JP5974835B2 - 太陽電池モジュール用裏面保護シート - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、前面封止材、太陽電池素子、背面封止材及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記の太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュールは長期間にわたって屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたる過酷な環境での屋外使用に耐え得る耐久性が求められる。
又、太陽電池モジュールは、太陽光の受光によりモジュール内の温度が上昇するが、太陽電池素子の発電量には温度依存性があり、モジュール内の温度が上昇することで発電量が低下するおそれがある。
このようなモジュール内の温度上昇を抑制するための熱対策として、ガスバリア性を有するバリア層と当該バリア層よりも熱放射率が高い熱放射層と、アルミニウム等からなる熱拡散層を備える裏面保護シートが開示されている(特許文献1参照)。
特開2012−104637号公報
しかしながら、特許文献1に記載の裏面保護シートによれば、最外層に配置され過酷な条件に晒されて長期間にわたって使用される熱放射層の耐候性、耐久性についての配慮が不足しており、例えば、熱放射層の一部が劣化、或いは剥離した場合に、熱拡散層を形成する金属膜が最外層に露出してしまい、太陽電池モジュールの安全性を保持するために必要な裏面保護シートの絶縁性が損なわれてしまうおそれがあった。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールの温度上昇を十分に抑制することにより発電効率の低下を防止することができるとともに、耐候性に優れたものであることにより、屋外等の過酷な条件における長期使用においても優れた安全性を維持することができる太陽電池用モジュール用の裏面保護シートを提供すること目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、太陽電池モジュール用の裏面保護シートにおいて、耐加水分解性に優れる樹脂からなる耐候層を、熱伝導率が高い熱拡散層と熱放射率が高い熱放射層との間に配置することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 基材層上に、熱拡散層、耐候層、及び、熱放射層が積層されてなる太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、前記熱拡散層は、熱伝導率が、150W/(m K)以上であり、前記耐候層は、JIS C8917に準拠する、85℃85%RH条件下での耐久性試験2000時間後に機械強度維持率が50%以上である耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、又はポリカーボネートのうち、少なくともいずれか1種を含む樹脂からなり、且つ、前記熱拡散層と前記熱放射層の間に積層されていて、前記熱放射層は、遠赤外線放射フィラーを含有する樹脂からなり、前記耐候層よりも熱放射率が高く、前記裏面保護シートの最外層に積層されている裏面保護シート。
(2) 前記耐候層が、前記耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートである(1)に記載の裏面保護シート。
(3) 前記熱拡散層が、アルミニウム箔である(1)又は(2)に記載の裏面保護シート。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シートと、封止材シートと、太陽電池素子と、が積層されている太陽電池モジュールであって、前記裏面保護シートの前記熱放射層が、前記太陽電池モジュールの一方の最外層に配置されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、太陽電池モジュールの内部温度の上昇を抑制することによって発電効率の低下を防止することができて、且つ、屋外等の過酷な条件における長期使用においても優れた安全性を維持することができる太陽電池用の裏面保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの層構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートについて詳細に説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本発明の裏面保護シートが使用される太陽電池モジュールの構成について簡単に説明する。図1は、本発明の一実施形態である太陽電池モジュ−ル1について、その層構成の一例を示す断面図である。太陽電池モジュール1は、図1に示すように受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、裏面保護シート6が順に積層された構成である。
上記構成からなる太陽電池モジュールにおいて、最外層に配置されて使用される裏面保護シートは、極めて高い耐候性と絶縁性を備えることが安全性の面から必須の要件となっている。本発明の裏面保護シート6は、この必須の要件を十分に満たした上で、太陽電池モジュール1の屋外等での使用時における内部温度の上昇を抑制して、発電効率の低下を防止することができるものである。
<裏面保護シート>
本発明の一実施形態である裏面保護シート6を、図2を用いて説明する。裏面保護シート6は、基材層60と、熱拡散層61と、耐候層62と、熱放射層63と、を備える積層体である。熱拡散層61は基材層60の一方の表面上に積層され、熱放射層63は太陽電池モジュール1としての一体化時に最外層となるように配置されている。そして、熱拡散層61と熱放射層63との間に耐候層62が配置される構成となっている。
[基材層]
基材層60は、樹脂材料をシート状に成型した樹脂シートである。基材層60に用いる樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを用いることができる。これらの樹脂シートの中でも、特に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンナフタレートが好ましく使用される。中でも、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートのフィルム又はシートが特に好ましい。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。これらは単独層であってもよく、従来公知の密着剤等で積層された複数層からなる積層体であってもよい。
基材層60の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。裏面保護シート6の厚さとして、30〜500μmの範囲が一般的な例として挙げられるが特に限定されない。基材層60の厚さも特に限定されないが、38〜250μmであることが好ましい。基材層60の厚さが38μm以上であることにより、裏面保護シート6に好ましい耐久性、耐候性を付与することができ、基材層60の厚さが250μm以下であることにより、ラミネート加工時のフィルム搬送適性を付与することができる。
基材層60は、本発明の効果を害さない範囲内で、上記以外の他の樹脂を含有してもよい。又、例えば、加工性、耐熱性、耐光性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤、その他の樹脂等を添加することができる。これら添加剤等の添加量としては、特に限定されず、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、滑剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、着色用添加剤、顔料、改質用樹脂等を挙げることができる。
[熱拡散層]
熱拡散層61は、太陽電池モジュール1の内部に蓄積された熱を、この層内において、主に裏面保護シート6の表面に沿った水平方向に拡散することにより、熱放射層63からの内部熱の熱放射効率を高める機能を有する層であり、熱伝導率の高い材料からなる層である。熱拡散層61の熱伝導率は、150W/(m K)以上とする。
熱拡散層61に用いる上記の熱伝導率の高い材料の具体例としては、アルミニウム、銅、等の金属、グラファイト等のその他の熱伝導率の高い鉱物を挙げることができる。中でも、熱伝導率とともに、ガスバリア性にも優れるアルミニウム箔、又は銅箔を好ましく用いることができる。又、それらの金属箔の中でも、十分な熱伝導性と加工適性と経済性をバランスよく兼ね備えたアルミニウム箔を特に好ましく用いることができる。
熱拡散層61の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、例えば熱拡散層61がアルミニウム箔である場合には、その厚さは、4〜100μmであることが好ましい。上記アルミニウム箔の厚さが4μm以上であることにより、箔として圧延加工することができ熱拡散性も良好であり、熱拡散層61の厚さが100μm以下であることにより、ロール加工適性に優れかつ安価に作製することができる。
[耐候層]
耐候層62は、屋外等の過酷な環境下で使用される太陽電池モジュール1において、十分な耐候性、耐久性を発揮しうる樹脂材料をシート状に成形した樹脂シートを用いることができる。耐候層62に用いる樹脂シートとして、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(耐加水分解性PET)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、又は、ポリカーボネート(PC)の少なくともいずれか1種を含有してなる樹脂シートを挙げることができる。
ここで、耐加水分解性PETとは、特開2012−62380号に記載の、耐加水分解性に優れたポリエチレンテレフタレートのことを言うものとする。この耐加水分解性PETは、アルカリ金属元素を2〜100ppm、且つ、リン元素を10〜250ppmを含有してなるポリエチレンテレフタレートであって、更にポリエチレンテレフタレート樹脂組成物100重量部に対してポリオキシアルキレングリコールを2〜20重量部含有してなる樹脂である。
耐加水分解性PETは、耐加水分解性に優れる他、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに求められる耐熱耐久性にも優れる。又、加工適性にも優れ、コストも比較的低廉であるため、裏面保護シート6の耐候層62を形成するための材料として極めて好ましく用いることができる。なお、本発明における耐加水分解性とは、JIS C8917に準拠する、85℃85%RH条件下での耐久性試験2000時間後に、実施例の方法における機械強度維持率が50%以上であることを意味する。
変性ポリフェニレンエーテルは、芳香族ポリエーテル構造を持つポリフェニレンエーテル(PPE)を主成分とした、熱可塑性樹脂に属する合成樹脂ポリマーアロイの総称である。ポリフェニレンエーテルと混合する熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂の使用が好ましい。ポリフェニレンエーテルと熱可塑性樹脂との混合による変性が、製造容易の観点から好ましいが、フェノール系モノマーに他のモノマーを共重合させることによる変性等であってもよい。
ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカーボネートは主鎖中に炭酸エステル結合をもつ線状高分子であって、ビスフェノールAを原料として製造されるものが一般的である。ポリカーボネートは、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性に優れている他、優れた透明性を有する。又、ガラス移転点(Tg)が約150℃と高く、加熱時の熱変形も少ない。但し、紫外線による黄変の問題があり、これを防ぐための手段を講じることが必要である。しかし、裏面保護シート6は、後述の通り、熱放射層63に紫外線遮断効果を備えさせることによって、この問題の解決を可能としている。よって、上記の通り耐熱性等に優れるポリカーボネートを、耐候層62として好ましく用いることができる。
耐候層62の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、30〜100μmであることが好ましい。耐候層62の厚さが 30μm以上であることにより、耐侯性が発現でき、耐候層62の厚さが100μm以下であることにより、熱放射層に遅滞なく熱伝導させかつ安価に作製することができる。
尚、耐候層62は、基材層60と同様に本発明の効果を害さない範囲内で、上記以外の他の樹脂又は、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
[熱放射層]
熱放射層63は、太陽電池モジュール1の内部熱を効率よく放出することのできる熱放射性を有する樹脂材料をシート状に成形した樹脂シートを積層するか、或いは、そのような熱放射性を有する樹脂材料を裏面保護シート6の最外層にコーティングすることによって形成することができる。熱放射層63に用いるそのような材料としては、各種のバインダー樹脂に遠赤外線放射フィラーを混合したものを用いることができる。
上記バインダー樹脂は、特に限定されないが、ポリイソシアネート化合物と反応するための水酸基を有する樹脂、具体的な例としては、架橋性置換基含有アクリル樹脂、架橋性置換含有フッ素樹脂、架橋性置換基含有ビニル樹脂、架橋性置換基含有オレフィン樹脂等を好ましく用いることができる。又、上記遠赤外線放射フィラーとしては、アルミナ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、酸化鉄、硫酸バリウム、アルミニウム粉、雲母、炭酸バリウム、タルク等を用いることができる。
上記遠赤外線放射フィラーの中でも、放熱性の観点から、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウムが好ましく用いられる。
熱放射層63の厚さは、裏面保護シート6に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよく、特に限定されないが、5〜100μmであることが好ましい。熱放射層63の厚さが5μm以上であることにより、放熱性を発現することができ、熱放射層63の厚さが100μm以下であることにより、熱放射最表層に遅滞なく熱伝導させ、かつ安価に作製することができる。
尚、熱放射層63には、基材層60と同様に本発明の効果を害さない範囲内で、上記以外の他の樹脂又は、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
上記において説明した熱放射層63は、その熱放射率が、耐候層62の熱放射率よりも高くなるようにする。又、熱放射層63の熱放射率は、0.9以上であることが好ましい。熱放射層63の熱放射率を耐候層62の熱放射率よりも高くなるようにすることによって、熱放射層63からの熱放射によって、太陽電池モジュール1の温度上昇を有意に抑制することができる。又、熱放射層63の熱放射率を、0.9以上とすることによって上記熱放射をより効率よく行い、太陽電池モジュール1の温度上昇を極めて好ましい態様で抑制することができる。
[その他の層]
裏面保護シート6には、本発明の効果を害さない範囲で、その他の層を設けてもよい。例えば、基材層60の熱拡散層61が形成されていない側の面に、必要に応じて、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる接着強化層や、シランカップリング剤等の接着性向上剤を含有する樹脂混合物からなるプライマー層を設けてもよい。
又、裏面保護シート6には、ルチル型酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化マンガン等とアクリル樹脂とを混合したもの等を用いて反射層を設けてもよい。この反射層によれば、太陽電池モジュール1に照射されたが太陽電池素子4の間をすり抜けて裏面保護シート6に到達した太陽光を反射させて太陽電池素子に向かわせることができ、太陽電池モジュール1の発電効率を向上させることができる。
<裏面保護シートの製造方法>
本発明の裏面保護シートの製造方法について説明する。裏面保護シート6は、基材層60の一方の表面上に、熱拡散層61、耐候層62、熱放射層63を、この順序の配置となるように順次形成することによって製造することができる。
基材層60及び耐候層62を形成する樹脂シートとしては、上記において説明したそれぞれの層に適した樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜した樹脂シートを用いることができる。
熱拡散層61は、アルミニウム箔等の金属箔を好ましく用いることができる。
上記において説明した基材層60を形成する樹脂シート、熱拡散層61を形成する金属箔、耐候層62を形成する樹脂シートを、この順序で積層して一体化し、更に、そのように一体化された積層体の耐候層62の表面上に熱放射層63を形成することによって、本発明の裏面保護シート6を得ることができる。
基材層60を形成する樹脂シート、熱拡散層61を形成する金属箔、耐候層62を形成する樹脂シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき、特に限定されない。具体的には、ポリウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等を適宜使用することができる。
熱放射層63は、遠赤外線放射フィラー以外に主剤にアクリルポリオール樹脂、硬化剤にポリイソシアネート化合物を用いた樹脂バインダーを他に含んでもよく、着色剤やブロッキング防止剤としての酸化チタン、酸化アルミ、酸化ケイ素等の無機フィラーを含んでもよく、フタロシアニン、アクリル樹脂ビーズ等の有機フィラーを含んでもよく、これらをトルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤や、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶剤などとを混合したコーティング液である熱放射性インキとし、これを従来公知のコーティング方法で、耐候層62の表面にコーティングすることによって形成することができる。
尚、本発明の裏面保護シートは、上記の各材料樹脂シート、又は、それらを積層した積層体に、所定量の電離放射線を照射して架橋処理を行うことによって耐熱性等を向上させたものであってもよい。架橋工程は、電子線(EB)、α線、β線、γ線、中性子線等の電離放射線によって行うが中でも電子線を使用することが好ましい。電子線照射における加速電圧は、被照射体である樹脂シート等の厚みによって決まり、厚いシートほど大きな加速電圧を必要とする。例えば、0.5mm厚みのシートでは100kV以上、好ましくは200kV以上で照射する。照射線量は51〜500kGy、好ましくは80〜300kGyの範囲である。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃〜180℃の範囲内とすることが好ましい。また、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュ−ル1を製造することができる。
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<裏面保護シートの製造>
実施例及び比較例の裏面保護シートを、下記の材料を用い、下記の方法によって製造した。
(実施例1)
耐候層として、厚さ50μmの耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム(耐加水分解性PET、東レ(株)製:X10−S)を用い、その片面に、固形分30重量%のポリウレタン系接着剤を、乾燥状態での塗布量が5.0g/mとなるよう塗布し、熱拡散層として、厚さ20μmのアルミニウム箔を、貼り合わせた積層体(以下、「積層体a」と言う)を得た。
基材層として、厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、帝人デュポンフィルム(株)製:メリネックスS)を用い、その片面に、上記と同一のポリウレタン系接着剤を乾燥状態での塗布量が5.0g/mとなるよう塗布し、積層体aを上記アルミニウム箔からなる面を基材層側に向けて貼り合わせた積層体(以下、「積層体b」と言う)とし、その後、完全硬化させるため56℃、5日間の養生を行った。
更に、その後、積層体bの耐候層側の表面にコロナ処理を施した後、酸化チタン、酸化アルミ、酸化ケイ素を含有した、波長4〜15μmでの熱放射率0.95の熱放射性インキを乾燥膜厚15μmとなるよう塗布して、80℃、20分で乾燥させることにより熱放射層を形成し、実施例の裏面保護シートを得た。
(実施例2)
上記熱拡散層として用いるアルミニウム箔の厚さを7μmとした他は、実施例1と同一の材料、構成、製造方法によって製造した裏面保護シートを実施例2の裏面保護シートとした。
(実施例3)
上記熱拡散層として用いるアルミニウム箔の厚さを50μmとした他は、実施例1と同一の材料、構成、製造方法によって製造した裏面保護シートを実施例3の裏面保護シートとした。
(実施例4)
上記耐候層を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、帝人デュポンフィルム(株)製:EP)とした他は、実施例1と同一の材料、構成、製造方法によって製造した裏面保護シートを実施例4の裏面保護シートとした。
(比較例1)
上記養生を行った積層体bを、上記熱放射層の形成を行わずに、そのまま比較例1の裏面保護シートとした。
(比較例2)
上記基材層上に上記と同一の方法で上記と同一のアルミニウム箔のみを貼り合せた積層体(耐候層未形成)を、上記同様に養生を行った後、この積層体のアルミニウム箔上に、上記同様の熱放射層を形成し、比較例2の裏面保護シートとした。
(比較例3)
上記耐候層を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、東レ(株)製:ルミラーS10)とした他は、実施例1と同一の材料、構成、製造方法によって製造した裏面保護シートを比較例3の裏面保護シートとした。
(比較例4)
上記耐候層を、厚さ50μmの四フッ化エチレン・エチレン共重合体フィルム(ETFE、旭硝子(株)製:25PW)とした他は、実施例1と同一の材料、構成、製造方法によって製造した裏面保護シートを比較例4の裏面保護シートとした。
<太陽電池モジュールの製造>
180mm□の白板半強化ガラス(AGCファブリテック(株)製:3KWE33)、前面封止材シート、配線接続した5インチ単結晶太陽電池素子、テープ形温度センサ(安立計器(株)製:ST−14K−060−GW1−ANP)、背面封止材シート、及び、上記実施例又は各比較例の裏面保護シートに積層し、真空ラミネータを用いて減圧下で加熱しながら上記各封止材シートを架橋させて融着一体化し、実施例、各比較例の評価用太陽電池モジュールサンプルを作製した。
<裏面保護シートの放熱性評価>
[放熱性試験]
実施例と比較例の裏面保護シートについて、JIS C 8912に基づいて放熱性を評価した。ソーラーシミュレータ((株)三永電機製:XES−155S1)にてAM1.5G相当の照度100mW/cmの疑似太陽光を照射し、有効面積を11cm□と規定するSUSマスクを、実施例、比較例の裏面保護シートをそれぞれ積層した評価用太陽電池モジュールサンプルの受光部側に載せて、セル温度と光電変換効率を1分間隔で90分間、経時測定した。各サンプルにおけるセル温度と光電変換効率を以下の基準で評価した。結果については、「放熱性」として、下記表1に示す。
A:3℃以上
B:1℃以上
C:1℃未満
<裏面保護シートの接着性評価>
[接着性試験]
上記の通り作成した実施例及び比較例の裏面保護シートについて、ASTM D3359に準じた接着性試験を行い、熱放射層と耐候層間の接着性を以下の基準で評価した。結果については、「接着性」として、下記表1に示す。
A:15%未満のコーティング剥離
C:15%以上のコーティング剥離
[耐候層の湿熱耐久(ダンプヒート)試験]
上記実施例、比較例の耐候層について、JIS C8917に準拠し、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下で耐久性試験を実施後に機械強度維持率(テンシロンによる初期値からの破断強度維持率)によりが50%以上となる試験時間を調査した。ここで、チャック間距離は80mm、試験片幅は10mm、引張速度は100mm/minとした。結果については、「耐久性」として、下記表1に示す。
A:3000時間以上
B:2000時間以上
C:2000時間未満
<裏面保護シートの絶縁性評価>
[表面抵抗率]
JIS−K6911に準拠し、抵抗率計((株)三菱化学アナリテック製:ハイレスタUP MCP−HT450型)を用いて、上記実施例、比較例の裏面保護シートの最表面に定電圧1000Vを印加することで表面抵抗率を測定した。ここで最表面とは、比較例1は耐加水分解性PET、それ以外は熱放射層である。結果は、「表面抵抗率」として、表1に示す。
A:10^13Ω/□以上
C:10^13Ω/□未満
Figure 0005974835
表1より、本発明の裏面保護シートは、放熱性、接着性、耐久性、絶縁性において優れたものであり、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに、好ましい発電効率と耐候性を付与することができるものであることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
60 基材層
61 熱拡散層
62 耐候層
63 熱放射層

Claims (4)

  1. 基材層上に、熱拡散層、耐候層、及び、熱放射層が積層されてなる太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    前記熱拡散層は、熱伝導率が、150W/(m K)以上であり、
    前記耐候層は、JIS C8917に準拠する、85℃85%RH条件下での耐久性試験2000時間後に機械強度維持率が50%以上である、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、又はポリカーボネートのうち、少なくともいずれか1種を含む樹脂からなり、且つ、前記熱拡散層と前記熱放射層の間に積層されていて、
    前記熱放射層は、遠赤外線放射フィラーを含有する樹脂からなり、前記耐候層よりも熱放射率が高く、前記裏面保護シートの最外層に積層されている裏面保護シート。
  2. 前記耐候層が、前記耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートである請求項1に記載の裏面保護シート。
  3. 前記熱拡散層が、アルミニウム箔である請求項1又は2に記載の裏面保護シート。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シートと、
    封止材シートと、
    太陽電池素子と、が積層されている太陽電池モジュールであって、
    前記裏面保護シートの前記熱放射層が、前記太陽電池モジュールの一方の最外層に配置されている太陽電池モジュール。
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