JP5974999B2 - 高強度缶用鋼板 - Google Patents
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Description
i)MoおよびBを所定量添加することで、高い圧延率での二次圧延を施すこと無く、TS:400MPa超えという高強度を達成できる。
ii)従来の塗装に代えて、フィルムをラミネートする場合、エキスパンド加工後にストレッチャーストレインを発生させないようにするためには、210℃で75秒保持する時効処理後の降伏伸びである時効後Y−Elを2.0%以下とする必要がある。また、缶用鋼板の表面粗さRa(μm)を制御して、(時効後Y−El)/(Ra)を3.0(%/μm)以下とすることで、エキスパンド加工後の外観をより良好とすることができる。
本発明は、このような知見に基づき、さらに検討を重ねてなされたものであり、以下を要旨とする。
まず、本発明の鋼板の成分組成の限定理由について、詳細に説明する。
Cは鋼板の引張強度を確保する上で重要な元素である。所望の引張強度を達成するため、C量は0.05%以上とする必要があり、0.07%以上とすることが好ましい。一方、C量が0.10%を超えると、鋼板が過度に高強度化して加工性が低下する。このため、C量は0.10%以下とする必要があり、0.09%以下とすることが好ましい。したがって、C量は0.05%以上0.10%以下とする。より好ましいC量は0.07%以上0.09%以下である。
Siは0.02%を超えて多量に含有すると、スケール生成量が多くなり、鋼板の外観が低下する。このため、Si量は0.02%以下とする。
Mnは固溶強化により鋼板の引張強度を大きくする上で効果があり、また、時効性の低減にも効果を有する。また、後述するようにエキスパンド加工後に所望の缶高さを得る上ではr値を1.0以下とすることが好ましく、Mnはr値の低減にも効果を有する元素である。これら効果を得るためMn量は0.2%以上とする必要があり、0.4%以上とすることが好ましい。一方、Mn量が1.0%を超えると、鋼板の耐食性が低下する傾向にあり、また、鋼板が過度に高強度化して加工性が低下する。このため、Mn量は1.0%以下とする必要があり、0.6%以下とすることが好ましい。したがって、Mn量は0.2%以上1.0%以上とする。より好ましいMn量は0.4%以上0.6%以下である。
Pは粒界に偏析しやすく、鋼板の脆化をもたらしやすい元素であるが、P量が0.02%以下ではその影響が小さい。したがって、P量は0.02%以下とする必要があり、できるだけ低減することが好ましい。
Sは鋼中で介在物として存在し、鋼板の耐食性を低下させる元素であるが、S量が0.020%以下では、その影響が小さい。したがって、S量は0.020%以下とする必要があり、できるだけ低減することが好ましい。なお、Sは熱間圧延中に赤熱脆性(熱間脆性)を起こす元素であり、Sによる脆性割れの誘発を防止するため、前記したように、Mn/Sを40以上とすることが好ましい。
Alは鋼中の固溶NをAlNとして固定して時効性を低減するのに有効な元素である。この効果を得るため、Al量は0.01%以上とする必要がある。一方、0.10%を超えて多量に含有しても、その効果が飽和し生産コストが上昇するだけであるため、Al量は0.10%以下とする。
Nは時効性を大きくする元素であるが、N量が0.005%以下ではその影響が小さい。したがって、N量は0.005%以下とする必要があり、できるだけ低減することが好ましい。
Moは鋼板の焼入れ性を向上させる元素である。特にBとともに添加することで、鋼板の焼入れ性が顕著に向上し、缶胴をエキスパンド加工する際に必要とされるような時効後の加工性を確保しつつ、所望の引張強度を達成することができる。このような効果を得るため、Mo量は0.01%以上とする必要がある。一方、0.50%を超えて多量に含有しても、その効果が飽和し生産コストが上昇するだけであるため、Mo量は0.50%以下とする。したがって、Mo量は0.01%以上0.50%以下とする。
Bは鋼中の固溶NをBNとして固定して、鋼板の時効性を低減する効果を有する。また、前記したように、Moとともに添加することで、時効後の加工性を確保しつつ、所望の引張強度を達成することができる。これらの効果を得るため、B量は0.0002%以上とする必要があり、好ましくは0.0005%以上とする。一方、0.0050%を超えて多量に含有しても、その効果が飽和し生産コストが上昇するだけであるため、B量は0.0050%以下とする。したがって、B量は0.0002%以上0.0050%以下とする。より好ましくは0.0005%以上0.0050%以下である。
Vは鋼板の焼入れ性を向上させて引張強度を上昇させるのに有効な元素であり、この効果を得るため0.01%以上添加することが好ましい。一方、0.50%を超えて多量に含有しても、その効果が飽和し生産コストが上昇するだけであるため、V量は0.50%以下とすることが好ましい。
TiはVと同様、鋼板の焼入れ性を向上させて引張強度を上昇させるのに有効な元素であり、この効果を得るため0.01%以上添加することが好ましい。一方、0.10%を超えて多量に含有しても、その効果が飽和し生産コストが上昇するだけであるため、Ti量は0.10%以下とすることが好ましい。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.05〜0.10%、Si:0.02%以下、Mn:0.2〜1.0%、P:0.02%以下、S:0.020%以下、Al:0.01〜0.10%、N:0.005%以下、Mo:0.01〜0.50%、B:0.0002〜0.0050%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、引張強度が400MPa超え、210℃で75秒保持して時効させた後の降伏伸びである時効後Y−Elが2.0%以下であることを特徴とする高強度缶用鋼板。
- さらに、表面粗さRaが0.15〜0.50μmであり、前記時効後Y−El(%)とRa(μm)の比である(時効後Y−El)/(Ra)が3.0(%/μm)以下であることを特徴とする請求項1に記載の高強度缶用鋼板。
- さらに質量%で、V:0.01〜0.50%、Ti:0.01〜0.10%のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高強度缶用鋼板。
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