JP5972162B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記問題に着目してなされたもので、緊急時にはブレーキ力を助勢(ブレーキアシスト制御)することができ、不要なときにブレーキ力の助勢の介入を抑制することができるブレーキ制御装置を提供することである。
[ブレーキシステムの概要]
実施例1のブレーキシステムについて説明する。図1はブレーキシステムの概略図である。実施例1のブレーキシステムは、運転者の踏力によって操作されるブレーキペダルBPと、ブレーキペダルBPの操作によってブレーキ液圧を発生されるマスタシリンダMCと、各車輪に設けられ供給されるブレーキ液によって制動力を発生させるホイルシリンダWCと、マスタシリンダMCとホイルシリンダWCとの間に設けられ、各ホイルシリンダWCに供給するブレーキ液を制御する液圧コントロールユニット1とを有している。
液圧コントロールユニット1は、内部に形成された液路の経路内に電磁弁とモータにより駆動するポンプが備えられており、アンチロックブレーキシステム(Antilock Brake System : ABS)の制御やビークルダイナミクスコントロール(Vehicle Dynamics Control : VDC)の制御において、各ホイルシリンダWCに送るブレーキ液を制御している。また、緊急ブレーキ時にドライバのブレーキペダル操作による制動力に対してアシスト制動力を発生させるためにブレーキ液圧を発生させるブレーキアシスト制御においても、ポンプを駆動してブレーキ液をホイルシリンダWC側に供給するようにしている。
また制御系の構成として、ブレーキペダルBPのストローク量(操作量)を検出するブレーキペダルストロークセンサ2と、ブレーキペダルBPのストローク量に応じてブレーキアシスト制御を液圧コントロールユニット1に対して指令するブレーキアシストコントローラ3を有している。
図2はブレーキアシストコントローラ3において行われるブレーキアシスト制御の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1では、ブレーキアシスト制慮を開始するか否かを判断し、ブレーキアシスト制御を開始すると判断したときには制御開始フラグをセットし、ブレーキアシスト制御を開始しないと判断したときには制御開始フラグをセットしないでステップS2へ移行する。このブレーキアシスト開始の判断処理は、後に詳述する。
ステップS2では、ステップS1で制御開始フラグがセットされたときには、ホイルシリンダWCの液圧指令値を演算し、指令液圧に応じて液圧コントロールユニット1に駆動指令を出力して、ステップS3へ移行する。すなわち、制御開始フラグがセットされたときには、液圧コントロールユニット1のモータを駆動させて、ブレーキ液をホイルシリンダWCに供給しブレーキアシストを行う。
ステップS3では、運転者がブレーキペダルBPから足を離すなどしたときには、制御終了フラグをセットするブレーキアシスト制御の終了処理を行う。
ステップS101では、制御開始フラグがセットされているか否かを判定し、制御開始フラグがセットされているときにはステップS102へ移行し、制御開始フラグがセットされていないときにはステップS115へ移行する。
ステップS102では、ブレーキペダルBPの操作量が予め設定された第1操作量閾値P1以上であるか否かを判定し、操作量が第1操作量閾値P1以上のときにはステップS103へ移行し、操作量が第1操作量閾値P1未満のときにはステップS113へ移行する。
ステップS103では、ブレーキペダルBPの操作変化量(ブレーキペダル操作速度)が予め設定された所定の操作変化量閾値ΔP以上であるか否かを判定し、操作変化量が操作変化量閾値ΔP以上のときにはステップS104へ移行し、操作変化量が操作変化量閾値ΔP未満のときにはステップS105へ移行する。
ステップS104では、操作変化量検知フラグをセットして、ステップS105へ移行する。
ステップS105では、操作変化量検知フラグがセットされているか否かを判定し、操作変化量検知フラグがセットされているときにはステップS106へ移行し、操作変化量検知フラグがセットされていないときには処理を終了する。
ステップS106では、待ち時間閾値Twaitを設定して、ステップS107へ移行する。図4は待ち時間閾値Twaitのマップである。図4に示すように待ち時間閾値Twaitは操作変化量に応じて設定されており、操作変化量閾値ΔPに相当する操作変量までは一定の値(Tmax)であるが、操作変化量閾値ΔPを超えたあたり以降は操作変化量が大きくなるほど待ち時間閾値Twaitが小さくなるように設定している。
ステップS108では、操作変化量検知フラグをクリアして(操作変化量検知フラグがセットされていない状態にして)、ステップS109へ移行する。
ステップS109では、待ち時間カウンタをクリアにして(待ち時間カウンタをゼロに設定して)、処理を終了する。
ステップs110では、待ち時間カウンタをインクリメントして、ステップS111へ移行する。
ステップS112では、制御開始フラグをセットして処理を終了する。
ステップS113では、操作変化量検知フラグをクリアして(操作変化量検知フラグがセットされていない状態にして)、ステップS114へ移行する。
ステップS114では、待ち時間カウンタをクリアにして(待ち時間カウンタをゼロに設定して)、処理を終了する。
ステップS115では、制御終了フラグがセットされているか否かを判定し、制御終了フラグがセットされているときにはステップS116へ移行し、制御終了フラグがセットされていないときには処理を終了する。
ステップS116では、制御開始フラグをクリアして(制御開始フラグがセットされていない状態にして)、ステップS117へ移行する。
ステップS117では、操作変化量検知フラグをクリアして(操作変化量検知フラグがセットされていない状態にして)、ステップS118へ移行する。
ステップS118では、待ち時間カウンタをクリアにして(待ち時間カウンタをゼロに設定して)、処理を終了する。
緊急時には運転者はブレーキペダル操作速度が速くなることから、ブレーキペダルBPの操作変化量(操作速度)が所定変化量を超えるとブレーキアシスト制御を介入するものがある。しかし、運転者によっては緊急時ではない通常時のブレーキペダル操作であってもブレーキペダル操作速度が速い場合もある。このような運転者が乗車したときには、緊急時ではないときにブレーキアシスト制御の介入が頻発するおそれがある。そのため、通常時に同じブレーキペダル操作量であっても、ブレーキアシスト制御が介入しているときと介入していないときとでは制動力が大きく変わることとなり、運転者に違和感を与えることとなる。
そこで実施例1では、ブレーキペダルBPの操作量が第1操作量閾値P1以上であって、操作変化量が操作変化量閾値ΔP以上であることを必要条件として、ブレーキアシストを行うようにした。
ブレーキペダル操作速度が速い運転者であっても、通常時にブレーキペダル操作速度が速いのはブレーキペダルBPを踏み込み始めだけであり、ある程度踏み込んだ状態においてもブレーキペダル操作速度が落ちないことは少ない。そのため、ブレーキペダルBPをある程度踏み込んだ状態(操作量が第1操作量閾値P1以上)であって、ブレーキペダル操作速度が速い(操作変化量が操作変化量閾値ΔP以上)ときに、はじめてブレーキアシストを行うようにすることで、不要なブレーキアシスト制御の介入を抑制することができる。
そこで実施例1では、ブレーキペダルBPをある程度踏み込んだ後は、ブレーキペダル操作速度がある程度低下したとしても、ブレーキペダルBPの踏み込みを継続している(操作量が待ち時間Twait以内に第2操作量閾値P2以上)ときには、ブレーキアシストを行うようにした。
これにより、ブレーキペダル操作速度がある程度低下したとしても、ブレーキペダルBPの踏み込みを継続している(操作量が待ち時間Twait以内に第2操作量閾値P2以上)ときには、ブレーキアシストを行うようにし、緊急時にはブレーキアシスト制御を適切に介入できる。
そこで実施例1では、待ち時間TwaitをブレーキペダルBPの操作速度(操舵変化量)に応じて可変にするようにした。
これにより、運転者のブレーキペダル操作特性に応じてブレーキアシスト制御の介入条件を設定することができ、運転者に応じて緊急時にはブレーキアシスト制御を適切に介入できる。
時間t1において、ブレーキペダルBPの操作変化量が操作変化量閾値ΔP以上となるが、ブレーキペダルBPの操作量が第1操作量閾値P1以上となっていないため、ブレーキアシスト制御の介入を行わないようにしている。
時間t2において、ブレーキペダルBPの操作量が第1操作量閾値P1以上となるが、ブレーキペダルBPの操作変化量が操作変化量閾値ΔP以上となっていないため、ブレーキアシスト制御の介入を行わないようにしている。
時間t3において、ブレーキペダルBPの操作量が第1操作量閾値P1以上となるが、ブレーキペダルBPの操作変化量が操作変化量閾値ΔP以上となったため、待ち時間のカウントを開始する。
時間t4において、カウントを開始してから待ち時間閾値Twaitを待たずにブレーキペダルBPの操作量が第2操作量閾値P2以上となり、ブレーキアシスト制御が介入する。これにより、ドライバによるブレーキペダル操作量以上のブレーキ液圧を発生させるようにしている。
実施例1において得られる効果について、以下に列記する。
(1)運転者によるブレーキペダルBP(ブレーキ操作部材)の操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサ2(ブレーキ操作量検出部)と、運転者によるブレーキペダルBPの操作により発生するブレーキ力に対して、ブレーキ力を助勢(ブレーキアシスト)する液圧ユニット1(ブレーキ助勢部)と、検出された操作量が設定された第1操作量閾値P1(第1操作量)以上か否かを判定し(ステップS102)、検出された操作量の変化量が設定された操作変化量閾値(所定変化量)以上か否かを判定する(ステップS103)ブレーキアシストコントローラ3(第1操作量判定部、変化量判定部)を備え、操作量が第1操作量閾値P1以上と判定され、且つ、操作変化量が操作変化量閾値以上と判定されたことを必要条件として、液圧ユニット1を作動させるようにした。
よって、不要なブレーキアシスト制御の介入を抑制することができる。
よって、不要なブレーキアシスト制御の介入を抑制することができるとともに、ブレーキペダル操作速度がある程度低下したとしても、ブレーキペダルBPの踏み込みを継続しているときには、ブレーキアシストを行うようにし、緊急時にはブレーキアシスト制御を適切に介入できる。
(3)操作変化量が大きいほど待ち時間閾値Twaitを短く設定するようにした。
よって、運転者のブレーキペダル操作特性に応じてブレーキアシスト制御の介入条件を設定することができ、運転者に応じて緊急時にはブレーキアシスト制御を適切に介入できる。
以上、本願発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1では、液圧ユニット1によりブレーキアシストを行うようにしていたが、ブレーキペダルBPの踏力を補助する電動ブースタによってブレーキアシストを行うようにしても良いし、負圧ブースタに送る負圧の大きさを制御してブレーキアシストを行うようにしても良く、ブレーキアシストの方法については特に限定しない。
2 ブレーキペダルストロークセンサ
3 ブレーキアシストコントローラ
BP ブレーキペダル
Claims (1)
- 運転者によるブレーキ操作部材の操作量を検出するブレーキ操作量検出部と、
運転者によるブレーキ操作部材の操作により発生するブレーキ力に対して、ブレーキ力を助勢するブレーキ助勢部と、
検出された前記操作量が設定された第1操作量以上か否かを判定する第1操作量判定部と、
検出された前記操作量の変化量が設定された所定変化量以上か否かを判定する変化量判定部と、
検出された前記操作量が前記第1操作量より大きい操作量である設定された第2操作量以上であるか否かを判定する第2操作量判定部と、
を備え、
前記操作量が前記第1操作量以上と判定され、且つ、前記変化量が所定変化量以上と判定されてから設定された所定時間内に、前記操作量が前記第2操作量以上と判定されたときに、前記ブレーキ助勢部を作動させ、
前記変化量が大きいほど前記所定時間を短く設定することを特徴とするブレーキ制御装置。
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