JP2005254422A - 切削工具の駆動装置 - Google Patents

切削工具の駆動装置

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JP2005254422A JP2004072701A JP2004072701A JP2005254422A JP 2005254422 A JP2005254422 A JP 2005254422A JP 2004072701 A JP2004072701 A JP 2004072701A JP 2004072701 A JP2004072701 A JP 2004072701A JP 2005254422 A JP2005254422 A JP 2005254422A
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Abstract

【課題】 被削物の加工面全体の面積が比較的大である場合であっても、要される加工時間を従来装置に比して短縮できる。
【解決手段】 切削工具10の刃部の先端が、その短軸がその曲面2aの法線と略平行に形成される略楕円軌道に従い切削するように、切削工具10を支持する工具ホルダー12およびスライドテーブル16を往復動させるアクチュエータ18と、アクチュエータ18を板ばね28を介して移動可能に支持する回転テーブル部材26とを同期させて制御するもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、切削工具の刃部を所定の運動軌跡に従った周期的な振動を行わせながら切削を行う切削工具の駆動装置に関する。
近年、小型で且つ複雑な自由曲面が求められる光学部品、またはその成形用の金型の形状は、その形状の曲率が小さくなるとともに、部分的に曲率が変化している場合がある。
切削工具の駆動装置においては、そのような場合に加工可能とするとともに、被削材の加工面についての被削性を向上させるために例えば、特許文献1にも示されるように切削工具の刃部に、楕円振動に従った周期的な動作を行わせながら切削を行わせることが提案されている。
また、そのような切削方法において、被削材の加工面における単位面積あたりの加工時間を短縮させるために例えば、特許文献2にも示されるように、切削工具を備える可動部を互いに直交する方向に運動させることにより切削工具の刃部に微小な楕円の軌道に従った周期的な動作を行わせる複数のアクチュエータを備えた切削加工装置も提案されている。このような切削加工装置においては、その可動部は、その各運動方向に所定の範囲、変位可能な複数の板ばねを介してメインフレームに所定の隙間をもって移動可能に支持されている。その板ばねは、その可動部の両端にそれぞれ互いに平行となるように配されている。
従って、複数のアクチュエータが作動状態とされる場合、その可動部は、被削材の加工面の法線方向に対し移動されるとともに、被削材の加工面の接線方向に移動される。その結果、被削材の加工面に向けて可動部から突出する切削工具の刃部は、微小な楕円の軌道に従った周期的な振動を行いながら被削材の加工面に対し切削を行うこととなる。
特開平7−68401号公報 特開2002−126901号公報
上述の特許文献2において提案される切削加工装置においては、その可動部のストローク量、特に、切削工具の刃部における主分力方向(切削抵抗の水平分力の方向)となるストローク量は、各板ばねにおける所定の運動方向の変位可能量に応じて制限されることとなる。従って、被削物の加工面全体の面積が比較的大である場合、単位時間あたりの切削工具の刃部における主分力方向のストローク量が、被削物の加工面全体の大きさに比して小さくなる場合がある。その結果、被削物の加工面全体の面積が比較的大である場合、その要される加工時間の増大を招くこととなる。
以上の問題点を考慮し、本発明は、切削工具の刃部を所定の運動軌跡に従った周期的な振動を行わせながら切削を行う切削工具の駆動装置であって、被削物の加工面全体の面積が比較的大である場合であっても、要される加工時間を従来装置に比して短縮できる切削工具の駆動装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る切削工具の駆動装置は、切削工具の刃部を被削物の被加工面の接線方向に可変振幅で振動可能に支持するとともに、刃部を被加工面の法線方向に被加工面に対し近接または離隔可能に支持し、切削工具の刃部により被削物の被加工面を切削加工する切削工具ユニットと、切削工具ユニットに、被削物の被加工面の曲率半径に応じた刃部の所定の運動軌跡に従い、切削加工動作を行わせる制御部と、を備えて構成される。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る切削工具の駆動装置によれば、切削工具ユニットが切削工具の刃部を被削物の被加工面の接線方向に可変振幅で振動可能に支持するとともに、制御部が切削工具ユニットに、被削物の被加工面の曲率半径に応じた刃部の所定の運動軌跡に従い、切削加工動作を行わせる。従って、切削工具の刃部における被削物の被加工面の接線方向に沿った振幅を、被削物の被加工面の曲率半径に応じた刃部の所定の運動軌跡に従い増大させることが可能となるので被削物の加工面全体の面積が比較的大である場合であっても、要される加工時間を従来装置に比して短縮できる
図1および図2は、それぞれ、本発明に係る切削工具の駆動装置の一例を示す。
図1および図2において、被削物に対し切削加工を行う切削工具ユニットは、被削物2が固定される定盤を有し移動可能に支持されるワークテーブル4に対向して配される切削工具10と、切削工具10を支持する工具ホルダー12と、工具ホルダー12を支持するとともに、被削物2の曲面2aに対し近接または離隔せしめられるスライドテーブル16と、後述する板ばね部材を介してスライドテーブル16を往復動可能に支持する一対の支持部材20Aおよび20Bと、支持部材20Aおよび20Bの一端が固定される平坦面を有するベース部材22と、一対の支持部材20Aおよび20Bに支持されるスライドテーブル16を往復動させるアクチュエータ18と、アクチュエータ18の一端を支持するブラケット部材24と、ベース部材22が固定される端面を有する回転テーブル部材26と、回転テーブル部材26を回動させる駆動軸30とを主な要素として含んで構成されている。
被削物2は、例えば、光学部品の射出成形用金型とされる。その被削物2は、予め所定の前処理加工が施された曲面(凹面)2aを有している。その曲面2aは、仕上げ切削加工として所定の精度までさらに上述の切削工具ユニットにより加工される。
ワークテーブル4は、図示が省略される搬送手段により、例えば、ボールねじ等により図2に示されるX座標方向、および、図1に示されるZ座標方向に移動可能に支持されている。なお、X座標は、ワークテーブル4の定盤の平坦面に略平行な方向をとり、Y座標は、そのX座標に直交する方向とされる。Z座標は、X座標およびY座標に直交する方向とされる。
その搬送手段には、ボールねじを回動させワークテーブル4を移動させる駆動用モータが設けられている。その駆動用モータの出力が後述する制御ユニットにより制御されることにより、ワークテーブル4の送り量および速度が制御されることとなる。
切削工具10は、被削物2を切削する刃部を先端に有している。
スライドテーブル16の両端面には、それぞれ、図2におけるY座標方向に弾性変位可能な板ばね28の一端が結合されている。板ばね28の他端は、対応する一対の支持部材20Aおよび20Bの両端面にそれぞれ、結合されている。板ばね28は、例えば、弾性変位可能な金属製の薄片により作られている。
スライドテーブル16の両側面と一対の支持部材20Aおよび20Bにおける対向する面との間には、所定の隙間CLが形成されている。支持部材20Aおよび20Bは、所定の間隔をもってベース部材22の平坦面に対し略垂直に設けられている。また、スライドテーブル16におけるベース部材22に対向する面とベース部材22の表面との間にも所定の隙間が形成されている。従って、スライドテーブル16は、その周囲に干渉することなく、一対の支持部材20Aおよび20Bの相互の空間内に図2におけるY座標方向に移動可能に支持されることとなる。その結果、スライドテーブル16の往復動に応じて工具ホルダー12に支持される切削工具10の刃部は、その被削物2の曲面2aにおける法線方向に移動可能とされることとなる。
アクチュエータ18は、例えば、圧電素子とされ、後述する制御ユニットにより制御される。なお、アクチュエータ18は、斯かる例に限られることなく、直動推力を発生できるものあれば、例えば、圧電素子以外の磁歪素子やリニアモータや電磁石のようなものでもよい。
なお、スライドテーブル16の駆動位置を精度良く制御するためには、例えば、ブラケット部材24に取り付ける変位センサなどにより、スライドテーブル16の変位を検出し駆動制御してもよい。
ベース部材22における支持部材20Aおよび20Bが設けられる面に対向する面は、回転テーブル部材26の一方の端面に固定されている。
回転テーブル部材26は、回転テーブルハウジング32の収容部32a内に配されている。回転テーブル部材26は、その軸線方向に沿った中間部分にフランジ部26Fを有している。回転テーブル部材26は、その中心軸線Oの回りに軸受部34RBおよび34TBにより回動可能に支持されている。軸受部34RBおよび34TBは、それぞれ、例えば、静圧軸受けとされる。回転テーブル部材26におけるフランジ部26Fにおける軸線方向の両端面は、一対の軸受部34TBにより支持されている。また、回転テーブル部材26におけるフランジ部26Fを除く外周部は、軸受部34RBにより支持されている。回転テーブル部材26の他方の端面には、駆動軸30の一端が連結されている。
駆動軸30の外周部には、磁石38およびコイル36からなるサーボモータ40が付設されている。サーボモータ40は、後述する制御ユニットにより制御される。コイル36は、回転テーブルハウジング32の端部に連結されるモータハウジング48内に配置されている。
また、駆動軸30の他端には、回転テーブル部材26および駆動軸30の回転角度を検出するエンコーダ46が設けられている。エンコーダ46は、駆動軸30の他端に設けられるスケール44と、モータハウジング48の端部の内周部に配されスケール44の被検出部を検出する検出ヘッド42とを含んで構成されている。エンコーダ46は、例えば、磁気式または光学式であってもよい。エンコーダ46は、検出した回転角度をあらわす検出出力Seを後述する制御ユニットに供給する。
斯かる切削工具ユニットにおいて、サーボモータ40が作動状態とされるとともに、アクチュエータ18が作動状態とされるとき、図3に示されるように、振り子のように支持される切削工具10の刃部の先端は、所定の曲率半径および円周角θを有する円弧の軌道によって囲まれる領域A内で移動せしめられることとなる。
円周角θは、例えば、図4に示されるように、被削物2の曲面2aの理論表面粗さYと、切削工具10の取付け半径R(中心軸線Oからその刃部の先端までの距離)を含む下記の式(1)により設定される。
θ/2=Ф=cos−1(1−Y/R)・・・(1)
また、図4において、加工幅Xは、円周角θおよび取付け半径Rが設定されることにより下記の(2)式により算出されることとなる。
X=RsinФ・・・(2)
例えば、Y=20nm,R=20mmの場合、加工幅Xは、28.2μmであり、従って、有効加工幅(±X)は、±28.2μmである。
さらに、アクチュエータ18が同期して作動状態とされるとき、スライドテーブル16の移動ストロークを10μm、および、回転テーブル部材26の運動誤差をスライドテーブル16上で補正する量を0.1μmとした場合、図5に示されるように、回転テーブル部材26の回転角度により、中心軸線Oからその刃部の先端までの距離(R+r)は、補正量r(=0.1μm)だけ延びるので上述の表面粗さに対する回転テーブル部材26の運動誤差が約0.1μmまで許されることとなる。なお、補正量r(=0.1μm)は、切削工具全体の軌道を実現するのに影響のないものとしてスライドテーブル16の移動ストロークの1/100に設定したものである。
従って、理論表面粗さYが、0.1μm、R=20mmの場合、有効加工幅(±X)は、式(1)および(2)より、±63.2μmとなる。また、理論表面粗さYが、0.1μm、R=40mmの場合、有効加工幅は、式(1)および(2)より、±89.4μmとなる。
その結果、本願発明の一例においては、その有効加工幅が、特許文献2にも示されるような従来の装置の有効加工幅に比して大となる。
本発明に係る切削工具の駆動装置の一例においては、斯かる構成に加えて、さらに図6に示されるように、回転テーブル部材26およびスライドテーブル16の動作制御、ワークテーブル4の動作制御を行う制御ユニット60を備えている。
制御ユニット60には、エンコーダ46からの回転テーブル26を伴う駆動軸30の回転角度位置をあらわす検出出力信号Se、データ入力部62からの被削物2における図2におけるX座標、Y座標、および図1におけるZ座標に沿った寸法、被削物2の曲面2aの曲率半径等をあらわすデータ群DQ、図示が省略されるホストコンピュータからの作業開始指令信号Ss、および、リセット指令信号Srが供給される。
制御ユニット60は、データを格納する記憶部60Mを備えている。記憶部60Mは、加工のとき、図3に示されるような被削物2の曲面2aの各曲率半径に対応した切削工具10の刃部の先端の振動における1周期の軌跡P1またはP2をあらわすルックアップテーブルデータ、その軌跡P1またはP2、被削物2の曲面2aにおける所定の各加工開始位置に対応した回転テーブル部材26の割出し角度データ、および、回転テーブル部材2およびスライドテーブル16の動作制御用プログラムデータ等を格納するものとされる。軌跡P1は、例えば、略楕円状の軌道とされ、その曲面2aの法線と略平行に形成される短軸を有する。一方、軌跡P2は、例えば、軌跡P1よりも小なる略楕円状の軌道とされ、その曲面2aの法線と略平行に形成される長軸を有する。
制御ユニット60は、図2に示される被削物2の曲面2aを加工するにあたり、先ず、図2および図9(B)に示されるように、切削開始の初期位置において、開始指令信号Ssに基づいて回転テーブル部材26の中心軸線Oを通るワークテーブル4の平坦面に対し垂直な鉛直線GL(被削物2の中央部分の曲面2aに対する法線)と回転テーブル部材26の中心軸線Oを通るスライドテーブル16の中心軸線CLとが一致した状態とされるもとで、データ群DQに基づいてテーブルデータを参照し、被削物2の曲面2aの曲率半径に応じた略楕円状の1周期の軌跡P1に従い切削工具10の刃部の先端を振動させるべく、制御信号CCおよびCYをそれぞれ形成し、それらを回転テーブル駆動制御部64、アクチュエータ駆動制御部66に供給する。回転テーブル駆動制御部64、および、アクチュエータ駆動制御部66は、それぞれ、制御信号CCおよびCYに基づいて駆動信号をサーボモータ40、アクチュエータ18に供給する。
これにより、図3および図7に示されるように、被削物2の曲面2aに対して切削工具10の刃部の先端が略楕円状の軌跡P1に従い、1周期、図7におけるX―Y座標平面上で振動せしめられ、被削物2の曲面2aの一部の領域X1に対して切削を行う。その際、制御ユニット60は、各周期ごとに同期させて被削物2を所定の速度で所定量だけ図1に示される矢印Zの示す方向に移動させるべく、制御信号CZを形成しそれをワークテーブル駆動制御部68に供給する。従って、図7に示される領域X1については、紙面に略垂直方向に沿って加工されることとなる。
次に、制御ユニット60は、領域X1の加工終了後、図7に示されるような被削物2の曲面2aの領域X1に隣接する領域X2について1周期、同様な略楕円状の軌跡P1に従う切削のためにワークテーブルを図7の矢印の示す方向に所定量移動させるべく、制御信号CXを形成し、それをワークテーブル駆動制御部68に供給する。ワークテーブル駆動制御部68が制御信号CXに基づいてワークテーブル駆動部に駆動信号を供給する。これにより、切削工具10の刃部の先端が、被削物2の曲面2aの領域X2の略中央に位置せしめられる。
続いて、制御ユニット60は、領域X2について同様な略楕円状の軌跡P1に従う切削のために制御信号CCおよびCYをそれぞれ形成し、それらを回転テーブル駆動制御部64、アクチュエータ駆動制御部66に供給する。その際、制御ユニット60は、各周期ごと同期させて被削物2を所定の速度で所定量だけ図1に示される矢印Zの示す方向に移動させるべく、制御信号CZを形成しそれをワークテーブル駆動制御部68に供給する。従って、図7に示される領域X2の幅について紙面に略垂直方向に沿って加工されることとなる。なお、領域X2に隣接する部分近傍の領域も順次、同様にワークテーブルが移動せしめられて加工される。
さらに、領域X2の加工終了後、上述の図7に示される領域X2よりもさらに一方の端部近傍領域であって領域X1に対し所定距離離隔する方向の一方の端部領域X3の加工にあっては、図9(A)に示されるように、制御ユニット60は、さらにワークテーブル4を図7の矢印の示す方向に所定量移動させるべく、制御信号CXを形成し、それをワークテーブル駆動制御部68に供給する。また、制御ユニット60は、回転テーブル部材26の割出し角度データおよび検出出力信号Seに基づいてスライドテーブル16の中心軸線CLと回転テーブル部材26の中心軸線Oを通るワークテーブル4の平坦面に対し垂直な鉛直線GLとのなす角を角度θ1に設定すべく、制御信号CRを形成しそれを回転テーブル駆動制御部64に供給する。さらに、制御ユニット60は、その切削工具10の刃部の先端に対向する領域について同様な略楕円状の軌跡P1に従う切削のために制御信号CCおよびCYをそれぞれ形成し、それらを回転テーブル駆動制御部64、アクチュエータ駆動制御部66に供給する。
これにより、スライドテーブル16の中心軸線CLが鉛直線GLに対し角度θ1だけ傾いた状態で、その切削工具10の刃部の先端は、略楕円状の軌跡P1に従い振動し、曲面2aの領域X3を切削することとなる。
その際、制御ユニット60は、被削物2を所定の速度で所定量だけ図1に示される矢印Zの示す方向に移動させるべく、制御信号CZを形成しそれをワークテーブル駆動制御部68に供給する。従って、曲面2aにおける一方の端部近傍領域X3が、紙面方向に沿って切削加工されることとなる。
そして、曲面2aにおける上述の領域X1を挟んで上述の領域X3に対し所定距離、離隔する方向の他方の端部近傍領域X4の加工にあっては、制御ユニット60は、先ず、ワークテーブルを図9(C)の矢印の示す方向に所定量移動させるべく、制御信号CXを形成し、それをワークテーブル駆動制御部68に供給する。また、制御ユニット60は、回転テーブル部材26の割出し角度データおよび検出出力信号Seに基づいてスライドテーブル16の中心軸線CLと回転テーブル部材26の中心軸線Oを通るワークテーブル4の平坦面に対し垂直な鉛直線GLとのなす角を角度θ2に設定すべく、制御信号CRを形成しそれを回転テーブル駆動制御部64に供給する。さらに、制御ユニット60は、その切削工具10の刃部の先端に対向する領域について同様な略楕円状の軌跡P1に従う切削を行わせるために制御信号CCおよびCYをそれぞれ形成し、それらを回転テーブル駆動制御部64、アクチュエータ駆動制御部66に供給する。
これにより、スライドテーブル16の中心軸線CLが鉛直線GLに対し角度θ2だけ傾いた状態で、その切削工具10の刃部の先端は、1周期、略楕円状の軌跡P1に従い振動し曲面2aを切削することとなる。
その際、制御ユニット60は、各周期ごと同期させて被削物2を所定の速度で所定量だけ図1に示される矢印Zの示す方向に移動させるべく、制御信号CZを形成しそれをワークテーブル駆動制御部68に供給する。従って、曲面2aにおける一方の端部近傍領域X4が、紙面方向に沿って切削加工されることとなる。そして、制御ユニット60は、リセット指令信号Srに基づいてワークテーブル4およびスライドテーブル16を図9(B)に示される状態に戻すべく、制御信号CRを供給する。
図7に示される例は、上述の切削ユニットが、曲面2aの曲率半径が比較的大なるものである被削物2について切削を行う場合であるが、図8は、上述の切削ユニットが、その被削物2の曲面2aの曲率半径に比して曲率半径が小なる曲面2’aを有する被削物2’についての切削を行う場合の状態を示す。
図8に示される例においては、制御ユニット60は、切削を開始する初期位置で、回転テーブル部材26の中心軸線Oを通るワークテーブル4の平坦面に対し垂直な鉛直線GL(被削物2の中央部分の曲面2aに対する法線)と回転テーブル部材26の中心軸線Oを通るスライドテーブル16の中心軸線CLとが一致した状態で、データ群DQに基づいてテーブルデータを参照し、被削物2’の曲面2’aの曲率半径に応じた1周期、略楕円状の軌跡P2に従い切削工具10の刃部の先端を振動させるべく、制御信号CCおよびCYをそれぞれ形成し、それらを回転テーブル駆動制御部64、アクチュエータ駆動制御部66に供給する。
これにより、図8に示されるように、被削物2’の曲面2’aに対して切削工具10の刃部の先端が、略楕円状の軌跡P1に比して小なる短軸および長軸を有する略楕円状の軌跡P2に従い図8におけるX―Y座標平面上で振動し、被削物2’の曲面2’aの一部の領域X5に対して切削を行う。その際、制御ユニット60は、各周期ごとに同期させて被削物2’を所定の速度で所定量だけ図1に示される矢印Zの示す方向に移動させるべく、制御信号CZを形成しそれをワークテーブル駆動制御部68に供給する。従って、図8に示される領域X5について紙面に略垂直方向に沿って加工されることとなる。
従って、上述の切削工具ユニットによりその曲率半径が比較的大なる被削物2の曲面2aについて切削加工を行う場合、図10(A)および(B)に示されるように、上述のように制御される切削工具10の刃部の先端の1周期の振動軌跡が上述のような軌跡P2に従うとき、1回(1周期)で加工される領域ΔXが、その全曲面2aに対し比較的狭いものとなる。一方、上述のように制御される切削工具10の刃部の先端の1周期の振動軌跡が上述のような軌跡P1に従うとき、1回(1周期)で加工される領域ΔXは、領域ΔXに比べて大となる。
その結果、このような曲面2a全体を図10(A)に示されるように、被削物2を上述したように適宜移動させつつその曲率半径に適切な軌跡P1に従い1周期ごと加工する場合に要される加工時間は、図10(B)に示されるように切削工具10の刃部が1周期ごと軌跡P2に沿って加工する場合に比べて短縮されることとなる。
上述の例においては、回転テーブル部材26とスライドテーブル16とを同期駆動することで、切削工具10に任意軌跡の振動を実現できる。また、その切削工具10の刃部の先端の振動軌跡を被削物2の曲率半径に応じた適正な軌跡に変更することにより、効率よく高精度に被削物2の曲面2aを加工できることとなる。
図11は、本発明に係る切削工具の駆動装置の他の一例を概略的に示す。
なお、図11においては、図1および図2に示される例において同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
図11に示される切削工具の駆動装置に用いられる切削ユニットは、被削物が固定される定盤を有し移動可能に支持されるワークテーブル(不図示)に対向して配される切削工具10と、切削工具10を支持する工具ホルダー12と、工具ホルダー12を支持するとともに被削物に対し工具ホルダー12の軸線方向に沿って近接または離隔させるアクチュエータ80と、アクチュエータ80の一端に連結され所定の角度範囲で回動される可動部材としてのアーム部材76と、一端がアーム部材76の端部にヒンジ部材HGを介して連結されアーム部材76を揺動させるアクチュエータ74と、アーム部材76の孔76aに挿入されアーム部材76を回動可能に支持する支持軸78が設けられるベース部材70と、ベース部材70を支持し所定の回転中心Oの回りに所定の角度範囲、ベース部材70全体を回動させる回転テーブル部材RTとを含んで構成されている。
図11に示される例においても、図示が省略されるが、上述の例と同様に、アクチュエータ74および80、回転テーブル部材RTの動作制御を行う制御ユニットが備えられている。なお、回転テーブル部材RTには、図示が省略されるが、その回転テーブル部材RTおよびベース部材70の回転中心Oの回りの回転位置を検出するエンコーダ部が設けられている。また、上述の例と同様な被削物を支持するワークテーブル4も備えられている。
例えば、圧電素子とされるアクチュエータ80の一端は、工具ホルダー12に連結されている。アクチュエータ80の他端は、アーム部材76に連結されている。
アーム部材76の中心軸線上におけるアクチュエータ80の他端が連結された部分よりも離隔した位置に支持軸78が所定の隙間をもって挿入される孔76aが形成されている。孔76aは、そのアーム部材76の中心位置より所定距離、偏った位置に形成されている。従って、アーム部材76は、その支持軸78および孔76aの回りに振り子のように所定の揺動角度θ範囲だけ揺動可能に支持されることとなる。なお、最大の揺動角度θは、その孔76aの中心位置からアクチュエータ74に連結されるヒンジ部材HGが連結される部分までの長さLとアクチュエータ74のストローク量とにより設定される。
アクチュエータ74は、その両端部がヒンジ部材HGを介してアーム部材76および固定部材72にそれぞれ連結されている。固定部材72は、ベース部材70に支持されている。アーム部材70の表面とベース部材70におけるアーム部材70に対向する表面との間には、所定の隙間が形成されている。
斯かる構成において、上述のような被削物2の曲面2aに対し切削加工を行う場合、制御ユニットは、先ず、所定の切削開始の初期位置において、上述のようなデータ群DQに基づいてテーブルデータを参照し、例えば、被削物の曲面の曲率半径に応じた略楕円状の1周期の軌跡P1またはP2に従い切削工具10の刃部の先端を振動させるべく、制御信号群を形成し、それらをアクチュエータ駆動制御部に供給する。
これにより、アクチュエータ74および80が同期して作動状態とされるのでアーム部材76が振り子のように回動され、被削物の曲面に対して切削工具10の刃部の先端が略楕円状の軌跡P1またはP2に従い、1周期、図11におけるX―Y座標平面上で振動し、被削物の曲面の一部の領域に対して切削を行う。その際、制御ユニットは、各周期ごとに同期させて被削物を所定の速度で所定量だけ図11に示されるZの示す方向(紙面に略垂直方向)に移動させるべく、制御信号を形成しそれをワークテーブル駆動制御部に供給する。従って、被削物の曲面は、図11に示される領域XAまたはXBについて紙面に略垂直方向に沿って加工されることとなる。
さらに、被削物の曲面における隣接する領域、あるいは、被削物の曲面における両端部近傍についても、それぞれ、上述の例と同様に、回転テーブル部材RTの動作の割り出し動作が行われるもとで、アクチュエータ74および80が同期して作動状態とされることにより、被削物の曲面に対して切削工具10の刃部の先端が略楕円状の軌跡P1またはP2に従い、1周期、図11におけるX―Y座標平面上で振動し、被削物の曲面の一部の領域に対して切削する。その際、被削物の曲面は、各周期ごとに同期させて被削物を所定の速度で所定量だけ図11に示されるZの示す方向(紙面に略垂直方向)に移動せしめられる。
従って、図11に示される例においても、上述の例と同様な作用効果を得ることができる。
なお、上述の例においては、被削物の被加工面が曲面(凹面)とされるが、斯かる例に限られることなく、被削物の被加工面が平坦な面、あるいは他の形状を有する面であっても良いことは勿論である。
本発明に係る切削工具の駆動装置の一例の全体構成を、ワークテーブルとともに概略的に示す断面図である。 図1に示される例における左側面図である。 図1に示される例における動作説明に供される図である。 図1に示される例における動作説明に供される図である。 図1に示される例における動作説明に供される図である。 本発明に係る切削工具の駆動装置の一例に備えられる制御ユニットを示すブロック図である。 図1に示される例における動作説明に供される図である。 図1に示される例における動作説明に供される図である。 (A)、(B)、および(C)は、それぞれ、図1に示される例における動作説明に供される図である。 (A)および(B)は、それぞれ、比較例における動作説明に供される図である。 本発明に係る切削工具の駆動装置の他の一例の要部を概略的に示す図である。
符号の説明
2 被削物
10 切削工具
18、74、80 アクチュエータ
26 回転テーブル部材
60 制御ユニット
76 アーム部材

Claims (6)

  1. 切削工具の刃部を被削物の被加工面の接線方向に可変振幅で振動可能に支持するとともに、該刃部を該被加工面の法線方向に該被加工面に対し近接または離隔可能に支持し、該切削工具の刃部により該被削物の被加工面を切削加工する切削工具ユニットと、
    前記切削工具ユニットに、前記被削物の被加工面の曲率半径に応じた前記刃部の所定の運動軌跡に従い、切削加工動作を行わせる制御部と、
    を具備して構成される切削工具の駆動装置。
  2. 被削物の被加工面の接線方向に回動可能に支持される回転テーブル部材と、
    前記回転テーブル部材上に該回転テーブルの半径方向に前記被削物の被加工面の法線方向に沿って往復動可能に支持され、該被加工面を加工する切削工具の刃部を保持するスライドテーブルと
    前記回転テーブル部材および前記スライドテーブルを駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段に、前記被削物の被加工面の曲率半径に応じた前記刃部の所定の運動軌跡に従い、前記切削工具の切削加工動作を行わせる制御部と、
    を具備して構成される切削工具の駆動装置。
  3. 被削物の被加工面の接線方向に所定の振幅で振動可能に支持されるアーム部材と、
    前記アーム部材に連結され前記被削物の被加工面を加工する切削工具の刃部を被削物の被加工面の法線方向に沿って往復動可能に駆動するアクチュエータと、
    前記アーム部材を揺動させるアーム部材駆動手段と、
    前記アクチュエータおよび前記アーム部材駆動手段に、前記被削物の被加工面の曲率半径に応じた前記刃部の所定の運動軌跡に従い、前記切削工具の切削加工動作を行わせる制御部と、
    を具備して構成される切削工具の駆動装置。
  4. 前記制御部は、前記被加工面を加工する切削工具の刃部を保持する前記スライドテーブルの該被加工面に対する相対位置を変更すべく、前記回転テーブル部材を前記被加工面における所定の割出し角度位置に対応させて回動させることを特徴とする請求項2記載の切削工具の駆動装置。
  5. 前記被削物の被加工面の曲率半径に応じた前記刃部の所定の運動軌跡は、該被加工面における法線に対し略平行な短軸を有する略楕円であることを特徴とする請求項1記載の切削工具の駆動装置。
  6. 前記被削物の被加工面の曲率半径に応じた前記刃部の所定の運動軌跡は、該被加工面における法線に対し略平行な長軸を有する略楕円であることを特徴とする請求項1記載の切削工具の駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014104563A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Toshiba Mach Co Ltd レンズ用曲面アレイの加工方法
CN113477959A (zh) * 2021-06-03 2021-10-08 西安理工大学 低频振动车削刀柄及切削加工方法

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