JP5980091B2 - 1,3−ブタジエンの分離方法および分離膜 - Google Patents

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Description

本発明は、金属錯体を含むガス分離材を用いて混合ガスから1,3−ブタジエンを分離する方法、およびそのガス分離材を有する1,3−ブタジエン分離膜に関する。
炭化水素を含む混合ガス中から、目的の炭化水素ガスのみを分離・回収する技術がこれまでに知られている。
分離・回収したい炭化水素ガスの一例として、1,3−ブタジエンが挙げられる。1,3−ブタジエンは、例えば合成ゴム製造のための出発物質として、また、非常に多くの化合物の中間体としても有用な化合物である。1,3−ブタジエンは一般にナフサ分解やブテンの脱水素によって製造される。これらの製造方法では1,3−ブタジエンは混合ガスの一成分として得られる。したがって、混合物として得られる生成物中から、1,3−ブタジエンを選択的に分離・回収することが必要となる。生成物中の炭素数4の主成分としては、1,3−ブタジエン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、ノルマルブタン、イソブタンなどが挙げられる。これらは、炭素数が同じであり、沸点も近いため、工業的に採用されている蒸留法では分離が困難である。
他の分離方法の一つとして抽出蒸留法が挙げられるが、この方法は極性溶媒を用いた吸収法であるため、極性溶媒中から1,3−ブタジエンを回収する際に、非常に多くのエネルギーを使用する。したがって、より省エネルギーで1,3−ブタジエンを分離・回収する方法として、吸着法による分離が望まれている。
しかしながら、従来の多孔性材料(特許文献1)は1,3−ブタジエンの分離性能が低いため、多段階で分離する必要があり、分離装置の大型化が不可避であった。
従来の多孔性材料より優れた分離性能を与える吸着材として、外部刺激により動的構造変化が生じる多孔性金属錯体が開発されている(非特許文献1および非特許文献2)。この多孔性材料をガス吸着材として使用した場合、ある一定の圧力まではガスを吸着しないが、ある一定圧を越えるとガス吸着が始まるという特異な現象が観測されている。また、ガスの種類によって吸着開始圧が異なる現象が観測されている。
この多孔性材料を、例えば圧力スイング吸着方式のガス分離装置における吸着材に応用した場合、非常に効率良いガス分離が可能となる。また、圧力のスイング幅を狭くすることができ、省エネルギーにも寄与する。さらに、ガス分離装置の小型化にも寄与し得るため、高純度ガスを製品として販売する際のコスト競争力を高めることができることは勿論、自社工場内部で高純度ガスを用いる場合であっても、高純度ガスを必要とする設備に要するコストを削減できるため、結局最終製品の製造コストを削減する効果を有する。
亜鉛イオン、フマル酸およびビピリジンからなる金属錯体[Zn(fm)(bpy)]が開示されている(非特許文献3)。しかしながら、この金属錯体の1,3−ブタジエンを含む炭素数4の炭化水素ガスの吸着、分離特性については検討がなされていない。
亜鉛イオン、フマル酸および1,2−ジ(4−ピリジル)エチレンからなる金属錯体[Zn(fm)(bpe)]も開示されている(非特許文献4)。しかしながら、この金属錯体の1,3−ブタジエンを含む炭素数4の炭化水素ガスの吸着、分離特性については検討がなされていない。
特開昭51−43702号公報
植村一広、北川進、未来材料、第2巻、44〜51頁(2002年) 松田亮太郎、北川進、ペトロテック、第26巻、97〜104頁(2003年) Bao−Qing Ma, Karen L. Mulfort, and Joseph T. Hupp, Inorganic Chemistry,第44巻、4912−4914頁(2005年) Tomislav Friscic and Laszlo Fabian, CrystEngComm,第11巻、743−745頁(2009年)
本発明の目的は、1,3−ブタジエンおよび1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素を含む混合ガス中から、1,3−ブタジエンを選択的に分離・回収することができる、従来よりも優れた分離方法および分離膜を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討し、炭素数4のジカルボン酸化合物と、少なくとも1種の金属イオンと、前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)とからなる金属錯体を含む分離材により、上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]の実施態様を含む。
[1]1,3−ブタジエンおよび1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素を含む混合ガスを分離材と接触させ、1,3−ブタジエンを前記分離材に選択的に吸着させる吸着工程と、前記分離材に吸着された1,3−ブタジエンを前記分離材から脱着させて、脱離してくる1,3−ブタジエンを捕集する再生工程とを含む、前記混合ガスから1,3−ブタジエンを分離する方法において、
前記分離材が、炭素数4のジカルボン酸化合物と、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛およびカドミウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属のイオンと、下記一般式(I):
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子であり、RとR、あるいはRとRが一緒になって置換基を有していてもよいアルケニレン基を形成してもよい。)で表される前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)とからなり、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有する金属錯体を含む1,3−ブタジエンの分離方法。
[2]前記ジカルボン酸化合物がフマル酸である[1]に記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
[3]一般式(I)で示される有機配位子(I)が、R、R、R、R、R、R、RおよびRのすべてが水素原子である4,4’−ビピリジルである[1]または[2]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
[4]前記金属のイオンが亜鉛イオンである[1]〜[3]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
[5]前記分離方法が圧力スイング吸着法である[1]〜[4]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
[6]前記分離方法が温度スイング吸着法である[1]〜[4]のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
[7]炭素数4のジカルボン酸化合物と、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛およびカドミウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属のイオンと、下記一般式(I):
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子であり、RとR、あるいはRとRが一緒になって置換基を有していてもよいアルケニレン基を形成してもよい。)で表される前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)とからなり、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有する金属錯体を含む1,3−ブタジエン分離材を有する1,3−ブタジエン分離膜。
[8]多孔質支持体をさらに含み、前記1,3−ブタジエン分離材が前記多孔質支持体の表層部に付着している[7]に記載の1,3−ブタジエン分離膜。
[9]高分子材料をさらに含み、前記1,3−ブタジエン分離材が前記高分子材料中に分散している[7]に記載の1,3−ブタジエン分離膜。
[10]1,3−ブタジエンおよび1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素を含む混合ガスを分離膜に接触させ、前記分離膜を通して1,3−ブタジエンを選択的に透過させることを含む、前記混合ガスよりも1,3−ブタジエン濃度が高いガスを得る1,3−ブタジエンの分離方法において、前記分離膜が[7]〜[9]のいずれかに記載の1,3−ブタジエン分離膜であることを特徴とする1,3−ブタジエンの分離方法。
本発明により、1,3−ブタジエンを含む混合ガスから1,3−ブタジエンを従来よりも高い分離性能で分離・回収することができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様および本発明に関する全ての利点を開示したものと見なしてはならない。
ジカルボン酸化合物のカルボキシレートイオン、金属イオンおよび二座配位可能な有機配位子(I)からなるジャングルジム骨格の模式図である。 ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造の模式図である。 圧力スイング吸着法により混合ガスから1,3−ブタジエンを回収する装置の模式図である。 合成例1の金属錯体1の粉末X線回折パターンとジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造をとると仮定した単結晶構造から予測される粉末X線回折パターンとの比較図である。 合成例1の金属錯体1を用いた分離材の、25℃における1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンの吸脱着等温線である。 代表的な吸着材(ゼオライト)の、25℃における1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンの吸脱着等温線である。 比較合成例1の比較金属錯体1を用いた分離材の、25℃における1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンの吸脱着等温線である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
<分離材>
本発明に使用する1,3−ブタジエンの分離材は、炭素数4のジカルボン酸化合物と、特定の金属イオンと、前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)とからなり、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有する金属錯体を構成成分とする。
<ジカルボン酸化合物(I)>
本発明に用いられる炭素数4のジカルボン酸化合物としては、マレイン酸、フマル酸、コハク酸を使用することができ、中でもフマル酸がより好ましい。
<金属イオン>
本発明の分離材に用いられる金属錯体を構成する金属イオンはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛およびカドミウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属のイオンである。これらの中でもガス吸着性能の面から亜鉛イオン、鉄イオン、コバルトイオン、マンガンイオン、ニッケルイオンおよび銅イオンが好ましく、亜鉛イオンがより好ましい。
本発明の分離材に用いられる金属錯体を製造する際には前記金属の塩を用いることができる。金属塩は単一の金属塩を使用することが好ましいが、2種以上の金属塩を混合して用いてもよい。これらの金属塩としては、酢酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩などの無機酸塩を使用することができる。
<二座配位可能な有機配位子(II)>
本発明に用いられる金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)は下記一般式(I)で表される。
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子であり、RとR、あるいはRとRが一緒になって置換基を有していてもよいアルケニレン基を形成してもよい。)
、R、R、R、R、R、RおよびRを構成することのできるアルキル基の炭素数は1〜5であり、1〜3であることがより好ましい。炭素数1〜5のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などの直鎖または分岐を有するアルキル基が挙げられる。該アルキル基が有していてもよい置換基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基など)、アミノ基、モノアルキルアミノ基(メチルアミノ基など)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基など)、ホルミル基、エポキシ基、アシロキシ基(アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基など)、カルボン酸無水物基(−CO−O−CO−R基)(Rは炭素数1〜5のアルキル基である)などが挙げられる。アルキル基が置換基を有する場合、置換基の数は1〜3個が好ましく、1個がより好ましい。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。
とR、あるいはRとRが一緒になって置換基を有していてもよいアルケニレン基を形成する場合、アルケニレン基の炭素数は2であることが好ましい。アルケニレン基の炭素数が2の場合、RとR、あるいはRとRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって6員環(ベンゼン環)を構成する。例えば、RとR、およびRとRがそれぞれ炭素数2の非置換のアルケニレン基、すなわちエテニレン基を形成し、残りのR、R、RおよびRが水素原子である場合、一般式(I)の化合物はジアザピレンとなる。
該アルケニレン基が有していてもよい置換基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基など)、アミノ基、モノアルキルアミノ基(メチルアミノ基など)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基など)、ホルミル基、エポキシ基、アシロキシ基(アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基など)、カルボン酸無水物基(−CO−O−CO−R基)(Rは炭素数1〜5のアルキル基である)などが挙げられる。
、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ水素原子またはメチル基であることが好ましく、すべて水素原子であることがより好ましい。
二座配位可能な有機配位子(I)としては、例えば、4,4’−ビピリジル、2,2’−ジメチル−4,4’−ビピリジンまたはジアザピレンを使用することができ、中でも4,4’−ビピリジルが好ましい。なお、本明細書において、「二座配位可能な有機配位子」とは、非共有電子対で金属イオンに対して配位できる部位を少なくとも2箇所持つ中性配位子と定義する。
<製造方法>
本発明で使用する分離材となる金属錯体は、炭素数4のジカルボン酸化合物と、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛およびカドミウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属の塩と、該金属のイオンに二座配位可能な有機配位子(I)とを、常圧下、溶媒中で数時間から数日間反応させ、結晶を析出させて製造することができる。例えば、前記金属塩の有機溶媒溶液と、ジカルボン酸化合物および二座配位可能な有機配位子(I)を含有する有機溶媒溶液とを、常圧下で混合して反応させることにより本発明の金属錯体を得ることができる。
金属錯体を製造するときのジカルボン酸化合物と二座配位可能な有機配位子(I)との混合比率は、ジカルボン酸化合物:二座配位可能な有機配位子(I)=1:5〜8:1のモル比の範囲内が好ましく、1:3〜6:1のモル比の範囲内がより好ましい。これ以外の範囲で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下し、副反応も増えるために好ましくない。
金属錯体を製造するときの金属塩と二座配位可能な有機配位子(I)の混合比率は、金属塩:二座配位可能な有機配位子(I)=3:1〜1:3のモル比の範囲内が好ましく、2:1〜1:2のモル比の範囲内がより好ましい。これ以外の範囲では目的とする金属錯体の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して得られた金属錯体の精製が困難になることがある。
金属錯体を製造するための溶液におけるジカルボン酸化合物のモル濃度は、0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.01〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では溶解性が低下し、反応が円滑に進行しないことがある。
金属錯体を製造するための溶液における金属塩のモル濃度は、0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.01〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では未反応の金属塩が残留し、得られた金属錯体の精製が困難になることがある。
金属錯体を製造するための溶液における二座配位可能な有機配位子(I)のモル濃度は、0.001〜5.0mol/Lが好ましく、0.005〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では溶解性が低下し、反応が円滑に進行しないことがある。
金属錯体の製造に用いる溶媒としては、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、水またはこれらの混合溶媒を使用することができる。反応温度は、−20〜150℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。反応時間は1〜24時間が好ましく、2〜12時間がより好ましい。
反応が終了したことはガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーにより原料の残存量を定量することにより確認することができる。反応終了後、得られた混合液を吸引濾過に付して沈殿物を集め、有機溶媒による洗浄後、例えば60〜100℃程度で数時間真空乾燥することにより、本発明の分離材に用いる金属錯体を得ることができる。結晶性の高い金属錯体は、純度が高くて吸着性能が優れている。結晶性を高めるには、酸または塩基を用いて適切なpHに調整すればよい。
本発明で用いる金属錯体は、溶媒分子が吸着した状態ではガス分子を吸着しない。そのため、分離材として用いる際には、予め得られた金属錯体について真空乾燥を行い、細孔内の溶媒分子を取り除くことが必要である。
<金属錯体の構造>
以上のようにして得られる金属錯体は、ジカルボン酸化合物のカルボキシレートイオン(図1中の濃いハッチングの棒に対応)と金属イオンとからなる二核の金属クラスター(図1中の球に対応)中の金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)(図1中の薄いハッチングの棒に対応)が配位して形成されるジャングルジム骨格が多重に相互貫入した三次元構造を有する。ジャングルジム骨格の模式図を図1に、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造の模式図を図2に示す。本発明では、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有する金属錯体が用いられる。
本発明の分離材に用いられる金属錯体は、金属イオン:ジカルボン酸化合物:有機配位子(I)=2モル:2モル:1モルの比率で通常構成されるが、本発明の効果が得られる限り前記比率からの逸脱は許容される。
本明細書において、「ジャングルジム骨格が多重に相互貫入した構造」とは、複数のジャングルジム骨格が互いの細孔を埋める形で貫入し合った三次元集積構造と定義する。
金属錯体が「ジャングルジム骨格が多重に相互貫入した構造を有する」ことは、例えば単結晶X線構造解析、粉末X線結晶構造解析などにより確認できる。
本発明の分離材に用いられる金属錯体の三次元構造は、合成後の結晶においても変化させることができる。金属錯体の三次元構造の変化に伴って、細孔の構造や大きさも変化する。この構造が変化する条件は、吸着される物質の種類、吸着圧力、吸着温度などに依存する。すなわち、細孔表面と吸着される物質の相互作用の差に加え(相互作用の強さは物質のLennard−Jonesポテンシャルの大きさに比例する)、吸着される物質により構造変化の程度が異なるため、本発明の分離材に用いられる金属錯体は高い選択性を示す。本発明では、ジカルボン酸化合物を用いて細孔表面とガス分子との相互作用の強さを制御し、一般式(I)で表される二座配位可能な有機配位子を用いて細孔径を制御することで、高いガス分離性能を発現させることができる。吸着された物質が脱着した後は、元の構造に戻るので、細孔の大きさも元に戻る。
前記の吸着メカニズムは推定ではあるが、例え前記メカニズムに従っていない場合でも、本発明で規定する要件を満足するのであれば、本発明の技術的範囲に包含される。
金属錯体は一般的に成形した分離材として使用される。金属錯体を含む分離材は、例えばビーズ、リング、ストランド、もしくはタブレットに成形した不規則充填物として、または規則構造体、例えば規則充填物、ハニカム体、もしくはモノリスとして使用することができる。あるいは、分離材として金属錯体を含む分離膜を使用することも可能である。
<1,3−ブタジエンの分離方法>
本発明の1,3−ブタジエンおよび1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素を含む混合ガスから、1,3−ブタジエンを分離する方法では、分離対象である1,3−ブタジエンを含む混合ガスを本発明の分離材と接触させ、1,3−ブタジエンを前記分離材に選択的に吸着させ、その後、前記分離材に吸着された1,3−ブタジエンを前記分離材から脱着させて、脱離してくる1,3−ブタジエンを捕集する。1,3−ブタジエンの脱着により分離材は再生する。
混合ガスに含まれる1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素は特に限定されないが、沸点が1,3−ブタジエンと近いため従来の分離材では分離が困難な、イソブテン、1−ブテン、2−ブテンなどのブテン、ノルマルブタン、イソブタンなどのブタンなどの炭素数4の炭化水素を他のガスとして含む混合ガスから1,3−ブタジエンを分離する際に、本発明の分離材は特に有効である。
混合ガスと分離材の接触は目的の1,3−ブタジエンのみが有効に分離材に吸着される温度、圧力条件を選択することが望ましい。
分離方法は、1,3−ブタジエンが分離材に吸着できる条件で、混合ガスと本発明の分離材とを接触させる吸着工程を含む。1,3−ブタジエンが分離材に吸着できる条件である吸着圧力および吸着温度は、装置の設計、製品ガスに要求される純度などに応じて適宜設定することができる。例えば、吸着工程において導入される混合ガス中の1,3−ブタジエン分圧は10〜990kPaが好ましく、100〜300kPaがより好ましい。また、吸着温度は0〜150℃が好ましく、25〜100℃がより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法とすることができる。
分離方法が圧力スイング吸着法である場合は、1,3−ブタジエンを含む混合ガスを分離材と接触させ、目的の1,3−ブタジエンのみを分離材に選択的に吸着させた(吸着工程)後、圧力を、吸着圧力から吸着した1,3−ブタジエンを分離材から脱着させることができる圧力まで減圧する工程(再生工程)を含む。脱着圧力は、装置の設計、製造効率などに応じて適宜設定することができる。例えば、吸着圧力は10〜100kPaが好ましく、15〜25kPaがより好ましい。また、脱着圧力は0.005〜5kPaが好ましく、0.005〜2kPaがより好ましい。
圧力スイング吸着法について図3を参照して具体的に説明する。吸着塔AC1およびAC2には本発明の分離材が充填されている。1,3−ブタジエン、ブテン、ブタンなどを含む混合ガス(M)は、混合ガス貯槽MSからコンプレッサーで0.3MPa程度まで加圧されてバルブV1(「V1」と略す。以下同様。)を通り分離材が充填されている吸着塔AC1に供給される。図5からわかるように1,3−ブタジエン分圧が0kPaを越えると吸着塔AC1内では1,3−ブタジエンが選択的に分離材に吸着される(吸着工程)。一方ブタン類は吸着されず、またブテン類もその分圧が25kPa以下であれば吸着されず、吸着塔AC1から排出される。結果的にブタン、ブテン類が濃縮されたガス(B)は、V7を通り、製品貯槽PS2に送られる。次に吸着塔AC1は、V1、V5、V6およびV7が閉の状態、V2が開の状態で真空ポンプP1により吸気される。圧力が下がると吸着塔AC1の分離材に吸着された1,3−ブタジエンを主成分とするガス(BD)が脱着し、製品貯槽PS1に送られる(脱着工程)。同様にして吸着塔AC2についても吸着工程を完了させる。吸着塔AC1の脱着工程を所定時間実施した後、V1、V2、V3、V4、V7およびV8を閉、V5およびV6を開にして、吸着塔AC1と吸着塔AC2の圧力差を利用して吸着塔AC2内の残留混合ガスを吸着塔AC1へ回収する(均圧工程)。均圧工程を行うことで純度を落とすことなく、効率よく各製品ガスを得ることができる。次いで、吸着塔AC2は、V2、V3、V5、V6およびV8が閉の状態、V4が開の状態で真空ポンプP1により吸気され、このとき吸着された1,3−ブタジエンを主成分とするガス(BD)が脱着し、製品貯槽PS1に送られる。吸着塔AC1にはV2、V3、V5、V6およびV8が閉の状態、V1、V7が開の状態で1,3−ブタジエンを含む混合ガス(M)が供給され、再び吸着工程が実施される。吸着塔AC1と吸着塔AC2において、吸着および脱着の操作は、タイマーなどにより適宜設定されたサイクルで交互に繰り返し行われ、各製品ガスは連続的に製造される。
分離方法が温度スイング吸着法である場合は、1,3−ブタジエンを含む混合ガスを分離材と接触させ、目的の1,3−ブタジエンのみを分離材に選択的に吸着させた(吸着工程)後、温度を、吸着温度から吸着した1,3−ブタジエンを分離材から脱着させることができる温度まで昇温する工程(再生工程)を含む。脱着温度は、装置の設計、製造効率などに応じて適宜設定することができる。例えば、脱着温度は25〜200℃が好ましく、30〜110℃がより好ましい。
分離方法が圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法である場合、混合ガスと分離材とを接触させる工程(吸着工程)と、1,3−ブタジエンを分離材から脱着させることができる圧力または温度まで変化させる工程(再生工程)を、適宜繰り返すことができる。
上記以外の分離方法として膜分離も挙げられる。分離膜は金属錯体を多孔質支持体の表層部に例えば結晶成長により付着させることで得ることができる。多孔質支持体の材質としては、例えばアルミナ、シリカ、ムライト、コージェライトなどのシリカまたはアルミナとその他の成分よりなる組成物、多孔質の焼結金属、多孔質ガラスなどを好適に用いることができる。また、ジルコニア、マグネシアなどの他の酸化物もしくは炭化珪素、窒化珪素などの炭化物もしくは窒化物などのセラミックス類、石膏、セメントなど、またはそれらの混合物を用いることができる。多孔質支持体の気孔率は、通常30〜80%程度であり、好ましくは35〜70%、もっとも好ましくは40〜60%である。気孔率が小さすぎる場合にはガスなどの流体の透過性が低下するので好ましくなく、大きすぎる場合には、支持体の強度が低下して好ましくない。また、多孔質支持体の細孔径は、通常10〜10,000nm、好ましくは100〜10,000nmである。金属錯体を多孔質支持体の表層部に結晶成長させて得られる分離膜は、金属錯体の原料を含む溶液中に多孔質支持体を含浸させ、必要に応じて加熱することによって得られる。
また、分離膜は本発明の金属錯体を高分子材料と混練して高分子材料中に分散し、フィルム状に成形することによっても得ることができる。高分子材料としてはポリ酢酸ビニル、ポリイミド、ポリジメチルシロキサンなどのガス分離膜用高分子材料が挙げられる。
膜分離では目的の1,3−ブタジエンを含む混合ガスを分離膜に接触させた場合、混合ガス中の各ガスの透過率Pは各ガスの膜への溶解度Sと膜中での拡散係数Dの積で表される。透過率Pが高いガスほど選択的に膜を透過するため、このようなガスを混合ガスから分離回収することができる。よって、1,3−ブタジエンの選択性が高い、本発明の金属錯体を膜化することにより、1,3−ブタジエンを選択的に透過させる膜を得ることができる。例えば、気体不透過性の外管と分離膜からなる内管とを備えた二重管の内管へ混合ガスを通気すると、1,3−ブタジエンが選択的に内管を透過し、外管と内管の間に濃縮されるのでこのガスを捕集することで目的の1,3−ブタジエンを分離することが可能となる。
分離する混合ガス中の1,3−ブタジエンの割合は様々な値を取ることができるが、この割合は混合ガスの供給源に大きく依存する。1,3−ブタジエンの他に、混合ガスは少なくともイソブテン、1−ブテン、2−ブテンなどのブテン、ノルマルブタン、イソブタンなどのブタンなどの炭化水素を含み、さらに他の炭化水素を含んでもよい。混合ガスは好ましくは、混合ガス中にある1,3−ブタジエンと他の炭化水素(複数種であってもよい)の体積割合の合計に対して、1,3−ブタジエンを10〜99体積%含む。より好ましくは、1,3−ブタジエンの割合が20〜60体積%である。
本発明の分離材はナフサ分解によって得られる炭素数4の留分(C4留分)の分離に適用可能である。例えば、1,3−ブタジエンを40体積%程度含む混合ガスを175kPa以上に加圧した後、本発明の分離材を充填した吸着塔に1〜10分間流通させる。その後、均圧の工程を経た後、真空ポンプで20kPa以下に減圧し、分離材に吸着された1,3−ブタジエンを回収することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例および比較例における分析および評価は次のようにして行った。
(1)吸脱着等温線の測定
高圧ガス吸着装置を用いて容量法で測定を行った。このとき、測定に先立って試料を150℃、50Paで6時間乾燥し、吸着水などを除去した。分析条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:日本ベル株式会社製BELSORP−18HT
平衡待ち時間:500秒
(2)粉末X線回折パターンの測定
株式会社リガク製のX線回折装置:マルチフレックスを用いて、回折角(2θ)=3〜50°の範囲を走査速度3°/分で走査し、対称反射法で測定した。単結晶構造からのXRPD回折パターンへの変換には、The Cambridge Crystallographic Data Centre製Mercury(ver2.3)を用いた。
<合成例1>
[Zn(fm)(bpy)]の合成:金属錯体1
2000mLナスフラスコに硝酸亜鉛六水和物299g(1.00mol)、フマル酸116g(1.00mol)、4、4’−ビピリジル78.4g(0.50mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1000mLを加え、溶液を得た。当該溶液を120℃で6時間加熱攪拌した。室温まで冷却した後、析出した金属錯体を吸引濾過し、DMFおよびメタノールで洗浄し、80℃で6時間真空乾燥した。目的の金属錯体230g(収率:85%)を得た。ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造をとると仮定した単結晶構造から予測される粉末X線回折パターンと、得られた金属錯体の粉末X線回折パターンとの比較を図4に示す。図4より、得られた固体が非特許文献3に記載されているジャングルジム骨格が二重に相互貫入した三次元構造を有する金属錯体であることがわかる。
<比較合成例1>
[Zn(fm)(bpe)]の合成:比較金属錯体1
50mL遊星ボールミル容器に酸化亜鉛1.6g(20mmol)、フマル酸2.3g(20mmol)、1,2−ジ(4−ピリジル)エチレン1.8g(10mmol)、DMF2mLを加えた。得られた溶液を600rpmで30分間攪拌した。析出した固体を吸引濾過し、DMFおよびメタノールで洗浄し、80℃で真空乾燥した。目的の比較金属錯体1を4.6g(収率:72%)得た。
<実施例1>
合成例1で得た金属錯体1について、25℃における1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンの吸脱着等温線を測定した。結果を図5に示す。
<比較例1>
代表的な吸着材として、NaY型ゼオライト(HS−320、和光純薬工業株式会社製)について、25℃における1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンの吸脱着等温線を測定した。結果を図6に示す。
<比較例2>
代表的な相互貫入したジャングルジム骨格を有する金属錯体の吸着材として、比較合成例1の比較金属錯体1について、25℃における1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンの吸脱着等温線を測定した。結果を図7に示す。
図5によると金属錯体1は0〜約30kPaの圧力範囲において1,3−ブタジエンを選択的に吸着することがわかる。したがって、1,3−ブタジエン、1−ブテンおよびノルマルブタンからなる混合ガスを1−ブテン分圧が25kPa以下に保たれるように供給して金属錯体1と接触させると1,3−ブタジエンのみが吸着され、濃縮される。次に混合ガスの供給を止め、圧力を下げると1,3−ブタジエンが脱着するので1,3−ブタジエンが濃縮されたガスを得ることができる。一方、図6および図7では0〜110kPaの圧力範囲において1,3−ブタジエンの選択的吸着性が低い。すなわち、1,3−ブタジエン以外に1−ブテンおよびノルマルブタンも吸着されてしまい、1,3−ブタジエンのみを十分に濃縮することができない。
MS 混合ガス貯槽
PS1、PS2 製品貯槽
AC1、AC2 吸着塔
P1 真空ポンプ
V1〜V8 バルブ
M 混合ガス
B ブタン、ブテン類が濃縮されたガス
BD 1,3−ブタジエンを主成分とするガス

Claims (11)

  1. 1,3−ブタジエンおよび1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素を含む混合ガスを分離材と接触させ、1,3−ブタジエンを前記分離材に選択的に吸着させる吸着工程と、前記分離材に吸着された1,3−ブタジエンを前記分離材から脱着させて、脱離してくる1,3−ブタジエンを捕集する再生工程とを含む、前記混合ガスから1,3−ブタジエンを分離する方法において、
    前記分離材が、炭素数4のジカルボン酸化合物であるフマル酸またはコハク酸、ニッケル、銅および亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の金属のイオンと、下記一般式(I):
    (式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子またはメチル基である。)で表される前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)とからなり、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有する金属錯体を含む1,3−ブタジエンの分離方法。
  2. 前記ジカルボン酸化合物がフマル酸である請求項1に記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
  3. 一般式(I)で示される有機配位子(I)が、R、R、R、R、R、R、RおよびRのすべてが水素原子である4,4’−ビピリジルである請求項1または2のいずれかに記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
  4. 前記金属のイオンが亜鉛イオンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
  5. 前記ジカルボン酸化合物がフマル酸であり、一般式(I)で示される有機配位子(I)が、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R およびR のすべてが水素原子である4,4’−ビピリジルであり、前記金属のイオンが亜鉛イオンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
  6. 前記分離方法が圧力スイング吸着法である請求項1〜のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
  7. 前記分離方法が温度スイング吸着法である請求項1〜のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエンの分離方法。
  8. 炭素数4のジカルボン酸化合物であるフマル酸またはコハク酸、ニッケル、銅および亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の金属のイオンと、下記一般式(I):
    (式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子またはメチル基である。)で表される前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子(I)とからなり、ジャングルジム骨格が二重に相互貫入した構造を有する金属錯体を含む1,3−ブタジエン分離材を有する1,3−ブタジエン分離膜。
  9. 多孔質支持体をさらに含み、前記1,3−ブタジエン分離材が前記多孔質支持体の表層部に付着している請求項に記載の1,3−ブタジエン分離膜。
  10. 高分子材料をさらに含み、前記1,3−ブタジエン分離材が前記高分子材料中に分散している請求項に記載の1,3−ブタジエン分離膜。
  11. 1,3−ブタジエンおよび1,3−ブタジエン以外の炭素数4の炭化水素を含む混合ガスを分離膜に接触させ、前記分離膜を通して1,3−ブタジエンを選択的に透過させることを含む、前記混合ガスよりも1,3−ブタジエン濃度が高いガスを得る1,3−ブタジエンの分離方法において、前記分離膜が請求項10のいずれか一項に記載の1,3−ブタジエン分離膜であることを特徴とする1,3−ブタジエンの分離方法。
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