JP5975338B2 - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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本発明は、表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関し、さらに詳しくは、例えば、チタン合金、耐熱合金鋼、ステンレス鋼などの加工時に刃先への溶着が激しい難削材を、高熱発生を伴うとともに切刃部への衝撃性および溶着性が著しい高速切削条件で切削加工した場合に、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する被覆工具に関するものである。
一般に、被覆工具には、各種の鋼や鋳鉄などの被削材の旋削加工や平削り加工にバイトの先端部に着脱自在に取り付けて用いられるインサート、被削材の穴あけ切削加工などに用いられるドリルやミニチュアドリル、さらに被削材の面削加工や溝加工、肩加工などに用いられるソリッドタイプのエンドミルなどがあり、またインサートを着脱自在に取り付けてソリッドタイプのエンドミルと同様に切削加工を行うインサート式エンドミルなどが知られている。
また、従来被覆工具としては、例えば、分散相を形成する立方晶窒化ほう素相と連続相を形成する窒化チタン相との界面に超高圧焼結反応生成物が介在した組織を有するインサート本体の表面に硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具であって、(a)硬質被覆層が、1〜3μmの平均層厚を有する下部層と0.3〜3μmの平均層厚を有する上部層とからなり、(b)下部層が、特定の組成式を満足するCrとAlの複合窒化物層からなり、(c)上部層が、一層平均層厚がそれぞれ0.05〜0.3μmの薄層Aと薄層Bの交互積層構造を有し、薄層Aが、特定の組成式を満足するCrとAlの複合窒化物層、薄層Bが、Cr窒化物(CrN)層という構成をとることによって、硬質難削材の高速連続切削加工ですぐれた仕上げ面精度を長期に亘って発揮する表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、別の従来被覆工具として、工具基体表面に(Al,Ti,M)N層からなる硬質被覆層を蒸着したことによって、耐摩耗性、耐欠損性を改善させたものも知られているが、このような硬質被覆層は、例えば、図2に概略説明図で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプレーティング装置(AIP装置)に工具基体を装入し、装置内を、例えば、500℃の温度に加熱した状態で、硬質被覆層の組成に対応した合金がセットされたカソード電極、例えば、Al−Ti−M合金と、アノード電極との間に、例えば、電流:90Aの条件でアーク放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して、2Paの反応雰囲気とし、一方、工具基体には、例えば、−100Vのバイアス電圧を印加した条件で、工具基体表面に(Al,Ti,M)N層からなる硬質被覆層を蒸着することにより製造されることも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−18507号公報 特許第2793773号公報
ところが、近年の切削加工装置の自動化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削工具には被削材の材種にできるだけ影響を受けない汎用性、すなわち、できるだけ多くの材種の切削加工が可能な切削工具が求められる傾向にあるが、従来被覆工具においては、これを、鋼や鋳鉄などの被削材の通常切削速度での切削加工に用いた場合には問題ないが、チタン合金、耐熱合金鋼、ステンレス鋼などの難削材を、高い発熱を伴うとともに、切刃部への衝撃性および溶着性が著しい高速切削条件で切削した場合には、切削時の発熱によって被削材および切粉は高温に加熱されて粘性が増大し、これに伴って硬質被覆層表面に対する溶着性が一段と増すようになり、この結果、切刃部におけるチッピング(微少欠け)の発生が急激に増加し、これが原因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、チタン合金、耐熱合金鋼、ステンレス鋼などの難削材を、高熱発生を伴う高速切削条件で切削した場合においてもすぐれた耐衝撃性、耐溶着性、耐チッピングおよび耐摩耗性を発揮する被覆工具を提供することである。
そこで、本発明者らは、前述のような観点から、特にチタン合金、耐熱合金鋼、ステンレス鋼などの難削材の切削加工を、高速切削条件で切削加工した場合に、硬質被覆層がすぐれた耐衝撃性、耐溶着性、耐チッピング性および耐摩耗性を併せ持つ被覆工具を開発すべく、鋭意研究を行った結果、工具基体の表面に、従来被覆工具の硬質被覆層であるAlとTiとの合量に占めるTiの含有割合が25〜55原子%となるようにTi成分を含有させたAlとTiの複合窒化物層(以下、(Al,Ti)N層と示す)を下部層として0.5〜5.0μmの平均層厚で形成し、これの上に、AlとCrとの合量に占めるCrの含有割合が25〜50原子%となるようにCr成分を含有させたAlとCrの複合窒化物層(以下、(Al,Cr)N層と示す)を中間層として0.5〜5.0μmの平均層厚で形成し、さらにその上に、Crの窒化物層(以下、CrN層と示す)を上部層として0.5〜5.0μmの平均層厚で形成することにより、下部層の(Al,Ti)N層が、すぐれた耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性を示し、また、中間層を構成する(Al,Cr)N層が、すぐれた耐酸化性、耐熱性を示し、上部層を構成するCrN層が、すぐれた潤滑性、耐溶着性を示すと共に、(Al,Cr)N層とCrN層との接合により、すぐれた耐衝撃性、耐チッピング性、耐クラック進展性が奏され、さらに、(Al,Ti)N層と、(Al,Cr)N層と、CrN層の積層からなる相乗効果により、すぐれた耐欠損性(靱性向上)と耐摩耗性を発揮するようになる。したがって、特に、加工時に刃先への溶着が激しい難削材の高速切削加工において、切刃部が高温になったとしても耐熱性にすぐれ、その結果、切刃部におけるチッピング(微少欠け)の発生が抑制され、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性が発揮されるという新規な知見を得た。
さらに、工具基体の表面に、AlとTiの合量に占めるTiの含有割合が25〜55原子%となるようにTi成分を含有させた平均層厚0.5〜5.0μmの(Al,Ti)N層を蒸着形成し、その上に、AlとCrとの合量に占めるCrの含有割合が25〜50原子%となるようにCr成分を含有させた平均層厚0.5〜5.0μmの(Al,Cr)N層を蒸着形成し、さらにその上に、平均層厚0.5〜5.0μmのCrN層を順に形成した積層構造からなる硬質被覆層を構成すると、CrN層はすぐれた潤滑性、耐溶着性を示し、また、これと積層形成される(Al,Cr)N層はすぐれた耐酸化性および耐熱性を示すことから、高熱発生を伴う切削加工においても、CrN層のすぐれた耐溶着性は維持されることを見出した。
すなわち、チタン合金、ステンレス鋼等の難削材の高速切削加工において、切刃部が高温になったとしても、CrN層に不足する耐溶着性を、これに積層される(Al,Cr)N薄層が補完し、硬質被覆層全体として被削材との耐摩耗性も改善され、その結果、切刃部におけるチッピング(微少欠け)の発生が防止され、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性が発揮されるという新規な知見を得た。
さらに、本発明者らは、下部層の(Al,Ti)N層および中間層の(Al,Cr)N層のヤング率に着目して詳細に研究を行ったところ、下部層の(Al,Ti)N層については、下部層に期待される耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性を十分に発揮させるためには、被削材や切削条件に限らず、ヤング率が400〜550GPaのヤング率であるとき(Al,Ti)N層の有する耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性がより有効に発揮される。一方、中間層の(Al,Cr)N層については、ヤング率が150〜300GPaの下部層に比べて低ヤング率であるとき、(Al,Cr)N層の耐欠損性が強化されるため、チタン合金、ステンレス鋼等の損傷形態が溶着チッピング等の異常損傷で寿命となりやすい、すなわち、加工時に刃先への溶着が激しい難削材の高速切削加工において、特にすぐれた切削性能を発揮することを見出した。
本発明は、前述したような新規な知見に基づき、発明者らが鋭意研究を重ねた結果、完成するに至ったものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、
(a)0.5〜5.0μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−xTi)N(ここで、xはAlとTiの合量に占めるTiの含有割合を示し、原子比で、0.25≦x≦0.55である)を満足し、ヤング率Eが400GPa≦E≦550GPaであるするAlとTiとの複合窒化物層からなる下部層と、
(b)0.5〜5.0μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:(Al1−yCr)N(ここで、yはAlとCrの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦y≦0.50である)を満足し、ヤング率Eが150GPa≦E≦300GPaであるAlとCrとの複合窒化物層からなる中間層、
(c)0.5〜5.0μmの平均層厚を有するCrの窒化物層からまる上部層、
前記下部層、中間層、上部層の積層構造からなることを特徴とする表面被覆切削工具。」
を特徴とするものである。
つぎに、本発明の被覆工具の硬質被覆層の構成層に関し、前記の通りに数値限定した理由を説明する。
(a)下部層を構成する(Al,Ti)N層の組成および平均層厚:
下部層を構成する(Al,Ti)N層の構成成分であるAl成分には硬質被覆層における高温硬さを向上させ、同Ti成分には高温強度を向上させる作用があるが、Tiの含有割合を示すx値がAlとの合量に占める割合(原子比、以下同じ)で0.25未満になると、所定の高温強度を確保することができず、これが耐摩耗性低下の原因となり、一方、Tiの含有割合を示すx値が同0.55を越えると、相対的にAlの含有割合が減少し、高速切削加工で必要とされる高温硬さを確保することができず、チッピングの発生を防止することが困難になることからx値を0.25〜0.55と定めた。
また、下部層を構成する(Al,Ti)N層の平均層厚が0.5μm未満では、自身の持つすぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するには不十分であり、一方、その平均層厚が5.0μmを越えると、前記の高速切削では切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を0.5〜5.0μmと定めた。
(b)中間層を構成する(Al,Cr)N層の組成および平均層厚:
中間層を構成するAlとCrの複合窒化物からなる(Al,Cr)N層は、すぐれた耐酸化性、耐熱性を有するとともに、その構成成分であるCr成分によって、すぐれた潤滑性を備えるようになり、また、Al成分によって、高温硬さを補完する。そのため、高温切削条件下でも低摩擦係数が維持され、すぐれた耐熱性を発揮するようになるが、Crの含有割合を示すy値がAlとの合量に占める割合(原子比、以下同じ)で0.25未満になると、潤滑性を確保することができないために耐溶着性を期待することはできず、一方、Crの含有割合を示すy値が同0.50を越えると、相対的にAlの含有割合が減少し、難削材の高速切削加工で必要とされる高温硬さ確保することができないばかりか、耐摩耗性も低下し、チッピング発生を防止することが困難になることから、y値を0.25〜0.50(原子比、以下同じ)と定めた。
また、中間層を構成する(Al,Cr)N層の平均層厚が0.5μm未満では、自身のもつすぐれた耐酸化性、耐熱性を長期に亘って発揮するには不十分であり、一方、その平均層厚が5.0μmを越えると、高速切削では、耐熱性の不足が顕在化し、切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を0.5〜5.0μmと定めた。
(c)上部層を構成するCrN層の平均膜厚:
上部層を構成するCrN層は、すぐれた耐溶着性を有するとともに、その構成成分であるCr成分によって、すぐれた潤滑性を備えるようになるが、平均層厚が0.5μm未満では、自身のもつすぐれた耐溶着性を長期に亘って発揮するには不十分であり、一方、その平均層厚が5.0μmを越えると、高速切削では、耐溶着性の不足が顕在化し、切刃部にチッピングが発生し易くなることから、その一層平均層厚を0.5〜5.0μmと定めた。
すなわち、前述した中間層を構成する(Al,Cr)N層は、硬質被覆層に耐酸化性、耐熱性を付与し、上部層を構成するCrN層は、耐溶着性、潤滑性を付与するために設けたものであるが、それぞれの平均層厚が0.5〜5.0μmの範囲内であれば、中間層および上部層からなる積層構造は、すぐれた耐酸化性、耐熱性、耐溶着性、潤滑性を具備したあたかも一つの層であるかのように作用するが、それぞれの平均層厚が5.0μmを超えると、(Al,Cr)N層の耐酸化性、耐熱性不足、あるいは、CrN層の耐溶着性、潤滑性不足が層内に局所的に現れるようになり、中間層と上部層が全体として一つの層としての良好な特性を呈することができなくなるため、それぞれの層の平均層厚を0.5〜5.0μmと定めた。
(d)下部層の(Al,Ti)N層および中間層の(Al,Cr)N層のヤング率:
中間層の(Al,Cr)N層は、ヤング率が150〜300GPaの範囲に含まれるような下部層に比べて低ヤング率であるとき、外部応力が加わった際の皮膜の変形量が増加し、クラック等の発生を阻止するため、耐欠損性を向上させることができる。そのため、チタン合金、ステンレス鋼等の損傷形態が溶着チッピング等の異常損傷で寿命となりやすい難削材の高速切削加工において、特にすぐれた切削性能を発揮する。一方、中間層の(Al,Cr)N層のヤング率が、150GPaよりも低下すると、耐摩耗性の低下が著しいため好ましくなく、一方、300GPaより高くなると、皮膜靭性の低下による耐欠損性が低下してしまうため、皮膜の崩壊や剥離が起こりやすくなる。そのため、チタン合金鋼、ステンレス鋼等の難削材の高速切削加工においては好ましくない。したがって、本発明においては、中間層の(Al,Cr)N層のヤング率は150〜300GPaと定めた。
一方、下部層の(Al,Ti)N層については、下部層に期待される耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性を十分に発揮させるためには、被削材や切削条件に限らず、ヤング率が400〜550GPaの中間層と比べて高ヤング率であるとき(Al,Ti)N層の有する耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性がより有効に発揮される。そのため、本発明においては、下部層の(Al,Ti)N層のヤング率は400〜550GPaと定めた。
なお、下部層と中間層のヤング率の差と耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性との関係について、数多くの切削試験を行って検証したところ、前記のヤング率の差が100GPa以上であるとき、より、すぐれた耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性を示すことが確認された。したがって、下部層と中間層のヤング率の差は100GPa以上とすることが、好ましい。前述の切削試験の結果の一部について、後に実施例として詳述する。
なお、本発明の硬質被覆層を構成する(Al,Ti)N層、(Al,Cr)N層、CrN層は、図1に概略説明図で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプレーティング装置に工具基体を装入し、ヒーターで装置内を、例えば、500℃の温度に加熱した状態で、装置内に所定組成の金属Crからなるカソード電極(蒸発源)、所定組成のAl−Ti合金からなるカソード電極(蒸発源)および所定組成のAl−Cr合金からなるカソード電極(蒸発源)を配置し、アノード電極とカソード電極(蒸発源)としてのAl−Ti合金との間に、例えば、電流:110Aの条件でアーク放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して、例えば、3Paの反応雰囲気とし、一方、工具基体には、例えば、−100Vのバイアス電圧を印加した条件で所定時間蒸着することにより、所定の目標層厚の下部層である(Al,Ti)N層が形成される。そして、アノード電極とカソード電極としてのAl−Cr合金の間に、例えば、電流:110Aの条件でアーク放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して、例えば、5Paの反応雰囲気とし、一方、工具基体には、例えば、−100Vのバイアス電圧を印加した条件で所定時間蒸着することにより、所定の目標層厚である(Al,Cr)N層が形成される。さらに、アノード電極とカソード電極としての金属Crの間に、例えば、電流:110Aの条件でアーク放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して、例えば、3Paの反応雰囲気とし、一方、工具基体には、例えば、−55Vのバイアス電圧を印加した条件で所定時間蒸着することにより、所定の目標層厚であるCrN層が形成される。このようにして、中間層の上に、所定の目標層厚の上部層であるCrN層が形成され、3層の積層構造からなる、本発明の硬質被覆層を蒸着形成することができる。
本発明の被覆工具の一態様によれば、硬質被覆層が(Al,Ti)N層からなる下部層と(Al,Cr)N層からなる中間層とCrN層からなる上部層の積層構造であって、下部層に比べ中間層を構成する(Al,Cr)N層のヤング率を低ヤング率とした場合、硬質被覆層は、すぐれた高温硬さ、耐熱性、高温強度、耐摩耗性、潤滑性、耐衝撃性を有することから、全体として、すぐれた高温硬さ、耐熱性、高温強度等に加え、すぐれた耐欠損性、耐溶着性を備えたものとなり、その結果、特に、チタン合金、ステンレス鋼等の難削材の大きな発熱を伴い、かつ、高負荷のかかる高速切削加工であっても、すぐれた耐溶着性、耐欠損性を示し、長期に亘ってすぐれた耐チッピング性、耐摩耗性を発揮するものである。
本発明被覆工具を構成する硬質被覆層を形成するのに用いたアークイオンプレーティング装置を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略正面図である。 比較被覆工具を構成する硬質被覆層を形成するのに用いた従来のアークイオンプレーティング装置の概略説明図である。 本発明被覆工具を構成する硬質被覆層の膜構成の模式図である。
つぎに、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、ISO規格・CNMG120408のインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A−1〜A−10を形成した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2 μmの平均粒径を有するTiCN(質量比で、TiC/TiN=50/50)粉末、MoC粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を2kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、ISO規格・CNMG120408のインサート形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体B−1〜B−6を形成した。
(a)ついで、前記工具基体A−1〜A−10およびB−1〜B−6のそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図1に示されるアークイオンプレーティング装置内の回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部に沿って装着し、前記回転テーブルを挟んで相対向する等角度方向に3つのカソード電極(蒸発源)を配置し、第1の電極として、下部層形成用の所定組成を有するAl−Ti合金、第2の電極として、中間層形成用の所定組成を有するAl−Cr合金、そして、第3の電極として、上部層形成用の金属Crを配置し、
(b)まず、装置内を排気して0.1 Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加し、かつAl−Ti合金(カソード電極)とアノード電極との間に100Aの電流を流してアーク放電を発生させ、もって工具基体表面をボンバード洗浄し、
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを導入して表3に示される反応雰囲気とすると共に、回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に表3に示される直流バイアス電圧を印加し、かつ、カソード電極の前記Al−Ti合金とアノード電極との間に120Aの電流を流してアーク放電を発生させ、工具基体の表面に、表3に示される目標組成、目標層厚、ヤング率の下部層としての(Al,Ti)N層を蒸着形成した後、カソード電極(蒸発源)とアノード電極との間のアーク放電を停止し、
(d)引き続いて装置内雰囲気を表3に示される窒素雰囲気に保持して、回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に表3に示される直流バイアス電圧を印加し、カソード電極(蒸発源)であるAl−Cr合金電極と、アノード電極との間に120Aの電流を交互に流してアーク放電を発生させて、表3に示される目標組成、目標層厚、ヤング率の中間層としての(Al,Cr)N層を蒸着形成した後、
(e)引き続いて装置内雰囲気を1.0Paの窒素雰囲気に保持したままで、回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に−30Vの直流バイアス電圧を印加し、カソード電極(蒸発源)である金属Cr電極と、アノード電極との間に120Aの電流を交互に流してアーク放電を発生させて、表3に示される目標層厚の上部層としてのCrN層を蒸着形成した。
前記(a)〜(e)により工具基体上に図3に模式的に示したような硬質被覆層を蒸着形成し、本発明被覆工具としての表面被覆インサート(以下、本発明被覆インサートと云う)1〜16をそれぞれ製造した。
中間層の(Al,Cr)N層のヤング率の制御は、前述のようにバイアス電圧と窒素分圧を制御することにより行った。すなわち、低バイアス電圧、低窒素分圧とすることで、(Al,Cr)N層のヤング率を低ヤング率の150〜300GPaに制御することができる。また、下部層の(Al,Ti)N層のヤング率の制御は、前述のようにバイアス電圧と窒素分圧を制御することにより行った。すなわち、−20〜150V、かつ0.5〜9.0Paの範囲で成膜することで高ヤング率の400〜550GPaに制御することができる。
各層の形成条件(バイアス電圧、窒素分圧)を同じく表3に示す。
また、ヤング率の測定は、ナノインデンター(MTSシステムズ社の商標)を用いてナノインデンテーション法による測定を行った。その結果を同じく表3に示した。
また、比較の目的で、前記実施例と同様の方法で、表4に示される比較被覆工具としての表面被覆インサート(以下、比較被覆インサートと云う)1〜8をそれぞれ製造した。ここで、比較被覆インサート1は、(Al,Ti)N層の単層からなる硬質被覆層を有するものであり、比較被覆インサート2は、(Al,Ti)N層からなる下部層と(Al,Cr)N層の単層からなる上部層とからなる硬質被覆層を有するものであり、比較被覆インサート3〜8は、(Al,Ti)N層からなる下部層と(Al,Cr)N層とCrN層の交互積層からなる上部層とからなる硬質被覆層を有するが、上部層のヤング率、一層目標層厚、合計目標層厚のいずれかが、本発明で規定する数値範囲を逸脱するものである。
つぎに、前記各種の被覆インサートを、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、本発明被覆インサート1〜16および比較被覆インサート1〜8について、
被削材:JIS・SUS304(HB200)の丸棒、
切削速度: 135m/min.、
切り込み: 3.0mm、
送り: 0.2mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件A)でのステンレス鋼の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、125m/min.、0.2 mm/rev.)、
被削材:Ti−6Al−4V合金(HB240)の丸棒、
切削速度: 65m/min.、
切り込み: 1.5 mm、
送り: 0.2mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件B)でのTi合金の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、45m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材:JIS・G4901(HB200)の丸棒、
切削速度: 70m/min.、
切り込み: 2.5mm、
送り: 0.2mm/rev.、
切削時間: 5分、
の条件(切削条件C)でのニッケル合金の湿式連続高速切削加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、45m/min.、0.2 mm/rev.)、
を行い、いずれの高速切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表5、表6に示した。
実施例1と同様、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末からなる原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、直径が13mmの工具基体形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の丸棒焼結体から、研削加工にて、切刃部の直径×長さが10mm×22mmの寸法、並びにねじれ角30度の4枚刃スクエア形状をもったWC基超硬合金製の工具基体(エンドミル)A−1〜A−10をそれぞれ製造した。
ついで、これらの工具基体(エンドミル)A−1〜A−10の表面をアセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図1に示されるアークイオンプレーティング装置に装入し、実施例1と同一の条件で、表7に示される目標組成、目標層厚、ヤング率の(Al,Ti)N層からなる下部層と、表7に示される目標組成、目標層厚、ヤング率の(Al,Cr)N層からなる中間層と、表7に示される目標層厚のCrN層とからなる上部層とから構成される硬質被覆層を蒸着形成することにより、本発明被覆工具としての本発明表面被覆超硬製エンドミル(以下、本発明被覆エンドミルと云う)1〜10をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、前記工具基体(エンドミル)A−1〜A−10の表面をアセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図2に示されるアークイオンプレーティング装置に装入し、実施例1と同一の条件で、表8に示される目標組成、目標層厚、ヤング率の(Al,Ti)N層からなる下部層と、表8に示される目標組成、目標層厚、ヤング率の(Al,Cr)N層からなる中間層と、表8に示される目標層厚のCrN層とからなる上部層とから構成される硬質被覆層を蒸着形成することにより、比較被覆工具としての表面被覆超硬製エンドミル(以下、比較被覆エンドミルと云う)1〜5をそれぞれ製造した。
つぎに、本発明被覆エンドミル1〜10および比較被覆エンドミル1〜5について、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304(HB220)の板材、
切削速度: 130m/min.、
溝深さ(切り込み):15mm、
テーブル送り: 300mm/min.、
の条件(切削条件D)でのステンレス鋼の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、85m/min.、280mm/分)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金(HB200)の板材、
切削速度: 100m/min.、
溝深さ(切り込み):15mm、
テーブル送り: 120mm/min.、
の条件(切削条件E)でのTi合金の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、40m/min.、95mm/min.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・G4901(HB230)の板材、
切削速度: 50m/min.、
溝深さ(切り込み):15mm、
テーブル送り: 110mm/min.、
の条件(切削条件F)でのニッケル合金の湿式高速溝切削加工試験(通常の切削速度およびテーブル送りは、それぞれ、30m/min.、85mm/min.)、
をそれぞれ行い、いずれの高速溝切削加工試験でも切刃部の外周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。この測定結果を同じく表7、表8にそれぞれ示した。

実施例2で製造した直径が13mmの丸棒焼結体を用い、この丸棒焼結体から、研削加工にて、溝形成部の直径×長さがそれぞれ8mm×22mmの寸法、並びにねじれ角30度の2枚刃形状をもったWC基超硬合金製の工具基体(ドリル)A−1〜A−10をそれぞれ製造した。
ついで、これらの工具基体(ドリル)A−1〜A−10の切刃に、ホーニングを施し、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図1に示されるアークイオンプレーティング装置に装入し、実施例1と同一の条件で、表9に示される目標組成、目標層厚およびヤング率の(Al,Ti)N層からなる下部層と、表9に示される目標組成、目標層厚およびヤング率の(Al,Cr)N層からなる中間層と、表9に示される目標層厚のCrN層からなる上部層からなる硬質被覆層を蒸着形成することにより、本発明被覆工具としての本発明表面被覆超硬製ドリル(以下、本発明被覆ドリルと云う)1〜10をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、前記工具基体(ドリル)A−1〜A−10の表面に、ホーニングを施し、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図2に示されるアークイオンプレーティング装置に装入し、実施例1と同一の条件で、表10に示される目標組成、目標層厚およびヤング率の(Al,Ti)N層からなる下部層と、表10に示される目標組成、目標層厚およびヤング率の(Al,Cr)N層からなる中間層と、表10に示される目標層厚のCrN層からなる上部層からなる硬質被覆層を蒸着形成することにより、比較被覆工具としての表面被覆超硬製ドリル(以下、比較被覆ドリルと云う)1〜5をそれぞれ製造した。
つぎに、本発明被覆ドリル1〜10および比較被覆ドリル1〜5について、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・SUS304(HB180)の板材、
切削速度: 120m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件G)でのステンレス鋼の湿式高速穴あけ加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、75m/min.、0.2mm/rev.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金(HB250)の板材、
切削速度: 75m/min.、
送り: 0.2mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件H)でのTi合金の湿式高速穴あけ加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、45m/min.、0.15mm/rev.)、
被削材−平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・G4901(HB200)の板材、
切削速度: 65m/min.、
送り: 0.25mm/rev.、
穴深さ: 5mm、
の条件(切削条件I)でのニッケル合金の湿式高速穴あけ加工試験(通常の切削速度および送りは、それぞれ、50m/min.、0.1mm/rev.)、
をそれぞれ行い、いずれの湿式高速穴あけ加工試験(水溶性切削油使用)でも先端切刃面の逃げ面摩耗幅が0.3mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した。この測定結果を同じく表9、表10にそれぞれ示した。

この結果得られた本発明被覆工具としての本発明被覆インサート1〜16、本発明被覆エンドミル1〜10、および本発明被覆ドリル1〜10の硬質被覆層を構成する下部層である(Al,Ti)N層と中間層である(Al,Cr)N層の組成、並びに、比較被覆工具としての比較被覆インサート1〜8、比較被覆エンドミル1〜5、および比較被覆ドリル1〜5の下部層である(Al,Ti)N層と中間層である(Al,Cr)N層からなる硬質被覆層の組成を、透過型電子顕微鏡を用いてエネルギー分散X線分析法により測定したところ、それぞれ目標組成と実質的に同じ組成を示した。
また、前記硬質被覆層を構成する各層の平均層厚を走査型電子顕微鏡を用いて断面測定したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5ヶ所の平均値)を示した。
表3〜10に示される結果から、本発明被覆工具は、所定の組成、目標層厚の下部層、中間層、上部層からなる硬質被覆層を形成した結果、下部層である(Al,Ti)N層が工具基体表面に強固に密着接合した状態で、すぐれた高温硬さ、耐熱性、高温強度を有するとともに、中間層である(Al,Cr)N層のヤング率が低ヤング率であることによって、耐欠損性(靭性)が向上し、上部層である優れた潤滑性を持つCrN層は、中間層との積層による相乗効果によって、耐衝撃性、耐チッピング性、耐クラック進展性を向上させる結果、チタン合金、ステンレス鋼等の難削材の高速切削加工でも、すぐれた耐欠損性が確保され、チッピングの発生なく、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮する。これに対して、硬質被覆層として、下部層、中間層、上部層の積層構造を有するものの、中間層の(Al,Cr)N層が低ヤング率に制御されていないか、各層の組成、目標層厚が本発明で規定する範囲を逸脱する比較被覆工具においては、いずれも難削材の高速切削加工では、被削材(難削材)および切粉と硬質被覆層との粘着性および反応性が一段と高くなるために、切刃部にチッピングが発生するようになり、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
前述のように、本発明の被覆工具は、一般的な被削材の切削加工は勿論のこと、特に、チタン合金、ステンレス鋼等の難削材の高速切削加工でもすぐれた耐摩耗性と耐欠損性を発揮し、長期に亘ってすぐれた切削性能を示すものであるから、切削加工装置の自動化、並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (1)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に硬質被覆層を形成してなる表面被覆切削工具において、
    前記硬質被覆層が、
    (a)0.5〜5.0μmの平均層厚を有し、かつ、
    組成式:(Al1−xTi)N(ここで、xはAlとTiの合量に占めるTiの含有割合を示し、原子比で、0.25≦x≦0.55である)を満足し、ヤング率Eが400GPa≦E≦550GPaであるAlとTiとの複合窒化物層からなる下部層、
    (b)0.5〜5.0μmの平均層厚を有し、かつ、
    組成式:(Al1−yCr)N(ここで、yはAlとCrの合量に占めるCrの含有割合を示し、原子比で、0.25≦y≦0.50である)を満足し、ヤング率Eが150GPa≦E≦300GPaであるAlとCrとの複合窒化物層からなる中間層、
    (c)0.5〜5.0μmの平均層厚を有するCrの窒化物層からなる上部層、
    前記下部層、中間層、上部層の積層からなることを特徴とする表面被覆切削工具。
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