JP5980666B2 - レンズ用曲面アレイの加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、曲面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を回転工具によって加工するレンズ用曲面アレイの加工方法に関する。
デジタルカメラの市場規模拡大は、非球面レンズの金型加工技術を飛躍的に発展させている。さらにここ数年では、複雑光学系やコスト削減を目的として、非球面形状または球面形状を有するレンズ用曲面形状が複数配置されたレンズ用曲面アレイ(レンズアレイ)も注目されている。
直線状または平面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を配置(加工)するために、回転工具を用いて複数の直線軸をコンタリングさせることによって、複数のレンズ用曲面形状を創成する加工方法が提案されている(非特許文献1参照)。また、特殊な加工装置を用いて回転工具とワークとを同回転数で同期回転させることによって、複数のレンズ用曲面形状を創成する加工方法も提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−238285号公報
福田将彦、「最新の超精密加工機と加工事例」、オプトトロニクス 29(4).172−176、2010−04
本件発明者によれば、直線状または平面状のワークでなくて曲面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を配置(加工)することによって、光均質性や集光性を顕著に向上させることができ、短距離で投影可能なプロジェクタやステッパを実現できる可能性が高まることが知見された。
しかしながら、非特許文献1または特許文献1に記載された加工方法は、前述のように直線状または平面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を配置(加工)するための加工方法であり、曲面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を配置(加工)することはできない。具体的には、当該加工方法を曲面状のワークへの加工に適用しても、各レンズ用曲面形状の加工品質の均一性が良好でないため、好ましい光学特性を得ることが困難である。
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、均一な加工精度を確保しながら、曲面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を加工できるレンズ用曲面アレイの加工方法を提供することである。
本発明は、曲面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を回転工具によって加工するレンズ用曲面アレイの加工方法であって、
各レンズ用曲面形状は、基準位置座標と当該基準位置座標に対する相対位置座標とによって規定され、光軸を提供しており、
前記加工方法は、
(1)前記ワークをその曲面の曲率をもたない方向と平行な軸回りに回転可能に保持する回転テーブル上に取り付け、
)回転工具の先端を最初の加工対象であるレンズ用曲面形状の基準位置座標に移動させると共に、前記ワークを回転させ、回転工具の回転軸を当該最初のレンズ用曲面形状の光軸と所定の相対角度をなすように調整する工程と、
)当該最初のレンズ用曲面形状の相対位置座標に基づいて、前記回転工具の前記回転軸を前記光軸との調整後の相対角度を維持したまま、回転工具の先端を順次移動させることで、当該最初のレンズ用曲面形状を加工する工程と、
)回転工具の先端を次の加工対象であるレンズ用曲面形状の基準位置座標に移動させると共に、前記ワークを回転させ、回転工具の回転軸を当該次のレンズ用曲面形状の光軸と前記所定の相対角度をなすように調整する工程と、
)当該次のレンズ用曲面形状の相対位置座標に基づいて、前記回転工具の前記回転軸が前記光軸との調整後の相対角度を維持したまま、回転工具の先端を順次移動させることで、当該次のレンズ用曲面形状を加工する工程と、
を備えたことを特徴とするレンズ用曲面アレイの加工方法である。
本発明によれば、各レンズ用曲面形状が加工される間中、回転工具の回転軸が当該レンズ用曲面形状の光軸に対して所定の相対角度に維持されることにより、各レンズ用曲面形状の加工において回転工具の移動軌道、すなわち刃先の移動軌道(加工軌道)のバラツキが抑制される。これにより、加工される複数のレンズ用曲面形状間においてバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができる。
尚、複数のレンズ用曲面形状とは、当然に、3以上のレンズ用曲面形状を含む。その場合、(3)工程及び(4)工程が、順次、加工対象のレンズ用曲面形状毎に繰り返される。
本発明においては、最初のレンズ用曲面形状と次のレンズ用曲面形状と(更にそれ以後のレンズ用曲面形状と)が同一である必要はない。両者が異なっていても、バラツキの少ない(均一な)加工精度が得られる。例えば光源からの距離に対応して各レンズ用曲面形状の曲率を積極的に変更することにより、レンズ用曲面アレイ全体の光学特性を向上させることも可能である。
具体的には、例えば、前記ワークは、レンズ用曲面アレイの加工前において、所定方向の断面が同一形状である。すなわち、本発明は、いわゆるシリンドリカルレンズアレイの加工に適用可能である。
また、具体的には、例えば、前記回転工具は、単結晶ダイヤモンドエンドミルである。
また、本発明は、前記加工方法によって加工されたことを特徴とするレンズアレイである。
本発明によれば、前記加工方法によって複数のレンズ用曲面形状間におけるバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができることにより、レンズアレイ全体で好ましい光学特性を得ることができる。
本件発明者による実際の検証によれば、本発明によって、各レンズ用曲面形状の表面粗さの絶対値が5nmRa以下であるレンズアレイが実現され得る。ここで、「Ra」は、算術平均粗さであることを示し、JIS B0601の規定による。
また、本件発明者による実際の検証によれば、本発明によって、各レンズ用曲面形状の表面粗さの偏差が±5nmRa以下であるレンズアレイが実現され得る。
また、本発明は、前記加工方法によって加工されたことを特徴とするレンズアレイ用成形型(通常は金型)である。
本発明によれば、前記加工方法によって、加工される複数のレンズ用曲面形状間においてバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができることにより、当該レンズアレイ用成形型から成型されるレンズアレイ全体で好ましい光学特性を得ることができる。
本件発明者による実際の検証によれば、本発明によって、各レンズ用曲面形状の表面粗さの絶対値が5nmRa以下であるレンズアレイ用成形型が実現され得る。
また、本件発明者による実際の検証によれば、本発明によって、各レンズ用曲面形状の表面粗さの偏差が±5nmRa以下であるレンズアレイ用成形型が実現され得る。
また、本発明は、前記加工方法によって加工されたことを特徴とするミラーである。
本発明によれば、前記加工方法によって、加工される複数のレンズ用曲面形状間においてバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができることにより、ミラー全体で好ましい光学特性を得ることができる。
本件発明者による実際の検証によれば、本発明によって、各レンズ用曲面形状の表面粗さの絶対値が5nmRa以下であるミラーが実現され得る。
また、本件発明者による実際の検証によれば、本発明によって、各レンズ用曲面形状の表面粗さの偏差が±5nmRa以下であるミラーが実現され得る。
本発明によれば、各レンズ用曲面形状が加工される間中、回転工具の回転軸が当該レンズ用曲面形状の光軸に対して所定の相対角度に維持されることにより、各レンズ用曲面形状の加工において回転工具の移動軌道すなわち刃先の移動軌道(加工軌道)のバラツキが抑制される。これにより、加工される複数のレンズ用曲面形状間においてバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができる。
本発明の一実施の形態のレンズ用曲面アレイの加工方法で用いられる加工機の一例を示す概略図である。 図2(a)は、レンズ用曲面アレイの加工前における曲面状のワークの一例の斜視図である。 図2(b)は、図2(a)の符号Kで示す部分の拡大断面図である。 最初のレンズ用曲面形状を加工する工程の一例を説明するための図である。 次のレンズ用曲面形状を加工する工程の一例を説明するための図である。 マクロプログラムと加工プログラムとの関係を概念的に示す図である。 加工プログラムの一例を示す図である。 各レンズ用曲面形状の加工における回転工具の移動軌道の一例を示す図である。 図8(a)は、レンズ用曲面アレイの加工後における曲面状のワークの一例の斜視図である。 図8(b)は、図8(a)の部分拡大図である。 最初のレンズ用曲面形状を加工する工程の他の例を説明するための図である。 次のレンズ用曲面形状を加工する工程の他の例を説明するための図である。 各レンズ用曲面形状の加工における回転工具の移動軌道の他の例を示す図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態のレンズ用曲面アレイの加工方法で用いられる加工機を示す概略図である。
図1に示すように、本実施の形態で用いられる加工機10は、鋳鉄製のベッド11と、ベッド11上に配置されてX軸方向に移動可能なX軸テーブル12と、ベッド11上に配置されてZ軸方向に移動可能なZ軸テーブル14と、Z軸テーブル14上に固定されたコラム13と、コラム13上に取り付けられてY軸方向に移動可能なY軸アーム17と、X軸テーブル12上に搭載されてY軸と平行なB軸を中心に回転可能なB軸回転テーブル15と、各軸方向の移動及び回転を制御する数値制御装置31と、を備えている。
X軸テーブル12とY軸アーム17とZ軸テーブル14とは、具体的には、有限形V−Vころがり方式が直線案内とされ、サーボモータ(リニアモータ)によってX、Y、Z軸方向にそれぞれ直線駆動されるようになっている。また、X軸テーブル12、Y軸アーム17、Z軸テーブル14のX、Y、Z軸位置情報は、各サーボモータに取り付けられた高分解能光学スケール(リニアエンコーダ)によってそれぞれ取得されるようになっている。
一方、B軸回転テーブル15は、具体的には、空気静圧軸受が回転軸受とされ、サーボモータによってB軸を中心に回転駆動されるようになっている。また、B軸回転テーブル15のB軸角度情報は、当該サーボモータに取り付けられた高分解能光学スケール(ロータリーエンコーダ)によって取得されるようになっている。
制御装置31は、各高分解能光学スケールによるX、Y、Z軸位置情報及びサーボモータによるB軸角度情報を取得してフィードバックを掛けながら、各サーボモータによるX、Y、Z軸直線駆動とB軸回転駆動とを制御するようになっている。
そして、B軸回転テーブル15上にワーク保持具16が固定されており、加工対象であるワーク20がワーク保持具16に保持されるようになっている。
図2(a)は、レンズ用曲面アレイの加工前における曲面状のワーク20の一例の斜視図である。図2(a)に示すように、本実施の形態のワーク20は、透明なプラスチックからなり、レンズ用曲面アレイの加工前において所定方向の断面が同一形状である。すなわち、本実施の形態のワーク20は、レンズ用曲面アレイの加工前において、いわゆるシリンドリカル面27(一方向28には曲率を持つが、それと直交する方向29には曲率を持たない面)を有している。そして、当該シリンドリカル面27に、回転工具19の加工対象である複数のレンズ用曲面形状21が規定されている。
図2(b)は、シリンドリカル面27の曲率を持たない方向29に対して垂直な平面による、図2(a)の符号Kで示す部分の拡大断面図である。各レンズ用曲面形状21は、基準位置座標23と当該基準位置座標23に対する相対位置座標とによって規定され、光軸24を提供している。本実施の形態では、各レンズ用曲面形状21は凹レンズ状を有しており、各レンズ用曲面形状21の基準位置座標23は、当該レンズ用曲面形状21の光軸24とレンズ用曲面アレイの加工前におけるシリンドリカル面27との交点に一致している。
図1に戻って、Y軸アーム17には工具スピンドル18が取り付けられ、工具スピンドル18の先端に回転工具19が取り付けられている。本実施の形態では、ワーク20との干渉を防ぐために、回転工具19の回転軸がY軸及びZ軸に対して所定角度(例えば45°)傾斜されている。
次に、以上のような加工機を用いた本実施の形態のレンズ用曲面アレイの加工方法について説明する。
まず、図1に示すように、回転工具19の先端(刃先)とB軸との相対位置関係が把握される。例えば、ワーク保持具16にダミーワークが保持された状態で、XZB軸を用いてCW/CCWの2方向から当該ダミーワークに対してシリンドリカル形状の加工が行われ、当該加工結果から回転工具19の先端とB軸との相対位置が確認される。
次に、加工対象のワーク20が、シリンドリカル面27の曲率を持たない方向29がB軸と平行になるようにして、B軸回転テーブル15上のワーク保持具16に保持される。
そして、数値制御装置31に対して、各レンズ用曲面形状21の情報(各レンズ用曲面形状21の基準位置座標23、基準位置座標23に対する相対位置座標、光軸24の角度、など)が指定される。これらの指定は、入力装置(例えばPC)を介してオペレータが各パラメータを手入力してもよいが、通常は、予め作成されたプログラム(マクロプログラムと呼ばれる)を読み込むことによってなされる。当該プログラムと加工プログラムとの関係を、概念的に図5に示す。また、加工プログラムの一例を図6に示す。
次に、図3に示すように、指定された最初のレンズ用曲面形状211の情報に基づいて、X軸テーブル12とY軸アーム17とZ軸テーブル14とが直線移動されることにより、回転工具19の先端が最初のレンズ用曲面形状211の基準位置座標231に移動されると共に、B軸回転テーブル15がB軸回転されることにより、回転工具19の回転軸が当該最初のレンズ用曲面形状211の光軸241と所定の相対角度(例えば45°)をなすように調整される。以後、最初のレンズ用曲面形状211の加工が終了するまで、B軸回転テーブル15のB軸回転は停止される。これにより、回転工具19の回転軸は、最初のレンズ用曲面形状211の光軸241に対して前記所定の相対角度に維持される。
続いて、当該最初のレンズ用曲面形状211の相対位置座標に基づいて、回転工具19の回転軸を、相対速度の調整が完了した時点での回転工具19の回転軸の軸方向に対して平行に維持したまま、回転工具19の先端を順次移動させることで、当該最初のレンズ用曲面形状211を加工する。最初のレンズ用曲面形状211の加工には、従来より公知のサブプログラムが用いられる。具体的には、例えば図7に示すように、回転工具19の移動軌道25は、一方向のラスター走査と、それと直交する方向のピックフィードと、によって構成される。
次に、図4に示すように、指定された次のレンズ用曲面形状212の情報に基づいて、X軸テーブル12とY軸アーム17とZ軸テーブル14とが直線移動されることにより、回転工具19の先端が次の加工対象であるレンズ用曲面形状212の基準位置座標232に移動されると共に、B軸回転テーブル15がB軸回転されることにより、回転工具19の回転軸が当該次のレンズ用曲面形状212の光軸242と前記所定の相対角度をなすように調整される。以後、当該次のレンズ用曲面形状212の加工が終了するまで、B軸回転テーブル15のB軸回転は停止される。これにより、回転工具19の回転軸は、当該次のレンズ用曲面形状212の光軸242に対して前記所定の相対角度に維持される。
続いて、当該次のレンズ用曲面形状212の相対位置座標に基づいて、回転工具19の回転軸を、相対速度の調整が完了した時点での回転工具19の回転軸の軸方向に対して平行に維持したまま、回転工具19の先端を順次移動させることで、当該次のレンズ用曲面形状212を加工する。当該次のレンズ用曲面形状211の加工にも、従来より周知のサブプログラムが用いられる。なお、本実施の形態においては、当該次のレンズ用曲面形状212の加工に用いられるマクロプログラムが、最初のレンズ用曲面形状211の加工に用いられるマクロプログラムと同一である必要はない。
各レンズ用曲面形状211、212が加工される間中、回転工具19の回転軸が当該レンズ用曲面形状211、212の光軸241、242に対して所定の相対角度に維持されることにより、各レンズ用曲面形状211、212の加工において回転工具19の移動軌道25、すなわち刃先の移動軌道(加工軌道)のバラツキが抑制される。これにより、加工される最初のレンズ用曲面形状211と次のレンズ用曲面形状212との間においてバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができる。
その後、同様にして、曲面状のワーク20における残りのレンズ用曲面形状21が順次加工されることにより、図8(a)及び図8(b)に示すようなレンズ用曲面アレイが加工される。
次に、具体的な実施例について説明する。
加工機10として、東芝機械株式会社製ULC/ULGシリーズの同時5軸制御型超精密加工機が使用され、回転工具19には、単結晶ダイヤモンドエンドミル(R=0.3mm)が使用された。回転工具19の回転軸が工具スピンドル18の回転軸と一致するように取り付けられ、回転工具19の回転半径と回転工具19の刃先半径とがほぼ一致された。回転工具19の回転軸は、ワーク20との干渉を防ぐため、Y軸及びZ軸に対して45°傾斜された。
そして、前述のような本実施の形態の加工方法によって、レンズ用曲面アレイ(レンズアレイ)が加工された。本件発明者の知見によれば、表面粗さは加工条件(加工工具の送り速度等)によって決定される。一般的には、安価なレンズ(30万画素程度)であれば10nmRa以下、中程度のレンズ(400万画素程度)であれば5nmRa以下の表面粗さが光学面として要求される。
ここでは、回転工具19の回転数は22000/minとされた。また、各レンズ用曲面形状21の加工において、回転工具19の移動軌道25は、加工時間と加工精度の均一性との観点から、図7に示すパターン(Y軸方向のラスター走査、X軸方向のピックフィード)が採用され、送り速度は、表面粗さが5nmRa以下になるように、45mm/minとされた。また、各レンズ用曲面形状21は、R=0.8mmの凹球面とされ、レンズ用曲面形状21の加工個数は、96個(12×8)とされた。
そして、加工後に、各レンズ用曲面形状21の形状精度と表面粗さとがそれぞれ評価された。なお、曲面上に位置するレンズ用曲面形状21を適切に評価することが困難であったため、任意位置で形状精度の評価が行われた。また、形状のひずみを確認するため、図8(b)に示すように、十字方向による形状評価が行われた。そして、評価結果から、形状精度83nmPV、表面粗さの絶対値4nmRa、表面粗さの偏差±1nmRa、という値が得られた。これらの値は、光学面としての要求を満たす精度であることが確認された。
すなわち、以上のような本件発明者による実際の検証によって、本実施の形態によって各レンズ用曲面形状21の表面粗さの絶対値が5nmRa以下であるレンズアレイが実現されることが確認された。また、本実施の形態によって、各レンズ用曲面形状21の表面粗さの偏差が±5nmRa以下であるレンズアレイが実現されることも確認された。さらに、本実施の形態の加工方法によってレンズアレイ用成形型(通常は金型)またはミラーを加工する場合も、レンズアレイを加工する場合と同じ効果が得られた。
すなわち、以上のような本実施の形態によれば、各レンズ用曲面形状21が加工される間中、回転工具19の回転軸が当該レンズ用曲面形状21の光軸に対して所定の相対角度に維持されることにより、各レンズ用曲面形状21の加工において回転工具19の移動軌道、すなわち刃先の移動軌道(加工軌道)25のバラツキが抑制される。これにより、加工される複数のレンズ用曲面形状21間においてバラツキの少ない(均一な)加工精度を得ることができる。
また、本実施の形態においては、最初のレンズ用曲面形状211と次のレンズ用曲面形状212とが同一である必要はない。両者が異なっていても、バラツキの少ない(均一な)加工精度が得られる。従って、例えば光源からの距離に対応して各レンズ用曲面形状21の曲率を積極的に変更することにより、レンズ用曲面アレイ全体の光学特性を向上させることも可能である。
なお、本実施の形態では、図3及び図4に示すように、曲面状のワーク20に凹レンズ状を有するレンズ用曲面形状211、212を加工したが、図9及び図10に示すように、凸レンズ状を有するレンズ用曲面形状211’、212’を加工することもできる。
また、本実施の形態では、図7に示すように、回転工具19の移動軌道25が、一方向のラスター走査、それと直交する方向のピックフィード、によって規定されたが、このパターンに限定されない。例えば、図11の符号25に示すように、回転工具19がレンズ用曲面形状21の中心から遠ざかるように移動されてもよい。凸レンズ状を有するレンズ用曲面形状を加工する場合、当該加工方法によれば、最初の切込み量が小さくて済むため好ましい。
また、ワーク20がB軸回転テーブル15上においてA(C)軸を中心に回転されるようになっていてもよい。これによれば、図2に示すような所定方向の断面が同一形状であるワーク20だけでなく、3次元曲面を有するワークにも複数のレンズ用曲面形状を加工することが可能である。
10 加工機
11 ベッド
12 X軸テーブル
13 コラム
14 Z軸テーブル
15 B軸回転テーブル
16 ワーク保持具
17 Y軸アーム
18 工具スピンドル
19 回転工具
20 ワーク
21 レンズ用曲面形状
23 基準位置座標
24 光軸
25 回転工具の移動軌道
211、211’ 最初のレンズ用曲面形状
212、212’ 次のレンズ用曲面形状
231 最初のレンズ用曲面形状の基準位置座標
232 次のレンズ用曲面形状の基準位置座標
241 最初のレンズ用曲面形状の基準位置座標における光軸
242 次のレンズ用曲面形状の基準位置座標における光軸
31 数値制御装置

Claims (4)

  1. 曲面状のワークに複数のレンズ用曲面形状を回転工具によって加工するレンズ用曲面アレイの加工方法であって、
    各レンズ用曲面形状は、基準位置座標と当該基準位置座標に対する相対位置座標とによって規定され、光軸を提供しており、
    前記加工方法は、
    (1)前記ワークをその曲面の曲率をもたない方向と平行な軸回りに回転可能に保持する回転テーブル上に取り付け、
    )回転工具の先端を最初の加工対象であるレンズ用曲面形状の基準位置座標に移動させると共に、前記ワークを回転させ、回転工具の回転軸を当該最初のレンズ用曲面形状の光軸と所定の相対角度をなすように調整する工程と、
    )当該最初のレンズ用曲面形状の相対位置座標に基づいて、前記回転工具の前記回転軸を前記光軸との調整後の相対角度を維持したまま、回転工具の先端を順次移動させることで、当該最初のレンズ用曲面形状を加工する工程と、
    )回転工具の先端を次の加工対象であるレンズ用曲面形状の基準位置座標に移動させると共に、前記ワークを回転させ、回転工具の回転軸を当該次のレンズ用曲面形状の光軸と前記所定の相対角度をなすように調整する工程と、
    )当該次のレンズ用曲面形状の相対位置座標に基づいて、前記回転工具の前記回転軸が前記光軸との調整後の相対角度を維持したまま、回転工具の先端を順次移動させることで、当該次のレンズ用曲面形状を加工する工程と、
    を備えたことを特徴とするレンズ用曲面アレイの加工方法。
  2. 最初のレンズ用曲面形状と次のレンズ用曲面形状とが異なる
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ用曲面アレイの加工方法。
  3. 前記ワークは、レンズ用曲面アレイの加工前において、所定方向の断面が同一形状である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ用曲面アレイの加工方法。
  4. 前記回転工具は、単結晶ダイヤモンドエンドミルである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレンズ用曲面アレイの加工方法。
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