JP5972595B2 - 気中イオン発生装置およびそれを備えた空気調和機 - Google Patents

気中イオン発生装置およびそれを備えた空気調和機 Download PDF

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本発明は、気中イオンを効率よく発生させることができる気中イオン発生装置およびそれを備えた空気調和機に関するものである。
イオンを利用して空気中の汚染質を低減する技術において、生成されたイオンは非常に不安定で寿命が短く、空気中に対して十分拡散させることができないという課題を抱えている。この課題を解決すべく、空気中の水分をペルチェ素子で凝縮し、それを放電電極に供給して静電霧化することにより、マイナスに帯電されたナノメータ(nm)レベルの帯電微粒子ミスト(以下、気中イオンまたはマイナスイオンミストという。)を生成し、ミスト濃度を高めるようにした静電霧化技術が提供されている(特許文献1,2参照)。
また、特許文献3には、送風部からの送風路中にマイクロプラズマ放電によるイオン発生部を配設し、その上流側にペルチェユニットで得られた結露水をミストとして付加するミスト付加部を配設することにより、マイナスに帯電されたイオンミストを生成し、吹出すようにしたイオン吹出し装置が開示されている。
特許第4120685号公報 特許第4366405号公報 特開2010−75660号公報
しかしながら、特許文献1,2に示されるような静電霧化技術によって生成されるミストの径は、ナノメータレベル(具体的には、平均で18nm程度)とされており、限られた凝縮水を有効に利用し、気中イオンを高効率で発生させるためには、更に小さい径のミストを効率よく発生することが求められている。また、特許文献3に示されたミスト付加部も、スポンジ等の保水体を風路中に配置したもの、あるいはペルチェユニットの冷却側にメッシュ状の冷却部材を接続して配置したものであり、ミスト径の微細化に対応できるようなものではなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、より小さい径の気中イオンを高効率で生成し、空気中に対して十分に放出、拡散することができる気中イオン発生装置およびそれを備えた空気調和機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明の気中イオン発生装置およびそれを備えた空気調和機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる気中イオン発生装置は、下端部にイオン吹出し口が開口された縦長のダクトケースと、該ダクトケース内のイオン吹出し口近傍に配設されたイオン発生部と、前記イオン発生部の上方部位に配設され、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮された空気中の水分を、透湿膜に透過させることにより超微細ミスト化するミスト生成部と、を備え、前記ミスト生成部で生成された超微細ミストに、イオン発生部で発生されたマイナスイオンを付加することにより気中イオンを生成し、前記イオン吹出し口から空気中に放出可能としたことを特徴とする。
本発明によれば、下端部にイオン吹出し口が開口された縦長のダクトケースの上方部位に配設されているミスト生成部において、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮された空気中の水分を、透湿膜に分子レベルで透過させることによってサブナノサイズの超微細ミストを生成し、それを下方に飛散させ、その超微細ミストに下流側に配設されているイオン発生部で発生されたマイナスイオンを付加することにより気中イオンを生成し、イオン吹出し口から空気中に放出するようにしているため、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮された限られた量の水分を有効に利用し、透湿膜を分子レベルで透過させることによってサブナノサイズ(10nm以下)の超微粒子に微細化された超微細ミストを高濃度に効率よく生成することができ、この超微細ミストにマイナスイオンを付加して気中イオンを生成し、空気中に放出することにより、不安定なマイナスイオンを安定化して空気中に十分拡散させることができる。従って、マイナスイオンによる空気中の汚染質の低減効果を大幅に向上することができる。なお、透湿膜としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とポリウレタンポリマーを複合化した多孔質フッ素樹脂膜や、ポリウレタン系形状記憶樹脂膜等を使用することができる。
さらに、本発明の気中イオン発生装置は、上記の気中イオン発生装置において、前記ミスト生成部は、前記ペルチェ素子の冷却面側に設けられている凝縮板の直下とドレンパンとの間に配設され、前記凝縮板の表面で凝縮されて流下する水分を透湿膜により受け、それを透過することにより超微細ミストとして下流側に飛散可能な構成とされていることを特徴とする。
本発明によれば、ミスト生成部が、ペルチェ素子の冷却面側に設けられている凝縮板の直下とドレンパンとの間に配設され、凝縮板の表面で凝縮されて流下する水分を透湿膜により受け、それを透過することにより超微細ミストとして下流側に飛散可能な構成とされているため、凝縮板の表面で凝縮された水分を、そのまま直下に配設されている透湿膜上に流下させ、該透湿膜に透過させることによって超微細ミストを生成し、それを下流側へと飛散させることができる。従って、最上方位置で空気中から得た水分を下方に流下する過程において無動力で超微細ミスト化し、それをマイナスに帯電させ、安定化した気中イオンとして空気中に放出、拡散させることにより、効果的に空気中の汚染質を低減することができる。
さらに、本発明の気中イオン発生装置は、上述のいずれかの気中イオン発生装置において、前記透湿膜が配設されているミスト生成空間は、前記凝縮水を透湿する側の透湿側空間容積よりも、透過した超微細ミストを飛散する飛散側空間容積の方が大きくされていることを特徴とする。
本発明によれば、透湿膜が配設されているミスト生成空間は、凝縮水を透湿する側の透湿側空間容積よりも、透過した超微細ミストを飛散する飛散側空間容積の方が大きくされているため、高湿度側から低湿度側へと水分を透過してミスト化する性質を有する透湿膜に対して、凝縮水を透湿する側の空間容積を小さくして高湿度化し、凝縮水の再蒸発を防止しながら、ミストを飛散する側の空間容積を大きくして、ミストを分散し易くすることにより低湿度状態に保ち、水分を効率よく透過して超微細ミスト化することができる。従って、特に動力を消費することなく、凝縮水からサブナノサイズの超微細ミストを高濃度に効率よく生成することができる。
さらに、本発明の気中イオン発生装置は、上述のいずれかの気中イオン発生装置において、前記透湿膜は、その上端部が前記ペルチェ素子の冷却面側の下方部に配設され、下端部がその下方に設置されているドレンパンに向って斜めに傾斜配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、透湿膜の上端部が、ペルチェ素子の冷却面側の下方部に配設され、下端部がその下方に設置されているドレンパンに向って斜めに傾斜配置されているため、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮され、透湿膜上に流下された水分を、水滴の状態で留まることがないように傾斜に沿わせて下端部側へと誘導しながら透過させ、超微細ミスト化することができる。従って、透湿膜上に水分が水滴の状態で留まらないようにして透湿膜の損傷を防ぐことができるとともに、透過面を十分確保し、ゆっくりと時間をかけて透過させることにより、限られた量の水分を有効に超微細ミスト化することができる。
さらに、本発明の気中イオン発生装置は、上記の気中イオン発生装置において、前記透湿膜の上端部は、前記ペルチェ素子の冷却面側に設けられている前記凝縮板の直下に近接して配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、透湿膜の上端部が、ペルチェ素子の冷却面側に設けられている凝縮板の直下に近接して配設されているため、ペルチェ素子の冷却面側に設けられている凝縮板の表面で凝縮された凝縮水を、その直下に近接して配設されている透湿膜の上端部にそのまま直接流下させ、そこから傾斜配置されている透湿膜の下端部側へと傾斜に沿わせて誘導することができる。従って、凝縮板から流下した凝縮水が水滴となって周囲あるいはドレンパン外に飛散したりすることがなく、限られた凝縮水を適切にかつ有効に処理することができる。
さらに、本発明の気中イオン発生装置は、上述のいずれかの気中イオン発生装置において、前記透湿膜には、前記水分を透湿する側の表面に、前記凝縮水を浸透し、前記透湿膜の略全面に行き渡らせる基布が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、透湿膜の水分を透湿する側の表面に、凝縮水を浸透し、透湿膜の略全面に行き渡らせる基布が設けられているため、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮されて供給される凝縮水を、透湿膜の水分を透湿する側の表面に設けられている基布を介して浸透させることにより、透湿膜の略全面に行き渡らせることができる。従って、透湿膜の略全面から効率よく超微細ミストを飛散させることができ、ミスト濃度を高めることができるとともに、透湿膜を基布によって保護することができる。なお、基布としては、ナイロントリコット等を使用することができる。
さらに、本発明の気中イオン発生装置は、上述のいずれかの気中イオン発生装置において、前記透湿膜には、透過した超微細ミストを飛散する側の面に、保護膜が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、透湿膜の透過した超微細ミストを飛散する側の面に、保護膜が設けられているため、超微細ミストを飛散する側の面に設けられている保護膜により、透湿膜を設置する際に、透湿膜が直に設置面等と接触することによって損傷する事態を防ぐことができる。従って、透湿膜を保護し、その長寿命化を図ることができる。なお、保護膜としては、ポリエルテルタフタ等を使用することができる。
さらに、本発明にかかる空気調和機は、前面カバーに空気吸込み口および空気吹出し口が設けられている筐体と、該筐体内に設置されている熱交換器およびファンとを備えた空気調和機において、上述のいずれかの気中イオン発生装置が、前記前面カバーの前記空気吹出し口と隣接する位置に、前記イオン吹出し口を開口させて前記筐体内に上下方向に鉛直に配設されていることを特徴とする。
本発明によれば、空気吸込み口および空気吹出し口が設けられている筐体内に熱交換器およびファンが設置されている空気調和機において、上述のいずれかの気中イオン発生装置が、前面カバーの空気吹出し口と隣接する位置に、イオン吹出し口を開口させて筐体内に上下方向に鉛直に配設されているため、気中イオン発生装置によって生成され、イオン吹出し口から放出されるサブナノサイズの気中イオンを、隣接する空気吹出し口から吹出される空調風に誘引させることにより、室内へと拡散させることができる。従って、空気中の汚染質を効果的に低減することができ、室内空気を空調すると同時に、効率よく清浄化することができる。
本発明の気中イオン発生装置によると、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮された限られた量の水分を有効に利用し、透湿膜を分子レベルで透過させることによってサブナノサイズ(10nm以下)の超微粒子に微細化された超微細ミストを高濃度に効率よく生成することができ、この超微細ミストにマイナスイオンを付加して気中イオンを生成し、空気中に放出することにより、不安定なマイナスイオンを安定化して空気中に十分拡散させることができるため、マイナスイオンによる空気中の汚染質の低減効果を大幅に向上することができる。
また、本発明の空気調和機によると、気中イオン発生装置によって生成され、イオン吹出し口から放出されるサブナノサイズの気中イオンを、隣接する空気吹出し口から吹出される空調風に誘引させることにより、室内へと拡散させることができるため、空気中の汚染質を効果的に低減することができ、室内空気を空調すると同時に、効率よく清浄化することができる。
本発明の一実施形態に係る気中イオン発生装置を組み込んだ空気調和機の斜視図である。 図1に示す空気調和機の気中イオン発生装置の組み込み位置に沿うA−A断面相当図である。 図2に示す気中イオン発生装置の縦断面相当図である。 図3に示す気中イオン発生装置の透湿膜の配置構成を示す模式図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1には、本実施形態に係る気中イオン発生装置を組み込んだ空気調和機の斜視図が示され、図2には、その気中イオン発生装置の組み込み位置に沿うA−A断面相当図が示されている。
本実施形態では、空気調和機1として、壁掛け型の空気調和機が例示されている。この空気調和機1は、ベース本体2と、該ベース本体2にその前方部位を上下、左右、および前面から被うように取り付けられた前面カバー3と、該前面カバー3の前面に取り付けられた前面パネル4とから構成された横長形状の筐体5を備えている。
筐体5の上面側には、その略全面に亘り格子状の空気吸込み口6が設けられおり、下面側の前方部位には、その略全幅に亘って温調された空気を室内に吹出す空気吹出し口7が開口されている。空気吹出し口7には、風向を左右方向に変更する図示省略された複数枚のルーバと、風向を上下方向に変更するとともに、空気吹出し口7を閉鎖可能な左右に2分割されている2枚の水平フラップ8が設けられている。なお、これらのルーバおよび水平フラップ8は、図示省略のモータによって、それぞれ独立して回動されるように構成されている。
筐体5の内部には、上面の空気吸込み口6から下面前方部位の空気吹出し口7に至る空気流路が形成され、その空気流路中に上流側からエアフィルタ、室内熱交換器、室内ファンが順次配設されている。空気吸込み口6から吸込まれた室内空気は、エアフィルタを通過することにより塵埃が除去された後、室内熱交換器で冷却または加熱され、室内ファンを介して空気吹出し口7から室内に吹出されるようになっている。
筐体5内の右側部には、図2に示されるように、室内コントローラ9や室内ファンを駆動するファンモータ10、気中イオン発生装置11等が組み込まれている。気中イオン発生装置11は、筐体5内に上下方向に鉛直に配設されている。また、筐体5の前面カバー3の下面側に設けられている空気吹出し口7の側部には、図1に示されるように、図示省略のリモコンとの間で運転信号の受発信を行う信号受発信部12および運転状態を表示する表示部13等が設けられている。さらに、空気吹出し口7の右端と信号受発信部12との間には、空気吹出し口7と隣接した状態でイオン放出口14が設けられている。
気中イオン発生装置11は、図3および図4に示されるように、下端部にイオン吹出し口16が開口された縦長のダクトケース15を備えている。ダクトケース15内のイオン吹出し口16近傍には、針状の放電電極17と、それに対向して配置されている対向電極18とを備えたイオン発生部19が配設されており、この放電電極17と対向電極18との間に、高電圧発生回路20からの高電圧を印加することによって、気中放電させ、マイナスイオンを発生する構成とされている。イオン発生部19としては、公知の構成を採用することができる。
イオン発生部19の上方部位には、ペルチェ素子22の冷却面側で凝縮された空気中の水分を、透湿膜25に透過させることによって、サブナノサイズ(10nm以下)の超微細ミストにミスト化するミスト生成部21が設けられている。ペルチェ素子22は、一方の接合部で熱を発生し、他方の接合部で熱を吸収するペルチェ効果を利用して冷却や温度制御を行う電子デバイスであり、一方の放熱面側に放熱フィン23が設けられ、他方の冷却面側に凝縮板24が設けられた構成とされている。つまり、本実施形態において、ペルチェ素子22は、一方の接合部で発生した熱を放熱フィン23により空気中に放熱し、他方の冷却面側に設けられている凝縮板24の表面で空気中の水分を結露させ、凝縮水を発生する機能を担う構成とされている。この凝縮板24は、アルミ合金製板とされている。
ペルチェ素子22の凝縮板24の直下には、凝縮板24の下端と近接して透湿膜25が配設されている。この透湿膜25は、凝縮水を液体としては透過できないものの、分子レベルで透過することができる透湿防水性を備えたものであればよく、その代表的な例としては、株式会社SMPテクノロジーズ社製の「ディアプレックス」(登録商標)と称されているポリウレタン系形状記憶樹脂膜、あるいは米国W.Lゴア・アンド・アソシエイツ社製のゴアテックス(登録商標)と称されているPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とポリウレタンポリマーを複合化した多孔質フッ素樹脂膜等を使用することができる。
透湿膜25の水分を透湿する側の表面には、図4に示されるように、凝縮板24から流下もしくは滴下された凝縮水を受け、それを浸透して透湿膜25の略全面に行き渡られるための基布26が設けられている。この基布26としては、例えば、ナイロントリコット等を使用することができる。また、透湿膜25の透過した超微細ミストを飛散する側の面には、透湿膜25の損傷を防ぐための保護膜27が設けられている。この保護膜27としては、例えば、ポリエルテルタフタ等を使用することができる。
このように、ペルチェ素子22の冷却面側で発生された凝縮水を超微細ミスト化するミスト生成部21は、ペルチェ素子22の冷却面に設けられている凝縮板24の直下と、その下方部位に設置されているドレンパン28との間に配設され、凝縮板24の表面で凝縮され、流下される水分を透湿膜25によって受け、それを透過することにより超微細ミストとして下流側に飛散させるように構成されている。透湿膜25は、上端部が凝縮板24の直下に近接して配置され、下端部がその下方に設置されているドレンパン28に向って斜めに傾斜配置されている。
また、ミスト生成部21、すなわち透湿膜25が配設されているミスト生成空間は、斜めに傾斜配置された透湿膜25によって、凝縮水を透湿する側の透湿側空間29と、透過した超微細ミストを飛散する飛散側空間30とに区画され、透湿側空間29の容積S1よりも飛散側空間30の容積S2の方が大きく(S1<S2)されている。これは、凝縮水を透湿する側の空間29の容積S1を小さくして高湿度化し、凝縮水の再蒸発を防止しながら、ミストを飛散する側の空間30の容積S2を大きくして、ミストを分散し易くすることにより低湿度状態に保ち、高湿度側から低湿度側へと水分を透過する透湿膜25の性質を利用して効率よく水分を超微細ミスト化するためである。
なお、イオン発生部19および高電圧発生回路20、ミスト生成部21、ペルチェ素子22等からなる気中イオン発生装置11は、前述の如く、空気調和機1の筐体5内に上下方向に鉛直に配設されている。また、気中イオン発生装置11のダクトケース15の下端部に開口されているイオン吹出し口16は、図2示されるように、空気調和機1の前面カバー1の下面側に、空気吹出し口7と隣接して設けられているイオン放出口14と対向して配置されており、気中イオン発生装置11で発生された気中イオンは、イオン吹出し口16からイオン放出口14を経て室内に放出されるようになっている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
空気調和機1が運転されると、図示省略の室内ファンが駆動され、これによって、室内空気が空気吸込み口6から筐体5内に吸込まれ、図示省略の室内熱交換器を通過する過程で冷却または加熱された後、空気吹出し口8から吹出されることにより、室内の冷房または暖房に供される。一方、気中イオンを発生させる場合、リモコンを操作することにより室内コントローラ9を介して気中イオン発生装置11の高電圧発生回路20およびペルチェ素子22に通電される。
これにより、高電圧発生回路20で発生された高電圧が、イオン発生部19の放電電極17と対向電極18との間に印加され、気体中で放電されることによりマイナスイオンが発生される。このマイナスイオンは、針状の放電電極17の先端からクーロン力によって飛び出し、放電電極17および対向電極18の延長方向と平行なダクトケース15に沿って誘導され、先端のイオン吹出し口16からその延長方向に放出されることになる。
一方、イオン発生部19の上方部位には、ペルチェ素子22の冷却面側で凝縮された空気中の水分を、透湿膜25に透過させることにより微細ミスト化するミスト生成部21が配設されており、サブナノサイズの超微細ミストを生成する。つまり、ペルチェ素子22への通電により、その冷却面側に設けられている凝縮板24が冷却され、該凝縮板24の表面で空気中の水分が結露することによって凝縮水が発生される。この凝縮水は、図4に示されるように、水滴となって凝縮板24の表面を流下し、その直下に傾斜配設されている透湿膜25上に滴下される。
透湿膜25の表面には、基布26が設けられているため、透湿膜25上に滴下された水滴は、水滴の状態で留まることがないように、基布26に対して浸透され、透湿膜25の略全面へと行き渡らせられて、傾斜配設されている透湿膜25の表面を斜面に沿って下端部側へと誘導させられながら、ゆっくりと時間をかけて透過されることにより、超微細ミスト化される。透湿膜25を分子レベルで浸透したミストの径は、10nm以下のサブナノサイズの径とされ、静電霧化技術によるミスト径(18nm)の数分の1以下の径とされるため、ミスト濃度を十分高めることができる。
このように、高湿度に保たれるべく、容積S1が小さくされている凝縮水を透湿する側の空間29から透湿膜25を透過することによりミスト化されたサブナノサイズの超微細ミストは、容積S2が大きくされ、ミストが分散して飛散されることで低湿度化されている空間30内に分散されながら飛散される。さらに、空間30から下方へと流下する過程において、イオン発生部19で発生されたマイナスイオンが付着されることにより、マイナスに帯電されたミスト、すなわち気中ミストとされ、イオン放出口14から室内へと放出される。
このマイナスに帯電された気中ミストは、空気調和機1の空気吹出し口8から室内へと吹出される空調風に誘引されることによって、室内へと拡散される。そして、空気中に浮遊しているプラスに帯電された微細な空気中の汚染質に付着することにより、汚染質を効果的に低減することができる。
斯くして、本実施形態によると、ペルチェ素子22の冷却面側で凝縮された限られた量の水分を有効に利用し、透湿膜25に分子レベルで透過させることによってサブナノサイズの超微粒子に微細化された超微細ミストを高濃度に効率よく生成することができ、この超微細ミストにマイナスイオンを付加して気中イオンを生成し、空気中に放出することにより、不安定なマイナスイオンを安定化して空気中に十分拡散させることができる。このため、マイナスイオンによる空気中の汚染質低減効果を大幅に向上することができ、室内空気を空調すると同時に、効率よく清浄化することができる。
また、ミスト生成部21は、ペルチェ素子22の冷却面側に設けられている凝縮板24の直下とドレンパン28との間に配設され、凝縮板24の表面で凝縮されて流下する水分を透湿膜25により受け、それを透過することにより超微細ミストとして下流側に飛散可能な構成とされている。このため、凝縮板24の表面で凝縮された水分を、そのまま直下に配設されている透湿膜25上に流下させ、該透湿膜25に透過させることにより超微細ミストを生成し、それを下流側へと飛散させることができる。従って、最上方位置で空気中から得た水分を下方に流下する過程において無動力で超微細ミスト化し、それをマイナスに帯電させ、安定化した気中イオンとして空気中に放出、拡散させることにより、効果的に空気中の汚染質を低減することができる。
また、上記透湿膜25が配設されているミスト生成空間は、凝縮水を透湿する側の透湿側空間29の容積S1よりも、透過した超微細ミストを飛散する飛散側空間30の容積S2の方が大きくされている。このため、高湿度側から低湿度側へと水分を透過してミスト化する性質を有する透湿膜に対して、凝縮水を透湿する側の空間29の容積S1を小さくして高湿度化し、凝縮水の再蒸発を防止しながら、ミストを飛散する側の空間30の容積S2を大きくして、ミストを分散し易くすることにより低湿度状態に保ち、水分を効率よく透過して超微細ミスト化することができ、従って、特に動力を消費することなく、凝縮水からサブナノサイズの超微細ミストを高濃度に効率よく生成することができる。
さらに、上記透湿膜25は、その上端部がペルチェ素子22の冷却面側の下方部に配設され、下端部がその下方に設置されているドレンパン28に向って斜めに傾斜配置されている。このため、ペルチェ素子22の冷却面側で凝縮され、透湿膜25上に流下された水分を、水滴の状態で留まることがないように傾斜に沿わせて下端部側へと誘導しながら透過させ、超微細ミスト化することができる。これによって、透湿膜25上に水分が水滴の状態で留まらないようにして透湿膜の損傷を防ぐことができるとともに、透過面を十分に確保し、ゆっくりと時間をかけて透過させることにより、限られた量の水分を有効に超微細ミスト化することができる。
また、透湿膜25の上端部が、ペルチェ素子22の冷却面に設けられている凝縮板24の直下に近接して配設されているため、ペルチェ素子22の冷却面に設けられている凝縮板24の表面で凝縮された凝縮水を、その直下に近接して配設されている透湿膜25の上端部にそのまま直接流下させ、そこから傾斜配置されている透湿膜25の下端部側へと傾斜に沿わせて誘導することができる。従って、凝縮板24から流下した凝縮水が水滴となって周囲あるいはドレンパン外に飛散したりすることがなく、限られた凝縮水を適切にかつ有効に処理することができる。
また、透湿膜25には、その水分を透湿する側の表面に、凝縮水を浸透し、透湿膜25の略全面に行き渡らせる基布26が設けられているため、ペルチェ素子22の冷却面側で凝縮されて供給される凝縮水を、透湿膜25の水分を透湿する側の表面に設けられているナイロントリコット等の基布26を介して浸透させることにより、透湿膜25の略全面に行き渡らせることができる。従って、透湿膜25の略全面から効率よく超微細ミストを飛散させることができ、ミスト濃度を高めることができるとともに、透湿膜25を基布26によって保護することができる。
さらに、本実施形態では、透湿膜25の透過した超微細ミストを飛散する側の面に、保護膜27を設けた構成としている。このため、超微細ミストを飛散する側の面に設けられているポリエルテルタフタ等の保護膜27により、透湿膜25を設置する際に、透湿膜25が直に設置面等と接触することによって損傷する事態を防ぐことができる。従って、透湿膜25を保護し、その長寿命化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、壁掛け型空気調和機1に適用した例について説明したが、他型式の空気調和機に同様に適用できることは云うまでもない。また、気中イオン発生装置11は、空気調和機1以外の空気清浄機等にも適用できることはもちろんである。
さらに、気中イオン発生装置11は、空気調和機1の室内ファンが停止したとき、それと連動して同時に停止されるように構成してもよい。また、イオン発生部19は、マイナスイオンを発生するものであれば、如何なる構成のものでもよいが、ダクトケース15の長さ方向と平行方向にマイナスイオンが誘導されるように、放電電極17および対向電極18が配置されたものであることが望ましい。
1 空気調和機
3 前面カバー
5 筐体
6 空気吸込み口
7 空気吹出し口
11 気中イオン発生装置
14 イオン放出口
15 ダクトケース
16 イオン吹出し口
19 イオン発生部
21 ミスト生成部
22 ペルチェ素子
24 凝縮板
25 透湿膜
26 基布
27 保護膜
28 ドレンパン
29 透湿側空間
30 飛散側空間
S1 透湿側空間の容積
S2 飛散側空間の容積

Claims (8)

  1. 下端部にイオン吹出し口が開口された縦長のダクトケースと、
    該ダクトケース内のイオン吹出し口近傍に配設されたイオン発生部と、
    前記イオン発生部の上方部位に配設され、ペルチェ素子の冷却面側で凝縮された空気中の水分を、透湿膜に透過させることにより超微細ミスト化するミスト生成部と、を備え、
    前記ミスト生成部で生成された超微細ミストに、イオン発生部で発生されたマイナスイオンを付加することにより気中イオンを生成し、前記イオン吹出し口から空気中に放出可能としたことを特徴とする気中イオン発生装置。
  2. 前記ミスト生成部は、前記ペルチェ素子の冷却面側に設けられている凝縮板の直下とドレンパンとの間に配設され、前記凝縮板の表面で凝縮されて流下する水分を透湿膜により受け、それを透過することにより超微細ミストとして下流側に飛散可能な構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の気中イオン発生装置。
  3. 前記透湿膜が配設されているミスト生成空間は、前記凝縮水を透湿する側の透湿側空間容積よりも、透過した超微細ミストを飛散する飛散側空間容積の方が大きくされていることを特徴とする請求項1または2に記載の気中イオン発生装置。
  4. 前記透湿膜は、その上端部が前記ペルチェ素子の冷却面側の下方部に配設され、下端部がその下方に設置されているドレンパンに向って斜めに傾斜配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の気中イオン発生装置。
  5. 前記透湿膜の上端部は、前記ペルチェ素子の冷却面側に設けられている前記凝縮板の直下に近接して配設されていることを特徴とする請求項4に記載の気中イオン発生装置。
  6. 前記透湿膜には、前記水分を透湿する側の表面に、前記凝縮水を浸透し、前記透湿膜の略全面に行き渡らせる基布が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の気中イオン発生装置。
  7. 前記透湿膜には、透過した超微細ミストを飛散する側の面に、保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の気中イオン発生装置。
  8. 前面カバーに空気吸込み口および空気吹出し口が設けられている筐体と、該筐体内に設置されている熱交換器およびファンとを備えた空気調和機において、
    請求項1ないし7のいずれかに記載の気中イオン発生装置が、前記前面カバーの前記空気吹出し口と隣接する位置に、前記イオン吹出し口を開口させて前記筐体内に上下方向に鉛直に配設されていることを特徴とする空気調和機。
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