JP5975636B2 - 電気泳動用カセット、電気泳動用カセットの製造方法、および電気泳動方法 - Google Patents

電気泳動用カセット、電気泳動用カセットの製造方法、および電気泳動方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気泳動用カセット、電気泳動用カセットの製造方法、および電気泳動方法に関するものである。
従来、生体試料を分離するための方法として電気泳動法が知られている。電気泳動法とは、タンパク質または核酸などの分離対象サンプルを電気泳動の移動速度の違いに基づいて分離する方法である。特に電解質を含むゲル中へサンプルを導入し、ゲルの両端に電圧を印加することで分離する方法が一般的である。
タンパク質を分離する方法として広く知られているのは、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の存在下に、ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動(以下、「SDS−PAGE」とよぶ)である。SDS−PAGEでは、タンパク質は負の電荷をもつSDSと一定の割合で複合体を形成し、ゲルの両端に電圧を印加することによって、タンパク質−SDS複合体はポリアクリルアミドゲル中を陽極の方向へ移動する。その際、ポリアクリルアミドゲルによる分子ふるい効果により、タンパク質は分子量ごとに分離される。
ここで、非特許文献1には、平板な2枚のガラス板または樹脂板とその間に挟まれたスペーサーによってできた空間にアクリルアミド溶液を流し込み、その中へサンプルアプライ用の凹部(ウェル)を形成するためのコームを差し込み、容器の中で重合させることによってSDS−PAGE用のゲルを作製することが記載されている。
非特許文献1にはまた、濃度の異なるアクリルアミド溶液の調整を行い、容器の中、非連続で重合させることにより、サンプルタンパク質を分離する分離ゲルおよびサンプルタンパク質を濃縮する濃縮ゲルを作製することが記載されている。
また、特許文献1には、電気泳動用支持体ゲルの新規調製法及び支持基盤・電気泳動法であって、試料を配置する部位が楔型の凹部を形成してなる電気泳動用ゲル及び当該ゲルを作成する容器が記載されている。
また、近年、分離ゲルおよび濃縮ゲルの界面を同じ長さで複数作製するにはある程度の経験が必要であること、また、ゲル重合に時間がかかることから、あらかじめゲルが詰められている市販のプレキャストゲルカセットの需要が高まっている。
市販のプレキャストゲルカセットには2枚の平板なガラス、または2枚の樹脂板の間にゲルが充填されている。そして、サンプル溶液を分離ゲル内へ導入するためのウェルがゲルに形成されており、ユーザーは分離したいサンプル溶液をウェルへ注入し、電気泳動実験を開始する。
特開2004−45107号公報(2004年2月12日公開)
日本電気泳動学会、医歯薬出版株式会社編集、「最新電気泳動実験法」(1992年2月発行)
しかし、従来技術に係る電気泳動用のゲルにおいて、ウェルを形成するためはコームと呼ばれる鋳型を使用し、電気泳動前にコームを抜くことによってゲルにウェルを形成する必要がある。ここで、コームをゲルから抜く作業には、ウェルの型崩れ、ひび割れ、空気が入る可能性があり、細心の注意が必要である。
また、ウェルへサンプル溶液をアプライする際にも空気が入らないようにし、また、ピペットチップの先がゲルに突き刺さらないようにする必要がある。ウェルの形状、および、ウェルへサンプル溶液をアプライする作業は電気泳動結果に影響を与えるため、重要な部分である。しかし、ゲルは柔らかい弾性体であるため、ゲルに再現よく均一な形状のウェルを形成することは困難であり、また、上記に記載したコームを抜く際にゲルが変形しやすいという問題から、精度よく作業ができるまでは時間がかかるのが現状である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、容易に形成することができ、サンプル溶液を好適にアプライすることができるウェルを有する電気泳動用カセットおよびその関連技術を提供することを主たる目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電気泳動用カセットは、サンプルを分離するためのサンプル分離媒体と、上記サンプル分離媒体上に配置され、上記サンプル分離媒体に密着している補助器具と、を備えており、上記サンプル分離媒体上に、上記サンプルを含有するサンプル溶液を貯めるためのウェル構造が形成されており、上記ウェル構造は、上記サンプル分離媒体の上面と、上記補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、によって構成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、サンプル分離媒体上に、補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、サンプル分離媒体の上面とによって、ウェル構造が形成される。そのため、ウェル構造にサンプル溶液をアプライすることにより、サンプルをサンプル分離媒体に首尾よく導入し、電気泳動を行うことができる。
このように、上記構成によれば、サンプル分離媒体に直接ウェルを作成する必要が無い。それゆえ、容易に、形状にばらつきの少ないウェル構造を形成することができる。また、サンプル溶液のアプライの際、アプライ用の器具(ピペットチップなど)を、柔らかいサンプル分離媒体ではなく、補助器具の貫通孔に差し込めばよいので、容易にサンプル溶液のアプライをすることができる。
本発明に係る電気泳動用カセットは、上記サンプル分離媒体を、その上面の一部を露出させて収納する絶縁物を備えており、上記補助器具は、上記絶縁物に嵌合するとともに、上記サンプル分離媒体の露出部分に密着していることが好ましい。
上記構成によれば、サンプル分離媒体を絶縁物に収納し、通常のスラブ式電気泳動等のように電気泳動を行うことができる上、当該絶縁物に補助器具を嵌合することにより、上述したようなウェル構造を形成することができる。
本発明に係る電気泳動用カセットにおいて、上記側壁には、予め定められた水位を超える上記サンプル溶液を上記ウェル構造内から流出させるための流出口が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、一定量を超えたサンプル溶液をウェル構造から排出することができるので、ウェル構造に対して一定量のサンプル溶液をアプライすることができる。これにより、電気泳動の結果の精度を向上させることができる。
上記電気泳動用カセットでは、上記補助器具は、上記流出口から流出した上記サンプル溶液を貯めるための貯留部を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、流出口から流出したサンプル溶液が、不用意な場所へ流出することを好適に避けることができる。
本発明に係る電気泳動用カセットにおいて、上記補助器具は、上記側壁から上記サンプル分離媒体とは反対側に延伸する延伸部を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、サンプル溶液をウェル構造にアプライする際、アプライ用の器具(例えば、ピペットチップなど)を延伸部に当接させてアプライを行うことができるため、アプライ用の器具がサンプル分離媒体に刺さること等を避けて、容易にサンプル溶液のアプライをすることができる。
本発明に係る電気泳動用カセットにおいて、上記貫通孔が、くびれ形状を有していることが好ましい。
上記構成によれば、ウェル構造にくびれが形成されることとなる。そのため、サンプル溶液をウェル構造にアプライする際、アプライ用の器具(例えば、ピペットチップなど)が、意図せずにウェル構造の内部深くまで差し込まれることを抑制し、サンプル分離媒体に刺さることを避けて、容易にサンプル溶液のアプライをすることができる。
本発明に係る電気泳動用カセットにおいて、上記側壁における上記サンプル分離媒体とは反対側の端部に、切り欠きが設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、サンプル溶液をウェル構造にアプライする際、アプライ用の器具(例えば、ピペットチップなど)を、側壁の端部に設けられた切り欠きにはめ込んでサンプル溶液のアプライをすることができるため、容易にサンプル溶液のアプライをすることができる。
本発明に係る電気泳動用カセットでは、上記貫通孔の開口部の形状が、角を有さないか、または、角が丸められていることが好ましい。
上記構成によれば、電気泳動を好適に行うことができる。なぜなら、ウェル構造における電位と平行な辺上の電位は、他の部分の電位と比べると乱れやすいため、このような片を少なくすることにより、電位の乱れを抑制することができるからである。
本発明に係る電気泳動用カセットでは、上記側壁における上記サンプル分離媒体側の端部に、上記サンプル分離媒体にめり込んでいるめり込み部が設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、サンプル分離媒体にめり込み部がめり込んでいるため、補助器具とサンプル分離媒体とをより密着させ、サンプルが漏れることを首尾よく避けることができる。
上記電気泳動用カセットでは、上記めり込み部が、先細の形状を有していることが好ましい。
上記構成によれば、補助器具をサンプル分離媒体に密着させるときに、空気が入り込むことを好適に抑制することができる。
上記電気泳動用カセットでは、上記めり込み部が、上記サンプル分離媒体の厚さ方向の中央部までめり込んでいることが好ましい。
電気泳動におけるサンプルの分離の課程において、サンプルが、サンプル分離媒体の上面または下面付近に流れ、正確な電気泳動結果が得られない場合がある。これに対し、上記構成によれば、電気泳動の際、サンプルは、ウェル構造から、一旦めり込み部の下端まで移動してから、サンプルの分離方向に分離されることになる。そのため、サンプルの分離の過程で、サンプルが、サンプル分離媒体の上面または下面付近に流れることを抑制することができる。
本発明に係る電気泳動用カセットは、上記サンプル分離媒体を対になって挟む2つの緩衝液槽を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、電気泳動を首尾よく行うことができる。
本発明に係る電気泳動用カセットでは、上記サンプル分離媒体がゲルであることが好ましい。
上記構成によれば、電気泳動を好適に実行することができる。
本発明に係る電気泳動用カセットでは、上記補助器具の表面に、上記貫通孔の位置を示す目印が付されていることが好ましい。
上記構成によれば、補助器具が緩衝液の中に浸っている場合であっても、ウェル構造の位置を容易に判断することができるため、容易にサンプルのアプライを行うことができる。
本発明に係る電気泳動用カセットでは、上記絶縁物は、上記サンプル分離媒体を挟持する2枚の絶縁体基板から構成されており、上記2枚の絶縁体基板のうち一方の絶縁体基板は、他方の絶縁体基板よりも短く、上記サンプル分離媒体の露出部分側に配置されており、上記補助器具に嵌合するようになっていることが好ましい。
上記構成によれば、一般的なスラブ式電気泳動用装置のような構成を実現することができる。
上記電気泳動用カセットでは、上記絶縁体基板は、ガラス、セラミック、および樹脂からなる群より選ばれる何れかの物質からなることが好ましい。
上記構成によれば、電気泳動に供する絶縁体基板を好適に形成することができる。
上記電気泳動用カセットでは、上記補助器具は、樹脂からなることが好ましい。
上記構成によれば、電気泳動に供する補助器具を好適に形成することができる。
上記電気泳動用カセットでは、上記一方の絶縁体基板に、上記補助器具を接着するための接着剤を流し込むための溝が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、絶縁体基板の表面または補助器具の表面に接着剤を塗布して両面を接着させる場合に、過剰な接着剤を溝に充填させることができる。よって、絶縁体基板と補助器具とを首尾よく接着することができる。
本発明に係る電気泳動用カセットの製造方法は、上記一方の絶縁体基板と、上記補助器具とを接着する工程を包含することを特徴としている。
上記構成によれば、本発明に係る電気泳動用カセットを好適に製造することができる。
本発明に係る電気泳動方法は、本発明に係る電気泳動用カセットの上記ウェル構造に上記サンプル溶液をアプライする工程と、上記サンプル分離媒体に対して、上記サンプルを分離すべき方向に電圧を印加する工程とを包含することを特徴としている。
上記構成によれば、本発明に係る電気泳動用カセットと同等の効果を奏することができる。
上記電気泳動方法では、上記サンプル分離媒体が塩基性であり、上記ウェル構造に上記サンプル溶液をアプライする工程の前に、上記ウェル構造に中性の電気泳動用緩衝液を添加する工程をさらに包含していることが好ましい。
上記構成によれば、サンプル溶液をアプライする前に、ウェル構造に中性の電気泳動用緩衝液が添加され、サンプル分離媒体が塩基性であることにより、サンプルの濃縮効果を得ることができる。これにより、よりシャープなサンプルの分離パターンを得ることができる。
本発明によれば、容易に形成することができ、サンプル溶液を好適にアプライすることができるウェルを有する電気泳動用カセットおよびその関連技術を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電気泳動用カセットの構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動用カセットの構成を模式的に示す断面図である。 (a)は本発明の一実施形態に係るサンプル分離部の構成を模式的に示す斜視図であり、(b)は本発明の一実施形態に係るサンプル分離部の上部基板を取り除いたときの構成を模式的に示す斜視図である。 サンプルローディング部の構成のバリエーションを示す拡大断面図である。 サンプルの濃縮効果を得るための方法の一例を示すサンプルローディング部の拡大断面図である。 サンプルローディング部の開口部の形状のバリエーションを示す上面図である。 上部基板の一実施形態に係る斜視図を表す。 図7における上部基板の底面を示す斜視図である。 上部基板の他の実施形態に係る斜視図を表す。 図9における上部基板の底面を示す斜視図である。 陰極緩衝液および陽極緩衝液の間に電圧を印加し、電気泳動を行っていることを示す電気泳動用カセットの断面図であり、(a)は陰極緩衝液を遮蔽する構成を有しておらず、(b)は陰極緩衝液を遮蔽する構成を有している。
以下、本発明の実施の形態について、図1および図2を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電気泳動用カセット100の構成を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1においてAで示す矢印断面図である。
(電気泳動用カセット)
本発明の一実施形態に係る電気泳動用カセット100は、タンパク質や、核酸などの分離対象サンプルおよび/またはその対照サンプルを、電気泳動時の移動速度等の違いに基づいて分離する電気泳動装置に着脱可能に配設されるものである。
図1に示すように、電気泳動用カセット100は、バッファーセル101と電気泳動緩衝液槽102とサンプル分離媒体支持板(絶縁物、絶縁体基板)111、113と上部基板(補助器具)120とを備えている。
バッファーセル101はサンプル分離部110を収納する筐体である。そしてバッファーセル101の中心部にサンプル分離部110を収納することでバッファーセル101の両側に電気泳動緩衝液槽102がそれぞれ形成される。
2つの電気泳動緩衝液槽102には、電気泳動を行うために緩衝液をそれぞれ充填するための緩衝液槽であり、対になってサンプル分離部110を挟むようになっている。
電気泳動用カセット100は、電気泳動緩衝液槽102に緩衝液を入れ、2つの電気泳動緩衝液槽102間に電圧を印加することによって、サンプル分離媒体112中のサンプルを図中矢印X方向に分離することができる。また、電気泳動用カセット100は従来のスラブ型電気泳動装置と同様に取り扱うことができる。
(サンプル分離部)
次にサンプル分離部110の個々の構成物について図3を用いて説明する。図3(a)は、本発明の一実施形態に係るサンプル分離部110の構成を模式的に示す斜視図であり、(b)は本発明の一実施形態に係るサンプル分離部110の上部基板120を取り除いたときの構成を模式的に示す斜視図である。図に示すように、サンプル分離部110は、サンプル分離媒体支持板111、サンプル分離媒体112、サンプル分離媒体支持板113および上部基板120がこの順番に積層して形成されている。
(サンプル分離媒体支持板)
サンプル分離媒体支持板111、113は両支持板の間にサンプル分離媒体112を挟持する支持板である。サンプル分離媒体支持板111は、サンプル分離媒体112の下側に配置され、サンプル分離媒体支持板113は、サンプル分離媒体112の上側に配置される。サンプル分離媒体支持板113は、サンプル分離媒体支持板111よりも矢印X方向において短いため、サンプル分離媒体112の一部は、サンプル分離媒体支持板113から露出している。そして、露出していないサンプル分離媒体112はサンプル分離媒体支持板113と接触しているとともに、露出したサンプル分離媒体112は後述する上部基板120に覆われている。
サンプル分離媒体支持板111、113としては、絶縁体を好適に使用することが可能である。絶縁体としては、例えば、ガラス、セラミック、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタラート等が挙げられる。サンプル分離媒体支持板111、113はサンプル分離媒体112の両脇に配置されたスペーサー(図示せず)を介して接着されており、後述するサンプル分離媒体112を収納することができる。
(サンプル分離媒体)
サンプル分離媒体112はサンプル溶液がアプライされ、電気泳動されることで種々のサンプルを性質に応じて分離させることができる媒体である。
サンプル分離媒体112は、サンプル分離媒体支持板111、113およびスペーサーによって形成される空間で作製してもよく、また別途作成したサンプル分離媒体112を移動させ、当該空間に固定させてもよい。例えば、サンプル分離媒体がアクリルアミドゲルである場合には、上記空間内にアクリルアミド溶液を流し込み、当該空間の中でアクリルアミドを重合させることによってゲルを形成してもよく、アクリルアミドゲルを当該空間に固定させてもよい。
サンプル分離媒体112の材質としては、電気泳動の際に通常用いられる媒体であればよい。例えば、ポリアクリルアミド、アガロース、寒天、および、デンプンからなる群より選ばれるゲル化剤によりゲル化されたゲルを用いることができる。
(上部基板)
なお、上部基板120は、サンプル分離媒体支持板113に嵌合されている。また、上部基板120は、サンプル分離媒体支持板113から露出しているサンプル分離媒体112を覆っている。
そして、上部基板120とサンプル分離媒体112との接触部分において、上部基板120は貫通孔を有し、当該貫通孔の側壁とサンプル分離媒体112の上面と、によってサンプルローディング部(ウェル構造)121が構成されている。
つまり、本明細書中において、ウェル構造とは、補助器具に設けられた側壁とサンプル分離媒体の上面からなる底面とによって形成される凹部を指している。上記凹部にサンプル溶液を注入することで、サンプル分離媒体にサンプルを導入することができる。
上部基板120の材質としては、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタラート等の絶縁体が挙げられる。サンプル分離媒体支持板113と上部基板120との接着は、公知の接着剤および接着方法を用いることによって可能である。次に、サンプルローディング部121およびローディング部122について説明する。
(サンプルローディング部)
上部基板120には、液体状のサンプル溶液(例えば、マーカーサンプル)を導入するためのサンプルローディング部121が方向Xと垂直な方向の両端にそれぞれ設けられている。なお、サンプルローディング部の個数は2個に限定されない。
本実施形態では、サンプル分離媒体112へウェルを直接形成するのではなく、サンプルローディング部121を上部基板120およびサンプル分離媒体112により形成することで、ウェル構造の容易な形成およびサンプル分離媒体112へのサンプル溶液の容易なアプライが可能となる。
また、サンプル分離媒体支持板111、113を、電気泳動に供するために好適なガラスによって構成した場合であっても、本実施形態では、ウェル構造を上部基板120によって構成するために、細かい加工が困難なガラスにウェル構造を構成する必要がなく、容易にウェルを備えた電気泳動用カセット100を提供することができる。
なお、上部基板120には、サンプルローディング部121の他に、1次元目の電気泳動が終了した分離媒体を導入するためのローディング部122を備えていてもよい。これにより、1次元目のゲル等電点電気泳動にて分離したサンプルを、2次元目のSDS−PAGE電気泳動にてさらに分離することができる。ただし、ローディング部122を設けずに、複数のサンプルローディング部121を設ける構成であってもよい。
図4は、サンプルローディング部121の種々の変形例を示す拡大断面図およびサンプルローディング部121にサンプル溶液114を充填させた場合の種々の変形例を示す拡大断面図である。図4(b)、(d)、(f)、(h)、(j)、(l)は、それぞれ図4(a)、(c)、(e)、(g)、(i)、(k)の各サンプルローディング部121a〜121fにサンプル溶液114を加えた状態を示す図である。
図4(a)は、基本的な構成であるサンプルローディング部121aを示す。サンプルローディング部121aは、図4(b)に示すようにサンプル溶液114が導入されるため、上部基板120とサンプル分離媒体112とは密着している。
図4(c)は、変形例であるサンプルローディング部121bを示す。本変形例において、上部基板120には、過剰量のサンプル溶液114を貯留するサンプルローディング部側溝(貯留部)123が設けられ、サンプルローディング部121bの側壁には、過剰量のサンプル溶液114をサンプルローディング部側溝123に流出させる流出口が設けられている。これにより、図4(d)に示すように、過剰量のサンプル溶液114をサンプルローディング部121bに注入した場合でも、サンプルローディング部側溝123に過剰なサンプル溶液114を隔離して、一定量のサンプル溶液114のみをウェル構造に貯めることができる。これにより、電気泳動の結果をより正確にすることができる。
図4(e)は、さらなる変形例であるサンプルローディング部121cを示す。サンプルローディング部121cでは、側壁から上部(サンプル分離媒体112とは反対側)に延伸する上面突起部(延伸部)124を備えている。上面突起部124は、例えば、サンプルローディング部121cの方向に傾斜を有している。このような上面突起部124を設けることによって、サンプル溶液114をアプライする際に、アプライ用の器具(例えば、ピペットチップ等)を、上面突起部124に当接させてから、アプライを行うことができるため、アプライ用の器具を安定させ、サンプルがサンプル分離媒体112の外に漏れないようにガイドすることができる。
図4(g)は、さらなる変形性であるサンプルローディング部121dを示す。サンプルローディング部121dは、側壁に形成され、サンプルローディング部121cの中心に向かって突出している内突起部125を備えている。言い換えれば、サンプルローディング部121cは、くびれ形状を有している。このような形状を有していることによって、アプライ用の器具が、サンプルローディング部121d内に深く入り込むことを抑制し、サンプル分離媒体112に突き刺さるのを防止することができる。
図4(i)は、さらなる変形性であるサンプルローディング部121eを示す。サンプルローディング部121eは、側壁のサンプル分離媒体112側の端部に、サンプル分離媒体112にめり込む底面突起部(めり込み部)126を備えている。底面突起部126はサンプル分離媒体112にめり込んでいるため、上部基板120とサンプル分離媒体112とをより密着させ、サンプルが漏れ出ることを避けることができる。
また、図4(j)に示すように、サンプル溶液114を加えたときに、サンプル分離媒体112に導入されたサンプルは、まず、底面突起部126に沿って図面下方に移動し、電気泳動による分離の出発点が強制的にサンプル分離媒体112の厚さ方向の中央部分になる。よって、電気泳動中にサンプル分離媒体支持板113およびサンプル分離媒体112の界面付近をサンプルが流れるのを防止できる。なお、陽極側に底面突起部126が設けられていてもよい。また、陽極側に底面突起部126を設けた場合、2つの電気泳動緩衝液槽102間に電圧を印加することにより生じる電気力線が、サンプル分離媒体112の中心へ吸い込まれる流れをとる。そのため、電気泳動による分離の出発点に底面突起部126を設けた場合と同様に、サンプルをサンプル分離媒体112の中心方向へ強制的に移動できる。
図4(k)さらなる変形性であるサンプルローディング部121fを示す。サンプルローディング部121fは、側壁のサンプル分離媒体112側の端部に、サンプル分離媒体112にめり込む先細形状の底面鋭角部(めり込み部)127を備えている。底面鋭角部127のように、サンプル分離媒体112との接触面をテーパ状の突起構造にすることによって、上部基板120をサンプル分離媒体112に接触させる際に、上部基板120とサンプル分離媒体112との密着面に空気が入り込むことを防止できる。また、サンプルローディング部121eと同様の効果も有している。
なお、上記サンプルローディング部121の形状は適宜組み合わせることが可能である。例えば、サンプルローディング部側溝およびサンプルローディング内突起部を組み合わせてサンプルローディング部を形成することが可能である。
(サンプルの濃縮方法)
なお、サンプルローディング部121に対するサンプル溶液114のアプライは、単に、ピペットチップ等の器具を用いてサンプル溶液114を注入してもよいが、以下に示すように行うことによって、サンプルの濃縮効果を得てもよい。
図5は、サンプルの濃縮効果を得るための方法の一例を示すサンプルローディング部121の拡大断面図である。
例えば、サンプル分離媒体112を塩基性(例えば、pH=8.8)にしておき、サンプルローディング部121を中性(例えば、pH=6.8)の電気泳動緩衝液130で満たした後、サンプルローディング部121に20%Glycerol溶液を含むサンプル溶液131をアプライする。このようにすることによって、既存の電気泳動用装置における濃縮ゲルと同等のサンプルの濃縮効果が得られるため、よりシャープなサンプルの分離パターンを得ることができる。すなわち、一般的に使用されているLaemmli(Tris−Glycine)系電気泳動バッファー等に含まれるグリシンは、pH6.8では解離度が低い。そのため、サンプルローディング部121内では、移動度が大きいトレーディングイオン(Cl)と移動度が小さいグリシンとの間は、イオン濃度が低く、高抵抗かつ高電圧になる。そして、トレーディングイオンの移動に合わせてタンパク質およびグリシンが引きつけられるため、サンプルローディング部121内においてサンプルが濃縮される。一方、グリシンがサンプル分離媒体112(pH=8.8)へ入ると、グリシンは負に荷電するため、サンプルよりも先へ移動する。よって、サンプル分離媒体112内では、濃縮効果がなくなり、サンプルの分離が始まる。このように、サンプルローディング部121内でサンプルを濃縮した後に、サンプル分離媒体112内で分離を行うことにより、よりシャープなサンプルの分離パターンを得ることができる。
(開口部の形状)
続いて、サンプルローディング部121の開口部の形状について説明する。図6は、サンプルローディング部121の開口部の形状のバリエーションを示す上面図である。
図6(a)に示すサンプルローディング部121hは基本的な形状である。そして、サンプルローディング部121の形状は、(c)、(d)に示すサンプルローディング部121i、121jに示すように、角が丸みを帯びていてもよく、また円形になっていてもよい。電位と平行な(分離方向と直交する)辺上にあるタンパク質の電位は、他の領域の電位と比較すると乱れる傾向にあるため、サンプルローディング部121の開口部の形状は、図6(a)に示すように、長方形ではなく、図6(c)に示すように角が丸められているか、図6(d)に示すように角がないことが好ましく、特に、丸い形状にすることがより好ましい。
また、図6の(b)に示すように、サンプルローディング部121kのサンプル分離媒体112とは反対側の端部には窪み(切り欠き)132が設けられている。サンプルローディング部121kに隣接して窪み132が設けられているため、アプライ用の器具の位置や方向等をガイドすることができる。よって、ウェル構造へのサンプル溶液のアプライが容易になる。
また、サンプルローディング部121mのように文字または記号を標記してもよく、サンプルローディング部121nのように溝の周囲に色または模様を設けてもよい。このように、上部基板120の表面に、サンプルローディング部121の位置を示す目印を設けることによって、サンプル分離部110が緩衝液等の中に浸っている場合であっても、容易にサンプルローディング部121の位置を判断することができ、容易にサンプルをサンプルローディング部121にアプライすることができる。目印としては、例えば、文字、記号、色、模様、立体形状等を使用することができる。
なお、上記サンプルローディング部121の形状は適宜組み合わせることが可能である。例えば、サンプルローディング部に窪みを形成するとともに、サンプルローディング部の角に丸みを帯びさせる等が可能である。さらに、図4を用いて説明した種々の変形例を適宜組み合わせることが可能である。
本発明において、樹脂等から形成される上部基板120を用いてウェルを形成しているため、ゲル等のサンプル分離媒体に直接ウェルを作成する必要が無い。そのため、ウェルの形状にバラツキが少なく、従来のようにウェルの作成した後にサンプルコームを抜く必要が無く、ウェルが変形することもない。
また、上部基板120として樹脂を用いた場合には、ウェル構造を樹脂成形により作製することができるために形状のバラツキが少なくし、形状の自由度を高め、かつ最適なウェルの構成を実現することができる。
図7は、上部基板120の一実施形態についての斜視図であり、図8は、図7の上部基板120の底面を示す斜視図である。
上部基板120とサンプル分離媒体支持板113とは公知の接着剤によって接着させることができ、上部基板120には接着剤を充填させる溝128が形成されていることから、溝128に過剰な接着剤を逃がすことができる。つまり、上部基板120またはサンプル分離媒体支持板113に接着剤を過剰に塗布した場合であっても、精度よく両者を接着させることができる。
また、上部基板120とサンプル分離媒体支持板113とを確実に接着することにより、電気泳動の際に上部基板120とサンプル分離媒体支持板113との間に陽極緩衝液および陰極緩衝液が混入することを防止することができる。そのため、上部基板120とサンプル分離媒体支持板113との間に電位が漏れることがなく、電気泳動の結果が乱れることを防止できる。
なお、上部基板120の側面にも溝128を形成することにより、当該溝に接着剤を塗布して上部基板120の側面とバッファーセル101の側壁との間を接着することができる。これにより、上部基板120の側面とバッファーセル101の側壁との隙間に緩衝液が浸入することを防ぎ、電位が漏れることを好適に防止することができる。
図9は、上部基板120の他の実施形態についての斜視図であり、図10は、図9の上部基板120の底面を示す斜視図である。これらの図のように、上部基板120は幅の広い溝129を備えていてもよく、サンプル分離媒体支持板113の側面まで接着剤が届く構造であれば溝の形状は限定されず、溝の個数も限定されない。
図11は、電気泳動用カセット100を、電気泳動装置に組み込み、陰極緩衝液および陽極緩衝液の間に電圧を印加し、電気泳動を行っていることを示す電気泳動用カセットの断面図であり、(a)は陰極緩衝液を遮蔽する構成を有しておらず、(b)は陰極緩衝液を遮蔽する構成を有している。
本実施形態においては、サンプルローディング部121が設けられている電気泳動緩衝液槽102に陰極電極(図示せず)が設置され、もう一方の電気泳動緩衝液槽102に陽極電極(図示せず)が設置されている。そして、2つの電気泳動緩衝液槽102にそれぞれ陰極緩衝溶液116および陽極緩衝溶液117を充填し、サンプル分離媒体112は両端において、陰極緩衝溶液116および陽極緩衝溶液117と接触している。そして、陽極電極および陰極電極と接続した電圧印加手段を設けて電気泳動を行っている。
陰極緩衝溶液116および陽極緩衝溶液117としてはtris(hydroxymethyl)aminomethane、GlysinおよびSDSを含む電気泳動緩衝液を使用する。一例として、25mMのtris(hydroxymethyl)aminomethane、192mMのGlysinおよび7mMのSDSが使用可能である。
そして、20%glycerol溶液を含むサンプル溶液114をサンプルローディング部121にアプライした後、図のように電圧を印加することで電気泳動を行っている。サンプル溶液114は比重の重いglycerolを含有していることにより図11(a)および(b)でも変わらずに電気泳動が可能である。
電気泳動は高電圧下にて行われるため、サンプルの分離中には電気泳動用カセット100およびサンプル分離部110は高温になる。よって、これらを冷却するために、上部基板120の上面には水槽118に水が充填されている。なお、電気泳動用カセット100等を冷却しなくてもよく、また水以外の方法で冷却してもよい。
また、図11(b)のように、サンプル溶液114を加えるサンプルローディング部121と電気泳動緩衝液槽102との間に陰極緩衝溶液116を遮断する障壁119を設けてもよい。なお、図11(a)のように、障壁119を設けずにサンプルローディング部121付近に陰極緩衝溶液116を充填させてもよい。
本発明に係る電気泳動用カセットは各種試料(特に、生体試料)の分析装置の製造分野において利用可能である。
100 電気泳動用カセット
101 バッファーセル
102 電気泳動緩衝液槽
110 サンプル分離部
111、113 サンプル分離媒体支持板(絶縁物、絶縁体基板)
112 サンプル分離媒体
114 サンプル溶液
116 陰極緩衝溶液
117 陽極緩衝溶液
118 水槽
119 障壁
120 上部基板(補助器具)
121、121a、121b、121c、121d、121e、121f、121h、121i、121j、121k、121m、121n サンプルローディング部(ウェル構造)
122 ローディング部
123 サンプルローディング部側溝(貯留部)
124 上面突起部(延伸部)
125 内突起部
126 底面突起部(めり込み部)
127 底面鋭角部(めり込み部)
128、129 溝
130 電気泳動緩衝液
131 サンプル濃縮媒体
132 窪み(切り欠き)

Claims (20)

  1. 水平方向にサンプルを分離するためのサンプル分離媒体と、
    上記サンプル分離媒体上に配置され、上記サンプル分離媒体に密着している補助器具と、を備えており、
    上記サンプル分離媒体上に、上記サンプルを含有するサンプル溶液を貯めるためのウェル構造が形成されており、
    上記ウェル構造は、上記サンプル分離媒体の上面と、上記補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、によって構成されており、
    上記サンプル分離媒体を対になって挟む2つの緩衝液槽を備えており、
    上記緩衝液槽と上記ウェル構造とは、別々の独立した構造であることを特徴とする電気泳動用カセット。
  2. 上記サンプル分離媒体を、その上面の一部を露出させて収納する絶縁物を備えており、
    上記補助器具は、上記絶縁物に嵌合するとともに、上記サンプル分離媒体の露出部分に密着していることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動用カセット。
  3. サンプルを分離するためのサンプル分離媒体と、
    上記サンプル分離媒体上に配置され、上記サンプル分離媒体に密着している補助器具と、を備えており、
    上記サンプル分離媒体上に、上記サンプルを含有するサンプル溶液を貯めるためのウェル構造が形成されており、
    上記ウェル構造は、上記サンプル分離媒体の上面と、上記補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、によって構成されており、
    上記側壁には、予め定められた水位を超える上記サンプル溶液を上記ウェル構造内から流出させるための流出口が設けられていることを特徴とする電気泳動用カセット。
  4. 上記補助器具は、上記流出口から流出した上記サンプル溶液を貯めるための貯留部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の電気泳動用カセット。
  5. 上記補助器具は、上記側壁から上記サンプル分離媒体とは反対側に延伸する延伸部を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電気泳動用カセット。
  6. サンプルを分離するためのサンプル分離媒体と、
    上記サンプル分離媒体上に配置され、上記サンプル分離媒体に密着している補助器具と、を備えており、
    上記サンプル分離媒体上に、上記サンプルを含有するサンプル溶液を貯めるためのウェル構造が形成されており、
    上記ウェル構造は、上記サンプル分離媒体の上面と、上記補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、によって構成されており、
    上記貫通孔が、くびれ形状を有していることを特徴とする電気泳動用カセット。
  7. 上記側壁における上記サンプル分離媒体とは反対側の端部に、切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電気泳動用カセット。
  8. 上記貫通孔の開口部の形状が、角を有さないか、または、角が丸められていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電気泳動用カセット。
  9. サンプルを分離するためのサンプル分離媒体と、
    上記サンプル分離媒体上に配置され、上記サンプル分離媒体に密着している補助器具と、を備えており、
    上記サンプル分離媒体上に、上記サンプルを含有するサンプル溶液を貯めるためのウェル構造が形成されており、
    上記ウェル構造は、上記サンプル分離媒体の上面と、上記補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、によって構成されており、
    上記側壁における上記サンプル分離媒体側の端部に、上記サンプル分離媒体にめり込んでいるめり込み部が設けられていることを特徴とする電気泳動用カセット。
  10. 上記めり込み部が、先細の形状を有していることを特徴とする請求項9に記載の電気泳動用カセット。
  11. 上記めり込み部が、上記サンプル分離媒体の厚さ方向の中央部までめり込んでいることを特徴とする請求項9または10に記載の電気泳動用カセット。
  12. 上記サンプル分離媒体がゲルであることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の電気泳動用カセット。
  13. 上記補助器具の表面に、上記貫通孔の位置を示す目印が付されていることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の電気泳動用カセット。
  14. 水平方向にサンプルを分離するためのサンプル分離媒体と、
    上記サンプル分離媒体上に配置され、上記サンプル分離媒体に密着している補助器具と、を備えており、
    上記サンプル分離媒体上に、上記サンプルを含有するサンプル溶液を貯めるためのウェル構造が形成されており、
    上記ウェル構造は、上記サンプル分離媒体の上面と、上記補助器具に設けられた貫通孔の側壁と、によって構成されており、
    上記サンプル分離媒体を、その上面の一部を露出させて収納する絶縁物を備えており、
    上記補助器具は、上記絶縁物に嵌合するとともに、上記サンプル分離媒体の露出部分に密着しており、
    上記絶縁物は、上記サンプル分離媒体を挟持する2枚の絶縁体基板から構成されており、
    上記2枚の絶縁体基板のうち一方の絶縁体基板は、他方の絶縁体基板よりも短く、上記サンプル分離媒体の露出部分側に配置されており、上記補助器具に嵌合するようになっていることを特徴とする電気泳動用カセット。
  15. 上記絶縁体基板は、ガラス、セラミック、および樹脂からなる群より選ばれる何れかの物質からなることを特徴とする請求項14に記載の電気泳動用カセット。
  16. 上記補助器具は、樹脂からなることを特徴とする請求項15に記載の電気泳動用カセッ
    ト。
  17. 上記一方の絶縁体基板に、上記補助器具を接着するための接着剤を流し込むための溝が形成されていることを特徴とする請求項14〜16の何れか1項に記載の電気泳動用カセット。
  18. 請求項14〜17の何れか1項に記載の電気泳動用カセットの製造方法であって、上記一方の絶縁体基板と、上記補助器具とを接着する工程を包含することを特徴とする電気泳動用カセットの製造方法。
  19. 請求項1〜17の何れか1項に記載の電気泳動用カセットの上記ウェル構造に上記サンプル溶液をアプライする工程と、
    上記サンプル分離媒体に対して、上記サンプルを分離すべき方向に電圧を印加する工程とを包含することを特徴とする電気泳動方法。
  20. 上記サンプル分離媒体が塩基性であり、
    上記ウェル構造に上記サンプル溶液をアプライする工程の前に、上記ウェル構造に中性の電気泳動用緩衝液を添加する工程をさらに包含していることを特徴とする請求項19に記載の電気泳動方法。
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