JP5972724B2 - 監視制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、コントローラと複数の監視装置とがデータを送受可能に接続されて構成され、監視装置を介して水処理プラント内に設置された対象装置の監視制御を行う監視制御システムに関する。
浄水場や下水処理場等の水処理プラントの監視制御システムは、水処理プラント内の装置(対象装置)の運転状態を制御するコントローラや、異なる監視場所に設置された複数の監視装置等を備えて構成され、監視装置を介して水処理プラントの遠隔監視を行うとともに、適宜対象装置の運転状態を指示する操作(運転状態指示操作)を受け付けてその手動制御を行っている。
また、このような監視制御システムによる遠隔監視は水処理プラントの運転管理者によって行われるものであるが、これとは別に、その運転内容を運転管理者以外の第三者に監視・評価させるようにしたものも知られている(特許文献1を参照)。
ところで、前述のような監視制御システムでは、通常、特定の監視装置のみに操作権を与えることで別々の監視装置での重複操作を防止している。具体的には、従来の監視制御システムでは、監視場所毎の判定用回路をコントローラ側に設けて各々の監視場所における操作権の有無を個別に判定し、該当する監視場所に操作権が与えられていると判定した判定用回路が対応する監視装置に対して運転状態指示操作を許可する通知を出力することで、操作権が与えられている監視場所の監視装置だけが運転状態指示操作を行えるようにしている。
特開2008−59144号公報
しかしながら、上記した従来の監視制御システムの構成では、各監視場所に対応する監視場所毎の判定用回路をコントローラに設ける必要があるため、監視場所の数が多ければ搭載する判定用回路の数も増大し、監視場所を追加する場合にあっては新たにその監視場所用の判定用回路をコントローラに増設する必要があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、必要な構成を増やすことなく、異なる監視場所での重複操作を防止して運転状態指示操作を適正に受け付けることができる監視制御システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる監視制御システムは、コントローラと複数の監視装置とがデータを送受可能に接続されて構成され、前記監視装置を介して水処理プラント内に設置された対象装置の監視制御を行う監視制御システムであって、前記コントローラは、少なくとも前記複数の監視装置のうちの特定の監視装置に与えられる操作権を示す操作権設定の現在値を前記監視装置からの操作通知に応じて管理する管理手段と、前記監視装置からの操作通知に応じて前記対象装置の運転状態を制御する運転状態制御手段と、を備え、前記監視装置は、前記管理手段によって管理されている前記操作権設定の現在値を取得する操作権取得手段と、自装置のログイン名を取得するログイン名取得手段と、前記操作権設定の現在値と前記ログイン名とをもとに、自装置において前記対象装置の運転状態を指示する運転状態指示操作が可能か否かを判定する監視装置側判定手段と、操作権を指示する操作権指示操作および前記運転状態指示操作を受け付けるための操作画面を表示処理し、受け付けた操作を前記コントローラに通知する表示処理手段と、を備え、前記表示処理手段は、前記監視装置側判定手段が操作可能と判定した場合は前記運転状態指示操作を受け付ける態様で前記操作画面を表示処理し、操作不可と判定した場合は前記運転状態指示操作を受け付けない態様で前記操作画面を表示処理することを特徴とする。
また、本発明にかかる監視制御システムは、上記発明において、前記監視制御システムは、前記対象装置の近傍に設置され、監視装置または現場盤を示す操作場所設定の現在値をもとに、該操作場所設定の現在値が現場盤を示す場合は当該現場盤に対する操作に応じて前記対象装置の運転および停止を切り換える一方、監視装置を示す場合は前記コントローラによる前記運転状態の制御下で前記対象装置の運転および停止を切り換える現場盤を備え、前記管理手段は、前記操作場所設定の現在値をさらに管理し、前記コントローラは、前記操作場所設定の現在値が監視装置を示す場合に前記運転状態指示操作の許可通知を前記複数の監視装置の各々に出力するコントローラ側判定手段を備え、前記監視装置側判定手段は、前記コントローラから前記許可通知が入力されていることを条件に前記運転状態指示操作の可否を判定することを特徴とする。
また、本発明にかかる監視制御システムは、上記発明において、前記管理手段は、前記対象装置の自動制御を行う自動モードまたは前記対象装置の手動制御を行う手動モードを示すモード設定の現在値をさらに管理しており、前記コントローラ側判定手段は、前記操作場所設定の現在値が監視装置を示す場合であって、かつ前記モード設定の現在値が手動モードを示す場合に、前記許可通知を前記複数の監視装置の各々に出力し、前記運転状態制御手段は、前記モード設定の現在値が自動モードを示す場合は前記対象装置の運転状態を自動制御する一方、手動モードを示す場合は前記操作通知に応じた制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、監視装置の各々が操作権設定の現在値とログイン名とをもとに自装置において運転状態指示操作が可能か否かを判定することができるので、従来の監視制御システムのように、各監視場所における操作権の有無を個別に判定する構成をコントローラ側に設ける必要がない。そして、運転状態指示操作が可能と判定した場合は運転状態指示操作を受け付ける態様で操作画面を表示処理し、操作不可と判定した場合は運転状態指示操作を受け付けない態様で操作画面を表示処理することができる。したがって、必要な構成を増やすことなく、異なる監視場所での重複操作を防止して運転状態指示操作を適正に受け付けることができる。
図1は、監視制御システムの概略構成例を示すブロック図である。 図2は、監視装置の機能構成例を示すブロック図である。 図3は、現場盤および監視装置におけるNo.1ポンプの運転に関する操作およびこの操作に伴う運転状態の制御について説明する模式図である。 図4−1は、監視装置(A所)に表示される操作画面例を示す図である。 図4−2は、監視装置(B所)に表示される操作画面例を示す図である。 図5は、運転状態指示操作の可否判定の手順を説明する説明図である。 図6は、実施の形態における操作受付処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、従来の監視制御システムにおける運転状態指示操作の可否判定の手順を説明する図である。 図8は、モード指示操作および運転状態指示操作の可否判定の手順を説明する説明図である。 図9は、変形例における操作受付処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の監視制御システムを実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
(実施の形態)
図1は、本実施の形態の監視制御システム1の概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、監視制御システム1は、対象装置10(10−1,2,・・・)と、現場盤20(20−1,2,・・・)と、コントローラ30と、監視装置40(40−1,2,・・・)とがデータを送受可能に接続されて構成されている。
この監視制御システム1が適用される浄水場や下水処理場等の水処理プラントは、河川水や湖水、汚水等を水処理するためのいくつかの水槽を備えており、これら水槽を設けた現場には、例えばポンプ10−1やバルブ10−2等の必要な機器が設置されている。監視制御システム1は、これらポンプ10−1やバルブ10−2等の機器を監視制御対象の対象装置10とし、対象装置10の制御を行う。具体的には、監視制御システム1は、予め対象装置10を自動制御するために定められる制御情報等に従って自動的に、あるいは監視装置40や現場盤20に対するオペレータの操作に応じて手動で、対象装置10の運転状態(運転/停止)を制御する。
現場盤20は、対象装置10が設置された現場において対象装置10の近傍に設置される。この現場盤20は、対応する対象装置10の運転に関するオペレータの操作を促す操作画面を表示し、表示画面と一体形成されたタッチセンサによって前述の操作を受け付ける。例えば、ポンプ10−1の現場盤20はポンプ10−1の設置位置近傍に設置され、ポンプ10−1の運転に関する操作が可能な操作場所を指示する操作、ポンプ10−1の運転状態を指示する操作等を受け付ける。同様に、バルブ10−2の現場盤20はバルブ10−2の設置位置近傍に設置され、バルブ10−2の運転に関する操作が可能な操作場所を指示する操作、バルブ10−2の運転状態を指示する操作等を受け付ける。そして、現場盤20は、操作指示された操作場所や運転状態をコントローラ30に通知する。
この現場盤20は、操作画面に対する操作に応じて対応する対象装置10に運転指令または停止指令を出力して対象装置10の運転/停止を切り換える指令出力部21(図3を参照)を備えている。また、現場盤20には、コントローラ30から切換制御通知が入力されるようになっており、指令出力部21は、この切換制御通知に従って対応する対象装置10に運転指令または停止指令を出力する。これにより、対応する対象装置10の運転状態が自動または手動で切り換わる。その他、現場盤20は、コントローラ30によって収集・演算処理される計測値や演算値のうちの該当する対象装置10の運転において監視が必要な値を取得し、画面表示してオペレータに提示する等の処理を行う。
コントローラ30は、水処理プラント内の適所で計測される例えば処理水の流量や水位、温度、pH等の計測値を収集するとともに、これら計測値を適宜演算処理する。また、コントローラ30は、例えば、演算値や計測値等をもとに、事前に定められる所定条件に従って対象装置10のモード(自動モード/手動モード)を切り換えて設定する。
このコントローラ30は、監視制御対象の対象装置10の運転状態を自動または手動で制御する。具体的には、コントローラ30は、自動モードの設定時には、上記した制御情報に従い、適宜計測値や演算値を参照しながら対象装置10の運転指令または停止指令を指定した切換制御通知を随時該当する対象装置10の現場盤20に出力する。一方、手動モードの設定時においては、コントローラ30は、監視装置40からの運転状態の操作通知に応じて対象装置10の運転指令または停止指令を指定した切換制御通知を該当する対象装置10の現場盤20に出力する。
また、コントローラ30は、モードを切り換えた際に現在のモード設定を更新するとともに、現場盤20から入力される操作場所に応じて該当する対象装置10の現在の操作場所設定を更新し、監視装置40から入力される操作権に応じて該当する対象装置10の現在の操作権設定を更新し、現場盤20および監視装置40から入力される運転状態に応じて該当する対象装置10の現在の運転状態設定を更新する。
監視装置40は、水処理プラントを遠隔から監視するためのものであり、例えば、中央監視室や電気室等の現場から離れた複数の監視場所に各々設置される。この監視装置40は、コントローラ30によって収集・演算処理される計測値および演算値のうち、水処理プラントを運用する上で監視が必要なものを取得する。そして、監視装置40は、取得した監視制御項目値を提示した監視画面を表示するとともに、この監視制御項目値を例えば閾値処理して異常を判定し、異常と判定した場合に警報の出力を行う。警報の出力は、監視装置40に画面表示することで行ってもよいし、水処理プラント内の適所に設置したスピーカから警報音を出力する構成としてもよい。
また、監視装置40は、監視制御対象の対象装置10の運転に関するオペレータの操作を促す操作画面を表示し、表示画面と一体形成されたタッチセンサによって前述の操作を受け付ける。例えば、監視装置40は、運転状態を指示する運転状態指示操作、この運転状態指示操作の操作権を指示する操作権指示操作等を対象装置10毎に受け付ける。そして、監視装置40は、操作権指示操作に応じて該当する対象装置10についての操作権をコントローラ30に出力し、運転状態指示操作に応じて該当する対象装置10についての運転状態をコントローラ30に出力することで、受け付けた操作をコントローラ30に通知する。
なお、図1中には図示していないが、コントローラ30と監視装置40との間には、コントローラ30によって更新される操作場所設定、操作権設定、モード設定、および運転状態設定の現在値、各監視装置40のログイン名、コントローラ30によって収集・演算処理される計測値や演算値等、監視装置40が監視画面や操作画面を表示する際等に用いるデータを保持するサーバが適宜設置される。
図2は、監視装置40の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、監視装置40は、入力部41と、表示部43と、通信部45と、記憶部47と、各部を制御する制御部49とを含む。この監視装置40は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いて実現される。
入力部41は、表示部43の表示画面と一体形成されたタッチセンサの他、キーボードやマウス、スイッチ等の各種入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた入力信号を制御部49に出力する。表示部43は、LCDやELディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現されるものであり、制御部49から入力される表示信号をもとに監視画面や操作画面等の各種画面を表示する。通信部45は、LANや専用回線、インターネット、イントラネット等の各種通信網を介して外部(例えば不図示のサーバ等)とのデータ通信を行う。この通信部45は、モデムやTA、通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
記憶部47は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、DVD−ROM等の情報記憶媒体およびその読取装置等によって実現されるものである。この記憶部47には、監視装置40を動作させ、この監視装置40が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に保存され、あるいは処理の都度一時的に保存される。
制御部49は、CPU等で実現され、入力部41から入力される入力信号、通信部45から入力される外部からのデータ、記憶部47に保存されるプログラムやデータ等をもとに、監視装置40を構成する各部への指示やデータの転送等を行って監視装置40の動作を制御する。この制御部49は、操作権指示操作および運転状態指示操作を受け付けてその操作をコントローラ30に通知するための機能部として、操作権取得手段としての操作権取得部491と、ログイン名取得手段としてのログイン名取得部493と、監視装置側判定手段としての監視装置側判定部495と、表示処理手段としての表示処理部497とを含む。
以下、A所およびB所の2箇所に監視装置40を設置し、水処理プラント内にいくつか設置されるうちの1台のポンプを対象装置10として監視・制御する場合を例に挙げて本実施の形態の監視制御システム1について詳細に説明する。なお、以下では、対象装置10として着目する1台のポンプをNo.1ポンプ101、No.1ポンプ101の現場盤20を現場盤201、A所に設置された監視装置40を監視装置(A所)401、B所に設置された監視装置40を監視装置(B所)403と表記・図示する。図3は、No.1ポンプ101の現場盤201および監視装置401,403におけるNo.1ポンプ101の運転に関する操作およびこの操作に伴うNo.1ポンプ101の運転状態の制御について説明する模式図である。
上記したように、現場盤201では、No.1ポンプ101の操作場所および運転状態を指示する操作を受け付ける。これら操作を受け付けるために現場盤201に表示される操作画面には、No.1ポンプ101の操作場所として図3に示す「現場」,「中央」の2つの選択肢が操作ボタンとして表示される。これら操作ボタンによって「現場」を操作指示すると、操作場所設定が「現場」に更新され、No.1ポンプ101の運転に関する操作が現場盤201に対して許可される。また、「中央」は、複数の監視装置40のいずれかを意味しており、「中央」を操作指示した場合には、No.1ポンプ101の運転に関する操作が中央側、本例では監視装置401,403に対して許可される。
また、現場盤201の操作画面には、No.1ポンプ101の運転状態として「運転」,「停止」の2つの選択肢が操作ボタンとして表示される。そして、No.1ポンプ101の運転に関する操作が現場盤201に対して許可されている場合には(A1)、「運転」を指示操作するとNo.1ポンプ101の運転指令が指令出力部21の論理和処理部211に出力され(A5)、「停止」を指示操作するとNo.1ポンプ101の停止指令が指令出力部21の論理和処理部212に出力される(A7)。
また、No.1ポンプ101の運転に関する操作が監視装置401,403に対して許可されている場合(A3)、監視装置401,403では、No.1ポンプ101の操作権指示操作および運転状態指示操作を受け付ける。図4−1は、これら操作権指示操作および運転状態指示操作を受け付けるために監視装置(A所)401に表示される操作画面例を示す図であり、図4−2は、監視装置(B所)403に表示される操作画面例を示す図である。
図4−1,2に示すように、監視装置401,403には、画面構成が同一の操作画面が表示される。そして、各操作画面には、操作権として「A所」,「B所」の2つの選択肢が操作ボタンB21,B22として表示され、No.1ポンプ101の運転状態として「運転」,「停止」の2つの選択肢が操作ボタンB23,B24として表示される。
これら操作ボタンB21〜B24のうち、操作ボタンB23,B24は、自装置が操作権を有しかつモード設定が「手動モード」の場合に操作可能となり、自装置に操作権がない場合やモード設定が「自動モード」の場合は操作不可となる。ここで、操作権は、例えば監視装置40が設置される監視場所毎に与えられるようになっており、本例では、A所またはB所に与えられる。したがって、操作ボタンB23,B24は、監視装置(A所)401の操作画面においては、操作権がA所に与えられており、かつモード設定が「手動モード」の場合に操作可能となる。これに対し、監視装置(B所)403の操作画面においては、操作ボタンB23,B24は、操作権がB所に与えられており、かつモード設定が「手動モード」の場合に操作可能となる。なお、本例では、A所およびB所にそれぞれ1台ずつ監視装置401,403が設置されることとしているが、各所に監視装置401,403が複数台設置される場合もある。この場合には、例えば操作権がA所に与えられている場合であれば、A所に設置される全ての監視装置(A所)401が操作権を有することとなる。
例えば、図4−1,2は、操作権がA所に与えられている場合であって、モード設定が「手動モード」の場合の操作画面例である。したがって、図4−1に示す監視装置(A所)401の操作画面では操作ボタンB23,B24の操作が可能であるのに対し、図4−2に示す監視装置(B所)403の操作画面では操作ボタンB23,B24は操作できないようになっている。そして、図4−2に示すように、監視装置(B所)403の操作画面では、操作ボタンB23,B24を例えば淡色表示する等して操作できないことがオペレータに対して視覚的に示される。このように、監視装置401,403では、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値に従い、自装置において運転状態指示操作が可能な場合は操作ボタンB23,B24の操作を受け付ける態様で、運転状態指示操作が不可の場合には操作ボタンB23,B24の操作を受け付けない態様で操作画面が表示される。
その他、操作画面の表示は、コントローラ30が随時更新する操作場所設定や運転状態設定の現在値をその更新時等において取得することで、現場盤201や他の監視装置40(この場合は相手方の監視装置401,403)での操作指示が反映されるようになっている。例えば、図4−1,2に示すように、操作画面では、操作ボタンB21〜B24の表示色を適宜変更する等して現在の操作場所設定および運転状態設定の設定状況がオペレータに示される。
そして、図3および図4−1に示すように、監視装置(A所)401では、操作ボタンB21を操作して「A所」を操作指示すると(A9)、モード設定が「自動モード」の場合は(A11)、コントローラ30によってNo.1ポンプ101の運転が自動制御され、随時No.1ポンプ101の運転指令または停止指令を指定した切換制御通知が指令出力部21の論理和処理部211,212に出力される(A13/A15)。
また、モード設定が「手動モード」の場合は(A17)、操作ボタンB23を操作して「運転」を操作指示すると(A19)、コントローラ30によってNo.1ポンプ101の運転指令を指定した切換制御通知が指令出力部21の論理和処理部211に出力される(A13)。操作ボタンB24を操作して「停止」を操作指示すると(A21)、コントローラ30によってNo.1ポンプ101の停止指令を指定した切換制御通知が指令出力部21の論理和処理部212に出力される(A15)。
ここで、現場盤201の指令出力部21は、No.1ポンプ101に対する最終的な指令(運転指令/停止指令)を出力してNo.1ポンプ101の運転および停止を切り換えるものである。この指令出力部21は、論理和処理部(OR)211,212,215、論理積処理部(AND)213、および反転処理部(NOT)214の組合せによって構成され、反転処理部214および論理和処理部215には、インターロック条件(成立:OFF/不成立:ON)が入力されるようになっている(A23)。インターロック条件は、水処理プラントに備えられる安全装置が水処理プラントを安全に運用するために監視するNo.1ポンプ101の運転許可条件である。
論理和処理部211は、現場盤201から運転指令が入力され(A5:ON)、またはコントローラ30から切換制御通知として運転指令が入力された場合(A13:ON)に、運転指令を論理積処理部213に出力する(A25:ON)。また、論理和処理部212は、現場盤201から停止指令が入力され(A7:ON)、またはコントローラ30から切換制御通知として停止指令が入力された場合(A15:ON)に、停止指令を論理和処理部215に出力する(A27:ON)。
論理積処理部213は、論理和処理部211の出力と反転処理部214の出力とのAND条件が成立した場合に、No.1ポンプ101に運転指令を出力する(A29)。すなわち、論理積処理部213は、論理和処理部211から運転指令が出力された際、インターロック条件が成立しておりNo.1ポンプ101の運転が許可されている場合には、論理和処理部211の出力(A25:運転指令=ON)と反転処理部214の出力(A31:ON)とのAND条件が成立するため、No.1ポンプ101に運転指令を出力する。これにより、No.1ポンプ101の運転状態が「運転」に切り換わる。これに対し、インターロック条件が成立しておらず、No.1ポンプ101の運転が許可されていない場合には、論理和処理部211の出力(A25:運転指令=ON)と反転処理部214の出力(A31:OFF)とのAND条件は成立しないため、論理積処理部213は、運転指令を出力しない。
論理和処理部215は、論理和処理部212から停止指令が入力され(A27:ON)、またはインターロック条件が不成立の場合(A23:ON)に、No.1ポンプ101に停止指令を出力する(A33)。これにより、No.1ポンプ101の運転状態が「停止」に切り換わる。
以上説明した監視制御システム1は、操作場所設定が「中央」であり、監視装置401,403に対してNo.1ポンプ101の運転に関する操作が許可されている場合における運転状態指示操作の可否をコントローラ30と監視装置401,403とで分担して判定するものである。
簡単に原理を説明する。先ず、監視装置401,403の操作画面は、操作場所設定が「中央」であることを前提に操作を受け付ける。そして、この操作画面で受け付ける操作権指示操作および運転状態指示操作のうち、運転状態指示操作は、操作場所設定が「中央」であることに加え、自装置が操作権を有し、モード設定が「手動モード」であることを条件に操作可能となる。具体的な条件(操作可能条件)は、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定を条件項目とし、各条件項目の値のAND条件(操作場所設定=「中央」&操作権設定=自装置の監視場所を示す値&モード設定=「手動モード」)で表すことができる。
ここで、操作場所設定およびモード設定の各条件項目が操作可能条件を満たすか否かは、その現在値と操作可能条件の値とを単に比較することで判定できる。これに対し、操作権設定が操作可能条件を満たすか否かについては、その現在値から操作権が与えられている監視場所を特定した上で、自装置の監視場所との一致/不一致を判別する必要があるが、各監視装置401,403が個々に自装置の監視場所とこの自装置の監視場所を示す操作権設定の値とを関連付けられれば、監視装置401,403側で自装置が操作権を有するか否かを判定することが可能となる。
図5は、具体的な運転状態指示操作の可否判定の手順を説明する説明図であり、併せてコントローラ30の構成を示している。なお、図5では、監視装置(A所)401に着目してデータ等の流れC1〜C11を示しており、監視装置(B所)403についても同様であるので図示を省略している。図5に示すように、コントローラ30は、条件項目管理部31と、コントローラ側判定部33と、運転状態制御部35とを含む。
条件項目管理部31は、操作可能条件の条件項目である操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値を管理する。
コントローラ側判定部33は、操作場所設定およびモード設定の現在値が操作可能条件を満たすか否かを判定する。このコントローラ側判定部33は、操作場所設定およびモード設定についての操作可能条件(操作場所設定=「中央」&モード設定=「手動モード」)を固定的に入力するとともに(C1)、条件項目管理部31から操作場所設定およびモード設定の現在値を入力し(C3)、各条件項目の値が一致する場合に、監視装置401,403に運転状態指示操作の許可通知(以下、実施の形態の説明において「操作許可通知」と呼ぶ。)を出力する(C5)。
運転状態制御部35は、自動モードの設定時においては自動的に、手動モードの設定時においては監視装置401,403からの運転状態指示操作の通知に応じて、上記した切換制御通知をNo.1ポンプ101の現場盤201に出力する。
一方、監視装置401,403では、操作受付処理の過程で操作権設定の現在値が操作可能条件を満たすか否かを判定する操作権判定処理を行い、その判定結果およびコントローラ30からの操作許可通知の有無に応じて操作権指示操作や運転状態指示操作を適宜受け付ける態様で操作画面の表示処理を行う(C7,C8)。
図6は、監視装置401,403が行う操作受付処理の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、監視装置401,403では、操作画面の表示に際し、先ず、操作権取得部491が、コントローラ30から操作権設定の現在値を取得する(ステップS1)。また、ログイン名取得部493が、自装置のログイン名を取得する(ステップS3)。このログイン名は、自装置にログインする際に入力が求められる認証情報であり、事前に設定される。
続いて、監視装置側判定部495が、コントローラ30から操作許可通知が入力されているか否かを判定する。そして、監視装置側判定部495は、操作許可通知が入力されていることを条件に(ステップS5:Yes)、操作権判定処理を行う(ステップS7)。この操作権判定処理では、監視装置側判定部495は、ステップS1で取得した操作権設定の現在値とステップS3で取得したログイン名とをもとに、操作権設定の現在値が操作可能条件を満たすか否か、すなわち、自装置が操作権を有するか否かを判定する。
本実施の形態では、ログイン名から自装置の監視場所を示す操作権設定の値を特定できるように、操作権が与えられる監視場所を示す操作権設定の値と、監視装置401,403のログイン名とを事前に設定しておく。具体的には、操作権設定の値は、監視場所に固有に割り当てた文字や文字列等とする。例えば、操作権がA所に与えられていることを示す操作権設定の値を「A」、操作権がB所に与えられていることを示す操作権設定の値を「B」とする。一方、ログイン名は、自装置の監視場所について前述のように割り当てられた文字等を含む文字列として設定する。例えば、最後尾の文字を「A」とする「LCDA」をA所に設置される監視装置(A所)401のログイン名とし、最後尾の文字を「B」とする「LCDB」をB所に設置される監視装置(B所)403のログイン名とする。そして、この場合には、監視装置側判定部495は、ステップS7において、操作権設定の現在値とログイン名の最後尾の文字とを比較し、一致する場合に自装置が操作権を有すると判定する。一致しなければ、自装置に操作権はないと判定する。
続いて、表示処理部497がステップS8〜ステップS11の処理を行い、操作権指示操作のための操作ボタンB21,B22、およびNo.1ポンプ101の運転状態指示操作のための操作ボタンB23,B24を配置した操作画面を表示部43に表示する処理を行う。
すなわち、表示処理部497は、ステップS7の操作権判定処理の判定結果に従い、自装置が操作権を有する場合には(ステップS8:Yes)、操作権指示操作および運転状態指示操作を受け付ける態様で操作画面を表示処理する(ステップS9)。コントローラ30から操作許可通知が入力されており、かつその後の操作権判定処理で自装置が操作権を有すると判定した場合は、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の全てが操作可能条件を満たしており、自装置において運転状態指示操作が可能なためである。一方、表示処理部497は、コントローラ30から操作許可通知が入力されていない場合や(ステップS5:No)、自装置に操作権がない場合には(ステップS8:No)、操作権指示操作のみを受け付け、運転状態指示操作については受け付けない態様で操作画面を表示処理する(ステップS11)。コントローラ30から操作許可通知が入力されていない場合や、入力されている場合であっても操作権判定処理で自装置に操作権がないと判定した場合には、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定のいずれかが操作可能条件を満たしていないため、自装置での運転状態指示操作が不可であるためである。
実際の操作画面の表示に際しては、操作ボタンB23,B24の操作可否と、操作許可通知の有無および操作権判定処理の判定結果の組合せによって定まる運転状態指示操作の可否とを関連付けた画面定義を用いる。この画面定義は、各監視装置401,403において共通のものとして用意することができる。具体的には、コントローラ30から操作許可通知が入力されており、操作権判定処理の結果自装置が操作権を有すると判定した場合に操作ボタンB23,B24を操作可能とし、入力されていない場合や自装置に操作権がないと判定した場合には操作不可とするように画面定義を事前に作成しておく。
その後、表示処理部497は、操作画面において操作ボタンB21〜B24が操作され、操作権指示操作または運転状態指示操作を受け付けた場合には(ステップS13:Yes)、該当する操作をコントローラ30に通知する(ステップS15)。
そして、図5に示すように、コントローラ30では、監視装置401,403からの運転状態指示操作の通知(C9)に応答し、運転状態制御部35が、監視装置401,403における運転状態指示操作に応じた切換制御通知をNo.1ポンプ101の現場盤201に出力する。また、監視装置401,403からの操作権指示操作の通知(C11)に応答し、条件項目管理部31が管理する操作権設定の現在値が更新される。
ここで、比較のため、図7を参照して、従来の監視制御システムにおける運転状態指示操作の可否判定の手順について説明する。なお、図7において、本実施の形態の監視制御システム1と同様の構成には同一の符号を付している。図7に示すように、従来の監視制御システムにおいても、本実施の形態と同様、各監視装置401a,403aは、操作権指示操作のための操作ボタンB21,B22、およびNo.1ポンプ101の運転状態指示操作のための操作ボタンB23,B24を配置し、操作権指示操作や運転状態指示操作を適宜受け付ける態様で操作画面の表示処理を行う。
一方、コントローラ30aは、条件項目管理部31と、A所用の判定用回路である操作可能条件判定部371aと、B所用の判定用回路である操作可能条件判定部373aと、運転状態制御部35aとを備える。
条件項目管理部31は、本実施の形態の監視制御システム1と同様に、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値を管理する。そして、これらのうちの操作権設定の現在値は、監視装置(A所)401aにおける操作権指示操作の通知(D1)や監視装置(B所)403aにおける操作権指示操作の通知(D3)に応じて更新される。
A所用の操作可能条件判定部371aは、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値が操作可能条件を満たすか否かを判定する。このA所用の操作可能条件判定部371aは、監視装置(A所)401aにおいて運転状態指示操作が可能となる操作場所設定、操作権設定、およびモード設定についての操作可能条件(操作場所設定=「中央」&操作権設定=「A所」&モード設定=「手動モード」)を固定的に入力するとともに(D5)、条件項目管理部31から操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値を入力し(D7)、各条件項目の値が一致する場合に、監視装置(A所)401aに操作許可通知を出力する(D9)。
この通知に応答し、監視装置(A所)401aでは、操作許可通知が入力されている場合には操作権指示操作および運転状態指示操作を受け付ける態様で操作画面を表示処理し、操作許可通知が入力されていない場合には操作権指示操作のみを受け付ける態様で操作画面を表示処理する。操作画面の表示に際しては、操作ボタンB23,B24の操作可否と、A所用の操作可能条件判定部371aからの操作許可通知の有無とを関連付けたA所用の画面定義を用いる。具体的には、A所用の操作可能条件判定部371aからの操作許可通知が入力されている場合に操作ボタンB23,B24を操作可能とし、入力されていない場合には操作不可とするようにA所用の画面定義を事前に作成しておく。
また、B所用の操作可能条件判定部373aは、操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値が操作可能条件を満たすか否かを判定する。このB所用の操作可能条件判定部373aは、監視装置(B所)403aにおいて運転状態指示操作が可能となる操作場所設定、操作権設定、およびモード設定についての操作可能条件(操作場所設定=「中央」&操作権設定=「B所」&モード設定=「手動モード」)を固定的に入力するとともに(D11)、条件項目管理部31から操作場所設定、操作権設定、およびモード設定の現在値を入力し(D13)、各条件項目の値が一致する場合に、監視装置(B所)403aに操作許可通知を出力する(D15)。
この通知に応答し、監視装置(B所)403aでは、操作ボタンB23,B24の操作可否と、B所用の操作可能条件判定部373aからの操作許可通知の有無とを関連付けたB所用の画面定義を用い、操作許可通知が入力されている場合には操作権指示操作および運転状態指示操作を受け付ける態様で操作画面を表示処理し、操作許可通知が入力されていない場合には操作権指示操作のみを受け付ける態様で操作画面を表示処理する。B所用の画面定義も、A所用の画面定義と同様に事前に作成される。
運転状態制御部35aは、監視装置(A所)401aからの運転状態指示操作の通知(D17)に応答し、監視装置(A所)401aにおける運転状態指示操作に応じた切換制御通知をNo.1ポンプの現場盤に出力するとともに、監視装置(B所)403aからの運転状態指示操作の通知に応答し(D19)、監視装置(B所)403aにおける運転状態指示に応じた切換制御通知をNo.1ポンプの現場盤に出力する。
以上説明したように、従来の監視制御システムでは、コントローラ30aが監視場所毎にA所用およびB所用の操作可能条件判定部371a,373aを備えている。これは、従来の監視制御システムでは、監視装置401a,403aの各々に自装置が設置された監視場所を特定する情報が存在しないため、監視装置401a,403a側で自装置が操作権を有するか否かを判定できなかったためである。このような従来の監視制御システムの構成では、監視場所の数が多ければその分コントローラ30aに搭載する操作可能条件判定部の数が増大する上、監視場所を追加する場合には、コントローラ30aにその監視場所用の操作可能条件判定部を増設する必要があった。さらに、操作画面の画面定義についても、監視場所毎に個別に定義する必要があった。
また、監視制御システムのテスト段階では、操作権が与えられている設置場所の監視装置のみが運転状態指示操作を受け付けて正しく対象装置の手動制御を行えるかどうかを確認する試験が必要となるが、この試験では、該当する監視場所に操作権が与えられている場合と与えられていない場合とを想定して各操作可能条件判定部が操作許可通知を正しく通知するかどうかを確認し、この通知に応答して運転状態指示操作を適正に受け付ける操作画面を表示処理するかを画面定義の異なる監視装置401a,403a毎に確認しなければならない。このため、監視場所の数に比例して試験に要する工数も増大する。
これに対し、本実施の形態の監視制御システム1では、操作場所設定およびモード設定の現在値が操作可能条件を満たすか否かをコントローラ30側で判定し、操作権設定の現在値が操作可能条件を満たすか否かについては監視装置40側で個別に判定することで、各監視装置40において運転状態指示操作が可能か否かを判定することとした。そして、操作権設定の現在値が操作可能条件を満たすか否か、すなわち、自装置が操作権を有するか否かは、監視装置での操作権指示操作に応じて更新される操作権の現在値と自装置のログイン名とを比較することで判定することとした。
これによれば、コントローラ側判定部33を各監視装置40に共通の構成として用意することができるので、図7に示した従来の監視制御システムのようにA所用およびB所用の監視場所毎の操作可能条件判定部(判定用回路)371a,373aをコントローラに設ける必要がない。監視場所を追加する場合であっても、その監視場所用の操作可能条件判定部を新たにコントローラに増設する必要もない。一方、各監視装置40においても、各々が同様の操作受付処理を行えばよく、どの監視装置40においても共通の画面定義を用いて操作画面の表示処理を行える。したがって、必要な構成を増やすことなく、異なる監視場所での重複操作を防止して運転状態指示操作を適正に受け付けることができる。しかも、ログイン時に入力を受け付けるログイン名から自装置が操作権を有するか否かを監視装置40側で簡単に判定することができる。
また、このようにコントローラ30に設けるコントローラ側判定部33を各監視装置40に共通の構成とし、各監視装置40においても共通の画面定義を用いて操作画面を表示処理できるので、前述の試験に要する工数を大幅に削減できる。
(変形例)
上記した実施の形態では、モードの設定をコントローラ30によって自動的に行うこととした。これに対し、モードの設定は、オペレータによる操作を受け付けることで切り換えるようにしてもよい。なお、図示はしないが、本変形例の監視制御システムは、上記した実施の形態の監視制御システム1(図1等)と同様の構成を有する。また、監視装置についても、実施の形態と同様に構成され(図2等)、制御部は、操作権取得部と、ログイン名取得部と、監視装置側判定部と、表示処理部とを備える。
図8は、本変形例におけるモード指示操作および運転状態指示操作の可否判定の手順を説明する説明図であり、併せて本変形例における監視装置(A所)401bおよび監視装置(B所)403bの監視画面およびコントローラ30bの構成を示している。なお、上記した実施の形態と同一の構成には同一の符号を付する。
本変形例の監視装置401b,403bでは、No1ポンプ等の監視制御対象の対象装置の運転に関するオペレータの操作として、上記した実施の形態で説明した運転状態指示操作および操作権指示操作に加え、モード指示操作を受け付ける。そして、監視装置401b,403bは、モード指示操作に応じて該当する対象装置についてのモードをコントローラ30bに出力する。例えば、図8に示すように、監視装置401b,403bの操作画面には、操作ボタンB21〜B24に加え、No.1ポンプのモードとして「手動」,「手動」の2つの選択肢が操作ボタンB25,B26として表示される。
本変形例においても、監視装置401b,403bの操作画面は、操作場所設定が「中央」であることを前提に操作を受け付けるが、モード指示操作は、操作場所設定が「中央」であることに加えて、自装置が操作権を有することを条件に操作可能となる。具体的な条件(操作可能条件)は、操作場所設定および操作権設定を条件項目とし、各条件項目の値のAND条件(操作場所設定=「中央」&操作権設定=自装置の監視場所を示す値)で表すことができる。例えば、図8は、操作権がA所に与えられている場合の操作画面例であり、監視装置(A所)401bの操作画面では操作ボタンB25,B26の操作が可能であるのに対し、監視装置(B所)403bの操作画面では操作ボタンB25,B26は操作できないようになっている。
コントローラ30bは、監視装置401b,403bから入力されるモードに応じて該当する対象装置の現在のモード設定を更新する。また、コントローラ30bは、条件項目管理部31と、コントローラ側判定部33bと、運転状態制御部35bとを含む。コントローラ側判定部33bは、操作場所設定の現在値がモード指示操作の操作可能条件を満たすか否かを判定するモード用判定部331bと、操作場所設定およびモード設定の現在値が運転状態指示操作の操作可能条件を満たすか否かを判定する運転状態用判定部333bとを備える。
そして、モード用判定部331bは、モード指示操作の操作場所設定についての操作可能条件(操作場所設定=「中央」)を固定的に入力するとともに(D1)、条件項目管理部31から操作場所設定の現在値を入力し(D3)、これらの値が一致する場合に、監視装置401b,403bにモード指示操作の許可通知を出力する(D5)。
また、運転状態用判定部333bは、上記した実施の形態のコントローラ側判定部33と同様の処理を行う。すなわち、運転状態用判定部333bは、運転状態指示操作の操作場所設定およびモード設定についての操作可能条件(操作場所設定=「中央」&モード設定=「手動モード」)を固定的に入力するとともに(D7)、条件項目管理部31から操作場所設定およびモード設定の現在値を入力し(D9)、各条件項目の値が一致する場合に、監視装置401b,403bに運転状態指示操作の許可通知を出力する(D11)。
一方、監視装置401b,403bでは、操作受付処理の過程で上記した実施の形態と同様に操作権判定処理を行い、その判定結果およびコントローラ30bからの許可通知の有無に応じて、操作権指示操作やモード指示指示操作、運転状態指示操作を適宜受け付ける態様で操作画面の表示処理を行う(D13〜D15)。
図6は、監視装置401b,403bが行う操作受付処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、上記した実施の形態と同一の処理工程には同一の符号を付する。図6に示すように、本変形例の操作受付処理では、監視装置側判定部が、ステップS51において、コントローラ30bからモード指示操作の許可通知または運転状態指示操作の許可通知が入力されているか否かを判定する。そして、監視装置側判定部は、モード指示操作の許可通知または運転状態指示操作の許可通知が入力されていることを条件に(ステップS51:Yes)、操作権判定処理を行う(ステップS7)。なお、ここでは、モード指示操作の許可通知または運転状態指示操作の許可通知の有無を判定したが、実際には、運転状態指示操作とモード指示操作とでは操作場所設定についての操作可能条件が一致するため、運転状態指示操作の許可通知が入力される場合は、モード指示操作の許可通知も入力される。
続いて、表示処理部が、ステップS7の操作権判定処理の判定結果に従い、自装置が操作権を有する場合であって(ステップS8:Yes)、モード指示操作の許可通知および運転状態指示操作の許可通知の両方が入力されている場合には(ステップS91:Yes)、操作権指示操作、モード指示操作、および運転状態指示操作を受け付ける態様で操作画面を表示処理する(ステップS93)。
一方、表示処理部は、モード指示操作の許可通知および運転状態指示操作の許可通知の両方が入力されていない場合、すなわち、モード指示操作の許可通知のみが入力されている場合には(ステップS91:No)、操作権指示操作およびモード指示操作を受け付け、運転状態指示操作については受け付けない態様で操作画面を表示処理する(ステップS95)。
また、表示処理部は、コントローラ30bからモード指示操作の許可通知および運転状態指示操作の許可通知のいずれも入力されていない場合や(ステップS51:No)、自装置に操作権がない場合には(ステップS8:No)、操作権指示操作のみを受け付け、モード指示操作および運転状態指示操作については受け付けない態様で操作画面を表示処理する(ステップS111)。
実際の操作画面の表示に際しては、上記した実施の形態と同様に各監視装置401b,403bにおいて共通の画面定義を用いる。すなわち、コントローラ30bからモード指示操作の許可通知が入力されており、操作権判定処理の結果自装置が操作権を有すると判定した場合に操作ボタンB25,B26を操作可能とし、入力されていない場合や自装置に操作権がないと判定した場合には操作不可とするとともに、コントローラ30bから運転状態指示操作の許可通知が入力されており、操作権判定処理の結果自装置が操作権を有すると判定した場合に操作ボタンB23,B24を操作可能とし、入力されていない場合や自装置に操作権がないと判定した場合には操作不可とするように画面定義を事前に作成しておく。
その後、表示処理部は、操作画面において操作ボタンB21〜B26が操作され、操作権指示操作、モード指示操作、または運転状態指示操作を受け付けた場合には(ステップS13:Yes)、該当する操作をコントローラ30bに通知する(ステップS15)。
そして、図8に示すように、コントローラ30bでは、監視装置401b,403bからの運転状態指示操作の通知(D19)に応答し、運転状態制御部35bが、監視装置401b,403bにおける運転状態指示操作に応じた切換制御通知をNo.1ポンプの現場盤に出力する。また、監視装置401b,403bからの操作権指示操作の通知(D21)やモード指示操作の通知(D23)に応答し、条件項目管理部31が管理する操作権設定の現在値が更新される。
以上説明したように、本変形例によれば、上記した実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、本変形例のようにモード指示操作をさらに受け付ける場合、従来の監視制御システムでは、運転状態指示操作の操作可能条件を判定する監視場所毎の判定用回路(図7に示して説明した操作可能条件判定部371a,373a)に加えて、さらにモード指示操作の操作可能条件を判定する監視場所毎の(A所用およびB所用の)判定用回路が必要となり、コントローラに搭載する判定用回路の数がさらに増大する。これに対し、本変形例によれば、モード用判定部331bおよび運転状態用判定部333bを各監視装置401b,403bに共通の構成とし、各監視装置401b,403bにおいても共通の画面定義を用いて操作画面を表示処理できる。
1 監視制御システム
10 対象装置
10−1 ポンプ
101 No.1ポンプ
20,201 現場盤
21 指令出力部
30 コントローラ
31 条件項目管理部
33 コントローラ側判定部
35 運転状態制御部
40,401,403 監視装置
41 入力部
43 表示部
45 通信部
47 記憶部
49 制御部
491 操作権取得部
493 ログイン名取得部
495 監視装置側判定部
497 表示処理部

Claims (4)

  1. コントローラと複数の監視装置とがデータを送受可能に接続されて構成され、前記監視装置を介して水処理プラント内に設置された対象装置の監視制御を行う監視制御システムであって、
    前記コントローラは、
    少なくとも前記複数の監視装置のうちの特定の監視装置に与えられる操作権を示す操作権設定の現在値を前記監視装置からの操作通知に応じて管理する管理手段と、
    前記監視装置からの操作通知に応じて前記対象装置の運転状態を制御する運転状態制御手段と、
    を備え、
    前記監視装置は、
    前記管理手段によって管理されている前記操作権設定の現在値を取得する操作権取得手段と、
    自装置のログイン名を取得するログイン名取得手段と、
    前記操作権設定の現在値と前記ログイン名とをもとに、自装置において前記対象装置の運転状態を指示する運転状態指示操作が可能か否かを判定する監視装置側判定手段と、
    操作権を指示する操作権指示操作および前記運転状態指示操作を受け付けるための操作画面を表示処理し、受け付けた操作を前記コントローラに通知する表示処理手段と、
    を備え、
    前記表示処理手段は、前記監視装置側判定手段が操作可能と判定した場合は前記運転状態指示操作を受け付ける態様で前記操作画面を表示処理し、操作不可と判定した場合は前記運転状態指示操作を受け付けない態様で前記操作画面を表示処理し、
    前記監視制御システムは、前記対象装置の近傍に設置され、監視装置または現場盤を示す操作場所設定の現在値をもとに、該操作場所設定の現在値が現場盤を示す場合は当該現場盤に対する操作に応じて前記対象装置の運転および停止を切り換える一方、監視装置を示す場合は前記コントローラによる前記運転状態の制御下で前記対象装置の運転および停止を切り換える現場盤を備え、
    前記管理手段は、前記操作場所設定の現在値をさらに管理し、
    前記コントローラは、前記操作場所設定の現在値が監視装置を示す場合に前記運転状態指示操作の許可通知を前記複数の監視装置の各々に出力するコントローラ側判定手段を備え、
    前記監視装置側判定手段は、前記コントローラから前記許可通知が入力されていることを条件に前記運転状態指示操作の可否を判定することを特徴とする監視制御システム。
  2. 前記管理手段は、前記対象装置の自動制御を行う自動モードまたは前記対象装置の手動制御を行う手動モードを示すモード設定の現在値をさらに管理しており、
    前記コントローラ側判定手段は、前記操作場所設定の現在値が監視装置を示す場合であって、かつ前記モード設定の現在値が手動モードを示す場合に、前記許可通知を前記複数の監視装置の各々に出力し、
    前記運転状態制御手段は、前記モード設定の現在値が自動モードを示す場合は前記対象装置の運転状態を自動制御する一方、手動モードを示す場合は前記操作通知に応じた制御を行うことを特徴とする請求項に記載の監視制御システム。
  3. 前記表示処理手段は、前記監視装置側判定手段が操作可能と判定した場合は、前記操作権指示操作を受け付ける態様で前記操作画面を表示処理し、前記操作権指示操作を受け付けた場合に、操作された内容の操作権の情報を、前記操作権設定の現在値として前記管理手段に出力する、請求項1又は請求項2に記載の監視制御システム。
  4. 前記監視装置側判定手段は、前記操作権設定の現在地及び前記ログイン名が、自身の属する監視装置を示している場合に、運転状態指示操作が可能であると判断する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の監視制御システム。
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