JP5714992B2 - ポリカーボネート樹脂系積層板及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、産業装置、機械および電気機器などのカバーや筐体、自動車、車両、船舶、航空機、住宅、病院およびオフィスなどの窓材やカバー、ディスプレイ用面板、カーポートやテラスなどの簡易屋根、樹脂製防音壁、防犯用窓材などに好適に用いることができるポリカーボネート樹脂系積層板、およびその製造方法に関する。
半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置などの産業装置向けカバーや窓材、クレーンやショベルカーなどの産業機械向けカバーや窓材、自動車、車両、船舶、航空機向け窓材、住宅、病院、オフィス向け窓材には、従来からガラス材が主に用いられてきたが、近年では、軽量化、燃費などの経済性の観点から合成樹脂板が用いられている。中でも、ポリカーボネート樹脂を主剤とするポリカーボネート樹脂系積層板は、耐衝撃性、耐熱性、透明性および加工性に優れているため、多用されている材料である。
しかし、ポリカーボネート樹脂を主剤とするポリカーボネート樹脂系積層板は、風雨や太陽光に曝される屋外や高温高湿環境下の車中で使用された場合、水分や水蒸気の透過により接着層の劣化又は分解が起こり、ポリカーボネート樹脂系積層板に気泡、白化、剥離を生じるという問題を抱えていた。
そこで、ポリカーボネート樹脂板に対する剥離接着強さを高めてこのような問題を解消するため、例えば特許文献1では、ポリカーボネート樹脂板の表面にプラズマ処理を行い、150℃で30分の真空ラミネートを行うことで十分な剥離接着強さが得ることが開示されている。
特開2009−137012号公報
上記のように、150℃といった高温でラミネートを行うと、剥離接着強さを高めることができる反面、熱ラミネート完了後に常温に戻る際に、ポリカーボネート樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]の線膨張係数の差の影響を多大に受けて積層板に反りが発生することがあった。この際、反りの程度は、熱ラミネート温度が高くなるほど顕著になる傾向にあった。
これに対して、熱ラミネート温度を低温にすれば、反りは低減できるが、ポリカーボネート樹脂板に対する剥離接着強さが不十分になる問題が生じることになる。
また、ポリカーボネート樹脂板を主材とする積層体の場合、特に高温高湿環境下(温度85℃、湿度85%)で保存した場合に、剥離接着強さが低下したり、気泡や白化、剥離などを生じたりする問題も抱えていた。
本発明は、上記の問題に鑑みて、ポリカーボネート樹脂板を主材とする積層体にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]からなる層を接着して積層する場合において、積層板の反りを抑えることができ、しかも、十分な剥離接着強さを得ることができ、好ましくは、高温高湿環境下(温度85℃、湿度85%)で保存した場合であっても、剥離接着強さを維持することができる構成を備えた、新たなポリカーボネート樹脂系積層板を提供せんとするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリカーボネート樹脂を主剤とするポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一方に、フッ素系樹脂層30を積層すると共に、該フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50とを、例えば特定の接着層40A又は表面処理層40Bを介して接着するなどすることにより、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を接着した後のポリカーボネート樹脂系積層板の反りを抑えつつ、フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50との剥離接着強さを高めることができることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を想到するに至ったものである。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂を主剤とするポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一側に、接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40Bが順次積層されてなる構成を備えたポリカーボネート樹脂系積層板であって、前記ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A或いは表面処理層40Bに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を接着した場合に、接着後のポリカーボネート樹脂系積層板の反りが2mm/200mm以下となり、かつ、フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50との剥離接着強さが40N/25mm以上(JIS K6854準拠、剥離速度100mm/分、剥離角度180°、測定幅25mm)となることを特徴とするポリカーボネート樹脂系積層板を提案する。
本発明が提案するポリカーボネート樹脂系積層板は、低温のラミネート温度においても、接着層の劣化又は分解によって生じる気泡や白化、剥離などを生じることがなく、積層板の反りを抑えることができ、屋外や車中の厳しい条件下でも使用可能である。よって、本発明が提案するポリカーボネート樹脂系積層板は、透明性、接着力、耐熱性、耐湿性、耐久性および低反り性を必要とする用途、例えば半導体製造装置やフラットパネルディスプレイ製造装置などの産業装置向けカバーや窓材、クレーンやショベルカーなどの産業機械向けカバーや窓材、自動車、車両、船舶、航空機向け窓材、住宅、病院、オフィス向け窓材、カーポートやテラスなどの簡易屋根材など、優れた透明性、耐久性および低反り性を同時に必要とする広範囲のカバーおよび窓材、屋根材分野に好適に使用することができる。
本発明の実施形態の一例に係るポリカーボネート樹脂系積層板の一例を示す模式断面図である。
次に、本発明の実施形態の一例に基づいて本発明を説明するが、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
[ポリカーボネート樹脂系積層板]
本実施形態に係るポリカーボネート樹脂系積層板100(「本積層板」という)は、図1に示すように、ポリカーボネート樹脂を主剤とするポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一側に、接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40B(図1では、これらをまとめて「40」と示している)が順次積層されてなる構成を備えている。
本積層板は、ポリカーボネート樹脂系基材層10の両側にそれぞれ、接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40Bが順次積層されてなる構成を備えたものであってもよい。
<ポリカーボネート樹脂系基材層10>
ポリカーボネート樹脂系基材層10(以下「基材層10」とも称する)は、ポリカーボネート樹脂を主剤とする層であればよい。すなわち、ポリカーボネート樹脂系基材層10を構成する樹脂成分の50質量%以上、特に80質量%以上、中でも特に90質量%以上(100質量%を含む)がポリカーボネート樹脂であればよく、ポリカーボネート樹脂以外の成分を含んでいてもよい。
ここで、ポリカーボネート樹脂とは、主鎖中に炭酸エステル結合を含む線状高分子であり、例えば種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとをホスゲン法により反応させたり、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとをエステル交換法で反応させたりして得ることができる重合体などを挙げることができる。具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂を挙げることができる。但し、これに限るものではない。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特に制限するものではない。通常の押出成形によりシート成形可能な粘度平均分子量が1.5万〜3万程度のものが好ましい。
ポリカーボネート樹脂系基材層10の厚さは、1mm〜15mm、好ましくは1.5mm以上或いは8mm以下、さらには1.7mm以上或いは5mm以下であるのが好ましい。上記厚みが1mm以上であれば、取り扱い性を良好に維持することができ、歩留まりが低下することもない。他方、上記厚みが15mm以下であれば、特にコスト高となることもないから、好ましい。
<接着層20>
接着層20は、ポリカーボネート樹脂系基材層10とフッ素系樹脂層30とを好適に接着させるための層である。
接着層20を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂を好適な例として挙げることができる。
ここで、アクリル系樹脂とは、アクリル酸及びその誘導体を重合して得られる樹脂をいう。例えばアクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルなどの重合体や共重合体が含まれる。ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリル酸エステル等が代表的である。
また、接着層20は、上述のようにポリカーボネート樹脂系基材層10とフッ素系樹脂層30とを好適に接着させるための層であるから、アクリル系樹脂とフッ化ビニリデン系樹脂からなる混合物からなるものも好適である。
この混合物において、アクリル系樹脂は上記同様の樹脂を用いることができる。
他方のフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化ビニリデンの単独重合体、もしくはフッ化ビニリデンと他のフッ素系不飽和単量体及び/もしくはフッ素を含有しない共重合可能な単量体との共重合体、さらにこれら重合体の一部を改質もしくは変性した重合体も包含される。これらフッ化ビニリデン系樹脂は1種もしくは2種以上で用いることができる。また、他のフッ素を含有した樹脂、例えば、4フッ化エチレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロエチレン等と混合して用いても構わない。
上記アクリル系樹脂とフッ化ビニリデン系樹脂からなる混合物において、アクリル系樹脂とフッ化ビニリデン系樹脂の混合比は、質量比(アクリル系樹脂/フッ化ビニリデン系樹脂)が20/80以上90/10以下であるのが好ましく、中でも40/60以上或いは85/15以下、その中でも70/30以上或いは80/20以下であるのがさらに好ましい。
接着層20の厚さは、特に限定するものではない。好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは5μm以上或いは60μm以下である。上記厚みが1μm以上であれば、接着力を発揮する機能を維持することができ、上記厚みが100μm以下であれば、コストが高くなることを抑えることができるから、好ましい。
<フッ素系樹脂層30>
フッ素系樹脂は、耐候性や耐加水分解性に優れた樹脂であるため、フッ素系樹脂層30は、ポリカーボネート樹脂系基材層10を紫外線や水分や水蒸気から保護するための層としての機能を発揮する。
フッ素系樹脂層30を構成するフッ素系樹脂としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアクリルの混合物などを挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、或いは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアクリルの混合物が好ましい。
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアクリルの混合物を用いることにより、接着層20との界面密着性、後述する接着層40Aとの界面密着性、或いは、表面処理層40Bによる表面改質効果が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を単独で用いた場合に比べてより一層が高くなる。
当該混合物において、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアクリルとの混合比は、上記の界面密着性改良効果とPVDF/アクリルが相容できる比率を鑑みて、質量比(ポリフッ化ビニリデン/アクリル)で、70/30以上90/10以下であるのが好ましい。
フッ素系樹脂層30の厚さは、特に限定するものではない。好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは3μm以上或いは50μm以下である。上記厚みが1μm以上であれば、取り扱い性を良好に維持することができ、歩留まりが低下することもない。他方、上記厚みが100μmを超えると、コストが特に高くなることもないから、好ましい。
<接着層40A又は表面処理層40B>
接着層40A及び表面処理層40Bはいずれも、フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50とを好適に接着するための層として機能する。
フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50との剥離接着強さを所望範囲に調整するには、接着層40A又は表面処理層40Bの選択が重要となる。
接着層40Aを構成する主剤としては、例えばポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を主剤とするオレフィン系接着剤を主剤として含有するオレフィン系接着剤組成物から形成するのが好ましい。
当該オレフィン系接着剤組成物の主剤をなすオレフィン系接着剤は、ガラス転移点(Tg)が−50〜50℃のものが好ましく、特に−30℃以上或いは40℃以下、中でも特に−10℃以上或いは30℃以下であるのが好ましい。
当該オレフィン系接着剤組成物において、オレフィン系接着剤の含有割合は50質量%以上であればよく、特に70質量%以上或いは100質量%以下、その中でも特に80質量%以上或いは100質量%以下の割合で配合するのが好ましい。
前記オレフィン系接着剤組成物は、オレフィン系接着剤のほかに、ブロックイソシアネート系硬化剤を含有するのが好ましい。ブロックイソシアネート系硬化剤を配合しない場合、例えばブロックイソシアネート系硬化剤の代わりに、通常のイソシアネート系硬化剤を配合した場合には、ポリカーボネートを乾燥した時点で接着剤組成物が硬化するようになり、真空ラミネート時に硬化しないため、所望の剥離接着強さを得ることが難しくなる。
当該オレフィン系接着剤組成物において、ブロックイソシアネート系硬化剤は、オレフィン系接着剤100質量部に対して1質量部〜10質量部、特に2質量部以上或いは7質量部以下、その中でも特に特に3質量部以上或いは5質量部以下となるように配合するのが好ましい。
また、前記オレフィン系接着剤組成物は、オレフィン系接着剤及びブロックイソシアネート系硬化剤のほかに、エポキシ系硬化剤を含有するのが好ましい。
エポキシ系硬化剤を配合することにより、硬化反応が効果的に促進され、真空ラミネートによって剥離接着強さをより一層高めることができる。
当該オレフィン系接着剤組成物において、エポキシ系硬化剤は、オレフィン系接着剤100質量部に対して1質量部〜10質量部、特に2質量部以上或いは7質量部以下、その中でも特に特に3質量部以上或いは5質量部以下となるように配合するのが好ましい。
なお、接着層40Aには、上記成分のほかに、例えばメラミン系化合物、オキサゾリン基含有樹脂等の各種改質剤、硬化剤あるいは架橋剤、添加剤等を配合してもよい。これらは1種単独でも、或いは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他方、表面処理層40Bは、フッ素系樹脂層30の表面に対して公知の表面処理、例えばコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、火炎処理、ケミカルエッチング処理、オゾン処理、グロー放電処理、紫外線処理、赤外線処理、溶剤処理などを施すことにより形成することができる。中でも、剥離接着強さを高める観点から、プラズマ処理が好適である。
但し、プラズマ処理を施した場合、極めて強固に接着されるため、他の接着界面、例えば基板と接着層20との接着界面が逆に剥がれ易くなる傾向がある。特に高温保存環境下において剥がれ易くなるという新たな問題が生じることになる。よって、このような問題点が生じない点で、フッ素系樹脂層30に接着層40Aを形成する方がより一層好ましいと言える。
接着層40A又は表面処理層40Bの厚さは、特に限定されないが、接着剤の場合は好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは3μm以上或いは15μm以下である。上記厚みが1μm以上であれば、剥離強度を維持することができ、上記厚みが30μm以下であれば、コストを抑えつつ接着力を維持することができる点で、好ましい。
<エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50>
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]は、柔軟で低温でも硬くなりにくく、引き裂き強度が大きく、ひび割れし難い。また、ヒートシール性が良く、透明性に優れている。酢酸ビニルの含有量が高いほど、低温でのヒートシール性が良くなる。そのため、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50は、接着層並びに充填層などとして好適に利用することができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50の厚さは、特に限定されない。例えば50μm〜1500μm、好ましくは100μm 以上或いは1000μm以下、さらには150μm以上或いは800μm以下であるのが好ましい。上記厚みが50μm以上であれば、作業性の観点で、耐久性や強度に問題が生ずることがなく、上記厚みが1500μm以下であれば、生産性の低下や密着性の低下を招来することもないから好ましい。
<積層構成>
本積層板は、図1にポリカーボネート樹脂系積層板90として示すように、ポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一側に、接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40Bが順次積層されてなる構成を備えていればよく、他の層をさらに備えていてもよい。
例えば、図1にポリカーボネート樹脂系積層板100として示すように、接着層40A又は表面処理層40Bに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を積層してもよいし、さらに該エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50に、防湿層60、接着層70、防汚層80のいずれか1つ以上を積層してなる構成を備えていてもよい。
また、ポリカーボネート樹脂系基材層10の片面又は両面、もしくはポリカーボネート樹脂系基材層10と接着層20の間に紫外線吸収層15を設けてもよい。
紫外線吸収層15は、例えばポリカーボネート樹脂を主剤とし、これに紫外線吸収剤を1〜10質量%含有した10μm〜100μmの厚さの層として形成することができる。
紫外線吸収物質としては、紫外線吸収性能を有すれば特に制限はなく、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、トリアジン等を挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。なお、上記した紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート樹脂として、市販されているものを使用することができ、例えば、帝人化成社製のパンライトL5250ZSを用いることができる。
次に、上述した防湿層60、接着層70、防汚層80について順次説明する。
(防湿層60)
防湿層60の主成分としては、例えばバリア性(防湿性)の高いポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートの酸およびグリコール変性コポリエステル(PCTA)等を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
防湿層60の厚さは、特に限定するものでない。1μm〜250μm、好ましくは20μm以上或いは100μm以下、さらには30μm以上或いは70μm以下であるのが好ましい。上記厚みが1μm以上であれば、良好な取り扱い性を維持することができ、歩留まりが低下することもない。他方、上記厚みが250μm以下であれば、コスト高となるようなこともない。
ガスバリア性をさらに高めるため、上記防湿層60の少なくとも一方に、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、シリカ、アルミナ、酸化チタンあるいはそれらの混合物などの無機化合物の蒸着膜からなる蒸着層を5nm〜300nmの厚さで設けてもよい。
(接着層70)
接着層70の主成分としては、例えばエチレン−メタクリル酸共重合樹脂(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、アクリル系樹脂、アイオノマー等を挙げることができ、これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着層70の厚さは、特に限定されないが、50μm〜1500μm、好ましくは100μm〜1000μm、さらには150μm〜800μmであるのが好ましい。上記厚みが50μm以上であれば、作業性の観点で、耐久性や強度を維持することができ、上記厚みが1500μm以下であれば、生産性の低下や密着性の低下を招来するようなこともない。
(防汚層80)
防汚層80の主成分は、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性に優れたアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、または、これらの混合物などを挙げることができる。
なお、フッ素系樹脂としては、上記したフッ素系樹脂層30におけるものと同様のものを用いることができる。
防汚層80の厚さは、特に限定されないが、1μm〜200μm、好ましくは15μm以上或いは150μm以下、さらには30μm以上或いは100μm以下であるのが好ましい。上記厚みが1μm以上であれば、良好な取り扱い性を維持することができ、歩留まりが低下するようなこともない。他方、上記厚みが100μm以下であれば、コスト高となるようなこともない。
<その他の成分>
本積層板には、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の熱安定剤、酸化防止剤(リン系やフェノール系酸化防止剤等)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾールやトリアジン等)、光安定剤、近赤外線吸収剤(イオウ、硫黄系化合物、銅系化合物およびその他の近赤外線吸収物質等)、着色剤、蛍光増白剤、滑剤、離型剤、アンチブロッキング剤(シリカ、架橋ポリスチレンビーズ等)、加工助剤、充填剤、抗菌剤、防カビ剤、軟化材、帯電防止剤、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)、難燃剤、ドリップ防止剤、難燃助剤等の添加剤を含有していてもよい。
<厚さ>
本積層板の厚さは、用途に応じて設計すればよく、特に限定するものではない。但し、一般的に厚さが大きくなれば反りが減少する傾向はあるが、本積層板においては、厚さが1.5mm〜2.5mmであっても、次に規定する反りが2mm/200mm以下となることが特徴の一つである。
<物性>
本積層板は、前記ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A又は表面処理層40Bに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を熱ラミネートした時に、熱ラミネート後のポリカーボネート樹脂系積層板の反りが2mm/200mm以下であることが重要であり、特に1.5mm/200mm以下であるのが好ましく、中でも特に1mm/200mm以下であることがさらに好ましい。
本積層板は、前記ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A又は表面処理層40Bに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を熱ラミネートした時に、フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50の剥離接着強さが40N/25mm以上(JIS K6854準拠、剥離速度100mm/分、剥離角度180°、測定幅25mm)であることが重要であり、特に50N/25mm以上であるのが好ましく、中でも特に60N/25mm以上であることがさらに好ましい。
さらに本積層板は、前記ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A又は表面処理層40Bに、温度85℃、湿度85%の環境下において、前記フッ素系樹脂層30と前記エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50との1000時間保存後の剥離接着強さが20N/25mm以上(JIS K6854準拠、剥離速度100mm/分、剥離角度180°、測定幅25mm)であることが好ましく、特に25N/25mm以上であるのがより好ましく、中でも特に30N/25mm以上であることがさらに好ましい。
ポリカーボネート樹脂系基材層10を主な材料の一つとするポリカーボネート樹脂系積層板に対してエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]を熱ラミネートする場合、高温でラミネートを行えば、剥離接着強さを高めることができる反面、線膨張係数の差の影響を多大に受けて、熱ラミネート後に積層板に反りが発生する一方、ラミネート温度を低温にすれば、反りは低減できるが、十分な剥離接着強さを得ることができないという課題がある。これに対して、本積層板は、上述のように、ポリカーボネート樹脂系基材層10にフッ素系樹脂層30を積層すると共に、このフッ素系樹脂層30層に特定の接着層40A又は表面処理層40Bを積層することで、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50と好適に接着するようにして、十分な剥離接着強さを得るとともに反りを抑えることに成功し、さらには、長時間にわたり高温多湿等の環境に曝されても、剥離が抑制され、透明性を低下させないようにすることができたものである。
<製造方法>
本積層板を製造する方法について以下に説明する。
本積層板は、接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40Bが積層してなる積層フィルム25を形成する工程(1)、ポリカーボネート樹脂系基材層10を押出して、冷却ロールにより板状にする際に、または、板状にした後に再加熱する際に、該ポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一方に、前記積層フィルム25の接着層20側を熱ラミネートすることによりポリカーボネート樹脂系積層板を得る工程(2)、該ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A又は表面処理層40Bにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を熱ラミネートする工程(3)を経て製造することができる。
以下、このような本積層板の製造方法について具体的に詳述する。
先ず、接着層20とフッ素系樹脂層30を積層したフィルム25を形成する。
フィルム25の形成方法は特に限定されず、例えば、接着層20用の押出機及びフッ素系樹脂層30用の押出機から溶融混練される溶融物を押出ダイの手前のアダプターあるいは押出ダイの中で合流させることによって積層フィルムを形成させることができる。
なお、積層フィルム25として、市販されているものを使用することができる。例えば、電気化学社製「デンカDXフィルム」、三菱レイヨン「アクリプレン」等を用いることができる。
上記のように形成したフィルム25のフッ素系樹脂層30側に、接着層40A又は表面処理層40Bを塗布乾燥、蒸着、もしくは表面処理により形成する。
上記の塗布方法としては、例えばグラビアコート法、リバースコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、スプレーコート法、フローコート法、ダイコート法、コンマコート法、ディッピング法、オフセット法、バーコート法等のいずれの方法によっても塗布することが可能であり、通常の乾燥工程あるいは、必要に応じては熱硬化工程を通しても構わない。
塗布前にフッ素系樹脂層30側表面にコロナ処理を行うことが好ましい。コロナ処理は、通常公知の方法によって行うことができ、例えば表面の濡れ指数を50mN/m程度とすることが好ましい。
上記の蒸着方法としては、特に限定されず、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)等を挙げることができる。
表面処理方法としては、特に限定されず、例えば、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、火炎処理、ケミカルエッチング処理、オゾン処理、グロー放電処理、紫外線処理、赤外線処理、溶剤処理等を挙げることができる。
このようにして、接着層20、フッ素系樹脂層30および接着層40A又は表面処理層40Bからなる積層フィルム45を形成することができる。
他方、上記積層フィルム45とは別に、ポリカーボネート樹脂系基材層10を形成する。基材層10の形成方法は特に限定されず、例えば、押出機を用いて、ポリカーボネート樹脂をTダイから溶融押出することにより、形成することができる。
そして、ポリカーボネート樹脂を押出して、冷却ロールによりシート状に成形した後、ヒーターで再加熱して温度を130℃〜160℃に上昇させ、上記した積層フィルム45の接着層20側を、基材層10に接するようにして積層し、これらを熱ラミネートさせることができる。
また、ポリカーボネート樹脂を押出して、冷却ロールによりシート状にする際に、上記した積層フィルム45の接着層20側を、基材層10に接するようにして積層し、これらを熱接着させることができる。
さらに、基材層10シートを一旦冷却して製造してから、再度これを加熱して、積層フィルム45と接着させてもよい。このようにして、基材層10、積層フィルム45からなるポリカーボネート樹脂系積層板90を形成することができる。
次に、上記ポリカーボネート樹脂系積層板90を、熱風循環式乾燥機または真空乾燥機を用いて、乾燥温度100℃〜130℃、乾燥時間0.5〜5時間の条件で予備乾燥を行う。
次に、好ましくは乾燥後1時間以内に、ポリカーボネート樹脂系積層板90の接着層40A又は表面処理層40B側にエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50、さらに防湿層60、接着層70、防汚層80を積層し、真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネーション法等の通常の成形法を利用し、ラミネート温度120℃〜135℃、ラミネート時間20分〜60分の条件で、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、ポリカーボネート樹脂系積層板100を製造することができる。
<用途>
本積層板は、透明性、接着力、耐熱性、耐湿性、耐久性、低反り性に優れたものとすることができるため、例えば、産業装置向けカバーや窓材、車両のカバーや窓材、車両用屋根材、建築物用窓材、建築物用外壁材、カーポートやテラスなどの簡易屋根材、道路用防音壁、ディスプレイ用面板等として好適に利用することができる。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
「Aの主剤」或いは「Aの主成分」と表現する場合(Aは任意の樹脂組成物)、特に限定しない限り、当該主剤或いは主成分は、Aの樹脂成分の50質量%以上、特に80質量%以上、中でも特に90質量%以上(100質量%を含む)を占めることを意味している。
以下、本発明について実施例及び比較例によりその実施形態と効果について具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。実施例及び比較例中に記載の評価結果は下記の試験方法にて測定した。
[外観評価]
初期及び温度85℃、湿度85%環境下で1000時間保存後の積層板の外観を目視評価した。
○:外観異常なし
×:剥離、気泡、白化のいずれかが発生
[剥離接着強さ]
JIS K6854に準拠した方法で、測定幅25mm幅、剥離速度100mm/分、剥離角度180°の条件で、初期及び温度85℃、湿度85%環境下で1000時間保存後のフッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50の間の剥離接着強さを測定した。
初期で40N/25mm以上(材料破壊、剥離不能も含む)の強度が出ているものを○、1000時間保存後で20N/25mm以上の強度が出ているものを○、それ以外は×とした。
なお、ここでの初期とは、フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50とを接着させた後、常温で24時間放置した後の状態を意味する。
また、表中の「材料破壊<100」は、剥離接着強さが100N/25mmを超えたため、材料破壊したことを示している。
[反り]
温度23℃の室内で、200mm角の積層板を水平な机上に静置し、最も反り上がった点と机の表面との隙間を鋼尺で測定した。隙間が2mm以下である場合は○、隙間が2mmを超える場合は×とした。
[総合評価]
上記評価結果の合格、不合格を全体的に評価したものである。評価結果で、全て○であれば総合評価○と表示して合格とし、×が1つ以上あれば、総合評価×と表示して不合格とした。
(実施例1)
厚さ45μmのアクリル系樹脂(接着層20)と、厚さ5μmのポリフッ化ビニリデン樹脂[PVDF](フッ素系樹脂層30)とを積層して積層フィルム25(三菱レイヨン社製「アクリプレンFBS006」)を形成した。
当該積層フィルム25のフッ素系樹脂層30の表面にコロナ処理を行い、グラビアコート法により接着剤組成物を塗布し、乾燥させて、厚さ5μmの接着層40を形成し、積層フィルム45を得た。
この際、接着層40の接着剤組成物として、ポリオレフィン系接着剤(Tg:20℃)、ブロックイソシアネート系硬化剤(NCO10%含有、NCOブロック解離温度=130℃)及びエポキシ系硬化剤(主成分:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル)を100:3:3の質量割合で混合したものである。
ポリカーボネート樹脂[PC](三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス7027U」)を押出機のホッパーに投入し、温度280℃で溶融し、次いで、ギヤポンプを通してシーティングダイを用いて押出した後、鏡面金属ロールのポリシング装置を通過させシート状に賦形してポリカーボネート樹脂系基材層10を形成すると同時に、該ポリカーボネート樹脂系基材層10に積層フィルム45におけるアクリル系樹脂(接着層20)側を重ねて熱ラミネートして、積層フィルム45と基材層10とが積層してなる全厚さ2.0mmのポリカーボネート樹脂[PC]積層板90を作製した。
得られたポリカーボネート樹脂[PC]積層板90を、真空乾燥機で乾燥温度130℃、乾燥時間30分の予備乾燥した後、積層フィルム45側の接着層40上に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50(三井化学ファブロ社製ソーラーエバ、厚さ250μm)、防湿層60として厚さ50μmのポリエチレンナフタレート[PEN]フィルム(帝人化成社製テオネックス)、接着層70として厚さ250μmのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]シート(三井化学ファブロ社製ソーラーエバ)、防汚層80として厚さ50μmのポリエチレンテトラフルオロエチレン[ETFE](ダイキン工業社製ネオフロン)をこの順に積層し、真空加熱圧着式ラミネーターを用いて、135℃で30分間加熱するラミネートして、ポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を作製した。
(実施例2)
ラミネート条件を120℃で30分間加熱に変更した以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例3)
接着層40を形成する代わりに、フッ素系樹脂層30の表面にプラズマ処理を行った以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例4)
アクリル樹脂とポリフッ化ビニリデン樹脂[PVDF]との混合物(質量比80/20)からなる厚さ33μmの接着層20と、ポリフッ化ビニリデン樹脂[PVDF]とアクリル樹脂の混合物(質量比80/20)からなる厚さ17μmのフッ素系樹脂層30とが積層してなる積層フィルム25(電気化学工業社製「デンカDXフィルム14S2250」)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例5)
厚さが38μmのポリフッ化ビニル[PVF](フッ素系樹脂層30)フィルム(デュポン社製テドラー)の表面にグラビアコート法によりアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製ダイヤナール)を塗布し、乾燥させて、厚さ10μmの接着層20を形成して積層フィルム25を得た。このようにして積層フィルム25を得た以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例6)
厚さが25μmのエチレン−テトラフルオロエチレン[ETFE](フッ素系樹脂層30)フィルム(ダイキン工業社製ネオフロン)の表面にグラビアコート法によりアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製ダイヤナール)を塗布し、乾燥させて、厚さ10μmの接着層20を形成して積層フィルム25を得た。このようにして積層フィルム25を得た以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例7)
厚さが25μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体[PFA](フッ素系樹脂層30)フィルム(ダイキン工業社製ネオフロン)の表面にグラビアコート法によりアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製ダイヤナール)を塗布し、乾燥させて、厚さ10μmの接着層20を形成して積層フィルム25を得た。このようにして積層フィルム25を得た以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例8)
厚さが25μmのテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体[FEP](フッ素系樹脂層30)フィルム(ダイキン工業社製ネオフロン)の表面にグラビアコート法によりアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製ダイヤナール)を塗布し、乾燥させて、厚さ10μmの接着層20を形成して積層フィルム25を得た。このようにして積層フィルム25を得た以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例9)
厚さが25μmのポリクロロトリフルオロエチレン[PCTFE](フッ素系樹脂層30)フィルム(ダイキン工業社製ネオフロン)の表面にグラビアコート法によりアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製ダイヤナール)を塗布し、乾燥させて、厚さ10μmの接着層20を形成して積層フィルム25を得た。このようにして積層フィルム25を得た以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例10)
厚さが50μmのポリテトラフルオロエチレン[PTFE](フッ素系樹脂層30)フィルム(ニチアス社製ナフロン)の表面にグラビアコート法によりアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製ダイヤナール)を塗布し、乾燥させて、厚さ10μmの接着層20を形成して積層フィルム25を得た。このようにして積層フィルム25を得た以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例11)
紫外線吸収層15として紫外線吸収剤を含有するポリカーボネート樹脂[紫外線吸収PC](帝人化成社製「パンライトL5250ZS」)とポリカーボネート樹脂[PC]からなる基材層10(三菱エンジニアリングプラスチックス社製「ノバレックス7027U」)を、それぞれ別々の押出機のホッパーに投入し、いずれも温度280℃で溶融し、次いで、フィードブロック式のTダイを用いて共押出した後、鏡面金属ロールのポリシング装置を通過させシート状に賦形し、厚さ比が50/1900(紫外線吸収層15/基材層10)であるシートを得るのと同時に、積層フィルム45と基材層10の紫外線吸収層側とを熱ラミネートした以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(実施例12)
接着層40の接着剤組成物として、ポリオレフィン系接着剤(Tg:20℃)とブロックイソシアネート系硬化剤(NCO10%含有、NCOブロック解離温度=130℃)とを100:3で混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例1)
ラミネート条件を150℃で30分間加熱すること以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例2)
ラミネート条件を110℃で30分間加熱すること以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例3)
接着層40を設けない以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例4)
アクリル系樹脂(接着層20)、ポリフッ化ビニリデン樹脂[PVDF](フッ素樹脂層30)の2層が形成された積層フィルム25(三菱レイヨン社製「アクリプレンFBS006」)の代わりに厚さが50μmのアクリル系樹脂フィルム(カネカ社製「サンデュレンSD014NRT」)を用いる以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例5)
アクリル系樹脂(接着層20)、ポリフッ化ビニリデン樹脂[PVDF](フッ素樹脂層30)の2層が形成された積層フィルム25(三菱レイヨン社製「アクリプレンFBS006」)の代わりに、厚さが25μmのポリエチレンテトラフルオロエチレン[ETFE]フィルム(ダイキン工業製ネオフロン)を用いる以外は実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例6)
接着層40の接着剤組成物として、ポリオレフィン系接着剤(Tg:20℃)からなるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
(比較例7)
接着層40の接着剤組成物として、ポリオレフィン系接着剤(Tg:20℃)とイソシアネート系硬化剤(主成分:ヘキサメチレンジイソシアネート、NCO13%含有)からなるものを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート樹脂[PC]積層板100を得た。
Figure 0005714992
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以上の結果から、本発明のポリカーボネート樹脂系積層板は、120℃〜135℃の低いラミネート温度においても、反りが抑えられ、気泡、白化、剥離を生じず、温度85℃、湿度85%という過酷な環境下で1000時間経過しても、剥離接着強さの低下、剥離を生じないことから、優れた透明性、接着力、耐熱性、耐湿性、耐久性および低反り性を有することが分かった。
10・・・ポリカーボネート樹脂系基材層
15・・・紫外線吸収層
20・・・接着層
25・・・フィルム
30・・・フッ素系樹脂層
40・・・接着層40A又は表面処理層40B
45・・・積層フィルム
50・・・エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層
60・・・防湿層
70・・・接着層
80・・・防汚層
90・・・ポリカーボネート樹脂系積層板
100・・・ポリカーボネート樹脂系積層板

Claims (10)

  1. ポリカーボネート樹脂を主剤とするポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一側に、接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40Bが順次積層され、
    接着層(40A)又は表面処理層(40B)に、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層(50)が積層されてなる構成を備えたポリカーボネート樹脂系積層板であって、
    前記ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A或いは表面処理層40Bに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を接着後のポリカーボネート樹脂系積層板の反りが2mm/200mm以下となり、かつ、
    フッ素系樹脂層30とエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50との剥離接着強さが40N/25mm以上(JIS K6854準拠、剥離速度100mm/分、剥離角度180°、測定幅25mm)となることを特徴とするポリカーボネート樹脂系積層板。
  2. 前記ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A或いは表面処理層40Bに、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を接着した時、温度85℃、湿度85%の環境下において1000時間保存後、前記フッ素系樹脂層30と前記エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50との剥離接着強さが20N/25mm以上(JIS K6854準拠、剥離速度100mm/分、剥離角度180°、測定幅25mm)となることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  3. 接着層40Aは、オレフィン系接着剤及びブロックイソシアネート系硬化剤を含有するオレフィン系接着剤組成物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  4. 接着層40Aは、オレフィン系接着剤、ブロックイソシアネート系硬化剤及びエポキシ系硬化剤を含有するオレフィン系接着剤組成物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  5. エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50に、防湿層60、接着層70、防汚層80のいずれか1つ以上が積層されてなる構成を備えた請求項1〜4の何れかに記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  6. 前記接着層20が、アクリル系樹脂、又は、アクリル系樹脂とフッ化ビニリデン系樹脂との混合物からなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  7. フッ素系樹脂層30を構成するフッ素系樹脂が、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアクリルの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  8. 前記ポリカーボネート樹脂系基材層10と、前記接着層20との間に、紫外線吸収層15を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のポリカーボネート樹脂系積層板。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載のポリカーボネート樹脂系積層板の製造方法であって、
    接着層20、フッ素系樹脂層30、及び、接着層40A或いは表面処理層40Bが積層してなる積層フィルム25を形成する工程、
    ポリカーボネート樹脂系基材層10を押出して、冷却ロールにより板状にする際に、または、板状にした後に再加熱する際に、該ポリカーボネート樹脂系基材層10の少なくとも一側に、前記積層フィルム25の接着層20側を熱ラミネートすることによりポリカーボネート樹脂系積層板を得る工程、
    該ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A又は表面処理層40Bにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を熱ラミネートする工程、
    を備えたポリカーボネート樹脂系積層板の製造方法。
  10. 該ポリカーボネート樹脂系積層板の接着層40A又は表面処理層40Bにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂[EVA]層50を熱ラミネートする際の熱ラミネート温度が120℃〜135℃であることを特徴とする請求項9に記載のポリカーボネート樹脂系積層板の製造方法。
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