JP3306687B2 - 電子式燃料噴射装置の噴射時期調整装置 - Google Patents

電子式燃料噴射装置の噴射時期調整装置

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JP3306687B2
JP3306687B2 JP34076993A JP34076993A JP3306687B2 JP 3306687 B2 JP3306687 B2 JP 3306687B2 JP 34076993 A JP34076993 A JP 34076993A JP 34076993 A JP34076993 A JP 34076993A JP 3306687 B2 JP3306687 B2 JP 3306687B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃料噴射ポンプの噴
射開始時期を制御する電子制御式燃料噴射装置の噴射時
期調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、分配型燃料噴射ポンプの噴射時
期を調節するタイマは、プランジャの往復動をつかさど
るカムディスクと、ローラホルダに支持されたローラと
の相対的な当接位置を変更するもので、ローラホルダに
タイマピストンを連結し、最近のものでは、このタイマ
ピストンの位置を、タイミングコントロールバルブ(T
CV)で調整される高圧室の油圧と、低圧室に収納され
たスプリングのバネ力との釣り合いで決定するようにし
ている。そして、タイマピストンの位置は、例えば、タ
イマピストンに接続されたロッドの先端をソレノイド内
に挿入して成るタイマポジションセンサにより検出され
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低温時
においては、燃料の粘度が大きくなって所謂燃料のワッ
クス化現象をおこしてしまい、TCVを全開状態にして
高圧室と低圧室を連通させても、高圧室内の燃料を低圧
室に逃がすことができなくなり、噴射時期がリタードで
きなくなってしまう場合がある。
【0004】この際、現状のシステムにおいては、目標
噴射時期と実噴射時期に差があることを認識し、この差
が所定範囲を越えた場合に噴射時期制御のエラーとし、
以後の制御をオープンループ制御に切り換えるようにし
ていた。オープンループ制御としては、TCVの開度を
所定開度に固定したり、エンジン回転数に応じてTCV
の開度をデューティー比制御する等の方法が考えられる
が、このようなオープンループ制御によれば、ワックス
化以外の致命的な要因で噴射時期制御をエラーと判定し
たのか、実際にワックス化によってエラーと判定されて
しまったのか区別できないものであり、どちらの場合も
単純に噴射時期エラーとして処理したのでは、ワックス
化が解消した後にフィードバック制御に戻すことができ
ず、制御不能の状態が持続してしまう。
【0005】そこで、この発明においては、燃料のワッ
クス化が発生した場合に、他の要因による噴射時期制御
エラーと区別した制御をおこない、積極的にワックス化
の解消を図り、ワックス化による制御不能時間の短縮を
図ることができる電子式燃料噴射装置の噴射時期調整装
置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明の要
旨とするところは、噴射ポンプ内の燃料をタイマピスト
ンに作用させ、タイマピストンに付勢する燃料圧をタイ
ミングコントロールバルブで調節して燃料噴射開始時期
を調節するタイマ装置と、前記タイマピストンの実位置
に対応する信号を検出する信号検出手段と、タイマピス
トンの目標位置に対応する目標信号を機関の運転条件か
ら設定する目標信号設定手段と、前記タイマピストンの
実位置に対応する信号を前記目標信号に近づけるよう前
記タイミングコントロールバルブを制御するフィードバ
ック制御手段と、タイマ制御系に異常が発生したことを
判定する異常判定手段と、前記異常判定手段によって異
常が発生したと判定された場合に、前記タイミングコン
トロールバルブをオープンループ制御するオープンルー
プ制御手段とを備えた電子式燃料噴射装置の噴射時期調
整装置において、低温時であることを実質的に判定する
低温判定手段と、前記低温判定手段により低温時である
と判定された場合に、前記異常判定手段による異常との
判定を中止して前記オープンループ制御への移行を回避
する制御手段とを設けたことにある。
【0007】ここで、低温時であることの判定は、エン
ジン水温が所定温度以下であることを検出することによ
って、あるいは、燃料温度が所定温度以下であることを
検出することによって、あるいは、吸気温度が所定温度
以下であることを検出すること等によって実質的に行っ
てもよい。
【0008】
【作用】したがって、低温時には、噴射ポンプ内の燃料
粘度が大きくなって燃料がワックス化し、噴射時期の制
御が不能になるが、この場合には、異常とは見なさず、
タイミングコントロールバルブのオープンループ制御へ
の移行が回避されてフィードバック制御が維持されるこ
ととなる。よって、低温時においては、フィードバック
制御の通電によって生じる発熱を利用して燃料の温度上
昇を促進することができるので、燃料のワックス化を早
期に解消でき、そのため、上記課題を達成できるもので
ある。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0010】図1において、燃料噴射ポンプ1は分配型
で、エレクトリックガバナと称するアクチュエータ2を
取り付けたハウジング3を有し、このハウジング3の中
心には駆動軸4が挿入されている。この駆動軸4の一端
はハウジング3の外部に突出し、図示しないエンジンか
らの駆動トルクを受けるようになっている。駆動軸4の
他端は、ハウジング3内のチャンバー5に延びており、
その駆動軸4には、フィードポンプ6が連結され、この
フィードポンプ6により図示しない燃料タンクからの燃
料をチャンバー5へ供給するようになっている。
【0011】プランジャ7は、プランジャバレル8に摺
動自在に装着されている。このプランジャ7の基部は、
カムディスク9に当接係合し、プランジャスプリング1
0により押し付けられている。カムディスク9は、カッ
プリング11を介して駆動軸4に軸方向への移動を許す
ように係合されていると共に、ローラホルダ12に支持
されたローラ13に当接しており、このカムディスク9
の回転により、プランジャ7に対して、燃料の吸入圧送
のための往復動と、燃料を分配するための回転動とを同
時に与えるようになっている。
【0012】プランジャ7が図において左行する吸入工
程時には、送油ポンプからチャンバー5内に供給される
燃料が、吸入ポート14からプランジャ7の先端軸方向
に形成された吸入グルーブ15の一つを介してプランジ
ャバレル8とプランジャ7とで囲まれたポンプ室16に
供給され、プランジャ7が図において右行する圧送工程
時には、吸入ポート14と吸入グルーブ15とが切り離
され、ポンプ室16内で圧縮された燃料がプランジャ7
の縦孔17を経て分配ポートから分配通路18の1つに
入り、送出弁19を介して図示しない噴射ノズルへ送ら
れ、エンジンの気筒内へ噴射するようになっている。
【0013】また、プランジャ7のプランジャバレル8
から突出する部分には、コントロールスリーブ20が摺
動自在に外嵌され、プランジャ7の縦孔17と連通する
カットオフポート21がコントロールスリーブ20の上
縁から外れてチャンバー5に開口すると、圧縮された燃
料がチャンバー5に流出するので、噴射ノズルへの送出
は停止され、噴射が終了する。このため、コントロール
スリーブ20の位置調整によって噴射終わり、即ち噴射
量を調節でき、コントロールスリーブ20を図中左方へ
移動するほど噴射量を減少させ、右方へ移動するほど噴
射量を増加させることができる。
【0014】コントロールスリーブ20には、アクチュ
エータ2のロータ22に取り付けられたシャフト23の
先端が係合されている。このシャフト23の先端は、シ
ャフト23の軸心に対して偏心しており、したがって、
アクチュエータ2は、コントロールスリーブ20の位置
をロータの回動によって調節できるようになっている。
【0015】タイマ装置25は、図2にも示されるよう
に、前述したローラホルダ12の下方に設けられたシリ
ンダ26に摺動自在に収納されたタイマピストン27を
有し、このタイマピストン27をレバー28を介してロ
ーラホルダ12に連結し、タイマピストン27によりロ
ーラホルダ12を回動させて噴射時期を調節するように
なっている。
【0016】タイマピストン27の一端には、チャンバ
内の高圧燃料が絞り通路42を介して導入される高圧室
29aが、また他端には、フィードポンプの吸入経路と
連通している低圧室29bが形成されている。さらに、
低圧室29bには、タイマスプリング30が弾装され、
このタイマスプリング30によりタイマピストン27が
常時高圧室側に付勢されている。したがって、タイマピ
ストン27は、タイマスプリング30のスプリング圧と
高圧室内の油圧とが釣り合った位置で停止し、高圧室圧
が高くなると、タイマピストン27がタイマスプリング
30に抗して低圧室側に移動し、ローラホルダ12が噴
射時期を進角する方向に回動され、噴射時期が早くな
る。また、高圧室圧が低くなると、タイマピストン27
が高圧室側に移動し、ローラホルダ12が噴射時期を遅
角する方向に回動され、噴射時期が遅くなる。
【0017】ここで、タイマ装置25の高圧室29aの
圧力は、要求されるタイマ進角が得られるようタイミン
グコントロールバルブ(TCV)31で調節される。こ
のタイミングコントロールバルブ31は、高圧室29a
に通じる燃料入口32を側面部に、また低圧室29bに
通じる燃料出口33を先端部にそれぞれ有し、内部に
は、燃料入口32と燃料出口33との連通路を開閉する
ニードル34が収納されている。このニードル34は、
燃料入口32と燃料出口33との連通を遮断する方向に
スプリング35で常時付勢されており、ソレノイド36
への通電によって、スプリング35に抗して引き寄せら
れ、燃料入口32と燃料出口33とが連通するようにな
っている。
【0018】しかして、ソレノイド36に電流が流れて
いないときには、高圧室29aと低圧室29bは完全に
遮断されるが、電流が流れているときには、高圧室29
aと低圧室29bがつながり、高圧室29aの圧力が低
下する。この高圧室29aの圧力低下に伴い、タイマピ
ストン27は、タイマスプリング30のばね力とバラン
スする位置まで移動し、噴射時期が変化する。
【0019】尚、実際には、高圧室29aの圧力は、タ
イミングコントロールバルブのデューティ比制御で調節
されるようになっている。このデューティ比は、コント
ロールユニット41(図1に示す)によって制御されて
おり、デューティ比0%でタイミングコントロールバル
ブ31は全開状態であり、噴射時期は最も遅角する。ま
た、デューティ比100%でタイミングコントロールバ
ルブ31は全閉状態であり、噴射時期は最も進角する。
【0020】また、ハウジングには、タイマピストンの
位置を検出するタイマポジションセンサ37が設けられ
ている。このタイマポジションセンサ37は、例えば低
圧室側に設けられており、センサ本体38に設けられた
検出コイル39とタイマピストン27に取り付けられた
ロッド40とにより構成されており、このタイマポジシ
ョンセンサ37からの出力信号TPSISTは、コント
ロールユニット41に送られて処理される。
【0021】コントロールユニット41は、前記アクチ
ュエータ2やタイミングコントロールバルブ31を駆動
する駆動回路、この駆動回路を制御するマイクロコンピ
ュータ、このマイクロコンピュータに信号を入力する入
力回路等を有して構成され、ここでマイクロコンピュー
タは、中央演算処理(CPU)、RAM、ROM、A/
D変換器等を備えている。コントロールユニット41の
入力回路には、前記タイマポジションセンサ37からの
信号TPSISTの他に、エンジン回転数N、アクセル
ペダルの踏込み量を示すアクセル位置信号ACCEL、
エンジン冷却水の温度を示す水温信号TW等が入力さ
れ、これらの信号を処理し、前記アクチュエータ2やタ
イミングコントロールバルブ31を所定のプログラムに
従って駆動制御するようになっている。
【0022】図3において、コントロールユニット41
によるタイマ装置制御例がブロックダイアグラムとして
示され、これを簡単に説明すると、エンジン回転数Nと
アクセル位置ACCELとに基づいて予め決定された最
適噴射時期のマップデータ(ロードタイマ特性)から運
転条件に応じた最適噴射時期(IT_LD)を算出し、
この最適噴射時期に相当するタイマピストン位置を演算
する(ブロック50)。そして、始動時(スタートモー
ド)であれば、エンジン回転数Nと水温TWとの関係に
おいて予めマップ化された噴射時期補正量(IT_TW
S)のデータから運転条件に応じた始動時の噴射時期補
正量を求め、この噴射時期補正量に相当するタイマピス
トン位置の補正量を演算する(ブロック52)。また、
通常走行時であれば、エンジン回転数Nと水温TWとの
関係において予めマップ化された噴射時期補正量(IT
_TW)のデータから運転条件に応じた走行時の噴射時
期補正量を求め、この補正量に相当するタイマピストン
位置の補正量を演算する(ブロック54)。これによ
り、ブロック50で算出されたタイマピストン位置にブ
ロック52又はブロック54の補正を加えて目標噴射時
期を得るタイマピストン位置(TPSSOL:目標タイ
マピストン位置)を算出する。しかる後に、この目標タ
イマピストン位置(TPSSOL)と実測したタイマピ
ストン位置(TPSIST:実タイマピストン位置)と
の差を求め、この差を所定の範囲内にPID制御する調
節量(TPSCLOSE)を演算し(ブロック56)、
この調節量に応じた駆動パルスをTCVに出力する(ブ
ロック58)。
【0023】このような正常時の制御に対し、何らかの
異常が生じた場合には、エンジン回転数Nとアクセル位
置ACCELとに基づいて所定のマップデータ(オープ
ンループ特性)から運転条件に応じた噴射時期(D_L
D)を算出し、この噴射時期に相当するタイマピストン
位置を演算する(ブロック60)。始動時(スタートモ
ード)であれば、エンジン回転数Nと水温TWとの関係
において予めマップ化された噴射時期の水温補正量(D
_TWS)のデータから運転条件に応じた始動時の噴射
時期補正量を求めて、これに相当するタイマピストン位
置の補正量を演算し(ブロック62)、また通常走行時
であれば、エンジン回転数Nと水温TWとの関係におい
て予めマップ化された噴射時期補正量(D_TW)のデ
ータから運転条件に応じた走行時の補正量を求めて、こ
れに相当するタイマピストン位置の補正量を求める(ブ
ロック64)。そして、ブロック60で算出されたタイ
マピストン位置にブロック62又はブロック64の補正
を加えてオープンループによるタイマピストン位置の制
御量(TPSOPEN)を演算する。そして、この制御
量に応じた駆動パルスをTCVに出力する(ブロック5
8)。
【0024】図4において、より具体的な制御例がフロ
ーチャートとして示されており、以下これについて説明
すると、コントロールユニット41は、イグニッション
の投入に伴ってイニシャライズされ、噴射ポンプ1の各
センサからのアナログ信号、例えば、タイマポジション
センサ37の出力信号(TPSIST)や、エンジン回
転数(N)、アクセル位置信号(ACCEL)、水温信
号(TW)等を順次A/D変換器によってデジタル信号
に変換し、コントロールユニット41に入力する(ステ
ップ72)。
【0025】次に、ステップ74において、下記するモ
ード設定処理を実行し、更にステップ76において、目
標噴射時期の演算処理を実行する。
【0026】モード設定処理は、図5に示されるよう
に、ステップ200において、スタートモードであるこ
とを示すためのフラグ(_ST_MODE)がセットさ
れているか否かを判定し、_ST_MODEがリセット
されていれば、ステップ202において、エンジン回転
数Nが零であるか否かを、また、ステップ204におい
て、エンジンのスタートスイッチをONしたことを示す
フラグ(_ST)がセットされているか否かを判定す
る。このフラグ(_ST)は、スタートスイッチを操作
している時にセットされ、操作する前または操作した後
にリセットされるようになっている。フラグ(_ST_
MODE)がリセットされている状態でエンジンが停止
しており、スタートスイッチをONした場合には、スタ
ートモードの制御処理を必要とするので、ステップ20
6において、フラグ(_ST_MODE)をセットす
る。また、フラグ(_ST_MODE)がリセットされ
ている状態で、すでにエンジンが始動している場合や、
スタートスイッチを操作していない場合には、_ST_
MODEをリセットのままにしておく。
【0027】これに対して、ステップ200において、
フラグ(_ST_MODE)がセットされている場合に
は、ステップ208においてフラグ(_ST)がセット
されているか否かを、またステップ210においてエン
ジン回転数Nが零であるか否かを判定する。スタートス
イッチを操作した後にエンジン回転数が零になれば、ス
テップ212へ進んでフラグ(_ST_MODE)をリ
セットするし、スタートスイッチの操作後にエンジン回
転数が零になっていない場合には、ステップ214へ進
み、エンジン回転数Nが所定回転数(N_ST)以上に
なったか否かを判定する。エンジン回転数Nが所定回転
数(N_ST)以上になった場合には、スタートモード
の制御処理から通常走行モードの制御処理に切り換えて
もよいので、フラグ(_ST_MODE)をリセット
し、N_ST>N≧0であれば、スタートモードの制御
処理を持続させる。
【0028】次に、目標噴射時期の演算は、図6に示さ
れるように、ステップ300において、スタートモード
であることを示すためのフラグ(_ST_MODE)が
セットされているか否かが判定され、フラグ(_ST_
MODE)がセットされていれば、ステップ302へ進
み、スタートモード時の噴射時期の補正量を演算する。
ここで、スタートモード時の噴射時期補正量は、前述し
た如く、エンジン回転数Nとエンジン冷却水の温度TW
に対して適切な噴射時期補正量を予めマップデータとし
てROMに格納しておき、入力されたNとTWからこの
マップデータに基づいて補正量を算出するようになって
いる。
【0029】また、フラグ(_ST_MODE)がリセ
ットされていれば、ステップ304へ進み、通常走行モ
ード時の噴射時期補正量を演算する。ここで、通常走行
モード時の噴射時期補正量も、走行状態での噴射時期補
正量をマップデータとしてROMに格納しておき、入力
されたNとTWからこのマップデータに基づいて補正量
を算出するようになっている。
【0030】その後、ステップ306へ進み、上記補正
量を加味してその時のエンジン状態に対して最適となる
目標噴射時期を目標タイマピストン位置(TPSSO
L)として前述した如く演算する。
【0031】以上の処理が終わると、ステップ78へ進
み、エンジンの回転数Nが、噴射時期のオープンループ
制御を必要とする範囲内にあるか否かを判定値(N_I
T_OPEN:例えば、400rpm)によって判定
し、次いで、ステップ80において、タイマーポジショ
ンセンサ(TPS)が異常であるか否かを判定する。ま
た、ステップ82において、噴射時期を制御することが
不可能であることを示す噴射時期制御不能フラグ(_I
T_NG)がセットされているか否かを判定する。更
に、ステップ84において、エンジン回転数Nが噴射時
期サーボエラーを判定するために必要な所定回転数(N
_IT_DIAG)以上になっているか否かを、ステッ
プ86において、水温TWが、噴射時期サーボエラーを
判定するために必要な水温(TW_IT_WAX)より
高くなっているか否かを、ステップ88において、目標
タイマピストン位置と実タイマピストン位置との差(|
TPSSOL−TPSIST|)が、噴射時期サーボを
制御不能と判定する所定量(REF_FB_IT_N
G:例えば、2mm)以上であるか否かを、ステップ9
0において、タイマカウンタ(DCT_IT_NG)が
所定時間(T_FB_IT_NG:例えば、5sec)
以上であるか否かをそれぞれ判定する。
【0032】ステップ78又は80において、NがN_
IT_OPENより小さいか、TPSが異常であると判
定された場合には、ステップ92へ進み、噴射時期をオ
ープンループ制御することを示すオープンループ制御フ
ラグ(_IT_OPENCNT)をセットし、ステップ
94において、オープンループ制御量を演算する。
【0033】NがN_IT_OPEN以上であり、TP
Sが正常である場合に、エンジン回転数NがN_IT_
DIAG以上、水温TWがTW_IT_WAXより高
く、|TPSSOL−TPSIST|がREF_FB_
IT_NG以上、及びタイマカウンタ(DCT_IT_
NG)が計時を開始してから所定時間(T_FB_IT
_NG)以上であれば、タイマ制御系にエラーが生じた
として、ステップ96へ進み、噴射時期制御不能フラグ
(_IT_NG)をセットして前記ステップ92へ移行
する。
【0034】噴射時期制御不能を判定する条件(ステッ
プ84乃至90)において、エンジン回転数Nがタイマ
制御系のエラーを判定するために必要な回転数(N_I
T_DIAG)に満たない場合や、水温TWがTW_I
T_WAX以下である場合、|TPSSOL−TPSI
ST|がREF_FB_IT_NGより小さい場合に
は、タイマ制御系を異常と判定することなくステップ9
8へ進み、このステップ98でタイマカウンタをリセッ
トし、ステップ100において、オープンループ制御フ
ラグ(_IT_OPENCNT)をリセットする。そし
て、ステップ102において、目標タイマピストン位置
(TPSSOL)と実タイマピストン位置(TPSIS
T)との差を所定の範囲内にPID制御する調節量(T
PSCLOSE)を計算し、ステップ104において、
この調節量に応じた駆動パルスをTCV31に出力す
る。
【0035】ところで、ステップ94のオープンループ
制御は、図7に示されているように、ステップ400に
おいて、スタートモードであることを示すためのフラグ
(_ST_MODE)がセットされているか否かが判定
され、フラグ(_ST_MODE)がセットされていれ
ば、ステップ402へ進み、リセットされていれば、ス
テップ404へ進む。
【0036】ステップ402においては、オープンルー
プ制御でのスタートモード時の噴射時期補正量を演算す
る。ここで、スタートモード時の噴射時期補正量は、前
述した如く、エンジン回転数Nとエンジン冷却水の温度
TWに対して適切な噴射時期補正量をマップデータとし
てROMに格納しておき、入力されたNとTWからこの
マップデータに基づいて噴射時期補正量を算出するよう
になっている。また、ステップ404においては、オー
プンループ制御状態での通常走行モード時の噴射時期補
正量を演算する。この通常走行モード時の噴射時期補正
量も、走行状態での噴射時期補正量をマップデータとし
て予めROMに格納しておき、このマップデータに基づ
いてNとTWから補正量を算出するようになっている。
【0037】その後、ステップ406へ進み、上記補正
量を加味してその時のエンジン状態に対して最適となる
目標噴射時期をタイマピストン位置の制御量(TPSO
PEN)として前述した如く演算する。
【0038】そして、ステップ94で制御量が演算され
た後は、ステップ104へ進み、制御量に応じた駆動パ
ルスをTCV31へ出力する。
【0039】ところで、ステップ82において、噴射時
期制御不能フラグ(_IT_NG)がセットされている
と判定された場合には、ステップ106、108へ進
み、噴射時期をオープンループ制御からフィードバック
制御に復帰させるための判定をおこなう。即ち、ステッ
プ106において、|TPSSOL−TPSIST|が
所定の復帰判定値(REF_FB_IT_OK:例え
ば、2mm)より小さいか否かを判定し、ステップ10
8において、噴射時期サーボを復帰可能と判定するタイ
マカウンタ(DCT_IT_OK)が所定時間(T_F
B_IT_OK:例えば、5sec)以上計時したか否
かを判定する。
【0040】ステップ106において|TPSSOL−
TPSIST|がREF_FB_IT_OK以上である
と判定された場合、|TPSSOL−TPSIST|が
REF_FB_IT_OKより小さい場合でもステップ
106においてタイマカウンタ(DCT_IT_OK)
がT_FB_IT_OKより短いと判定された場合に
は、噴射時期制御をフィードバック制御に切り換えるの
は適当でないので、ステップ106からはタイマカウン
タのリセット処理(ステップ110)を介して、また、
ステップ108からは直接ステップ92へ進む。
【0041】これに対して、ステップ106及びステッ
プ108の条件を満たしている場合には、ステップ11
2へ進み、噴射時期制御不能フラグ(_IT_NG)を
リセットしてステップ100以降の処理に進み、フィー
ドバック制御に戻る。
【0042】以上の処理をまとめると、フィードバック
制御からオープループ制御に移行する場合は、図8
(a)に示されるように、エンジン回転数が所定回転
数(400rpm)より小さくなった場合、タイマポ
ジションセンサが故障した場合、または、エンジン回
転数(N:400rpm)が所定回転数より大きく、水
温が所定温度(−5°C)より高く、目標タイマピスト
ン位置と実タイマピストン位置との差が所定量より大き
く、且つ、これらの条件が所定時間(5秒)以上継続し
た場合である。また、オープループ制御からフィードバ
ック制御に移行する場合は、図8(b)に示されるよう
に、エンジン回転数が所定回転(400rpm)以上で
あり、タイマポジションセンサが正常作動しており、目
標タイマピストン位置と実タイマピストン位置との差が
所定量より小さくなり、且つ、これらの条件が所定期間
(5秒)以上継続した場合である。
【0043】したがって、水温が燃料のワックス化を誘
発する低温時にある場合には、ステップ86からステッ
プ98へ移行するので、タイマ制御系をエラーと判定せ
ず、そのままフィードバック制御が継続され、TCVへ
の通電によって生じるソレノイド36の熱を噴射ポンプ
のハウジングやTCVに通じる燃料通路内の燃料に供給
し、ワックス化の早期解消を図る。
【0044】また、上述の制御によれば、ワックス化が
発生する低温時ではタイマ制御系の異常判定を行わない
が、ワックス化が終了する水温域に達した場合には、従
来通りのタイマ制御系の異常判定(ステップ88、9
0)を行うことができ、タイマ制御系に異常があれば、
オープンループ制御に移行する。万一、ワックス化が生
じる低温時にタイマ制御系に異常が生じても、ワックス
化が発生する温度は極低温であり、エンジン始動後に上
述した制御が行われれば短時間でステップ86のしきい
値を上回るので、ワックス化が解消された後にタイマ制
御系の異常判定をおこなっても支障はない。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
燃料がワックス化するような低温時には、噴射時期装置
(タイマ制御系)をエラーとは判定せず、タイミングコ
ントロールバルブのオープンループ制御への移行を回避
するようにしたので、低温時においてもフィードバック
制御の通電によって生じる発熱を利用してワックス化の
早期解消を図ることができ、ワックス化によるタイマ制
御不能時間の短縮を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料噴射ポンプの概略構成例を
示す図である。
【図2】この発明に係る燃料噴射ポンプのタイマ装置を
示す拡大断面図である。
【図3】燃料噴射時期の制御例を示す概略ダイアグラム
である。
【図4】コントロールユニットによる燃料噴射時期の制
御例を示すフローチャートである。
【図5】図4に示す処理のうち、ステップ74に示すモ
ード設定処理の具体例を示すフローチャートである。
【図6】図4に示す処理のうち、ステップ76に示す目
標噴射時期の演算処理例を示すフローチャートである。
【図7】図4に示す処理のうち、ステップ94に示すオ
ープンループでの制御量演算例を示すフローチャートで
ある。
【図8】図8(a)は、フィードバック制御からオープ
ンループ制御への切替判定を示すロジック図であり、図
8(b)は、オープンループ制御からフィードバック制
御への切替判定を示すロジック図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 25 タイマ装置 27 タイマピストン 31 タイミングコントロールバルブ 37 タイマポジションセンサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−171989(JP,A) 特開 昭59−23062(JP,A) 実開 昭61−17434(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 345 F02D 41/22 385 F02M 41/12 320

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射ポンプ内の燃料をタイマピストンに
    作用させ、タイマピストンに付勢する燃料圧をタイミン
    グコントロールバルブで調節して燃料噴射開始時期を調
    節するタイマ装置と、前記タイマピストンの実位置に対
    応する信号を検出する信号検出手段と、タイマピストン
    の目標位置に対応する目標信号を機関の運転条件から設
    定する目標信号設定手段と、前記タイマピストンの実位
    置に対応する信号を前記目標信号に近づけるよう前記タ
    イミングコントロールバルブを制御するフィードバック
    制御手段と、タイマ制御系に異常が発生したことを判定
    する異常判定手段と、前記異常判定手段によって異常が
    発生したと判定された場合に、前記タイミングコントロ
    ールバルブをオープンループ制御するオープンループ制
    御手段とを備えた電子式燃料噴射装置の噴射時期調整装
    置において、低温時であることを実質的に判定する低温
    判定手段と、前記低温判定手段により低温時であると判
    定された場合に、前記異常判定手段による異常との判定
    を中止して前記オープンループ制御への移行を回避する
    制御手段とを設けたことを特徴とする電子式燃料噴射装
    置の噴射時期調整装置。
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