JP5976025B2 - ヒアルロン酸合成促進剤の製造方法、ヒアルロン酸合成促進剤、HAS2mRNA発現促進剤の製造方法及びHAS2mRNA発現促進剤 - Google Patents

ヒアルロン酸合成促進剤の製造方法、ヒアルロン酸合成促進剤、HAS2mRNA発現促進剤の製造方法及びHAS2mRNA発現促進剤 Download PDF

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Description

本発明は、ヒアルロン酸合成促進剤の製造方法、ヒアルロン酸合成促進剤、HAS2mRNA発現促進剤に関する。
ヒアルロン酸(ヒアルロナンともいう。)は、N−アセチルグルコサミン及びグルクロン酸からなる高分子(グリコサミノグリカン)であり、高い水分保持能力を有する。ヒアルロン酸は、水を含有するゲル状の物質として生体内の細胞外基質に広く見られ、生体組織(特に皮膚組織)の粘弾性保持、生体組織の保湿、関節部軟骨の機能維持等に関与することが知られている。また、ヒアルロン酸は、細胞外から細胞内への高分子物質の進入を阻止する、細胞の移動や増殖を調節する、シグナル伝達の場所となる等の機能も有する。
ところで、生体内におけるヒアルロン酸の量は、各種ストレス、紫外線、加齢等により低下する。生体内におけるヒアルロン酸の量が減ると、乾燥による皮膚の不調(しわ、たるみ及びかさつき)や関節痛等の症状が発生することが知られている。生体内のヒアルロン酸の量が減る直接的な原因としては、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)や紫外線によりヒアルロン酸が分解されることや、生体内のヒアルロン酸の産生量が減ることを挙げることができる。
このため、生体内におけるヒアルロン酸の量を補う、又は、増やすことができれば、皮膚の不調や関節痛等の症状の予防、抑制及び改善又は正常化を期待することができる。
従来、生体内におけるヒアルロン酸の合成促進作用を有する成分として、表皮においてはレチノイン酸、真皮においてはTGF-β1が広く知られている。また、生体内におけるヒアルロン酸の合成促進作用を有するものとして、様々な天然物及びその分画物(例えば、アガリクスからの抽出物。)が知られている(例えば、引用文献1参照。)。
一方、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum。玉胡蝶や木胡蝶といわれることもある。詳細は後述。)からの抽出物を有効成分として含有する抗酸化剤が知られている(例えば、引用文献2参照。)。なお、ソリザヤノキは、原産地では食用として用いられることもある安全な天然物である。
しかしながら、ソリザヤノキからの抽出物やその精製物、特に、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物、当該分画物から分画した所定の分画物、又は、ソリザヤノキに含まれるクリシン(chrysin)を有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤については知られていない。
また、生体内(特に細胞表面)でヒアルロン酸の合成を行う酵素であるHAS2(ヒアルロン酸合成酵素2)が知られている。HAS2は、HAS2mRNAが発現することにより合成される。つまり、生体内におけるヒアルロン酸の量を補う、又は、増やすためには、HAS2mRNAの発現を促進することが有効である。
ヒアルロン酸合成促進剤の場合と同様に、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物、当該分画物から分画した所定の分画物、又は、ソリザヤノキに含まれるクリシンを有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤についても知られていない。
特開2013−035835号公報 特開2006−321730号公報
本発明は、「安全性が高いソリザヤノキから得られる分画物又は成分を用いたヒアルロン酸合成促進剤」を提供することを目的とする。また、「安全性が高いソリザヤノキから得られる分画物又は成分を用いたHAS2mRNA発現促進剤」を提供することも目的とする。また、「本発明のヒアルロン酸合成促進剤を含有し、ヒアルロン酸合成促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料」を提供することも目的とする。さらにまた、「本発明のHAS2mRNA発現促進剤を含有し、HAS2mRNA発現促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料」を提供することも目的とする。
本発明の発明者らの鋭意研究の結果、ソリザヤノキからの抽出物やその精製物のうち、「ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物」、「当該分画物から分画した所定の分画物」及び「クリシン」がヒアルロン酸合成促進作用を有することが判明した。また、そのメカニズムについての研究から、上記各分画物及び成分がHAS2mRNA発現促進作用を有することも判明した。
本発明の発明者らは、以上の知見から本発明を完成させるに至った。本発明は、以下の事項より構成される。
[1]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物であって少なくともクリシンを含む第1分画物を、有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤。
[2]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配するとき、前記酢酸エチル側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第2分画物を、有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤。
[3]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配するとき、前記90%メタノール側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第3分画物を、有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤。
[4]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配し、前記90%メタノール側に分配された第3分画物をシリカゲルクロマトグラフィーで分画するとき、クロロホルム:メタノールが9:1の混合溶媒によりシリカゲルから溶出される分画物であって少なくともクリシンを含む第4分画物を、有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤。
[5]クリシンを有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤。
[6]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物であって少なくともクリシンを含む第1分画物を、有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤。
[7]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配するとき、前記酢酸エチル側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第2分画物を、有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤。
[8]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配するとき、前記90%メタノール側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第3分画物を、有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤。
[9]ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配し、前記90%メタノール側に分配された第3分画物をシリカゲルクロマトグラフィーで分画するとき、クロロホルム:メタノールが9:1の混合溶媒によりシリカゲルから溶出される分画物であって少なくともクリシンを含む第4分画物を、有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤。
[10]クリシンを有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤。
[11]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のヒアルロン酸合成促進剤を含有する、ヒアルロン酸合成促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料。
[12]上記[6]〜[10]のいずれかに記載のHAS2mRNA発現促進剤を含有する、HAS2mRNA発現促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料。
本発明によれば、後述する試験例からも分かるように、「安全性が高いソリザヤノキから得られる分画物又は成分を用いたヒアルロン酸合成促進剤」、「安全性が高いソリザヤノキから得られる分画物又は成分を用いたHAS2mRNA発現促進剤」、「本発明のヒアルロン酸合成促進剤を含有し、ヒアルロン酸合成促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料」及び「本発明のHAS2mRNA発現促進剤を含有し、HAS2mRNA発現促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料」を提供することができる。
なお、本明細書及び各図面では、濃度について単に「%」と記載するときは、体積/体積(V/V)で算出したパーセント濃度を表す。
また、本明細書及び各図面では、混合溶媒の成分比率(例えば、上記の「9:1」)は、溶媒の体積の比率を表す。
本発明におけるクリシン(chrysin。5,7−dihydroxy−2−phenyl−4H−chromen−4−one。)は、以下の式(1)に記載する化合物である。
Figure 0005976025
実施形態1〜5における第1分画物〜第4分画物及びクリシンを説明するために示すフローチャートである。 試験例1〜5における試料a〜eを説明するために示すフローチャートである。
以下、本発明のヒアルロン酸合成促進剤、HAS2mRNA発現促進剤、ヒアルロン酸合成促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料、及び、HAS2mRNA発現促進作用を有する医薬品、食品又は化粧料について、実施形態に基づいて説明する。
[実施形態]
図1は、実施形態1〜5における第1分画物〜第4分画物及びクリシンを説明するために示すフローチャートである。なお、図1で第4分画物とクリシンとの間が破線で結ばれているのは、後述するように、実施形態5におけるクリシンが第4分画物から単離されたものに限られないためである。
本発明のヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、上記[1]〜[10]に記載した第1分画物、第2分画物、第3分画物、第4分画物又はクリシンを有効成分として含有する。
以下、上記の各有効成分について、図1及び実施形態1〜5により説明する。また、上記のヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤を含有する医薬品、食品又は化粧料について、実施形態6により説明する。
[実施形態1]
実施形態1に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物であって少なくともクリシンを含む第1分画物を、有効成分として含有する。
ソリザヤノキ(Oroxylum indicum)は、ノウゼンカズラ科オロキシルム属、樹高7m〜12mの落葉高木植物である。原産地は東南アジア、インド及び中国であり、これらの地域では山斜面や渓流沿いに自生している。ソリザヤノキの開花期は7〜8月であり、種子は10月〜12月に採取できる。ソリザヤノキの種子は、これらの地域で入手することができる一般流通品である。
なお、東南アジア等では、ソリザヤノキの果実、若葉、つぼみ等が食用品として用いられている。また、ソリザヤノキには薬効があるとされ、声がれや言語障害の治療、傷の治療(血止め)、健胃、咳止め等に用いられている。
ソリザヤノキの種子は、胚芽・胚乳の他に翼状の薄膜(種子を遠くまで飛散させるための部位)を有し、全体として薄い片状体をなす。
第1分画物を得るために用いるソリザヤノキの種子は、上記薄膜が付いているものであってもよいし、上記薄膜を取り除いたものであってもよい。本明細書及び各図面においては、「ソリザヤノキの種子」は、上記薄膜が付いているものと、上記薄膜を取り除いたものとの両方を含む。
実施形態1に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤を得るためには、例えば、ソリザヤノキから採取した種子を干して自然乾燥させた乾燥物を用いることができる。また、ソリザヤノキの種子の無加工物、加熱乾燥物、冷凍乾燥物、冷凍物等を用いることもできる。
抽出にあたっては、例えば、ソリザヤノキの種子をそのまま用いてもよいし、細かく切断して用いてもよいし、粉末状にして用いてもよい。
本明細書において「水性有機溶媒」とは、親水性の有機溶媒を主成分とする溶媒のことをいう。「親水性の有機溶媒」とは、水と分離せずに混じりあう有機溶媒のことをいう。親水性の有機溶媒としては、低級脂肪族アルコール及びアセトンを例示することができる。低級脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の一価アルコールや、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ペンチレングリコール、イソプレングリコール等の多価アルコールを例示することができる。
水性有機溶媒は、2種類以上の有機溶媒を含有してもよい。
水性有機溶媒は、水を含有してもよい。なお、水性有機溶媒が水を含有する場合、親水性の有機溶媒が主成分か否かは、構成成分のうち水を除いて考える。つまり、親水性の有機溶媒より水の方が多い場合でも、有機溶媒の中で親水性の有機溶媒が主成分であれば、本明細書でいう「水性有機溶媒」である。
水性有機溶媒が水を含有する場合、水性有機溶媒は、上記親水性の有機溶媒を30%以上含有することが好ましく、50%以上含有することが一層好ましい。
第1分画物の具体例としては、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒を用いた抽出により得られる抽出液、当該抽出液の希釈液又は濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、及び、これらの粗精製物若しくは精製物を挙げることができる。
なお、後述の試験例に示すように、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒を用いて抽出される分画物にはクリシンが含まれている。よって、抽出液、濃縮液、希釈液、乾燥物、粗精製物、精製物等からクリシンを除去するような処理を行わない限りは「クリシンを含む」という条件は満たされる。これは、後述する第2分画物〜第4分画物についても同様である。
抽出は、ソリザヤノキの種子に含まれる可溶性の分画物を水性有機溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。抽出の際には、特殊な方法や装置を採用する必要はなく、任意の方法や装置を採用することができる。
抽出の方法の例としては、常温で抽出する方法や、水性有機溶媒の沸点以下の温度に加熱して抽出する方法、加熱還流下で抽出する方法を挙げることができる。この際、ソリザヤノキの種子を浸漬するだけでもよいし、溶媒とともに撹拌してもよい。水性有機溶媒の量は、例えば、抽出原料の5〜50倍量(重量比)とすることができる。抽出時間は、例えば、1〜72時間とすることができる。抽出温度は、例えば、室温〜95℃とすることができる。
水性有機溶媒による抽出を行う前に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の非極性溶媒を用いた脱脂処理を行ってもよい。
可溶性の分画物を溶出させた後、濾過、遠心分離等の処理を施して抽出残渣を除くことにより、抽出液を得ることができる。得られた抽出液から当該抽出液の希釈液、濃縮液、乾燥物、粗精製物、精製物等を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理をさらに行ってもよい。
第1分画物の精製として、脱色、脱臭等を目的とする精製を行なってもよい。当該精製には、例えば、各種吸着処理や各種分離処理(例えば、活性炭、吸着樹脂、イオン交換樹脂、シリカゲル、ゲル濾過剤を用いる処理)を用いることができる。これは、後述する第2分画物〜第4分画物においても同様である。
[実施形態2]
実施形態2に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配するとき、酢酸エチル側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第2分画物を、有効成分として含有する。
第1分画物は、上記実施形態1に記載した方法で得ることができる。
液−液分配は、第1分画物から第2分画物を分離可能な限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。液−液分配の実施には、特殊な方法や装置を採用する必要はなく、任意の方法や装置を採用することができる。
[実施形態3]
実施形態3に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配するとき、90%メタノール側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第3分画物を、有効成分として含有する。
第1分画物は、上記実施形態1に記載した方法で得ることができる。第2分画物は、上記実施形態2に記載した方法で得ることができる。
液−液分配は、第2分画物から第3分画物を分離可能な限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。液−液分配の実施には、特殊な方法や装置を採用する必要はなく、任意の方法や装置を採用することができる。
[実施形態4]
実施形態4に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配し、90%メタノール側に分配された第3分画物をシリカゲルクロマトグラフィーで分画するとき、クロロホルム:メタノールが9:1の混合溶媒によりシリカゲルから溶出される分画物であって少なくともクリシンを含む第4分画物を、有効成分として含有する。
第1分画物は、上記実施形態1に記載した方法で得ることができる。第2分画物は、上記実施形態2に記載した方法で得ることができる。第3分画物は、上記実施形態3に記載した方法で得ることができる。
シリカゲルクロマトグラフィーは、第3分画物から第4分画物を分離可能な限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。シリカゲルクロマトグラフィーの際には、特殊な方法や装置を採用する必要はなく、任意の方法や装置を採用することができる。
[実施形態5]
実施形態5に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、クリシンを有効成分として含有する。
クリシンは、以下の式(1)に記載する化合物である。
Figure 0005976025
クリシンは、後述する試験例に示すように、上記の第1分画物〜第4分画物に含まれる。ヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤に用いるクリシンは、ソリザヤノキの種子から得られたもの(後述する試験例参照。)であってもよいし、ソリザヤノキの種子以外の天然物であって、クリシンを含有する天然物から得られたものであってもよいし、市販品や合成品であってもよい。
ソリザヤノキの種子からクリシンを得る場合には、例えば、実施形態4に記載した第4分画物から単離することができる。クリシンの単離・精製には、シリカゲルクロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーを好適に用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
シリカゲルクロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーは、クリシンを単離・精製可能な限り特に限定されず、常法に従って行うことができる。シリカゲルクロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーの際には、特殊な方法や装置を採用する必要はなく、任意の方法や装置を採用することができる。
上記実施形態1〜5に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、そのヒアルロン酸合成促進作用及びHAS2mRNA発現促進作用を通じて生体内におけるヒアルロン酸の量を補う、又は、増やすことができ、その結果、皮膚の不調や関節痛等の症状の予防、抑制及び改善又は正常化を期待することができる。ただし、本発明に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤は、これらの用途以外にも、ヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進作用を発揮することに意義のある全ての用途に使用することができる。
[実施形態6]
実施形態6に係る医薬品、食品又は化粧料は、上記実施形態1〜5のいずれかに記載のヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤を含有する。
実施形態6に係る医薬品が内用医薬品である場合、投与方法は特に限定されないが、例えば、経口投与・直腸内投与等の経腸投与、経鼻投与等の粘膜投与、静脈内投与・皮下投与等の注射投与とすることができる。本発明の内用医薬品の剤型は、投与方法に適した形態とすることができ、例えば、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末、丸剤、トローチ剤等の固形剤、溶液、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤などの液剤、ゲル状の製剤とすることができる。実施形態6に係る医薬品として、実施形態1〜5のいずれかに記載のヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤の純品、精製物、粗精製物等をそのまま投与してもよいが、薬理的に許容される賦形剤とともに投与してもよい。賦形剤としては、単糖類、二等類、多糖類、無機塩類、油脂、蒸留水等、製剤として一般に使用可能なものを用いることができる。実施形態6に係る内用医薬品を製剤化する際には、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いてもよい。
実施形態6に係る医薬品が外用医薬品である場合、その形態は特に限定されないが、例えば、軟膏剤、クリーム剤、発布剤、テープ剤、外用剤とすることができる。実施形態6に係る外用医薬品は、実施形態1〜5のいずれかに記載のヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤の他に、必要に応じてその他の医薬成分や賦形剤等を含有してもよい。実施形態6に係る外用医薬品を製造する際には、結合剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いてもよい。
実施形態6に係る医薬品がヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤の含有する量は、各種データ(例えば、内用医薬品であれば投与方法、剤型、ヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤自体の有効投与量、製剤としての有効投与量等のデータ)に基づき、最適な量を設定することができる。
実施形態6に係る食品の形態は、例えば、実施形態1〜5のいずれかに記載のヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤の純品、これらの部分精製品、ヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤を含有するペースト、ヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤を配合した一般食品とすることができる。具体的な形態としては、ドリンク剤、ゼリー、ビスケット、お茶、錠剤、丸剤、ソフトカプセル剤、ハードカプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤を挙げることができるが、食品として提供可能な形態であれば、いずれの形態も用いることができる。実施形態6に係る食品を製造する際には、副原料として、賦形剤、結合剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いてもよい。
実施形態6に係る化粧料の形態は、例えば、化粧水、美容液、乳液、クリーム、ジェル、パック、美容パウダー、洗顔フォーム、浴用剤等とすることができるが、化粧料として使用可能な形態であれば、いずれの形態も用いることができる。実施形態6に係る化粧料は、実施形態1〜5のいずれかに記載のヒアルロン酸合成促進剤又はHAS2mRNA発現促進剤に加え、必要に応じて化粧料に配合される各種配合成分を含有していてもよい。配合成分としては、例えば、固形油、半固形油、液体油、低分子保湿剤、高分子保湿剤、脂溶性保湿剤、エモリエント剤、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、エタノール、水を用いることができる。
上記実施形態6に係る医薬品、食品及び化粧料は、実施形態1〜5に係るヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進剤が有するヒアルロン酸合成促進作用及びHAS2mRNA発現促進作用を通じて生体内のヒアルロン酸の量を補う、又は、増やすことができ、その結果、皮膚の不調や関節痛等の症状の予防、抑制及び改善又は正常化を期待することができる。ただし、実施形態6に係る医薬品、食品及び化粧料は、これらの用途以外にも、ヒアルロン酸合成促進剤及びHAS2mRNA発現促進作用を発揮することに意義のある全ての用途に使用することができる。
なお、実施形態1〜6に記載したヒアルロン酸合成促進剤、HAS2mRNA発現促進剤、医薬品、食品及び化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
[試験例]
以下、試験例として「1.第1分画物〜第4分画物及びクリシンを分画・単離する試験例」、「2.ヒアルロン酸合成促進作用を確認するための試験例」及び「3.HAS2mRNA発現促進作用を確認するための試験例」を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、以下の試験例は、分画等の方法や作用について確認した結果を示すものであり、本発明は以下の試験例に何ら制約されるものではない。
1.第1分画物〜第4分画物及びクリシンを分画・単離する試験例
図2は、試験例1〜5における試料a〜eを説明するために示すフローチャートである。なお、試験例6における試料fは、試料a〜eとは別系統の試料であるため、図2には記載していない。
以下、試験例1〜試験例6により、第1分画物〜第4分画物及びクリシンの分画・単離について説明する。
なお、以下の試験例においては、水として蒸留水を用い、メタノール、酢酸エチル及びヘキサンとして山一化学工業株式会社の国産1級のものを用いた。また、実験器具としては一般品(例えば、100mL三角フラスコ及び30mL三角フラスコは、岩城硝子株式会社のもの)を用いた。
[試験例1]
試験例1は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物であって少なくともクリシンを含む第1分画物を得るための試験例である。図2に示すように、試験例1で分画された第1分画物を試料aとする。
試験例1においては、水性有機溶媒としてメタノールを用いた。
まず、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum)の種子1kgを準備した。ソリザヤノキの種子として、一般流通品の乾燥物(翼状の薄膜が付いているもの)を用いた。
次に、ソリザヤノキの種子をハサミで裁断して細かくし、これをメタノールに浸して抽出を行った。抽出はステンレス製の容器の中で行った。抽出方法は冷浸(室温、メタノール20L、抽出時間24時間)とし、これを合計3回行った。
その後、室温にて自然濾過し、抽出液(蛍光黄緑色の透明な液体)を得た。当該抽出液をさらに減圧濃縮(40℃、60mmHg)し、黒色の固体である試料a(第1分画物)31.2gを得た。ソリザヤノキの種子の重量(1kg)を基準とする固形収率は、3.12%であった。
なお、試料aがクリシンを含むか否かの試験は行っていないが、後述する試験例5に示すように、試料aの分画・精製を繰り返した結果クリシンが得られたので、試料aがクリシンを含むことは明らかである。これは、後述する試験例2〜試験例4における試料b〜試料dでも同様である。
[試験例2]
試験例2は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配するとき、酢酸エチル側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第2分画物を得るための試験例である。試験例2で分画された第2分画物を試料bとする。
まず、試験例1で得た試料a(第1分画物)31.2gに水800mLを加えて懸濁液とし、当該懸濁液に対して酢酸エチルによる抽出(室温、酢酸エチル1000mL)を合計3回行った。抽出は分液漏斗を用いて行った。
その後、酢酸エチルを回収し、減圧濃縮(40℃、75mmHg)を行って、黒色の固体である試料b(第2分画物)11.8gを得た。ソリザヤノキの種子の重量を基準とする固形収率は、1.18%であった。
[試験例3]
試験例3は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配するとき、90%メタノール側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第3分画物を得るための試験例である。試験例3で分画された第3分画物を試料cとする。
まず、試験例2で得た試料b(第2分画物)11.8gに90%メタノール300mLを加えて懸濁液とし、当該懸濁液に対してヘキサンによる抽出(室温、ヘキサン300mL)を合計3回行った。抽出は分液漏斗を用いて行った。
その後、90%メタノールを回収し、減圧濃縮(40℃、75mmHg)を行って、黒色の固体である試料c(第3分画物)4.0gを得た。ソリザヤノキの種子の重量を基準とする固形収率は、0.40%であった。
[試験例4]
試験例4は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配し、90%メタノール側に分配された第3分画物をシリカゲルクロマトグラフィーで分画するとき、クロロホルム:メタノールが9:1の混合溶媒によりシリカゲルから溶出される分画物であって少なくともクリシンを含む第4分画物を得るための試験例である。試験例4で分画された第4分画物を試料dとする。
まず、試験例3で得た試料c(第3分画物)4.0gを、少量(数十mL程度)のクロロホルム及びメタノールの混合溶媒で溶解させて溶液とした。次に、当該溶液をシリカゲル(和光純薬株式会社のWakosil C−200)を充填したカラム(25mmφ×290mm)に乗せた。
続いて、クロロホルム:メタノール=9:1の混合溶媒300mLにより溶出を行い、画分A−1を得た。その後、クロロホルム:メタノール=4:1の混合溶媒300mL、クロロホルム:メタノール=1:1の混合溶媒300mL、メタノール300mLで順次溶出を行い、順番に画分A−2、画分A−3、画分A−4を得た。
このうち、画分A−1に対して減圧濃縮(40℃、60mmHg)を行って、茶褐色〜黒緑色エキス状の試料d(第4分画物)2.32gを得た。ソリザヤノキの種子の重量を基準とする固形収率は、0.232%であった。
[試験例5]
試験例5は、クリシンを得るための試験例である。試験例5で単離されたクリシンを試料eとする。
なお、試験例5におけるシリカゲルクロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーでは、各フラクションから少量(20〜30mL程度)のサンプルを採り、TLCでスポットを確認した。スポットは、色又はUVランプに対する反応で確認した。スポットの様子が同様であるフラクションについては1つにまとめ、1つの画分として扱った。1つのフラクションあたりの溶液の量は必ずしも一定ではなく、溶液の色等を見ながらフラクションを分けた場合もあった。
まず、試験例4で得た試料d(第4分画物)のうち、後半のフラクションから得られた分である2.27gを、少量のクロロホルム及びメタノールの混合溶媒で溶解させて溶液とした。次に、当該溶液をシリカゲル(和光純薬株式会社のWakosil C−200)を充填したカラム(25mmφ×340mm)に乗せた。
続いて、クロロホルム:メタノール=9:1の混合溶媒500mLにより溶出を行い、前半の3フラクションから画分B−1を得、後半の2フラクションから画分B−2を得た。その後、メタノール300mLで溶出を行い、画分B−3を得た。
このうち、画分B−1に対して減圧濃縮(40℃、60mmHg)を行って、画分B−1からの分画物1.04gを得た。
さらに、画分B−1からの分画物1.04gを、少量のクロロホルム及びメタノールの混合溶媒で溶解させて溶液とした。次に、当該溶液をシリカゲル(和光純薬株式会社のWakosil C−200)を充填したカラム(25mmφ×275mm)に乗せた。
続いて、クロロホルム500mLにより溶出を行い、前半の1フラクションから画分C−1を得、後半の3フラクションから画分C−2を得た。その後、クロロホルム:メタノール=19:1の混合溶媒300mL、メタノール300mLで順次溶出を行い、順番に画分C−3、画分C−4を得た。このうち、画分C−2に対して減圧濃縮(40℃、60mmHg)を行って、画分C−2からの分画物0.35gを得た。
さらに、画分C−2からの分画物0.35gを、少量のクロロホルム及びメタノールの混合溶媒で溶解させて溶液とした。次に、当該溶液をシリカゲル(和光純薬株式会社のWakosil C−200)を充填したカラム(25mmφ×280mm)に乗せた。
続いて、クロロホルム500mLにより溶出を行い、前半の1フラクションから画分D−1を得、後半の3フラクションから画分D−2を得た。その後、メタノール300mLで溶出を行い、画分D−3を得た。
このうち、画分D−2に対して減圧濃縮(40℃、60mmHg)を行って、画分D−2からの分画物0.31gを得た。
さらに、画分D−2からの分画物0.31gを、少量のクロロホルム及びメタノールの混合溶媒で溶解させて溶液とした。次に、当該溶液をクロマトグラフィー用のゲル濾過剤(Sigma−Aldrich社のSephadex LH−20)を充填したカラム(25mmφ×250mm)に乗せた。
続いて、クロロホルム:メタノール=1:1の混合溶媒500mLにより溶出を行い、最初の2フラクションから画分E−1を得、次の1フラクションから画分E−2を得、その次の1フラクションから画分E−3を得た。
このうち、画分E−3に対して減圧濃縮(40℃、60mmHg)を行って、画分E−3からの分画物0.07gを得た。
さらに、画分E−3からの分画物0.07gを、少量のクロロホルム及びメタノールの混合溶媒で溶解させて溶液とした。次に、当該溶液をクロマトグラフィー用のゲル濾過剤(Sigma−Aldrich社のSephadex LH−20)を充填したカラム(25mmφ×220mm)に乗せた。
続いて、クロロホルム:メタノール=1:1の混合溶媒500mLにより溶出を行い、最初の1フラクションから画分F−1を得、次の3フラクションから画分F−2を得、その次の1フラクションから画分F−3を得た。
このうち、画分F−2に対して減圧濃縮(40℃、60mmHg)を行って、試料e(クリシン)約10mgを得た。ソリザヤノキの種子の重量を基準とする固形収率は、約0.001%であった。
上記のようにして単離された試料e(クリシン)について、核磁気共鳴スペクトル法により、1H−NMRスペクトルデータを取得した。当該データの取得には、株式会社JEOL RESONANCEのJNM−ECA500を用いた。
その結果、以下のピーク(概略値として、主なピークのみ記載する。)が観測され、一般に知られているクリシンの1H−NMRスペクトルデータと略一致した。
1H−NMR(acetone−d):δ(ppm)=6.29(1H,d,J=1.7Hz,H−6)、6.58(1H,d,J=1.7Hz,H−8)、6.79(1H,s,H−3)、7.60(2H,m,H−3’,H−5’)、7.61(1H,m,H−4’)、8.07(2H,dd,J=8.1,1.7Hz,H−2’,H−6’)
また、試料eについて、高速液体クロマトグラフィーによる分析を行った。当該分析には、株式会社島津製作所のダイオードアレイ検出器SPD−M20A、送液ユニットLC−20AB、カラムオーブンCTO−20A、及び、株式会社資生堂のHPLCカラムCAPCELL PAK MG II 4.6mmI.D.×250mmを用いた。分析においては、A液をリン酸緩衝液(pH6.5)とし、B液を100%メタノールとし、直線グラディエントをA:B=95:5から20:80(60分)とし、カラム温度を40℃とした。検出方法としてはダイオードアレイ(190−800nm)を用いた。
まず、クリシン標準品(東京化成工業株式会社から購入したもの)について上記の条件で分析を行い、53.7分に最も大きいピークが生じることを確認した。次に、試料eについて同じ条件で分析を行い、52.6分に最も大きいピークが生じることを確認した。また、クリシン標準品及び試料eの最大ピークのスペクトルが一致することを確認した。
上記のように、核磁気共鳴スペクトル法及び高速液体クロマトグラフィーにより、試料eは主にクリシンからなることが確認できた。
また、試料eは試料a〜dから分画・単離されたものであるため、試料a〜dもクリシンを含むことが確認できた。
[試験例6]
試験例6は、ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出される分画物であって少なくともクリシンを含む第1分画物を得るための別の試験例である。試験例6で分画された第1分画物を試料fとする。
試験例6においては、水性有機溶媒として50%エタノールを用いた。
まず、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum)の種子10Kgを準備した。ソリザヤノキの種子として、一般流通品の乾燥物(翼状の薄膜が付いたままのもの)を用いた。
次に、ソリザヤノキの種子を細切し、これを50%エタノールに浸して抽出を行った。抽出方法は加熱還流下での抽出(80℃、50%エタノール150L、抽出時間2時間)とした。
その後、室温で自然濾過して抽出液を得、当該抽出液をさらに減圧濃縮(加温。ただし60℃以下。)して試料f(第1分画物)を得た。
2.ヒアルロン酸合成促進作用を確認するための試験例
[試験例7]
試験例7は、本発明における第1分画物、第3分画物、第4分画物及びクリシンについてヒアルロン酸合成促進作用を確認するための試験例であり、ヒアルロン酸合成促進作用の測定を行った。
まず、試験方法について説明する。
播種・継代用培地として、10%(V/V)牛胎児血清(FBS。株式会社ニチレイバイオサイエンスより購入。CCB社)含有最小必須培地α(MEMα。GIBCOより購入。Cat.No.11900−024)を使用した。当該培地を使用し、ヒト新生児皮膚線維芽細胞(NB1RGB。理研バイオリソースセンターより購入。Resource.No.RBRC−RCB022)を、2×10cells/wellとなるように96ウェルプレートに播種した。24時間後に細胞が接着していることを確認し、培地中の血清を除去するためにFBSフリーの最小必須培地αで2回洗浄を行った。その後、アッセイ用の培地である0.5%(V/V)牛胎児血清含有最小必須培地αを、100μL/wellとなるよう、全ウェルに添加した。その後、各種試料を含む培地(アッセイ用の培地にて、終濃度の倍の濃度となるように調製したもの)及び試料を含まない培地(コントロール用)を100μL/well添加し、さらに72時間培養を行った。
培養終了後、培養上清について、ELISA測定キットであるQuantikine ELISA Hyaluronan Immunoassay(R&D Systems社)、及び、吸光マイクロプレートリーダーであるMultiskan Spectrum(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)を用いて、ヒアルロン酸量を測定した。また、ニュートラル・レッド法により、細胞生存率を測定した。細胞生存率80%を目安として設定し、試料の濃度がそれ以上細胞生存率に影響を及ぼさない範囲で評価を行った。ELISA法によるヒアルロン酸量の測定及びニュートラル・レッド法による細胞生存率の測定は、それぞれ測定キットや機器の使用方法に沿って常法により行ったため、詳しい説明は省略する。
試料としては、第1分画物として試験例6の試料fを、第3分画物として試験例3の試料cを、第4分画物として試験例4の試料dを、クリシンとして試験例5の試料eをそれぞれ用いた。
次に、試験結果について説明する。
表1は、試験例7の結果(各試料によるヒアルロン酸合成促進作用)を示す表である。なお、表1において、「濃度」は培養時における各試料の濃度を表し、単位はμg/mLである。また、「活性量」はコントロールにおけるヒアルロン酸産生量を100とした場合のヒアルロン酸産生量であり、単位は%である。さらに、「細胞生存率」はコントロールにおける細胞生存率を100とした場合の細胞生存率であり、単位は%である。
[表1]
各試料によるヒアルロン酸合成促進作用
試料 濃度(μg/mL) 活性量(%) 細胞生存率(%)
試料f(第1分画物) 0.78 124 91
試料f(第1分画物) 1.56 119 90
試料f(第1分画物) 3.13 109 88
試料f(第1分画物) 6.25 115 74
試料c(第3分画物) 0.20 134 97
試料c(第3分画物) 0.39 136 95
試料c(第3分画物) 0.78 111 99
試料c(第3分画物) 1.56 131 86
試料d(第4分画物) 1.56 126 89
試料d(第4分画物) 3.13 115 84
試料e(クリシン) 0.20 142 96
試料e(クリシン) 0.39 138 94
試料e(クリシン) 0.78 149 89
試料e(クリシン) 1.56 119 85
表1に示すように、本発明における第1分画物、第3分画物、第4分画物及びクリシンについて、ヒト新生児皮膚線維芽細胞に対してヒアルロン酸合成促進作用を示すことが確認できた。また、試験例7で用いた試料の中では、試料c(第3分画物)及び試料e(クリシン)が高いヒアルロン酸合成促進作用を示す傾向にあることが確認できた。
なお、試験例7では第2分画物に関する試験を行っていないが、他の分画物及びクリシンの全てについてヒアルロン酸合成促進作用が確認できたので、第2分画物もヒアルロン酸合成促進作用を当然に有するものと考えられる。
3.HAS2mRNA発現促進作用を確認するための試験例
[試験例8]
試験例8は、本発明における第1分画物及びクリシンについてHAS2mRNA発現促進作用を確認するための試験例であり、HAS2mRNA発現促進作用の測定を行った。
まず、試験方法について説明する。
播種・継代用培地及びアッセイ用の培地としては、上記試験例7と同様のものを用いた。播種・継代用培地を使用し、ヒト新生児皮膚線維芽細胞(上記試験例7と同様のもの)を、1×10cells/wellとなるように12ウェルプレートに播種し、24時間後に1×PBS(−)溶液で1回洗浄を行った。その後、アッセイ用の培地を、700μL/wellとなるよう、全ウェルに添加した。その後、各種試料を含む培地(アッセイ用の培地にて、終濃度の倍の濃度となるように調製したもの)及び試料を含まない培地(コントロール用)を700μL/well添加した。培養時間は、同一の試料について4,8,12,16,20,24時間の6段階に分けて行った。培養終了後、各ウェルの上清を抜き、1×PBS(−)溶液1mLで洗浄を行った。
RNAの抽出については、totalRNA精製キットであるNucleoSpin RNA(タカラバイオ株式会社)を用いて行った。
1×PBS(−)溶液での洗浄後、Buffer RA1(totalRNA精製キットの細胞溶解緩衝液)と2−メルカプトエタノールとの混合試薬を各ウェルに加えた。Buffer RA1及び2−メルカプトエタノールの量は、2ウェルごとに350μL及び3.5μLとした。各ウェルから混合試薬を回収し、サンプル分別チューブ(RNA用の滅菌1.5mLチューブ)に移し、チューブごとにボルテックスミキサーにかけて撹拌した。チューブの内容物から精製キットを用いてtotalRNAを抽出し、−80℃で保管した。RNAの抽出は精製キットのプロトコールに沿って常法により行ったため、詳しい説明は省略する。
このように抽出したtotalRNAについて、SmartSpec Plus スペクトロフォトメーター(Bio‐Rad社)を用いて、吸光度(260nm)からRNA濃度を測定した。逆転写反応は、500ngのtotalRNAをPrimeScript RT Master Mix(Perfect Real Time)(タカラバイオ株式会社)を用いて行い、ヒートブロックにより37℃で15分間、85℃で5秒間インキュベートし、cDNA10μLを得た。次に、調製したcDNA2μLに各遺伝子のセンス及びアンチセンスプライマー(10μM)を各1μL、SYBR Premix EX Taq II(タカラバイオ株式会社)を12.5μL、バランスとしてRNase Free HOを加えて、全量を25μLとした。HAS2のセンスプライマーとして、5´‐GACAGGCATCTCACGAACCG‐3´、アンチセンスプライマーとして、5´‐CAACGGGTCTGCTGGTTTAGC‐3´を用いた。内部標準には、glyceraldehyde‐3‐phosphate dehydrogenase(GAPDH)を用いた。Thermal Cycler Dice Real Time System II(タカラバイオ株式会社)を用いてリアルタイムPCRを行い、HAS2mRNAの発現量を測定した。
また、試験例8においても、試験例7と同様の方法により細胞生存率の測定を行った。
試料としては、第1分画物として試験例6の試料fを、クリシンとして試験例5の試料eをそれぞれ用いた。
次に、試験結果について説明する。
表2は、試験例8の結果(各試料によるHAS2mRNA発現促進作用)を示す表である。なお、表2において、「濃度」は培養時における各試料の濃度を表し、単位はμg/mLである。また、「促進率」はコントロールにおけるHAS2mRNA発現量を1とした場合のHAS2mRNA発現量の倍率であり、単位は倍である。なお、試料を含む培地の培養時間として、4〜24時間の6段階に分けたことは上述したが、表2においては、最も促進率が大きくなった培養時間についての結果を記載している。促進率の数値の後にかっこ書きで示すのは、培養時間である。「細胞生存率」はコントロールにおける細胞生存率を100とした場合の細胞生存率であり、単位は%である。
[表2]
各試料によるHAS2mRNA発現促進作用
試料 濃度(μg/mL) 促進率(倍) 細胞生存率(%)
試料f(第1分画物) 50.00 9.0(20時間) 90
試料f(第1分画物) 100.00 21.7(20時間) 90
試料e(クリシン) 3.13 1.7 (8時間) 106
試料e(クリシン) 6.25 2.0 (8時間) 91
表2に示すように、本発明における第1分画物及びクリシンについて、ヒト新生児皮膚線維芽細胞に対してHAS2mRNA発現促進作用を示すことが確認できた。
なお、試験例7では第2分画物〜第4分画物に関する試験を行っていないが、第1分画物及びクリシンの全てについてHAS2mRNA発現促進作用が確認できたので、第2分画物〜第4分画物もHAS2mRNA発現促進作用を当然に有するものと考えられる。
実施例1.軟膏の作製
上記の試験例1に記載した方法に従って調製された第1分画物を用いて、次の処方で、常法により軟膏(100g)を作製する。

(油相成分)
第1分画物 0.01g
白色ワセリン 20.00g
ミネラルオイル 20.00g
ステアリルアルコール 5.00g
ステアレス−2 3.00g
プロピルパラベン 0.10g
天然ビタミンE 0.10g
(水相成分)
1,3−ブチレングリコール 5.00g
フェノキシエタノール 0.40g
ポリソルベート 60 4.50g
精製水 適量
全量 100g
(調製法)
油相成分及び水相成分をそれぞれ80℃に熱して均一にし、水相を油相に攪拌しながら加え、乳化後冷却し軟膏を作製した。
実施例2.テープ剤の作製
上記の試験例2に記載した方法に従って調製された第2分画物を用いて、次の処方で、常法によりテープ剤(100g)を作製する。

(粘着剤溶剤)
スチレン−イソプロピレン−スチレンブロック共重合体 7.00g
ピコライト 25.00g
イソプロピレンゴム 5.00g
トルエン 15.00g
酢酸エチル 14.20g
ヘキサン 25.00g
(薬効成分)
第2分画物 0.01g
エタノール 7.99g
(経皮吸収促進剤)
オレイルアルコール 0.80g
全量 100g
(調製法)
粘着剤溶剤及び薬効成分をそれぞれ均一にし、薬効成分及び経皮吸収促進剤を粘着剤溶剤に加え、室温で攪拌し組成物を作製した。この組成物をシリコーン処理したポリエステルフィルム上に延展し、120℃で乾燥させ冷却後、ポリエチレンフィルムへ粘着剤層を転写させ、テープ剤を作製する。
実施例3.ローションの作製
上記の試験例3に記載した方法に従って調製された第3分画物を用いて、次の処方で、常法によりローション(100g)を作製する。

(油相成分)
ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.0g
スクワラン 0.05g
(水相成分)
第3分画物 0.1g
1,3−ブチレングリコール 5.0g
グリセリン 5.0g
フェノキシエタノール 0.3g
クエン酸 0.1g
クエン酸ナトリウム 0.2g
エタノール 2.0g
精製水 適量
全量 100g
(調製法)
油相成分及び水相成分をそれぞれ均一に溶解する。油相を加熱し、水相の一部に攪拌しながら加えて調製し、その調製液を残りの水層に加えて、化粧水を作製する。
実施例4.乳液の作製
上記の試験例4に記載した方法に従って調製された第4分画物を用いて、次の処方で、常法により乳液(100g)を作製する。

ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 3.0g
スクワラン 5.0g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
水酸化カリウム 0.05g
ベヘニルアルコール 1.0g
クエン酸 0.1g
クエン酸ナトリウム 0.2g
第4分画物 1.5g
1,3−ブチレングリコール 4.0g
グリセリン 5.0g
パラオキシ安息香酸エステル 0.1g
エデト酸2ナトリウム 0.01g
精製水 適量
全量 100g
(調製法)
上記素材を攪拌・混合して乳液を作製する。
実施例5.美容液の作製
上記の試験例5に記載した方法に従って調製されたクリシンを用いて、次の処方で、常法により美容液(100g)を作製する。

クリシン 1.0g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
イソステアリン酸ポリグリセリル−10 2.0g
グリセリン 6.5g
1,3−ブチレングリコール 7.5g
フェノキシエタノール 0.3g
水酸化カリウム 0.05g
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1g
スクワラン 1.0g
ビタミンEアセテート 0.05g
ステアリン酸 0.20g
精製水 適量
全量 100g
(調製法)
上記素材を攪拌・混合・溶解して美容液を作製する。
実施例6.錠剤の作製
上記の試験例6に記載した方法に従って調製された第1分画物を用いて、次の処方で錠剤(1錠あたり500mg)を作製する。

第1分画物 10mg
乳糖 470mg
乾燥コーンスターチ 10mg
タルク 9mg
ステアリン酸カルシウム 1mg
(調製法)
乳糖(94g)に、第1分画物(2g)、乾燥コーンスターチ(2g)、タルク(1.8g)、ステアリン酸カルシウム(0.2g)を添加して混合する。次いで、単発式打錠機を用いて常法により錠剤を作製する。
実施例7.ハードカプセル剤の作製
上記の試験例6に記載した方法に従って調製された第1分画物を用いて、次の処方でハードカプセル剤(1カプセルあたり360mg)を作製する。

第1分画物 5mg
乳糖 220mg
コーンスターチ 110mg
ヒドロキシプロピルセルロース 25mg
(調製法)
第1分画物(5g)に、乳糖(220g)及びコーンスターチ(110g)を添加して混合し、これにヒドロキシプロピルセルロース(25g)の水溶液を添加して練合する。次いで、押し出し造粒機を用いて、常法により顆粒を製造する。この顆粒をゼラチンハードカプセルに充填することにより、ハードカプセル剤を作製する。
実施例8.ソフトカプセル剤の作製
上記の試験例6に記載した方法に従って調製された第1分画物を用いて、次の処方でソフトカプセル剤(1カプセルあたり170mg)を作製する。

第1分画物 5mg
大豆油 165mg
(調製法)
大豆油(165g)に、第1分画物(5g)を添加して混合する。次いで、ロータリー・ダイ式自動成型機を用いて、常法に従い、ソフトカプセルに充填することにより、ソフトカプセル剤を作製する。
実施例9.丸剤の作製
上記の試験例6に記載した方法に従って調製された第1分画物を用いて、次の処方で丸剤(1粒あたり100mg)を作製する。

第1分画物 0.5mg
モロヘイヤ末 20.0mg
デンプン 30.0mg
糖蜜 20.0mg
茶抽出物 15.0mg
大豆ファイバー 14.0mg
セラック 0.5mg
(調製法)
上記配合で原料を混合し、適量加水後、練合機で均質な練合物を製造し、得られた練合物を圧延し製丸機を用いて製丸後乾燥して丸剤を作製する。
実施例10.ゼリーの作製
上記の試験例6に記載した方法に従って調製された第1分画物を用いて、次の処方で、常法によりゼリー(100g)を作製する。

第1分画物 0.02g
ゼラチン 2.00g
オレンジ果汁 20.00g
水 77.98g
(調製法)
上記成分を混合し、90℃へ加熱する。ゼラチンの溶解を確認してから容器に充填し、冷却する。ゼラチンを固化することでゼリーを作製する。

Claims (10)

  1. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出を行うことで、少なくともクリシンを含む第1分画物を有効成分として得るヒアルロン酸合成促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  2. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配することで
    前記酢酸エチル側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第2分画物を有効成分として得るヒアルロン酸合成促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  3. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、
    前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配することで
    前記90%メタノール側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第3分画物を有効成分として得るヒアルロン酸合成促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  4. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、
    前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配し、
    前記90%メタノール側に分配された第3分画物をシリカゲルクロマトグラフィーで分画することで
    クロロホルム:メタノールが9:1の混合溶媒によりシリカゲルから溶出される分画物であって少なくともクリシンを含む第4分画物を有効成分として得るヒアルロン酸合成促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  5. クリシンを有効成分として含有するヒアルロン酸合成促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)
  6. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出を行うことで、少なくともクリシンを含む第1分画物を有効成分として得るHAS2mRNA発現促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  7. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配することで
    前記酢酸エチル側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第2分画物を有効成分として得るHAS2mRNA発現促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  8. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、
    前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配することで
    前記90%メタノール側に分配される分画物であって少なくともクリシンを含む第3分画物を有効成分として得るHAS2mRNA発現促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  9. ソリザヤノキの種子から水性有機溶媒により抽出された第1分画物を水及び酢酸エチルで液−液分配し、
    前記酢酸エチル側に分配された第2分画物を90%メタノール及びヘキサンでさらに液−液分配し、
    前記90%メタノール側に分配された第3分画物をシリカゲルクロマトグラフィーで分画することで
    クロロホルム:メタノールが9:1の混合溶媒によりシリカゲルから溶出される分画物であって少なくともクリシンを含む第4分画物を有効成分として得るHAS2mRNA発現促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)の製造方法
  10. クリシンを有効成分として含有するHAS2mRNA発現促進剤(但し、皮膚の不調を抑制、改善するために使用されるものを除く。)
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