JP5977559B2 - 冷却システム、及び冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却システム、及び冷却方法に関する。
冷房運転している空冷パッケージでは、室外機が吸い込む空気の温度が低いほど凝縮温度が低下し、運転効率が向上する。空冷パッケージとは、蒸発圧縮式冷凍サイクルで室内空気や冷水などを冷やす機器で、外気に凝縮熱を放熱する機器であり、ビル用マルチ、設備用パッケージエアコン、店舗オフィス用パッケージエアコン、ルームエアコン、チラー、冷凍冷蔵用コンデンシングユニットなど、空冷のものを指す。室外機吸込空気を冷却するために従来から採用される方法としては、室外機の熱交換器部分に散水し、その蒸発潜熱で熱交換器表面を冷却する方法がある(例えば、特許文献1を参照。)。また、特許文献2には、放熱フィンに散水する技術が開示されている。
室外機吸込空気を冷却するために従来から採用される他の方法としては、室外機吸込空気に小粒径の水を噴霧する方法がある。例えば、特許文献3には、熱交換器の上流側かつ熱交換器から離れた位置にエアと水を同時に噴射することで粒径10μm以下の微細ミストを発生させる微細ミスト発生ノズルを設けることが開示されている。特許文献3には、上記に加えて、微細ミスト発生ノズルよりも上流側のエアの温度に応じて微細ミストの発生量を制御することが開示されている。また、例えば、特許文献4には、屋外空間を冷却する技術として、ノズルからの冷却用噴霧時期を、気温閾値、乾球温度と湿球温度との温度差閾値とを基準として制御することが開示されている。また、特許文献5には、熱交換器の伝熱管表面における水の蒸発量を推定し、推定した蒸発量に基づいて、熱交換器の伝熱管表面に噴霧する水の噴霧水量を制御することが開示されている。
特開2002−54834号公報 特開2011−89659号公報 特開2008−128500号公報 特開2010−236724号公報 特開2001−317821号公報
室外機吸込空気を冷却する従来技術として、室外機熱交換部分に散水する技術(以下、散水方式ともいう)や、室外機吸込空気にミストを噴霧する技術(以下、ミスト方式ともいう)がある。散水方式は、ミスト方式と比較して必要な動力が少なくてすむものの、散水の水質によっては熱交換器のフィン表面を腐食させたり、スケール(水垢)を付着させたりする。また、散水方式は、ミスト方式と比較して、使用水量が非常に多くなり、散水場所の床を水浸しにして藻などの発生を招くこともある。そのため、散水方式は、長期間連続使用は現実的でなく、外気温度が高温かつ空冷パッケージが高負荷運転をしている場合に、空冷パッケージからの信号によってスポット的に稼働させることが一般的である。
一方で、ミスト方式は、室外機の熱交換器を濡らさないので、熱交換器のフィン表面を腐食させたり、スケール(水垢)を付着させたりすることがない。また、ミスト方式は、散水方式に比べて使用水量が少なく、噴霧場所に藻などを発生させる恐れも少ない。但し、従来のミスト方式は、噴霧する水の粒径を小さくするために噴霧圧力を高める必要があ
り、必要な動力は散水方式より大きくなる。また、従来のミスト方式は、一般的に、高圧(例えば、2〜6(MPaG))のポンプと配管でシステムが構成されるため、散水方式よりも設備費は高額となる。また、従来のミスト方式は、噴霧水の圧力が高いため、通常の電磁弁で噴霧配管の水の流れを遮断することが難しく、散水方式のように空冷パッケージ毎に噴霧を発停していなかった。そのため、従来のミスト方式は制御なしで行おうとすると、運転時において、無駄な水や噴霧のための動力を使うことが問題となっていた。従来のミスト方式として、相対湿度により噴霧水量を制御するものも存在するが、節水効果や動力削減効果が十分であるとは言えない。
本発明は、上記の問題に鑑み、室外機の熱交換器の劣化を抑制し、かつ、無駄な水の使用や、無駄な動力の使用を低減する、室外機吸込空気を冷却する技術を提供することを課題とする。
本発明は、上述した課題を解決するため、ミストを噴霧して室外機吸込空気を冷却し、噴霧する水の水量を、室外機吸込空気の温度と、噴霧や室外排気の影響を受けない外気の湿球温度との差に基づいて制御することとした。
詳細には、本発明は、空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備える。
本発明に係る冷却システムにおいて、ミストの粒径は、30μm以下とすることが好ましい。所定距離は、湿球温度センサが、ノズルによる噴霧や室外機による排気の影響を受けない外気の湿球温度を検知できる距離として設定することができる。換言すると、所定距離は、ノズルや室外機から十分に離れた距離である。制御装置で算出される温度差は、ミストによる冷却余地を示しているとも言える。この温度差は、噴霧をしない場合、0〜10℃程度となるが、噴霧量に制限を設けず、大量のミストを噴霧すると、最終的には0になる。例えば、温度差が1〜2℃以下になると噴霧する水の水量を増やしても、温度差の低下が鈍る。したがって、温度差が小さい場合には、節水と動力削減の観点から、噴霧を行わないようにしてもよい。
本発明に係る冷却システムによれば、ミストを噴霧することで、室外機の熱交換器を濡らさないので、熱交換器のフィン表面を腐食させたり、スケール(水垢)を付着させたりすることがない。そのため、室外機の熱交換器の劣化を抑えることができる。また、制御装置で算出される温度差、換言するとミストによる「冷却余地」に基づいて噴霧水量を制御することで、無駄な水の使用や、無駄な動力の使用を低減することができる。例えば、従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術では、外気の相対湿度がミストによる冷却余地と比例しておらず、同じ相対湿度であっても外気が高温の場合は冷却余地が大きくなり噴霧水量の不足を招き、一方で外気が低温の場合は冷却余地が小さくなり噴霧水量の過剰、つまり無駄な水を使うことになる。これに対し、本発明に係る冷却システムでは、室外機吸込空気の温度と室外機及びノズルと離れた領域の外気の湿球温度との温度差が大きい場合はミストによる冷却余地が大きいと判断され、十分な水量のミストが噴霧される。そのため、噴霧水量が不足することもない。また、室外機吸込空気の温度と室外機及びノズルと離れた領域の外気の湿球温度との温度差が小さい場合は、ミストによる冷却余地が小さいと判断され、必要最低限のミストが噴霧される。従
って、無駄な水の使用を抑制することができる。
一般的に用いられる高分子膜を利用した湿度センサは、高湿度になるほど測定精度が低下し測定値の変動も大きくなる。噴霧する周辺の領域では噴霧中の外気は高湿度であるし、また遠方外気の相対湿度であっても降雨の後などは同様である。しかしポンプを停止したいのは、このように高湿度で噴霧の効果が少ない時である。このように高湿度で変動が大きい相対湿度に基づいて噴霧する水の水量を制御した場合、ノズルへ水を圧送するポンプの不要な発停を招く。ポンプが不要な発停を繰り返すと、ポンプを必要以上に劣化させてしまうことも懸念される。これに対し、本発明に係る冷却システムでは、室外機吸込空気の温度と、室外機及びノズルと離れた領域の外気の湿球温度との温度差に基づいて噴霧する水の水量を制御するため、外気の相対湿度に基づいて制御する場合と比較して、ポンプの不要な発停を抑えることができる。
また、室外機の負荷が増加すると室外機のファン回転数が上がって吸込風量が増加し、室外機吸込空気には噴霧する水の潜熱によって冷却されない外気も多く混入するようになる。そのため、本発明に係る冷却システムでは、気象条件が仮に同じ場合でも、室外機の負荷が増加すると、これに伴い制御装置で算出される温度差も大きくなる。つまり、本発明に係る冷却システムでは、制御装置で算出される温度差に、気象条件に加えて室外機の負荷についても別途考慮する必要がない。その結果、噴霧を、空冷パッケージの省エネ効果の高い時間帯や場所に限定することが可能となる。
ここで、本発明に係る冷却システムにおいて、前記制御装置は、前記算出した温度差が大きい場合、噴霧による冷却余地が大きいと判断し、前記ノズルから噴霧する水の水量を増加させ、前記算出した温度差が小さい場合、噴霧による冷却余地が小さいと判断し、前記ノズルから噴霧する水の水量を低減させるようにしてもよい。算出した温度の大小は、例えば基準温度を定め、基準温度と比較することで判断することができる。に基づいて定めることができる。これにより、室外機の設置領域の状況に応じた適切な水量制御が可能となる。
また、本発明に係る冷却システムは、複数の室外機を含む室外機群を室外機群のエリア毎に冷却し、前記室外機群のエリア別に設置される配管系であって、前記ノズルへ供給する水が流れる配管系を更に備え、前記空気温度センサは、前記室外機群のエリア別に設置され、前記制御装置は、前記室外機群のエリア別に設置された空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記室外機群のエリア別に、噴霧発停を制御するようにしてもよい。エリア別に噴霧発停を制御することで、空気温度センサの設置数を減らすことができる。また、複数のノズルを纏めて制御できるため、制御装置の制御処理の負荷を低減することができる。
また、本発明に係る冷却システムは、複数の室外機を冷却し、前記ノズルへ供給する水が流れる複数の配管系を更に備え、前記制御装置は、前記算出した温度差に基づいて、前記配管系統数を切り替え、前記ノズルから噴霧する水の水量を制御するようにしてもよい。これにより、温度差に応じて段階的に噴霧する水の水量を配管系単位で切り替えることができる。そのため、ノズルへ水を圧送するポンプに使用する動力を抑えることができる。また、複数のノズルを纏めて制御できるため、制御装置の制御処理の負荷を低減することができる。
また、本発明に係る冷却システムは、内部に前記ノズルへ供給する水が流れる流路を有し、表面に前記ノズルを有し、前記室外機吸込空気を吸い込む室外機の吸込面と当該室外機の排気面との間を遮蔽する、板状の噴霧パネルを更に備える構成としてもよい。板状の
噴霧パネルは、室外機の吸込面と排気面との間を遮蔽するように設置することで、ミストの噴霧に加えて、排気が吸い込まれるいわゆるショートサーキットを抑制することができる。また、ノズルに接続する配管は高圧に耐えうる材質(例えば、ステンレス)であることが求められ、このような高圧配管は高価であるが、板状の噴霧パネルを用いることで、高圧配管の長さを削減することができる。更に、流路とノズルとをユニット化することで、取り付けなどの作業負担を低減することができる。
ここで、本発明は、冷却方法として特定することもできる。例えば、本発明は、空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却方法であって、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧する噴霧工程と、前記室外機吸込空気の温度を検知する吸込空気の温度検知工程と、前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、前記室外機吸込空気の温度と、前記外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて噴霧する水の水量を制御する水量制御工程とを備える。本発明に係る冷却方法によれば、室外機の熱交換器の劣化を抑制し、かつ、無駄な水の使用や、無駄な動力の使用を低減することができる。
また、前記水量制御工程では、前記算出した温度差が大きい場合、噴霧による冷却余地が大きいと判断し、噴霧する水の水量を増加させ、前記算出した温度差が小さい場合、噴霧による冷却余地が小さいと判断し、噴霧する水の水量を低減させるようにしてもよい。これにより、室外機の設置領域の状況に応じた適切な水量制御が可能となる。
また、本発明は、空冷パッケージの複数の室外機を含む室外機群の室外機吸込空気を、水の蒸発潜熱で、室外機群のエリア毎に冷却する冷却システムにおける冷却方法であって、前記室外機群のエリア別に設置される配管系から供給される水を、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水として噴霧する噴霧工程と、前記室外機吸込空気の温度を、前記室外機群のエリア別に検知する吸込空気の温度検知工程と、前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、前記吸込空気の温度検知工程で検知された室外機吸込空気の温度と、前記外気の温度検知工程で検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記室外機群のエリア別に、噴霧発停を制御する水量制御工程と、を備える。エリア別に噴霧発停を制御することで、空気温度センサの設置数を減らすことができる。また、複数のノズルを纏めて制御できるため、制御装置の制御処理の負荷を低減することができる。
また、本発明は、空冷パッケージの複数の室外機の室外機吸込空気を、水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムにおける冷却方法であって、複数の配管系から供給される水を、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水として噴霧する噴霧工程と、前記室外機吸込空気の温度を検知する吸込空気の温度検知工程と、前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、前記吸込空気の温度検知工程で検知された室外機吸込空気の温度と、前記外気の温度検知工程で検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記配管系統数を切り替え、前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する水量制御工程と、を備える。これにより、温度差に応じて段階的に噴霧する水の水量を配管系単位で切り替えることができる。そのため、ノズルへ水を圧送するポンプに使用する動力を抑えることができる。また、複数のノズルを纏めて制御できるため、制御装置の制御処理の負荷を低減することができる。
本発明によれば、室外機の熱交換器の劣化を抑制し、かつ、無駄な水の使用や、無駄な
動力の使用を低減する、室外機吸込空気を冷却する技術を提供することができる。
第一実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。 第一実施形態において、ミストの噴霧状況を説明する図を示す。 第一実施形態に係る水量制御の処理フロー図を示す。 水量制御テーブルの一例を示す。 噴霧をしない場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。 噴霧水量が少ない場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。 噴霧水量がやや多い場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。 噴霧水量が多い場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。 遠方外気の相対湿度と温度差(ΔT)の経時変化実測例を示す。 室外機排熱量と温度差(ΔT)との相関実測例を示す。 第二実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。 第三実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。 第三実施形態に係る水量制御の処理フロー図を示す。 水量制御テーブルの一例を示す。 第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを示す。 第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを横吸込吹上タイプの室外機群に設置した例を示す。 第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを下吸込吹上タイプの室外機群に設置した例を示す。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<第一実施形態>
<<構成>>
図1、図2に示すように、第一実施形態に係る冷却システム100は、室外機1、噴霧ノズル2、空気温度センサ3、湿球温度センサ4、制御装置としてのコントローラ5、配管6、噴霧ポンプ7、フィルタ8を備える。
室外機1は、冷房運転している空冷パッケージ(図示せず)の一部を構成する。空冷パッケージは、蒸発圧縮式冷凍サイクルで室内空気や冷水などを冷やす機器で、外気に凝縮熱を放熱する機器であり、ビル用マルチ、設備用パッケージエアコン、店舗オフィス用パッケージエアコン、ルームエアコン、チラー、冷凍冷蔵用コンデンシングユニットなど、空冷のものが例示される。第一実施形態に係る室外機1は、正面から外気を吸込み、天面から排気する、横吸込吹上タイプの室外機である。
噴霧ノズル2は、配管6に接続されており、室外機1が吸い込む外気(以下、室外機吸込空気とも言う)に対して、ミスト状の水を噴霧する。ミストの粒径は、30μm以下とすることが好ましい。
空気温度センサ3は、室外機1の近傍に設けられ、室外機吸込空気の温度(乾球温度)を検知する。例えば、横吸込吹上タイプの室外機1を密集して複数設置する場合、その吸込面を60〜200cm離して向かい合わせにして並べて使用することができる。このような使用態様における室外機吸込空気は、吸込面で挟まれた空間の概ね中央部分で、吸込面と同じ高さ場所の空気を指す。よって、空気温度センサ3は、設置個数の低減の目的から吸込面で挟まれた空間の概ね中央部分で、吸込面と同じ高さ場所に設置することが好ま
しい。また、室外機の下部から外気を吸い込み、天面から排気するような室外機(下吸込吹上タイプ)を密集して設置する場合、室外機の下部に架台の設置等により100〜400cmの高さの空間を形成して使用することができる。このような使用態様における室外機吸込空気は、室外機群の概ね中央部分で、室外機の底面から50〜100cm低い場所の空気を指す。よって、空気温度センサ3は、室外機群の概ね中央部分で、室外機の底面から50〜100cm低い場所に設置することが好ましい。
湿球温度センサ4は、外気の湿球温度を検知する。湿球温度センサ4は、室外機1及び噴霧ノズル2と十分に離れた位置に設置されている。設置位置は、室外機1の配置場所の地理的条件、風向などを考慮し、室外機1の排気の影響を受けない位置とすればよい。十分に離れた位置とは、室外機1の排気や噴霧の影響が無い場所で、かつ同一建物(屋上)の範囲であることが好ましい。湿球温度センサ4の設置位置は、例えば、屋上のパラペット(周縁部)のそばや、室外機群から水平距離で5〜10m離れた場所とすることができる。第一実施形態に係る湿球温度センサ4は、乾球温度を検知する温度センサ及び相対湿度を検知する相対湿度センサによって構成されている。湿球温度は、検知した乾球温度及び相対湿度を、既存の計算式により算出することができる。なお、湿球温度は、計算によらずに直接測定するようにしてもよい。
コントローラ5は、空気温度センサ3で検知された室外機吸込空気の温度と、湿球温度センサ4で検知された外気の湿球温度との温度差(ΔT)を算出し、算出した温度差(ΔT)に基づいてノズルから噴霧する水の水量を制御する。コントローラ5は、CPU(Central Processing Unit)、メモリを有するコンピュータと、コンピュータ上で実行され
るプログラムによって実現される。メモリには、水量を制御するための水量制御プログラム、空気温度センサ3で検知された室外機吸込空気の温度、湿球温度センサ4で検知された外気の湿球温度が記憶可能である。CPUは、例えば、メモリにアクセスし、水量制御プログラム、室外機吸込空気の温度、外気の湿球温度を読み込み、水量制御プログラムを実行する。水量制御の詳細については、後述する。
配管6は、図示しない給水タンク等に接続され、配管6内には、噴霧ノズル2へ供給する水が流れる。配管6には、噴霧ノズル2、噴霧ポンプ7、フィルタ8が接続されている。
噴霧ポンプ7は、噴霧ノズル2に供給される水を圧送する。噴霧ポンプ7は、電気的にコントローラ5と接続されており、噴霧ポンプ7の発停は、コントローラ5が水量制御プログラムを実行することで実現される。
フィルタ8は、噴霧ノズル2に供給される水に含まれる懸濁物質を除去する。フィルタ8は、水の供給源(例えば、給水タンク)から供給される水の水質に応じて必要に応じて設ければよい。
<<水量制御>>
次に、水量制御について説明する。ここで、図3は、第一実施形態に係る水量制御の処理フロー図を示す。以下に説明する水量制御の処理は、コントローラ5が例えば一定間隔で繰り返し実行する。また、水量制御の処理は、既定時間になるとコントローラ5が実行するようにしてもよい。まず、ステップS01では、コントローラ5は、室外機吸込空気の温度及び外気の湿球温度を取得する。室外機吸込空気の温度は、空気温度センサ3で検知された温度である。外気の湿球温度は湿球温度センサ4で検知された温度である。なお、第一実施形態に係る湿球温度センサ4は、乾球温度を検知する温度センサ及び相対湿度を検知する相対湿度センサによって構成されており、コントローラ5は、乾球温度と相対湿度を取得する。そして、コントローラ5は、取得した乾球温度と相対湿度から外気の湿
球温度を算出する。室外機吸込空気の温度及び外気の湿球温度を取得されるとステップS02へ進む。
ステップS02では、コントローラ5は、室外機吸込空気の温度と、外気の湿球温度との温度差(ΔT)を算出する。次に、ステップS03では、温度差(ΔT)が2℃未満かどうか判断する。温度差(ΔT)が2℃未満の場合、ステップS04へ進む。一方、温度差(ΔT)が2℃未満でない場合(2℃以上の場合)、ステップS05へ進む。
ステップS04では、コントローラ5は、ミストの噴霧を停止する。具体的には、コントローラ5は、ミストの噴霧を停止するよう、噴霧ポンプ7に動作を停止する旨の制御信号を送信する。なお、温度差(ΔT)に基づく制御は、予めメモリに水量制御テーブルを格納し、格納された水量制御テーブルに基づいて実行することができる。ここで、図4は、水量制御テーブルの一例を示す。図4に示す、水量制御テーブルでは、温度差(ΔT)が4段階に区分され、各区分の制御内容が既定されている。具体的には、温度差(ΔT)が2℃未満では噴霧停止、温度差(ΔT)が2℃以上3℃未満では噴霧の水量「少ない」、温度差(ΔT)が3℃以上5℃未満では噴霧の水量「やや多い」、温度差(ΔT)が5℃以上では噴霧の水量「多い」に既定されている。図4に示す水量制御テーブルは例示であり、温度差の区分数、各区分の制御内容は適宜既定することができる。ミストの噴霧が停止されると、一つの処理が終了する。但し、例えば電源がオフにならない限り、再びステップS01に戻り、制御処理が繰り返し実行される。
ステップS05では、コントローラ5は、噴霧ノズル2から噴霧される水の水量(噴霧水量)を決定する。具体的には、コントローラ5は、上述したメモリに格納される水量制御テーブルにアクセスし、取得した温度差(ΔT)に基づき、噴霧水量を決定する。コントローラ5は、温度差(ΔT)が2℃以上3℃未満では噴霧水量「少ない」、温度差(ΔT)が3℃以上5℃未満では噴霧水量「やや多い」、温度差(ΔT)が5℃以上では噴霧水量「多い」と決定する。水量が決定されると、ステップS06へ進む。
ステップS06では、コントローラ5は、ステップS05で決定した水量に基づいて、噴霧水量を調整する。具体的には、コントローラ5は、決定された噴霧水量となるよう、噴霧ポンプ7に対して、決定された噴霧水量に対応する制御信号を送信する。室外機1及び噴霧ポンプ7が複数設置されている場合には、決定された噴霧水量に対応する台数の噴霧ポンプ7が稼働するよう制御信号が送信される。以上の制御は、例えば10分間隔で行われる。室外機1及び噴霧ポンプ7が複数設置されている場合には、例えば10分間隔で、噴霧ポンプ7の運転台数が見直される。噴霧水量が調整されると、一つの処理が終了する。但し、例えば電源がオフにならない限り、再びステップS01に戻り、制御処理が繰り返し実行される。
<<実測例>>
ここで、図5は、噴霧水量を変えた場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。図5Aは、噴霧をしない場合の温度差(ΔT)の実測例を示し、図5Bは、噴霧水量が少ない場合の温度差(ΔT)の実測例を示し、図5Cは、噴霧水量がやや多い場合の温度差(ΔT)の実測例を示し、図5Dは、噴霧水量が多い場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。縦軸は室外機吸込温度(℃)であり、横軸は室外機及びノズルと離れた領域の外気の湿球温度(℃WB)を示す。プロットは温度差(ΔT)であり、点線は温度差(ΔT)が0℃及び2℃の線を示す。なお、本実測では、定格冷房能力45kWのパッケージエアコンを6台設置した。噴霧水量が少ない場合とは、噴霧量0.9L/min、噴霧水量がやや多い場合とは、噴霧量1.1L/min、噴霧水量が多い場合とは、噴霧量1.7L/minである。
図5Aに示すように、噴霧をしない場合、温度差(ΔT)を示すプロットのほとんどが温度差(ΔT)2℃を示す線の上側に存在しており、冷却余地が非常に大きいことが確認できる。そして、噴霧水量が少ない場合(図5B)、噴霧水量がやや多い場合(図5C)となると、温度差(ΔT)2℃を示す線の下側に存在する温度差(ΔT)を示すプロットが増加し、噴霧をしない場合と比較して、冷却余地が減少していることが確認できる。更に、噴霧水量が多い場合(図5D)、温度差(ΔT)を示すプロットのほとんどが温度差(ΔT)2℃を示す線の下側に存在し、噴霧をしない場合、噴霧水量が少ない場合、噴霧水量がやや多い場合と比較して、冷却余地が小さくなっている。換言すると、図5Dのように温度差(ΔT)が2℃を下回っている場合には、冷却余地がほとんど無いと言える。
<効果>
第一実施形態に係る冷却システム100によれば、室外機吸込空気に対して、噴霧ノズル2からミストを噴霧することで、室外機吸込空気を冷却することができる。室外機の熱交換器を濡らさずに冷却できるので、熱交換器のフィン表面を腐食させたり、スケール(水垢)を付着させたりすることがない。そのため、室外機の熱交換器の劣化を抑えることができる。また、コントローラ5で算出される温度差(ΔT)、すなわちミストによる「冷却余地」に基づいて噴霧水量を制御することで、無駄な水の使用や、噴霧ポンプ7の無駄な動力の使用を低減することができる。例えば、従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術では、外気の相対湿度がミストによる冷却余地と比例していないことから、外気が高温の場合は噴霧水量の不足を招く。一方で、外気が低温の場合は噴霧水量の過剰、つまり無駄な水を使うことになる。これに対し、第一実施形態に係る冷却システム100では、温度差(ΔT)、すなわち冷却余地に基づいて噴霧水量を制御することで、温度差が大きい場合(例えば、温度差(ΔT)が5℃以上)はミストによる冷却余地が大きいと判断され、十分な水量のミストが噴霧される。そのため、噴霧水量が不足することもない。また、温度差が小さい場合(例えば、温度差(ΔT)が2℃以上、5℃未満)はミストによる冷却余地が小さいと判断され、必要最低限のミストが噴霧される。また、温度差が非常に小さい場合(例えば、温度差(ΔT)が2℃未満)、ミストによる冷却余地がほとんど無いと判断し、噴霧が停止される。そのため、無駄な水の使用を抑制するとともに、噴霧ポンプ7の無駄な動力の使用を低減することができる。従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術において、例えば相対湿度80%以上で噴霧を停止する制御とすると、外気温度15℃で相対湿度80%と、外気温度35℃で相対湿度80%の何れの場合でも、噴霧が停止される。外気温度15℃で相対湿度80%の場合の乾湿球温度差が約2℃であるのに対して外気温度35℃で相対湿度80%の場合は3.2℃であり、噴霧を停止するタイミングとしては早すぎる。つまり、従来のミスト方式では、外気の相対湿度がミストによる冷却余地と比例しておらず、同じ相対湿度でも外気が高温の場合は冷却余地が大きくなり噴霧水量の不足を招き、一方で外気が低温の場合は冷却余地が小さくなり噴霧水量の過剰、つまり無駄な水を使うことになる。しかし、第一実施形態に係る冷却システムによれば、冷却余地に基づいた適切な水量を噴霧することができ、従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術では得られなかった、節水効果や動力削減効果を得ることができる。
また、従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術では、外気の相対湿度は外気温度の影響によって変動し、更に高湿度域においては誤差も大きくなる。このように変動が大きい外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御した場合、ノズルへ水を圧送するポンプの不要な発停を招く。ポンプが不要な発停を繰り返すと、ポンプを必要以上に劣化させてしまうことも懸念される。これに対し、第一実施形態に係る冷却システム100では、室外機吸込空気の温度と、室外機及びノズルと離れて設置された領域の外気の湿球温度との温度差(ΔT)に基づいて噴霧水量を制御するが、室外機吸込温度も室外機及びノズルと離れた領域の外気の湿球温度も外気温度の影響を同じように
受けるため、温度差(ΔT)ではその影響が打ち消される。そのため温度差(ΔT)は変動が小さく、外気の相対湿度に基づいて制御する場合と比較して、噴霧ポンプ7の不要な発停を抑えることができ、噴霧ポンプなどの設備の劣化も抑制することができる。ここで、図6は、遠方外気の相対湿度と温度差(ΔT)の経時変化実測例を示す。図6において縦軸は相対湿度(%RH)及び温度差(ΔT)(℃)を示し、横軸は時刻を示す。図6に示すように、温度差(ΔT)の変動は相対湿度の変動よりも小さくなっている。
また、室外機1の負荷が増加すると室外機1のファンの回転数が増加して吸込風量が増加し、室外機1の排熱量が増加する。このとき、室外機吸込空気には噴霧された水の潜熱によって冷却されない外気も多く混入されるようになる。そのため、第一実施形態に係る冷却システム100では、気象条件が仮に同じ場合でも、室外機1の負荷が増加すると、これに伴いコントローラ5で算出される温度差(ΔT)も大きくなる。つまり、実施形態に係る冷却システム100では、コントローラ5で算出される温度差(ΔT)は、気象条件に加えて室外機1の負荷も考慮された値となっている。その結果、室外機1の設置領域の状況に応じた水量制御が可能となる。ここで、図7は、室外機排熱量と温度差(ΔT)との相関実測例を示す。室外機排熱量は、室外機1の負荷に相当する。図7において、縦軸は温度差(ΔT)、横軸は排熱量(室外機排熱量合計/全数定格運転時の室外機排熱量合計)を示す。全数定格運転時の室外機排熱量合計とは、パッケージエアコンが全部フル運転をしている場合の排熱量の合計である。実際は停止していたり部分負荷運転をしていたりするパッケージエアコンが存在することから、室外機排熱量はこれより少なくなる。そこで、図7では、排熱量を室外機排熱量合計/全数定格運転時の室外機排熱量合計としており、この割合が17〜41%の範囲となっている。なお、この割合が高いほど、パッケージエアコンの室外機が多く排熱していることになる。図7に示すように、温度差(ΔT)と室外機排熱量には相関関係が確認できる。すなわち、図7では、プロットした点が右上がりの傾向を示しており、室外機排熱量が多いほどΔTが大きくなる傾向が確認できる。なお、例えば縦軸に適当な場所の外気の乾湿球温度差(ΔT’)を取ったとすると、ΔT’と室外機排熱量は無関係なので、プロットした点は右上がりでも右下がりでもなくランダムにばらつくことが想定される。
<第二実施形態>
図8は、第二実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。第二実施形態に係る冷却システム101は、エリア別に噴霧水量を調整する。具体的には、図8では、エリアA、エリアB、エリアCが設けられ、各エリアには、室外機1が12基、空気温度センサ3が1つ、噴霧ノズル2が6つ、噴霧ポンプが1つ設けられている。空気温度センサ3は、各エリアのほぼ中央部に設置され、設置されたエリアの代表温度を検知する。なお、空気温度センサ3を複数設置し、平均温度を取得するようにしてもよい。噴霧ノズル2は、同じエリアでは同一系統の配管6に設けられている。なお、第一実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明は割愛する。
なお、水量制御は、第一実施形態の水量制御と同様に行うことができる。水量制御がエリア毎に行われ、また、室外機吸込空気の温度が代表温度である点を除き、第一実施形態の水量制御と同じである。よって、説明は割愛する。
第二実施形態に係る冷却システム101によれば、第一実施形態に係る冷却システム100の効果に加え、エリア別の冷却が可能となる。エリア別に噴霧水量を制御することで、空気温度センサ3の設置数を減らすことができる。また、複数の噴霧ノズル2を纏めて制御できるため、コントローラ5の処理負荷を低減することができる。
<第三実施形態>
図9は、第三実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。第三実施形態に係る冷却
システム102においても、エリア別に噴霧水量を調整するが、各エリアに2系統の配管(第一系統の配管61、第二系統の配管62)を設置し、系統毎に噴霧水量を調整する。具体的には、図9では、エリアA、エリアB、エリアCが設けられ、各エリアには、室外機1が12基設置され、配管6が2系統設置されている。各系統の配管(第一系統の配管61、第二系統の配管62)には、噴霧ノズル21が3つ設けられている。また、系統毎に、噴霧ポンプ71、72が設けられている。なお、空気温度センサ3は、全エリアのほぼ中央部に設置され、全エリアの代表温度を検知する。なお、空気温度センサ3を複数設置し、平均温度を取得するようにしてもよい。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明は割愛する。
ここで、図10は、第三実施形態に係る水量制御の処理フロー図を示す。ステップS01では、コントローラ5は、室外機吸込空気の温度及び外気の湿球温度を取得する。室外機吸込空気の温度は、全エリアの中央に設置された空気温度センサ3で検知された温度である。ステップS02では、コントローラ5は、室外機吸込空気の温度と、外気の湿球温度との温度差(ΔT)を算出する。次に、ステップS03では、コントローラ5は、温度差(ΔT)が2℃未満かどうか判断する。温度差(ΔT)が2℃未満の場合、ステップS04−1へ進む。一方、温度差(ΔT)が2℃未満でない場合(2℃以上の場合)、ステップS05−1へ進む。
ステップS04−1では、コントローラ5は、全系統のミストの噴霧を停止する。具体的には、コントローラ5は、全てのミストの噴霧が停止するよう、第一系統の噴霧ポンプ71と第二系統の噴霧ポンプ72に動作を停止する旨の制御信号を送信する。ここで、図11は、水量制御テーブルの一例を示す。図11に示す、水量制御テーブルでは、温度差(ΔT)が3段階に区分され、各区分の制御内容が既定されている。具体的には、温度差(ΔT)が2℃未満では全系統の噴霧停止、温度差(ΔT)が2℃以上3℃未満では第一系統のみ噴霧、温度差(ΔT)が3℃以上では全系統噴霧に既定されている。図11に示す噴霧水量制御テーブルは例示であり、温度差の区分数、各区分の制御内容は適宜既定することができる。
ステップS05−1では、コントローラ5は、噴霧する系統数を決定する。コントローラ5は、温度差(ΔT)が2℃未満では全系統の噴霧停止、温度差(ΔT)が2℃以上3℃未満では第一系統のみ噴霧、温度差(ΔT)が3℃以上では全系統噴霧と決定する。噴霧する系統数が決定されると、その系統の噴霧ポンプに運転するよう、制御信号が送信される。以上により、一つの処理が終了する。但し、例えば電源がオフにならない限り、再びステップS01に戻り、制御処理が繰り返し実行される。また、以上の制御は、例えば10分間隔で行われ、噴霧する系統数が見直される。
第三実施形態に係る冷却システム102によれば、温度差(ΔT)に応じて段階的に噴霧水量を変えることができる。そのため、噴霧ポンプ71、72に使用する動力を抑えることができる。
<第四実施形態>
第四実施形態に係る冷却システムは、遮蔽板兼用の噴霧パネル9を備える。図12は、第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを示す。遮蔽板兼用の噴霧パネル9(以下、単に噴霧パネルという)は、板状であり、内部に平面方向に延びる、四角形断面の空洞が5つ設けられている。このうち、中央の空洞と隣接する2つの空洞が、噴霧用の水が流れる流路91として機能する。また、流路91沿って2つの噴霧ノズル22が設けられている。噴霧パネル9の材質は、軽量で耐腐食性に優れ、押し出し成型が容易なアルミニウムとすることができる。但し、材質はこれに限定されるものではない。
図13は、第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを横吸込吹上タイプの室外機群に設置した例を示す。図13に示す室外機1は、横吸込吹上タイプの室外機であり、室外機1の正面から外気を吸込、天面から排気する。このような横吸込吹上タイプの室外機1同士の天面を渡すように、噴霧パネル9を設置することで、室外機1の天面からの排気が回り込んで正面から吸い込まれるショートサーキットを抑制することができる。また、高価と言われている高圧配管の長さを削減することができる。
また、図14は、第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを下吸込吹上タイプの室外機群に設置した例を示す。図14に示す室外機11は、下吸込吹上タイプの室外機であり、室外機11の下部のチャンバを通じて外気を吸い込み、天面から排気する。このような下吸込吹上タイプの室外機11同士の間のチャンバに蓋をするように噴霧パネル9を設置することで、室外機11の天面からの排気が回り込んでチャンバ内に吸い込まれるショートサーキットを抑制することができる。また、高価と言われている高圧配管の長さを削減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る冷却システムや冷却方法はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
1、11・・・室外機
2、21、22・・・噴霧ノズル
3・・・空気温度センサ
4・・・湿球温度センサ
5・・・コントローラ
6、61、62・・・配管
7、71、72・・・噴霧ポンプ
8・・・フィルタ
9・・・噴霧パネル
100、101、102・・・冷却システム

Claims (9)

  1. 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
    前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
    前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
    前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
    前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備
    前記所定距離とは、前記室外機の位置から前記室外機の排気の影響を受けない位置までの距離である
    冷却システム。
  2. 前記制御装置は、前記算出した温度差が大きい場合、噴霧による冷却余地が大きいと判断し、前記ノズルから噴霧する水の水量を増加させ、前記算出した温度差が小さい場合、噴霧による冷却余地が小さいと判断し、前記ノズルから噴霧する水の水量を低減させる、請求項1に記載の冷却システム。
  3. 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
    前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
    前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
    前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
    前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備え、
    前記冷却システムは、複数の室外機を含む室外機群を室外機群のエリア毎に冷却し、
    前記室外機群のエリア別に設置される配管系であって、前記ノズルへ供給する水が流れる配管系を更に備え、
    前記空気温度センサは、前記室外機群のエリア別に設置され、
    前記制御装置は、前記室外機群のエリア別に設置された空気温度センサで検知された室
    外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記室外機群のエリア別に、噴霧発停を制御する、冷却システム。
  4. 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
    前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
    前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
    前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
    前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備え、
    前記冷却システムは、複数の室外機を冷却し、
    前記ノズルへ供給する水が流れる複数の配管系を更に備え、
    前記制御装置は、前記算出した温度差に基づいて、前記配管系統数を切り替え、前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する、冷却システム。
  5. 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
    前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
    前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
    前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
    前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、
    前記ノズルへ供給する水が流れる内部流路と、表面に設けられる前記ノズルのうち少なくとも何れかを有し、前記室外機吸込空気を吸い込む室外機の吸込面と当該室外機の排気面との間を遮蔽する、板状のパネルと、を備え
    却システム。
  6. 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却方法であって、
    前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧する噴霧工程と、
    前記室外機吸込空気の温度を検知する吸込空気の温度検知工程と、
    前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、
    前記室外機吸込空気の温度と、前記外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて噴霧する水の水量を制御する水量制御工程と、を備
    前記所定距離とは、前記室外機の位置から前記室外機の排気の影響を受けない位置までの距離である
    冷却方法。
  7. 前記水量制御工程では、前記算出した温度差が大きい場合、噴霧による冷却余地が大きいと判断し、噴霧する水の水量を増加させ、前記算出した温度差が小さい場合、噴霧による冷却余地が小さいと判断し、噴霧する水の水量を低減させる、請求項6に記載の冷却方法。
  8. 空冷パッケージの複数の室外機を含む室外機群の室外機吸込空気を、水の蒸発潜熱で、室外機群のエリア毎に冷却する冷却システムにおける冷却方法であって、
    前記室外機群のエリア別に設置される配管系から供給される水を、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水として噴霧する噴霧工程と、
    前記室外機吸込空気の温度を、前記室外機群のエリア別に検知する吸込空気の温度検知工程と、
    前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、
    前記吸込空気の温度検知工程で検知された室外機吸込空気の温度と、前記外気の温度検知工程で検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記室外機群のエリア別に、噴霧発停を制御する水量制御工程と、を備える、
    冷却方法。
  9. 空冷パッケージの複数の室外機の室外機吸込空気を、水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムにおける冷却方法であって、
    複数の配管系から供給される水を、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水として噴霧する噴霧工程と、
    前記室外機吸込空気の温度を検知する吸込空気の温度検知工程と、
    前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、
    前記吸込空気の温度検知工程で検知された室外機吸込空気の温度と、前記外気の温度検知工程で検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記配管系統数を切り替え、前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する水量制御工程と、を備える、
    冷却方法。
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