かである。
図示及び詳細な説明を省略するが、内底板23を局所的に薄肉化した凹部28も貫通孔25と同様の作用を有し、天面22tの高さ変化を減少させると考えられる。
以上が、内底板23に形成された貫通孔25及び凹部28の位置に対応して、天面22tの高さが変化する理由であると考えられる。
図13は、従来のハブ部材120と上フランジ111とを超音波溶着する方法を示した断面図である。アンビル90の円環状に突出した支持突起91上にハブ部材120を載置し、その円筒部22上に上フランジ111を積み重ねる。円筒部22内に上フランジ111の嵌合リブ13(図5参照)が嵌入することにより、上フランジ111はハブ部材120に対して水平方向(中心軸10aと直交する方向)に位置決めされる。更に、上フランジ111上に溶着ホーン95の円環状に突出した押圧リブ96を押し当てる。
アンビル90と溶着ホーン95とでハブ部材120及び上フランジ111に上下方向の圧縮力を印加した状態で、溶着ホーン95から超音波振動を上フランジ111に印加する。上フランジ111とハブ部材120との接触界面を超音波振動により加熱し溶融させて、上フランジ111とハブ部材120とを溶着(固着)させる。
図14は、超音波溶接を開始する直前の上フランジ111とハブ部材120との接触部分を概念的に示した図である。上述したように、円筒部22の天面22tのうち、貫通孔25が設けられた0°、120°、240°の位置及びその近傍を含む3領域には、他の領域に比べて上方に突出した膨らみ22pが形成されている。一方、上フランジ111では、位置決めリブ15より溶着リブ14の方が突出高さが高い。従って、図14に示すように、円筒部22と上フランジ111とは、膨らみ22pの頂部と溶着リブ14との接触点P1にて局所的に接触する。超音波を印加すると、溶着リブ14は接触点P1から溶融し始め、膨らみ22pとの接触領域が拡大するにしたがって、溶着リブ14の溶融領域も拡大する。図10B、図11Bに示したように、膨らみ22pの高さや大きさ(周方向の長さ)は、膨らみ22pごとに異なる。また、図11Bに示したように凹部28が形成されている場合、凹部28に対応する膨らみは貫通孔25に対応する膨らみ22pと同じとは限らない。従って、上フランジ111に形成された複数の溶着リブ14の溶融速度(溶融が進行する程度)を複数の溶着リブ14間で等しくなるように管理することは困難である。その結果、図13に示した溶着工程において溶着リブ14が溶融する過程でハブ部材120に対して上フランジ111が傾いたり反ったりし、その傾きや反りが溶着工程が終了するまで解消されないために、得られるリールにおいて上フランジ111に傾きや反りが生じるのである。
これに対して、本実施形態では、図7Cの部分15Aの拡大側面図である図15Aに示されているように、膨らみ22pが発生する、貫通孔25に対応する天面22tの領域に切り欠き22nが形成されている。そして、超音波溶着(図13参照)をする際には、上フランジ11に形成された溶着リブ14及び位置決めリブ15のいずれもが、切り欠き22以外の領域、即ち、固着面22fに対向するように、ハブ部材20に上フランジ11を重ね合わせる。
本実施形態では、貫通孔25に起因する膨らみ22pは必ず切り欠き22n内に発生する。周方向に離散的に配置された複数の固着面22fは、平面精度に優れた単一の平面を構成する。超音波溶着時には、上フランジ11に形成された複数の溶着リブ14は必ずこの複数の固着面22fに当接する。従って、複数の溶着リブ14間で、溶融の進行を略同一に維持することができ、また、個々の溶着リブ14内で溶融が局所的に先行するのを防止することができる。これにより、従来と異なり、超音波溶着の過程で上フランジ11がハブ部材20に対して傾いたり反ったりするのが低減される。溶着リブ14が溶融すると、複数の位置決めリブ15の全てが平坦な複数の固着面22fに当接する。この状態で固着面22fにてハブ部材20と上フランジ11とが溶着(固着)される。超音波溶着の過程で上フランジ11の傾きや反りが低減されるので、最終的に得られるリール10において上フランジ11の傾きや反りも低減される。よって、リール10を回転させたときの上フランジ11の外周部の上下方向の振れ幅が低減される。かくして得られたリール10では、貫通孔25に対応する天面22tの領域(切り欠き22n)以外の領域(固着面22f)のみが上フランジ11と溶着(固着)される。貫通孔25に対応する天面22tの領域(切り欠き22n)はフランジ11と溶着(固着)されない。
本実施形態では、超音波溶着をする際には、溶着リブ14は、切り欠き22nはもちろん、固着面22fの周方向の両端(切り欠き22nとの間に形成される段差)22s(図15A参照)にも対向しないことが好ましい。このため、図7Bに示すように切り欠き22nが形成されている領域の中心軸10aに対する角度をθ22n、図9Aに示すようにリブセット16が形成されていない領域の中心軸10aに対する角度をθ11とすると、θ22n<θ11を満足することが好ましい。
図15Aに示すように、切り欠き22nと固着面22fの境界に、高さが急激に変化する段差22sが形成されていると、ハブ部材20を成形する際に、段差22sで樹脂材料の流れが悪くなる可能性がある。そのような場合には、図15Bに示すように、切り欠き22nと固着面22fの境界に、高さがなだらかに変化する傾斜面22iを形成してもよい。傾斜面22iは平面である必要はなく、曲率がなだらかに変化する曲面であってもよい。
切り欠き22nの深さD(図15A参照)は、膨らみ22pの高さを考慮して設定される。膨らみ22pが固着面22fよりも上に突出しないことが好ましい。図10B及び図11Bに示した例では、膨らみ22pの高さは0.02〜0.03mm程度である。従って、一般には、深さDは0.02mm以上、更には0.03mm以上、特に0.05mm以上であることが好ましい。但し、切り欠き22nの深さDが大きすぎると、図16に示すように、上フランジ11より下側に切り欠き22nが大きく露出する。このように切り欠き22nが大きく露出した円筒部22に記録テープを巻回すると、テープの巻き圧によって円筒部22の外周面と切り欠き22nとの間に形成された段差がテープに転写され、テープの上フランジ11側のエッジにシワや折れが生じる可能性がある。従って、切り欠き22nの深さDは、0.10mm以下、更には0.08mm以下であることが好ましい。
切り欠き22nの円筒部22の周方向に沿った長さL(図15A参照)は、膨らみ22pの周方向の長さ等を考慮して設定される。具体的には、内底板23に設けられた貫通孔25や凹部28の寸法や数に応じて適宜設計することができる。
(実施形態2)
本実施形態2は、上フランジ11に形成されるリブセットの構成に関して、実施形態1と異なる。
図17は、本実施形態2の上フランジ11の斜視図である。本実施形態2の上フランジ11には、実施形態1の上フランジ11には形成されていた位置決めリブ15(図8参照)が形成されていない。本実施形態2では、実施形態1において位置決めリブ15が形成されていた領域にも溶着リブ14が連続的に形成されている。
ハブ部材20と上フランジ11とを超音波溶着する際、実施形態1では、位置決めリブ15を固着面22fに当接させることにより上フランジ11を上下方向に位置決めした。しかしながら、上フランジ11の上下方向の位置決めを、別の箇所(例えば上フランジ11の下フランジに対向する面)を用いて行う場合や、超音波溶着機の溶着ホーン95(図13参照)の上下方向の変位量を制御することにより行う場合などでは、本実施形態2のように位置決めリブ15を省略することができる。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。
(実施形態3)
本実施形態3は、ハブ部材20の円筒部22の天面22tに形成される切り欠き22nの構成に関して、実施形態1と異なる。
図18は、本実施形態3のハブ部材20の斜視図である。本実施形態3では、切り欠き部22nは円筒部22の天面22tのうち、内周側(中心軸10a側)の領域のみに形成されている。従って、切り欠き22nに沿って、その外周側に、固着面22fと同一高さの細いリブ22rが形成されている。
図19Aは、本実施形態3のリール10の主要部の断面図、図19Bは、図19Aの部分19Bの拡大断面図である。図19Bに示されているように、切り欠き22nの外周側にリブ22rが形成されている。円筒部22から上フランジ11までの距離は、切り欠き22nが形成された部分での距離よりリブ22rでの距離の方がはるかに小さい。
実施形態1で説明したように、切り欠き22nの深さDを大きくすると、図16に示したように円筒部22の外周面に、切り欠き22nが露出し、記録テープのエッジにシワや折れを生じさせる可能性がある。これに対して、本実施形態3によれば、切り欠き22nの深さDを大きくしても、切り欠き22nが円筒部22の外周面側に露出するのをリブ22rが防止する。従って、所望する深さDの切り欠き22nを形成することができ、且つ、記録テープのエッジにシワや折れが生じることを防ぐことができる。
本実施形態3は、上記を除いて実施形態1と同じである。本実施形態3を実施形態2に適用することもできる。
(実施形態4)
本実施形態4は、上フランジ11の構成に関して、実施形態1と異なる。
図20は、本実施形態4の上フランジ11の斜視図である。本実施形態4では、嵌合リブ13の外側に、上フランジ11の下フランジ21に対向する領域の面11sより凹んだ環状の溝(凹部)17が形成されている。溶着リブ14及び位置決めリブ15は、この溝17内に形成されている。
図21Aは、本実施形態4のリール10の主要部の断面図、図21Bは、図21Aの部分21Bの拡大断面図である。図21Bに示されているように、上フランジ11の溝17に円筒部22が対向し、円筒部22の天面22tの少なくとも一部(図21Bでは切り欠き22n)が溝17内に嵌入している。
実施形態1で説明したように、切り欠き22nの深さDを大きくすると、図16に示したように円筒部22の外周面に、切り欠き22nが露出し、記録テープのエッジにシワや折れを生じさせる可能性がある。これに対して、本実施形態4によれば、円筒部22の天面22tの少なくとも一部が上フランジ11の溝17内に嵌入するので、溝17よりも外周側の面11sが円筒部22の切り欠き22nの少なくとも一部を覆う。従って、円筒部22の切り欠き22nの深さDを大きくしても、円筒部22の外周側に露出する切り欠き22nの大きさは実施形態1に比べて小さくなる。切り欠き22nを円筒部22の外周面側に露出させなくすることも可能である。これにより、所望する深さDの切り欠き22nを形成することができ、且つ、記録テープのエッジにシワや折れが生じることを防ぐことができる。
本実施形態4は、上記を除いて実施形態1と同じである。本実施形態4を実施形態2,3に適用することもできる。
(実施形態5)
上記の実施形態1〜4では、内底板23に形成された貫通孔25及び凹部28に起因して発生する膨らみ22pが、上フランジ11の溶着リブ14及び位置決めリブ15に接触しないようにするために、天面22tのうち膨らみ22pが形成される領域に切り欠き22nを形成した。
本実施形態5では、円筒部22の天面22tに切り欠き22nを形成しない。即ち、本実施形態5では、リールを構成するハブ部材として従来のハブ部材120,220(図4、図10A、図11A)を用いることができる。一方、上フランジ11の溶着リブ14及び位置決めリブ15の高さを実施形態1〜4よりも高く設定する。ハブ部材と上フランジとの超音波溶着工程において、溶着リブ14及び位置決めリブ15を含むリブセット16を円筒部22の天面22tのうち膨らみ22pが形成されていない領域(非対応領域)に対向させる。膨らみ22pが形成されていない天面22tの領域は、平面性が良好である。超音波を印加して溶着リブ14が溶融すると、位置決めリブ15が円筒部22の天面22tに当接する。位置決めリブ15の高さを膨らみ22pの高さより大きく設定しておけば、膨らみ22pを上フランジ11に接触させることなく、膨らみ22pが形成された領域以外の領域で、上フランジ11とハブ部材とを溶着(固着)させることができる。
このように、本実施形態5でも、膨らみ22pが上フランジ11に接触することはない。溶着リブ14は、平面性が良好な膨らみ22pが形成されていない天面22tの領域(非対応領域)に接触するので、実施形態1と同様に、超音波溶着の過程で、複数の溶着リブ14間で、溶融の進行を略同一に維持することができ、また、個々の溶着リブ14内で溶融が局所的に先行するのを防止することができる。上フランジ11の上下方向の位置決めは、位置決めリブ15を膨らみ22pが形成されていない天面22tの領域(非対応領域)に当接させることにより行う。従って、実施形態1と同様に、溶着後の上フランジ11の傾きや反りを低減することができる。その結果、リールを回転させたときの上フランジ11の外周部の上下方向の振れ幅が低減される。
本実施形態5に、上述した実施形態2,4で説明した構成を適用することができる。
上記の実施形態1〜5は例示に過ぎず、本発明はこれらの実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
上記の説明では、ハブ部材の内底板23に貫通孔25が形成されている場合について説明した。しかしながら、内底板23に凹部28が形成されている場合も、貫通孔25が形成された場合と同様の膨らみ22pが天面22tに形成される(図11A、図11B参照)。従って、凹部28が形成されている場合には、当該凹部28を貫通孔25とみなして上記の実施形態1〜5を適用することができる。本発明は、内底板23に、貫通孔25のみが形成されている場合の他、貫通孔25及び凹部28の両方が形成されている場合、及び、凹部28のみが形成されている場合にも適用することができる。
内底板23に形成される貫通孔25及び凹部28の数は、上記の実施形態に限定されない。内底板23の中心(中心軸10aが通過する位置)から外れた位置に、貫通孔25及び凹部28のうちの少なくとも一方が1つ以上形成されていればよい。貫通孔25及び凹部28の両方を形成する場合、両者の数は同一であってもよいし、異なっていてもよい。複数の貫通孔25及び/又は複数の凹部28を形成する場合、複数の貫通孔25及び/又は複数の凹部28は中心軸10aに対して等角度間隔で配置されていなくてもよい。
上記の実施形態では、ハブ部材と上フランジとが超音波溶着法により接合される場合を例に説明したが、超音波溶着法以外の方法(例えば、接着剤を用いた方法)によりハブ部材と上フランジとを接合する場合にも本発明を適用することもできる。
テープカートリッジの不使用時にリールの回転を阻止するリールロック機構は、上記の実施形態に示したものに限定されず、任意の構成を用いうる。また、リールロック機構を備えていないテープカートリッジに本発明を適用することができる。
上記の実施形態に示したテープカートリッジは、筐体内に1つのリールのみが収納された1リールタイプであったが、2つのリールが収納された複リールタイプであってもよい。
請求項に記載した本発明の範囲内において、公知のテープカートリッジの構成を適宜選択して本発明のテープカートリッジに組み合わせることができる。
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えばデータ記録用途等に用いられる単リール型のテープカートリッジとして好ましく利用することができる。
1 テープカートリッジ
3 筐体
10 リール
10a リールの中心軸
11 上フランジ
17 溝
20 ハブ部材
21 下フランジ
22 円筒部
22f 固着面
22n 切り欠き
22t 円筒部の天面
23 内底板
25 貫通孔
26 ロック歯
28 凹部
30 ロック解除部材
31 操作爪
40 リール押さえ部材
41 ロック歯
45 バネ

Claims (6)

  1. 記録テープが巻回されたリールが筐体内に収納されたテープカートリッジであって、
    前記リールは、前記記録テープが巻き付けられる円筒部と、前記円筒部の下端から外向きに突出した下フランジと、前記円筒部の下側の開口を閉じる内底板とが一体的に成形されたハブ部材、及び、前記下フランジに対向する上フランジの2部品からなり、
    前記内底板に、貫通孔又は相対的に薄肉化された凹部が、前記リールの中心軸から外れた位置に形成されており、
    前記円筒部の天面のうち前記貫通孔又は前記凹部に対応する領域以外の領域のみが、前記上フランジと固着されていることを特徴とするテープカートリッジ。
  2. 前記円筒部の前記天面のうち前記貫通孔又は前記凹部に対応する前記領域に切り欠きが形成されている請求項1に記載のテープカートリッジ。
  3. 前記切り欠きは、前記円筒部の前記天面の内周側の領域にのみ形成されている請求項2に記載のテープカートリッジ。
  4. 前記切り欠きの深さが0.1mm以下である請求項2又は3に記載のテープカートリッジ。
  5. 前記上フランジには、前記円筒部の前記天面の少なくとも一部が嵌入する環状の溝が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のテープカートリッジ。
  6. 前記内底板と前記筐体の上ハーフとの間に、不使用時に前記リールの回転を阻止するリールロック機構を備え、
    前記リールロック機構は、
    上下動可能且つ回転不能に前記上ハーフに支持されたリール押さえ部材と、
    前記リール押さえ部材に対して前記内底板に向かう向きの付勢力を印加するバネと、
    前記リール押さえ部材と前記内底板との間に配置され、且つ、前記リール押さえ部材を前記バネの付勢力に反して上昇させるロック解除部材とを含み、
    前記内底板及び前記リール押さえ部材の互いに対向する側の面には、互いに係合することで前記リールの回転を阻止するロック歯がそれぞれ設けられており、
    前記ロック解除部材は、略等角度間隔に放射状に延びた3本のアームと、前記3本のアームのそれぞれの先端から下方に向かって突出した操作爪とを備え、
    前記操作爪が前記内底板を貫通して下方に向かって突出することができるように、前記リールの中心軸から略等距離の位置に3つの前記貫通孔が前記内底板に設けられており、
    前記内底板に設けられた前記ロック歯は、隣り合う前記貫通孔の間に円弧状に配置されている請求項1〜5のいずれかに記載のテープカートリッジ。
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