JP5976813B2 - 癌を治療するための、特に、癌転移を予防および/または治療するための、3−(r)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(s)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2h−1,5−ベンゾオキサチエピンの使用 - Google Patents

癌を治療するための、特に、癌転移を予防および/または治療するための、3−(r)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(s)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2h−1,5−ベンゾオキサチエピンの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP5976813B2
JP5976813B2 JP2014530190A JP2014530190A JP5976813B2 JP 5976813 B2 JP5976813 B2 JP 5976813B2 JP 2014530190 A JP2014530190 A JP 2014530190A JP 2014530190 A JP2014530190 A JP 2014530190A JP 5976813 B2 JP5976813 B2 JP 5976813B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pharmaceutical composition
composition according
treatment
treating cancer
methoxyphenylthio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014530190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014526485A5 (ja
JP2014526485A (ja
Inventor
ベルナール、バシェ
ブルーノ、ル、グラン
Original Assignee
ピエール、ファーブル、メディカマン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ピエール、ファーブル、メディカマン filed Critical ピエール、ファーブル、メディカマン
Publication of JP2014526485A publication Critical patent/JP2014526485A/ja
Publication of JP2014526485A5 publication Critical patent/JP2014526485A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5976813B2 publication Critical patent/JP5976813B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/38Heterocyclic compounds having sulfur as a ring hetero atom
    • A61K31/39Heterocyclic compounds having sulfur as a ring hetero atom having oxygen in the same ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/08Solutions

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

発明の背景
本発明は、癌の治療、特に、癌転移の予防および/または治療における、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその薬学的に許容可能な塩のいずれかの使用に関する。
下記式により表される3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピン
その薬学的に許容可能な塩、ならびにアンギナ(angina)、心不全、心筋梗塞および心拍障害の治療におけるその使用は特許出願WO02/081464号において記載されている:
Figure 0005976813
癌は、異常となった体の細胞の増殖および制御されない播種に関連する疾患として広く定義され得る。癌は先進国における主な死亡原因の一つであり、新たな症例の数は絶えず増加している。しかしながら、とりわけ、抗癌治療の進歩により、癌による死亡率は大幅に減少した。抗癌治療は、該疾患の種類および進行度に応じて、外科手術、放射線療法および化学療法を含む。ほとんどの場合、二つまたは三つのアプローチを組み合わせることが必要である。
放射線療法は、電離放射線を使用して隣接する健常組織を可能な限り回避しながら癌細胞を破壊する、癌の局所領域治療法である。化学療法は、癌細胞を死滅させるかまたは癌細胞増殖を制限する傾向がある物質の使用で構成される。
癌が早期に、つまり、転移が起こる前に、発見された場合、予後は比較的良好である。しかしながら、実際には、これは症例のおよそ30%にすぎない。原発性腫瘍として知られる腫瘍は、その後、一般的には、外科手術および/または放射線療法によって局所的に処置され、患者は再発の危険性および続発性腫瘍の発症、または転移を減少させることを目的とした追加化学療法を受けることがある。
多くの種類の癌は転移形成能力があり、このような転移は原発性腫瘍から遠隔部であることもあり、原発性腫瘍の処置から数年後に起こり得る。この現象は、血管新生前の(pre-angiogenic)微小転移または一つまたは複数の二次部位で長期間分裂せずに残る細胞の存在によって説明が付く。癌腫学では、転移という用語は、確認されているか否かに関係なく、原発性腫瘍からの細胞の拡散によって生じる続発性腫瘍を示す。微小転移という用語は、これらの続発性腫瘍の大きさが2mm以下である場合に用いられる。
転移性細胞は、原発性腫瘍が起源であるが、正確には、原発性腫瘍の細胞と同一ではない。実際には、これらの細胞は、該細胞の癌性表現型から転移性表現型への移行を可能にする複数の形質を獲得する必要がある。しかしながら、転移の形成は複雑なプロセスであり(本明細書では「転移プロセス」と短縮される)、それによって、癌細胞は原発性腫瘍から離れ、リンパおよび/または血液系を利用して体の他の部位へ移動する。転移プロセスは複数の段階に分けられる:1)癌細胞は原発性腫瘍から離脱し、腫瘍と隣接組織とを分けている細胞外マトリックスを形成するタンパク質に結合し、同時に、それらのタンパク質を分解し、2)一度、細胞外マトリックスで破壊が起こると、癌細胞はリンパおよび/または血管を含む周囲組織に浸潤し、3)その後、癌細胞は循環中で生き残り、一つまたは複数の二次部位へ輸送され、そこで管外遊出により癌細胞が出現し、4)癌細胞は組織と結合し、微小環境の活性化および血管新生の誘導後に増殖し、転移を形成する。
血管新生という用語は、既存の血管系から新しい毛細血管の形成に至る一連のプロセスを示す。
癌のほとんどの症例では、原発性腫瘍が死亡原因ではなく、転移発生や一つまたは複数の臓器での増殖が原因である。
転移型癌の治療は本質的に化学療法に基づいており、放射線療法および/または外科手術は、一般的には、一部の症状を軽減するために追加的に用いられる。しかしながら、実際には、全身化学療法処置は転移に対して効果がなく、転移プロセスそれ自体に対して何の作用も及ぼさない。
さらなる戦略が開発されたが、その戦略は、転移を撲滅することではなく、むしろ、血管内皮からの細胞の増殖を阻害する物質を使用して腫瘍血管新生を妨げることにより数mmを超える増殖を防止することで構成された。
抗癌治療に用いられる血管新生阻害物質としては、ベバシズマブ、ソラフエニブおよびスニチニブが挙げられる。ベバシズマブは、血管増殖因子(VEGF)の総てのアイソフォームに結合し、VEGF受容体とのそれらの結合を阻害するモノクローナル抗体である。ソラフエニブおよびスニチニブは、チロシンキナーゼ受容体(特に、VEGFのもの)の非選択的阻害剤である。血管新生阻害物質は、化学療法薬の送達を増大させるが転移プロセスそれ自体を妨げるものではないため、それらは間接的抗転移作用を有する。それにもかかわらず、該医薬品には重大な欠点がある:1)該医薬品は、組織の微小血管密度を低下させ、正常な修復プロセスを妨げる、2)該医薬品は、冠動脈疾患を悪化させ、動脈性高血圧および血栓症を引き起こす、3)応答または耐性発現の予測因子がない、4)該医薬品のコストが非常に高い。
現在の治療の限界を考慮すれば、癌に罹患している患者における転移を予防することが可能な物質が真に医学上必要である。
さらに、問題の物質は、既存の医薬品の抗転移性と相補的となる、直接的な抗転移性を有することが非常に望ましいように思われる。
イオンチャンネルは、転移形成に必要な浸潤および移動機構に関与することが記載されている(Arcangeli et al. 2009, Curr. Med. Chem. 16, 66-93)。癌細胞において異常に発現されるイオンチャネルとしては、Nav1.5電位依存性ナトリウムチャネルが挙げられる(Onkal and Djamgoz 2009, Eur. J. Pharmacol. 625, 206-219)。本発明では、「Nav1.5」という用語は、チャネル孔を形成するαサブユニットが、3番染色体上に位置するSNC5A遺伝子(H1としても知られている)によってコードされている電位依存性ナトリウムチャネルを示す。αサブユニットは、11番および19番染色体上にあるSNC1B、SNC2B、SNC3B、SNC4B遺伝子によってコードされている一つまたは複数の補助サブユニット(βサブユニットと呼ばれている)と結合している可能性がある。
このような点から、卵巣癌細胞における機能的Nav1.5チャネルの発現がその転移能を著しく増大させることが示された(Gao et al. 2010, Oncology Reports 23, 1293-1299)。同様に、機能的Nav1.5チャネルは、高転移性乳癌(Brisson et al. 2011, Oncogene 30, 2070-2076)や結腸癌生検材料(House et al. 2010, Cancer Res. 70, 6957-6967)においても検出されたが、一方、対応する組織の正常な細胞あるいは転移をほとんどまたは全く示さない腫瘍のものでは認められない。また、Nav1.5チャネルは複数の肺癌生検材料および腫瘍株においても検出された(Roger et al. 2007, Int. J. Biochem. Cell Biol. 39, 774-786)。Nav1.5型チャネルの発現または過剰発現は、さらに、癌細胞の転移能についての診断ツールとしても提示された(Fraser et al. 2005, Clin. Cancer Res. 11, 5381-5389)。また、乳、結腸および前立腺の癌における長鎖不飽和脂肪酸の有益な効果がNav1.5ナトリウム電流に対するその阻害特性と関連している可能性があることも示唆されているが、その作用機序は分かっていないが(Gillet et al. 2011, Biochimie 93, 4-6)。in vitro実験により、テトロドトキシンなどのNav1.5チャネル遮断薬または新生児型Nav1.5チャネルを標的とするポリクローナル抗体は複数の癌細胞株における転移能を減弱させることが示されている(Chioni et al. 2005, J. Neurosci. Methods 147, 88-98)。
このように、様々なデータによって、Nav1.5チャネルによってもたらされるナトリウム電流は、少なくとも、一部の種類の癌、特に、乳、肺、前立腺、結腸、膀胱、卵巣、精巣、皮膚、甲状腺または胃の癌で、癌細胞の転移プロセスにおいて重要な役割を果たすことが示されている。Nav1.5チャネルが転移形成を促進する機構は解明されていないが、複数の仮説、例えば、接着修飾、タンパク質分解酵素調節などが示唆された。よって、結論として、Nav1.5チャネルが、転移形成を予防するための潜在的標的として浮上する。
Nav1.5チャネルの普遍的な役割を考慮すれば、抗癌薬および/または抗転移薬を開発するための治療標的としてのその使用はそれでもなお複雑である。実際には、Nav1.5チャネルは体内に、特に、心臓および血管の細胞に広く分布する(Goldin 2001, Annu. Rev. Physiol. 63, 871-894)。
心筋細胞では、Nav1.5チャネルの開口によりナトリウム電流の流入が引き起こされるが、ナトリウム電流は少なくとも2つのモードに従って不活化され、各モードはチャネル閉鎖速度論によって特徴付けられ得る:速い不活性化および遅い不活性化。速い不活性化は数ミリ秒しか続かないいわゆる「速い」Nav1.5電流を誘導するが、一方、遅い不活性化は数十ミリ秒持続するいわゆる「遅い」電流を発生させる。速いNav1.5電流は正常な心機能において基本的な役割を果たし、その際、その電流は心臓の活動電位を活性化し伝播する。その一方で、遅い電流のものは正常な心機能において重要ではないようであり、生じるだけであるか、またはストレスを受ける心臓および血管の細胞で著しく増幅される(Bocquet et al. 2010, Br. J. Pharmacol. 161, 405-415)。
驚くべきことに、本発明者らは、遅いNav1.5電流の選択的阻害剤である3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンが、癌細胞において見出されるNav1.5ナトリウムチャネルによってもたらされるナトリウム電流(本明細書では「転移性Nav1.5電流」と短縮される)も阻害することを示した。
この見解に基づいて、転移性Nav1.5電流と遅いNav1.5電流は、両方とも、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンによって認識されるのに十分なほど類似した生物物理学的特徴を有するということが明らかになった。
また、転移性Nav1.5電流と、速い心臓Nav1.5電流とは、実際に区別できないということも明らかになった。実際には、本発明者らは、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは、高用量でも、速いNav1.5電流の制御下では正常な心血管系機能に影響を及ぼさないことを示した。このように、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは、転移性Nav1.5電流を遮断するが、正常な心臓および血管の機能に不可欠な速いNav1.5電流を妨げないことから、抗転移薬としての使用に必要な作用の選択性を有するものである。
Nav1.5チャネル阻害剤/遮断薬には、天然毒、治療用分子(例えば、麻酔薬、抗不整脈薬)および殺虫剤などの数多くの非Nav1.5選択的化合物が含まれる(Anger et al. 2001, J. Med. Chem. 44, 115-137)。好適な遅い心臓Nav1.5電流遮断薬として記載されている医薬品は二つだけである:ラノラジン(RN 95635−55−5)およびリルゾール(RN 1744−22−5)。しかし、それらは比較的効果が低く、かつ該電流に対して非選択的である。さらに、それらはNav1.5チャネル以外の分子標的とも相互作用する。興味深いことに、リルゾールは黒色腫において抗転移作用を有することが報告されている。しかしながら、この作用は遅いNav1.5ナトリウム電流阻害以外の機構を必要とする(US 20100221246;Biechele et al. 2010, Chemistry & Biology 17, 1177-1182; Wu et al. 2009, NeuroToxicology 30, 677-685)。
よって、本発明は、癌と闘うため、より詳細には、既存の薬剤では果たすことができない、転移プロセスへの直接作用によって、癌の転移を予防または治療するための新規手段を提供する。
発明の具体的説明
Nav1.5チャネルは乳、肺、前立腺、または結腸の癌などの様々な種類の転移性癌において同定されているが、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンの使用は該種類の癌に限定されず、癌細胞が、とりわけ、Nav1.5チャネルを発現するあらゆる種類の癌に適用されることは明らかである。
より具体的には、例として、本発明によれば、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩が、高転移性ヒト乳癌腫瘍株において転移性Nav1.5電流を遮断することが示される。癌細胞において見出されるNav1.5チャネルによってもたらされる電流と、その転移形成傾向との間で確立される関係を考慮すれば、該電流の阻害特性の検出は抗転移性の検出に等しい。さらに、本発明者らは、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは細胞毒性を示さないことも示した。
本発明は、癌を治療すること、より詳細には、癌の転移を予防または治療することを目的とした医薬品として使用するための、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩に関する。
本発明では、「薬学的に許容可能な」という用語は、ヒトに投与される場合に、有害作用もしくはアレルギー作用または他の望ましくない反応を一切もたらさない分子実体および組成物を指す。本明細書において用いられる場合、「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、任意の希釈剤、助剤または賦形剤、例えば、防腐剤、増量剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、抗菌薬もしくは抗真菌薬、あるいは腸管消化吸収および再吸収の遅延に好適な薬剤を包含する。これらの媒質または媒介物の使用は当業者に周知である。
化合物の「薬学的に許容可能な塩」という用語は、本明細書において定義されるように、薬学上許容され、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を指す。そのような塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとともに形成されるか、または有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプタン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、ジベンゾイル−L−酒石酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸、トリフルオロ酢酸などとともに形成される酸付加塩を含んでなる。
薬学的に許容可能な塩は、その酸付加塩の、本明細書に定義される溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形)も包含する。
本発明はまた、癌性腫瘍であって、該細胞が、とりわけ、Nav1.5電位依存性ナトリウムチャネルを発現する1種以上の癌性腫瘍を呈する患者における、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
本発明はさらに、癌の治療における、より詳細には、癌転移を予防または治療するための使用のための、活性物質としての、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含有する医薬組成物に関する。好適には、本発明による組成物が関係する癌は、乳、肺、前立腺、結腸、膀胱、卵巣、精巣、皮膚、甲状腺、または胃の癌である。
好ましくは、本発明による医薬組成物は、該患者の腫瘍細胞が、とりわけ、Nav1.5チャネルを発現する患者を対象とする。該患者の腫瘍細胞中のNav1.5チャネルの存在は、SCN5A遺伝子のメッセンジャーRNAおよび/またはチャネルタンパク質それ自体の存在によって検出することができる。該メッセンジャーRNAおよび/または該タンパク質は、例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、ウエスタンブロットまたはin situハイブリダイゼーションなどの当業者に周知の技術によって検出することができる。腫瘍細胞は、原発性腫瘍、転移種、リンパ節または血液から採取されたサンプルから得ることができ、該細胞を直接解析することができるし、またはin vitroで培養した後に解析することもできる。
本発明による医薬組成物は、1種以上のさらなる活性物質、例えば、抗癌薬とともに投与することができるし、または放射線療法処置もしくは外科的処置と関連して投与することができるし、またはそれらを組み合わせた場合も投与することができる。その際、投与は一つまたは複数の他の処置に対して、同時であってよく、単独であってよく、または時差的(staggered)であってもよい。また、該医薬組成物は、全期間中使用することができるし、または他の抗癌治療の期間より短いまたはより長い期間使用することもできる。
本発明による医薬組成物は、ヒトへの投与のために処方される。本発明による組成物は、経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、局所または直腸あるいは鼻腔内の経路によって投与することができる。この場合、有効成分は、従来の医薬用担体と混合された単位剤形で、ヒトへ投与することができる。好適な単位剤形としては、経口形態、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤および経口液剤または懸濁剤、舌下および口内剤形、皮下もしくは経皮、局所、筋肉内、静脈内、鼻腔内または眼内剤形、直腸剤形が挙げられる。
錠剤形態の固体組成物を調製する場合、主要な有効成分を、医薬用賦形剤、例えば、ゼラチン、デンプン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガム、シリカまたは同等物と混合する。錠剤は、スクロースまたは他の好適な材料でコーティングすることができるし、あるいは作用が持続または遅延し、所定量の有効成分が連続的に放出されるように、処理することもできる。
カプセル製剤は、有効成分を希釈剤と混合し、得られた混合物を軟または硬ゼラチンカプセル剤に注入することによって得られる。
シロップ剤またはエリキシル剤形態の製剤には、有効成分を、甘味料、防腐剤、ならびに香味剤および好適な着色剤とともに含めることができる。
水分散性散剤または顆粒剤には、有効成分を、分散剤もしくは湿潤剤または懸濁化剤、ならびに香味物質または甘味料との混合物として含めることができる。
直腸投与には坐剤が使用され、坐剤は直腸温度で溶融する結合剤、例えば、カカオ脂またはポリエチレングリコールを用いて調製される。
非経口(静脈内、筋肉内、皮内、皮下)、鼻腔内または眼内投与には、薬理学上適合する分散剤および/または湿潤剤を含有する水性懸濁液、等張生理食塩水または滅菌注射液が使用される。
有効成分はまた、所望により、1種または複数種の添加担体とともに、マイクロカプセル形態に処方することもできる。
有利には、本発明による医薬組成物は経口または静脈内投与を目的とするものである。
本発明による医薬組成物は、付加的または所望により相乗的な作用をもたらすさらなる有効成分を含んでいてもよい。
本発明による組成物中の3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩の用量は、前記投与方法を用いる特定の組成物で求められる治療効果を得るのに効果的な物質の量を得るように調整することができる。本発明による化合物の有効量は、例えば、選択した投与経路、治療を受ける対象の体重、年齢、性別および感受性などの数多くのパラメーターによって変動する。そのため、最適用量は、関連専門医によって関連性があるとみなされるパラメーターに応じて決定されるべきである。有効量は大きな割合で変動し得るが、1日用量は24時間当たり1mg〜1000mgの間、好適には、平均体重70kgの成人の場合1回以上の投与で1〜200mgの間で変動し得た。
次の実施例により本発明をより明確に理解することができるが、その範囲を限定するものではない。
単に例示として、本発明者らは実験において、高転移性ヒト乳腺癌株であるMDA−MB−231株を使用することを選択した。実際には、該細胞が、とりわけ、機能的Nav1.5電位依存性ナトリウムチャネルを発現すること、そして、様々な薬理学的ツールを用いた該チャネルの遮断によりその転移能が低下することを示した(Brackenbury et al. 2007, Breast Cancer Res. Treat. 101, 149-160)。しかしながら、問題の薬理学的ツールは転移プロセスに関与するNav1.5ナトリウム電流の性質の正確な特徴に適していない。しかし、本発明者らは、MDA−MB−231細胞において行った「全細胞」コンフィギュレーションでのパッチクランプ実験によって、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは濃度依存的に転移性Nav1.5電流を減少させる(IC50=1.5μM)ことを示した。このため、本発明者らは、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンはNav1.5チャネルを発現する癌細胞に対して抗転移性を有すると考えている。従って、重要なことは、数多くの種類の転移性癌がNav1.5チャネルを発現すると報告されていることに気づくことである。
方法
細胞培養:MDA−MB−231細胞を、4mM L−グルタミンおよび10%ウシ胎仔血清を補給したダルベッコ改変イーグル培地(Life Technologies LTD, Paisley, UK)で培養する。それらの細胞を100mm培養皿に接種し、37℃、100%湿度および5%COのインキュベーター内に入れる。
「全細胞」コンフィギュレーションでの電気生理学的測定:パッチピペット(抵抗5〜15MΩ)に、5mM NaCl、145mM CsCl、2mM MgCl、1mM CaCl、10mM HEPESおよび11mM EGTAの溶液を入れ、pHをCsOHにより7.4に調整する。140mM NaCl、4mM KCl、2mM MgCl、11mM グルコース、10mM HEPESの溶液からなる細胞外液に参照電極を浸漬し、pHをNaOHにより7.4に調整する。これら2つの電極をAxopatch 200B増幅器(Axon Instrument)に接続する。電流を、周波数5kHzでベッセルフィルターを使用してフィルタリングし、Digidataインターフェース(1200)を使用して周波数5kHzでサンプリングする。pClampソフトウェア(Axon Instrument)を使用してデータ取得および解析を行う。保持電位を−110mVに設定して、最大Navチャネル活性を記録する。
二つのプロトコールを用いた:
1/印加電圧に応じたINaの最大振幅を観測するための「電位依存性電流INa」プロトコール。周波数0.2Hzで−110mVから+60mVまで、5mV刻みでの脱分極を行う。脱分極間隔は600msである(添付の図面を参照)。
2/電流振幅に対する試験製品の効果を測定するための「反復脱分極」プロトコール。この目的では、周波数0.5Hzで、−20mVでの脱分極を順次行う。脱分極間隔は25msである。
結果
試験した細胞は約900pAの最大振幅の電流を示す。電流活性化閾値は−50mVにあり、電流ピークは−20mV付近にあり、逆転電位は+30mVにある(添付の図面)。媒体中にNaイオンが不在の場合には電流はキャンセルされ、問題の電流がナトリウム電流であることが確認される。テトロドトキシン(Sigma)によるピーク電流阻害は部分的にすぎず、1μMでは30±7%、5μMでは54±8%であり、問題の電流はテトロドトキシン耐性であることが示される。
さらに、本発明者らは、in vivoで、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは高用量でも正常な心機能を妨げないことを示した。
よって、本発明は、1)3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは転移プロセスに対して直接作用を有し、従って、既存の治療と相補的であるという特徴、2)3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンは、癌細胞に対して選択的に作用し、抗転移用量で、正常な心臓および血管の機能などのNav1.5ナトリウムチャネルが関係している他の機能を妨げないという特徴を有する。

Claims (16)

  1. 癌を治療するための医薬品の製造のための、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩の使用
  2. 癌転移を予防または治療するための医薬品の製造のための、請求項1に記載の使用。
  3. 医薬品が、癌性腫瘍であって、該細胞が、とりわけ、Nav1.5電位依存性ナトリウムチャネルを発現する1種以上の癌性腫瘍を呈する患者のための、請求項1または2の使用。
  4. 医薬品が、乳、肺、前立腺、結腸、膀胱、卵巣、精巣、皮膚、甲状腺、または胃の癌に罹患している患者のためである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 癌を治療するための医薬品としての使用のための、活性物質としての、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含有する、医薬組成物。
  6. 癌転移を予防または治療するための、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 癌性腫瘍であって、該細胞が、とりわけ、Nav1.5電位依存性ナトリウムチャネルを発現する1種以上の癌性腫瘍を呈する患者に使用するための、請求項5または6に記載の医薬組成物。
  8. 乳、肺、前立腺、結腸、膀胱、卵巣、精巣、皮膚、甲状腺、または胃の癌に罹患している患者に使用するための、請求項5〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 化学療法処置を受ける患者に使用するための、請求項5〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 化学療法処置との関連での、同時使用、単独使用、または時差的使用のための、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 放射線療法処置および/または外科的処置を受ける患者に使用するための、請求項5〜のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 射線療法処置および/または外科的処置との関連での、同時使用、単独使用、または時差的使用のための、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 化学療法処置ならびに放射線療法処置および/または外科的処置を受ける患者に使用するための、請求項5〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 化学療法処置ならびに放射線療法処置および/または外科的処置との関連での、同時使用、単独使用、または時差的使用のための、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 経口または静脈内投与のための、請求項5〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  16. 1〜1000mgの間の、3−(R)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(S)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾオキサチエピンまたはその一つの薬学的に許容可能な塩の1日用量単位形態である、請求項5〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
JP2014530190A 2011-09-13 2012-09-12 癌を治療するための、特に、癌転移を予防および/または治療するための、3−(r)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(s)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2h−1,5−ベンゾオキサチエピンの使用 Expired - Fee Related JP5976813B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1158148A FR2979823B1 (fr) 2011-09-13 2011-09-13 Utilisation du 3-(r)-[3-(2-methoxyphenylthio)-2-(s)-methyl-propyl]amino-3,4-dihydro-2h-1,5-benzoxathiepine pour le traitement du cancer et en particulier pour la prevention et/ou le traitement des metastases cancereuses
FR1158148 2011-09-13
PCT/EP2012/067780 WO2013037800A1 (fr) 2011-09-13 2012-09-12 Utilisation de la 3-(r)-[3-(2-methoxyphenylthio)-2-(s)-methyl-propyl]amino-3,4-dihydro-2h-1,5-benzoxathiepine pour le traitement du cancer et en particulier pour la prevention et/ou le traitement des metastases cancereuses

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014526485A JP2014526485A (ja) 2014-10-06
JP2014526485A5 JP2014526485A5 (ja) 2015-10-15
JP5976813B2 true JP5976813B2 (ja) 2016-08-24

Family

ID=46875768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014530190A Expired - Fee Related JP5976813B2 (ja) 2011-09-13 2012-09-12 癌を治療するための、特に、癌転移を予防および/または治療するための、3−(r)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(s)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2h−1,5−ベンゾオキサチエピンの使用

Country Status (22)

Country Link
US (1) US9603835B2 (ja)
EP (1) EP2755650B1 (ja)
JP (1) JP5976813B2 (ja)
KR (1) KR20140062496A (ja)
CN (1) CN103764142B (ja)
AU (1) AU2012307437B2 (ja)
BR (1) BR112014005519A2 (ja)
CA (1) CA2848017A1 (ja)
ES (1) ES2556583T3 (ja)
FR (1) FR2979823B1 (ja)
HK (1) HK1193038A1 (ja)
HU (1) HUE026337T2 (ja)
IL (1) IL231424A (ja)
MA (1) MA35710B1 (ja)
MX (1) MX2014002919A (ja)
MY (1) MY165039A (ja)
PL (1) PL2755650T3 (ja)
RU (1) RU2626511C2 (ja)
TN (1) TN2014000066A1 (ja)
UA (1) UA110857C2 (ja)
WO (1) WO2013037800A1 (ja)
ZA (1) ZA201402037B (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU642596B2 (en) * 1991-06-10 1993-10-21 Sanofi-Synthelabo Thioxanthenone antitumor agents
FR2822467B1 (fr) 2001-03-22 2003-12-12 Pf Medicament Derives benzoxathiepines et leur utilisation comme medicaments
US8835473B2 (en) 2004-04-16 2014-09-16 Rutgers, The State University Of New Jersey Methods and compositions for treating cancer
FR2908132B1 (fr) * 2006-11-08 2008-12-19 Pierre Fabre Medicament Sa Procede de synthese du n-[3-[(2-methoxyphenyl)sulfanyl]-2- methylpropyl]-3,4-dihydro-2h-1,5-benzoxathiepin-3-amine
WO2012049439A1 (en) * 2010-10-13 2012-04-19 Imperial Innovations Limited Treatment of cancer/inhibition of metastasis

Also Published As

Publication number Publication date
AU2012307437A1 (en) 2014-04-10
HUE026337T2 (hu) 2016-05-30
TN2014000066A1 (fr) 2015-07-01
AU2012307437B2 (en) 2017-01-12
ZA201402037B (en) 2015-03-25
UA110857C2 (uk) 2016-02-25
IL231424A0 (en) 2014-04-30
WO2013037800A1 (fr) 2013-03-21
FR2979823B1 (fr) 2013-09-27
CN103764142B (zh) 2015-11-25
RU2626511C2 (ru) 2017-07-28
HK1193038A1 (zh) 2014-09-12
RU2014112785A (ru) 2015-10-20
US20140206743A1 (en) 2014-07-24
EP2755650A1 (fr) 2014-07-23
BR112014005519A2 (pt) 2017-03-21
US9603835B2 (en) 2017-03-28
KR20140062496A (ko) 2014-05-23
EP2755650B1 (fr) 2015-10-07
NZ622728A (en) 2015-08-28
MY165039A (en) 2018-02-28
ES2556583T3 (es) 2016-01-19
FR2979823A1 (fr) 2013-03-15
PL2755650T3 (pl) 2016-03-31
MA35710B1 (fr) 2014-12-01
CA2848017A1 (fr) 2013-03-21
IL231424A (en) 2016-12-29
CN103764142A (zh) 2014-04-30
JP2014526485A (ja) 2014-10-06
MX2014002919A (es) 2014-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gammons et al. Topical antiangiogenic SRPK1 inhibitors reduce choroidal neovascularization in rodent models of exudative AMD
CN110194787B (zh) 靶向抑制Wnt/β-catenin信号活性的多肽及其用途
JP2018513123A (ja) Rorガンマ阻害剤を用いてがんを治療するための方法
JP5706818B2 (ja) ApoEペプチドにより癌を治療する方法
CN108349900A (zh) 雄激素受体拮抗剂
US9907791B2 (en) Ron inhibitors for use in preventing and treating bone loss
JP5976813B2 (ja) 癌を治療するための、特に、癌転移を予防および/または治療するための、3−(r)−[3−(2−メトキシフェニルチオ)−2−(s)−メチル−プロピル]アミノ−3,4−ジヒドロ−2h−1,5−ベンゾオキサチエピンの使用
US11400088B2 (en) Uses of compound in preparation of drugs for treating brain glioma
Li et al. GSG2 promotes tumor growth through regulating cell proliferation in hepatocellular carcinoma
CN113230249A (zh) 土荆皮乙酸在作为或制备Hedgehog信号通路抑制剂中的应用
CN110665007A (zh) 一种治疗癌症用组合药物及其用途
NZ622728B2 (en) Use of 3-(r)-[3-(2-methoxyphenylthio)-2-(s)-methylpropyl]amino-3,4-dihydro- 2h-1,5-benzoxathiepine for treating cancer and in particular for preventing and/or treating cancer metastases
US20210137898A1 (en) Methods to treat gliomas using a stat3 inhibitor
US9956221B2 (en) Use of a receptor-type kinase modulator for treating polycystic kidney disease
KR102026142B1 (ko) Crif1 억제제를 함유하는 항암 및 암전이 억제용 조성물
KR101599259B1 (ko) 혈관 신생작용 관련 질환 치료를 위한 HIF-1α 저해 화합물
KR20230156107A (ko) 전립선암의 치료 방법
OA16756A (fr) Utilisation de la 3-(R)-[3-(2methoxyphenylthio)-2-(S)-methyl-propyl]amino3,4-dihydro-2H-1,5-benzoxathiepine pour le traitement du cancer et en particulier pour la prévention et/ou le traitement des métastases cancéreuses.

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150828

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160624

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5976813

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees