JP2014148482A - 金属錯体を用いたエチレンの分離方法 - Google Patents

金属錯体を用いたエチレンの分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたエチレンの分離方法の提供。
【解決手段】式(I):

で表される有機配位子Lと、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属Mのイオンとからなる金属錯体であって、その組成が[M(L)]である金属錯体を吸着材として用いて、少なくともエタンおよびエチレンを含む混合ガスからエタンを除去し、高純度のエチレンを工業的に得る方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属錯体を吸着材として使用し、少なくともエチレンとエタンを含む混合ガスからエチレンを工業的に得るための方法に関する。
エチレンは、塩化ビニル、アセトアルデヒド、スチレン、ポリエチレンなどの各種合成化学工業品の出発物質として重要な化学物質である。エチレンは、一般にナフサ分解またはエタンの脱水素によって製造されるが、その生成物中にはエチレンの他にエタンが含まれることが多い。したがって、エチレンおよびエタンを含む混合ガス中から、エチレンを選択的に分離回収することが必要となる。
分離のための方法の1つは蒸留であるが、エタンとエチレンの沸点が近く、かつ、エチレンの精製要求が高いため、分離の際には気液平衡の状態になるよう冷却するか、加圧する必要があり、相応のコストがかかる。
エチレンを分離および獲得するための蒸留に勝る方法の1つは、吸着である。エチレンおよびエタンを含む混合ガス中からエチレンを工業的に得るための古典的な吸着剤は、ゼオライトである。しかしながら、ゼオライトを用いたエチレン精製は、エチレンを混合ガス流から吸着し、回収する方法であるため、エチレン濃度が高い場合には、蒸留法に比べてエネルギー的に不利となる。
よって、エチレンではなくエタンを選択的に吸着し、エチレンを濃縮する吸着材が求められている。
特許文献1には、[Zn(Meim)](Meim=2−メチルイミダゾレート)および[Zn(Etim)](Etim=2−エチルイミダゾレート)の構造および製造法について開示されている。また、特許文献2には、プロパン吸着によるプロピレン精製についても検討がなされている。しかしながら、これらの文献ではエチレン精製について何ら言及されていない。プロパンおよびプロピレンに比べ、エチレンおよびエタンは分子量が小さく、必然的に吸着材との相互作用も弱い。そのため、相互作用の差を利用して分離する場合、プロピレン/プロパン分離と比べてエチレン/エタン分離は技術的により困難である。また、オレフィンとパラフィンの体積割合の合計に対するパラフィン濃度が50%より低濃度の場合について検討がなされていない。
類似の技術として、非特許文献1および非特許文献2には、[Zn(bim)](bim=ベンズイミダゾレート)を用いたエタン精製およびプロパン精製が開示されている。しかしながら、これらの文献に記載の方法ではガス吸着量が少ないため、破過に達する時間が短く、精製のために多量の分離材が必要である。
特表2009−528251号公報 特表2011−528687号公報
Canan Gucuyener, Johan van den Bergh, Jorge Gascon, and Freek Kapteijn、Journal of American Chemical Society、第132巻、17704〜17706頁(2010年) Johan van den Bergh, Canan Gucuyener, Evgeny A. Pidko, Emiel J. M. Hensen, Jorge Gascon, and Freek Kapteijn、Chemistry A European Journal、第17巻、8832〜8840頁(2011年)
本発明の目的は、従来よりも優れたエチレンの分離方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討し、2〜13族に属する金属から選択される少なくとも1種の金属のイオンと、前記金属イオンに二座配位可能な有機配位子Lとからなる金属錯体を吸着材として用いることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、以下のものが提供される。
[1]エタンおよびエチレンを含む混合ガスを吸着材に接触させ、エタンを前記吸着材に吸着させることを含む、前記混合ガスよりもエチレン濃度が高いガスを得るエチレンの分離方法において、下記一般式(I):
(式中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基または炭素数2〜8のジアルキルアミノ基のいずれかを示す。)で表される有機配位子Lと、
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属Mのイオンと
からなる金属錯体であって、その組成が[M(L)]である金属錯体を吸着材として用いることを特徴とするエチレンの分離方法。
[2]前記混合ガスが、エチレンおよびエタンの体積割合の合計に対して、エタンを0.1〜50体積%含むことを特徴とする[1]に記載の分離方法。
[3]前記金属Mが、亜鉛またはコバルトである[1]または[2]のいずれかに記載の分離方法。
[4]一般式(I)におけるR、RおよびRが、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である[1]〜[3]のいずれかに記載の分離方法。
[5]前記有機配位子Lが、一般式(I)においてRがメチル基であり、RおよびRが水素原子である2−メチルイミダゾレートまたは一般式(I)においてRがエチル基であり、RおよびRが水素原子である2−エチルイミダゾレートである、[1]〜[4]のいずれかに記載の分離方法。
[6]前記分離方法が圧力スイング吸着法である[1]〜[5]のいずれかに記載の分離方法。
[7]前記分離方法が温度スイング吸着法である[1]〜[5]のいずれかに記載の分離方法。
本発明により、エタンおよびエチレンを含む混合ガスから従来よりも高効率でエチレンを精製することができる。
2価の亜鉛カチオンおよび2−メチルイミダゾレートからなる金属錯体の構造模式図である。 実施例1のエチレン分離の結果である。 実施例2のエチレン分離の結果である。 実施例3のエチレン分離の結果である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
本発明の吸着材として使用される金属錯体は、下記一般式(I):
(式中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基または炭素数2〜8のジアルキルアミノ基のいずれかを示す。)で表される有機配位子Lと、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属Mのイオンとからなる。本発明で使用される金属錯体は、金属Mのイオン:有機配位子L=1モル:2モルの比率、すなわち組成式[M(L)]を有するが、本発明の効果が得られる限り前記比率からの逸脱は許容される。
図1に、本発明で使用される金属錯体の好ましい例として、2価の亜鉛カチオンと、2−メチルイミダゾレートとからなる金属錯体[Zn(Meim)]の構造模式図を示す。図1に示す構造は、特許文献1において「ZIF−8 sod」と呼ばれるゼオライト骨格を有する。
本発明の分離方法では、一般的な金属錯体およびゼオライトなどを用いる通常の吸着法とは異なり、イミダゾレートを配位子として用いる金属錯体がエタンを優先的に吸着するため、少なくともエチレンおよびエタンを含む混合ガス流が、本開示の金属錯体を含む吸着材との接触後にエチレンについて富化される。本発明の利点は、目的生成物がガス流中に留まるため、引き続いて脱着操作を行う必要がないことである。脱着操作は通常、減圧または加熱を必要とする。そのため、通常の吸着法では、目的生成物を回収するために分離材を減圧下におくと、分離材に濃縮された目的生成物が減圧雰囲気中に放出されるため、減圧を保つために大量のエネルギーを消費する。その上、圧力交換原理および/または温度交換原理を利用する分離では、脱着相中にある目的生成物を高純度で単離することが困難である。なぜなら、分離されていない目的生成物以外の成分の体積割合が目的生成物中に混入することを完全に避けることはできないからである。
混合ガス中のエチレン割合は様々な値を取ることができる。この割合は、混合ガスの供給源に大きく依存する。特にエタンの分離が問題となるため、混合ガス中に含まれているエタンおよびエチレンの体積割合の合計に対するエタンの割合が重要である。混合ガス中の他の成分の分離は場合により予備貯蔵工程で行うことができ、あるいは金属錯体材料の代わりに他の分離材によって行うこともできる。混合ガス中の他の成分の分離に他の方法、例えば蒸留を使用することもできる。
本発明の対象とする混合ガスは少なくともエタンおよびエチレンを含む。混合ガスに他の炭化水素ガスが含まれていてもよい。
分離する混合ガス中のエチレンおよびエタンの割合は様々な値を取ることができるが、この割合は混合ガスの供給源に大きく依存する。混合ガスは好ましくは、混合ガス中にあるエチレンおよびエタンの体積割合の合計に対して、エタンを0.01〜90体積%含む。より好ましくは、エタンの割合が0.1〜50体積%であり、さらに好ましくは1〜20体積%である。
好ましい実施態様において混合ガスはエチレン製造設備からの生成物流である。このような生成物流は、エチレンに加えて典型的にはアルカン、特にエタン、およびエチレン以外のアルケン、ならびに他の気体状成分を含む。前記気体状成分のうち精製により容易に除去可能な成分の例は、気体状の水、二酸化炭素、アセチレンおよびアレンである。気体状の水は慣用の乾燥剤の使用によって、または濃縮および冷却時の凝縮によって適切に除去することができる。二酸化炭素はガス洗浄によって除去可能である。アセチレンおよびアレンは、分離前に選択的に水素化することによって分離可能なエチレンなどに変換することが可能である。
本発明に用いられる金属Mのイオンに二座配位可能な有機配位子Lは、下記一般式(I):
(式中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基または炭素数2〜8のジアルキルアミノ基のいずれかを示す。)で表される。R、RおよびRが、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの直鎖または分岐を有するアルキル基が挙げられる。
該アルキル基等が有していてもよい置換基の例としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基など)、アミノ基、モノアルキルアミノ基(メチルアミノ基など)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基など)、ホルミル基、エポキシ基、アシロキシ基(アセトキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基など)、カルボン酸無水物基(−CO−O−CO−R基)(Rは炭素数1〜4のアルキル基である)などが挙げられる。アルキル基が置換基を有する場合、置換基の数は、1〜3個が好ましく、1個がより好ましい。
炭素数2〜4のアルケニル基としてはビニル基、アリル基、1−プロペニル基、ブテニル基が挙げられる。
炭素数1〜4のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。
有機配位子Lとしては、一般式(I)においてRがメチル基であり、RおよびRが水素原子である2−メチルイミダゾレート、またはRがエチル基であり、RおよびRが水素原子である2−エチルイミダゾレートが好ましく、2−メチルイミダゾレートがより好ましい。
本発明に用いられる金属錯体を構成する金属Mのイオンはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属のイオンである。これらの中でもガス吸着性能の面から亜鉛イオンおよびコバルトイオンが好ましく、亜鉛イオンがより好ましい。
本発明に使用される金属錯体を製造する際には前記金属Mの塩を用いることができる。金属塩は単一の金属塩を使用することが好ましいが、2種以上の金属塩を混合して用いてもよい。これらの金属塩としては、酢酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩などの無機酸塩を使用することができる。
本発明に使用される金属錯体は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属Mの塩と、該金属Mのイオンに二座配位可能な有機配位子Lとを、常圧下、溶媒中で数時間から数日間反応させ、結晶を析出させて製造することができる。例えば、前記金属塩の水溶液または有機溶媒溶液と、二座配位可能な有機配位子Lを含有する有機溶媒溶液とを、常圧下で混合して反応させることにより本発明で使用する金属錯体を得ることができる。
金属錯体を製造するときの金属塩と二座配位可能な有機配位子Lの混合比率は、金属塩:二座配位可能な有機配位子L=2:1〜1:4のモル比の範囲内が好ましく、1:1〜1:3のモル比の範囲内がより好ましい。これ以外の範囲では目的とする金属錯体の収率が低下し、また、未反応の原料が残留して得られた金属錯体の精製が困難になることがある。
金属錯体を製造するための溶液における金属塩のモル濃度は、0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.01〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では未反応の金属塩が残留し、得られた金属錯体の精製が困難になることがある。
金属錯体を製造するための溶液における二座配位可能な有機配位子Lのモル濃度は、0.001〜5.0mol/Lが好ましく、0.005〜2.0mol/Lがより好ましい。これより低い濃度で反応を行っても目的とする金属錯体は得られるが、収率が低下するため好ましくない。また、これより高い濃度では溶解性が低下し、反応が円滑に進行しないことがある。
金属錯体の製造に用いる溶媒としては、有機溶媒、水またはそれらの混合溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水またはこれらの混合溶媒を使用することができる。用いる有機溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒が好ましく、なかでも、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
反応が終了したことはガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィーにより原料の残存量を定量することにより確認することができる。反応終了後、得られた混合液を吸引濾過に付して沈殿物を集め、有機溶媒による洗浄後、例えば60〜100℃程度で数時間真空乾燥することにより、本発明に用いる金属錯体を得ることができる。結晶性の高い金属錯体は、純度が高くて吸着性能が優れている。結晶性を高めるには、酸または塩基を用いて適切なpHに調整すればよい。
金属錯体は一般的に成形材料として使用し、例えばビーズ、リング、ストランド、もしくはタブレットに成形した不規則充填物として、または規則構造体、例えば規則充填物、ハニカム体、もしくはモノリスとして使用される。
分離方法は、エチレン以外のガスが上記金属錯体に吸着できる条件で混合ガスと金属錯体とを接触させる工程を含む。エチレン以外のガスが金属錯体に吸着できる条件である吸着圧力および吸着温度は、吸着される物質の種類、装置の設計、製品ガスに要求される純度などに応じて適宜設定することができる。例えば、吸着圧力は0.01〜10MPaが好ましく、0.05〜0.99MPaがより好ましい。また、吸着温度は−10〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法とすることができる。分離方法が圧力スイング吸着法である場合は、分離方法はさらに、圧力を、吸着圧力から吸着したガスを金属錯体から脱着させることができる圧力まで減圧する工程(再生工程)を含む。脱着圧力は、吸着される物質の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、脱着圧力は0.005〜0.19MPaが好ましく、0.01〜0.1MPaがより好ましい。分離方法が温度スイング吸着法である場合は、分離方法はさらに、温度を、吸着温度から吸着したガスを金属錯体から脱着させることができる温度まで昇温する工程(再生工程)を含む。脱着温度は、吸着される物質の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、脱着温度は10〜200℃が好ましく、20〜150℃がより好ましい。
分離方法は、圧力スイング吸着法または温度スイング吸着法である場合、混合ガスと金属錯体とを接触させてエチレンを優先的にガス流の中に取り出す工程(分離工程)と、吸着したガスを金属錯体から脱着させることができる圧力または温度まで変化させる工程(再生工程)を、適宜繰り返すことができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>エチレン/エタン混合ガスからのエチレン分離
吸着管(内径1.0cm×長さ20cm)に、2価の亜鉛カチオンと2−メチルイミダゾレートとの金属錯体[Zn(Meim)]:Basolite(登録商標) Z1200(アルドリッチ社製)5.1gを吸着材として充填した。その後、吸着材の活性化のため、試験前に充填物を150℃で加熱し、真空引きを行った。室温まで冷却した後、純粋なHeガスを用いて0.65MPaGの圧力を作り出し、この条件下で、エチレン80体積%とエタン20体積%との混合ガスを吸着管に流入させた。吸着管出口のガス流の組成を、ガスクロマトグラフィーによりモニタリングした。吸着管出口ガスについての各ガス種の流量(mL/分)と時間t(分)との関係を図2に示す。まず、2つの成分は吸着材に吸着され、両成分は検出されなくなる。少し時間が経った後、最初にエチレン(黒塗り三角)が吸着管出口に現れるが、エタン(黒塗り四角)はさらに数分間吸着され続ける。その後エタンも吸着管出口で検出されるようになり、吸着材が破過する。このことから[Zn(Meim)]を吸着材として用いることにより、エチレンおよびエタンの混合ガスのエチレン濃度を上げることが可能であることがわかる。
<実施例2>エチレン/エタン混合ガスからのエチレン分離
エチレン95体積%とエタン5体積%の混合ガスを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を図3に示す。実施例2より、エタン濃度5%においても、[Zn(Meim)]を用いることにより、エチレン濃度を上げることが可能であることがわかる。
<実施例3>エチレン/エタン混合ガスからのエチレン分離
酸化亜鉛(0.82g,10mmol,1eq.)をアンモニア水(170mL)に溶解させた後、2−エチルイミダゾール(1.9g,20mmol,1eq.)のメタノール(190mL)及びベンゼン(10mL)溶液を撹拌しながら加えた。3時間撹拌したのち、桐山ロートを用いて得られた白色固体をろ過し、HO、MeOHで洗浄して、2価の亜鉛カチオンと2−エチルイミダゾレートとの金属錯体[Zn(Etim)]1.3g(収率:49%)を得た。
吸着管(内径1.0cm×長さ20cm)に前記の方法にて得られた錯体[Zn(Etim)]4.2gを吸着材として充填した。その後、吸着材の活性化のため、試験前に充填物を150℃で加熱し、真空引きを行った。室温まで冷却した後、純粋なHeガスを用いて0.65MPaGの圧力を作り出し、この条件下で、エチレン80体積%とエタン20体積%との混合ガスを吸着管に流入させた。吸着管出口のガス流の組成を、ガスクロマトグラフィーによりモニタリングした。吸着管出口ガスについての各ガス種の流量(mL/分)と時間t(分)との関係を図3に示す。まず、2つの成分は吸着材に吸着され、両成分は検出されなくなる。少し時間が経った後、最初にエチレン(黒塗り三角)が吸着管出口に現れるが、エタン(黒塗り四角)はさらに数分間吸着され続ける。その後エタンも吸着管出口で検出されるようになり、吸着材が破過する。このことから[Zn(Etim)]を吸着材として用いることにより、エチレンおよびエタンの混合ガスのエチレン濃度を上げることが可能であることがわかる。

Claims (7)

  1. エタンおよびエチレンを含む混合ガスを吸着材に接触させ、エタンを前記吸着材に吸着させることを含む、前記混合ガスよりもエチレン濃度が高いガスを得るエチレンの分離方法において、下記一般式(I):
    (式中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なっていてもよい、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜4のモノアルキルアミノ基または炭素数2〜8のジアルキルアミノ基のいずれかを示す。)で表される有機配位子Lと、
    ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、亜鉛、カドミウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属Mのイオンと
    からなる金属錯体であって、その組成が[M(L)]である金属錯体を吸着材として用いることを特徴とするエチレンの分離方法。
  2. 前記混合ガスが、エチレンおよびエタンの体積割合の合計に対して、エタンを0.1〜50体積%含むことを特徴とする請求項1に記載の分離方法。
  3. 前記金属Mが、亜鉛またはコバルトである請求項1または2のいずれかに記載の分離方法。
  4. 一般式(I)におけるR、RおよびRが、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離方法。
  5. 前記有機配位子Lが、一般式(I)においてRがメチル基であり、RおよびRが水素原子である2−メチルイミダゾレートまたは一般式(I)においてRがエチル基であり、RおよびRが水素原子である2−エチルイミダゾレートである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離方法。
  6. 前記分離方法が圧力スイング吸着法である請求項1〜5のいずれか一項に記載の分離方法。
  7. 前記分離方法が温度スイング吸着法である請求項1〜5のいずれか一項に記載の分離方法。
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