(第1実施例)
(1)演出発展を示唆する図柄変動演出
本実施例では、当否抽選の結果を示唆するための演出として、演出図柄の停止表示を契機に発展する互いに系統の異なる演出であって、その系統ごとに期待度が異なる複数の発展演出が含まれる。演出図柄は複数列の図柄の組合せにて構成され、その停止図柄組合せにより当否抽選の結果が遊技者に有利となる期待度が示唆される。演出図柄は、複数の図柄列のそれぞれに巡回表示される複数の停止図柄候補を含む。この停止図柄候補は、複数の発展演出のいずれかの系統に対応することを示し、同系統の図柄組合せが停止表示されることを契機に演出がその同系統の発展演出が表示される。具体的には、演出図柄の決定に先立って決定される特別図柄の変動パターンが予め定める発展演出許容条件を満たしている場合に、いずれかの発展演出の表示が決定される。そして、決定された発展演出と同系統の停止図柄候補にて停止図柄組合せが揃うように演出図柄の各列の停止図柄が決定され、各列がその決定された停止図柄にて停止表示されるまでの演出図柄の変動表示過程が決定される。
このような構成によれば、まず発展演出が決定され、その発展演出と同系統の停止図柄組合せが表示されるよう演出図柄が決定され、その停止図柄組合せが停止表示されるまでの変動表示過程が決定される。すなわち、従来の演出決定方式では当否抽選の結果に基づき、図柄と発展演出とが個別の抽選により決定されていたところ、本実施例では当否抽選の結果に基づいて先に発展演出を決定し、その後、その発展演出と系統が一致するよう演出図柄の停止図柄を決定する。それにより、当否抽選の結果を示唆する発展演出の機能を担保するとともに、系統により演出発展を示唆する演出図柄の機能を確保することができる。すなわち、演出図柄による図柄変動演出と発展演出の内容との整合性を容易に担保することができ、正確な演出制御を実現することができる。
発展演出許容条件としては、複数の発展演出に共通の予め定められた変動パターンが決定されることをその条件としてもよい。そして、その条件が満たされた場合に、発展演出の表示を決定するようにしてもよい。すなわち、変動パターンに規定される変動時間が演出表示時間を規制するものであるため、仮に変動時間の短い変動パターンが選択されると、発展演出を完了できなくなる虞がある。この点、この構成では複数の発展演出について同尺の表示時間を設定することで、いずれの発展演出が決定されてもその表示を確保することができる。
(2)個別変動によるマルチリーチ演出1
本実施例では、演出表示装置の画面に設定される有効ライン上に複数の表示指定領域が設定され、各表示指定領域に図柄が個別に変動表示される図柄変動演出がなされる。この図柄変動演出では、同じ有効ライン上に表示される複数列の図柄の停止図柄組合せにより当否抽選の結果が示唆される。図柄の変動演出表示態様には、有効ライン上の複数列の図柄があと一つ揃えば有利な状態への移行、又は特別演出への発展を示す特定図柄組合せとなるリーチ態様が含まれる。そのリーチ態様には、画面に第1の有効ラインと第2の有効ラインが設定され、それらの有効ラインに係る位置に最終停止図柄を表示させる共通の表示指定領域が設定されることで実現されるマルチリーチ態様が含まれる。このマルチリーチ態様は、第1の有効ライン上に第1のリーチ態様が形成されるとともに、第2の有効ライン上に第2のリーチ態様が形成され、共通の表示指定領域にいずれかのリーチ態様を揃える図柄が停止表示可能となるリーチ態様である。このような構成において、マルチリーチ態様を表示させる場合には、第1のリーチ態様を形成する図柄候補と、第2のリーチ態様を形成する図柄候補とを、共通の表示指定領域に最後に停止する図柄列において互いに前後する図柄種類となるよう決定する。
ここで、「図柄が揃う」とは、数字図柄が揃うものでもよいが、例えば色が揃う、絵柄が特定のグループで揃うなど、予め属性が分類された系統が揃うものでもよい。「有利な状態」は、例えば出玉のある通常の大当りの発生であってもよい。「特別演出」は、例えば実質的に出玉のない大当り(いわゆる突然確変や突然時短と呼ばれる大当り)又は小当りの発生有無を示唆する発展演出であってもよい。「互いに前後する図柄種類」は、図柄列の配列において互いに隣接(連続)する図柄であってよい。「図柄種類」は、図柄列が数字図柄の配列であれば前後の数字でよいし、図柄列が異なる系統の配列であれば、前後の系統であってよい。
このような構成では、マルチリーチ態様の図柄変動制御が一般的にみられるいわゆるスクロール変動とは異なる形で実行される。すなわち、一般的な遊技機では左図柄列,中図柄列,右図柄列がそれぞれ共通の順序で整列された図柄候補を巡回表示させるため、例えばリーチ態様が2つ形成されるダブルリーチを表示させる場合、左図柄列および右図柄列は必然的に共通の前後の図柄候補にて停止表示される。このため、いずれのリーチ態様が揃うかを煽る図柄煽りを行う際にも、中図柄列において同じ前後の図柄候補にてそのまま最終停止図柄を煽れば足りる。しかしながら、本実施例のように、リーチ態様を形成する個々の図柄が独立して変動する構成においては、リーチ態様を形成する段階で図柄配列の順番に配慮した形で変動および停止を行わなければ、遊技者に違和感のない形で図柄煽りを行うことは難しい。
例えば、左側に2つの表示指定領域、右側に2つの表示指定領域、中央に共通の表示指定領域が設定される場合を想定する。その場合、左側の2つの表示指定領域の一方に表示される図柄候補と、右側の2つの表示指定領域の一方に表示される図柄候補とにより第1のリーチ態様を形成し、左側の2つの表示指定領域の他方に表示される図柄候補と、右側の2つの表示指定領域の他方に表示される図柄候補とにより第2のリーチ態様を形成する。このような構成において、リーチ態様を構成する2種類の図柄候補が、中央の表示指定領域の図柄列の配列において互いに離れている場合、一方の図柄候補の前後で図柄煽りを行った後、図柄列をある程度変位させ、他方の図柄候補の前後で図柄煽りを行うといった変則的な変動表示を行わなければならず、遊技者に違和感を与える可能性がある。
この点、本実施例では、マルチリーチ態様を表示させる決定がなされた段階で、第1のリーチ態様を形成する図柄候補と、第2のリーチ態様を形成する図柄候補とが、共通の表示指定領域に最後に停止する図柄列において互いに前後する図柄種類となるよう、左右の4つの表示指定領域に停止表示される図柄候補の表示を制御する。このため、リーチ態様を形成する個々の図柄が独立して変動する構成であっても最終停止図柄を前後の2つの図柄候補で煽ることができ、違和感のないリーチ演出を実現することができる。
本実施例では、決定された演出内容に基づいてマルチリーチ態様を表示させる場合、そのマルチリーチ態様を形成した後に、共通の表示指定領域に表示される図柄を少なくとも一巡変動表示させる。特に各図柄候補が数字図柄でない場合、図柄列における図柄候補の表示順序が認識しづらくなるところ、このように一巡変動させることで遊技者にその順序を把握させることができる。それにより、上述した図柄煽りを行っていることを遊技者に明確に認識させることができる。
なお、リーチ態様として、リーチ態様が1つ形成されるシングルリーチ態様についても選択対象となる場合、そのシングルリーチ態様が選択された際には、上述した処理を実行する必要はない。シングルリーチ態様においては、そのリーチ態様を形成しない図柄列については関連性をもたせる必要がないためである。このため、マルチリーチ態様およびシングルリーチ態様の双方を選択対象とする場合、マルチリーチ態様を表示させる場合にのみ、第1のリーチ態様を形成する図柄候補と、第2のリーチ態様を形成する図柄候補とを、共通の表示指定領域に最後に停止する図柄列において互いに前後する図柄種類となるよう決定するようにすればよい。
(3)潜伏確変示唆のための演出引継ぎ機能
本実施例では、演出の系統が異なる複数の演出状態が遊技状態に応じて切り替えられる。すなわち、第1の演出状態から特別遊技または特殊遊技へ移行されたことを契機にその遊技終了後に第1の演出状態から第2の演出状態に切り替えられ、その第2の演出状態において演出内容を同系統の範囲で変化させるよう演出内容が決定される。このような構成において、第2の演出状態に切り替えられてから所定条件を満たした場合には、その第2の演出状態を終了して第1の演出状態に切り替え、その第2の演出状態の終了時の演出内容を記憶する。そして、第1の演出状態から第2の演出状態に再度切り替える場合には、次回の第2の演出状態の開始時に確率変動状態であるか否かに応じて、前回の第2の演出状態の終了時の演出内容を引き継ぐよう演出内容を決定する確率を異ならせる。
ここで、「演出状態」は、その演出上の系統の違いが遊技者に認識可能であることを前提に複数設定される。いわゆる演出モードあるいは演出ステージと呼ばれるものであってもよい。当否抽選の結果が大当りとなった場合、その特別遊技後に確率変動状態へ移行される場合がある。一方、当否抽選の結果が特殊当りとなった場合には、通常状態から確率変動状態への状態移行はなされず、また確率変動状態から通常状態への状態移行もなされない。特別遊技も特殊遊技も大入賞口の開放を伴うため、各遊技後に確率変動状態となっているのか否かの判別がつき難い。第1の演出状態から第2の演出状態に再度切り替える場合には、次回の第2の演出状態の開始時に確率変動状態である場合に確率変動状態でない場合よりも高確率にて前回の第2の演出状態の終了時の演出内容を引き継ぐようにしてもよい。次回の第2の演出状態の開始時に確率変動状態である場合に前回の第2の演出状態の終了時の演出内容を引き継ぎ、次回の第2の演出状態の開始時に確率変動状態でない場合には、前回の第2の演出状態の終了時の演出内容を引き継がずに演出内容をリセットするようにしてもよい。
このような構成によれば、当初の通常状態おける第1の演出状態から第2の演出状態に切り替えられることをもっては確率変動状態であるか否かの把握は困難であるが、その第2の演出状態から一旦第1の演出状態に戻り、再度第2の演出状態へ切り替えられた際に前回の演出内容が引き継がれていれば、確率変動状態である可能性が高いか否かを推測できるようになる。すなわち、第2の演出状態から第1の演出状態へ一旦抜けてしまったとしても、その後に演出内容が引き継がれるか否かという観点で遊技者の興味を惹きつけておくことが可能となる。
具体的には、特別遊技として、大入賞口の開放が所定の開放基準時間以上なされる通常特別遊技と、大入賞口の開放が開放基準時間未満の時間だけなされ、確率変動状態への移行を伴いうる特定特別遊技とを設けてもよい。そして、特殊遊技として、大入賞口の開放が開放基準時間未満の時間だけなされ、確率変動状態への状態変化を伴わない遊技を設けてもよい。そして、第1の演出状態から特定特別遊技または特殊遊技へ移行されたことを契機にその遊技終了後に第1の演出状態から第2の演出状態に切り替えてもよい。
このような構成によれば、特定特別遊技と特殊遊技とが大入賞口の開放態様において短開放である点で近似し、それらの外観による識別が難しくなる。一方、特定特別遊技は確率変動状態への移行を伴いうるが、特殊遊技は確率変動状態への状態変化は伴わないため、その近似した大入賞口の開閉がなされたときに、いずれの遊技であったかにつき、遊技者の期待感を煽ることができる。このため、上述のように演出内容が引き継がれるか否かにつき、遊技者の関心を高めることができる。
その場合、第1の演出状態または第2の演出状態から通常特別遊技へ移行されたことを契機に、その通常特別遊技の終了後に第3の演出状態に切り替えるようにしてもよい。すなわち、通常特別遊技については大入賞口の開放態様から特定特別遊技および特殊遊技との識別が容易であるため、その実行を契機に異なる演出状態へ移行させる。これにより、第1の演出状態と第2の演出状態との間で演出内容の引継ぎがあるか否かにより、特定特別遊技および特殊遊技のいずれであったか、さらに確率変動状態であるか否かを煽るという演出構成を遊技者に明確に示すことができる。
また、第2の演出状態に切り替えられてから予め定める終期に達したときには、その第2の演出状態を終了して第1の演出状態に切り替え、その切替時の第2の演出状態の終了時の演出内容を記憶する。そして、特定特別遊技が確率変動状態を伴うものである場合には、第2の演出状態から第1の演出状態に切り替える契機となる終期を設定しないようにしてもよい。ここで、「終期」は、図柄の変動回数により規定してもよい。
このような構成によれば、その終期を超えて第2の演出状態が継続する場合、遊技者は特定特別遊技により確率変動状態へ移行されていることを確定的に認識することができる。すなわち、特殊遊技を経て確率変動状態が維持されているときには、終期に達したときに一旦第1の演出状態に戻されるものの、次回の第2の演出状態にて演出内容の引継ぎがあるか否かにより確率変動状態であるか否かを推定できるようになる。一方、特定特別遊技により確率変動状態へ移行された場合には、その終期を経過しても第2の演出状態が維持されることで確率変動状態であることを認識できるようになる。
具体的には、第2の演出状態において遊技の進行に応じたポイント数を加算し、その累積ポイントが予め複数段階に設定された基準値に到達するごとに演出内容を一定の方向に変化させてもよい。例えば、第2の演出状態におけるリーチ演出の発生回数に応じてポイント数を加算してもよいし、第2の演出状態における図柄変動回数に応じてポイント数を加算してもよい。このようにしてポイント数が累積されると、基準値に到達するごとに演出内容が段階的に変化するようになり、遊技者がその演出変化を明確に認識することができる。このため、遊技者は、その演出変化の結果が次回の第2の演出状態にて引き継がれているか否かを容易に判別できるようになる。
(4)演出状態に依存する図柄期待度変化
本実施例では、複数列のそれぞれにおいて巡回表示される複数の図柄候補の表示対象として、複数の演出状態のいずれかの系統に対応することを示すとともに、同系統の図柄組合せにて停止表示されることが当否抽選の結果が遊技者に有利となる期待度が高いことを示唆する複数種の停止図柄候補が設けられる。このような構成において、当否抽選が遊技者に有利となる結果とはならず、かつリーチ演出の表示が決定された場合には、リーチ態様を形成する停止図柄候補として、現在の演出状態の系統に対応しない図柄候補を対応する図柄候補よりも高確率にて選択する。
このような構成によれば、リーチ態様を形成する図柄候補の系統が現在の演出状態の系統に対応しない場合に、当否抽選が遊技者に有利となる結果とならなかったことを推測できるようになる。つまり、遊技者は、現在の演出状態の系統に対応しない図柄候補を期待度の低い図柄(「低期待度図柄」ともいう)として認識するようになる。逆に、現在の演出状態の系統に対応する図柄候補を期待度の高い図柄(「高期待度図柄」ともいう)として間接的に認識することもできる。言い換えれば、その低期待度図柄が現在の演出状態の系統に応じて変化することとなり、特定の図柄候補に低い期待度が偏ることがなく、フレキシブルな図柄変動演出が可能となる。
さらに、当否抽選が遊技者に有利となる結果となり、かつリーチ演出の表示が決定された場合には、リーチ態様を形成する停止図柄候補として、現在の演出状態の系統に対応する図柄候補を対応しない図柄候補よりも高確率にて選択してもよい。このような構成によれば、リーチ態様を形成する図柄候補の系統が現在の演出状態の系統と対応する場合に、当否抽選が遊技者に有利となる結果となったことを推測できるようになる。つまり、遊技者は、現在の演出状態の系統に対応する図柄候補を高期待度図柄として認識するようになる。逆に、現在の演出状態の系統に対応しない図柄候補を低期待度図柄として間接的に認識することもできる。言い換えれば、高期待度図柄が現在の演出状態の系統に応じて変化することとなり、特定の図柄候補に高い期待度が偏ることがなく、フレキシブルな図柄変動演出が可能となる。
さらに言えば、リーチ態様を形成する図柄候補に期待度をもたせる場合には通常、当否抽選の当選確率と整合させるために、高期待度図柄の出現頻度を低くし、低期待度図柄の出現頻度を高くする必要がある。このため、図柄候補の期待度を一律に設定してしまうと、リーチ演出に出現する図柄候補に偏りが生じやすくなる。この点、本実施例では、高期待度図柄および低期待度図柄が現在の演出状態の系統に応じて変化するため、特定の図柄候補に期待度の高低が偏ることをなくすことが可能となる。その結果、特定の演出状態に出現頻度が偏ることもなくすことが可能となる。逆に、あえて特定の図柄候補に期待度の高低を偏らせるようにすれば、その図柄候補と系統が対応する演出状態への切り替わり頻度を意図的に偏らせることもできる。すなわち、従来よりもフレキシブルな図柄変動演出の設計が可能となる。
その場合、大入賞口の開放時間が相対的に長い通常の特別遊技と、大入賞口の開放時間が相対的に短い特殊遊技を設けてもよい。そして、当否抽選の結果が特定の当りとなったことを契機に、その特殊遊技の終了後に演出状態を切り替えるようにしてもよい。
また、当否抽選の結果として、遊技者に付与される利益の大きさが異なる複数種類の大当りを設け、当否抽選の結果が大当りとなったことを契機に、その大当りの種類に応じて異なる条件で演出状態を決定してもよい。例えば、第1の演出状態において当否抽選の結果が確率変動状態への移行を伴う確変大当りとなった場合に、確率変動状態への移行を伴わない非確変大当りとなる場合よりも高確率で第2の演出状態に切り替えるようにしてもよい。あるいは、現在の演出状態にかかわらず、当否抽選の結果が確変大当りとなった場合に第2の演出状態に切り替え、非確変大当りとなった場合に第1の演出状態に切り替えるようにしてもよい。
さらに、複数列のそれぞれにおいて巡回表示される複数種の停止図柄候補の種類およびその数の少なくとも一方を、遊技状態に応じて変化させるようにしてもよい。また、複数列のそれぞれにおいて巡回表示される複数種の停止図柄候補の種類およびその数の少なくとも一方と、複数の演出状態との対応関係を定める停止図柄候補設定基準を設けてもよい。そして、演出状態が切り替えられることを契機にその停止図柄候補設定基準を参照し、切り替え先の演出状態に対応するよう複数列のそれぞれの停止図柄候補の種類およびその数を設定するようにしてもよい。
(5)ラウンド表示制御
本実施例では、特別遊技の単位遊技回数(「ラウンド数」ともいう)を報知するための表示がなされる単位遊技数表示装置が設けられ、特別遊技へ移行された際には、その特別遊技の単位遊技回数が表示される。大当りの種類に対応づけて単位遊技回数が異なる複数種の特別遊技が設けられる一方、単位遊技回数の表示態様を定める表示パターンとして、複数種の特別遊技の少なくとも1つに表示態様の異なる複数の表示パターンが選択対象とされる。このような構成において、いずれかの特別遊技へ移行された際には、その特別遊技の単位遊技回数を示す複数の表示パターンからいずれかを選択し、選択した表示パターンにしたがってその単位遊技回数を表示させる。
ここで、「単位遊技数表示装置」は、例えば複数のランプ等からなる点灯表示装置としてもよいし、液晶などの画像表示装置としてもよい。前者の点灯表示装置とする場合、点灯ランプと非点灯ランプとの組合せにより単位遊技回数を示してもよい。あるいは、いずれかのランプを点滅状態とし、点灯ランプ,非点灯ランプ,点滅ランプの組合せにより単位遊技回数を示してもよい。後者の画像表示装置とする場合、同様に点灯,非点灯,点滅等のランプ画像を表示させ、その組合せにより単位遊技回数を示してもよい。あるいは、画面に表示する記号等により単位遊技回数を示してもよい。
このような構成により、単位遊技数表示装置による表示を一見しただけでは、実行対象となる特別遊技の単位遊技回数を直ちに把握することが難しくなる。それにより、いずれの特別遊技が実行されるかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。
具体的には、単位遊技数表示装置は、点灯可能な複数のランプを含み、その複数のランプのうち点灯されるランプの組合せにより単位遊技回数を示す装置として構成されるものでもよい。そして、複数の表示パターンを、点灯されるランプの組合せを定める点灯パターンとして保持してもよい。
さらに、当否抽選の結果が小当りとなった場合、大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回のみ含む小当り遊技を実行するようにしてもよい。そして、小当り遊技であることを示す複数の表示パターンを選択対象とし、その複数の表示パターンの少なくとも一部の表示態様が、複数種の特別遊技の少なくとも1つの表示態様と共通してもよい。
このような構成により、大入賞口の開放があったときに、単位遊技数表示装置による表示を一見しただけでは、それが大当りによる特別遊技であったのか、小当りによる小当り遊技であったのかを判別するのが難しくなる。それにより、いずれの遊技が実行されたかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。
(6)複合機におけるラウンド表示制御
本実施例の遊技機は、始動口への入球を契機に開始される遊技が複数混在する複合機である。第1始動口への入球を契機として第1の遊技が実行され、第2始動口への入球を契機として第2の遊技が実行される。第1始動口への入球を契機として実行される第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合、単位遊技回数が単一となる第1特別遊技が実行される。一方、第2始動口への入球を契機として実行される第2の当否抽選の結果が大当りとなった場合には、単位遊技回数が異なる複数種の第2特別遊技のいずれかが実行される。第2の当否抽選の結果が大当りとなった場合、その大当りの種類に対応する特別遊技が実行される。第1特別遊技が実行される際にはその特別遊技の単位遊技回数の表示は行われず、第2特別遊技が実行される際にその特別遊技の単位遊技回数が表示される。
このような構成では、第1特別遊技については単位遊技回数が単一であるため、その回数をあえて表示しなくとも、遊技の進行に支障を与える可能性は少ない。むしろ、必要性の低い表示を省略することで遊技者が認知すべき情報量を少なくできるので都合がよい。一方、第2特別遊技については単位遊技回数が異なる複数種の特別遊技が実行されうるため、その回数を表示することで遊技者の便宜を図ることができる。
具体的には、第2特別遊技について単位遊技回数の表示態様を定める表示パターンとして、複数種の第2特別遊技のそれぞれにつき表示態様の異なる複数の表示パターンを選択対象としてもよい。そして、いずれかの第2特別遊技へ移行された際には、その特別遊技の単位遊技回数を示す複数の表示パターンからいずれかを選択し、選択した表示パターンにしたがってその単位遊技回数を表示させてもよい。
このような構成により、第2特別遊技については、単位遊技数表示装置による表示を一見しただけでは、実行対象となる特別遊技の単位遊技回数を直ちに把握することが難しくなる。それにより、いずれの単位遊技回数の特別遊技が実行されるかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。
この単位遊技数表示装置についても、点灯可能な複数のランプを含み、その複数のランプのうち点灯されるランプの組合せにより単位遊技回数を示す装置として構成されるものでもよい。そして、複数の表示パターンを、点灯されるランプの組合せを定める点灯パターンとして保持してもよい。
複数種の第2特別遊技としては、その単位遊技回数が第1特別遊技の単位遊技回数よりも大きい特別遊技と、その単位遊技回数が第1特別遊技の単位遊技回数よりも小さい特別遊技とを実行対象として含んでもよい。このように構成することで、単位遊技回数が第1特別遊技のそれよりも大きければ遊技者の利益が大きくなり、単位遊技回数が第1特別遊技のそれよりも小さければ遊技者の利益が小さくなる。このため、第2特別遊技として、いずれの単位遊技回数の特別遊技が実行されるかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。
このような構成において、複数種の第2特別遊技における各単位遊技回数の加重平均が、第1特別遊技の単位遊技回数と等しく設定されていると、第1特別遊技と第2特別遊技との利益のバランスを良好に保つことが可能となる。
以下、本実施例の詳細について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62(以下「第1始動口62」という)、第2始動入賞口63(以下「第2始動口63」という)、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62および第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。
また、第2始動口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動口63の近傍に集まるので、第2始動口63に入球し易くなる。これに対し、第1始動口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられているため、入球可能性はそれほど高くない。ただし、第2始動口63の直上には図示略の遊技釘が設けられており、普通電動役物65が拡開されていない通常状態においては、第2始動口63そのものの入球容易性は第1始動口62よりも低くなる。すなわち、通常状態においては第2始動口63よりも第1始動口62の方が入球可能性が相対的に高く、普通電動役物65が作動する入球容易状態においては第1始動口62よりも第2始動口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、遊技領域52における中央下方の領域、つまりアウト口58の上方の位置に設けられる。一方、第2大入賞口92は、遊技領域52における右下の領域に設けられている。したがって、第2大入賞口92は、遊技領域52の右側を狙って遊技球を比較的強めに発射したとき、いわゆる右打ちを行ったときに入球しやすくなる配置構成となっている。
第1大入賞口91は、第1の遊技に対応し、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。すなわち、第1の遊技において特別遊技へ移行されると、第1大入賞口91が開放される。一方、第2大入賞口92は、第2の遊技に対応し、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。すなわち、第2の遊技において特別遊技へ移行されると、第2大入賞口92が開放される。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その左下方に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。
第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193は、それぞれセグメントの複数種類の組合せで表される。セグメントの組合せで表される特別図柄は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60の表示領域194には、演出図柄190による図柄変動演出が表示される。演出図柄190には、後述する演出図柄や装飾図柄が含まれる。演出表示装置60の表示領域194にはまた、演出図柄の停止を契機に表示される発展演出、装飾図柄とともに表示されるリーチ演出や予告演出といった各種演出も表示される。これらの演出は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示期間に合わせて表示され、当否抽選の結果をその演出過程において示唆する。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせる場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において演出図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において演出図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。演出図柄190の図柄変動演出を含む演出表示は、第1特別図柄192、第2特別図柄193の変動開始とともに開始され、その変動停止とともに終了する。停止時の第1特別図柄192が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。停止時の第2特別図柄193が大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
第1の抽選が大当りとなることにより移行される特別遊技(以下「第1特別遊技」という)は、第1大入賞口91が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、10R大当りとなることにより単位遊技が10回繰り返される10R特別遊技のみが設けられる。ただし、10R特別遊技として、10R通常大当りとなることにより単位遊技における第1大入賞口91の開放時間が長い10R通常特別遊技と、10R特殊大当りとなる単位遊技における第1大入賞口91の開放時間が短い10R特殊特別遊技が設けられる。10R通常特別遊技の場合、第1大入賞口91は約30秒間開放されたとき、または10球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。10R特殊特別遊技の場合、第1大入賞口91は約0.1秒間開放されたとき、または10球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。ただし、事実上、その単位遊技において10球以上の遊技球が落入することはない。
一方、第2の抽選が大当りとなることにより移行される特別遊技(以下「第2特別遊技」という)は、第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技である。12R大当りとなることにより単位遊技が12回繰り返される12R特別遊技と、2R大当りとなることにより単位遊技が2回だけ繰り返される2R特別遊技とがある。12R特別遊技および2R特別遊技のいずれの場合も、第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または10球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。
停止時の第1特別図柄192が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91が約0.1秒間の開放を10回繰り返すので、外観上は10R特殊特別遊技と同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。確変状態は、第1の抽選または第2の抽選が大当りとなるまで継続される。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数となるまで、または第1の抽選または第2の抽選が大当りとなるまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1大入賞口91の右方に設けられ、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
外レール54の左下方には、ラウンド表示装置57(「単位遊技数表示装置」として機能する)が設けられている。ラウンド表示装置57は、点灯可能な複数のランプを含み、その複数のランプのうち点灯されるランプの組合せにより、実行中の特別遊技の単位遊技回数(ラウンド数)を示す。ただし本実施例では、第1特別遊技のラウンド数が10回に固定されているため、それを表示させる必要性は高くない。このため、ラウンド表示装置57は、第2特別遊技専用の表示装置として構成され、第2特別遊技の単位遊技回数のみと表示する。ラウンド表示装置57の構成および動作の詳細については後述する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、ラウンド表示装置57、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開放パターン決定手段123、開閉制御手段124、ラウンド表示制御手段127、条件保持手段176、小当り遊技制御手段330を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において演出図柄190の変動表示を含む演出結果の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において演出図柄190の変動表示を含む演出結果の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。図4(a)は通常時に参照されるテーブルであり、図4(b)は確変時に参照されるテーブルである。
すなわち、各当否判定手段による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では第1の抽選と第2の抽選に共通の当否判定テーブルを示したが、当否判定テーブルは第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第1当否抽選値が64001〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。一方、第2の抽選については小当りは設けられていない。なお、変形例においては、第2の抽選についても小当りを設け、第1始動口62への入球を契機とする第1の抽選のほうが第2始動口63への入球を契機とする第2の抽選よりもが高い確率で小当りとなるようにしてもよい。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
図3に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。ここでは、図柄抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、第1特別図柄192および第2特別図柄193の停止態様(停止図柄)、ラウンド数、確変移行の有無、時短移行の有無および終期、および当りの種別および大入賞口の開放態様がそれぞれ対応づけられている。図5(a)および(b)は当否抽選の結果が大当りであった場合に参照されるテーブルであり、図5(c)は当否抽選の結果が外れであった場合に参照されるテーブルであり、図5(d)は当否抽選の結果が小当りであった場合に参照されるテーブルである。
第1図柄決定手段320は、第1の抽選の結果が大当りとなった場合、図5(a)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、「1」〜「3」の数字で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。第1図柄決定手段320は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「1」〜「3」のうちいずれかを選択する。そして、特別図柄「1」が選択された場合に確変移行を伴う10R特殊大当りと判定し、特別図柄「2」が選択された場合に確変移行を伴う10R通常大当りと判定し、特別図柄「3」が選択された場合に確変移行を伴わない10R特殊大当りと判定する。すなわち、第1の抽選の結果が大当りとなる場合は全て10R大当りとなり、10R特別遊技へ移行される。10R特殊大当りは特別遊技中の大入賞口の開放が短開放となり、10R通常大当りは特別遊技中の大入賞口の開放が長開放となる。
図示のように、10R大当りは約80%の確率で確変を伴う大当りとなり、約20%の確率で確変を伴わない大当りとなる。より詳細には、約75%の確率で確変移行を伴う10R特殊大当りとなり、確率変動状態(高確)から発生した場合は次の大当りまでを終期とする時短を伴うが、通常状態(低確)から発生した場合には時短を伴わない。また、約5%の確率で10R通常大当りとなり、次の大当りまでを終期とする時短を伴う。さらに、約20%の確率で確変を伴わない10R特殊大当りとなり、時短は伴わない。
一方、第2図柄決定手段322は、第2の抽選の結果が大当りとなった場合、図5(b)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、「A」〜「F」の特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。第2図柄決定手段322は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「A」〜「F」のうちいずれかを選択する。そして、特別図柄「A」が選択された場合に確変移行を伴う12R大当りと判定し、特別図柄「B」または「C」が選択された場合に確変移行を伴わない12R大当りと判定し、特別図柄「D」が選択された場合に確変移行を伴う2R大当りと判定し、特別図柄「E」または「F」が選択された場合に確変移行を伴わない2R大当りと判定する。すなわち、第2の抽選が大当りとなる場合は12R大当りまたは2R大当りとなり、12R特別遊技または2R特別遊技へ移行される。いずれも特別遊技中の大入賞口の開放が長開放であるため、特に12R大当りの場合は第1の抽選よりも出玉(賞球)を獲得しやすい。
図示のように、約65%の確率で確変を伴う12R大当りとなり、次の大当りまでを終期とする時短を伴う。また、約15%の確率で確変を伴わない12R大当りとなり、そのうち約50%が特別図柄の変動回数40回を終期回数とする時短を伴い、約50%が特別図柄の変動回数80回を終期回数とする時短を伴う。また、約15%の確率で確変を伴う2R大当りとなり、次の大当りまでを終期とする時短を伴う。また、約5%の確率で確変を伴わない2R大当りとなり、そのうち約50%が特別図柄の変動回数20回を終期回数とする時短を伴い、約50%が特別図柄の変動回数40回を終期回数とする時短を伴う。
このように、第2特別遊技については12R特別遊技と2R特別遊技が設けられるが、その12R特別遊技が80%、2R特別遊技が20%であるため、ラウンド数の加重平均は12ラウンド×0.8+2ラウンド×0.2=10ラウンドとなり、第1特別遊技のラウンド数と等しく設定されている。
第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否抽選の結果が外れの場合、図5(c)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、外れの特別図柄として特別図柄「−」のみが全範囲の図柄抽選値に割り当てられる。図5(c)の図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
第1図柄決定手段320は、当否抽選の結果が小当りの場合、図5(d)の図柄判定テーブルを参照する。図5(d)の図柄判定テーブルには、「a」〜「c」の文字で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。小当りは特別遊技中の大入賞口の開放が短開放となる。なお、本図では外れについて第1の抽選と第2の抽選に共通の当否判定テーブルを示したが、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個のテーブルとしてもよい。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、図柄変動を開始するにあたり、決定した変動パターンを示す情報を演出決定手段132へ送信する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、変動パターンテーブルの具体的構成については後述する。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより第1特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより第2特別遊技を実行する。既に述べたように、第1特別遊技として10R通常特別遊技および10R特殊特別遊技が設けられ、第2特別遊技として12R特別遊技および2R特別遊技が設けられている。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、第1大入賞口91の開閉動作を複数回行う遊技であり、10回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、第1大入賞口91を10R特殊特別遊技と同様に短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2始動口63への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2始動口63への入球により賞球が得られる頻度が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。すなわち、時短中は「入球容易状態」となる。本実施例における時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。具体的には後述のように、確変移行を伴う大当りが発生した場合には、時短の終期は次の大当りが発生するまでとなり、確変移行を伴わない大当りが発生した場合には、時短の終期は所定の終期回数に達するか、それ以前に新たな大当りが発生するまでとなる。なお、確変の終期については次の大当りが発生するまでとしている。
特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に基本的に時短状態へ移行させる。ただし、図5に示したように、特別図柄が「1」であることにより確変移行を伴う10R特殊特別遊技へ移行された場合には、それが通常状態から移行されたものであれば、例外的に時短状態へは移行させない。また、特別図柄が「3」であることにより確変移行を伴わない10R特殊特別遊技へ移行された場合にも、例外的に時短状態へは移行させない。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1当否判定手段113または第2当否判定手段117により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。
開放パターン決定手段123は、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉態様がそれぞれ定められた複数種類の開放パターンから抽選結果に応じた開放パターンを選択する。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、開放パターン決定手段123により選択された開放パターンにしたがい、特別遊技において大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉させる。
ラウンド表示制御手段127は、第2特別遊技へ移行されたときにラウンド表示装置57の表示を制御する。すなわち、第2特別遊技については12R特別遊技と2R特別遊技の2種類が設けられるため、ラウンド表示制御手段127は、いずれが実行中であるかを示すためにラウンド表示装置57の表示態様を制御する。
図6は、ラウンド数の表示パターンを模式的に示す図である。(a)は12ラウンドであることを示す表示パターン1〜6を示し、(b)は2ラウンドであることを示す表示パターン7〜12を示す。ラウンド表示制御手段127は、12R特別遊技へ移行された場合には、図6(a)に示す6つ表示パターン1〜6からいずれかを抽選にて決定し、決定された表示パターンにしたがってラウンド表示装置57のランプの点灯および消灯を制御する。ラウンド表示制御手段127はまた、2R特別遊技へ移行された場合には、図6(b)に示す6つ表示パターン7〜12からいずれかを抽選にて決定し、決定された表示パターンにしたがってラウンド表示装置57のランプの点灯および消灯を制御する。
ラウンド表示装置57には、縦2列,横4列のLEDランプ85が設けられており、個々に点灯および消灯可能となっている。なお、以下の説明においては便宜上、縦x列目かつ横y列目を配列(x,y)と表記する。図示のように、表示パターン1は配列(1,1)(1,3)(2,1)(2,3)の4つのLEDランプを点灯させるパターンであり、表示パターン2は配列(1,1)(1,3)(1,4)(2,1)(2,2)の5つのLEDランプを点灯させるパターンであり、・・・といった具合に、表示パターン1〜12は、点灯・点滅させるLEDランプの組合せが互いに異なるように設定されている。図6(a)に示す12ラウンドの表示、および図6(b)に示す2ラウンドの表示のいずれも複数種類設定され、LEDランプ85の配置構成そのものは同じであるため、一見しただけではいずれのラウンド数であるかを判別するのは難しい。
すなわち、遊技者が各表示パターンとラウンド数との関係を相当熟知していれば、図6(a)に示される表示パターンまたは図6(b)に示される表示パターンのいずれに属するかを判別することにより、その特別遊技のラウンド数を把握することができる。しかし、遊技者の多くがそれらの全表示パターンを正確に記憶することは考え難い。このような設定により、第2特別遊技へ移行されたときにラウンド表示は行うものの、いずれの特別遊技が実行されているのかにつき、遊技者の期待感を高められるようにしている。
パターン記憶手段130は、演出図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、演出図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、演出図柄190の変動停止を契機に演出内容を発展させる発展演出の演出過程が定められた複数の発展演出パターンと、演出図柄190の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する予告演出の演出過程が定められた複数の予告演出パターンとが含まれる。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、また、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119から受け取る変動パターンの情報に基づいて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。
演出決定手段132は、演出図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、演出図柄190の変動演出パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。演出決定手段132は、演出図柄190の停止図柄を決定するために参照すべき図柄組合せテーブルを保持する。
本実施例では演出図柄190として、後述する通常モードにて表示される演出示唆図柄200(図10参照)と、チャンスモードにて表示される装飾図柄202(図18参照)が設けられる。演出示唆図柄200は、3列の図柄の組合せとして形成され、その停止図柄組合せが同系統の絵柄で揃うことにより、続いて同系統の発展演出を表示させる。発展演出は、系統ごとに指定された結末への到達が成功するか否かにより、チャンスモードへの移行有無を示す。各図柄列は系統の異なる複数の停止図柄候補を所定の順序で配列して構成される。演出示唆図柄200の具体的構成については後に詳述する。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて発展演出の表示有無を決定し、発展演出の表示を決定した場合には、演出示唆図柄200の停止図柄として同系統の図柄組合せを決定する。演出決定手段132は、演出示唆図柄200の停止図柄組合せ、演出示唆図柄200の変動演出パターンデータ、および発展演出の演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
一方、装飾図柄202は、3列の図柄の組合せとして形成され、チャンスモードにおける当否抽選の結果を示唆する。各図柄列は停止図柄候補として「1」〜「9」の数字図柄を配列して構成され、各数字図柄に対し、異なる種類のキャラクタ絵柄が組み合わされている。例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つとも同じ数字の図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合は特定の不揃いの組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択される。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が同じ数字で揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄202の停止図柄組合せと装飾図柄202の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
図3に戻り、演出図柄190の変動演出パターンデータには、演出図柄190の変動表示態様、すなわち演出図柄190の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば有利な状態となるリーチ状態を形成することにより遊技者の期待感を煽るリーチ演出に係るものがある。演出示唆図柄200の変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば演出が発展することを示す停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。演出示唆図柄200の各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、演出示唆図柄200の変動演出パターンの変動時間が、特別図柄の変動パターンの変動時間と等しくなるよう各演出パターンを選択する。なお、本実施例では、演出示唆図柄200の図柄変動演出から発展演出に発展すると、演出示唆図柄200は画面の角隅部に小さく表示されるようになる。
一方、装飾図柄202には、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄202の変動演出パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出図柄190による図柄変動演出を含む演出結果として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する演出図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて演出図柄190の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその演出図柄190の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、演出図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
図7は、大入賞口の開放パターンを示すタイムチャートである。本実施例では合計5種類の開放パターンが設けられており、図中上段から順に開放パターン1〜5が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の(1)は第1大入賞口91の開放であることを示し、(2)は第2大入賞口92の開放であることを示している。また、1R〜12Rは、特別遊技のラウンド(単位遊技)を示している。
開放パターン1は、第1特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄「1」または「3」による10R特殊特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、10ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は0.1秒の短開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、後者は設計上想定されていない。本実施例では、第1大入賞口91の開放期間が1ラウンドの期間に相当する。ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間時間」ともいう)はΔt1に設定されている。本実施例においては、ラウンド間時間Δt1を0.1秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン2は、第1特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄「2」による10R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、10ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は30秒の長開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt2に設定されている。本実施例においては、ラウンド間時間Δt2を1秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン3は、第2特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄「A」〜「C」による12R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、12ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第2大入賞口92が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は30秒の長開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第2大入賞口92は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt2として1秒が設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン4は、第2特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄「D」〜「F」による2R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、2ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第2大入賞口92が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は30秒の長開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第2大入賞口92は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt2として1秒が設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン5は、第1の遊技において特別図柄「a」〜「c」により小当り遊技への移行が決定された場合に適用される開放パターンであり、1ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が10回開放される。第1大入賞口91の1回あたりの開放時間は0.1秒に設定され、前後の開放のインターバル時間は開放パターン1による10R特殊特別遊技と同様にΔt1(0.1秒)に設定されている。このため、この小当り遊技は見かけ上、その10R特殊特別遊技との区別が困難となる。言い換えれば、このように第1の遊技における10R特殊特別遊技と小当り遊技との開放態様を同様にすることで、いずれの遊技であるか、ひいては確変移行があるか否かにつき遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。
図8は、開放パターン判定テーブルを模式的に示す図である。開放パターン決定手段123は、大入賞口の開放パターンの決定に際してこの開放パターン判定テーブルを参照する。図8(a)は第1の遊技において参照されるテーブルを示し、図8(b)は第2の遊技において参照されるテーブルを示している。この開放パターン判定テーブルにおいては、特別図柄「1」〜「3」,「a」〜「c」および「A」〜「F」と、開放パターン1〜5(図7参照)が対応づけられている。
図示のように、第1の遊技については、特別図柄「1」,「3」に対して開放パターン1が対応づけられ、特別図柄「2」に対して開放パターン2が対応づけられ、特別図柄「a」〜「c」に対して開放パターン5が対応づけられている。一方、第2の遊技については、特別図柄「A」〜「C」に対して開放パターン3が対応づけられ、特別図柄「D」〜「F」に対して開放パターン4が対応づけられている。開放パターン決定手段123は、各遊技において決定された特別図柄を用いてその開放パターン判定テーブルを参照し、大入賞口の開放パターンを決定する。開閉制御手段124は、決定された開放パターンにしたがって第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉させる。
次に、本実施例の特徴的構成および動作について説明する。
本実施例では、特別遊技や小当り遊技の実行を契機に遊技モードが変更される。図9は、演出全体の概略構成を示す図である。本実施例においては、遊技モードとして通常モード、チャンスモードおよび連チャンモードが設定されている。通常遊技の大半は通常モードに該当する。この通常モードでは、演出示唆図柄200による図柄変動演出が表示され、その複数列の図柄組合せが同系統の図柄で揃えば演出が発展する。その発展演出が成功すればチャンスモードへ移行される。演出示唆図柄200は、3つの図柄列にそれぞれ系統の異なる7種類の停止図柄候補を有し、停止図柄候補の種類によって発展演出が表示されるか否か、および発展演出が表示される場合に成功するか否かの期待度が異なるように設定されている。
内部処理においては、出玉のない10R特殊大当りまたは小当りの発生を契機に、その10R特殊特別遊技または小当り遊技の終了後にチャンスモードに移行される。すなわち、当否抽選の結果が小当りまたは10R特殊大当りとなったときに発展演出が成功してチャンスモードへ移行されるように設定されている。なお、確率は低いものの、通常モードにおいて出玉のある10R通常大当り,12R大当り,2R大当りが発生した場合には、予め用意された特殊演出が表示され、直接連チャンモードへ移行される。
チャンスモードでは、装飾図柄202による図柄変動演出が表示され、その複数列の図柄組合せが同系統の図柄でリーチ態様を形成すると、同系統のキャラクタが登場するバトル演出に発展する。バトル演出は、3種類の演出ステージのいずれかにて実行される。そして、そのバトル演出にて勝利すれば連チャンモードへ移行される。装飾図柄202は、3つの図柄列にそれぞれ「1」〜「9」の数字図柄と特定のキャラクタとを組み合わせた9種類の停止図柄候補を有し、その停止図柄候補のキャラクタの種類によって系統が区別される。そして、バトル演出に発展するか否か、およびバトル演出が表示される場合に勝利するか否かの期待度が演出ステージとキャラクタとの組合せによって異なるように設定されている。
内部処理においては、出玉のある10R通常大当り,12R大当り,2R大当りの発生を契機に、その特別遊技の終了後に連チャンモードに移行される。また、確変状態から確変移行を伴う10R特殊大当りが発生した場合にも、その特別遊技の終了後に連チャンモードに移行される。すなわち、チャンスモードにおいて、出玉のある大当りが発生するか、または大当りの発生により確変状態が連続する場合に連チャンモードへ移行される。なお、通常モードからチャンスモードへ移行される際に、その移行契機が確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りであった場合には、チャンスモードの滞在終期が設定される。この滞在終期は特別図柄の変動回数により規定される。その滞在終期までに連チャンモードへ移行されない場合には、通常モードに戻される。
連チャンモードは、大当りが連続するいわゆる連チャンの可能性が高まった状態において移行される遊技モードであり、時短状態にあることを前提とする。既に述べたように、時短状態においては持ち玉の減少を抑制しながら連続的に大当りを狙うことができるため、通常モードとは異なる遊技モードとして位置づけている。連チャンモードにおいては、特別遊技中は大当り演出が行われ、特別遊技が終了しても連チャンモードが継続していることを示唆する特定演出が表示される。連チャンモードにおいて時短が終了すると、通常モードへ移行される。
まず、通常モードについて詳細に説明する。
図10は、通常モードにおいて演出表示装置に表示される画面例を表す図である。(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。すなわち、通常モードにおいては図10(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194に演出示唆図柄200が表示される。演出示唆図柄200は、3列の図柄の組み合わせにて構成される。演出表示装置60の画面には2つの斜め方向の仮想的な有効ラインL1,L2が設定され(一点鎖線参照)、これらの有効ライン上に5つの表示指定領域が設定されている。すなわち、有効ラインL1における左上領域S1,右下領域S2、有効ラインL2における左下領域S3,右上領域S4、両有効ラインに重なる中央領域S5が表示指定領域として設定され、各表示指定領域において演出示唆図柄200を構成する図柄列が個別に変動される。中央領域S5は両有効ラインに共通の表示指定領域とされている。演出示唆図柄200は、各有効ラインに表示される3つの図柄の組合せにて構成される。
演出示唆図柄200を構成する図柄は、数字図柄を含まない絵柄からなり、その中央に配置されたキャラクタ絵柄と背景色によりその系統が区別される。各表示指定領域に変動表示される図柄列は、表示指定領域に巡回表示される複数の停止図柄候補図を含む。本実施例では図10(b)に示すように、各表示指定領域で図柄列が横方向に変動するが、縦方向その他の方向に変動させてもよい。このような図柄変動から、まず左図柄つまり左上領域S1および左下領域S3の図柄が停止され、続いて右図柄つまり右下領域S2および右上領域S4の図柄が停止される。
このとき、有効ラインL1上の左上領域S1と右下領域S2に同系列の図柄が停止(テンパイ)、あるいは有効ラインL2上の左下領域S3と右上領域S4に同系列の図柄が停止(テンパイ)すればリーチ状態となる。両者がリーチ状態となればダブルリーチ(マルチリーチ)となり、一方のみがリーチ状態となればシングルリーチとなる。このようなリーチ状態を経て、図10(c)に示すようにいずれかの有効ラインにて3つの図柄が同系統の図柄で揃えば演出が発展し、同系統の発展演出が表示される。その発展演出にて成功すれば、チャンスモードへ移行される。図示の例では、背景色が赤色の武器図柄が揃っており、その後、画面が切り替わり、特別演出として武器を鍛える発展演出が表示される。武器を鍛えることに成功すれば、チャンスモードへ移行される。
図11は、演出示唆図柄200を構成する停止図柄候補の種類とその系統を模式的に示す説明図である。図12は、演出示唆図柄200の図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は左図柄列を示し、(b)は中図柄列を示し、(c)は右図柄列を示している。図13は、演出示唆図柄200の変動制御過程を示す画面例を示す図である。(a)〜(h)はその変動制御過程を例示している。図14は、演出示唆図柄200の変動制御方法を模式的に示す説明図である。
図11に示すように、演出示唆図柄200を構成する停止図柄候補はトータルで21種類あり、3種類ごとに系統が分類されている。図中のa〜cは各系統における図柄種類の小分類を示す。演出示唆図柄200の3つの図柄が同系統の停止図柄候補にて停止されると、対応する特別演出(発展演出)に発展する。本実施例では図示のように、武器系統,防具系統,訓練系統,仲間系統,食事系統,特別1系統,特別2系統の7種類の系統が設けられる。
武器系統の停止図柄候補は、赤色の背景に武器の絵柄が付されたものである。武器絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの武器系統にて揃えば、特別演出として武器強化演出に発展する。この武器強化演出は、バトルに備えてそれぞれの武器を鍛えることを目標とし、その結末において成功または失敗が表示される。
防具系統の停止図柄候補は、緑色の背景に防具の絵柄が付されたものである。防具絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの防具系統にて揃えば、特別演出として防具強化演出に発展する。この防具強化演出は、バトルに備えてそれぞれの防具を鍛えることを目標とし、その結末において成功または失敗が表示される。
訓練系統の停止図柄候補は、黄色の背景に武器と主人公キャラクタの絵柄が付されたものである。訓練絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの訓練系統にて揃えば、特別演出として武器訓練演出に発展する。この武器訓練演出は、バトルに備えて主人公キャラクタがそれぞれの武器を使いこなせるようになることを目標とし、その結末において成功または失敗が表示される。
仲間系統の停止図柄候補は、青色の背景に仲間キャラクタの絵柄が付されたものである。仲間絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの仲間系統にて揃えば、特別演出として仲間鍛錬演出に発展する。この仲間鍛錬演出は、バトルに備えて主人公キャラクタが仲間キャラクタと鍛錬して強化することを目標とし、その結末において成功または失敗が表示される。
食事系統の停止図柄候補は、白色の背景に食物の絵柄が付されたものである。食事絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの食事系統にて揃えば、特別演出としてエネルギー充填演出に発展する。このエネルギー充填演出は、バトルに備えて主人公キャラクタと仲間キャラクタが食事をしてエネルギーを充填することを目標とし、その結末において成功または失敗が表示される。
特別1系統の停止図柄候補は、金色の背景に「GOLD」の絵柄が付されたものである。特別1絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの特別1系統にて揃えば、特別演出として特別1演出に発展する。この特別1演出は、図柄揃い直後に遊技者に操作ボタン82を1回押圧するいわゆる「一発押し」を要求する画面を表示させるものであり、その押圧操作に応じて第1の可動役物を動作させる役物演出が実行される。その役物演出において成功すると第1の可動役物が目標動作を達成するが、失敗した場合には目標動作は達成されない。
特別2系統の停止図柄候補は、銀色の背景に「Silver」の絵柄が付されたものである。特別2絵柄a〜cはそれぞれ左図柄,中図柄,右図柄に対応する。演出示唆図柄200がこの特別2系統にて揃えば、特別演出として特別2演出に発展する。この特別2演出は、図柄揃い直後に遊技者に操作ボタン82を連続押圧するいわゆる「連打」を要求する画面を表示させるものであり、その押圧操作に応じて第2の可動役物を動作させる役物演出が実行される。その役物演出において成功すると第2の可動役物が目標動作を達成するが、失敗した場合には目標動作は達成されない。
本実施例では図示のように、武器系統>防具系統>訓練系統>仲間系統>食事系統の順に特別演出の成功確率が高く設定されており、期待度が調整されている。また、特別1系統および特別2系統については期待度が高くて出現頻度の低いレアな位置づけとされており、武器系統よりも成功確率が高く設定されている。本実施例では、特別1系統のほうが特別2系統よりもさらに成功確率を高く設定している。
図12(a)に示すように、演出示唆図柄200の左図柄列、つまり左上領域S1および左下領域S3に変動表示される図柄列については、図11に示した絵柄aが配列される。また、図12(b)に示すように、演出示唆図柄200の中図柄列、つまり中央領域S5に変動表示される図柄列については、図11に示した絵柄bが配列される。図12(c)に示すように、演出示唆図柄200の右図柄列、つまり右下領域S2および右上領域S4に変動表示される図柄列については、図11に示した絵柄cが配列される。各図柄列とも図示のように、図柄番号1の武器絵柄→図柄番号2の防具絵柄→図柄番号3の訓練絵柄→図柄番号4の仲間絵柄→図柄番号5の食事絵柄→図柄番号6の特別1絵柄→図柄番号7の特別2絵柄の順に各表示指定領域に巡回表示される(図中矢印参照)。
ところで、本実施例では、演出示唆図柄200の変動表示において、左図柄列と右図柄列が複数設けられ、個々の図柄列が独立に変動される構成を有する。すなわち、左右の図柄列が1つずつ設けられて巡回表示される一般的なスクロール変動ではないため、上述のようなダブルリーチを形成する際に図柄配列の順番に配慮した形で変動および停止を行わなければ、遊技者に違和感のない形で図柄煽りを行うことは難しい。
すなわち、図13(a)に示すようにシングルリーチを形成する場合には、リーチ態様を形成する図柄系統が1つであるため、リーチ態様を形成しない図柄列については関連性をもたせる必要がない。このため、図13(b)に示すように、リーチ態様を形成する停止図柄候補と、その前後の一方の停止図柄候補との間でいずれを停止させるかを煽る煽り演出を行えばよいため、演出上の違和感は生じない。
しかしながら、ダブルルリーチを形成する場合、リーチ態様を形成する図柄系統が2つになるため、それらの図柄系統が図12に示した配列順序において前後せずに離れている場合、図13(c)および(d)に示すように一方の図柄系統にて煽り演出を行った後に図柄を変位させ、他方の図柄系統にて煽り演出を行う、といった演出を繰り返すことになり、その途中の図柄の変位が余分な演出となり、演出上の違和感を生じさせてしまう。図示の例では、図12に示した図柄番号1の武器系統の図柄と、図柄番号3の訓練系統の図柄とによりダブルリーチが形成されており、図柄番号2の防具系統の図柄を間に介在させることでスムーズな煽り演出ができない様子が示されている。
そこで本実施例では、ダブルリーチを表示させる場合に、左右の表示指定領域において第1のリーチ態様を形成する図柄候補と、第2のリーチ態様を形成する図柄候補とを、配列順序において前後する図柄種類となるように設定する。このように設定することで、図13(e)および(f)に示すようにリーチ態様を形成する2つの図柄系統の間においてのみ煽り演出を行うことができ、違和感のないリーチ演出を実現することができる。図13(e)には、図12に示した図柄番号1の武器系統の図柄と、図柄番号2の防具系統の図柄とによりダブルリーチが形成される様子が例示され、図13(f)には、図12に示した図柄番号4の仲間系統の図柄と、図柄番号5の食事系統の図柄とによりダブルリーチが形成される様子が例示されている。いずれも配列にて前後する停止図柄候補によりスムーズな煽り演出が実現される。
このようなリーチ演出を実現するために、演出決定手段132は、図14に示すリーチ演出設定テーブルを保持する。このリーチ演出設定テーブルには、リーチの種類と煽り演出を行う図柄(「煽り図柄」という)とが対応付けられている。図示のように、ダブルリーチ(「Wリーチ」と表記)については、リーチ態様を形成する図柄(「リーチ図柄」ともいう)が上述のように配列順序において前後するよう、系統1−2リーチ,系統2−3リーチ,系統3−4リーチ,系統4−5リーチ,系統5−6リーチ,系統6−7リーチ,系統7−1リーチが選択対象とされる。例えば、系統1−2リーチは、左右の図柄列に図柄番号1および2の図柄を停止させてリーチ態様を構成し、中図柄を図柄番号1および2の図柄で煽るリーチ演出である。系統2−3リーチは、左右の図柄列に図柄番号2および3の図柄を停止させてリーチ態様を構成し、中図柄を図柄番号2および3の図柄で煽るリーチ演出である。以下、系統3−4リーチ〜系統7−1リーチについても同様の手法で設定する。
一方、シングルリーチ(「Sリーチ」と表記)については、リーチ図柄が1系統であるため、その前後の系統の図柄の一方と煽り演出を行うようにする。すなわち、系統1リーチ,系統2リーチ,系統3リーチ,系統4リーチ,系統5リーチ,系統6リーチ,系統7リーチが選択対象とされる。例えば、系統1リーチについては、左右の図柄列に図柄番号1の図柄を停止させてリーチ態様を構成し、中図柄を図柄番号1および2の図柄で煽るリーチ演出と、中図柄を図柄番号7および1の図柄で煽るリーチ演出のいずれかを選択する。系統2リーチについては、左右の図柄列に図柄番号2の図柄を停止させてリーチ態様を構成し、中図柄を図柄番号1および2の図柄で煽るリーチ演出と、中図柄を図柄番号2および3の図柄で煽るリーチ演出のいずれかを選択する。以下、系統3リーチ〜系統7リーチについても同様の手法で設定する。
図13に戻り、上述のようにダブルリーチを形成した後には、図13(g)および(h)に示すように、中央の表示指定領域に表示される図柄を少なくとも一巡変動表示させる。このように一巡変動させることで遊技者にその順序を把握させ、上述した図柄煽りの対象となる図柄種類を明確に認識させるようにする。
図15は、通常モードにおいて参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別図柄の変動パターンを選択する際にいずれかの変動パターンテーブルを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンの決定に先立ち、パターン抽選値0〜255のいずれかを取得する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図15(a)に示す変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114は、当否判定結果が10R特殊大当りまたは小当りのときは図15(b)に示す変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が10R通常大当りのときは図15(c)に示す変動パターンテーブルを参照する。第2パターン決定手段119は、当否判定結果が2R大当りまたは12R大当りのときは図15(d)に示す変動パターンテーブルを参照する。
図15(a)においては、パターン抽選値0〜7に「スーパー1」、パターン抽選値8〜13に「スーパー2」、パターン抽選値14〜16に「スーパー3」、パターン抽選値17〜18に「スーパー4」、パターン抽選値19〜20に「スーパー5」というスーパーリーチがそれぞれ対応付けられ、それぞれパターン番号1〜5が割り当てられている。「スーパー1」はシングルリーチから図柄が揃うものの発展演出が失敗して外れを表示させるための変動パターンである。「スーパー2」はダブルリーチから図柄が揃うものの発展演出が失敗して外れを表示させるための変動パターンである。「スーパー3」は特別2絵柄(銀図柄)が揃うものの発展演出が失敗して外れを表示させるための変動パターンである。「スーパー4」は特別1絵柄(金図柄)が揃うものの発展演出が失敗して外れを表示させるための変動パターンである。「スーパー5」は予め用意した特殊リーチとなるものの外れを表示させるための変動パターンである。
また、パターン抽選値21〜40に「ノーマル1」、パターン抽選値41〜55に「ノーマル2」、パターン抽選値56〜65に「ノーマル3」、パターン抽選値66〜70に「ノーマル4」というノーマルリーチがそれぞれ対応付けられ、それぞれパターン番号6〜9が割り当てられている。「ノーマル1」はシングルリーチを形成するものの図柄が揃わずに外れを表示させるための変動パターンである。「ノーマル2」はダブルリーチを形成するものの図柄が揃わずに外れを表示させるための変動パターンである。「ノーマル3」は銀図柄によるリーチを形成するものの図柄が揃わずに外れを表示させるための変動パターンである。「ノーマル4」は金図柄によるリーチを形成するものの図柄が揃わずに外れを表示させるための変動パターンである。パターン抽選値71〜255には「リーチなし」が対応付けられ、パターン番号10が割り当てられている。「リーチなし」は、リーチを形成しないまま外れを表示させるための変動パターンである。
図15(b)においては、パターン抽選値0〜70に「スーパー1」、パターン抽選値71〜200に「スーパー2」、パターン抽選値201〜230に「スーパー3」、パターン抽選値231〜255に「スーパー4」がそれぞれ対応付けられ、それぞれパターン番号11〜14が割り当てられている。これら「スーパー1」〜「スーパー4」は、図15(a)のスーパーリーチと対応するが、図柄が揃うことにより移行した発展演出が成功して当りを表示させるための変動パターンである。
図15(c)においては、パターン抽選値0〜255に「スーパー5」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値0〜127にパターン番号15が割り当てられ、パターン抽選値128〜255にパターン番号16が割り当てられている。「スーパー5」はパターン番号5と同様に特殊リーチを表示させるが、図柄変動開始後に図11,図12には示されない特別な図柄が揃って10R通常大当りの発生を示唆する変動パターンである。
図15(d)においては、パターン抽選値0〜255に「スーパー6」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値0〜127にパターン番号17が割り当てられ、パターン抽選値128〜255にパターン番号18が割り当てられている。「スーパー6」は予め用意した特別リーチから図11,図12には示されない特別な図柄が揃って2R大当りまたは12R大当りの発生を示唆する変動パターンである。なお、変形例においては、「スーパー5」および「スーパー6」の少なくともいずれかについて、図柄を揃えることなく大当りを報知して連チャンモードへ直接移行することを示唆する変動パターンとしてもよい。
図16は、通常モードにおいて参照される演出パターンテーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、通常モードにおける演出パターンを選択する際に図示の演出パターンテーブルを参照する。演出パターンは、特別図柄の変動パターンに応じて決定される。図中のパターン番号は、図15に示したパターン番号である。
演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119から特別図柄の変動パターンを示す情報を受信すると、そのパターン番号に応じて演出パターンを決定するための抽選を実行する。演出決定手段132は、演出パターンの決定に先立ち、演出抽選値0〜255のいずれかを取得する。
外れのスーパーリーチに該当するパターン番号1または2の変動パターンが選択されている場合、武器強化演出に発展するが失敗する演出パターン、防具強化演出に発展するが失敗する演出パターン、武器訓練演出に発展するが失敗する演出パターン、仲間鍛錬演出に発展するが失敗する演出パターン、エネルギー充填演出に発展するが失敗する演出パターンのいずれかが選択される。既に述べたように発展演出の期待度(成功確率)が武器強化演出>防具強化演出>武器訓練演出>仲間鍛錬演出>エネルギー充填演出であるのに対し、リーチ演出の期待度はダブルリーチ>シングルリーチである。このため、パターン番号2のダブルリーチに対応する演出パターンのほうが、パターン番号1のシングルリーチに対応する演出パターンよりも、期待度をより反映した演出抽選値の割り当てがなされている。
パターン番号3が選択されている場合、第2の可動役物による役物演出に発展するものの失敗する演出パターンが選択される。また、パターン番号4が選択されている場合、第1の可動役物による役物演出に発展するものの失敗する演出パターンが選択される。パターン番号5が選択されている場合、特殊演出に発展するものの失敗する演出パターンが選択される。
外れのノーマルリーチに該当するパターン番号6または7の変動パターンが選択されている場合、武器強化演出に発展しない演出パターン、防具強化演出に発展しない演出パターン、武器訓練演出に発展しない演出パターン、仲間鍛錬演出に発展しない演出パターン、エネルギー充填演出に発展しない演出パターンのいずれかが選択される。この場合も、パターン番号7のダブルリーチに対応する演出パターンのほうが、パターン番号6のシングルリーチに対応する演出パターンよりも、期待度をより反映した演出抽選値の割り当てがなされている。
パターン番号8が選択されている場合、第2の可動役物による役物演出に発展しない演出パターンが選択される。また、パターン番号9が選択されている場合、第1の可動役物による役物演出に発展しない演出パターンが選択される。パターン番号10が選択されている場合、リーチ演出のない演出パターンが選択される。
一方、10R特殊大当りまたは小当りのスーパーリーチに該当するパターン番号11または12の変動パターンが選択されている場合、武器強化演出に発展して成功する演出パターン、防具強化演出に発展して成功する演出パターン、武器訓練演出に発展して成功する演出パターン、仲間鍛錬演出に発展して成功する演出パターン、エネルギー充填演出に発展して成功する演出パターンのいずれかが選択される。この場合も同様に、パターン番号12のダブルリーチに対応する演出パターンのほうが、パターン番号11のシングルリーチに対応する演出パターンよりも、期待度をより反映した演出抽選値の割り当てがなされている。パターン番号13が選択されている場合、第2の可動役物による役物演出に発展して成功する演出パターンが選択される。また、パターン番号14が選択されている場合、第1の可動役物による役物演出に発展して成功する演出パターンが選択される。
10R通常大当りのスーパーリーチに該当するパターン番号15または16の変動パターンが選択されている場合、通常モードから連チャンモードに直接移行することを示すために予め用意された特殊展開1、特殊展開2の演出パターンがそれぞれ選択される。また、2R大当りまたは12R大当りのスーパーリーチに該当するパターン番号17または18の変動パターンが選択されている場合、通常モードから連チャンモードに直接移行することを示すために予め用意された特殊展開3、特殊展開4の演出パターンがそれぞれ選択される。
図17は、通常モードにおいて参照される変動演出パターンテーブルを模式的に示す図である。図柄態様決定手段131は、通常モードにおける変動演出パターンを選択する際に図示の変動演出パターンテーブルを参照する。変動演出パターンは、特別図柄の変動パターンに応じて決定される。図中のパターン番号は、図15に示したパターン番号に対応する。なお、本図においては明示していないが、各図柄態様を構成する図柄系統は、図16にて決定された演出パターンの図柄系統が選択される。
外れのスーパーリーチに該当するパターン番号1〜4の変動パターンが選択されている場合、決定された演出パターンと同系統の図柄によりリーチ状態(テンパイ)を形成し、その図柄を揃える変動演出パターンが選択される。また、パターン番号5の変動パターンが選択されている場合、特殊リーチから図柄を揃えることなく外れを示す変動演出パターンが選択される。一方、外れのノーマルリーチに該当するパターン番号6〜9の変動パターンが選択されている場合、決定された演出パターンと同系統の図柄によりリーチ状態を形成し、その図柄を揃えない変動演出パターンが選択される。リーチなしに該当するパターン番号10の変動パターンが選択されている場合、リーチ状態を形成せず、図柄を揃えない変動演出パターンが選択される。
一方、10R特殊大当りまたは小当りのスーパーリーチに該当するパターン番号11〜4の変動パターンが選択されている場合、決定された演出パターンと同系統の図柄によりリーチ状態を形成し、その図柄を揃える変動演出パターンが選択される。一方、10R通常大当りのスーパーリーチに該当するパターン番号15,16、2R大当りまたは12R大当りのスーパーリーチに該当するパターン番号17,18が選択されている場合には、それぞれ予め用意されたプレミア図柄組合せ1〜4を揃える演出パターンが選択される。
以上のように、通常モードにおいては演出示唆図柄200が同系統の図柄で揃う段階では当否抽選の結果は示されず、演出発展が示唆される。そして、その発展演出の成功により当否抽選の結果が出玉のない10R特殊大当りまたは小当りとなったことが示され、チャンスモードに移行されることになる。
次に、チャンスモードについて詳細に説明する。
図18は、チャンスモードにおいて演出表示装置に表示される画面例を表す図である。(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。チャンスモードにおいては図18(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194に装飾図柄202が表示される。装飾図柄202は、3列の図柄の組み合わせにて構成される。演出表示装置60の画面には1つの逆V字状の有効ラインLが設定され、この有効ライン上に3つの表示指定領域が設定されている。すなわち、有効ラインLにおける左領域S11,中央領域S12,右領域S13が表示指定領域として設定され、各表示指定領域において装飾図柄202を構成する図柄列が個別に変動される。装飾図柄202は、有効ラインLに表示される3つの図柄の組合せにて構成され、その図柄変動中においても後述する演出ステージに対応した背景画像が表示される。
装飾図柄202を構成する図柄は、数字図柄とキャラクタ絵柄を組み合わせて構成され、そのキャラクタ絵柄によりその種類(系列)が区別される。各表示指定領域に変動表示される図柄列は、表示指定領域に巡回表示される複数の停止図柄候補図を含む。本実施例では図18(b)に示すように、各表示指定領域で図柄列が横方向に変動するが、縦方向その他の方向に変動させてもよい。あるいは、スクロール変動させてもよい。このような図柄変動から、まず左図柄つまり左領域S11の図柄が停止され、続いて右図柄つまり右領域S13の図柄が停止される。
このとき、有効ラインL上の左領域S11と右領域S13に同じ図柄が停止(テンパイ)すればリーチ状態となる。このようなリーチ状態から演出が発展すると、図18(c)に示すように、装飾図柄202が画面の角隅部に小さく退避され、画面中央にそのリーチ状態を形成するキャラクタと同系統のバトル演出が表示される。図示の例では、数字図柄「7」にてリーチとなり、対応するキャラクタと同系統のバトル演出が開始されている。バトル演出にて勝利(成功)すれば、大当りが示され、連チャンモードへ移行される。
図19は、装飾図柄202を構成する停止図柄候補の種類とその系統、および演出ステージの関係を模式的に示す説明図である。図20は、装飾図柄202の図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は左図柄列を示し、(b)は中図柄列を示し、(c)は右図柄列を示している。図21は、バトル演出の表示過程を示す画面例を示す図である。(a)〜(h)はその表示制御過程を例示している。
図19に示すように、装飾図柄202を構成する停止図柄候補はトータルで9種類あり、キャラクタ絵柄の種類に応じて系統が分類されている。装飾図柄202の2つの図柄が同系統の停止図柄候補で停止することによりリーチ態様が形成され、その系統が現在のステージの系統と合致すると、大当りの期待度が高くなるように設定されている。本実施例では図示のように、演出ステージとして火山ステージα,密林ステージβ,雪山ステージγが設けられており、それぞれのステージにおいて登場する敵キャラクタが限られている。すなわち、火山ステージαにはキャラクタA〜Cのいずれかが登場し、密林ステージβにはキャラクタD〜Fのいずれかが登場し、雪山ステージγにはキャラクタG〜Iのいずれかが登場する。このため、キャラクタA〜Cは系統αに属し、キャラクタD〜Fは系統βに属し、キャラクタG〜Iは系統γに属する。また、キャラクタA〜Cは数字図柄「1」〜「3」に対応し、キャラクタD〜Fは数字図柄「4」〜「6」に対応し、キャラクタG〜Iは数字図柄「7」〜「9」に対応する。
各演出ステージが表示されるときに大当りとなる期待度(「大当り期待度」ともいう)は、傾向として雪山ステージγ>密林ステージβ>火山ステージαの順に高期待度となるよう設定されているが、各演出ステージにおけるキャラクタの種類によっても期待度が異なる。すなわち、火山ステージαにおいてはキャラクタC>B>Aの順に高期待度となり、密林ステージβにおいてはキャラクタF>E>Dの順に高期待度となり、雪山ステージγにおいてはキャラクタI>H>Gの順に高期待度となる。
図20に示すように、装飾図柄202の左図柄列、中図柄列、右図柄列のいずれも同じ停止図柄候補の配列となっている。すなわち、図柄番号1として数字「1」とキャラクタAを組み合わせた図柄1、図柄番号2として数字「2」とキャラクタBを組み合わせた図柄2、図柄番号3として数字「3」とキャラクタCを組み合わせた図柄3、図柄番号4として数字「4」とキャラクタDを組み合わせた図柄4、図柄番号5として数字「5」とキャラクタEを組み合わせた図柄5、図柄番号6として数字「6」とキャラクタFを組み合わせた図柄6、図柄番号7として数字「7」とキャラクタGを組み合わせた図柄7、図柄番号8として数字「8」とキャラクタHを組み合わせた図柄8、図柄番号9として数字「9」とキャラクタIを組み合わせた図柄9が設けられている。そして、図柄1→図柄2→図柄3→図柄4→図柄5→図柄6→図柄7→図柄8→図柄9の順に各表示指定領域に巡回表示される(図中矢印参照)。図19にも示したように、図柄1〜3は系統αに属し、図柄4〜6は系統βに属し、図柄7〜9は系統γに属する。
本実施例では、チャンスモードにおいて実行されるバトル演出に「部位破壊」という概念を導入し、通常モードからチャンスモードに移行された場合の演出引継ぎ機能を実現している。すなわち、遊技状態によっては折角チャンスモードへ移行しても、通常モードに戻される場合がある。そのようにして遊技モードが通常モードとチャンスモードとの間で巡回する場合、チャンスモードから通常モードへ抜けるときのバトル演出の状態が、次回のチャンスモードへ移行したときに引き継がれているか否かにより、現在の遊技状態が確率変動状態であるか否かを遊技者に示唆する。
すなわち、通常モードにおいて通常状態(非確率変動状態)である場合、確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りによりチャンスモードへ移行されても、通常状態は維持される。しかし、通常モードから確変移行を伴う10R特殊大当りによりチャンスモードへ移行された場合、チャンスモードは確率変動状態にて開始される。そこで、このような場合に所定条件のもと、前回のチャンスモードにおけるバトル演出を途中から引き継ぐ演出を見せることにより、確率変動状態であることを示唆する。それにより、遊技者の期待感を向上させる。なお、本実施例においてはチャンスモードへ移行されたときに確率変動状態であれば通常モードへ抜けることはないが、変形例においては、チャンスモードから確率変動状態を維持しつつ通常モードに抜ける場合を設けてもよい。例えば、チャンスモードにおいて確率変動状態であっても、小当りの発生によりそのチャンスモードに終期が設定されるようにしてもよい。このようにしてチャンスモードから通常モードに抜けると、確率変動状態が維持される。その結果、通常モードから小当りにより次回のチャンスモードへ移行される場合、その次回のチャンスモードは確率変動状態にて開始される。あるいは、チャンスモードにおいて抽選を行い、確率変動状態であるか否かにかかわらず、その抽選結果に応じて通常モードへ抜ける構成としてもよい。その場合も確率変動状態が維持されるため、通常モードから小当りにより次回のチャンスモードへ移行される場合、その次回のチャンスモードは確率変動状態にて開始される。このような場合にも所定条件のもと、前回のチャンスモードにおけるバトル演出を途中から引き継ぐ演出を見せることにより、確率変動状態であることを示唆してもよい。
具体的には、図21(a)に示すようにバトル演出に発展すると、主人公キャラクタと仲間キャラクタ(以下、これらを「味方キャラクタ」ともいう)が、敵キャラクタと対戦する。このバトル演出は、少なくとも複数回の図柄変動にわたる設定期間、継続的に実行される。そして、そのバトル演出中にリーチ態様が形成されるたびに、図21(b)に示すように、敵キャラクタが大きなダメージを受けてその身体の一部が破壊される。バトル演出中にリーチ態様が形成されなければ、図21(c)に示すように、敵キャラクタが逃亡する演出が表示される。その後、リーチ態様が形成されるたびに、図21(d)および(e)に示すように、同じ敵キャラクタが再度登場する。敵キャラクタの破壊箇所の数は、徐々に増大する。その結果、敵キャラクタが敗北すると、図21(f)に示すように装飾図柄202として当り図柄組合せが表示されるとともに大当りが示される。一方、設定期間内に敵キャラクタを倒すことができなければ、図21(g)に示すように、味方キャラクタの敗北となり、チャンスモードが終了して通常モードへ移行される。
演出決定手段132は、このチャンスモードの終了時における敵キャラクタの状態(破壊度合い)を記憶しておく。そして、通常モードから再度チャンスモードへ移行される場合、確率変動状態であることおよび同じ敵キャラクタが選択されることを条件に、その敵キャラクタの状態を読み出し、図21(h)に示すように、バトル演出の開始時から敵キャラクタを負傷した状態で登場させる。つまり、前回のチャンスモード終了時の演出内容が引き継がれる。この状態でバトル演出が開始されるため、遊技者はあと少しで敵キャラクタを倒せる、つまり大当りを引き当てることができるように感じ、その期待感が高められるようになる。
図22は、チャンスモードに移行する際に参照されるステージ設定テーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、チャンスモードへの移行が決定された場合、いずれかのステージ設定テーブルを参照する。演出決定手段132は、演出ステージの決定に先立ち、抽選値0〜255のいずれかを取得する。確変移行を伴う10R特殊大当りの発生を契機にチャンスモードへ移行される場合には、図22(a)に示すステージ設定テーブルが参照される。小当りの発生を契機にチャンスモードへ移行される場合には、図22(b)に示すステージ設定テーブルが参照される。確変移行を伴わない10R特殊大当りの発生を契機にチャンスモードへ移行される場合には、図22(c)に示すステージ設定テーブルが参照される。演出決定手段132は、このステージ設定テーブルを用いた抽選により、切り替え先の演出ステージと、その演出ステージに登場させる敵キャラクタとを決定する。
図22(a)においては、抽選値0〜75に「火山ステージα」が対応付けられている。そのうち、抽選値0〜25に「キャラクタA」が対応付けられ、抽選値26〜50に「キャラクタB」が対応付けられ、抽選値51〜75に「キャラクタC」が対応付けられている。また、抽選値76〜150に「密林ステージβ」が対応付けられている。そのうち、抽選値76〜100に「キャラクタD」が対応付けられ、抽選値101〜125に「キャラクタE」が対応付けられ、抽選値126〜150に「キャラクタF」が対応付けられている。抽選値151〜255に「雪山ステージγ」が対応付けられている。そのうち、抽選値151〜170に「キャラクタG」が対応付けられ、抽選値171〜200に「キャラクタH」が対応付けられ、抽選値201〜255に「キャラクタI」が対応付けられている。すなわち、確変移行を伴う10R特殊大当りにより確率変動状態が確定するため、期待度の高い雪山ステージγが選択されやすく、その中でも期待度の高いキャラクタIが選択されやすくなるよう抽選値の割り当てがなされている。
図22(b)においては、図示のとおり、相対的に密林ステージβの選択確率が高く、また相対的にキャラクタEの選択確率が高くなっている。小当りであるため、確率変動状態からチャンスモードへ移行すれば確率変動状態となるが、通常状態からチャンスモードへ移行すれば確率変動状態とはならないため、期待度が中程度の密林ステージβが選択されやすく、その中で期待度が中程度のキャラクタEが選択されやすくなるよう抽選値の割り当てがなされている。
図22(c)においては、図示のとおり、相対的に火山ステージαの選択確率が高く、また相対的にキャラクタAの選択確率が高くなっている。確変移行を伴わない10R特殊大当りにより非確率変動状態が確定するため、期待度の低い火山ステージαが選択されやすく、その中でも期待度の低いキャラクタAが選択されやすくなるよう抽選値の割り当てがなされている。
図23は、チャンスモード移行時に参照される参照先設定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、チャンスモードに移行される際にいずれかの参照先設定テーブルを参照し、チャンスモードの限定的な期間に用いられる変動パターンテーブルを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンテーブルの決定に先立ち、抽選値0〜255のいずれかを取得する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、チャンスモードへの移行契機となった当否判定結果が確変移行を伴う10R特殊大当りである場合には図23(a)に示す参照先設定テーブルを参照し、小当りである場合には図23(b)に示す参照先設定テーブルを参照し、確変移行を伴わない10R特殊大当りである場合には図23(c)に示す参照先設定テーブルを参照する。決定された変動パターンテーブルは、チャンスモードの終期が満了するまで参照される。
図23(a)においては、抽選値0〜255に次の大当りまでを終期とする限定テーブルAが設定される。すなわち、確率変動状態が確定しているため、次の大当りが発生するまで図柄変動時間を必要十分に確保し、バトル演出を継続可能とする。
図23(b)においては、抽選値0〜60に変動回数20回を終期とする限定テーブルが設定される。ただし、変動回数1〜19回目までは限定テーブルAが設定され、20回目には限定テーブルBが設定される。限定パターンBは限定パターンAとは異なり、チャンスモードから通常モードへ抜ける演出を伴わせるのに必要十分な図柄変動時間を確保するものである。また、抽選値61〜140に変動回数25回を終期とする限定テーブルが設定される。ただし、変動回数1〜24回目までは限定テーブルAが設定され、25回目には限定テーブルBが設定される。抽選値141〜255に変動回数30回を終期とする限定テーブルが設定される。ただし、変動回数1〜29回目までは限定テーブルAが設定され、30回目には限定テーブルBが設定される。すなわち、確率変動状態の有無が不確定であるため、チャンスモードには図柄変動回数により規定される終期が設定される。その設定終期までに確率変動状態を獲得できなければ、通常モードへ戻されることになる。
図23(c)においては、抽選値0〜110に変動回数20回を終期とする限定テーブルが設定される。ただし、変動回数1〜19回目までは限定テーブルAが設定され、20回目には限定テーブルBが設定される。また、抽選値111〜190に変動回数25回を終期とする限定テーブルが設定される。ただし、変動回数1〜24回目までは限定テーブルAが設定され、25回目には限定テーブルBが設定される。抽選値191〜255に変動回数30回を終期とする限定テーブルが設定される。ただし、変動回数1〜29回目までは限定テーブルAが設定され、30回目には限定テーブルBが設定される。すなわち、非確率変動状態が確定しているため、チャンスモードには図柄変動回数により規定される終期が設定される。その設定終期までに確率変動状態を獲得できなければ、通常モードへ戻されることになる。なお、小当りの場合よりも相対的に短い終期が選択されやすくなっている。
図24は、チャンスモード中の図柄変動ごとに参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、チャンスモード中において、先に決定された参照先設定テーブルが限定テーブルAであれば、図24(a)のテーブルを参照して変動パターンを決定し、先に決定された参照先設定テーブルが限定テーブルBであれば、図24(b)のテーブルを参照して変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンの決定に先立ち、パターン抽選値0〜255のいずれかを取得する。
図24(a)に示す限定テーブルAにおいては、当否抽選の結果が外れの場合の変動パターンテーブルにおいて、パターン抽選値0〜5に「リーチA1」、パターン抽選値6〜15に「リーチA2」、パターン抽選値16〜30に「リーチA3」、パターン抽選値31〜50に「リーチA4」、パターン抽選値51〜255に「リーチなし」がそれぞれ対応付けられ、それぞれパターン番号21〜25が割り当てられている。リーチの期待度は、リーチA1>リーチA2>リーチA3>リーチA4とされているため、この変動パターンテーブルにおける選択率は、大当り期待度と整合するようにリーチA1<リーチA2<リーチA3<リーチA4とされている。
当否抽選の結果が確変移行を伴う10R特殊大当りの場合の変動パターンテーブルにおいては、「リーチA1」〜「リーチA4」が選択対象とされ、それぞれパターン番号26〜29が割り当てられている。この変動パターンテーブルにおける選択率は、大当り期待度と整合するようにリーチA1>リーチA2>リーチA3>リーチA4とされている。
当否抽選の結果が確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りの場合の変動パターンテーブルにおいては、「リーチA3」および「リーチA4」のみが選択対象とされ、それぞれパターン番号30,31が割り当てられている。いずれも出玉がなく遊技者への利益が小さいことから、期待度が相対的に低いリーチが選択対象とされている。
当否抽選の結果が10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りの場合の変動パターンテーブルにおいては、「リーチA5」および「リーチA6」が選択対象とされ、それぞれパターン番号32,33が割り当てられている。いずれも出玉があり遊技者への利益が大きいことから、期待度が相対的に高いリーチが選択対象とされている。
一方、図24(b)に示す限定テーブルBにおいては、当否抽選の結果が外れの場合の変動パターンテーブルにおいて、パターン抽選値0〜20に「リーチB1」、パターン抽選値21〜60に「リーチB2」、パターン抽選値61〜120に「リーチB3」、パターン抽選値121〜200に「リーチB4」、パターン抽選値201〜255に「リーチB5」がそれぞれ対応付けられ、それぞれパターン番号41〜45が割り当てられている。リーチの期待度は、リーチB1>リーチB2>リーチB3>リーチB4とされているため、この変動パターンテーブルにおける選択率は、大当り期待度と整合するようにリーチB1<リーチB2<リーチB3<リーチB4とされている。なお、リーチB5は外れ確定を示すリーチである。
当否抽選の結果が確変移行を伴う10R特殊大当りの場合の変動パターンテーブルにおいては、「リーチB1」〜「リーチB4」が選択対象とされ、それぞれパターン番号46〜49が割り当てられている。この変動パターンテーブルにおける選択率は、大当り期待度と整合するようにリーチB1>リーチB2>リーチB3>リーチB4とされている。
当否抽選の結果が確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りの場合の変動パターンテーブルにおいては、「リーチB3」および「リーチB4」のみが選択対象とされ、それぞれパターン番号50,51が割り当てられている。いずれも出玉がなく遊技者への利益が小さいことから、期待度が相対的に低いリーチが選択対象とされている。
当否抽選の結果が10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りの場合の変動パターンテーブルにおいては、「リーチB6」および「リーチB7」が選択対象とされ、それぞれパターン番号52,53が割り当てられている。いずれも出玉があり遊技者への利益が大きいことから、期待度が相対的に高いリーチが選択対象とされている。
図25は、火山ステージαにおいて参照される図柄決定テーブルを模式的に示す。図柄態様決定手段131は、火山ステージαにおいて装飾図柄202の態様を決定する際に図示の図柄決定テーブルを参照する。図柄態様決定手段131は、図柄態様の決定に先立ち、図柄抽選値0〜511のいずれかを取得する。当否判定結果が外れであり、変動パターンがリーチを伴うものである場合には、図25(a)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が確変移行を伴う10R特殊大当りである場合には、図25(b)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りである場合には、図25(c)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りである場合には、図25(d)に示す図柄決定テーブルが参照される。なお、当否判定結果が外れであり、変動パターンがリーチを伴わないものである場合には、抽選等によりランダムにリーチとならない外れ図柄組合せを決定してそれを表示させてもよい。
図25(a)においては、図柄抽選値0〜25に「図柄1」、図柄抽選値26〜50に「図柄2」、図柄抽選値51〜75に「図柄3」、図柄抽選値76〜150に「図柄4」、図柄抽選値151〜225に「図柄5」、図柄抽選値226〜300に「図柄6」、図柄抽選値301〜375に「図柄7」、図柄抽選値376〜450に「図柄8」、図柄抽選値451〜511に「図柄9」がそれぞれ対応付けられている。すなわち、図柄1〜3によりリーチ態様が形成される確率が相対的に相当低くされている。図25(b)においては、図示のとおり、図柄1〜3によりリーチ態様が形成される確率が相対的に相当高くされている。図25(c)においては、図示のとおり、図柄1〜3によりリーチ態様が形成される確率が相対的にやや低くされている。図25(d)においては、図示のとおり、予め用意されたプレミア図柄揃い5または6のいずれかが約50%の確率で選択される。
すなわち、本実施例においては、実行中の演出ステージと同系統の図柄にてリーチとなったときに大当りの期待度が高くなる設定としているため、火山ステージαにおいて外れまたは出玉のない当りとなると、系統αに属する図柄1〜3の選択確率が低くされ、出玉のある大当りとなると系統αに属する図柄1〜3の選択確率が高くされ、期待度に整合するようにされている。なお、10R通常大当り、2R大当りおよび12R大当りは例外的な位置づけとされている。
図26は、密林ステージβにおいて参照される図柄決定テーブルを模式的に示す。図柄態様決定手段131は、密林ステージβにおいて装飾図柄202の態様を決定する際に図示の図柄決定テーブルを参照する。当否判定結果が外れであり、変動パターンがリーチを伴うものである場合には、図26(a)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が確変移行を伴う10R特殊大当りである場合には、図26(b)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りである場合には、図26(c)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りである場合には、図26(d)に示す図柄決定テーブルが参照される。なお、当否判定結果が外れであり、変動パターンがリーチを伴わないものである場合には、抽選等によりランダムにリーチとならない外れ図柄組合せを決定してそれを表示させてもよい。
図26(a)においては、図示のとおり、図柄4〜6によりリーチ態様が形成される確率が相対的に相当低くされている。図26(b)においては、図示のとおり、図柄4〜6によりリーチ態様が形成される確率が相対的に相当高くされている。図26(c)においては、図示のとおり、図柄4〜6によりリーチ態様が形成される確率が相対的にやや低くされている。図26(d)においては、図示のとおり、予め用意されたプレミア図柄揃い5または6のいずれかが約50%の確率で選択される。
すなわち、密林ステージβにおいて外れまたは出玉のない当りとなると、系統βに属する図柄4〜6の選択確率が低くされ、出玉のある大当りとなると系統βに属する図柄4〜6の選択確率が高くされ、期待度に整合するようにされている。なお、10R通常大当り、2R大当りおよび12R大当りは例外的な位置づけとされている。
図27は、雪山ステージγにおいて参照される図柄決定テーブルを模式的に示す。図柄態様決定手段131は、雪山ステージγにおいて装飾図柄202の態様を決定する際に図示の図柄決定テーブルを参照する。当否判定結果が外れであり、変動パターンがリーチを伴うものである場合には、図27(a)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が確変移行を伴う10R特殊大当りである場合には、図27(b)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りである場合には、図27(c)に示す図柄決定テーブルが参照される。当否判定結果が10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りである場合には、図27(d)に示す図柄決定テーブルが参照される。なお、当否判定結果が外れであり、変動パターンがリーチを伴わないものである場合には、抽選等によりランダムにリーチとならない外れ図柄組合せを決定してそれを表示させてもよい。
図27(a)においては、図示のとおり、図柄7〜9によりリーチ態様が形成される確率が相対的に相当低くされている。図27(b)においては、図示のとおり、図柄7〜9によりリーチ態様が形成される確率が相対的に相当高くされている。図27(c)においては、図示のとおり、図柄7〜9によりリーチ態様が形成される確率が相対的にやや低くされている。図27(d)においては、図示のとおり、予め用意されたプレミア図柄揃い5または6のいずれかが約50%の確率で選択される。
すなわち、密林ステージβにおいて外れまたは出玉のない当りとなると、系統γに属する図柄7〜9の選択確率が低くされ、出玉のある大当りとなると系統γに属する図柄7〜9の選択確率が高くされ、期待度に整合するようにされている。なお、10R通常大当り、2R大当りおよび12R大当りは例外的な位置づけとされている。
図28は、チャンスモードにおいて参照される演出パターンテーブルを模式的に示す図である。(a)は限定テーブルAが使用されている期間に用いられる演出パターンテーブルを示し、(b)は限定テーブルBが使用されている期間に用いられる演出パターンテーブルを示す。演出決定手段132は、チャンスモードにおける演出パターンを選択する際に図示の演出パターンテーブルを参照する。演出パターンは、特別図柄の変動パターンに応じて決定される。図中のパターン番号は、図24に示したパターン番号である。
演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119から特別図柄の変動パターンを示す情報を受信すると、そのパターン番号に応じて演出パターンを決定するための抽選を実行する。
限定テーブルAが使用されている期間においては図28(a)に示すように、外れの「リーチA1」に該当するパターン番号21の変動パターンが選択されている場合、攻撃A1により敵キャラクタにダメージを与えるものの、敵キャラクタが逃亡する演出パターンが選択される。同様に、「リーチA2」〜「リーチA4」に該当するパターン番号22〜24の変動パターンが選択されている場合、攻撃A2〜A4により敵キャラクタにダメージを与えるものの、敵キャラクタが逃亡する演出パターンが選択される。「リーチなし」に該当するパターン番号25の変動パターンが選択されている場合、敵キャラクタと遭遇しない演出パターンが選択される。
確変移行を伴う10R特殊大当りの「リーチA1」〜「リーチA4」に該当するパターン番号26〜29の変動パターンが選択されている場合、攻撃A1〜A4により敵キャラクタに勝利する演出パターンが選択される。また、確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りの「リーチA3」,「リーチA4」に該当するパターン番号30,31の変動パターンが選択されている場合、それぞれ攻撃A3,A4により敵キャラクタにダメージを与えるものの、敵キャラクタが逃亡する演出パターンが選択される。一方、10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りの「リーチA5」,「リーチA6」に該当するパターン番号32,33の変動パターンが選択されている場合、それぞれ「特殊展開5」,「特殊展開6」となって連チャンモードへ直接移行することを示唆する演出パターンが選択される。
限定テーブルBが使用されている期間においては図28(b)に示すように、外れの「リーチB1」に該当するパターン番号41の変動パターンが選択されている場合、防御B1をするものの敵キャラクタに敗北する演出パターンが選択される。同様に、「リーチB2」〜「リーチB5」に該当するパターン番号42〜45の変動パターンが選択されている場合、防御B2〜B5をするものの敵キャラクタに敗北する演出パターンが選択される。なお、「リーチB5」は外れ確定を示す演出パターンである。
確変移行を伴う10R特殊大当りの「リーチB1」〜「リーチB4」に該当するパターン番号46〜49の変動パターンが選択されている場合、攻撃B1〜B4により敵キャラクタに勝利する演出パターンが選択される。また、確変移行を伴わない10R特殊大当りまたは小当りの「リーチB3」,「リーチB4」に該当するパターン番号50,51の変動パターンが選択されている場合、それぞれ攻撃B3,B4により敵キャラクタにダメージを与えるものの、敵キャラクタが逃亡する演出パターンが選択される。一方、10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当りの「リーチB6」,「リーチB7」に該当するパターン番号52,53の変動パターンが選択されている場合、それぞれ「特殊展開5」,「特殊展開6」となって連チャンモードへ直接移行することを示唆する演出パターンが選択される。
図29は、チャンスモード中に記録される累積ポイントおよび再度チャンスモードへ移行されてバトル演出が再開される際に用いられる演出設定テーブルを示す。図示のように、演出決定手段132は、バトル演出の継続中に累積ポイントを更新し、その累積ポイントに応じて敵キャラクタの部位破壊の程度を決定する。本実施例では、バトル演出に移行されてからのリーチ回数が累積ポイントに対応する。そして、累積ポイントが0〜9であれば敵キャラクタの破壊箇所数は0、累積ポイントが10を超えると破壊箇所数が1、累積ポイントが20を超えると破壊箇所数が2、累積ポイントが30を超えると破壊箇所数が3、累積ポイントが40を超えると破壊箇所数が4、累積ポイントが50を超えると破壊箇所数が5ととなるよう演出表示が制御される。
一方、このようにして部位破壊が累積するものの、敵キャラクタが敗北することなくチャンスモードを抜けた場合、演出決定手段132は、その敵キャラクタの種類と部位破壊数を記憶しておく。そして、通常モードから再びチャンスモードへ移行された場合、その移行時の遊技状態が確率変動状態であるか否か、および選択された敵キャラクタの種類に応じてバトル演出の開始時に設定する演出パターンを決定する。すなわち、再度のチャンスモード移行時の遊技状態が確率変動状態であり、かつ選択された敵キャラクタが前回のチャンスモード終了時の敵キャラクタと同じであることを条件に、記憶されている部位破壊数を反映した敵キャラクタを当初から表示させる演出パターンを決定する。このように、チャンスモード移行当初から既に敵キャラクタが負傷している演出を見せることで、その敵キャラクタを倒せる可能性が高いようにみせ、遊技者の期待感を高めるものである。
図30は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図31は、図30におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。入球判定手段110は、始動口(第1始動口62または第2始動口63)への入球が検出されると(S200のY)、その始動口に対応する規定賞球数をセットする(S202)。そして、当否抽選値を取得し(S204)、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S206のY)、その当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S208)。S206において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は(S206のN)、S208の処理をスキップする。S200において入球検出がない場合には(S200のN)、S202からS208の処理をスキップする。
作動口68に入球があった場合(S212のY)、普図抽選値を取得し(S214)、保留制御手段116による普図抽選値の保留数が4未満であるか参照してさらに保留可能な状態であれば(S216のY)、その普図抽選値を保留制御手段116に保留する(S220)。S216において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合には(S216のN)、S220の処理をスキップする。S212において作動口68への入球がない場合は(S212のN)、S214からS220までの処理をスキップする。一般入賞口72に入球があった場合(S222のY)、一般入賞口72に対応する規定賞球数をセットする(S224)。一般入賞口72への入球がないときは(S222のN)、S224の処理をスキップする。
大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)に入球があった場合(S226のY)、大入賞口に対応する規定賞球数をセットする(S228)。大入賞口への入球がないときは(S226のN)、S228の処理をスキップする。
図32は、図30におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S252)、サブ基板104における演出制御処理の実行(S254)が、繰り返し処理される。
図33は、図32におけるS252の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S20のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S22のY)、第2抽選手段128が第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S24)、第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S26)、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S28)。具体的には、通常モードであれば図15に示した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定し、チャンスモードであれば図24に示した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。そして、第2特別図柄193の図柄変動が開始される(S38)。一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S30のY)、第1抽選手段126が第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S32)、第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S34)、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S36)。具体的には、通常モードであれば図15に示した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定し、チャンスモードであれば図24に示した変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する。そして、第1特別図柄192の図柄変動が開始される(S38)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、第2保留手段146に第2当否抽選値が保留されているか否かに加え、図柄変動中であるか否か応じて決定される。本実施例では上述のように、第2保留手段146が保留する第2当否抽選値を第1保留手段144が保留する第1当否抽選値よりも優先的に消化し、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。したがって、第2保留手段146が第2当否抽選値を保留していれば、次の変動表示タイミングには第2特別図柄193の変動表示が開始されることになる。第2保留手段146が第2当否抽選値を保留しておらず、第1保留手段144のみが第1当否抽選値を保留している場合、次の変動表示タイミングには第1特別図柄192の変動表示が開始されることになる。
第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングでもなければ(S30のN)、本図のフローを終了する。一方、既に図柄変動表示が開始されている場合は(S20のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動の停止タイミングに達していれば(S42のY)、図柄変動の停止処理を実行する(S44)。図柄変動の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44をスキップする。
図34は、図33におけるS44の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S50)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S52のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S54のY)、時短の設定をオンする(S56)。時短を伴う図柄でなければ(S54のN)、S56の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S58のY)、確変の設定をオンし(S60)、確変を伴う図柄でなければ(S58のN)、確変の設定をオフする(S62)。また、10R特殊大当りであった場合には(S64のY)、チャンスモードへ移行した際の終期である限定期間Nの設定処理を実行する(S66)。すなわち、図23(a)または(c)に示した参照先設定テーブルを用いた設定抽選により、限定テーブルを使用する期間を決定する。10R特殊大当りでなければ(S64のN)、S66の処理をスキップする。
また、2R大当りまたは12R大当り10Rであった場合には(S67のY)、ラウンド表示設定処理を実行する(S68)。すなわち、図6(a)または(b)に示した表示パターンからいずれかを抽選により決定する。2R大当りまたは12R大当り10Rでなければ(S67のN)、S68の処理をスキップする。そして、特別遊技へ移行する(S70)。10R大当りである場合には10R特別遊技へ移行し、2R大当りである場合は2R特別遊技へ移行し、12R大当りである場合には12R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。
一方、大当りでなかった場合には(S52のN)、時短中であれば(S72のY)、その時短の終期となっていれば(S74のY)、時短の設定をオフにする(S76)。既に述べたように、時短の終期は、確変の終期と同じかまたは終期回数に到達したことである。時短の終期となっていなければ(S74のN)、S76の処理をスキップする。時短中でなければ(S72のN)、S74およびS76の処理をスキップする。そして、小当りであった場合には(S78のY)、チャンスモードへ移行した際の終期である限定期間Nの設定処理を実行する(S80)。すなわち、図23(b)に示した参照先設定テーブルを用いた設定抽選により、限定テーブルを使用する期間を決定する。そして、小当り遊技へ移行する(S82)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S78のN)、S80およびS82の処理をスキップする。
図35は、図32におけるS254の演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S270のY)、通常モードであれば(S274のY)、通常モードにおける演出内容を決定するための第1演出決定処理を実行する(S276)。チャンスモードであれば(S274のN,S278のY)、チャンスモードにおける演出内容を決定するための第2演出決定処理を実行する(S280)。連チャンモードであれば(S278のN)、連チャンモードにおける演出内容を決定するための第3演出決定処理を実行する(S282)。そして、演出表示制御手段134は、演出示唆図柄200による図柄変動演出、発展演出、装飾図柄202による図柄変動演出、予告演出などの表示制御を開始する(S288)。
変動開始コマンドを受信していない場合には(S270のN)、S274からS288の処理をスキップする。そして、既に演出開始済みであれば(S290のY)、その演出表示処理を実行し(S292)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S294のY)、演出表示を一旦終了する(S296)。すなわち、演出表示制御手段134は、演出示唆図柄200による図柄変動演出、発展演出、装飾図柄202による図柄変動演出、予告演出などの表示制御を一旦終了(停止)する。そして、遊技モードおよび遊技ステージの切替処理を実行する(S298)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S294のN)、S296およびS298の処理をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S290のN)、S292からS298の処理をスキップする。
図36は、図35におけるS276の第1演出決定処理を詳細に示すフローチャートである。通常モードにおいて、演出決定手段132は、当否抽選の結果および特別図柄の変動パターンに応じて演出パターンを決定する(S350)。具体的には、図16に示した演出パターンテーブルを参照して演出パターンを決定する。続いて、決定された演出パターンに応じて演出示唆図柄200を構成する図柄の属性(系統)、停止位置、停止態様を決定する(S352)。具体的には、図14に示したリーチ演出設定テーブル等を参照して図柄態様を決定する。そして、決定された演出パターンおよび図柄態様に応じて演出示唆図柄200の変動演出パターンを決定する(S354)。具体的には、図17に示した変動演出パターンテーブルを参照して図柄態様を決定する。
図37は、図35におけるS280の第2演出決定処理を詳細に示すフローチャートである。チャンスモードにおいて、演出決定手段132は、現在の遊技ステージの種類、特別図柄の変動パターン、前回の演出内容等の情報を取得する(S360)。そして、通常モードからチャンスモードへの移行直後のタイミングであれば(S362のY)、現在確率変動状態であり(S364のY)、S298の処理にて決定された敵キャラクタが前回のチャンスモード終了時の敵キャラクタと同じであれば(S366のY)、部位破壊の反映を決定する(S368)。具体的には、図29に示した演出設定テーブルを参照して累積ポイントに応じた部位破壊を決定する。敵キャラクタが前回と同じでなければ(S366のN)、記憶されている累積ポイントを一旦クリアする(S369)。確率変動状態でなければ(S364のN)、S366からS369の処理をスキップする。
一方、既にチャンスモード中であれば(S362のN)、変動パターンがリーチであれば(S370のY)、累積ポイントを1インクリメントし(S372)、部位破壊の反映を決定する(S374)。具体的には、図29に示した演出設定テーブルを参照して累積ポイントに応じた部位破壊を決定する。変動パターンがリーチでなければ(S370のN)、S372の処理をスキップする。
そして、図28に示した演出パターンテーブルを参照して演出パターンを決定する(S376)。このとき、部位破壊の反映が決定されていれば、その部位破壊を反映させる形で演出パターンを決定する。続いて、決定された演出パターンに応じて装飾図柄202の停止態様を決定する(S378)。具体的には、図25〜図27に示した図柄決定テーブルを参照して図柄態様を決定する。そして、決定された演出パターンおよび図柄態様に応じて装飾図柄202の変動演出パターンを決定する(S380)。
図38は、図35におけるS282の第3演出決定処理を詳細に示すフローチャートである。連チャンモードにおいて、演出決定手段132は、当否抽選の結果および特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄202の変動演出パターンを決定し(S390)、装飾図柄202の図柄態様を決定し(S392)、演出パターンを決定する(S394)。
図39は、図35におけるS298のモード/ステージ切替処理を詳細に示すフローチャートである。なお、本処理で決定される演出モードおよび演出ステージへの移行は、後述のように特別遊技後または小当り遊技後に実行される。演出決定手段132は、当否抽選の結果が10R特殊大当りまたは小当りであれば(S310のY)、現在通常モード中であれば(S312のY)、チャンスモードへの移行を決定し(S314)、図22に示したステージ設定テーブルを用いた抽選により、演出ステージを決定する(S316)。
通常モード中でなく(S312のN)、チャンスモード中であれば(S320のY)、確変移行を伴う10R特殊大当りでなければ(S322のN)、図22に示したステージ設定テーブルを用いた抽選により、演出ステージを再度決定する(S324)。チャンスモード中でなければ(S320のN)、S322およびS324の処理をスキップする。確変移行を伴う10R特殊大当りであれば(S322のY)、S332へ移行して連チャンモードへの移行を決定する。
一方、当否抽選の結果が10R特殊大当りおよび小当りのいずれでもなく(S310のN)、通常大当り(つまり10R通常大当り、2R大当りまたは12R大当り)であれば(S328のY)、連チャンモード中でなければ(S330のN)、連チャンモードへの移行を決定する(S332)。既に連チャンモード中であれば(S330のY)、S332の処理をスキップする。
当否抽選の結果が外れであれば(S328のN)、限定テーブルが使用される限定期間であれば(S334のY)、限定期間Nを1デクリメントする(S336)。このとき、限定期間Nがゼロになれば(S338のY)、通常モードへの移行を決定する(S340)。限定期間Nがゼロにならなければ(S338のN)、S340の処理をスキップする。限定期間でなければ(S334のN)、S336からS340の処理をスキップする。
図40は、図30におけるS16の特別遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、未だ特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)の開放パターンを設定する(S93)。すなわち、開放パターン1〜5のいずれかが設定される(図7,図8参照)。そして、特別遊技を開始し(S94)、その開始デモ演出の表示を開始する(S96)。また、ラウンド表示処理を実行する(S97)。すなわち、図6に示したいずれかの表示パターンを決定し、ラウンド表示装置57に表示する。
一方、既に特別遊技が開始済みである場合(S92のY)、大入賞口が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。このとき、ラウンドごとの大当り演出の表示も実行する。一方、大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、図39に示したS298の処理で決定した遊技モードおよび遊技ステージに切り替える(S119)。そして、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118からS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図41は、図40におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開放パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図42は、図40におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から開放パターンに沿った設定時間の経過である。10R通常特別遊技,2R特別遊技または12R特別遊技であれば大入賞口の開放開始から30秒の経過であり、10R特殊特別遊技であれば大入賞口の開放開始から0.1秒の経過である。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。この継続上限回数は10R特別遊技であれば10回であり、2R特別遊技であれば2回でああり、12R特別遊技であれば12回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図43は、図30におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、未だ小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、大入賞口の開放パターンを設定して小当り遊技を開始し(S154)、開始デモ演出の表示を開始する(S156)。一方、既に小当り遊技が開始済みであれば(S152のY)、大入賞口(第1大入賞口91)が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S162)。そして、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。
S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了し(S178)、図39に示したS298の処理で決定した遊技モードおよび遊技ステージに切り替える(S179)。終了デモ演出が終了していない場合には(S176のN)、S178以降の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図44は、図43におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開放パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図45は、図43におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、大入賞口の開放開始から0.1秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
(第2実施例)
本実施例は、図柄変動演出の制御方法等が第1実施例と相違する。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
(1)個別変動によるマルチリーチ演出2
本実施例においても、図柄の変動演出表示態様には、有効ライン上の複数列の図柄があと一つ揃えば有利な状態への移行、又は特別演出への発展を示す特定図柄組合せとなるリーチ態様が含まれ、リーチ態様としてマルチリーチ態様が含まれる。このような構成において、マルチリーチ態様を表示させる場合には、第1のリーチ態様を形成する図柄候補と第2のリーチ態様を形成する図柄候補を決定し、共通の表示指定領域に最後に停止する図柄列の図柄候補を、決定された第1のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補と、決定された第2のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補とが、互いに前後するように決定する。
このような構成によれば、マルチリーチ態様を表示させる決定がなされた場合にまず、左右の図柄列において第1のリーチ態様を形成する図柄候補と第2のリーチ態様を形成する図柄候補を決定する。そして、最後に停止する中央の図柄列の図柄候補について、決定された第1のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補と、決定された第2のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補とが、互いに前後するようその図柄配列が決定される。このため、リーチ態様を形成する個々の図柄が独立して変動する構成であっても最終停止図柄を前後の2つの図柄候補で煽ることができ、違和感のないリーチ演出を実現することができる。
本実施例においても、決定された演出内容に基づいてマルチリーチ態様を表示させる場合、そのマルチリーチ態様を形成した後に、共通の表示指定領域に表示される図柄を少なくとも一巡変動表示させる。これにより、第1実施例と同様、図柄煽りを行っていることを遊技者に明確に認識させることができる。なお、リーチ態様としてマルチリーチ態様およびシングルリーチ態様の双方を選択対象とする場合、マルチリーチ態様を表示させる場合にのみ、第1のリーチ態様を形成する図柄候補と第2のリーチ態様を形成する図柄候補を決定し、共通の表示指定領域に最後に停止する図柄列の図柄候補を、決定された第1のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補と、決定された第2のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補とが、互いに前後するように決定するようにすればよい。
より具体的には、複数の表示指定領域においてそれぞれ巡回表示される複数の図柄候補の種類と表示順序が共通となるよう予め設定された基準図柄列が記憶される。そして、マルチリーチ態様が決定された場合には、複数の表示指定領域に変動表示させる図柄列として基準図柄列を設定し、第1のリーチ態様を形成する図柄候補と第2のリーチ態様を形成する図柄候補を決定する。共通の表示指定領域に変動表示させる図柄列については、決定された第1のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補と、決定された第2のリーチ態様を形成する図柄候補と同種の図柄候補とが、表示順序において互いに前後するよう基準図柄列から変更して設定するとよい。
(2)ラウンド表示制御2
本実施例においても、特別遊技の単位遊技回数(ラウンド数)を報知するための表示がなされる単位遊技数表示装置が設けられる。ただし、単位遊技数表示装置が第1表示部と第2表示部に区分けされており、各表示部において複数のランプが配列されている。そして、各表示部の表示態様の組合せにより、ラウンド数を表示する。1種類の特別遊技に対して表示態様の異なる複数の表示パターンが選択対象とされる。
そして、遊技状態が予め定める対応表示条件を満たした場合に、単位遊技数表示装置への表示対象となる表示態様と特別遊技の種類との対応関係を示す対応表示を演出表示装置に表示させる。ここで、「対応表示条件」は、例えば特別遊技へ移行されたことをその条件としてもよい。その場合、特別遊技中の大当り演出の開始デモ中に対応表示を表示させてもよいし、開始デモ後の大当り演出中に表示させてもよい。つまり、特別遊技中の演出として、その特別遊技の単位遊技数を示唆する特別演出を演出表示装置に表示させてもよい。あるいは、特別遊技中に遊技者による操作入力を促す画面を表示し、その操作入力があったことを条件としてもよい。このように、単位遊技回数の表示態様と特別遊技の種類との対応関係を遊技者に認知させるための機会を設けることで、遊技者の便宜を図ることができる。
以下、本実施例の詳細について説明する。
図46は、第2実施例に係るラウンド数の表示パターンを模式的に示す図である。(a)は12ラウンドであることを示す表示パターン21〜24を示し、(b)は2ラウンドであることを示す表示パターン25〜28を示す。本実施例のラウンド表示装置257は、第1表示部255と第2表示部256を有しており、各表示部の表示態様の組合せにより、ラウンド数を表示する。第1表示部255は縦2列,横4列のLEDランプ85から構成され、第2表示部256は縦2列,横1列のLEDランプ85から構成される。
ラウンド表示制御手段127は、12R特別遊技へ移行された場合には、図46(a)に示す4つ表示パターン21〜24からいずれかを抽選にて決定し、決定された表示パターンにしたがってラウンド表示装置257のランプの点灯および消灯を制御する。ラウンド表示制御手段127はまた、2R特別遊技へ移行された場合には、図46(b)に示す4つ表示パターン25〜28からいずれかを抽選にて決定し、決定された表示パターンにしたがってラウンド表示装置257のランプの点灯および消灯を制御する。
ラウンド表示の表示パターンは、第1表示部255の点灯パターンと第2表示部256の点灯パターンとの組合せで定義される。ただし、本実施例では12ラウンドと2ラウンドとの表示パターンが重複することはない。なお、図示の例では各ラウンドにつき4パターンずつ設定する例を示したが、第1表示部255における8つのランプの組合せの数と、第2表示部256における2つのランプの組合せの数とを乗算した数までは表示パターンを設定することができるため、遊技機の仕様に応じて適宜変更することができる。
このような構成においても、全ての表示パターンについてLEDランプ85の配置構成そのものは同じであるため、一見しただけではいずれのラウンド数であるかを判別するのは難しい。このような設定により、第2特別遊技へ移行されたときにラウンド表示は行うものの、いずれの特別遊技が実行されているのかにつき、遊技者の期待感を高められるようにしている。なお、図示の例では、第1表示部255と第2表示部256とを隣接配置しているが、両者を遊技盤50において離れた位置に配置してもよい。このように、ラウンド表示装置257を複数の表示部にて構成し、それらの表示態様の組合せによりラウンド表示を行うことで、一方の表示部を見ただけではラウンド数を判別することができず、言い換えれば、一方の表示部を見ただけでは複数のラウンド数の可能性があるようにすることで、いずれのラウンドかにつき遊技者の期待感を高めることができる。
図47は、特別遊技の開始デモ演出中に演出表示装置60に表示される画面例を示す。本実施例では、第2特別遊技へ移行されると、開始デモ中に図47(a)に示す画面が表示され、遊技者に対してラウンド表示説明のために操作ボタン82の押圧操作を奨める。遊技者がこれに応じて操作ボタン82を押圧すると、図47(b)に示すように、ラウンド数とラウンド表示パターンとの関係を示す説明画面が表示される。遊技者は、ラウンド表示装置257に現在表示されている表示パターンと、その説明画面のラウンド表示パターンとを照らし合わせることにより、現在のラウンド数、つまり2R特別遊技であるのか12R特別遊技であるのかを把握することができる。
図48は、演出示唆図柄200の変動制御過程を示す画面例を示す図である。(a)〜(h)はその変動制御過程を例示している。図49は、演出示唆図柄200の中図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は中図柄列の初期設定を示し、(b)は中図柄列の設定変更例を示している。図50は、演出示唆図柄200の変動制御方法を模式的に示す説明図である。
本実施例では、通常モードにおいてダブルリーチを表示させる場合に、第1実施例のように左右の図柄候補を調整するのではなく、中央の図柄候補を調整することによりスムーズな煽り演出を実現する。すなわち、左右の表示指定領域において第1のリーチ態様を形成する図柄候補と、第2のリーチ態様を形成する図柄候補とをそれぞれランダムに決定し、中央の表示指定領域に表示する図柄列を、その2種類のリーチ図柄が配列順序において前後する図柄種類となるように設定する。
例えば図48(a)に示すように、図柄番号1の武器系統の図柄と、図柄番号3の訓練系統の図柄とによりダブルリーチが形成された場合、中図柄列が図49(a)の初期設定のままであると、その配列順序において離れることになるため、そのまま煽り演出をすると遊技者に違和感を与える。そこでこのような場合には、図49(b)に示すように、中図柄列の配列の一部を入れ替えるよう設定変更する。図示の例では、図柄番号2の防具系統の図柄を先頭に出し、図柄番号1の武器系統の図柄と図柄番号3の訓練系統の図柄とを前後させるよう配列を変更している。
これにより、図48(b)に示すように、図柄番号1の武器系統の図柄と図柄番号3の訓練系統の図柄とによる違和感のない煽り演出を実現することができる。なお、このように中図柄列を入れ替えることで逆に遊技者に違和感を与えることがないよう、リーチ態様が形成された後に、図48(c)〜(f)に示すように、中央の表示指定領域に表示される図柄列を少なくとも一巡変動表示させる。このように一巡変動させることで遊技者にその順序を明確に認識させるようにする。
このようなリーチ演出を実現するために、演出決定手段132は、図50に示すリーチ演出設定テーブルを保持する。このリーチ演出設定テーブルには、リーチの種類と煽り図柄とが対応付けられている。第1実施例とは異なり、ダブルリーチについて系統1〜7の全ての組合せが設けられる。すなわち、ダブルリーチ(Wリーチ)について、第1実施例と同様の標準リーチである系統1−2リーチ〜系統7−1リーチのほか、左右の図柄列において互いに前後しない系統の組合せによる変則リーチである系統1−3リーチ〜系統5−7リーチが設けられる。標準リーチが選択される場合、中図柄列の配列は図柄番号1〜7の昇順であり、変動の際にループする。一方、変則リーチが選択される場合には、そのリーチを形成する2つの系統を前後させるように他の系統の図柄配列をシフトさせる。具体的には、図示のとおりとなる。
一方、シングルリーチ(Sリーチ)については、リーチ図柄が1系統であるため、その前後の系統の図柄の一方と煽り演出を行うようにする。すなわち、系統1リーチ〜系統7リーチは標準リーチとなり、中図柄列の配列は図柄番号1〜7の昇順であり、変動の際にループする。
(第3実施例)
本実施例は、図柄変動演出の制御方法等が第1,第2実施例と相違する。以下、第1,第2実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。図51は、第3実施例に係る演出示唆図柄200の中図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は中図柄列の初期設定を示し、(b)は中図柄列の設定変更例を示している。
本実施例では、演出示唆図柄200によるリーチ演出において違和感のない煽り演出を実現するために、第2実施例のように中図柄列の図柄配列を入れ替えるのではなく、中図柄列を構成する図柄候補の一部を適宜消去して減少させることにより、ダブルリーチのリーチ図柄が中図柄列において前後するように調整する。例えば図48(a)に示すように、図柄番号1の武器系統の図柄と、図柄番号3の訓練系統の図柄とによりダブルリーチが形成された場合、中図柄列が図51(a)の初期設定のままであると、その配列順序において離れることになる。そこでこのような場合には、図51(b)に示すように、中図柄列の配列の一部を削除するよう設定変更する。図示の例では、図柄番号2の防具系統の図柄を削除することにより、図柄番号1の武器系統の図柄と図柄番号3の訓練系統の図柄とを前後させるよう配列を変更している。これにより、図柄番号1の武器系統の図柄と図柄番号3の訓練系統の図柄とによる違和感のない煽り演出を実現することができる。
演出決定手段132は、このようなリーチ演出を実現するためのリーチ演出設定テーブルを保持する。このリーチ演出設定テーブルにおいては第2実施例とは異なり、ダブルリーチ(Wリーチ)の変則リーチである系統1−3リーチ〜系統5−7リーチについて、そのリーチを形成する2つの系統を前後させるように初期設定において両者の間にあった図柄候補が消去されている。
(第4実施例)
本実施例は、演出示唆図柄200を構成する図柄列の図柄配列およびその変動演出における制御方法等が第1〜第3実施例と相違する。以下、第1〜第3実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。図52は、第4実施例に係る演出示唆図柄200の図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は各図柄列に共通の図柄配列を示し、(b)はその巡回変動順序を示している。図53は、演出示唆図柄200の変動制御方法を模式的に示す説明図である。
図52(a)に示すように、演出示唆図柄200を構成する停止図柄候補はトータルで15種類あり、第1実施例と同様に3種類ごとに系統が分類されている。そして、演出示唆図柄200の左図柄列,中図柄列,右図柄列のいずれも各系統の全ての図柄候補を含む。すなわち、各図柄列は、初期設定として図柄番号「1」〜「15」の図柄候補を含む。そして図52(b)に示すように、図柄番号1の武器絵柄a→図柄番号2の武器絵柄b→図柄番号3の武器絵柄c→図柄番号4の防具絵柄a→図柄番号5の防具絵柄b→図柄番号6の防具絵柄c→図柄番号7の訓練絵柄a→図柄番号8の訓練絵柄b→図柄番号9の訓練絵柄c→図柄番号10の仲間絵柄a→図柄番号11の仲間絵柄b→図柄番号12の仲間絵柄c→図柄番号13の食事絵柄a→図柄番号14の食事絵柄b→図柄番号15の食事絵柄cの順に各表示指定領域に巡回表示される(図中矢印参照)。すなわち、系統1〜5が連続するように設定されている。
このような図柄配列において違和感のないリーチ演出を実現するために、演出決定手段132は、図53に示すリーチ演出設定テーブルを保持する。このリーチ演出設定テーブルには、リーチの種類と煽り図柄とが対応付けられている。図示のように、ダブルリーチ(Wリーチ)については、リーチ図柄が上述のように配列順序において前後するよう、系統1−2リーチ〜系統5−1リーチが選択対象とされる。ただし、ダブルリーチは2種類の異なる系統で形成する。系統1−2リーチは、左右の図柄列に系統1の図柄(図柄番号1〜3のいずれか)および系統2の図柄(図柄番号4〜6のいずれか)を停止させてリーチ態様を構成し、中図柄を図柄番号3および4の図柄で煽るリーチ演出である。系統2−3リーチは、左右の図柄列に系統2の図柄(図柄番号4〜6のいずれか)および系統3の図柄(図柄番号7〜9のいずれか)を停止させてリーチ態様を構成し、中図柄を図柄番号6および7の図柄で煽るリーチ演出である。以下、系統3−4リーチ〜系統5−1リーチについても同様の手法で設定する。
すなわち、本実施例では図柄列が系統を単位とする配列を有するため、互いに異なる系統にてダブルリーチを形成する場合には、左右のリーチ図柄を図柄配列において互いに前後する系統の図柄にて形成する。また、中図柄列については、系統間で前後する図柄同士で煽り演出を行うようにする。一方、シングルリーチ(Sリーチ)については、リーチ図柄が1系統であるため、その前後の系統の図柄の一方と煽り演出を行うようにする。すなわち、系統1リーチ〜系統5リーチが選択対象とされる。その際、中図柄列については、系統間で前後する図柄同士で煽り演出を行うようにする。
(第5実施例)
本実施例は、図柄変動演出の制御方法等が第4実施例と相違する。以下、第4実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。図54は、第5実施例に係る演出示唆図柄200の中図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は中図柄列の初期設定を示し、(b)は中図柄列の設定変更例を示している。図55は、演出示唆図柄200の変動制御方法を模式的に示す説明図である。
本実施例では、ダブルリーチを表示させる場合に、中央の図柄候補を調整することによりスムーズな煽り演出を実現する。すなわち、中央の表示指定領域に表示する図柄列を、2種類のリーチ図柄が配列順序において前後する図柄種類となるように設定する。例えば図54(a)に示す図柄番号1の武器系統の図柄と、図柄番号7の訓練系統の図柄とによりダブルリーチが形成された場合、初期設定のままでは対応する図柄候補が配列順序において離れることになる。このため、図54(b)に示すように、中図柄列の配列において一部の系列を入れ替えるよう設定変更する。図示の例では、図柄番号4〜6の防具系統の図柄を先頭に出し、図柄番号1〜3の武器系統の図柄と図柄番号7〜9の訓練系統の図柄とを前後させるよう配列を変更している。これにより、図柄番号1の武器系統の図柄と図柄番号7の訓練系統の図柄とによる違和感のない煽り演出を実現することができる。
このようなリーチ演出を実現するために、演出決定手段132は、図55に示すリーチ演出設定テーブルを保持する。第4実施例とは異なり、ダブルリーチ(Wリーチ)について系統1〜5の全ての組合せが設けられ、標準リーチである系統1−2リーチ〜系統5−1リーチのほか、左右の図柄列において互いに前後しない系統の組合せによる変則リーチである系統1−3リーチ〜系統3−5リーチが設けられる。標準リーチが選択される場合、中図柄列の配列は系統1〜5の昇順であり、変動の際にループする。一方、変則リーチが選択される場合には、そのリーチを形成する2つの系統を前後させるように他の系統の図柄配列をシフトさせる。具体的には、図示のとおりとなる。
一方、シングルリーチ(Sリーチ)については、リーチ図柄が1系統であるため、その前後の系統の図柄の一方と煽り演出を行うようにする。すなわち、系統1リーチ〜系統5リーチは標準リーチとなり、中図柄列の配列は図柄番号1〜5の昇順であり、変動の際にループする。
(第6実施例)
本実施例は、図柄変動演出の制御方法等が第4,第5実施例と相違する。以下、第4,第5実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。図56は、第6実施例に係る演出示唆図柄200の中図柄列の構成を模式的に示す説明図である。(a)は中図柄列の初期設定を示し、(b)は中図柄列の設定変更例を示している。
本実施例では、演出示唆図柄200によるリーチ演出において違和感のない煽り演出を実現するために、第4実施例のように中図柄列の系列配置を入れ替えるのではなく、中図柄列を構成する系列の一部を適宜消去して減少させることにより、ダブルリーチのリーチ図柄が中図柄列において前後するように調整する。例えば図56(a)に示す図柄番号1の武器系統の図柄と、図柄番号7の訓練系統の図柄とによりダブルリーチが形成された場合、初期設定のままでは対応する図柄候補が配列順序において離れることになる。このため、図56(b)に示すように、中図柄列の一部の系統を削除するよう設定変更する。図示の例では、図柄番号4〜6の防具系統の図柄を削除することにより、図柄番号1を含む武器系統の図柄と図柄番号7を含む訓練系統の図柄とを前後させるよう配列を変更している。これにより、図柄番号1を含む武器系統の図柄と図柄番号7を含む訓練系統の図柄とによる違和感のない煽り演出を実現することができる。
演出決定手段132は、このようなリーチ演出を実現するためのリーチ演出設定テーブルを保持する。このリーチ演出設定テーブルにおいては第5実施例とは異なり、ダブルリーチ(Wリーチ)の変則リーチである系統1−3リーチ〜系統3−5リーチについて、そのリーチを形成する2つの系統を前後させるように初期設定において両者の間にあった系統の図柄候補が消去されている。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
(変形例1)
上記実施例では図16に示したように、発展演出を表示させるか、表示させる場合にいずれの発展演出を表示させるかにつき、毎回抽選を行って決定する例を示した。変形例においては、各発展演出の実行履歴を記憶し、過去の履歴を参照したうえで発展演出を選択するようにしてもよい。例えば、抽選により前回と同じ発展演出が選択された場合、再抽選を行うなどして前回と異なる発展演出を選択するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者に多くの種類の発展演出を見せることができ、演出を楽しませることが可能となる。また、期待度の低い発展演出が連続して表示されるなどして遊技者の遊技意欲を減退させるといった事態を避けることができる。
(変形例2)
上記の第2,第3実施例および第5,第6実施例においては、中図柄列の図柄配列を初期設定から入れ替えるまたは消去する例を示した。変形例においては、中図柄列の図柄配列を変更することなく、左図柄列および右図柄列の図柄配列を初期設定から入れ替えるまたは消去することにより、中図柄列の前後する図柄にて煽り演出を行えるようにしてもよい。
(変形例3)
上記実施例では、演出示唆図柄200によるリーチ演出について、違和感のない煽り演出を実現する制御方法について説明したが、同様の制御方法を装飾図柄202、つまり数字図柄を含む演出図柄ののリーチ演出に提供してもよい。
(変形例4)
上記実施例においては、リーチ演出において違和感のない煽り演出を実現するために、図柄列を構成する図柄候補の配列を入れ替えたり、一部を消去して個数を変化させる例を示した。変形例においては、演出モードや演出ステージ等の演出状態の大当り期待度の高さに応じて各図柄列の図柄候補の種類および個数の少なくとも一方を変化させるようにしてもよい。例えば、大当り期待度の高い演出モードへ移行したときに、少なくともいずれかの図柄列の図柄候補の個数を減少させるようにしてもよい。また、例えば特定の演出ステージにおいてリーチ演出が発生するごとに、そのリーチ図柄に係る図柄候補を除くようにしてもよい。
(変形例5)
上記実施例では、図6および図46に示したように、異なるラウンド数のそれぞれについて、そのラウンド数を示唆するラウンド表示を複数設ける一方、異なるラウンド間では同じラウンド表示が重複しないようにした。変形例においては、異なるラウンド間で一部のラウンド表示を重複させるようにしてもよい。
(変形例6)
上記実施例では、第2の遊技に対してのみラウンド表示装置57を設ける例を示した。変形例においては、第1の遊技についてもラウンド表示装置を設けるようにしてもよい。あるいは、第1の遊技についてのみ、ラウンド表示装置を設けるようにしてもよい。例えば、第1の遊技の10R特殊特別遊技と小当り遊技のそれぞれについて、複数のラウンド表示パターンを設定してよい。このようにすることで、第1の遊技において大入賞口の短開放を伴う遊技が実行された場合に、その表示パターンを一見しただけでは10R特殊特別遊技と小当り遊技のいずれであるかが分かり難くなり、いずれの遊技であるかにつき遊技者の期待感を煽る遊技性を実現できる。
(変形例7)
上記の実施例においては、2つの大入賞口を遊技領域52において離間した位置に設ける例を示した。すなわち、第1大入賞口91を第1始動口62のほぼ直下に設け、第2大入賞口92を第2始動口63の直下に設け、2つの大入賞口への遊技球の打ち分けが可能となる構成とした。変形例においては、2つの大入賞口を遊技領域52において上下に隣接するダブルアタッカーとして設けてもよい。あるいは、例えば共用の大入賞口を1つ設け、いずれの遊技においてもその大入賞口を開放させるようにしてもよい。
(変形例8)
上記の実施例においては、第1の遊技においては第1大入賞口91のみを開放し、第2の遊技においては第2大入賞口92のみを開放する例を示した。変形例においては、例えば第1の遊技および第2の遊技の双方において第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方を開放するようにしてもよい。あるいは、第1の遊技および第2の遊技の一方については第1大入賞口91および第2大入賞口92の双方を開放し、他方については第1大入賞口91および第2大入賞口92の一方を開放させるようにしてもよい。
(変形例9)
上記の実施例においては、遊技領域52における相対的に左側に第1始動口62を配置し、相対的に右側に第2始動口63を配置することにより、2つの始動口への入球を打ち分け可能な配置構成とする例を示した。変形例においては、第1始動口62と第2始動口63とを遊技領域52の中央に配置するなど、遊技球の流下通路に沿って並べるように設けてもよい。その場合、第1始動口62の直下に第2始動口63を設け、第2始動口63が拡開していない通常状態においては第1始動口62のほうが入球容易性が高く、第2始動口63が拡開した入球容易状態においては、第2始動口63のほうが入球容易性が高くなるようにしてもよい。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。