(実施例)
(1)演出表示タイミングによる大当り期待度の相異
本実施例の遊技機には、第1演出表示領域と第2演出表示領域が設けられる。第1演出表示領域には、当否抽選の結果を示すための第1演出が表示される。第2演出表示領域には、当否抽選の結果を第1演出とは異なる態様で示唆するための第2演出が表示される。この遊技機においては、第1演出の演出表示過程が定められた複数の第1演出パターンが設けられ、当否抽選の結果に応じていずれかが選択される。また、第2演出の演出表示過程が定められた複数の第2演出パターンが設けられ、当否抽選の結果が大当りとなった場合にいずれかが選択される。すなわち、第1演出は少なくとも当否結果を示し、第2演出は大当りの種類を示す。そして特に、第1演出の進行度合いに対する第2演出における所定結果の表示タイミングに応じて特別遊技の実行可能性の高低が異なるようパターン選択基準が設定されている。
ここで、「第1演出表示領域」と「第2演出表示領域」は、単一の演出表示装置の表示画面において領域が分けられたものでもよいし、それぞれ独立した演出表示装置であってもよい。前者の場合、例えば液晶表示装置の表示画面を固定的又は一時的に分割し、各表示領域を設定したものでもよい。後者の場合、それぞれの表示領域を独立した液晶表示装置に割り当ててもよい。あるいは、一方の表示領域を液晶表示装置に設け、他方の表示領域をドラム表示装置など異なる態様の表示装置に設けてもよい。「第1演出」は、第1の図柄を変動表示させてその停止図柄により当否抽選の結果を示すものでもよい。あるいは、図柄変動とは関係なく、もしくは図柄変動に付加される形で所定の演出画像を表示させるものでもよい。同様に、「第2演出」は、第2の図柄を変動表示させてその停止図柄により大当りの種類を示すものでもよい。あるいは、図柄変動とは関係なく、もしくは図柄変動に付加される形で所定の演出画像を表示させるものでもよい。「所定結果」は、第2演出の実行途中に表示される特定の結果であってもよい。あるいは、第2演出の結末として表示される演出結果であってもよい。第2演出が第2の図柄の図柄変動演出である場合、「所定結果の表示タイミング」は第2の図柄の変動停止タイミングであってもよい。
このような構成によれば、第1演出と第2演出との相対的な演出表示タイミングの違いにより特別遊技の実行可能性の高低、つまり大当り期待度が異なるようになる。このため、2つの演出表示領域にそれぞれ表示される演出の表示タイミングに遊技者の注意を振り向けるという斬新な遊技性を実現することができる。すなわち、当否抽選の結果を演出的に示すための表示領域を複数備える遊技機において、その複数の表示領域をより効果的に利用した演出表示制御を実現することができる。
第1演出として、当否抽選の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄変動演出を表示対象としてもよい。そして、その図柄変動演出の進行度合いに対する第2演出における所定結果の表示タイミングに応じて特別遊技の実行可能性の高低が異なるようにパターン選択基準を定めてもよい。
具体的には、大入賞口として第1大入賞口と第2大入賞口を設けてもよい。そして、特別遊技として、開放対象となる大入賞口、単位遊技の数、および単位遊技における大入賞口の開放態様の少なくともいずれかが互いに異なる複数種の特別遊技を実行対象とし、その特別遊技の種類によって遊技者の利益状態が異なるようにしてもよい。このような構成において、図柄変動演出の進行度合いに対する第2演出における所定結果の表示タイミングに応じて各特別遊技の選択有無又は選択確率が異なるようにパターン選択基準が定められてもよい。このような構成により、特別遊技の実行有無のみならず利益状態の異なる特別遊技のいずれが実行されるかが、第1演出と第2演出との相対的な演出表示タイミングの違いに左右されることになり、本実施例の遊技性をより顕在化することができる。
当否抽選の結果が第1の大当りとなった場合に、規定回数の単位遊技からなる第1特別遊技が実行される一方、当否抽選の結果が第2の大当りとなった場合には、その規定回数より多くの単位遊技を含む第2特別遊技が実行されるものでもよい。そして、第1演出として第1図柄変動演出を実行し、その第1の図柄の停止図柄により第1の大当りとなったか否かが示されるものでもよい。また、第2演出として第2図柄変動演出を実行し、その第2の図柄の停止図柄により第2の大当りとなったか否かが示されるものでもよい。このような構成において、第2特別遊技における規定回数までの大入賞口の開放態様が、第1特別遊技における規定回数までの大入賞口の開放態様と同一となるように設定されてもよい。また、始動口への1回の入球ごとに第1の図柄による第1図柄変動演出の表示が決定される一方、始動口への1回の入球ごとに第2の図柄による第2図柄変動演出の表示有無が決定されるようにしてもよい。すなわち、始動口への入球ごとに第1図柄変動演出を毎回実行して当否抽選の結果を確定表示する一方、第2図柄変動演出による大当り種類の表示については行う場合と行わない場合を設けてもよい。
(2)大当り中におけるラウンドアップ演出と保留内連荘示唆演出の兼用
本実施例では、始動口への入球を契機として新たに当否抽選が実行されるごとに、その当否抽選の結果が所定の保留上限数まで保留される。当否抽選手段は、当否抽選を実行するごとにその当否抽選結果を示す情報(「事前判定情報」ともいう)を演出決定手段へ送信する。このため、演出決定手段は、その当否抽選の結果を示す図柄の変動表示が開始される前にその結果を取得するいわゆる「先読み」を行うことができ、その事前判定情報に基づいて演出内容を決定することができる。
このような構成において、通常遊技中に当否抽選の結果を示す演出として第1演出が設けられる一方、特別遊技中にその特別遊技の種類や保留内連荘の有無を示唆する第2演出が設けられる。すなわち、第2演出として、単位遊技が予め定める規定回数の次回数以降も継続されるか否かを示すラウンドアップ演出と保留内連荘示唆演出が設けられる。ラウンドアップ演出は、規定回数以前の単位遊技から演出表示を開始し、次回数の単位遊技の開始前の所定タイミングにて所定の結果を表示させることにより次回数以降の単位遊技の継続有無を示す。例えば、規定回数目の単位遊技において所定の結果を表示させることにより、その後の単位遊技の継続有無を示す。保留内連荘示唆演出は、次回数の単位遊技の開始後、つまり規定回数目の単位遊技の後も所定の結果を表示させることなく演出表示を継続させることにより、当否抽選の結果として次の大当りに該当するものが保留されていることを示す。そして、先読みにより当否抽選の結果として次の大当りに該当するものが保留されていると判定されると、ラウンドアップ演出および保留内連荘示唆演出の少なくとも一方が表示される。一方、次の大当りに該当するものが保留されていないと判定されると、ラウンドアップ演出は表示されるが、保留内連荘示唆演出は表示されない。
このような構成によれば、第1演出表示領域に表示される第1演出により特別遊技への移行有無が表示される一方、第2演出表示領域に表示される第2演出により特別遊技の種類およびその特別遊技中における次の大当りの確定有無が表示される。すなわち、複数の表示領域を効果的に利用した演出表示制御を実現することができる。
第1演出として、当否抽選の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄変動演出を表示対象としてもよい。そして、その停止図柄により当否抽選の結果が第1の大当りとなったか否かが示され、第1の大当りとなった場合に規定回数の単位遊技からなる第1特別遊技が実行されるようにしてもよい。一方、第2演出における所定の結果により当否抽選の結果が第2の大当りとなったか否かが示され、第2の大当りとなった場合に規定回数より多くの単位遊技を含む第2特別遊技が実行されるようにしてもよい。このような構成において、第2特別遊技における規定回数までの大入賞口の開放態様が、第1特別遊技における規定回数までの大入賞口の開放態様と同一となるように設定されてもよい。また、始動口への1回の入球ごとに第1演出の表示が決定される一方、始動口への1回の入球ごとに第2演出の表示有無が決定されるようにしてもよい。
(3)大当り中の先読みによる保留内連荘示唆
本実施例では、大当りの種類として第1の大当りと第2の大当りが設けられる。そして、当否抽選の結果が第2の大当りとなり第2特別遊技へ移行された場合に、その第2特別遊技の実行中およびその後の限定期間に保留内連荘示唆演出が表示される。「保留内連荘示唆演出」は、当否抽選の結果として次の大当りに該当するものが保留されている可能性、つまり保留内連荘の可能性を示唆する。先読み処理により保留内連荘の有無を判定できるため、その保留内連荘示唆演出の結末においてその判定結果が示されることになる。
このような構成において、第2特別遊技後の限定期間においては、図柄変動時間の決定に際して通常テーブルとは異なる限定テーブルが参照される。限定テーブルは、当否抽選の結果が外れとなった場合に選択される変動時間が通常テーブルよりも短くなる傾向にあるのが好ましい。これにより、保留内連荘示唆演出を間延びさせずにスムーズに進行させることができる。また、限定テーブルは、当否抽選の結果が外れとなった場合に選択対象となる変動時間の偏差が通常テーブルよりも小さくなる傾向にあるのが好ましい。その場合、当否抽選の結果が外れとなった場合に選択対象となる変動時間が複数あってもよいし、単一であってもよい。前者の場合は複数の変動時間の最大値と最小値との時間差が実質ゼロ、つまり選択対象となる変動時間が略均一又は略同一となるのが好ましい。これにより、その限定期間としての複数回の図柄変動ごとに表示させる演出の設計および演出表示の制御が容易となる。なお、限定テーブルは、当否抽選の結果が外れとなった場合のみならず、当りとなった場合に選択対象となる変動時間も含め、それらの偏差が通常テーブルよりも小さくなる傾向にあるのが好ましい。
この場合、限定期間として、当否抽選の結果の保留上限数に等しい図柄変動回数分の期間を設定してもよい。特別遊技中は図柄変動が中断されるために保留消化も中断されるが、始動口への入球は継続される。このため、特殊な打ち方をしない限り、特別遊技中に保留上限数の保留は確保され易い。そこで、その保留上限数分の期間を限定期間として遊技者に保証し、保留内連荘示唆演出の表示に充てることとしたものである。言い換えれば、仮に特別遊技中の保留数が保留上限数に達していなかったとしても、その不足分の当否抽選結果については特別遊技後の保留で補い、保留内連荘示唆演出の対象とするものである。このような構成により、特別遊技中に保留内連荘が確定しなくても、特別遊技後の保留により連荘確定が表示される可能性があり、遊技者の期待感を持続させることができる。また、先読み処理に基づく演出(便宜上、「先読み演出」ともいう)が保留上限回数分確保されるため、その先読み演出の頻度を平滑化することができる。さらに、保留内連荘示唆演出の期間を保留上限数分の期間に固定することで、保留内連荘示唆演出のトータルの長さを均一にすることができ、演出の設計および演出表示の制御が容易となる。
具体的には、当否抽選の結果が第1の大当りとなった場合に、規定回数の単位遊技からなる第1特別遊技を実行する一方、当否抽選の結果が第2の大当りとなった場合には、規定回数より多くの単位遊技を含む第2特別遊技を実行してもよい。この構成では、相対的に単位遊技数が大きい第2特別遊技において保留内連荘示唆演出を表示させることになる。この場合、例えば保留内連荘示唆演出を規定回数より後の単位遊技において表示させるようにすることで、第2の大当りとなった場合に保留内連荘示唆演出が表示されるとの認識を高めることができる。
先読み処理により第2特別遊技の終了までに次の大当りに該当する当否抽選の結果が保留されたと判定した場合には、その第2特別遊技の終了後に表示させる演出として、次の大当りの確定を示す第1の保留内連荘示唆演出を決定してもよい。このような構成により、特別遊技中に保留内連荘があることが確定した場合にそれを速やかに報知することで、遊技者の期待感に不要な煽りを与えないで済む。
また、先読み処理により第2特別遊技の開始前まで、もしくは第2特別遊技実行中の特定タイミングまでに当否抽選の結果が保留上限数まで保留されるとともに、その保留内において次の大当りに該当する当否抽選の結果が保留されなかったと判定した場合には、その第2特別遊技の終了後に表示させる演出として、次の大当りが確定していないことを示す第2の保留内連荘示唆演出を決定してもよい。このような構成により、特別遊技中に保留内連荘がないことが確定した場合にそれを速やかに報知することで、好ましくない結果に対して遊技者の期待感を煽るといった状況を回避することができる。
先読み処理により第2特別遊技の終了までに当否抽選の結果が保留上限数まで保留されなかったと判定した場合には、その第2特別遊技の終了後に表示させる演出として、その第2特別遊技中に表示させていた保留内連荘示唆演出と少なくとも同系統の演出内容を決定してもよい。このような構成により、特別遊技中に保留上限数の先読み処理が実行できなかったとしても、特別遊技から通常遊技にかけて引き続き先読み処理が継続されているとの印象を与え、遊技者の期待感を維持することができる。
(4)大当り中における演出発生頻度の向上
本実施例では、大当りの種類として特定の大当りが設けられる。そして、当否抽選の結果が特定の大当りとなり特定特別遊技へ移行された場合に、その特定特別遊技の実行過程で大入賞口への入球効率が相対的に低い第1単位遊技から大入賞口への入球効率が相対的に高い第2単位遊技へ切り替えられる。このような構成において、特別遊技中に表示させる特別演出として単位遊技切替示唆演出と保留内連荘示唆演出が設けられる。「単位遊技切替示唆演出」は、特別遊技の実行過程における第1単位遊技から第2単位遊技への切り替わりタイミングを示唆する。「保留内連荘示唆演出」は、当否抽選の結果として次の大当りに該当するものが保留されている可能性、つまり保留内連荘の可能性を示唆する。先読み処理により保留内連荘の有無を判定できるため、その保留内連荘示唆演出の結末においてその判定結果が示されることになる。このような構成において当否抽選の結果が特定の大当りとなった場合、その特定特別遊技中に表示させる特別演出として、その特定特別遊技の実行契機となる当否抽選の結果に基づいて決定される第1単位遊技から第2単位遊技への切り替わりタイミングを示唆する単位遊技切替示唆演出と、その特定特別遊技の実行中においても送信される当否抽選結果を示す情報に基づく保留内連荘示唆演出の双方が表示される。
ここでいう「大入賞口への入球効率」は、単位時間あたりの大入賞口への入球期待値としてもよい。本実施例では第2単位遊技の入球効率を第1単位遊技よりも高くするために、第2単位遊技における単位時間あたりの大入賞口の平均的な開放時間を第1単位遊技より長くする。具体的には、両単位遊技の開始から終了までの終期を同じにする一方、第2単位遊技における大入賞口の開放回数を第1単位遊技より少なくしてもよい。あるいは、両単位遊技の1回あたりの大入賞口のトータルの開放時間を同じにする一方、第2単位遊技における大入賞口の開放回数を第1単位遊技より少なくしてもよい。各単位遊技において、大入賞口の1回あたりの開放時間は均一であってもよいし、不均一であってもよい。
このような構成によれば、特定特別遊技中に保留内連荘示唆演出の示唆対象である保留内連荘となる確率は低いものの、単位遊技切替示唆演出の示唆対象である有利な単位遊技(第2単位遊技)への切り替えはいずれかのタイミングでなされるため、少なくとも後者の演出により遊技者の期待感を持続させることができる。すなわち、先読み処理による保留内連荘示唆演出を実行する遊技機は市場にも多く見受けられるが、保留内連荘そのものの確率が低いため、保留内連荘示唆演出を表示させたところで、遊技者の期待感を高めるに到らないのが現状である。この点、本実施例によれば、単位遊技切替示唆演出を同時並行的又は連続的に表示させることで遊技者の期待感を持続させることができる。
単位遊技切替示唆演出と保留内連荘示唆演出とは同系統の演出にて構成されるのが好ましい。このような構成により、その同系統の演出の発生頻度を確保することができる。すなわち、市場には保留内連荘が確定した場合にのみ保留内連荘示唆演出を表示させる遊技機が比較的多くみられるが、保留内連荘そのものの発生確率が低いため、その演出発生頻度は極めて低いものとなる。この点、本実施例によれば、同系統の演出を単位遊技切替示唆演出と保留内連荘示唆演出とに兼用させることで、その同系統の演出の発生頻度を確保することができる。
第1単位遊技は、大入賞口が複数回開放され、そのトータルの開放時間が設定時間に達すること又は規定球数の入球があることをその終了条件とするものでもよい。一方、第2単位遊技は、大入賞口が1回開放され、その開放時間が設定時間に達すること又は規定球数の入球があることをその終了条件とするものでもよい。この場合、第1単位遊技と第2単位遊技とは大入賞口のトータルの開放時間は同じとなるが、第2単位遊技のほうが大入賞口の開放回数が少ないため、第1単位遊技よりも入球効率が高くなる。
本実施例では、特定特別遊技として、第1単位遊技から第2単位遊技への切り替わりタイミングが異なるものが複数種類設けられる。これらの特定特別遊技においては基本的に、第2単位遊技への切り替わりタイミングまでは単位遊技切替示唆演出が表示され、第2単位遊技に切り替わった後の残余の期間に保留内連荘示唆演出が表示される。保留内連荘示唆演出の演出結果は、当否抽選結果を示す情報(先読み情報)に基づき表示されることになる。このように保留内連荘示唆演出の表示開始タイミングが特定特別遊技の種類、つまり第2単位遊技への切り替わりタイミングに応じて変化するようにすることで、演出の意外性や多様性を高めることができる。
具体的には、当否抽選の結果が第1の大当りとなった場合に、規定回数の単位遊技からなる第1特別遊技が実行され、当否抽選の結果が第2の大当りとなった場合に、規定回数より多くの単位遊技を含む第2特別遊技が実行されるようにしてもよい。その第2特別遊技の一態様として特定特別遊技が設けられてもよい。そして、第1単位遊技から第2単位遊技への切り替わりタイミングが、規定回数目より後の単位遊技間に設定されもよい。
また、大入賞口として、遊技領域の相対的に上方に設けられた第1大入賞口と、遊技領域の相対的に下方に設けられた第2大入賞口とを設けてもよい。第2特別遊技においては、規定回数までの単位遊技において第1大入賞口を開放し、規定回数より後の単位遊技において第2大入賞口を開放するようにしてもよい。
(5)擬似連続変動演出とその演出変化条件
本実施例では、当否抽選の結果を示す図柄の変動演出パターンとして、複数の特殊変動演出パターンが選択対象として設けられる。この特殊変動演出パターンは、始動口への1回の入球に対応する図柄変動表示の期間に複数の個別変動演出を連続させることにより、進行中の図柄変動演出を所定タイミングにて一時中断状態とさせた後にその所定タイミングの前後で演出の進行が変化したようにみせる特殊変動演出を表示させるものである。この特殊変動演出パターンにおいては、予め設けられた複数種類の特定演出のいずれかと、特定演出の一部を構成し得る付加演出との組み合わせ態様により各個別変動演出が構成される。付加演出は、特定演出の種類に応じて系統が異なる演出態様を有する一方、同系統の演出態様について複数種の異なる属性をとり得るように設定される。特定演出の種類に応じて特別遊技への移行可能性が異なり、さらに付加演出の属性に応じて特別遊技への移行可能性が異なる。その結果、特殊変動演出パターンにおける特定演出と付加演出との組み合わせに応じて特別遊技へのトータルの移行可能性が異なるようにされている。
ここで、「特殊変動演出」は、後述する「擬似連続変動演出」であってもよい。「擬似連続変動演出」は、図柄の1回の変動時間において擬似的に複数回の図柄変動が含まれるようにみせる図柄変動演出である。特殊変動演出における「所定タイミングの前後の演出の進行の変化」は、所定タイミングの後にその所定タイミングよりも前に回帰したようにみせる変化であってもよいし、所定タイミングの前後で演出の連続性が途切れるようにみせる変化であってもよい。「特定演出」は、後述するリーチ演出であってもよい。「リーチ演出」は、当否抽選の結果を複数列の図柄の停止図柄組合せにて示唆する図柄の変動表示において、その複数列の図柄があと一つ揃えば有利な状態への移行を示す特定図柄組合せとなるリーチ態様を形成する図柄変動演出である。あるいは、図柄変動表示に付加的に伴うように表示される予告演出であってもよい。「予告演出」は、当否抽選の結果が大当りとなる期待度(「大当り期待度」ともいう)の高さを予告的に示唆する演出である。「付加演出」は、特定演出の一部の演出要素を構成するものでもよく、特定演出の表示過程で一時的に表示されるものでもよい。「付加演出」は、予告演出であってもよい。「付加演出の系統」は、特定演出に対応して演出要素となるキャラクタ,アイテム,モチーフなどの画像オブジェクトの種類やテーマに応じて分類されるものでもよい。「属性」は付加演出としての演出要素の形,模様,色などであってもよい。
このような構成によれば、特殊変動演出が表示された際に、個別変動演出の切り替わりとともに特定演出の種類又は付加演出が変化するか、変化する場合に一方のみの変化となるのか双方の変化となるのかにつき、遊技者の期待感を煽ることができる。また、特定演出および付加演出の各演出変化の組み合わせ結果により、特別遊技へのトータルの移行可能性がどの程度変化したかにつき、遊技者の期待感を高めることができる。さらに、特殊変動演出という一つの演出過程において特別遊技への移行可能性の判断指標となる演出が複数種あり、それらが同時並行または重畳的に表示されることで、従来にない演出の意外性や多様性を高めることが可能となる。
特殊変動演出においては、先の個別変動演出の特定演出にて対応する付加演出が表示されないまま後続の個別変動演出が表示される場合と、先の個別変動演出の特定演出において対応する付加演出が表示された後に後続の個別変動演出を表示される場合とで、後続の個別変動演出が異なる傾向となるようにしてもよい。すなわち、付加演出が表示される前に後続の個別変動演出が開始されるのか、付加演出が表示された後に後続の個別変動演出が開始されるのかに応じて、後続の個別変動演出が異なる傾向となるようにしてもよい。このような構成によれば、特定演出の一部の演出要素の表示タイミングが特別遊技への移行可能性に影響を与えるという意外性をもたせることができる。
より具体的には、特殊変動演出の表示中に次の個別変動演出の表示に先だって遊技者の操作入力を要求する画面を表示させ、予め設定した入力待ち時間にその操作入力がなされるか否かにより特殊変動演出の選択傾向が異なるようにしてもよい。また、その操作入力がなされても、場合によって特殊変動演出の選択傾向が異なるようにしてもよい。
上述のように付加演出が表示されないまま後続の個別変動演出を表示させる場合には、入力待ち時間に操作入力がなされたとしても付加演出を表示させずに先の個別変動演出を終了させ、かつ後続の個別変動演出において先の個別変動演出よりも期待度の高い特定演出を表示させる特殊変動演出が選択され易くなるようにしてもよい。一方、付加演出が表示された後に後続の個別変動演出を表示させる場合には、入力待ち時間に操作入力がなされることにより付加演出を表示させてその所定時間経過後に先の個別変動演出を終了させ、かつ後続の個別変動演出において先の個別変動演出と同種の特定演出を表示させるとともに、先の個別変動演出よりも期待度の高い付加演出を表示させる特殊変動演出が選択され易くなるようにしてもよい。入力待ち時間に操作入力がなされなかった場合には、その入力待ち時間経過後に先の個別変動演出を終了させた後に、後続の個別変動演出において先の個別変動演出と同種の特定演出を表示させる一方、付加演出を含まない代替演出を表示させるようにしてもよい。また、入力待ち時間に操作入力がなされなかった場合に、付加演出を表示させず、入力待ち時間経過後に先の個別変動演出を終了させ、後続の個別変動演出において先の個別変動演出よりも特別遊技への移行可能性が高い特定演出が選択され易くなるようにしてもよい。
(6)擬似連続変動演出とその前後の演出変化の明示
本実施例では、当否抽選の結果を示す図柄の変動演出パターンとして、複数の特殊変動演出パターンが選択対象として設けられる。この特殊変動演出パターンは、始動口への1回の入球に対応する図柄変動表示の期間に複数の個別変動演出を連続させることにより、進行中の図柄変動演出を所定タイミングにて一時中断状態とさせた後にその所定タイミングよりも前に回帰したようにみせる特殊変動演出を表示させるものである。この特殊変動演出においては、先の個別変動演出と後の個別変動演出との相対変化が認識可能に提示される。ここで、「特殊変動演出」は、上述の「擬似連続変動演出」であってもよい。また、「特殊変動演出」は、上述のような「特定演出」および「付加演出」を含むものでもよい。そして、個別変動演出の切り替わりとともに特定演出の種類又は付加演出の属性が変化するか、変化する場合に一方のみの変化となるのか双方の変化となるのかにつき、先の個別変動演出と後の個別変動演出との相対変化が認識可能となるものでもよい。このような構成によれば、特殊変動演出が表示された際に、遊技者に前後の個別変動演出の相対変化に注目させることでその期待感を持続させることができる。
具体的には、特殊変動演出の各個別変動演出を予め設けられた複数種類の演出要素のいずれかを含むように構成し、各演出要素が同種の演出態様でありながら異なる属性を有するように設定する。それにより、先の個別変動演出と後の個別変動演出との間における演出要素の相対変化を、その属性の変化により提示する。このような構成において、演出要素の属性に応じて特別遊技への移行可能性が異なるよう、当否抽選の結果に基づく特殊変動演出の選択傾向を設定する。ここで、「演出要素」は、上述した「付加演出」として特定演出の一部を構成する予告演出であってもよい。あるいは、特定のリーチ演出の出現を示唆する予告演出であってもよい。「属性」については上述のとおりである。このような構成によれば、前後の個別変動演出の相対変化に注目することで大当り期待度が推測可能となり、遊技者の期待感を高めることができる。
以下、本実施例の詳細について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう調整される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、ドラム表示装置66、第1始動入賞口62(以下「第1始動口62」という)、第2始動入賞口63(以下「第2始動口63」という)、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62と第2始動口63とは、遊技領域52のセンター飾り64の下方位置に上下に並ぶように配置されている。第1始動口62は第1の遊技に対応する始動口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動口として設けられる。第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、拡開機構である普通電動役物65(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
なお、本実施例では、図示のように普通電動役物65が拡開していない状態においては第2始動口63への入球がその直上の第1始動口62によって規制(遮蔽)される態様となり、第2始動口63への入球は実質的に期待できない。つまり、第1始動口62へ入球させるよりも第2始動口63へ入球させるほうが困難となっている。一方、普通電動役物65が拡開されることにより第2始動口63への入球容易性が高められると、第1始動口62へ入球させるよりも第2始動口63へ入球させるほうが格段に容易となる。このため、第2始動口63の入球容易性が低い状態においては第1始動口62への入球を狙い、第2始動口63の入球容易性が高められた状態において第2始動口63への入球を狙う手法が有効となる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、後述するセンター飾り64の左上部に第2大入賞口92に比べて小さな部材により設けられている。第1大入賞口91は、センター飾り64の一部を構成し、その開放時に遊技球をセンター飾り64の内部に導入する飾り片からなる。一方、第2大入賞口92は、遊技領域52における中央下方の領域、つまりアウト口58の上方の位置に設けられた横長方形状の入賞口である。したがって、第1大入賞口91と第2大入賞口92は、その開放時に遊技領域52の左側を狙って遊技球を比較的弱めに発射したときに入球し易い配置構成となっている。
第1大入賞口91は、第1の遊技および第2の遊技の双方に対応し、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の態様にて停止して「大当り」として特別遊技へ移行されたとき、および小当りを示す所定態様にて停止したときに開放状態となる。第1大入賞口91は、特別遊技に移行されると必ず開放され、その特定ラウンド以内(本実施例では8ラウンド以内)を担当する。すなわち、本実施例では2R特別遊技、8R特別遊技および16R特別遊技が設けられるため、2R特別遊技または8R特別遊技へ移行されると、第1大入賞口91のみが開放される。16R特別遊技へ移行されると、第1大入賞口91が第8ラウンドまで開放されることになる。
一方、第2大入賞口92も第1の遊技および第2の遊技の双方に対応し、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の態様にて停止して「大当り」として特別遊技へ移行されたときに開放状態となる。第2大入賞口92は、16R特別遊技へ移行された場合にのみ開放され、その特定ラウンドよりも後ラウンドを担当する。すなわち、16R特別遊技へ移行されると、前半8ラウンドは第1大入賞口91が開放され、後半8ラウンドは第2大入賞口92が開放されるようになる。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その右側に隣接するようにドラム表示装置66が設けられている。演出表示装置60の左下方には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。
第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193は、それぞれセグメントの複数種類の組合せで表される。セグメントの組合せで表される特別図柄は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、第1特別図柄192および第2特別図柄193で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
ドラム表示装置66は、センター飾り64の右側部に一体に設けられ、特別遊技の後半8ラウンドが当選しているか否か、あるいは後述する保留内連荘の有無を示唆するために、第1特別図柄192および第2特別図柄193とは独立した形で演出図柄195を変動表示するドラム回転式の表示装置である。ドラム表示装置66は、演出図柄195として複数列の図柄を変動させる複数列のリールと、そのリールを個別に駆動可能な駆動手段としてのステッピングモータとを含む。本実施例においては上下2列のリールが設けられ、その上リールの駆動により変動される上図柄196と、下リールの駆動により変動される下図柄197により演出図柄195が構成される。各リールにはそれぞれ外周面にそって合計4個の停止図柄候補が配されているが、その詳細については後述する。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常入球状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、時短中の入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。普通電動役物65の開放時間は、例えば通常状態では0.2秒間であり、入球容易状態では6秒間である。普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では30〜60秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
なお、上述の通り普通図柄の当り確率の変動、普通電動役物65の開放時間の延長、普通図柄の変動時間の短縮の3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成を本実施例では採用する。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、後述の通り本実施例ではいわゆる「時短」と呼ばれる特別図柄の変動時間短縮機能を入球容易状態においてさらに実施する仕様とするが、変形例では入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
第1始動口62または第2始動口63に入球すると、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60において第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190が変動表示される。また、ドラム表示装置66において演出図柄195が変動表示されるが、演出図柄195については、第1特別図柄192や第2特別図柄193とは同期しない形で変動表示されることがある。第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192および第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190の変動が停止される。変動パターンには、特別図柄の1回の本変動に対して装飾図柄190の擬似的な複数回の仮変動を伴う擬似連続変動パターンが含まれるが、その詳細については後述する。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
第1の抽選または第2の遊技が大当りとなることにより移行される特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技(ラウンド)が複数回繰り返される遊技である。本実施例では、2R大当りとなることにより単位遊技が2回繰り返される2R特別遊技、8R大当りとなることにより単位遊技が8回繰り返される8R特別遊技、16R大当りとなることにより単位遊技が16回繰り返される16R特別遊技が設けられる。ただし、大当りの種類に応じて特別遊技を構成する単位遊技の種類および組み合わせが異なる。具体的内容については、大入賞口の開放パターンに関連して後に説明する。
停止時の第1特別図柄192または第2特別図柄193および装飾図柄190が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91が短開放を2回繰り返すので、外観上は2R特別遊技と同様の動作態様となる。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技の一つである変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。本実施例において、時短中は「入球容易状態」でもある。入球容易状態においては、開放抽選が当りになる確率を通常より高め、普通図柄の変動時間を通常状態より短縮するとともに、普通電動役物65の拡開時間を通常状態よりも長くする、いわゆる開放延長を実行する。このように、入球容易状態では一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、入球容易状態では第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。時短においては、第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば入球容易状態もいったん終了する。時短において第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、「確変」という)がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、ドラム表示装置66、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開放パターン決定手段123、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176、小当り遊技制御手段330を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示を含む演出結果の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示を含む演出結果の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否判定テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、複数の当否判定テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。図4(a)は通常時に参照されるテーブルであり、図4(b)は確変時に参照されるテーブルである。
すなわち、各当否判定手段による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが確変を伴うか否かは特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。ただし、本実施例では後述のように、大当りに該当した場合は全て確変を伴うように設定されている。なお、本図では第1の抽選と第2の抽選に共通の当否判定テーブルを示したが、当否判定テーブルは第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1の抽選および第2の抽選のいずれも、確変状態の有無にかかわらず、当否抽選値が64001〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。なお、変形例においては、第1の抽選および第2の抽選の一方についてのみ小当りを設けてもよい。あるいは、第1の抽選と第2の抽選の一方において他方よりもが高い確率で小当りとなるようにしてもよい。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本図のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜163」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「164〜1639」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1640〜64000」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64001〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選または第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、本判定としての図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。ここでは、図柄抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「15」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。「0」〜「11」が大当りに対応し、「12」が外れに対応し、「13」〜「15」が小当りに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、特別図柄の種類(番号)、特別遊技へ移行した際のラウンド数、出玉(賞球獲得期待値)、確変移行の有無および終期、時短移行の有無および終期、および当りの種別および大入賞口の開放態様がそれぞれ対応づけられている。
図6(a)に示す通り、図柄番号「0」は2R大当りを示し、図柄抽選値の「0〜50」に対応付けられている。この2R大当りは2R特別遊技への移行を示すが、大入賞口の開放時間が短く、賞球獲得期待値はゼロである。2R大当りは特別図柄の変動回数55回を終期回数とする確変および時短を伴う。
図柄番号「1」は8R通常大当りを示し、図柄抽選値の「51〜154」に対応付けられている。この8R通常大当りは、8R通常特別遊技への移行を示し、その賞球獲得期待値は8ラウンド分に相当する。図柄番号「2」は8R短縮大当りを示し、図柄抽選値の「155〜204」に対応付けられている。この8R短縮大当りは、8R短縮特別遊技への移行を示すが、大入賞口の開放時間が短く、賞球獲得期待値はゼロである。いずれの8R大当りも特別図柄の変動回数55回を終期回数とする確変および時短を伴う。
図柄番号「3」は16R通常大当りを示し、図柄抽選値の「205〜215」に対応付けられている。この16R通常大当りは、16R通常特別遊技への移行を示し、その賞球獲得期待値は16ラウンド分に相当する。図柄番号「4」は16R特殊大当りを示し、図柄抽選値の「216〜220」に対応付けられている。この16R特殊大当りは、16R特殊特別遊技への移行を示し、前半8ラウンドが出玉ゼロの短開放、後半8ラウンドが長開放の特殊開放となり、賞球獲得期待値は8ラウンド分に相当する。
図柄番号「5」〜「11」は16R特定大当りを示し、前半8ラウンドが長開放、後半8ラウンドが所定ラウンドにて低効率開放から高効率開放へ切り替わる特定開放となり、種類によってその切り替わりラウンドが異なる。すなわち、図柄番号「5」は16R特定大当り1を示し、図柄抽選値の「221〜225」に対応付けられている。図柄番号「6」は16R特定大当り2を示し、図柄抽選値の「226〜230」に対応付けられている。図柄番号「7」は16R特定大当り3を示し、図柄抽選値の「231〜235」に対応付けられている。図柄番号「8」は16R特定大当り4を示し、図柄抽選値の「236〜240」に対応付けられている。図柄番号「9」は16R特定大当り5を示し、図柄抽選値の「241〜245」に対応付けられている。図柄番号「10」は16R特定大当り6を示し、図柄抽選値の「246〜250」に対応付けられている。図柄番号「11」は16R特定大当り7を示し、図柄抽選値の「251〜255」に対応付けられている。16R特定大当り1〜7の詳細については、大入賞口の開放パターンに関連して後に説明する。いずれの16R大当りも特別図柄の変動回数55回を終期回数とする確変および時短を伴う。なお、本実施例においては図示のように、第1の遊技および第2の遊技のいずれにおいても、大当りとなった場合の確変移行確率が100%とされている。
図6(b)に示す通り、特別図柄の図柄番号「12」は外れを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値のそれぞれの全範囲に対応付けられている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
図6(c)に示す通り、特別図柄の図柄番号「13」〜「15」が小当りに対応付けられている。図柄番号「13」は図柄抽選値の「0〜230」に対応付けられ、図柄番号「14」は図柄抽選値の「231〜246」に対応付けられ、図柄番号「15」は図柄抽選値の「247〜255」に対応付けられる。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。小当り遊技中の大入賞口の開放は短開放となる。なお、本図では第1の抽選と第2の抽選に共通の当否判定テーブルを示したが、別個のテーブルとしてもよい。
なお、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「15」の値を第1の抽選または第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、図柄変動を開始するにあたり、決定した変動パターンを示す情報を演出決定手段132へ送信する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、変動パターンテーブルの具体的構成については後述する。
普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(普図抽選値)を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄種類の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄種類の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。このように、第1の抽選の結果としての当否抽選値の保留上限数が4個、第2の抽選の結果としての当否抽選値の保留上限数が4個であることから、第1の抽選と第2の抽選とを合わせた当否抽選値の保留上限数は8個ということになる。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。本実施例では普通図柄抽選の結果として4個を上限として普図抽選値を保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、第1始動口62および第2始動口63への入球順序にしたがって選択的に変動表示させる。例えば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。特図調整手段152は、また、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91および第2大入賞口92の少なくとも一方を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91および第2大入賞口92の少なくとも一方を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は、第1大入賞口91の開閉動作を複数回行う遊技であり、2回の開閉を単位とした1回の単位遊技で構成される。小当り遊技においては、第1大入賞口91を2R特殊特別遊技と同様に短時間だけ開放させる。小当り遊技制御手段330は、単位遊技を1回実行した後に小当り遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。時短中は「入球容易状態」となる。本実施例における確変および時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に基本的に確変および時短へ移行させる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。
開放パターン決定手段123は、第1大入賞口91および第2大入賞口92の開閉態様がそれぞれ定められた複数種類の開放パターンから抽選結果に応じた開放パターンを選択する。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、開放パターン決定手段123により選択された開放パターンにしたがい、特別遊技において大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の第1演出パターンを保持する。第1演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄190の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する予告演出の演出過程が定められた複数の予告演出パターンとが含まれる。パターン記憶手段130は、また、演出図柄195の変動においてドラム表示装置66に表示させる変動表示過程が定められた複数の第2演出パターンを保持する。第2演出パターンには、演出図柄19の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の示唆演出パターンが含まれる。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、また、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119から受け取る変動パターンの情報に基づいて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段113および第2当否判定手段117による当否判定結果が16R大当りや8R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
本実施例の変動演出パターンには、また、当否抽選の1回の結果に対して表示させる装飾図柄190の変動が外観上は擬似的に複数回表示されるように見える形で変動過程と演出過程が定められた擬似連続変動演出パターンが含まれる。この擬似連続変動演出パターンは、第1パターン決定手段114又は第2パターン決定手段119により擬似連続変動パターンが選択されたときに選択される。擬似連続変動演出パターンによる図柄変動は、複数回の図柄変動が含まれる程度にその変動時間が比較的長い。本実施例では、擬似連続変動演出パターンとして1〜3回の擬似的変動演出を含むパターンが用意され、その図柄変動演出に重畳するように予告演出が表示される。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、特定のキャラクタのコメントを表示させるコメント予告演出、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけのキャラクタ予告演出、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。なお、本実施例では、このようなコメント予告、キャラクタ予告、群予告等の通常予告演出のほか、擬似連続変動を利用して表示されるスペシャル予告演出(以下、「SP予告」と表記する)が含まれる。詳細については後述する。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄190を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、第1の抽選の結果および第2の抽選の結果の保留順序に基づいて第1の抽選又は第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1の抽選および第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
演出決定手段132は、また、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によってドラム表示装置66へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、複数の示唆演出パターン(ドラム変動演出パターン)を選択対象として保持する。演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて複数の示唆演出パターンデータの中からいずれかを選択し、選択した示唆演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出図柄195の停止図柄および示唆演出パターンの詳細については後述する。
第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果として、2R大当り、8R大当りまたは16R大当りの前半8ラウンドが当選したか否かを、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190による図柄変動演出を含む演出結果として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果として、16R大当りの後半8ラウンドが当選したか否かを、選択された示唆演出パターンデータにしたがって演出図柄195による図柄変動演出を含む演出結果としてドラム表示装置66に変動表示させる。
図7および図8は、大入賞口の開放パターンを示すタイムチャートである。本実施例では合計13種類の開放パターンが設けられており、図7には上段から順に開放パターン1〜6が示され、図8には上段から順に開放パターン7〜13が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の(1)は第1大入賞口91の開放であることを示し、(2)は第2大入賞口92の開放であることを示している。また、1R〜16Rは、特別遊技のラウンド(単位遊技)を示している。
図7に示す開放パターン1は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「0」による2R特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、2ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は0.5秒の短開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、後者は設計上想定されていない。本実施例では、第1大入賞口91の開放期間が1ラウンドの期間に相当する。ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間時間」ともいう)はΔt1に設定されている。本実施例においては、ラウンド間時間Δt1を0.5秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン2は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「1」による8R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、8ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は30秒の長開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt2に設定されている。本実施例においては、ラウンド間時間Δt2を1秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン3は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「2」による8R短縮特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、8ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は0.5秒の短開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、後者は設計上想定されていない。ラウンド間時間にはΔt1が設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン4は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「3」による16R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有し、第8ラウンドまでは第1大入賞口91が1回ずつ開放され、第9ラウンド以降は第2大入賞口92が1回ずつ開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放時間は30秒の長開放に設定されているが、それ以前に10球以上の入球があれば各大入賞口は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間にはΔt2が設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン5は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「4」による16R特殊特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有し、第8ラウンドまでは第1大入賞口91が0.5秒の短開放にて1回ずつ開放され、第9ラウンド以降は第2大入賞口92が30秒の長開放にて1回ずつ開放される。なお、各ラウンドにおいてその開放時間が経過する以前に10球以上の入球があれば各大入賞口は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、前半8ラウンドについては、そのような入球数によるラウンド終了は設計上想定されていない。前半8ラウンドのラウンド間時間にはΔt1が設定され、後半8ラウンドのラウンド間時間にはΔt2が設定されているが、それらと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン6は、図柄番号「13」〜「15」による小当り遊技である場合に適用される開放パターンであり、1ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が2回開放される。第1大入賞口91の1回あたりの開放時間は0.5秒に設定され、前後の開放のインターバル時間は開放パターン1による2R特殊特別遊技と同様にΔt1(0.5秒)に設定されている。このため、この小当り遊技は見かけ上、その2R特殊特別遊技との区別が困難となる。言い換えれば、このように2R特殊特別遊技と小当り遊技との開放態様を同様にすることで、いずれの遊技であるか、ひいては確変移行があるか否かにつき遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。
図8に示す開放パターン7〜13は、特別遊技への移行が決定され、それが図柄番号「5」〜「11」による16R特定特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有し、第8ラウンドまでは第1大入賞口91が30秒の短開放にて1回ずつ開放され、第9ラウンド以降は第2大入賞口92が当初3秒の中開放にて10回ずつ開放される低効率開放となり、所定ラウンドにて30秒の長開放にて1回ずつ開放される高効率開放となる。ここで、「低効率開放」は、1ラウンド中の第2大入賞口92の10回の開放につき9回の開放準備時間Δt3を要するため、「高効率開放」と比較してトータルの開放時間は30秒で等しいものの、1ラウンドあたりの消化時間が長くなる。つまり、「低効率開放」は、出玉を取得するうえでは「高効率開放」よりも非効率となるため、相対的に「低効率」と称している。なお、本実施例においては、開放準備時間Δt3を0.5秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
具体的には、開放パターン7は、図柄番号「5」による16R特定特別遊技1に移行された場合に適用される開放パターンであり、低効率開放から高効率開放への切り替えタイミング(「開放態様変化タイミング」という)が第16ラウンド(最終ラウンド)となる。開放パターン8は、図柄番号「6」による16R特定特別遊技2に移行された場合に適用される開放パターンであり、開放態様変化タイミングが第15ラウンドとなる。開放パターン9は、図柄番号「7」による16R特定特別遊技3に移行された場合に適用される開放パターンであり、開放態様変化タイミングが第14ラウンドとなる。開放パターン10は、図柄番号「8」による16R特定特別遊技4に移行された場合に適用される開放パターンであり、開放態様変化タイミングが第13ラウンドとなる。開放パターン11は、図柄番号「9」による16R特定特別遊技5に移行された場合に適用される開放パターンであり、開放態様変化タイミングが第12ラウンドとなる。開放パターン12は、図柄番号「10」による16R特定特別遊技6に移行された場合に適用される開放パターンであり、開放態様変化タイミングが第11ラウンドとなる。開放パターン13は、図柄番号「11」による16R特定特別遊技7に移行された場合に適用される開放パターンであり、開放態様変化タイミングが第10ラウンドとなる。このように、開放パターン7〜13については第2大入賞口92の開放効率が異なるため、遊技者としては、より開放効率の高い開放パターンが選ばれることを望むようになる。
図9は、開放パターン判定テーブルを模式的に示す図である。開閉制御手段124は、大入賞口の開放パターンの決定に際してこの開放パターン判定テーブルを参照する。この開放パターン判定テーブルにおいては、特別図柄の図柄番号「0」〜「15」と開放パターン1〜13(図7,8参照)とが対応づけられている。図示のように、第1の遊技および第2の遊技ともに、図柄番号「0」〜「4」に対して開放パターン1〜5がそれぞれ対応づけられ、図柄番号「5」〜「11」に対して開放パターン7〜13がそれぞれ対応づけられ、図柄番号「13」〜「15」に対して開放パターン6が対応づけられている。開閉制御手段124は、各遊技において決定された特別図柄の種類(図柄番号)を用いてその開放パターン判定テーブルを参照し、大入賞口の開放パターンを決定する。開閉制御手段124は、決定された開放パターンにしたがって第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉させる。
次に、本実施例の特徴的構成および動作について詳細に説明する。
本実施例では、特別遊技の実行や確変の終期を契機に演出モードが変更される。図10は、演出全体の概略構成を示す図である。本実施例においては、演出モードとして通常モード、確変モードおよび大当り演出モードが設定されている。通常遊技の大半は通常モードに該当する。この通常モードでは、装飾図柄190による図柄変動演出、その図柄変動演出に付加的に表示される予告演出、演出図柄195によるドラム変動演出などが表示される。予告演出には上述のように、コメント予告,キャラクタ予告,群予告等の通常予告演出のほか、擬似連続変動を利用したSP予告が含まれ、予告演出の種類に応じて大当りとなる期待度が設定されている。
通常モードにおいて大当りが発生すると、その特別遊技への移行とともに大当り演出モードへ移行される。この大当り演出モードにおいては、第1示唆演出および第2示唆演出を含む大当り演出が表示される。「第1示唆演出」は、16R特定特別遊技へ移行された場合に、上述した開放態様変化タイミングを示唆する開放態様変化示唆演出(「単位遊技切替示唆演出」として機能する)として設けられる。一方、「第2示唆演出」は、16R特定特別遊技へ移行された場合に、その特別遊技中の当否抽選値の保留状態に基づき、その保留内に次の大当りがあるか否か、つまり大当りが連続する保留内連荘となるか否かを示唆する保留内連荘示唆演出として設けられる。ただし、この保留内連荘示唆演出は、開放態様変化示唆演出の後に引き続き表示されるものであり、残された表示時間によっては表示されない場合もある。なお、大当り演出としてはこのほか、ドラム変動演出により後半8ラウンドの有無を示唆するラウンドアップ演出等も含まれる。これらの演出の具体的内容については後述する。
特別遊技の終了後には確変モードに移行される。確変モードにおいてはメインキャラクタと敵キャラクタが戦うバトル演出が表示される。このバトル演出は、メインキャラクタの勝利により次の大当りの確定を示唆する演出である。確変モードの継続期間、つまり確変の終期までにメインキャラクタが最終的に勝利できなければ、大当りを獲得できなかったことになる。具体的には、敵キャラクタとしてキャラクタX〜Zが設定されている。キャラクタの強さはX>Y>Zとなっている。このため、最強のキャラクタXが登場するとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、大当り発生への期待度は小さくなる。逆に、最弱のキャラクタZが登場するとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、大当り発生への期待度は大きくなる。また、メインキャラクタが繰り出す攻撃技についても必殺技x,y,zが設定されており、その効果はx<y<zとなっている。このため、相対的に効果の小さい必殺技xが繰り出されるとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、大当り発生への期待度は小さくなる。逆に、相対的に効果の大きい必殺技zが繰り出されるとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、大当り発生への期待度は大きくなる。他にも敵キャラクタの攻撃技や、メインキャラクタがその攻撃を避けられるか否かによって期待度が変わるよう設定されているが、その詳細については説明を省略する。
確変モードに移行されてから確変終期になると、通常モードに戻される。なお、これら通常モード、大当り演出モード、確変モードのいずれにおいてもドラム変動演出が実行されうる。詳細については後述するが、演出図柄195としていずれの停止図柄候補が停止するかに応じて9ラウンド以上の特別遊技の実行可能性(つまり16R特別遊技における後半8ラウンドの実行可能性)が示唆される。
図11は、演出表示装置およびドラム表示装置に表示される演出表示例を表す図である。図11(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。図12は、ドラム表示装置に表示される図柄の構成を示す説明図である。図12(a)〜(d)はその停止図柄組合せ態様の種類を示している。図12(e)は上図柄196の図柄列の構成を模式的に示し、図12(f)は下図柄197の図柄列の構成を模式的に示している。
図11(a)に示すように、演出表示装置60の表示領域194に装飾図柄190が変動表示され、ドラム表示装置66に演出図柄195が変動表示される。演出表示装置60の画面には仮想的な有効ラインLが設定され(一点鎖線参照)、その有効ラインL上に表示される左図柄,中図柄,右図柄からなる装飾図柄190の停止図柄組合せにより当否抽選の結果が示される。ただし、装飾図柄190により示されるのは2R大当り又は小当りの発生事実と8R大当り又は16R大当りの発生事実である。すなわち、「777」や「111」等の3つの図柄が揃った停止図柄組合せが表示されると8R大当り又は16R大当りに当選したことが示され、「357」等の所定の停止図柄組合せが表示されると2R大当り又は小当りに当選したことが示される。しかし、装飾図柄190の停止図柄のみをもって16R大当りの発生有無やその種類を判別することはできない。すなわち、装飾図柄190の変動表示は大当りに関し、演出上、前半8ラウンド以下の特別遊技の確保を示す「大当り1」についての当否抽選表示として位置づけられる。図11(b)には、装飾図柄190が当り図柄組合せにて停止され、「大当り1」が確保されたことを示す画面が例示されている。
演出図柄195は、装飾図柄190とともに変動を開始するが、変動停止タイミングは装飾図柄190と必ずしも一致しない。演出図柄195は、ドラム変動演出として上図柄196と下図柄197とを上下二列で変動させ、その停止図柄組合せにより第9ラウンド以降の実行可能性、つまり16R特別遊技の実行可能性を示唆する。すなわち、図12(e)および(f)に示すように、上図柄196および下図柄197は、それぞれ予め定められた停止図柄候補の配列を有する。上図柄196は、連続する停止図柄候補として、図柄番号0のブランク「★」、図柄番号1の文字「チャ」、図柄番号2の文字「激」、図柄番号3の文字「大」を有する。そして、図柄番号0→1→2→3の順に巡回表示される(図中矢印参照)。
一方、下図柄197は、連続する停止図柄候補として、図柄番号0のブランク「★」、図柄番号1の文字「ンス」、図柄番号2の文字「アツ」、図柄番号3の文字「当り」を有する。そして、図柄番号0→1→2→3の順に巡回表示される(図中矢印参照)。上図柄196と下図柄197は、同期しつつ回転表示され、同じ図柄番号にて停止表示される。このため、演出図柄195の停止図柄組合せの候補は、図12(a)に示すブランク図柄組合せ「★★」、図12(b)に示すチャンス図柄組合せ「チャンス」、図12(c)に示す激アツ図柄組合せ「激アツ」、図12(d)に示す大当り図柄組合せ「大当り」の4種類となる。大当り図柄組合せは後半8ラウンドの当選確定を示す。
すなわち、演出図柄195の変動表示は、演出上、後半8ラウンドの確保を示す「大当り2」についての当否抽選表示として位置づけられる。そして、その大当り2の当選期待度が「大当り」>「激アツ」>「チャンス」>「★★」となるように設定されている。図11(b)には、演出図柄195がブランク図柄組合せにて停止され、「大当り2」が得られなかったことを示す画面が例示されている。一方、図11(c)には、演出図柄195がブランク図柄組合せにて停止され、「大当り2」が確保されたことを示す画面が例示されている。なお、同図に示すように、装飾図柄190の変動停止前に演出図柄195の方が先に停止表示される場合もある。
図13は、ドラム図柄判定テーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、演出図柄195の停止図柄の決定に際してこのドラム図柄判定テーブルを参照する。図13(a)は当否判定結果が外れであった場合に参照されるテーブルであり、図13(b)は当否判定結果が2R大当りまたは小当りであった場合に参照されるテーブルであり、図13(c)は当否判定結果が8R大当りであった場合に参照されるテーブルであり、図13(d)は当否判定結果が16R大当りであった場合に参照されるテーブルである。
各ドラム図柄判定テーブルには、図柄抽選値「0〜255」とドラム停止態様(停止図柄組合せ)との対応関係が定められている。各ドラム停止態様にはドラム停止態様番号が設定される。すなわち、図13(a)に示す通り、当否判定結果が外れである場合には、ブランク図柄組合せ>チャンス図柄組合せ>激アツ図柄組合せの順に選択確率が高く設定されている。大当り図柄組合せは選択対象外とされている。一方、図13(b)に示す通り、当否判定結果が2R大当りまたは小当りである場合には、チャンス図柄組合せ>ブランク図柄組合せ>激アツ図柄組合せの順に選択確率が高く設定されている。大当り図柄組合せは選択対象外とされている。
また、図13(c)に示す通り、当否判定結果が8R大当りである場合には、激アツ図柄組合せ>チャンス図柄組合せ>ブランク図柄組合せの順に選択確率が高く設定されている。大当り図柄組合せは選択対象外とされている。図13(d)に示す通り、当否判定結果が16R大当りである場合には、大当り図柄組合せ>激アツ図柄組合せ>チャンス図柄組合せ>ブランク図柄組合せの順に選択確率が高く設定されている。なお、ドラム停止態様番号として、ブランク図柄組合せには「0」、チャンス図柄組合せには「1」、激アツ図柄組合せには「2」、大当り図柄組合せには「3」が設定され、それぞれ図12(a)〜(d)に対応している。
すなわち、このような図柄抽選値とドラム停止態様との対応関係により、後半8ラウンドの確保を示す「大当り2」の当選期待度が大当り図柄組合せ>激アツ図柄組合せ>チャンス図柄組合せ>ブランク図柄組合せの順に高くなるようにされている。また、図示のように、大当り図柄組合せは16R大当りの場合にしか選択されないため、大当り図柄組合せの停止表示は16R大当りの確定、つまり後半8ラウンドの確保を示すことになる。
図14は、演出表示装置およびドラム表示装置に表示される他の演出表示例を表す図である。図14(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。当否判定結果が16R大当りとなった場合、図14(a)に示すように、大当り1と大当り2の双方が当選したことを示す画面が表示される場合がある。図示の例では、装飾図柄190が当り図柄組合せにて停止されるとともに、演出図柄195が大当り図柄組合せにて停止された様子が示されている。
また、大当り2については通常遊技中に限らず、特別遊技中に示される場合もある。例えば図14(b)に示すように、通常遊技が終了して特別遊技へ移行されてもなお演出図柄195が変動を継続している場合、大当り2が確定していることが示される。図示の例では、特別遊技の第1ラウンドにおいて大当り2の確定が報知されている。さらに、図14(c)に示すように、特別遊技終了後もなお演出図柄195が変動を継続している場合、保留中の抽選結果に大当りが存在する、つまり保留内連荘が確定していることが示される。図示の例では、特別遊技後に確変モードへ移行されたにもかかわらず、依然として演出図柄195が変動を継続しており、保留内連荘が確定したことが報知されている。
図15〜図17は、演出表示装置およびドラム表示装置による図柄変動過程を例示するタイミングチャートである。各図には、上段から装飾図柄190の変動状態、演出図柄195の変動状態、第1大入賞口91の開放状態、第2大入賞口92の開放状態が示されている。各図の横軸は時間の経過を示している。
本実施例では上述のように、装飾図柄190と演出図柄195との変動開始タイミングを基本的に一致させているが、変動停止タイミングについては一致しないパターンが多く設けられる。なお、装飾図柄190の変動開始および停止タイミングは、第1特別図柄192または第2特別図柄193のそれと一致する。
具体的には、図15(a)に示すように、装飾図柄190によるリーチ演出が開始される前に演出図柄195が停止される場合もあれば、図15(b)に示すように、装飾図柄190によるリーチ演出が開始された後、そのリーチ演出が終了する前に演出図柄195が停止される場合もある。また、図16(a)に示すように、装飾図柄190によるリーチ演出が終了した後のその図柄組合せが確定的に停止する前、つまり、装飾図柄190がいわゆる揺れ変動を行っている間に演出図柄195が停止される場合もある。さらに、図16(b)に示すように、装飾図柄190が停止表示され、特別遊技へ移行された後に演出図柄195が停止される場合もある。本実施例では、このように装飾図柄190の図柄変動演出の進行度合いに対して演出図柄195がどのタイミングで停止されるかに応じて大当り2の可能性(当り期待度)が異なるよう演出図柄195の変動停止タイミングが設定される。
すなわち、本実施例では、演出図柄195の停止タイミングについて、特別遊技移行後の停止(図16(b))>リーチ演出後かつ装飾図柄停止前の停止(図16(a))>リーチ演出開始後かつリーチ演出終了前の停止(図15(b))>リーチ演出開始前の停止(図15(a))の順に大当り2の当り期待度が高くなるように設定される。なお、特別遊技移行後の停止(図16(b))は大当り2の確定報知となる。また、図17に例外的なパターンを示すように、演出図柄195が特別遊技後かつ次の装飾図柄190の変動中に停止する場合もあり、その場合は保留内連荘の確定報知となる。
図18は、ドラム変動パターンテーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、演出図柄195の停止タイミングの決定に際してこのドラム変動パターンテーブルを参照する。図18(a)はドラム停止態様番号(図13参照)が「0」である場合に参照されるテーブルであり、図18(b)はドラム停止態様番号が「1」である場合に参照されるテーブルであり、図18(c)はドラム停止態様番号が「2」である場合に参照されるテーブルであり、図18(d)はドラム停止態様番号が「3」である場合に参照されるテーブルである。
各ドラム変動パターンテーブルには、パターン抽選値「0〜255」とドラム停止タイミングとの対応関係が定められている。ドラム停止タイミングとしては、「リーチ演出開始前」、「リーチ演出開始後かつリーチ演出終了前」、「リーチ演出後かつ装飾図柄停止前」、「特別遊技中」の4つのタイミングが設けられている。そして、ドラム停止態様番号が「0」、つまりブランク図柄組合せが決定されている場合には、「リーチ演出開始前」のパターンのみが選択対象とされている。一方、ドラム停止態様番号が「1」、つまりチャンス図柄組合せが決定されている場合には、「リーチ演出開始前」および「リーチ演出開始後かつリーチ演出終了前」の2つのパターンが選択対象とされている。
また、ドラム停止態様番号が「2」、つまり激アツ図柄組合せが決定されている場合には、「リーチ演出開始前」,「リーチ演出開始後かつリーチ演出終了前」および「リーチ演出後かつ装飾図柄停止前」の3つのパターンが選択対象とされているが、「リーチ演出後かつ装飾図柄停止前」のパターンの選択確率が相対的に高く設定されている。ドラム停止態様番号が「3」、つまり大当り図柄組合せが決定されている場合には、「リーチ演出開始前」,「リーチ演出開始後かつリーチ演出終了前」,「リーチ演出後かつ装飾図柄停止前」および「特別遊技中」の4つのパターンが選択対象とされている。この「特別遊技中」のパターンは大当り図柄組合せに対してのみ設けられており、大当り2の確定を示すものとされている。以上のようなドラム停止態様とドラム停止タイミングとの対応関係は、個々のドラム停止タイミングの当り期待度と整合している。
図19は、ドラム表示装置による他の図柄変動過程を例示するタイミングチャートである。同図には、上段から装飾図柄190の変動状態、演出図柄195の変動状態、第1大入賞口91の開放状態、第2大入賞口92の開放状態が示されている。各図の横軸は時間の経過を示している。
本実施例では、所定条件のもと、特別遊技中のドラム表示装置66による演出として、第7および第8ラウンドにおいて、第9ラウンド以降(つまり後半8ラウンド)が実行されるか否かを示唆するラウンドアップ演出が実行される。すなわち図示のように、第7ラウンドから演出図柄195の変動表示が開始され、基本的には第8ラウンドにおいて停止し、その停止図柄組合せにより大当り2の当否が確定的に報知される。このラウンドアップ演出では、図12(a)に示したブランク図柄組合せ又は図12(d)に示す大当り図柄組合せのいずれか一方が停止され、前者の停止であれば外れ確定が示され、後者の停止であれば大当り2の確定が示される。なお、このラウンドアップ演出は、特別遊技中に演出図柄195の変動が開始される点で、図16(b)や図17に示された図柄変動演出とは異なる。
また、特別遊技の開始後、その第8ラウンドにてラウンドアップ演出の結果が確定表示される前に当否抽選結果として次の大当りが保留され、保留内連荘が確定した場合には、第8ラウンドにて演出図柄195を停止させることなく、第9ラウンド以降の所定のタイミングにて停止させる(図中破線参照)。これにより、ラウンドアップ演出にて演出図柄195が停止しない場合には保留内連荘確定であることが遊技者に示される。なお、図示の例では、特別遊技中に演出図柄195の変動を停止して保留内連荘確定を報知しているが、変形例においては特別遊技終了後もその変動を継続することにより保留内連荘を報知するようにしてもよい。
図20〜図23は、特別遊技の後半以降において表示される大当り演出の画面例を表す図である。図20は開放態様変化示唆演出を示し、図21〜図23は保留内連荘示唆演出を示している。各図の(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。図24は、大当り演出の表示制御を示すタイミングチャートである。同図には、上段から装飾図柄190の変動状態、演出図柄195の変動状態、第1大入賞口91の開放状態、第2大入賞口92の開放状態、大当り演出状態が示されている。横軸は時間の経過を示している。
すなわち、既に説明したように、本実施例において当否抽選の結果が16R特定大当りとなった場合、後半8ラウンドの実行過程で第2大入賞口92の開放態様が低効率開放から高効率開放に切り替えられる。その開放態様変化タイミングは、16R大当り1〜7のいずれが当選したかに応じて変わるが、そのタイミングが早期に訪れたほうが遊技者に相対的に有利となる。そこで、開放態様変化示唆演出においてその開放態様変化タイミングを示唆する。
具体的には図20に示すように、開放態様変化示唆演出として、敵キャラクタの一群を倒すバトル演出が表示される。敵キャラクタを一体倒すごとにアイテムとしてのチャンスボールが1球獲得できる。3球集めることに成功すると、第2大入賞口92の開放態様が低効率開放から高効率開放へ変化するものである。図20(a)には、演出図柄195が大当り図柄組合せで停止されることにより後半8ラウンドが確定した後、第9ラウンドに突入し、敵キャラクタ群が表示されるとともに、「アタッカーを狙って敵を倒せ!」という文字列が表示され、第2大入賞口92への入球が促されている。これに応じて遊技者が第2大入賞口92への入球を継続させると、設定されたタイミングで敵キャラクタが一体倒れる。
図20(b)には、第10ラウンドにおいて、敵キャラクタが一体倒れるとともに、チャンスボールが1球獲得できた場面が示されている。図20(c)には、第12ラウンドにおいて、3体目の敵キャラクタが倒れるとともに3球目のチャンスボール獲得に成功し、「フルオープン!」の文字列が表示されている。このようになると、図24に時間t8以降として示されるように、次ラウンド以降(図示の例では第13ラウンド以降)に第2大入賞口92が1ラウンドあたり1回開放の高効率開放とされ、遊技者に有利となる。なお、実際には16R大当りの種類が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開となる。図示の例は、16R大当り4となり、開放パターン10(図8参照)が選択された場合の演出パターンということになる。
そして、その開放態様変化示唆演出が終了したことを条件に、残余のラウンドにて引き続き保留内連荘示唆演出が表示される。この保留内連荘示唆演出は、特別遊技中に保留された当否抽選値の中に次の大当りとなるものがあるか否か、つまり保留内連荘となるか否かを示唆する演出であり、開放態様変化示唆演出の終了後に残る敵キャラクタの殲滅を目標とするものである。図21(a)には、第13ラウンドにおいて、残余の敵キャラクタが表示されるとともに、「アタッカーを狙って敵を殲滅せよ!」という文字列が表示され、第2大入賞口92への入球が促されている。これに応じて遊技者が第2大入賞口92への入球を継続させると、設定されたタイミングで敵キャラクタが順次倒れる。図21(b)には、第16ラウンドにて敵キャラクタの殲滅に成功し、保留内連荘の確定報知がなされている画面が例示されている。図21(c)には、第16ラウンドにて敵キャラクタの殲滅に失敗し、保留内連荘がない旨を示唆する画面が例示されている。
本実施例では、また、特別遊技の終了までに当否抽選値の保留数が上限値(保留上限数)に達する可能性が高いものの、その保留上限数に達しない場合もあることを考慮し、特別遊技終了後に確変モードへ移行しても、その保留上限数に対応する図柄変動の期間は例外的に保留内連荘示唆演出を継続する。なお、ここでいう「保留上限数」は、第1の遊技の保留上限数と第2の遊技の保留上限数とを加算したものであり、本実施例では「8」となる。すなわち、特別図柄の図柄変動8回分の期間を限定期間とし、保留内連荘示唆演出が継続される。
図22(a)には、確変モードへ移行された後の1回目の図柄変動において、「チャンスタイム!」の文字列が表示され、残余の敵キャラクタが表示されるとともに、カウントダウンの表示がなされる画面が例示されている。図22(b)には、限定期間の残り回数が5回、つまり確変モードへ移行された後の4回目の図柄変動において、敵キャラクタの殲滅に成功し、連荘確定報知がなされる画面が例示されている。すなわち、特別遊技の終了までに当否抽選値の保留数が保留上限数に達しない場合、特別遊技後に保留された当否抽選値も含めて保留上限数内に次の大当りを示すものがあるか否かが判定される。なお、変形例においては、第2の特別遊技の開始直前までに当否抽選値の保留数が保留上限数に達しない場合、第2の特別遊技の開始時に保留中の当否抽選値に基づいてその第2の特別遊技中に表示させる保留内連荘示唆演出の内容を決定し、第2の特別遊技の開始後に保留された当否抽選値に基づいて限定期間における保留内連荘示唆演出の内容を決定してもよい。あるいは、例えば開放態様変化タイミングなど第2の特別遊技中の所定タイミングまでに当否抽選値の保留数が保留上限数に達しない場合、その所定タイミングまでに保留中の当否抽選値に基づいてその第2の特別遊技中に表示させる保留内連荘示唆演出の内容を決定し、その所定タイミングの後に保留された当否抽選値に基づいて限定期間における保留内連荘示唆演出の内容を決定してもよい。
このとき、次の大当りがあれば、該当する保留の図柄変動のタイミングで成功演出が表示され、保留内連荘が報知される。次の大当りがなければ、限定期間の最後の図柄変動とともに失敗演出が表示され、保留内連荘がないことが報知される。図22(c)には、限定期間の最終回、つまり確変モードへ移行された後の8回目の図柄変動において、敵キャラクタの殲滅に失敗し、保留内連荘がない旨を示唆する画面が例示されている。なお、この限定期間については特別図柄の変動パターンとして変動時間が短い超短縮変動パターンが限定的に選択される。すなわち、図24に時間t9以降として示されるように、短変動が繰り返される。それにより、保留内連荘が確実でない期間において演出そのものに間延びを持たせないようにしている。
なお、特別遊技の終了までに当否抽選値の保留数が既に保留上限数に達しており、保留内連荘示唆演出にて保留内連荘が確定報知された後(つまり、図21(b)の表示がなされた後)にも限定期間に移行されることになるが、その場合には図23(a)に示すように、「殲滅成功!」の成功画面を表示し続けることで無駄な演出表示をさせないようにする。また、同様に当否抽選値の保留数が既に保留上限数に達しており、保留内連荘示唆演出にて保留内連荘がない旨が示唆された後(つまり、図21(c)の表示がなされた後)にも限定期間に移行されることになるが、その場合には図23(b)に示すように、「殲滅失敗」の失敗画面を表示し続けることで遊技者の期待感を不要に高めることがないようにする。なお、図23に示すような固定画面が表示されたとしても、超短縮変動パターンの選択によりその表示期間が短く設定されているため、遊技者に格別違和感を与えることはない。
図25は、開放態様変化示唆演出と保留内連荘示唆演出とを組み合わせる特別演出パターンを選択するための演出パターンテーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて開放態様変化示唆演出および保留内連荘示唆演出の実行有無と、実行する場合の演出内容を決定するが、その決定に際してこの演出パターンテーブルを参照する。この演出パターンテーブルには、メイン基板102から送られる当否抽選の結果を示す情報および図柄情報(図柄番号)と、各示唆演出との対応関係が定められている。
具体的には図示のように、16R特定大当り1,2に対してそれぞれ開放態様変化示唆演出A,Bが対応付けられるが、これらには保留内連荘示唆演出は対応付けられていない。図8に示したように、これらの16R特定大当りは開放態様変化タイミングが遅いために開放態様変化示唆演出の表示時間が長く、残余の時間で保留内連荘示唆演出を表示させることが難しいためである。一方、16R特定大当り3〜7については、開放態様変化示唆演出C〜Gが対応付けられているところ、開放態様変化タイミングが比較的早期に訪れるため、開放態様変化示唆演出の表示後に十分な表示時間を確保できる。このため、開放態様変化示唆演出c〜gがそれぞれ対応付けられる。なお、開放態様変化示唆演出A〜Gは、それぞれ開放態様変化タイミングが異なる演出である。開放態様変化示唆演出c1〜g1等の添え字「1」は、保留内連荘があり、成功演出を表示させる演出パターンが選択されることを示す。開放態様変化示唆演出c2〜g2等の添え字「2」は、保留内連荘がなく、失敗演出を表示させる演出パターンが選択されることを示す。なお、本実施例ではこのように、16R特定大当りのうち特定の種類(16R特定大当り1,2)について保留内連荘の確定報知を行わない構成としたが、このような大当りの種類にかかわらず、保留内連荘示唆演出を表示させるのに十分な時間があるか否かに応じて、その表示有無を決定してもよい。開放態様変化示唆演出に時間(ラウンド)を取られれば取られるほど(つまり、高効率開放への切り替わりが遅いほど)、保留内連荘の確定報知度合いが低減するようにすればよい。
次に、通常モードにおいて表示対象となるSP予告演出について詳細に説明する。
本実施例では上述のように、通常モードにおける比較的当り期待度の高い予告演出としてSP予告演出(「特定演出」に対応する)が含まれる。このSP予告演出は、装飾図柄190の擬似連続変動演出とともに表示される。ここで、「擬似連続変動演出」は、装飾図柄190の1回の変動時間(つまり特別図柄の変動時間)において擬似的に複数回の図柄変動が含まれるようにみせる演出である。SP予告演出は、この擬似連続変動演出ごとに敵キャラクタを登場させ、味方キャラクタと対戦させるSPバトルを表示させる。味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると、上述した「大当り1」を獲得することができる。このSP予告演出において味方キャラクタが勝利できる期待度(大当り期待度)は、SPバトルの種類(対戦相手となる敵キャラクタの種類)や、その対戦終盤に割り込むカットイン(「付加演出」に対応する)の種類により異なる傾向となる。このため、遊技者は、いずれの敵キャラクタが出現するか、いずれのカットインが出現するか等によって期待感が煽られるようになる。
図26は、SP予告演出として表示されるSPバトルの種類と敵キャラクタとの関係を模式的に示す説明図である。図27は、SP予告演出において表示されるSPバトルの種類と、カットインの種類および属性との関係を模式的に示す説明図である。
図26に示すように、本実施例ではSPバトルα,β,γの3種類が設けられる。SPバトルαにおける対戦相手は敵キャラクタAであり、SPバトルβにおける対戦相手は敵キャラクタBであり、SPバトルγにおける対戦相手は敵キャラクタCである。大当り期待度は、傾向としてSPバトルα<SPバトルβ<SPバトルγの順に高期待度となるよう設定されているが、カットインとの組み合わせによっても期待度は異なる。
一方、図27に示すように、カットイン予告として、SPバトルαには剣のカットイン、SPバトルβには盾のカットイン、SPバトルγには鎧のカットインが設定されている。各カットインにはそれぞれ属性として色が異なる複数のカットインが含まれる。すなわち、「金」,「赤」,「緑」の属性が設定され、その大当り期待度は金>赤>緑の順に高期待度となるよう設定されている。したがって、遊技者は、各SPバトルにおいて金色のカットインが表示されると、大当り期待度が高いと認識することができる。
図28〜図30は、SP予告演出の画面例を表す図である。各図の(a)〜(h)はその演出過程の一部を例示している。図28には、SP予告演出の過程でカットインの属性が変化する例が示されている。図28(a)に示すように、SP予告演出が開始されると、装飾図柄190が画面隅に小さく変動表示され、SPバトル開始の表示がなされる。図示の例では、SPバトルαの開始であることを示すとともに、対戦相手として敵キャラクタAが表示されている。そして、ある程度戦いが進行すると、図28(b)に示すように操作ボタン82のマークが表示されてその操作が促される。これに応じて遊技者が操作ボタン82を操作すると、図28(c)に示すようにカットインが表示される。図示の例では、相対的に大当り期待度の低い緑色のカットインが表示されている。通常であれば、その後に装飾図柄190が停止表示されるとともに勝敗が表示される。
しかし、この例ではその勝敗が表示される前に、図28(d)に示すように、シャッターにて画面が一旦閉じられる演出がなされ、そのシャッターが開かれるとともにSPバトルが振り出しに戻されている。図28(e)には、SPバトルαが再開される例が示されている。ただし、SPバトルの再開時には図示のように、演出表示装置60の表示領域194の左上に補助画面198が表示され、その中に前回のSPバトルが相対的に小さく表示される。すなわち、補助画面198には前回の対戦の開始時に巻き戻された態様で再度表示が開始され、今回の対戦と前回の対戦とが同時並行的に表示される。これにより、遊技者は、今回の対戦と前回の対戦とを比較してその変化をみることにより、前回よりも状況が好転しているか否かを把握することができる。図28(f)には、演出の再生が進んでカットインが表示されるタイミングが示されているが、前回のカットインが緑色であったのに対し、今回のカットインは赤色に変化していることから、大当り期待度が高くなったと認識することができる。このとき、SPバトルの表示契機となった当否抽選結果が大当りである場合には、図28(g)に示すように、その後に味方キャラクタが勝利し、大当り1が確定表示される。一方、SPバトルの表示契機となった当否抽選結果が外れである場合には、図28(h)に示すように、その後に味方キャラクタが敗北し、外れが示唆される。
図29には、SP予告演出の過程でSPバトルの種類が変化する例が示されている。すなわち、図29(a)に示すようにSP予告演出が開始され、図29(b)に示す操作要求にしたがって操作ボタン82が操作された後、図29(c)に示すようにカットインが表示されないまま、図29(d)に示すようにシャッターが閉じられている。そして、図29(e)に示すように、シャッターが開くとともにSPバトルが再開されている。この場合も今回の対戦と前回の対戦とが同時並行的に表示されるが、図示の例では、今回のSPバトルがSPバトルβとなっており、前回のSPバトルαから変化している。これにより、遊技者は、大当り期待度が高くなったと認識することができる。このとき、SPバトルの表示契機となった当否抽選結果が大当りである場合には、図29(g)に示すように、その後に味方キャラクタが勝利し、大当り1が確定表示される。一方、SPバトルの表示契機となった当否抽選結果が外れである場合には、図29(h)に示すように、その後に味方キャラクタが敗北し、外れが示唆される。なお、本実施例では図29(f)に示すように、SPバトルβにおいてもカットインが表示されない例を示したが、少なくともSPバトルの最終段階ではカットインを表示させて大当り期待度を煽るようにしてもよい。
図30には、SP予告演出の過程で遊技者の操作入力がなされなかった場合の演出例が示されている。図30(b)に示すように、SPバトルにおいて操作ボタン82の操作要求がなされたにもかかわらず、遊技者がその操作入力を怠った場合、図30(c)に示すように、カットインが表示されないまま味方キャラクタが敗北し、外れを示唆する演出が表示される。このとき、装飾図柄190を完全には停止させずに揺れ変動させるが、SPバトルの表示契機となった当否抽選結果が外れである場合には、装飾図柄190をそのまま確定的に停止表示させる。一方、SPバトルの表示契機となった当否抽選結果が大当りである場合には、装飾図柄190が揺れ変動した状態から図30(d)に示すようにシャッターが閉じられる。そして、図30(e)に示すように、シャッターが開くとともにSPバトルが再開される。この場合も今回の対戦と前回の対戦とが同時並行的に表示される。そして、図30(f)に示すように、その後に味方キャラクタが勝利し、大当り1が確定表示される。なお、本実施例では図示のように、遊技者の操作入力がない場合に図28,図29のいずれに示したパターンでもない代替演出を表示させるようにしたが、例えば、図29と同様のパターンを表示させてもよい。すなわち、カットインが表示されないままシャッターが閉じられ、そのシャッターが開くとともに大当り期待度が高く変化したSPバトルを表示させてもよい。その場合も、少なくともSPバトルの最終段階ではカットインを表示させて大当り期待度を煽るようにしてもよい。
図31は、SP予告演出が表示される場合の変動演出過程を示すタイミングチャートである。なお、同図においては、装飾図柄190の変動について、当否抽選の結果を表示する単位となる本来の変動を「本変動」と表記し、その本変動の変動過程で擬似的な停止表示を伴う擬似連続変動の単位となる変動(「個別変動」ともいう)を「仮変動」と表記している。また、擬似連続変動を「擬似連」と略表記している。
本実施例では図示のように、メイン基板102側で擬似連続変動パターンが選択されると、サブ基板104側では擬似連続変動演出パターンが選択され、その擬似連続変動演出の仮変動ごとにSPバトルがなされるSP予告演出が表示される。ただし、決定された擬似連続変動演出パターンに応じてその仮変動の回数も異なるため、SPバトルの再生回数も異なる。同図には、SPバトルが仮変動の1変動目まで表示されるものを特殊予告演出1、2変動目まで表示されるものを特殊予告演出2、3変動目まで表示されるものを特殊予告演出3として示しており、それぞれ擬似連続変動1、擬似連続変動2、擬似連続変動3の変動パターンに対応している。各仮変動の期間(時刻t1からt2,t2からt3,t3からt4)は約20秒とされている。なお、特殊予告演出1における仮変動1回は、例外的に本変動1回に相当する。
図示のように、各仮変動の終盤近傍にて操作ボタン82の操作入力要求が表示される。そして、仮変動が2変動以上行われる特殊予告演出2,3については、上述した補助画面198が表示され、今回のSPバトルと前回のSPバトルとが同時並行的に表示される。すなわち、1変動目のSPバトル1が表示された後に2変動目のSPバトル2が表示される場合、前回(1変動目)のSPバトル1が補助画面198に表示される(矢印参照)。同様に、2変動目のSPバトル2が表示された後に3変動目のSPバトル3が表示される場合、前回(2変動目)のSPバトル2が補助画面198に表示される。
図32は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン判定において本図の変動パターンテーブル(「通常変動パターンテーブル」ともいう)を参照する。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図32(a)に示されるテーブルを参照し、16R大当りまたは8R大当りのときは図32(b)に示されるテーブルを参照し、2R大当りまたは小当りのときは図32(c)に示されるテーブルを参照する。
図32(a)に示す外れ用の変動パターンテーブルおいては、パターン抽選値0〜7に「スーパー1」、パターン抽選値8〜10に「スーパー2」、パターン抽選値11〜20に「スーパー3」、パターン抽選値21〜27に「スーパー4」、パターン抽選値28〜30に「スーパー5」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられている。このうち、スーパー3は「擬似連続変動1」、スーパー4は「擬似連続変動2」、スーパー5は「擬似連続変動3」という擬似連続変動パターンに該当する。パターン抽選値31〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。なお、図32(a)の変動パターンテーブルは、厳密には保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、その詳細については後述する。各変動パターンには、図示のように変動パターン番号「0」〜「7」が対応付けられている。
図32(b)に示す16R大当り又は8R大当り用の変動パターンテーブルおいては、パターン抽選値0〜25に「スーパー1」、パターン抽選値26〜60に「スーパー2」、パターン抽選値61〜110に「スーパー3」、パターン抽選値111〜170に「スーパー4」、パターン抽選値171〜240に「スーパー5」の変動パターンが対応付けられている。このうち、スーパー3が「擬似連続変動1」、スーパー4が「擬似連続変動2」、スーパー5が「擬似連続変動3」にそれぞれ該当するのは上述の通りである。パターン抽選値241〜245には「ノーマル1」の変動パターンが対応付けられ、パターン抽選値246〜255には「ノーマル2」の変動パターンが対応付けられている。各変動パターンには、図示のように変動パターン番号「8」〜「14」が対応付けられている。
図32(c)に示す2R大当り又は小当り用の変動パターンテーブルおいては、パターン抽選値0〜120に「スーパー6」、パターン抽選値121〜135に「スーパー3」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられている。このうち、スーパー3が「擬似連続変動1」に該当するのは上述の通りである。パターン抽選値136〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチの変動パターンが対応付けられている。各変動パターンには、図示のように変動パターン番号「15」〜「17」が対応付けられている。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定すると、対応する変動パターン番号を演出決定手段132に送信する。演出決定手段132は、受信した変動パターン番号に基づき、対応する変動演出パターンを決定する。
図33は、図32(a)の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブルにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に8種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0〜7のパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が8〜10のパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第3範囲226には、抽選値が11〜20のパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー3」というスーパーリーチ(擬似連続変動パターン)が対応付けられる。第4範囲228には、抽選値が21〜27のパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー4」というスーパーリーチ(擬似連続変動パターン)が対応付けられる。第5範囲230には、抽選値が28〜30のパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー5」というスーパーリーチ(擬似連続変動パターン)が対応付けられる。このように、抽選値が0〜7のパターン抽選値、抽選値が8〜10のパターン抽選値、抽選値が11〜20のパターン抽選値、抽選値が21〜27のパターン抽選値、抽選値が28〜30のパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第6範囲232には、抽選値が21〜255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
図34は、限定期間において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、限定期間における変動パターン判定において本図の変動パターンテーブル(「特殊変動パターンテーブル」ともいう)を参照する。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図34(a)に示されるテーブルを参照し、16R大当りまたは8R大当りのときは図34(b)に示されるテーブルを参照し、2R大当りまたは小当りのときは図34(c)に示されるテーブルを参照する。既に述べたように、特別遊技終了後の限定期間、つまり特別図柄の図柄変動が保留上限数分(本実施例では8回)なされる期間は、保留内連荘示唆演出を効率よく継続するために、当否抽選の結果にかかわらず超短縮変動パターンが選択される。本実施例では、その超短縮変動パターンの変動時間を3秒程度に設定している。
図35は、通常モードにおいて参照される予告演出選択基準設定テーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、決定された変動パターンに応じて図示の予告演出選択基準設定テーブルを参照し、予告演出を決定するために参照する予告演出パターンテーブルを決定する。この予告演出選択基準設定テーブルには、変動パターン番号(図32参照)と予告演出パターンテーブルとの対応関係が定められている。すなわち、変動パターン番号0,1,5〜7には、予告演出パターンテーブルhが対応付けられている。変動パターン番号2〜4には、予告演出パターンテーブルa〜cがそれぞれ対応付けられている。変動パターン番号8,9,13〜15には、予告演出パターンテーブルiが対応付けられている。変動パターン番号10〜12には、予告演出パターンテーブルd〜fがそれぞれ対応付けられている。変動パターン番号16には、予告演出パターンテーブルgが対応付けられている。なお、変動パターン番号17には、予告演出パターンテーブルは対応付けられていない。すなわち、変動パターンとして「ノーマル3」が選択された場合には、予告演出はなされない。
図36は、各予告演出パターンテーブルを模式的に示す図である。図36(a)〜(i)は、それぞれ予告演出パターンテーブルa〜iを示す。演出決定手段132は、決定された予告演出パターンテーブルを参照して予告演出パターンを選択する。各図に示すように、各予告演出パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜255」に対してSP予告演出の種類とカットインの種類が対応付けられている。予告演出パターンテーブルa〜gがSP予告演出に対応し、予告演出パターンテーブルh,iが通常予告演出に対応している。
予告演出パターンテーブルa〜gのいずれもSPバトルα,β,γを選択対象とし、各SPバトルについて対応するカットインを選択対象とする。カットインの種類はSPバトルの種類に応じて異なるが、基本的に「金」,「赤」,「緑」の3種類の属性を有する。一方、予告演出パターンテーブルによってSPバトル1〜3のいずれの段階まで発展するか(図31参照)、つまりSPバトルの再生回数(個別変動演出の回数=擬似連続変動の回数)が異なる。同図の括弧内のSPバトル1,2,3は、SPバトルがそれぞれSPバトル1,2,3まで発展することを示している。また、同図におけるSPバトルα,β,γは、最後の段階で表示されるSPバトルの種類を示すが、特に示さない限り、SPバトルの段階が進んでも図示の種類のみが表示されることを示す。一方、SPバトルβとなる特定の抽選値範囲に(α→β)とあるのは、段階を経ることによりSPバトルαからSPバトルβに発展するものであることを示す。同様に、SPバトルγとなる特定の抽選値範囲に(β→γ)とあるのは、段階を経ることによりSPバトルβからSPバトルγに発展するものであることを示す。また、図示のカットインについては、各SPバトルにおいてカットインが表示されるか否か、および表示される場合の属性とその変化が示されている。「緑→赤」とあるのは、段階を経ることによりカットインの属性が緑から赤に発展するものであることを示す。「赤→金」とあるのは、段階を経ることによりカットインの属性が赤から金に発展するものであることを示す。なお、説明の便宜上、同図にはパターン構成の一例が示されているが、実際にはSPバトルの種類や変化、カットインの種類や変化がより細分化されたものとなる。
具体的には、予告演出パターンテーブルaは、当否判定結果が外れの場合のスーパー3(擬似連続変動1)に対応し、擬似連続変動を1回利用してSPバトル1までが表示される演出パターンを選択対象とする。予告演出パターンテーブルbは、当否判定結果が外れの場合のスーパー4(擬似連続変動2)に対応し、擬似連続変動を2回利用してSPバトル2までが表示される演出パターンを選択対象とする。予告演出パターンテーブルcは、当否判定結果が外れの場合のスーパー5(擬似連続変動3)に対応し、擬似連続変動を3回利用してSPバトル3までが表示される演出パターンを選択対象とする。これらのテーブルは、当否判定結果が外れの場合に対応するため、大当り期待度の低いSPバトルαが選択されやすく、また大当り期待度の低い緑色のカットインが選択されやすい傾向となっている。
また、予告演出パターンテーブルbには、SPバトルα,βとして、SPバトル1から2へ切り替わることにより、カットインが緑色から赤色へ変化する演出パターンが含まれる。なお、図中「金」,「赤」,「緑」のいずれかのみが示されるパターンは、本実施例ではカットインとしてその属性が1回のみ表示されるものであるが、変形例においては、SPバトルの段階ごとに同じ属性が表示されるものとしてもよい(以下同様)。予告演出パターンテーブルbには、また、SPバトルγとして、SPバトル1から2へ切り替わることにより、カットインが赤色から金色へ変化する演出パターンが含まれる。さらに、SPバトル1から2へ切り替わることにより、SPバトルαからβへ変化する演出パターンが含まれる。予告演出パターンテーブルcにも、SPバトルα,βとして、SPバトル1から2へ切り替わることにより、カットインが緑色から赤色へ変化する演出パターンが含まれる。なお、SPバトルα,βとして、SPバトル2から3へ切り替わることにより、カットインが緑色から赤色へ変化するものであってもよい。また、SPバトル1から2へ切り替わることにより、SPバトルβからγへ変化する演出パターンが含まれる。なお、SPバトル2から3へ切り替わることにより、SPバトルβからγへ変化するものであってもよい。
予告演出パターンテーブルdは、当否判定結果が16R大当り又は8R大当りの場合のスーパー3(擬似連続変動1)に対応し、擬似連続変動を1回利用してSPバトル1までが表示される演出パターンを選択対象とする。予告演出パターンテーブルeは、当否判定結果が16R大当り又は8R大当りの場合のスーパー4(擬似連続変動2)に対応し、擬似連続変動を2回利用してSPバトル2までが表示される演出パターンを選択対象とする。予告演出パターンテーブルfは、当否判定結果が16R大当り又は8R大当りの場合のスーパー5(擬似連続変動3)に対応し、擬似連続変動を3回利用してSPバトル3までが表示される演出パターンを選択対象とする。これらのテーブルは、当否判定結果が16R大当り又は8R大当りの場合に対応するため、大当り期待度の高いSPバトルγが選択されやすく、また大当り期待度の高い金色のカットインが選択されやすい傾向となっている。
また、予告演出パターンテーブルeには、予告演出パターンテーブルbと同様に、SPバトルα,βとして、SPバトル1から2へ切り替わることにより、カットインが緑色から赤色へ変化する演出パターンが含まれる。また、SPバトルγとして、SPバトル1から2へ切り替わることにより、カットインが赤色から金色へ変化する演出パターンが含まれる。さらに、SPバトル1から2へ切り替わることにより、SPバトルαからβへ変化する演出パターンが含まれる。予告演出パターンテーブルfには、予告演出パターンテーブルcと同様に、SPバトルα,βとして、SPバトル1から2へ切り替わることにより、カットインが緑色から赤色へ変化する演出パターンが含まれる。なお、SPバトルα,βとして、SPバトル2から3へ切り替わることにより、カットインが緑色から赤色へ変化するものであってもよい。また、SPバトル1から2へ切り替わることにより、SPバトルβからγへ変化する演出パターンが含まれる。なお、SPバトル2から3へ切り替わることにより、SPバトルβからγへ変化するものであってもよい。
なお、本実施例では、SP予告演出の開始に先立って同図の予告演出パターンテーブルa〜gを参照して演出パターンを決定する例を示したが、例えば遊技者による操作ボタン82の操作有無に基づいて参照先のテーブルを切り替えるようにしてもよい。すなわち、SP予告演出の表示過程で適宜予告演出パターンテーブルを参照するようにしてもよい。例えば、操作ボタン82の操作がなされない場合に、カットインが表示されない(図中「−」の表記された)演出パターンを選択するようにしてもよい。ただし、遊技者の期待感を持続する観点から、SPバトルの種類およびカットインの種類がSPバトルの段階ごとに成り下がらない設定とするのが好ましい。
予告演出パターンテーブルgは、当否判定結果が2R大当り又は小当りの場合のスーパー3(擬似連続変動1)に対応し、擬似連続変動を1回利用してSPバトル1までが表示される演出パターンを選択対象とする。このテーブルは、当否判定結果が2R大当り又は小当りの場合に対応するため、大当り期待度が高くはないSPバトルα,βが選択されやすく、また大当り期待度が高くはない緑色,赤色のカットインが選択されやすい傾向となっている。
予告演出パターンテーブルhは、当否判定結果が外れの場合のノーマル1,ノーマル2,リーチなしに対応し、コメント予告,キャラクタ予告,群予告等の通常予告の演出パターンを選択対象とする。また、予告演出パターンテーブルhによれば、予告演出そのものが行われない場合もある。
予告演出パターンテーブルiは、当否判定結果が大当り又は小当りの場合のスーパー1,スーパー2,ノーマル1,ノーマル2,スーパー6に対応し、コメント予告,キャラクタ予告,群予告等の通常予告の演出パターンを選択対象とする。また、予告演出パターンテーブルiは、予告演出パターンテーブルhと比較して、大当り期待度が相対的に高い予告演出が選択され易い傾向となっている。
図37は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、先読み処理を実行する(S11)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図38は、図37におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。入球判定手段110は、始動口(第1始動口62または第2始動口63)への入球が検出されると(S200のY)、その始動口に対応する規定賞球数をセットする(S202)。そして、当否抽選値を取得し(S204)、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が保留上限数未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S206のY)、事前判定処理を実行し(S208)、その当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S210)。S206において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は(S206のN)、S208およびS210の処理をスキップする。S200において入球検出がない場合には(S200のN)、S202からS210の処理をスキップする。
作動口68に入球があった場合(S212のY)、普図抽選値を取得し(S214)、保留制御手段116による普図抽選値の保留数が保留上限数未満であるか参照してさらに保留可能な状態であれば(S216のY)、その普図抽選値を保留制御手段116に保留する(S220)。S216において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合には(S216のN)、S220の処理をスキップする。S212において作動口68への入球がない場合は(S212のN)、S214からS220までの処理をスキップする。一般入賞口72に入球があった場合(S222のY)、一般入賞口72に対応する規定賞球数をセットする(S224)。一般入賞口72への入球がないときは(S222のN)、S224の処理をスキップする。
大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)に入球があった場合(S226のY)、大入賞口に対応する規定賞球数をセットする(S228)。大入賞口への入球がないときは(S226のN)、S228の処理をスキップする。
図39は、図38におけるS208の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S230)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S232)、図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S234)、その判定結果として図柄番号を示す値を設定する(S236)。このように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S238)。なお、本実施例では変動パターンの先読み処理については行わないが、同様に事前判定処理を行い、その変動パターンを示す情報を演出決定手段132へ送信するようにしてもよい。
図40は、図37におけるS11の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出を実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、事前判定処理の結果に基づき、特定の期間に大当りが連続的に発生すると判定される場合に、保留内連荘を演出的に示唆することとする。
すなわち、サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S260のY)、特別遊技中であり(S262のY)、その事前判定結果が大当りであれば(S264のY)、保留内連荘を示す連荘フラグをオンにする(S266)。大当りでなければ(S264のN)、S266の処理をスキップする。一方、通常遊技中であれば(S262のN)、それが上述した限定期間の保留、つまり特別遊技終了時点からみて保留上限数分の保留であり(S268のY)、その事前判定結果が大当りであれば(S270のY)、連荘フラグをオンにする(S272)。大当りでなければ(S270のN)、S272の処理をスキップする。限定期間の保留でなければ(S268のN)、S270およびS272の処理をスキップする。事前判定結果を受信しなければ(S260のN)、S262以降の処理をスキップする。
図41は、図37におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S252)、サブ基板104における演出制御処理の実行(S254)が、繰り返し処理される。
図42は、図41におけるS252の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S20のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S22のY)、第1抽選手段126が第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S24)、第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S26)、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S28)。そして、第1特別図柄192の図柄変動が開始される(S40)。一方、第1特別図柄192の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S30のY)、第2抽選手段128が第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S32)、第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S34)、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S36)。そして、第2特別図柄193の図柄変動が開始される(S40)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、特図調整手段152により記憶された第1始動口62への入賞と第2始動口63への入賞の順序に応じて決定される。第1特別図柄192の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングでもない場合(S30のN)、本図のフローを終了する。既に図柄変動表示が開始されている場合には(S20のY)、その変動表示処理を実行する(S42)。
図43は、図42におけるS28,S36の変動パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技終了後の限定期間であることを示す特殊変動フラグ(後述する)がオンであれば(S400のY)、図34に示した特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する(S402)。そして、限定期間の経過をカウントするための限定回数N(後述する)を1デクリメントする(S404)。このとき、限定回数Nがゼロになれば(S406のY)、特殊変動フラグをオフにする(S408)。限定回数Nがゼロでなければ(S406のN)、S408の処理をスキップする。一方、特殊変動フラグがオフであれば(S400のN)、図32および図33に示した通常変動パターンテーブルを参照して変動パターンを決定する(S410)。
図44は、図42におけるS42の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S50)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S52のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S54のY)、時短の設定をオンする(S56)。時短を伴う図柄でなければ(S54のN)、S56の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S58のY)、確変の設定をオンし(S60)、確変を伴う図柄でなければ(S58のN)、確変の設定をオフにする(S62)。そして、特別遊技へ移行する(S64)。2R大当りである場合には2R特別遊技へ移行し、8R大当りである場合は8R特別遊技へ移行し、16R大当りである場合には16R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。
一方、大当りでなかった場合には(S52のN)、確変中であれば(S66のY)、その確変の終期となっていれば(S68のY)、確変の設定をオフにする(S70)。既に述べたように、確変の終期は、設定された終期回数に到達したことである。確変の終期となっていなければ(S68のN)、S70の処理をスキップする。確変中でなければ(S66のN)、S68およびS70の処理をスキップする。また、時短中であれば(S72のY)、その時短の終期となっていれば(S74のY)、時短の設定をオフにする(S76)。既に述べたように、時短の終期は、設定された終期回数に到達したことである。なお、本実施例では確変の終期回数と時短の終期回数とは等しい。時短の終期となっていなければ(S74のN)、S76の処理をスキップする。時短中でなければ(S72のN)、S74およびS76の処理をスキップする。そして、小当りであった場合には(S78のY)、小当り遊技へ移行する(S80)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S78のN)、S80の処理をスキップする。
図45は、図41におけるS254の演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S280のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S282)、装飾図柄190の変動演出パターンを決定し(S284)、予告演出の表示有無および予告演出パターンの種類を決定する(S286)。さらに、演出図柄195による示唆演出パターンを決定する(S288)。このとき、特殊演出フラグがオンであり(S290のY)、かつ連荘フラグがオンであり(S292のY)、その連荘フラグに対応する変動であれば(S294のY)、保留内連荘が確定した旨を示す演出パターンを設定する(S296)。そして、連荘フラグをオフにし(S298)、特殊演出フラグをオフにする(S300)。連荘フラグに対応する変動でなければ(S294のN)、S296からS300の処理をスキップする。
一方、連荘フラグがオフであれば(S292のN)、保留内連荘を示唆するものの確定的には示さない演出パターンを設定し(S302)、後述する示唆回数N2を1デクリメントする(S304)。このとき、示唆回数N2がゼロになれば(S306のY)、特殊演出フラグをオフにする(S308)。示唆回数N2がゼロでなければ(S306のN)、S308の処理をスキップする。S290にて特殊演出フラグがオフであれば(S290のN)、S292からS308の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS282からS308の処理をスキップする(S280のN)。そして、演出表示制御手段134は、装飾図柄190による図柄変動演出、予告演出、演出図柄195によるドラム変動演出などの演出表示を開始する(S310)。
そして、既に演出開始済みであれば(S312のY)、その演出表示処理を実行し(S314)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S316のY)、装飾図柄190の変動表示を一旦終了する(S318)。このとき、予告演出の表示制御についても一旦終了(停止)する。そして、遊技モードの切替処理を実行する(S320)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S316のN)、S318およびS320の処理をスキップする。演出開始済みでないときは(S312のN)、S314からS320の処理をスキップする。
図46は、図45におけるS314の演出表示処理を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段134は、SP予告演出の実行中であれば(S330のY)、設定された待ち時間に遊技者の操作入力があれば(S332のY)、既に決定されたSP予告演出の演出パターンにしたがって演出表示制御を実行する(S334)。すなわち、図28および図29に示したようなSPバトルを表示させる。遊技者の操作入力がなければ(S332のN)、既に決定されたSP予告演出の演出パターンを代替演出パターンに切り替え、その演出パターンにしたがって演出表示制御を実行する(S336)。すなわち、図30に示したような代替のSPバトルを表示させる。一方、SP予告演出ではなく通常予告演出の実行中であれば(S330のN)、既に決定された通常予告演出の演出パターンにしたがって演出表示制御を実行する(S338)。なお、ドラム変動演出が開始されていれば、決定された停止タイミングにて演出図柄195を停止させ、大当り2の当選有無を示唆する。
図47は、図45におけるS320のモード切替処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果が大当りであれば(S340のY)、大当り演出モードへ移行させる(S342)。当否抽選の結果が大当りなかった場合(S340のN)、現在確変モード中であれば(S344のY)、確変の設定がオフにされているか否かを判定する。このとき、確変の設定がオフであれば(S346のY)、通常モードへ移行させる(S348)。確変の設定がオンのままであれば(S346のN)、S348の処理をスキップする。確変モード中でなければ(S344のN)、S346およびS348の処理をスキップする。
図48は、図37におけるS16の特別遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、未だ特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、大入賞口の開放パターンを設定する(S93)。すなわち、開放パターン1〜13のいずれかが設定される(図7,図8参照)。また、特別遊技中に表示させる大当り演出の内容を決定する(S94)。そして、特別遊技を開始し(S95)、その大当り演出の表示を開始する(S96)。
一方、既に特別遊技が開始済みである場合(S92のY)、大入賞口が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。このとき、ラウンドごとの大当り演出の表示も実行する。一方、大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了する(S118)。このとき、限定期間へ移行するに際して特殊変動フラグをオンにし(S120)、特殊演出フラグをオンにしておく(S122)。そして、確変モードへ移行するとともに(S124)、特定遊技、つまり確変、時短、および入球容易状態を開始する(S126)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118からS126の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図49は、図48におけるS94の大当り演出設定処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、8R通常大当り,16R通常大当りおよび16R特定大当りのいずれかであれば(S350のY)、図19に示したラウンドアップ演出の演出パターンを決定する(S352)。また、特に16R特定大当りであれば(S354のY)、図20および図24に示した開放態様変化示唆演出の演出パターンを決定し(S356)、図21〜図24に示した保留内連荘示唆演出の演出パターンを決定する(S358)。16R特定大当りでなければ(S354のN)、S356およびS358の処理をスキップする。8R通常大当り,16R通常大当りおよび16R特定大当りのいずれでもなければ(S350のN)、通常の大当り演出の演出パターンを決定する(S360)。なお、ここでいう「通常の大当り演出」は、ラウンドアップ演出,開放態様変化示唆演出,保留内連荘示唆演出以外に予め設定された演出であるが、その説明については省略する。
図50は、図48におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開放パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図51は、図48におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から開放パターンに沿った設定時間の経過である(図7,8参照)。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。この継続上限回数は2R特別遊技であれば2回であり、8R特別遊技であれば8回でああり、16R特別遊技であれば16回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図52は、図49におけるS352にてラウンドアップ演出パターンが決定された場合に実行されるラウンドアップ演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、ラウンドアップ演出が開始済みでなければ(S500のN)、その開始ラウンド(本実施例では第7ラウンド)であれば(S502のY)、示唆演出パターン(ドラム変動演出パターン)を設定する(S504)。すなわち、後半8ラウンドが当選している場合(つまり16R特別遊技である場合)には、大当り図柄組合せにて停止させる示唆演出パターンを設定する。そして、演出図柄195によるドラム変動を開始する(S506)。開始ラウンドでなければ(S502のN)、S504およびS506の処理をスキップする。
既にラウンドアップ演出が開始済みであれば(S500のY)、ラウンドアップの有無を示唆する示唆ラウンド(本実施例では第8ラウンド)であるか否かを判定する。このとき、示唆ラウンドであり(S508のY)、連荘フラグがオンでなければ(S510のN)、ドラム変動、つまり演出図柄195の変動を停止する(S512)。連荘フラグがオンであれば(S510のY)、S512の処理をスキップする。すなわち、図19に示したように、保留内連荘となる場合には次ラウンド以降まで演出図柄195の変動を継続し、ラウンドアップ演出よりも保留内連荘の示唆を優先する。
示唆ラウンドではなく(S508のN)、連荘フラグがオンであり(S514のY)、保留内連荘の確定表示のために予め設定された設定ラウンド(例えば第10ラウンド)であれば(S516のY)、連荘フラグをオフにしたうえで(S518)、ドラム変動を停止する(S520)。設定ラウンドでなければ(S516のN)、S518およびS520の処理をスキップする。連荘フラグがオフであれば(S514のN)、S516からS520の処理をスキップする。
図53は、図49におけるS356にて開放態様変化示唆演出パターンが決定された場合に実行される開放態様変化示唆演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、開放態様変化示唆演出が開始済みでなければ(S530のN)、その開始ラウンド(本実施例では第9ラウンド)であれば(S532のY)、既に決定されている開放態様変化示唆演出パターンを設定し(S534)、開放態様変化示唆演出を開始する(S536)。開始ラウンドでなければ(S532のN)、S534およびS536の処理をスキップする。
既に開放態様変化示唆演出が開始済みであれば(S530のY)、その開放態様変化タイミングを報知する報知ラウンドに未だ到っていなければ(S538のN)、開放態様の変化を明示的には示さない開放態様変化示唆表示を行う(S540)。例えば図20(b)に示したように、敵キャラクタを倒すもののチャンスボールを未だ3球獲得できない演出内容を表示する。なお、本実施例では「報知ラウンド」として、第2大入賞口92の開放態様が変化する直前のラウンド(1つ前のラウンド)が設定される。報知ラウンドであれば(S538のY)、開放態様変化の報知表示を行う(S542)。具体的には、例えば図20(c)に示すように、敵キャラクタを倒してチャンスボールを3球獲得する演出内容を表示する。そして、引き続き保留内連荘示唆演出を表示させるための連荘演出フラグをオンにする(S544)。
図54は、図49におけるS358にて保留内連荘示唆演出パターンが決定された場合に実行される保留内連荘示唆演出制御処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、保留内連荘示唆演出が開始済みでなければ(S550のN)、連荘演出フラグがオンであれば(S552のY)、先読み情報に基づき示唆演出パターンを設定する(S554)。すなわち、次の大当りが保留されていれば保留内連荘があることを示唆する演出パターンを設定する。例えば図21(b)に示したように、敵キャラクタの殲滅に成功する演出パターンを設定する。次の大当りが保留されていなければ保留内連荘がないことを示唆する演出パターンを設定する。例えば図21(c)に示したように、敵キャラクタの殲滅に失敗する演出パターンを設定する。そして、連荘演出フラグをオフにしたうえで保留内連荘示唆演出を開始する(S558)。連荘演出フラグがオフであれば(S552のN)、S554からS558の処理をスキップする。
既に保留内連荘示唆演出が開始済みであれば(S550のY)、その保留内連荘の有無を報知する報知タイミングに未だ到っていなければ(S560のN)、保留内連荘示の有無を明示的には示さない保留内連荘示唆表示を行う(S562)。具体的には、敵キャラクタとの対戦過程を表示する。報知タイミングであれば(S560のY)、保留内連荘の有無の報知表示を行う(S564)。すなわち、基本的には、保留内連荘があれば図21(b)に示すように、敵キャラクタの殲滅に成功する演出内容を表示する。保留内連荘がなければ図21(c)に示すように、敵キャラクタの殲滅に失敗する演出内容を表示する。保留内連荘示唆演出が特別遊技終了後の限定期間に及んでいる場合には、保留内連荘の獲得有無に応じて図22又は図23に示した演出内容を表示する。
図55は、図37におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、未だ小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、大入賞口の開放パターンを設定して小当り遊技を開始し(S154)、開始デモ演出の表示を開始する(S156)。一方、既に小当り遊技が開始済みであれば(S152のY)、大入賞口(第1大入賞口91)が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S162)。そして、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。
S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了し(S178)、図39に示したS298の処理で決定した遊技モードおよび遊技ステージに切り替える(S179)。終了デモ演出が終了していない場合には(S176のN)、S178以降の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図56は、図55におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開放パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図57は、図55におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開放パターンに基づく大入賞口の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、大入賞口の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
以上に説明したように、本実施例では、当否抽選の結果を示すための表示装置として演出表示装置60およびドラム表示装置66を設け、主として演出表示装置60により大当り1の当選有無を示し、ドラム表示装置66により大当り2の当選有無を示すようにした。これにより、あたかも特別図柄の1回の変動によって複数回の抽選が行われるように見せることができる。また、16R大当りを前半8ラウンドの大当り1と後半8ラウンドの大当り2に見せることができる。すなわち、一つの大当りをあたかも2種類の大当りに見せることができる。その結果、遊技者の利得感を向上させることができ、それにより遊技機の稼働率向上を期待できる。
また、図13および図18に示したように、装飾図柄190による図柄変動演出(リーチ演出)の進行度合いに対する演出図柄195(ドラム変動)の変動停止タイミングに応じて大当り2の発生可能性の高低が異なるようにした。これにより、2つの演出表示装置にそれぞれ表示される演出の表示タイミングに遊技者の注意を振り向ける斬新な遊技性を実現できる。また、ドラム変動演出に関しては、図19に示したように、先読み処理により、次の大当りに該当するものが保留されているか否かに応じてラウンドアップ演出のみ、又はラウンドアップ演出と保留内連荘示唆演出の双方が表示されるようにした。これにより、特別遊技中のドラム変動演出についても遊技者の期待感を維持することができる。
さらに、先読み処理を利用する保留内連荘示唆演出については、大当り演出としても表示される。すなわち、図20および図21に示したように、特別遊技中の後半ラウンドにおいては、大入賞口がフルオープンになるタイミングを示唆する開放態様変化示唆演出(単位遊技切替示唆演出)と、保留内連荘示唆演出とが連続的に表示されるが、その保留内連荘示唆演出の表示有無および表示開始タイミングが開放態様変化示唆演出の終了タイミングに左右される点で斬新な演出進行が実現されている。さらに、図22に示したように、特別遊技終了後も保留上限数分の保証期間(限定期間)を設けて継続させるようにし、遊技者の期待感を実現できるようにしている。その際、その限定期間については一律に変動時間を短縮することで間延びのないスムーズな演出を実現することでも遊技性の向上を図っている。本実施例では、開放態様変化示唆演出と保留内連荘示唆演出とが、敵キャラクタ群を倒し、最終的にはその殲滅を目標とする共通のバトル演出として表示される。言い換えれば、そのバトル演出が開放態様変化示唆演出と保留内連荘示唆演出とに兼用される同系統の演出として構成されている。このため、仮に保留内連荘が確定した場合にのみ保留内連荘示唆演出を表示させる構成とした場合であっても、その同系統の演出の発生頻度を確保できるようになる。
また、図28〜図30に示したように、通常遊技中においては、擬似連続変動演出を利用することで、特別図柄の1回の変動の間に大当り期待度を段階的に高められるようにした。一方、補助画面198を設けて前回の演出を同時並行的に表示させることで、先の仮変動における演出(先の個別変動演出)と、後の仮変動における演出(後の個別変動演出)との相対変化が明確に認識できるようにした。これにより、遊技者は前回からどの程度大当り期待度が向上しているのかを明確に把握できるようになる。特に擬似連続変動演出のように比較的表示時間が長くなりやすい演出となるような場合には、遊技者の便宜に供することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
(変形例1)
上記実施例では、図14〜図16等に示したように、大当り1の当選有無を示すための装飾図柄190の変動開始タイミングと、大当り2の当選有無を示唆するための演出図柄195(ドラム)の変動開始タイミングとを一致させる例を示した。変形例においては、両者の変動開始タイミングを少なくとも遊技状態に応じてずらすようにしてもよい。ただし、装飾図柄190の変動開始タイミングは、特別図柄の変動開始タイミングに一致させるようにする。例えば、装飾図柄190の変動開始から所定時間経過後、あるいは所定条件成立後に演出図柄195の変動を開始させてもよい。あるいは、装飾図柄190の変動開始前から演出図柄195の変動を開始させてもよい。なお、上記実施例では明示的には述べなかったが、演出図柄195の変動開始から停止までの時間が長いほど大当り期待度が高くなるよう、抽選値とドラム停止タイミングとの対応関係を設定してもよい。
(変形例2)
上記実施例では、図7に示したように、開放態様変化示唆演出等の表示対象となる特別遊技において前半ラウンド(第8ラウンドまで)をフルオープン、つまり単位遊技の時間による終期を長開放(30秒)とし、大入賞口の1回開放とする例を示した。変形例においては、前半ラウンドを短開放としてもよい。また、複数開放としてもよい。例えば、開放パターン7〜13までの第1〜第8ラウンドを開放パターン3,5と同様の短開放としてもよい。このようにすることで、大入賞口をフルオープンとなるか否かを示唆する開放態様変化示唆演出への遊技者の期待感をより一層高めることができる。
(変形例3)
上記実施例では、図37に示したように、先読み処理を通常遊技中および特別遊技中のいずれであるかにかかわらず定期的に実行する例を示したが、特定の必要なタイミングにおいてのみ実行するようにしてもよい。例えば、特別遊技開始時,特別遊技における前半ラウンド終了時,特別遊技終了直前といったように複数の特定にタイミングにおいてのみ実行してもよい。ただし、特別遊技中に当否抽選値の保留数が保留上限数に達しない場合には、特別遊技終了後の限定期間においても所定のタイミングにて先読み処理を実行し、保留内連荘の有無を判定する。
(変形例4)
上記実施例では、図28(e)および(f)等に示したように、表示領域194に今回の対戦を表示させると同時並行的に補助画面198に前回の対戦を表示させることにより、前回よりも状況が好転しているか否かを把握できる例を示した。すなわち、表示領域194に表示させる今回の演出と、補助画面198に表示させる前回の演出とを、それらの最初の場面から最後の場面まで対比可能なように同時再生する例を示した。変形例においては、補助画面198については前回の演出のダイジェストを表示させるなど、一部を再生することで今回の演出との相異部分が明示されるようにしてもよい。その場合、相異部分についてエフェクトを利用するなどして強調し、遊技者の便宜を図ってもよい。また、補助画面198を省略し、表示領域194において、前回の演出との相異部分を強調するための強調表示を行ってもよい。例えば、図28(f)によれば、今回のカットインの色(属性)が前回のカットインよりも高期待度に変化しているが、そのカットインのみを強調表示し、色の変化を報知してもよい。
(変形例5)
上記実施例では述べなかったが、擬似連続変動を利用して以下のような演出を実現してもよい。すなわち、図28等に示したように補助画面198(補助表示領域)を設け、前回の個別変動演出と今回の個別変動演出とを同時並行的に表示させる構成を前提とし、補助表示領域に表示された前回の演出結果のみが大当りを示し、今回の演出結果が大当りを示さないものである場合に、所定ラウンド以上の特別遊技(例えば8R特別遊技)への移行が確定するものとしてもよい。そして、前回の演出結果および今回の演出結果の双方が大当りを示すものである場合に、所定ラウンドよりもラウンド数の大きい特別遊技(例えば16R特別遊技)への移行が確定するものとしてもよい。
(変形例6)
上記実施例では明示しなかったが、先読み処理として事前当否判定および事前図柄判定のみならず、特別図柄の変動パターンをも先読みする事前パターン判定を行うようにしてもよい。すなわち、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行し、その判定結果としてパターン範囲を示す値を、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに演出決定手段132へ送信するようにしてもよい。そして、演出決定手段132が、その変動パターンの事前判定結果を含めて演出内容を決定するようにしてもよい。
(変形例7)
上記実施例では、大当り1の当選有無を示すための表示装置として演出表示装置60(液晶表示装置)を設け、大当り2の当選有無を示唆するための表示装置としてドラム表示装置66を設ける例を示した。変形例においては、ドラム表示装置66を液晶表示装置に置き換えてもよい。あるいは逆に、演出表示装置60をドラム表示装置に置き換えてもよい。あるいは、ドラム表示装置66を省略し、演出表示装置60の表示領域194を第1表示領域と第2表示領域とに分割し、第1表示領域に大当り1の当選有無を示唆する画像を表示させ、第2表示領域に大当り2の当選有無を示唆する画像を表示させてもよい。
(変形例8)
上記実施例では図4および図5に示したように、第1の遊技と第2の遊技とで大当りや小当りの当選確率、大当りとなった場合のラウンド数や大入賞口の開放態様等に関して差を設けない構成とした。変形例においては、例えば特別遊技へ移行されたときの出玉獲得について第2の遊技のほうが第1の遊技よりも有利となるよう、これらの少なくともいずれかに差を設けるようにしてもよい。
(変形例9)
上記の実施例では、図6および図7に示したように、第1の遊技および第2の遊技のいずれであるかにかかわらず、特別遊技の所定ラウンド(前半8ラウンド)までは第1大入賞口91のみを開放し、所定ラウンドより後においては第2大入賞口92のみを開放する例を示した。変形例においては、これとは異なる態様で2つの大入賞口を開放させてもよい。例えば、第1の遊技においては全ラウンドで第1大入賞口91を開放させ、第2の遊技においては全ラウンドで第2大入賞口92を開放させるようにしてもよい。あるいは、第1の遊技においては上記実施例のように、所定ラウンドまで第1大入賞口91のみを開放し、所定ラウンドより後においては第2大入賞口92のみを開放するようにし、第2の遊技においては上記実施例とは逆に、所定ラウンドまで第2大入賞口92のみを開放し、所定ラウンドより後においては第1大入賞口91のみを開放するようにしてもよい。
(変形例10)
上記実施例では、2つの大入賞口を遊技領域52において離間した位置に設ける例を示した。すなわち、第1大入賞口91を遊技領域52の左上方にセンター飾り64と一体に設け、第2大入賞口92を遊技領域52の下方中央に設ける構成とした。変形例においては、第1大入賞口91をセンター飾り64とは別に設けてもよい。その場合、本実施例のように、第1大入賞口91と第2大入賞口92とを遊技球の同じ流下通路に配置されるように設けてもよいし、両者に対して遊技球の打ち分けが可能となるよう、遊技領域52における左側の流下通路に一方の大入賞口を設け、右側の流下通路に他方の大入賞口を設けるようにしてもよい。具体的には、第2大入賞口92の配置を本実施例のままとし、第1大入賞口91を遊技領域52の右側の流下通路に設けてもよい。また、第2大入賞口92を左側の流下通路に設けてもよい。また、2つの大入賞口を遊技領域52において上下に隣接するダブルアタッカーとして設けてもよい。あるいは、例えば共用の大入賞口を1つ設け、いずれの遊技においてもその大入賞口を開放させるようにしてもよい。
(変形例11)
上記の実施例においては、第1始動口62と第2始動口63とを遊技球の一つの流下通路に沿って上下に設ける例を示した。変形例においては、例えば遊技領域52における相対的に左側に第1始動口62を配置し、相対的に右側に第2始動口63を配置など、2つの始動口への入球を打ち分け可能な配置構成としてもよい。その場合においても、第2始動口63が拡開していない通常状態においては第1始動口62のほうが入球容易性が高く、第2始動口63が拡開した入球容易状態においては、第2始動口63のほうが入球容易性が高くなるようにしてもよい。
(変形例12)
上記実施例においては、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、第1始動口62および第2始動口63への入球順序にしたがって選択的に変動表示させる例を示した。変形例においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させるようにしてもよい。例えば、第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保するようにしてもよい。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される(このような制御を「優先消化」ともいう)。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
あるいは、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
なお、上記実施例のように第1の遊技と第2の遊技とを合わせた保留上限数分の限定期間を設定して先読み処理を行う構成においては、その保留上限数分の先読みを速やかに確定させるために、上記優先消化のない構成のほうが好ましい。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。