JP5974994B2 - 燃料供給制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料フィルタを備えた燃料供給制御装置に関する。
従来、内燃機関に燃料を供給する方法として、燃料を貯蔵する燃料タンクと、燃料タンクから燃料を汲み上げて内燃機関に送るサプライポンプと、燃料タンクとサプライポンプとの間の経路に設けられて、燃料内の異物を取り除く燃料フィルタとを備えた燃料供給制御装置が知られている。
このような燃料供給制御装置では、燃料タンクから汲み上げた燃料の異物を、燃料フィルタによって取り除き続けることにより、燃料フィルタが目詰まりを起こし、燃料が燃料タンクからサプライポンプに適切に供給され難くなることがある。このため、燃料供給制御装置には、燃料フィルタの目詰まりを検出する目詰まり検出手段が設けられている。目詰まり検出手段は、異物が燃料フィルタに詰まった際に、サプライポンプに吸入する燃料の圧力を計測するなどにより燃料フィルタの目詰まりを検出する。そして、表示機上の警告手段などにより、燃料フィルタが目詰まりしたことをドライバーに伝達し、交換などの対応を促す。
一方で、内燃機関に用いられる化石燃料、特にディーゼルエンジンに用いられる軽油などの燃料は、燃料の温度に応じて粘性が変化することが知られている。このような燃料において、燃料の温度が低い場合には、燃料の粘性が大きくなるといった、所謂、燃料のWAX化現象が生じる可能性がある。この粘性の大きい燃料が燃料フィルタを通過する際には、燃料フィルタから受ける圧力の損失が大きくなる。そして、この燃料フィルタから受ける圧力の損失により、サプライポンプに吸入する燃料の圧力が低下する。このため、燃料供給制御装置の目詰まり検出手段は、燃料フィルタが異物で詰まっていないにも係わらず、かかる圧力の低下を燃料フィルタの目詰まりと判定するといった誤判定を生じる可能性があった。
これに対して、特許文献1に示される燃料供給制御装置の目詰まり検出手段は、所定の期間、燃料の目詰まり検出を禁止する検出禁止期間を予め設定している。そして、一定の周期で値が積算されていくタイマカウンタによって時間経過をカウントし、タイマカウンタの値が検出禁止期間の設定値を超えた場合に、燃料フィルタの目詰まり検出を開始している。これによれば、燃料タンクとサプライポンプとの間において燃料の温度を検出する温度センサを廃止した場合でも、燃料の温度上昇を推定し、燃料のWAX化が解消されていない状態での目詰まり検出を禁止することができる。そして、燃料のWAX化が解消したと推定された後に目詰まり検出を実施することで、目詰まり検出手段が誤判定をすることを防止することができる。
特開2005−273535号公報
ここで、内燃機関に用いられる燃料は、燃料タンク内に貯蔵され、さらに燃料タンクは一般的に内燃機関から離れた位置に設けられているため、燃料タンク内の燃料温度は、外部環境の温度からの影響が大きい。したがって、燃料温度の上昇度合いは、内燃機関や車両の特定の状態量だけでなく外部環境の影響を受ける。
これに対して、特許文献1に記載の燃料供給制御装置によれば、速度やエンジン回転数などの内燃機関や車両の特定の状態量のみによって検出禁止期間を定めるため、燃料温度の上昇度合いを正確に判定できない場合がある。このような場合、目詰まり検出手段は、実際には燃料のWAX化が解消されているにも係わらず、目詰まり検出を開始しない可能性や、未だ燃料のWAX化が解消されていないにも係わらず、目詰まり検出を開始してしまう可能性がある。したがって、目詰まり検出手段は、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができない。
本願発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、信頼性の高い目詰まり検出を実施する燃料供給制御装置を提供することにある。
本発明は、燃料を貯蔵する燃料タンク(100)と、燃料タンクから車両の内燃機関に燃料を供給するサプライポンプ(300)と、燃料タンクとサプライポンプとの間の経路に設けられて燃料をろ過する燃料フィルタ(200)と、燃料フィルタの目詰まりに応じて作動するスイッチ部(210)、及び、このスイッチ部の作動状態から目詰まりを判断する手段(400、S112)を有する目詰まり検出手段(210、400、S112)と、目詰まり検出手段による検出を禁止する検出禁止期間(TL)を設定する期間設定手段(400、S103)と、内燃機関の始動後から前記検出禁止期間を超えるまで時間を測定するカウント手段(400、S108、S109)とを備える燃料供給制御装置(1)であって、車両の外部の環境の温度(At)を検出する環境の温度温検出手段(800)と、燃料タンク内の燃料残量(Fq)を検出する燃料残量検出手段(110)とをさらに備え、期間設定手段は、環境温検出手段により検出された環境の温度と、燃料残量検出手段により検出された燃料残量とに基づいて、検出禁止期間を設定するとともに、前記カウント手段は、前記カウント手段のメモリ(420)に逐次保存される変数であるタイマカウンタ(Tc)に、カウント値(a)を加算することによって前記検出禁止期間を超えるまでの時間を測定しており、前記燃料の温度上昇と相関のある前記内燃機関の所定の状態量が、一定値未満である状態と、一定値以上である状態とにおいて、異なるカウント値をタイマカウンタに加算することを特徴とする。
ところで、内燃機関に用いられる燃料は、燃料タンク(100)に貯蔵されているため、車両の外部環境の温度(At)が低い場合には、環境の温度の影響を受けて燃料タンク内の温度も低下し、燃料タンク内に貯蔵されている燃料の温度も低下する。すなわち、燃料タンク内の燃料温度は、環境の温度から推定することができる。この燃料の温度の低下によって、燃料フィルタ(200)を通過する燃料の温度も低下するため、このような燃料の温度が低い状態から、燃料が内燃機関の燃焼熱量を受けとって温度が上昇するためには、燃料の温度が高い状態と比べて、WAX化が解消される温度に達するまでに長い時間をかける必要がある。すなわち、温度上昇の開始温度が外部環境によって異なるため、環境の温度が低い場合には、内燃機関における燃焼から得られる熱量を、想定している以上に多く燃料に与える必要があり、これにより、環境の温度を考慮せずに検出禁止期間(TL)の設定値を決め、カウント手段(400)によって時間経過をカウントした場合には、WAX化が解消される時間が遅くなる可能性がある。
これに対して、本願発明では、車両の外部環境の温度に基づいて検出禁止期間の設定値を決めるため、燃料のWAX化が解消される温度に上昇するまでに必要な熱量と経過時間を、環境の温度から推定して検出禁止期間の設定値に反映している。故に、燃料の温度上昇を正確に推定し、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
また、燃料は、燃料タンク内の燃料残量(Fq)によって、燃料温度の上昇度合いが異なる。すなわち、燃料タンク内の燃料残量が多い場合には、内燃機関の熱量を受けとる総質量が多くなるため、温度が上昇し難くなる。したがって、燃料タンク内の燃料残量が多い場合には、WAX化が解消される温度に達するまでの時間が長くなる可能性がある。また逆に、燃料タンク内の燃料残量が少ない場合には、WAX化が解消される温度に達するまでの時間が短くなる可能性がある。
これに対して、本願発明では、燃料残量検出手段により検出された燃料残量にも基づいて検出禁止期間の設定値を決めるため、燃料の温度が上昇する際に、燃料の質量に対して必要な熱量を、検出禁止期間の設定値に反映させることができる。故に、燃料の温度上昇を正確に推定し、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
以上により、本願発明によれば、燃料の温度を直接計測しなくとも、燃料の温度上昇を正確に推定することができ、燃料のWAX化が解消されたか否かを正確に判断することができる。故に、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
なお、特許請求の範囲、及び課題を解決するための手段に記載した括弧内の符号は、本発明の一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態における、燃料供給制御装置の全体を示す構成図。 実施形態における、サプライポンプを示す構成図。 実施形態における、目詰まり検出のフローを示すフローチャート。 実施形態における、燃料残量と環境の温度に応じた検出禁止期間を設定する際に用いられる相関マップを示した相関図。 実施形態における、タイマカウンタの値の推移とリターン燃料量とを示すグラフ。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態において対応する構成要素には、同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。また、実施形態の説明において明示している構成の組み合わせだけでなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態、及び変形例の構成同士を部分的に組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1に示されるように、本実施形態の燃料供給制御装置1は、例えば、燃料タンク100、サプライポンプ300、燃料フィルタ200、コモンレール500、インジェクタ600、外気温センサ800、及びECU400などからなる。
燃料タンク100は、内燃機関に供給する燃料を貯蔵している容器である。燃料タンク100は、サプライポンプ300と燃料の流れる経路である管路700によって接続されており、燃料タンク100に貯蔵されている燃料は、サプライポンプ300によって汲み上げられる。また、内燃機関のインジェクタ600、コモンレール500などにおける余剰な燃料である主リターン燃料、及び、サプライポンプ300からのポンプリターン燃料は、リターン燃料として管路700を通じて燃料タンク100に戻される。
また、燃料タンク100には、燃料残量計110が設けられている。燃料残量計110は、燃料タンク100内の燃料に浮いているフロート120と接続されており、燃料の液面高さをフロート120により計測することによって燃料タンク100内の燃料残量を検出する。また、燃料残量計110は、ECU400と電気的に接続されており、検出された燃料残量をECU400に送信する。すなわち、本実施形態において、燃料残量計110が燃料残量検出手段に相当する。
管路700は、低圧管路710、高圧管路720、及びリターン管路730などからなる。低圧管路710は、燃料タンク100とサプライポンプ300との間に設けられた燃料の経路である。また、高圧管路720は、サプライポンプ300とコモンレール500との間に設けられた燃料の経路である。さらに、リターン管路730は、内燃機関及びサプライポンプ300と燃料タンク100との間に設けられた燃料の経路である。リターン管路730は、内燃機関からのリターン燃料を燃料タンク100に戻す経路である主リターン管路731と、サプライポンプ300からのポンプリターン燃料を燃料タンク100に戻す経路であるポンプリターン管路732とを有している。リターン管路730は、これら主リターン管路731及びポンプリターン管路732から、リターン燃料を燃料タンク100に戻している。
燃料フィルタ200は、燃料タンク100とサプライポンプ300との間の低圧管路710に設けられている。燃料フィルタ200は、燃料が通過することにより、かかる燃料をろ過して燃料内に存在する異物を除去する。また、燃料フィルタ200には、燃料流出側にECU400と電気的に接続された目詰まりスイッチ部210が設けられている。
目詰まりスイッチ部210は、所定の圧力値において変形する弾性部材、弾性部材の弾性力によって押されるスイッチ部材、及びスイッチ部材が弾性部材によって押されることにより接触する接触部材などからなる。目詰まりスイッチ部210は、スイッチ部材が接触部材に接触している場合に、ECU400にON信号を送り、接触していない場合にはOFF信号を送る。目詰まりスイッチ部210は、正常時においては、弾性部材がスイッチ部材を押しており、スイッチ部材と接触部材とは接触している。すなわち、目詰まりスイッチ部210は、正常時においてはON信号をECU400に送信している。これに対して、燃料フィルタ200の流出側における燃料の圧力が、燃料フィルタ200の目詰まりなどにより、所定の圧力以下となった際には、スイッチ部材は、接触部材から離れる。
具体的には、サプライポンプ300と燃料フィルタ200との間の圧力が負圧となることにより、弾性部材に押されていたスイッチ部材は、弾性部材が管路700側に引っ張られて接触部材から離れる。これにより、目詰まりスイッチ部210は、ECU400にOFF信号を送信する。すなわち、目詰まりスイッチ部210は、常時ON信号を送信し、目詰まりが起きて圧力が低下した場合にはOFF信号を送信するといったノーマリークローズタイプの構造体である。ECU400は、目詰まりスイッチ部210からOFF信号を受信することにより、燃料フィルタ200の目詰まりを検出する。すなわち、目詰まりスイッチ部210及びECU400が目詰まり検出手段に相当する。
インジェクタ600は、円筒状を呈しており、内燃機関の各気筒に設けられている。インジェクタ600は、コモンレール500と接続されており、燃料がコモンレール500から供給される。また、インジェクタ600は、ECU400と電気的に接続されており、ECU400からの指令信号に応じて各気筒に燃料を噴射する。具体的には、インジェクタ600の内部には、インジェクタ600の気筒側先端に形成された噴射孔を閉じる円柱状のニードルを有しており、ニードルは、ECU400からの指令を受けてインジェクタ600の軸方向に往復作動することにより、噴射孔の開閉を行って気筒内に燃料を噴射している。また、インジェクタ600は、主リターン管路731を介して燃料タンク100と接続されており、コモンレール500から供給されて気筒内に噴射されなかった燃料は、主リターン燃料として、かかる主リターン管路731を通じて燃料タンク100に戻される。
コモンレール500は、内部が中空の円筒状を呈している。コモンレール500は、サプライポンプ300との間の高圧管路720を介してサプライポンプ300と接続されている。コモンレール500は、高圧管路720を通じてサプライポンプ300から供給される燃料を保持し、インジェクタ600に燃料を供給する。また、コモンレール500は、圧力センサ510とプレッシャリミッタ520とを有している。圧力センサ510は、コモンレール500内の燃料の圧力を検出するとともに、検出した圧力をECU400に伝える。プレッシャリミッタ520は、内部に弾性体を備えた弁部が設けられており、主リターン管路731を介して燃料タンク100に接続されている。プレッシャリミッタ520の弁部は、弾性体の弾性力に起因する付勢力によって常時閉じている。一方で、プレッシャリミッタ520の弁部は、コモンレール500内の圧力が弾性体の付勢力以上となった際に、弾性体が変形することにより、開かれる。これにより、コモンレール500と燃料タンク100とが、プレッシャリミッタ520に接続された主リターン管路731を介して接続される。そして、プレッシャリミッタ520は、燃料をコモンレール500から燃料タンク100に排出することにより、コモンレール500内の圧力を低下させてコモンレール500が所定圧以上になるのを防止する。
ECU400は、各種演算を行うCPU410、その演算途中のデータや演算結果、及び予め設計されたプログラムなどを記憶するメモリ420などからなる。ECU400は、インジェクタ600、サプライポンプ300、目詰まりスイッチ部210、圧力センサ510、燃料残量計110、及び外気温センサ800などと電気的に接続されている。ECU400は、圧力センサ510が検出した圧力を受信してCPU410にて演算処理を行うことで、サプライポンプ300が汲み上げて吐出する燃料量の指令値を算出する。また、ECU400は、サプライポンプ300が汲み上げてコモンレール500に吐出する燃料量の指令値をサプライポンプ300に出力することにより、コモンレール500に吐出する燃料量、及びインジェクタ600が気筒内に噴射する噴射燃料の圧力を制御している。さらに、ECU400は、噴射燃料の量の指令値をインジェクタ600に出力することにより、インジェクタ600が実際に噴射する噴射燃料の量を制御している。またさらに、ECU400は、目詰まりスイッチ部210からOFF信号を受信することで、燃料フィルタ200の目詰まりを検出する。加えて、ECU400のメモリ420には、燃料タンク100の燃料残量、燃料のWAX化が解消される時間、及び環境の温度とのそれぞれの相関を予め実験などにより定めた相関マップが記憶されている。ECU400は、燃料残量計110から燃料タンク100の燃料残量Fqを取得し、外気温センサ800から環境の温度Atを取得し、相関マップにかかる燃料残量Fqと環境の温度Atとの二つの情報量を入力することで、燃料フィルタ200の目詰まり検出を禁止する期間である検出禁止期間TLを設定する。すなわち、ECU400が、期間設定手段に相当する。
また、ECU400は、内燃機関が始動した後に、ECU400内のメモリ420に逐次保存される変数であるタイマカウンタTcに、第一カウント値a1や第二カウント値a2などのカウント値aを加算することにより、カウントを実施する。かかるカウントは、予め定められた燃料の温度上昇と相関のある内燃機関の所定の状態量に基づいて進められる。具体的には、内燃機関の所定の状態量が、閾値未満である場合には、内燃機関の状態が第一の状態であるとして、第一カウント値a1をタイマカウンタTcに加算することにより、カウントを実施し、内燃機関の所定の状態量が、閾値以上である場合には、内燃機関の状態が第二の状態であるとして、第一カウント値a1を補正した第二カウント値a2をタイマカウンタTcに加算することにより、カウントを実施する。すなわち、タイマカウンタTcに一定周期で値が積算されていくことで、ECU400は時間経過を計測することができるため、ECU400が、タイマカウント手段に相当する。なお、第二カウント値a2は、第一カウント値a1よりも大きい値が設定される。
車両の外部環境の温度Atを計測する温度センサである外気温センサ800は、室内の温度調整を行うなどの用途のために外部の空気を吸入する吸入口などに設けられている。外気温センサ800は、車両の外部環境の気温を計測し、計測した車両の外部環境の気温を、環境の温度として、外気温センサ800と電気的に接続されたECU400に送信する。すなわち、外気温センサ800が、本実施形態における環境温度検出手段に相当する。
サプライポンプ300は、燃料タンク100から燃料を汲み上げてコモンレール500に吐出することにより、燃料を内燃機関に供給する。図2に示されるように、サプライポンプ300は、フィードポンプ310、燃料調量弁320、及び高圧ポンプ330などからなる。低圧ポンプであるフィードポンプ310は、例えばトリコロイド式のポンプを採用することができ、アウターローラ311とインナーローラ311とによって形成されるスペースが、各ロータの回転に応じて変化することにより、燃料タンク100から燃料を汲み上げるとともに、汲み上げた燃料を高圧ポンプ330に送る。燃料調量弁320は、フィードポンプ310と高圧ポンプ330との間の経路に設けられている。燃料調量弁320は、ECU400と接続された電子弁であり、ECU400からの指令を受けることにより、高圧ポンプ330に送る燃料の量を調量している。そして、高圧ポンプ330にて圧縮される燃料の量が燃料調量弁320により調量されることで、高圧ポンプ330からコモンレール500に送られる燃料の圧力を制御することができる。高圧ポンプ330は、燃料が圧縮されるポンプ室331と、ポンプ室331の吐出側に設けられる逆止弁332と、内部に偏芯カム軸335が回転する空間を有したカムリング333と、カムリング333から動力を得て往復作動するプランジャ334とを有している。ポンプ室331に送られた燃料は、ポンプ室331内の空間がプランジャ334の往復作動により圧縮されることにより、高圧に加圧される。そして、高圧に加圧された燃料は、逆止弁332を介してコモンレール500に吐出される。逆止弁332は、コモンレール500に吐出される燃料が、高圧ポンプ330に逆流しないように設けられた機械式の弁部材である。
一方、フィードポンプ310から送られた燃料のうち、一部の燃料は、高圧ポンプ330の潤滑油としてプランジャ334及びカムリング333に送られる。そして、潤滑油として送られた燃料は、高圧ポンプ330のプランジャ334などを潤滑し、ポンプリターン管路732を介して燃料タンク100に戻される。
次に、図3に示すフローチャートを用いて、ECUが目詰まり検出を開始するまでのフローについて説明する。本フローは、内燃機関が始動した後、かつ暖機完了フラグHFがOFFとなっている場合に開始される。なお、暖機完了フラグHFは、エンジンの停止に伴ってOFFに設定される。
まず、ステップS101において、外気温センサ800から環境の温度Atを取得する。次に、ステップS102において、燃料残量計110から燃料タンク100の燃料残量Fqを取得する。ともに取得が完了すると、ステップS103に進む。
ステップS103では、ステップS101で取得した環境の温度Atと、ステップS102で取得した燃料残量Fqとに基づいて、目詰まり検出を禁止する検出禁止期間TLを設定する。具体的には、ECU400のメモリ420内に保存された相関マップを読み出し、環境の温度Atと燃料残量Fqをかかる相関マップに入力する。相関マップは、予め実験等により、環境の温度Atと燃料残量Fqとに応じて、燃料の温度が所定の温度に達するまでの時間が求められており、かかる時間が検出禁止期間TLとして定められている。なお、かかる相関マップには、リターン燃料量Fxが閾値Lth未満である第一の状態における、環境の温度Atと燃料残量Fqとに基づいた時間が定められており、かかる時間は燃料フィルタ200における燃料のWAX化が解消される時間を必ず含むように設定されている。このような相関マップに、環境の温度Atと燃料残量Fqとを入力することによって、一義的に検出禁止期間TLが算出される。検出禁止期間TLが算出された後に、ステップS104に進む。
ステップS104では、ECU400のメモリ420に保存されているカウント値aを読み出す。ここで、カウント値aには、第一カウント値a1と第二カウント値a2とが用いられる。第二カウント値a2は、リターン燃料量Lxが閾値Lth以上である第二の状態である場合に、タイマカウンタTcに加算されるものである。一方、第一カウント値a1は、リターン燃料量Lxが閾値Lth未満である第一の状態である場合に、タイマカウンタTcに加算されるものである。そして、第二カウント値a2は、第一カウント値a1よりも大きい値が設定されている。また、第二カウント値a2は、内燃機関から燃料タンク100に戻されるリターン燃料量Lxに応じて燃料の温度の上昇度合いを求め、かかるリターン燃料量Lxを内燃機関の所定の状態量として閾値Lthを設定して、その閾値Lthを越えた場合を第二の状態とすることで、第二の状態の温度の上昇速度を、検出禁止期間TL中のタイマカウンタTcのカウント速度に反映している。
リターン燃料は、内燃機関から燃焼による熱量を受けて温度が上昇しており、かかるリターン燃料が燃料タンク100に戻されることによって、燃料タンク100内の燃料の温度が上昇することになる。したがって、リターン燃料量Lxと、燃料タンク100内の燃料の温度上昇には相関がある。さらに、本実施形態のリターン燃料量Lxは、コモンレール500とインジェクタ600からの主リターン燃料の燃料量の他に、高圧ポンプ330からのポンプリターン燃料の燃料量も含まれている。高圧ポンプ330からのリターン燃料は、ポンプ室331にて高圧に圧縮されることにより温度の上昇した燃料が、プランジャ334の隙間を介して流入しており、燃料の温度は上昇している。したがって、かかる高圧ポンプ330からポンプリターン燃料もまた、燃料タンク100内の燃料温度の上昇に寄与している。このような燃料の温度上昇に相関のあるリターン燃料量Lxを、内燃機関の所定の状態量とすることで、燃料温度の上昇度合いをタイマカウンタTcのカウント速度に反映することができる。
次に、ステップS104にてカウント値aを読み出した後、ステップS105にて、ECU400のメモリ420内に記憶されているタイマカウンタTcの値をクリアする。これにより、検出禁止期間TL中のカウントを開始する際のタイマカウンタTcの値が初期化される。
ステップS105の後、ステップS106にてリターン燃料量Lxを取得する。リターン燃料量Lxは、サプライポンプ300が燃料を汲み上げた量から、インジェクタ600が燃料噴射にて使用した燃料噴射量を減算することにより、算出することができる。また、リターン管路730に直接燃料を検出するセンサを取り付けることにより、リターン燃料量Lxを検出してもよい。
そして、ステップS107では、ステップS106にて取得したリターン燃料量Lxが、予め定められた閾値Lth以上か否かを判断する。リターン燃料量Lxが閾値Lth以上である場合、ステップS108に進み、タイマカウンタTcに、ステップS104にて読み出した第二カウント値a2を加算する。一方、ステップS107において、リターン燃料量Lxが、閾値Lth未満である場合、ステップS109に進む。ステップS109では、タイマカウンタTcに第一カウント値a1を加算する。
ステップS108において、タイマカウンタTcに第二カウント値a2が加算された後、または、ステップS109において、タイマカウンタTcに、第一カウント値a1が加算された後には、ステップS110に進む。ステップS110では、タイマカウンタTcが、ステップS103にて算出した検出禁止期間TL以上か否かを判断する。タイマカウンタTcが、検出禁止期間TL未満である場合、燃料の温度が、WAX化が解消される温度にまで達していないと判断して、ステップS106に戻り、タイマカウンタTcに何れかのカウント値aを加算する処理を再実施する。一方で、タイマカウンタTcが、検出禁止期間TL以上である場合、ステップS111に進む。
ステップS111では、燃料の温度が、WAX化が解消される温度まで上昇したと推定し、暖機完了フラグHFをONする。そして、ステップS112に進む。
ステップS112では、燃料フィルタ200に設けられた目詰まりスイッチ部210により、当該燃料フィルタ200の目詰まり検出を実施する。ここで、燃料フィルタ200の燃料流出側に設けられた目詰まりスイッチ部210は、燃料フィルタ200に目詰まりが生じると、サプライポンプ300と燃料フィルタ200との間において圧力が低下することにより作動し、ECU400にOFF信号を送信する。そして、ECU400の受信したOFF信号が、一定時間継続することにより、仮判定スイッチをONにする。さらに、仮判定スイッチのON信号が一定時間継続、もしくは規定回数検出されることにより、燃料フィルタ200が目詰まりしていると判定する。
なお、ステップS106、S107、S108、S110までのフローと、S106、S107、S109、S110までの周期は、同一周期にて行われている。
以上のフローにより、目詰まり検出を禁止する検出禁止期間TLの設定と、図5に示すような検出禁止期間TLを超えるまでの時間のカウントが実施される。図5に示されるように、リターン燃料量Lxが閾値Lth未満である場合にも、タイマカウンタTcには、第一カウント値a1が加算されることで、タイマカウンタTcの値は上昇する。そして、リターン燃料量Lxが、閾値Lth以上である場合には、第一カウント値a1よりも大きい値である第二カウント値a2によってタイマカウンタTcの値は上昇することになる。すなわち、第一の状態の第一カウント値a1よりも、第二の状態の第二カウント値a2のほうが大きいために、第二の状態における検出禁止期間TLを経過するカウントスピードは、第一の状態におけるカウントスピードよりも大きくなる。
次に、ステップS103において説明した相関マップについて図4を用いて詳述する。ECU400のメモリ420に記憶された相関マップは、横軸に検出禁止期間TLの設定値、縦軸に参照する直線を判断する際の環境の温度Atを設けた二次元グラフを用いている。図4において、A線は、使用されている燃料特性において、燃料のWAX化が解消される温度を示す線である。なお、燃料のWAX化が解消される温度は、燃料組成に関する規格によって定められており、例えば、欧米規格のCFPP(Cold Filter Pligging Point)などにより定められる値や、実験により実際に燃料のWAX化が解消された温度を求め、かかる温度の値を用いることができる。また、相関マップには、燃料タンク100の燃料残量Fqに応じて検出禁止期間TLが設定されており、環境の温度Atが同じであっても、燃料タンク100の燃料残量Fqに応じて、異なる検出禁止期間TLが設定される。
検出禁止期間TLの設定の一例について図4を用いて説明する。例えば、外気温センサ800からECU400に送信された環境の温度Atの値が−10℃である場合、ECU400は、相関マップのFq1からFq4の直線を参照すると判断する。図4において、Fq1からFq4はそれぞれ、Fq1は燃料残量Fqが燃料残量Fqの最大量に対して1/4の量である場合、Fq2は燃料残量Fqが燃料残量Fqの最大量に対して1/2の量である場合、Fq3は燃料残量Fqが最大量に対して3/4の量である場合、Fq4は燃料残量Fqが最大である場合を示している。ここで、燃料残量計110より検出した燃料残量Fqが1/4である場合、ECU400は、Fq1の直線を参照する。次に、ECU400は、Fq1の直線が、予め定められたWAX化の解消される温度を示す直線(A線)との交点の値であるTL1を参照する。そして、ECU400は、検出禁止期間TLに、TL1の値を設定する。また、例えば燃料残量Fqが同じ1/4である場合に、環境の温度Atが−20℃である場合には、Fq11の直線とA線との交点の値であるTL11を参照し、前述したTL1の値よりも長い検出禁止期間TLが設定される。このように、検出禁止期間TLは、燃料残量Fqが多いほど長く設定され、環境の温度Atが低くなるほど長く設定される。なお、WAX化が解消される温度を示す直線(A線)は、車両が使用される環境において用いられる燃料を予め予測して設定されており、必ずしも0℃で設定されるわけではない。
以上、説明した本実施形態による効果について説明する。本実施形態の燃料供給制御装置1は、車両の外部の環境の温度Atを検出する外気温センサ800と、燃料タンク100内の燃料残量Fqを検出する燃料残量計110と備え、かかる外気温センサ800により検出された環境の温度Atと、燃料残量計110により検出された燃料残量Fqとに基づいて、検出禁止期間TLを設定する。そして、設定された検出禁止期間TL中においては、目詰まり検出を実施しない。本実施形態では、燃料タンク100内の燃料残量Fqに基づいて検出禁止期間TLを設定することで、燃料残量Fqによって異なる燃料の温度の上昇度合いを検出禁止期間TLに反映させることができ、さらに、環境の温度Atに基づいて検出禁止期間TLを設定しているため、燃料に与える必要な熱量の過不足に応じてWAX化が解消される時間が変化することを、検出禁止期間TLに反映させることができる。したがって、本実施形態の燃料供給制御装置1は、環境の温度Atと燃料残量Fqを考慮して正確な検出禁止期間TLを設定することができるため、燃料のWAX化が解消されていることを正確に推定することができる。そして、検出禁止期間TLの後に実施する目詰まり検出において、誤判定を防止することができる。故に、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
また、本実施形態では、ECU400は、燃料残量Fqと環境の温度Atに対して燃料の温度が所定の温度に達するまでの時間を相関マップとして記憶しており、ECU400は、相関マップの時間を検出禁止期間TLとして設定しており、かかる時間は、燃料フィルタ200における燃料のWAX化が解消される長さの時間として定められている。相関マップがECU400に記憶されていることにより、検出した環境の温度Atと燃料残量Fqとに対して複雑な算出をすることなく検出禁止期間TLを求めることができる。また、相関マップに、燃料フィルタ200における燃料のWAX化が解消される時間が定められていることにより、検出禁止期間TLの設定の後に内燃機関の燃焼によって燃料がどれだけの熱量を受けたかに係わらず、検出禁止期間TL後には必ず燃料のWAX化が解消するような検出禁止期間TLを設定することができる。すなわち、検出禁止期間TL中の時間経過のカウント方法によらず、必ず検出禁止期間TL後には必ず燃料のWAX化が解消する。これによれば、検出禁止期間TLの経過後に、燃料のWAX化が解消されていない事態を回避することができる。故に、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
さらに、本実施形態では、ECU400は、ECU400のメモリ420に逐次保存される変数であるタイマカウンタTcにカウント値aを加算することによって検出禁止期間TLを超えるまでの時間を測定しており、燃料の温度上昇と相関のある内燃機関の所定の状態量が、閾値Lth未満である第一の状態と、閾値Lth以上である第二の状態とにおいて、異なるカウント値aをタイマカウンタTcに加算している。第一の状態では、第一カウント値a1を用いてカウントを実施し、内燃機関の所定の状態量が閾値Lthを超えるといった燃料の温度上昇が大きい状態である第二の状態では、第二カウント値a2を用いてカウントを実施するという異なるカウント値aを加算することにより、検出禁止期間TL中のカウント速度を変更してカウントを実施することができる。したがって、燃料の温度上昇の度合いをタイマカウンタTcに反映したカウントの実施を行うことができ、検出禁止期間TL中も燃料の温度上昇に即したカウントを実施することができる。故に、正確に燃料のWAX化が解消されることを推定し、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
またさらに、本実施形態では、内燃機関の所定の状態量として、内燃機関、及びサプライポンプ300から燃料タンク100に戻される燃料の量であるリターン燃料量Lxを用いている。リターン燃料は、内燃機関から燃焼による熱量を受けて温度が上昇しており、かかるリターン燃料が燃料タンク100に戻されることによって、燃料タンク100内の燃料の温度が上昇する。また、サプライポンプ300から燃料タンク100に戻される燃料は、ポンプ室331にて高圧に圧縮されることにより温度の上昇した燃料が、プランジャ334の隙間を介して流入しているため、燃料タンク100内の燃料の温度は上昇する。すなわち、燃料タンク100内の燃料温度の上昇度合いは、燃料タンク100に戻されるリターン燃料量Lxと相関がある。したがって、本実施形態では、かかる燃料温度の上昇度合いと相関のあるリターン燃料量Lxを内燃機関の所定の状態量とし、かかるリターン燃料量Lxが所定の閾値Lthを超えているか否かによって、カウント手段において加算するカウント値aを変更することで、燃料温度の上昇度合いを推定し、正確に燃料のWAX化が解消されることを推定することができる。故に、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
加えて、本実施形態では、環境の温度Atを検出する外気温センサ800は、車両の外部から内部に流入する空気の温度を計測する温度センサを用いている。外気温センサ800で取得する環境の温度Atは、検出禁止期間TLを設定する際の燃料温度を推定するために使用されるため、外気温センサ800は、車両外部の環境の温度Atが風などにより時間的に変動する箇所などに設けられたものであっても構わない。これによれば、車両に一般的に設けられている室内温度調整のために使用する温度センサによって検出した環境の温度Atを流用することで、容易な構成で燃料供給制御装置1を構成することができる。
さらに加えて、本実施形態では、検出禁止期間TLは、燃料特性に基づいて設定されている。これによれば、燃料が使用される環境によって用いられる燃料が異なり、それに応じて検出禁止期間TLが異なることを、予め実験等により求めて検出禁止期間TLに反映することができる。故に、さらに正確な検出禁止期間TLを設定することができ、信頼性の高い目詰まり検出を実施することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することができる。
例えば、変形例1としては、内燃機関の所定の状態量として、リターン燃料量Lxを用いているが、エンジン回転数、アクセル開度、燃料噴射圧力など、燃料の温度上昇に相関がある状態量を用いても良い。
また、変形例2としては、目詰まり検出手段として、燃料フィルタ200の流出側における燃料の圧力が、燃料フィルタ200の目詰まりなどにより、所定の圧力以下となった際に目詰まり検出を行うものに代わり、燃料フィルタ200の燃料流入側と流出側に、それぞれ燃料流入側と流出側の圧力を検出する検出手段を設け、その差圧が所定値以下になった場合に燃料フィルタ200の目詰まりを検出するようにしてもよい。
さらに、変形例3としては、環境温度検出手段として、車両の外部から内部に流入する空気の温度を計測する温度センサである外気温センサに代わり、例えば車両の進行方向前方のフロントバンパの裏側などに設けられて、車両走行時に生じる風などの影響を受けて温度が変化することがない位置に設けられた外気温センサであってもよい。
1 燃料供給制御装置、100 燃料タンク、110 燃料残量計、200 燃料フィルタ、210 目詰まりスイッチ部、300 サプライポンプ、310 フィードポンプ、320 燃料調量弁、330 高圧ポンプ、400 ECU、420 メモリ、500 コモンレール、510 圧力センサ、600 インジェクタ、700 管路、800 外気温センサ、TL 検出禁止期間、Lth 閾値、Tc タイマカウンタ、a カウント値、a1 第一カウント値、a2 第二カウント値、Lx リターン燃料量、At 環境の温度、Fq 燃料残量。

Claims (5)

  1. 燃料を貯蔵する燃料タンク(100)と、
    前記燃料タンクから車両の内燃機関に燃料を供給するサプライポンプ(300)と、
    前記燃料タンクと前記サプライポンプとの間の経路に設けられて燃料をろ過する燃料フィルタ(200)と、
    前記燃料フィルタの目詰まりに応じて作動するスイッチ部(210)、及び、このスイッチ部の作動状態から前記目詰まりを判断する手段(400、S112)を有する目詰まり検出手段(210、400、S112)と、
    前記目詰まり検出手段による検出を禁止する検出禁止期間(TL)を設定する期間設定手段(400、S103)と、
    前記内燃機関の始動後から前記検出禁止期間を超えるまで時間を測定するカウント手段(400、S108、S109)とを備える燃料供給制御装置(1)であって、
    前記車両外部の環境の温度(At)を検出する環境温度検出手段(800)と、
    前記燃料タンク内の燃料残量(Fq)を検出する燃料残量検出手段(110)とをさらに備え、
    前記期間設定手段は、前記環境温度検出手段により検出された前記環境の温度と前記燃料残量検出手段により検出された前記燃料残量とに基づいて、前記検出禁止期間を設定するとともに、
    前記カウント手段は、
    前記カウント手段のメモリ(420)に逐次保存される変数であるタイマカウンタ(Tc)に、カウント値(a)を加算することによって前記検出禁止期間を超えるまでの時間を測定しており、
    前記燃料の温度上昇と相関のある前記内燃機関の所定の状態量が、一定値未満である状態と、一定値以上である状態とにおいて、異なるカウント値をタイマカウンタに加算することを特徴とする燃料供給制御装置。
  2. 前記期間設定手段は、前記燃料残量と前記環境の温度とに対して、燃料の温度が所定の温度に達するまでの時間を相関マップとして記憶しており、
    前記期間設定手段は、前記相関マップの前記時間を前記検出禁止期間として設定しており、
    前記時間は、前記燃料フィルタにおける燃料のWAX化が解消される長さの時間であることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給制御装置。
  3. 前記燃料の温度上昇と相関のある前記内燃機関の所定の状態量は、前記内燃機関、及び前記サプライポンプから前記燃料タンクに戻される燃料の量(Lx)であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給制御装置。
  4. 前記環境温度検出手段は、
    前記車両の外部から内部に流入する空気の温度を計測する温度センサであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の燃料供給制御装置。
  5. 前記検出禁止期間は、
    前記燃料残量が多いほど長く設定され、かつ前記環境の温度が低いほど長く設定されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の燃料供給制御装置。
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