JP5977559B2 - 冷却システム、及び冷却方法 - Google Patents
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Description
り、必要な動力は散水方式より大きくなる。また、従来のミスト方式は、一般的に、高圧(例えば、2〜6(MPaG))のポンプと配管でシステムが構成されるため、散水方式よりも設備費は高額となる。また、従来のミスト方式は、噴霧水の圧力が高いため、通常の電磁弁で噴霧配管の水の流れを遮断することが難しく、散水方式のように空冷パッケージ毎に噴霧を発停していなかった。そのため、従来のミスト方式は制御なしで行おうとすると、運転時において、無駄な水や噴霧のための動力を使うことが問題となっていた。従来のミスト方式として、相対湿度により噴霧水量を制御するものも存在するが、節水効果や動力削減効果が十分であるとは言えない。
って、無駄な水の使用を抑制することができる。
噴霧パネルは、室外機の吸込面と排気面との間を遮蔽するように設置することで、ミストの噴霧に加えて、排気が吸い込まれるいわゆるショートサーキットを抑制することができる。また、ノズルに接続する配管は高圧に耐えうる材質(例えば、ステンレス)であることが求められ、このような高圧配管は高価であるが、板状の噴霧パネルを用いることで、高圧配管の長さを削減することができる。更に、流路とノズルとをユニット化することで、取り付けなどの作業負担を低減することができる。
動力の使用を低減する、室外機吸込空気を冷却する技術を提供することができる。
<<構成>>
図1、図2に示すように、第一実施形態に係る冷却システム100は、室外機1、噴霧ノズル2、空気温度センサ3、湿球温度センサ4、制御装置としてのコントローラ5、配管6、噴霧ポンプ7、フィルタ8を備える。
しい。また、室外機の下部から外気を吸い込み、天面から排気するような室外機(下吸込吹上タイプ)を密集して設置する場合、室外機の下部に架台の設置等により100〜400cmの高さの空間を形成して使用することができる。このような使用態様における室外機吸込空気は、室外機群の概ね中央部分で、室外機の底面から50〜100cm低い場所の空気を指す。よって、空気温度センサ3は、室外機群の概ね中央部分で、室外機の底面から50〜100cm低い場所に設置することが好ましい。
るプログラムによって実現される。メモリには、水量を制御するための水量制御プログラム、空気温度センサ3で検知された室外機吸込空気の温度、湿球温度センサ4で検知された外気の湿球温度が記憶可能である。CPUは、例えば、メモリにアクセスし、水量制御プログラム、室外機吸込空気の温度、外気の湿球温度を読み込み、水量制御プログラムを実行する。水量制御の詳細については、後述する。
次に、水量制御について説明する。ここで、図3は、第一実施形態に係る水量制御の処理フロー図を示す。以下に説明する水量制御の処理は、コントローラ5が例えば一定間隔で繰り返し実行する。また、水量制御の処理は、既定時間になるとコントローラ5が実行するようにしてもよい。まず、ステップS01では、コントローラ5は、室外機吸込空気の温度及び外気の湿球温度を取得する。室外機吸込空気の温度は、空気温度センサ3で検知された温度である。外気の湿球温度は湿球温度センサ4で検知された温度である。なお、第一実施形態に係る湿球温度センサ4は、乾球温度を検知する温度センサ及び相対湿度を検知する相対湿度センサによって構成されており、コントローラ5は、乾球温度と相対湿度を取得する。そして、コントローラ5は、取得した乾球温度と相対湿度から外気の湿
球温度を算出する。室外機吸込空気の温度及び外気の湿球温度を取得されるとステップS02へ進む。
ここで、図5は、噴霧水量を変えた場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。図5Aは、噴霧をしない場合の温度差(ΔT)の実測例を示し、図5Bは、噴霧水量が少ない場合の温度差(ΔT)の実測例を示し、図5Cは、噴霧水量がやや多い場合の温度差(ΔT)の実測例を示し、図5Dは、噴霧水量が多い場合の温度差(ΔT)の実測例を示す。縦軸は室外機吸込温度(℃)であり、横軸は室外機及びノズルと離れた領域の外気の湿球温度(℃WB)を示す。プロットは温度差(ΔT)であり、点線は温度差(ΔT)が0℃及び2℃の線を示す。なお、本実測では、定格冷房能力45kWのパッケージエアコンを6台設置した。噴霧水量が少ない場合とは、噴霧量0.9L/min、噴霧水量がやや多い場合とは、噴霧量1.1L/min、噴霧水量が多い場合とは、噴霧量1.7L/minである。
第一実施形態に係る冷却システム100によれば、室外機吸込空気に対して、噴霧ノズル2からミストを噴霧することで、室外機吸込空気を冷却することができる。室外機の熱交換器を濡らさずに冷却できるので、熱交換器のフィン表面を腐食させたり、スケール(水垢)を付着させたりすることがない。そのため、室外機の熱交換器の劣化を抑えることができる。また、コントローラ5で算出される温度差(ΔT)、すなわちミストによる「冷却余地」に基づいて噴霧水量を制御することで、無駄な水の使用や、噴霧ポンプ7の無駄な動力の使用を低減することができる。例えば、従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術では、外気の相対湿度がミストによる冷却余地と比例していないことから、外気が高温の場合は噴霧水量の不足を招く。一方で、外気が低温の場合は噴霧水量の過剰、つまり無駄な水を使うことになる。これに対し、第一実施形態に係る冷却システム100では、温度差(ΔT)、すなわち冷却余地に基づいて噴霧水量を制御することで、温度差が大きい場合(例えば、温度差(ΔT)が5℃以上)はミストによる冷却余地が大きいと判断され、十分な水量のミストが噴霧される。そのため、噴霧水量が不足することもない。また、温度差が小さい場合(例えば、温度差(ΔT)が2℃以上、5℃未満)はミストによる冷却余地が小さいと判断され、必要最低限のミストが噴霧される。また、温度差が非常に小さい場合(例えば、温度差(ΔT)が2℃未満)、ミストによる冷却余地がほとんど無いと判断し、噴霧が停止される。そのため、無駄な水の使用を抑制するとともに、噴霧ポンプ7の無駄な動力の使用を低減することができる。従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術において、例えば相対湿度80%以上で噴霧を停止する制御とすると、外気温度15℃で相対湿度80%と、外気温度35℃で相対湿度80%の何れの場合でも、噴霧が停止される。外気温度15℃で相対湿度80%の場合の乾湿球温度差が約2℃であるのに対して外気温度35℃で相対湿度80%の場合は3.2℃であり、噴霧を停止するタイミングとしては早すぎる。つまり、従来のミスト方式では、外気の相対湿度がミストによる冷却余地と比例しておらず、同じ相対湿度でも外気が高温の場合は冷却余地が大きくなり噴霧水量の不足を招き、一方で外気が低温の場合は冷却余地が小さくなり噴霧水量の過剰、つまり無駄な水を使うことになる。しかし、第一実施形態に係る冷却システムによれば、冷却余地に基づいた適切な水量を噴霧することができ、従来のミスト方式のように外気の相対湿度に基づいて噴霧水量を制御する技術では得られなかった、節水効果や動力削減効果を得ることができる。
受けるため、温度差(ΔT)ではその影響が打ち消される。そのため温度差(ΔT)は変動が小さく、外気の相対湿度に基づいて制御する場合と比較して、噴霧ポンプ7の不要な発停を抑えることができ、噴霧ポンプなどの設備の劣化も抑制することができる。ここで、図6は、遠方外気の相対湿度と温度差(ΔT)の経時変化実測例を示す。図6において縦軸は相対湿度(%RH)及び温度差(ΔT)(℃)を示し、横軸は時刻を示す。図6に示すように、温度差(ΔT)の変動は相対湿度の変動よりも小さくなっている。
図8は、第二実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。第二実施形態に係る冷却システム101は、エリア別に噴霧水量を調整する。具体的には、図8では、エリアA、エリアB、エリアCが設けられ、各エリアには、室外機1が12基、空気温度センサ3が1つ、噴霧ノズル2が6つ、噴霧ポンプが1つ設けられている。空気温度センサ3は、各エリアのほぼ中央部に設置され、設置されたエリアの代表温度を検知する。なお、空気温度センサ3を複数設置し、平均温度を取得するようにしてもよい。噴霧ノズル2は、同じエリアでは同一系統の配管6に設けられている。なお、第一実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明は割愛する。
図9は、第三実施形態に係る冷却システムの概略構成を示す。第三実施形態に係る冷却
システム102においても、エリア別に噴霧水量を調整するが、各エリアに2系統の配管(第一系統の配管61、第二系統の配管62)を設置し、系統毎に噴霧水量を調整する。具体的には、図9では、エリアA、エリアB、エリアCが設けられ、各エリアには、室外機1が12基設置され、配管6が2系統設置されている。各系統の配管(第一系統の配管61、第二系統の配管62)には、噴霧ノズル21が3つ設けられている。また、系統毎に、噴霧ポンプ71、72が設けられている。なお、空気温度センサ3は、全エリアのほぼ中央部に設置され、全エリアの代表温度を検知する。なお、空気温度センサ3を複数設置し、平均温度を取得するようにしてもよい。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明は割愛する。
第四実施形態に係る冷却システムは、遮蔽板兼用の噴霧パネル9を備える。図12は、第四実施形態に係る遮蔽板兼用の噴霧パネルを示す。遮蔽板兼用の噴霧パネル9(以下、単に噴霧パネルという)は、板状であり、内部に平面方向に延びる、四角形断面の空洞が5つ設けられている。このうち、中央の空洞と隣接する2つの空洞が、噴霧用の水が流れる流路91として機能する。また、流路91沿って2つの噴霧ノズル22が設けられている。噴霧パネル9の材質は、軽量で耐腐食性に優れ、押し出し成型が容易なアルミニウムとすることができる。但し、材質はこれに限定されるものではない。
2、21、22・・・噴霧ノズル
3・・・空気温度センサ
4・・・湿球温度センサ
5・・・コントローラ
6、61、62・・・配管
7、71、72・・・噴霧ポンプ
8・・・フィルタ
9・・・噴霧パネル
100、101、102・・・冷却システム
Claims (9)
- 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備え
前記所定距離とは、前記室外機の位置から前記室外機の排気の影響を受けない位置までの距離である
冷却システム。 - 前記制御装置は、前記算出した温度差が大きい場合、噴霧による冷却余地が大きいと判断し、前記ノズルから噴霧する水の水量を増加させ、前記算出した温度差が小さい場合、噴霧による冷却余地が小さいと判断し、前記ノズルから噴霧する水の水量を低減させる、請求項1に記載の冷却システム。
- 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備え、
前記冷却システムは、複数の室外機を含む室外機群を室外機群のエリア毎に冷却し、
前記室外機群のエリア別に設置される配管系であって、前記ノズルへ供給する水が流れる配管系を更に備え、
前記空気温度センサは、前記室外機群のエリア別に設置され、
前記制御装置は、前記室外機群のエリア別に設置された空気温度センサで検知された室
外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記室外機群のエリア別に、噴霧発停を制御する、冷却システム。 - 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、を備え、
前記冷却システムは、複数の室外機を冷却し、
前記ノズルへ供給する水が流れる複数の配管系を更に備え、
前記制御装置は、前記算出した温度差に基づいて、前記配管系統数を切り替え、前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する、冷却システム。 - 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムであって、
前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧するノズルと、
前記室外機吸込空気の温度を検知する空気温度センサと、
前記室外機及び前記ノズルと所定距離離れて設置され、外気の湿球温度を検知する湿球温度センサと、
前記空気温度センサで検知された室外機吸込空気の温度と、前記湿球温度センサで検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する制御装置と、
前記ノズルへ供給する水が流れる内部流路と、表面に設けられる前記ノズルのうち少なくとも何れかを有し、前記室外機吸込空気を吸い込む室外機の吸込面と当該室外機の排気面との間を遮蔽する、板状のパネルと、を備える
冷却システム。 - 空冷パッケージの室外機吸込空気を水の蒸発潜熱で冷却する冷却方法であって、
前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水を噴霧する噴霧工程と、
前記室外機吸込空気の温度を検知する吸込空気の温度検知工程と、
前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、
前記室外機吸込空気の温度と、前記外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて噴霧する水の水量を制御する水量制御工程と、を備え
前記所定距離とは、前記室外機の位置から前記室外機の排気の影響を受けない位置までの距離である
冷却方法。 - 前記水量制御工程では、前記算出した温度差が大きい場合、噴霧による冷却余地が大きいと判断し、噴霧する水の水量を増加させ、前記算出した温度差が小さい場合、噴霧による冷却余地が小さいと判断し、噴霧する水の水量を低減させる、請求項6に記載の冷却方法。
- 空冷パッケージの複数の室外機を含む室外機群の室外機吸込空気を、水の蒸発潜熱で、室外機群のエリア毎に冷却する冷却システムにおける冷却方法であって、
前記室外機群のエリア別に設置される配管系から供給される水を、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水として噴霧する噴霧工程と、
前記室外機吸込空気の温度を、前記室外機群のエリア別に検知する吸込空気の温度検知工程と、
前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、
前記吸込空気の温度検知工程で検知された室外機吸込空気の温度と、前記外気の温度検知工程で検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記室外機群のエリア別に、噴霧発停を制御する水量制御工程と、を備える、
冷却方法。 - 空冷パッケージの複数の室外機の室外機吸込空気を、水の蒸発潜熱で冷却する冷却システムにおける冷却方法であって、
複数の配管系から供給される水を、前記室外機吸込空気に対して、ミスト状の水として噴霧する噴霧工程と、
前記室外機吸込空気の温度を検知する吸込空気の温度検知工程と、
前記室外機及び前記ミスト状の水を噴霧する位置と所定距離離れた位置で外気の湿球温度を検知する外気の温度検知工程と、
前記吸込空気の温度検知工程で検知された室外機吸込空気の温度と、前記外気の温度検知工程で検知された外気の湿球温度との温度差を算出し、算出した温度差に基づいて、前記配管系統数を切り替え、前記ノズルから噴霧する水の水量を制御する水量制御工程と、を備える、
冷却方法。
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