JP5971154B2 - 焼成炉での廃プラスチックの利用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、従来あまり燃料として使用されてない廃プラスチックを、生石灰、焼成ドロマイト、ポルトランドセメント等の焼成品を製造するロータリーキルン等の焼成炉に吹き込むことにより燃焼させて、燃料として利用する方法に関する。
使用済みのプラスチックである廃プラスチックは高い熱量を有する熱源として使用可能であるが、従来埋め立て処理および焼却処理されていた。しかしながら、廃プラスチックは嵩密度が小さいため埋め立て処分場が早期に逼迫してくる問題、あるいは廃プラスチックを焼却した際の有害成分の発生等による環境上の問題が発生してきている。そこで、廃プラスチックのリサイクル利用の要請が高まり、例えば鉄鋼業においては、高炉やコークス炉で廃プラスチックを炭材として使用することにより、廃プラスチックの大量リサイクルを行なっている。
廃プラスチックが高い熱量を有する熱源として使用可能なことに着目した技術としては、廃プラスチックを利用したセメントクリンカーの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ただし、特許文献1に記載の技術では、廃プラスチックを、セメントクリンカーを製造するロータリーキルン内の原料に添加することによって安価にセメントクリンカーを製造できるとしているが、具体的な廃プラスチックの添加方法は不明である。
従来、生石灰、焼成ドロマイト、ポルトランドセメント等がロータリーキルンを用いて製造されていることは良く知られている。ロータリーキルンは装入物に対して燃焼ガスの通過する空間が比較的大きいため、種々の燃料を燃焼するために好都合である。
ロータリーキルンにおいて、生石灰、焼成ドロマイトは、石灰石、ドロマイト原石をサイロから原石を予熱するためのグレートプレヒーターに供給し、予めロータリーキルンからの排ガスによって予熱し、その後、ロータリーキルンに装入して製造される。
ロータリーキルンは円形の鉄皮に耐火物が内張りされた円筒状の加熱炉であって、一定の速度で円筒の軸の回りに回転している。装入された石灰石等は回転した炉内を通過し、出口方向へ移動する。原料の装入口は出口方向に対して3/100〜4/100上向きに傾斜しており、装入された石灰石等は焼成されながら炉内を回転しつつ、出口方向に移動する。
出口においては、燃料を供給する装置が備えられており、ノズルを介して炉内に吹き込まれ、空気により燃焼して、炉内を1000℃以上の高温に保持する。この燃焼熱により石灰石、ドロマイト原石は焼成されて生石灰または焼成ドロマイトに変化する。
燃料燃焼のための空気は生石灰、焼成ドロマイトと熱交換を行い、高温空気としてロータリーキルンの中に吹き込まれ、燃料を燃焼する。ロータリーキルン内の温度は出口側が約600℃前後、燃料が燃焼する火炎のある部分は部分的には1500℃以上となり、石灰石、ドロマイトの分解反応に伴って温度が低下し、ガスの排出口側においては1000℃程度まで温度が低下する。この1000℃程度の高温排ガスは石灰石、ドロマイトの予熱に使用される。
以上が生石灰または焼成ドロマイトを製造する場合のロータリーキルン設備の概要である。従来、ロータリーキルンでは燃料として主に微粉炭を利用し、一部として重油も利用している。しかしながら、これらの燃料は何れもコスト高である。高発熱量を有する廃プラスチックを燃料として利用することで、生石灰または焼成ドロマイトをより安価に製造することができ、燃料削減ならびに環境問題の解決につながることが期待される。
ロータリーキルンにおいて、廃プラスチックを主燃料と共にロータリーキルン内に吹き込み、燃焼させることを目的とし、(a)廃プラスチック粒子を細束流とする工程と、(b)前記廃プラスチック粒子の細束流を主燃料の吹き込み位置の上側から前記ロータリーキルン内に燃料として吹き込み、燃焼させる工程、を有するロータリーキルンにおける廃プラスチックの燃焼方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2においては、ロータリーキルン内に細束流として吹き込んだ廃プラスチック粒子の炉内における着地範囲が、主燃料の火炎長さの1/10〜2/3の範囲にあるように吹き込むことが好ましいとされている。
また、特許文献3には、セメント焼成用補助燃料として、廃プラスチックの利用が記載されている。特許文献3に記載の技術は、廃プラスチックの燃焼性を高めるために、予め液状廃棄物と混合し、そのスラリー状混合物を、ロータリーキルンの主燃料バーナの一部に設けた補助燃料吹出口に送給し、該吹出口からロータリーキルン内に吹き出して燃焼させる方法である。
特開昭46−15037号公報 特開平8−283053号公報 特開2007−84434号公報
前記特許文献1〜3に記載されているのは、焼成炉での廃プラスチックの有効利用率(燃焼性)を高めるための方法であり、例えば、吹き込む廃プラスチックの粒径を規定する方法、廃プラスチックを主バーナの高温部に吹き込む方法、液状廃棄物と混合し吹き込む方法である。これらの特許文献1〜3は燃焼性だけに視点をおいているが、通常廃棄されるプラスチックには廃棄される過程で、種々の不純物が混入される。例えば、不純物としては土砂、ガラス、金属、食品残渣などが上げられる。また、工業的に使用されているプラスチックは、その用途に応じて顔料、増量剤、充填剤等が混合されている。例えば、それらは、SiO、Al、CaO、MgO、TiO等の酸化物などである。このように不純物を含有する廃プラスチックを石灰石焼成炉やセメント焼成炉の燃料に使用した場合、その不純物の溶融により、炉内炉壁部に付着し、キルンリングが生成し、安定操業が継続できない。キルンリングが生成した場合、焼成炉を冷却し、キルンリングの除去作業を実施することから、稼働率の低下を来たす。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、廃プラスチックを焼成炉(ロータリーキルン等)の燃料として用いて焼成品(生石灰または焼成ドロマイト等)を製造する際に、廃プラスチックに含まれている不純物成分(灰分)による炉内炉壁部への付着物生成を防止することが可能な、焼成炉での廃プラスチックの利用方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、焼成炉(ロータリーキルン等)で廃プラスチックを燃料として利用する際に炉壁における付着物の生成(キルンリングの生成)を防止する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、あらかじめ廃プラスチックに含有される灰分(Ash成分)のガラス転移温度を測定しておき、そのガラス転移温度が1250℃以上になるように無機化合物(アルミナ、シリカ、カルシア、マグネシア)を添加し、焼成炉内位置に廃プラスチックを吹き込むことにより、灰分の溶融(ゴム状態化、液体状態化)が抑止されて、キルンリングの生成を適切に防止できることを見出した。具体的には、(アルミナ、シリカ、カルシア、マグネシア)を添加することで付着物の生成を防止できることを見出した。
なお、上記のガラス転移温度についてであるが、非結晶性固体を加熱した場合は、低温では流動性を示さないが、ある温度で急速に粘度が低下し流動性が増す。その温度をガラス転移温度という。ガラス転移温度より低温の非晶質状態をガラス状態といい、ガラス転移温度より高温では物質は液体またはゴム状態となる。言い換えれば、ガラス転移温度は、液体またはゴム状態からガラス状態に戻る温度ということになる。つまり、ガラス転移温度は融点ではなく、液相が生成し始める時の温度であり、融点より低温である。ちなみに、ガラス転移温度は、示差熱分析計で、昇温速度10℃/minで測定する。
本発明は上記の知見に基づいており、以下の特徴を有している。
[1]焼成炉内の原料を燃料の燃焼により加熱して焼成品を製造する際に、前記燃料の一部として廃プラスチックを用いる方法であって、前記廃プラスチックに無機化合物を添加して、廃プラスチック中に含まれる灰分と添加した無機化合物の混合物のガラス転移温度を1250℃以上に高めることを特徴とする焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
[2]前記無機化合物を添加して廃プラスチックを造粒することを特徴とする前記[1]に記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
[3]前記無機化合物を添加して廃プラスチックを造粒するに際して、リングダイに廃プラスチックと前記無機化合物を同時に供給して造粒することを特徴とする前記[2]に記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
[4]前記無機化合物が、シリカ、マグネシア、カルシアの内から選択された1種または2種以上であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
[5]前記焼成炉内の原料が石灰石またはドロマイトであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
本発明によれば、石灰石、ドロマイトあるいはセメント等の焼成炉(ロータリーキルン等)の燃料として廃プラスチックを用いる際に、廃プラスチックに含有される不純物による炉内炉壁部への付着物生成を防止することが可能となり、焼成炉の稼働率を低下させずに安定に操業し、焼成品を安価に製造することができる。
ロータリーキルン内の状況を示す説明図。 ロータリーキルンに用いる廃プラスチックの処理フロー。 圧縮成型造粒方法で用いる造粒装置の一例の概略図(リングダイ造粒装置)。 廃プラスチックに含有される灰分に無機化合物を添加した場合の添加率とガラス転移温度の関係を示すグラフ。
本発明の一実施形態を述べる。
ここで、本発明において使用する焼成炉とは、原料と燃料とを容器内で加熱することにより原料を焼成する炉であり、具体的にはロータリーキルンやメルツ炉等があげられるが、この実施形態では、ロータリーキルンを用いた場合を例にして説明する。そして、焼成品としては、生石灰または焼成ドロマイトを製造するものとする。
また、焼成炉の燃料の一部として使用する廃プラスチックとは、使用済みプラスチックであり、通常異物や複数種類のプラスチックが混合した状態のものである。一般家庭からの廃棄物である一般廃棄物プラスチックは異物の混入が多く、通常リサイクルに用いる際に前処理が必要であるが、産業廃棄物プラスチックは一般には異物の混入が少なく、多種類のプラスチックの混合状態ではない場合もある。このような使用済みプラスチックには顔料、充填剤等が含有されており、工業分析値での灰分濃度としては、数〜数十%、灰分の組成としては酸化物換算で、SiO、Al、CaO、MgO、Fe、TiO、NaO、KO等、塩素等ハロゲンが含有されている。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1(a)、(b)は、ロータリーキルン内の状況を示す説明図である。図1(a)に示すように、ロータリーキルン1に入口2から供給された原料3(石灰石またはドロマイト原石(CaCO・MgCO))はロータリーキルン出口4側のバーナ5に吹き込まれた主燃料Aと燃焼用空気Bの反応により生成した燃焼ガスにより加熱され、生石灰あるいは焼成ドロマイトとなり、出口4に移動する。原料の滞留時間は一般的に約60分である。図1においては、廃プラスチック吹き込み口6より燃料としてロータリーキルン1内に吹き込まれた廃プラスチックCの、ロータリーキルン内(炉内)における着地範囲は、燃焼性をよくするためにロータリーキルンの出口から見て主燃料の火炎7長さの1/2〜2/3の範囲である。原料(石灰石またはドロマイト)3はロータリーキルン1に装入され、対向する主燃料Aおよび/または廃プラスチックCの燃焼により発生した高温ガスにより、脱COされ、焼成物(生石灰または焼成ドロマイト)9となり、ロータリーキルン1の出口4より回収される。
ロータリーキルン1内の固体(原料)3およびガスの温度を図1(b)のグラフに示す。図1(b)に示すように、ロータリーキルン1内では原料(石灰石またはドロマイト)3が徐々に昇温され、石灰石の場合には約900℃で脱炭酸し、生石灰に変換され、ドロマイトでは炭酸マグネシウムの脱炭酸が約550℃から起こる。
一方、ロータリーキルン用の燃料に用いた廃プラスチックCは空気(予熱空気)との燃焼により高温ガスを発生するが、廃プラスチックCに含有されている灰分は燃焼残渣となる。この燃焼残渣の一部は焼成物(生石灰または焼成ドロマイト)9とともに炉外に排出される(このうち一部は生石灰あるいは焼成ドロマイトと反応し、複合酸化物を形成する)。残りの燃焼残渣は、炉壁レンガの気孔あるいは原料3の移動に伴ってレンガが磨耗して生成した凹凸部に残存し、炉壁レンガが高温の場合は溶融し、付着物として付着する。さらに、これが核となり付着物が成長し、安定操業が不可能となるキルンリングを生成する。
そこで、この実施形態においては、廃プラスチックCを燃料として利用する際に、炉壁における付着物の生成(キルンリングの生成)を防止するために、あらかじめ廃プラスチックCに含有される灰分のガラス転移温度を測定しておき、そのガラス転移温度が1250℃以上になるように無機化合物を添加し、造粒した廃プラスチックCを吹き込むようにしている。添加する無機化合物としては、MgO、SiO、CaO等であり、生石灰を使用する製鋼工程で問題にならないものであればよい。これによって、灰分の溶融(液相化)が抑止され、炉壁における付着物の生成(キルンリングの生成)を的確に防止することができる。
次に、図2を用いて、具体的な廃プラスチックのロータリーキルンでの利用方法を説明する。廃プラスチックは造粒して用いることが好ましく、以下においては、廃プラスチックの造粒方法についても詳しく説明する。
図2に示す処理フローに従い、廃プラスチックを破砕工程21において破砕機で破砕後、異物除去工程22において磁選、風選等を用いた異物除去と水による洗浄等を行ない、プラスチック以外の異物を可能な限り除去した後に、ガラス転移温度が1250℃以上になるように無機化合物を廃プラスチックに添加し、造粒工程23において造粒装置で造粒物に加工する。得られた造粒物は、吹き込み工程24において吹込手段によってロータリーキルン内に吹き込まれて、焼成工程25においてロータリーキルンで焼成される。
その際に、造粒工程23では、異物を除去した破砕物を円柱形状に押出し造粒して造粒物を得る。このようにして得られた造粒物は、異物が極めて少なく、性状が一定(粒径範囲が狭く、品質も安定)であり、ロータリーキルンへの吹込み燃料として好適である。また、無機化合物を添加することで、輸送(吹込み)過程で粉化が少ない強固な造粒物が製造可能である。
なお、造粒工程23では、通常の廃プラスチックを造粒する際に用いる公知の方法を用いれば良く、例えば以下に示す圧縮成型造粒方法のような造粒方法を用いることができる。この圧縮成型造粒方法は、特にフィルム状の廃プラスチックの造粒に好適である。
圧縮成型造粒方法では、廃プラスチックを、全周に複数のダイス孔が貫設されたリングダイの孔から圧縮押出しして造粒する。たとえば、全周に複数のダイス孔が貫設されたリングダイと、このリングダイの内側にリングダイ内周面と接するようにして回転自在に配置された転動ローラとを備えた圧縮成型装置を用いるものであり、リングダイの内部に投入された廃プラスチックを、転動ローラによってリングダイ内周面との間で圧縮・圧潰しつつリングダイのダイス孔に押し込み、ダイス孔内を通過してリングダイ外面側に押し出されたプラスチック成型物を切断又はリングダイ外面から掻き落とすことにより、炉吹き込み原料となる粒状プラスチック成型物を得るものである。主としてダイス孔内において廃プラスチックの少なくとも一部が摩擦熱によって半溶融又は溶融化し、その後固化することによりプラスチック成型物(造粒物)が得られる。
圧縮成型造粒方法で用いる造粒装置としては、たとえば、全周に複数のダイス孔が貫設され、装置本体に回転可能に支持されるとともに駆動装置により回転駆動するリングダイと、装置本体に回転自在に支持されるとともに、前記リングダイの内側にリングダイ内周面と接するようにして配置される1又は2以上の転動ローラとを備えたものが知られており、廃プラスチックを、前記転動ローラによってリングダイ内周面との間で圧縮・圧潰しつつリングダイのダイス孔内に押し込み造粒する。
圧縮成型造粒方法で用いる造粒装置の一例の概略図を図3に示す。このプラスチック圧縮成型装置は、全周に複数のダイス孔10が貫設されたリングダイ11と、このリングダイ11の内側にリングダイ内周面と接するようにして回転自在に配置された転動ローラ12(12a、12b)と、リングダイ11の外側に配置されたカッター13とを備えている。
前記リングダイ11は適当な幅を有するリング体により構成され、図示しない装置本体に回転可能に支持されるとともに、同じく図示しない駆動装置により回転駆動する。このリングダイ11の周方向及び幅方向には複数のダイス孔10が設けられている。これらのダイス孔10は、リングダイ11の径方向に沿ってリングダイ11の内側(内周面)と外側(外周面)間を貫通して設けられている。ダイス孔10の孔径(直径)は造粒すべき粒状プラスチック成型物の大きさ(径)に応じて決められるが、通常2〜15mm程度である。また、ダイス孔10の長さ(リングダイ11の厚さ)は通常30〜150mm程度である。
前記転動ローラ12a、12bは装置本体に回転自在に支持されるとともに、リングダイ11の内側に180°対向した状態に配置されている。これら転動ローラ12a、12bは無駆動のフリーのローラ体であり、リングダイ11の内周面と接しているためその内周面との摩擦によりリングダイ11の回転に伴って回転する。なお、この転動ローラ12の数は任意であり、1個又は3個以上設けてもよい。
前記カッター13は、その刃先がリングダイ11の外周面に接するか又は外周面の近傍に位置するように設けられ、前記ダイス孔10からリングダイ11の外側に棒状に押し出されるプラスチック成型物を適当な長さに切断する(又はリングダイ外周面から掻き落す)ものである。
以上のようなプラスチック圧縮成型装置では、リングダイ11が図中矢印方向に回転駆動し、これに随伴して転動ローラ12a、12bも回転している状態で、投入口14からリングダイ11の内部に廃プラスチックが投入され、この投入された廃プラスチックは、リングダイ11内で混合され、転動ローラ12a、12bによってリングダイ11内周面との間で圧縮・圧潰されつつリングダイ11のダイス孔10内に押し込まれる。ダイス孔10内に押し込まれた廃プラスチックは、ダイス孔内を通過してリングダイ11の外面側に棒状に成型された状態で順次押し出され、このプラスチック成型物が前記カッター13により適当な長さに切断されることにより、円柱形状のプラスチック造粒物15が得られる。16は排出口である。
無機化合物の添加時期は、造粒工程23に入る前に事前に廃プラスチックに混合してもよいし、図2に示すように、造粒工程23において造粒機内に廃プラスチックと同時に供給してもよい。
上記のような方法により製造した廃プラスチックの造粒物を、生石灰または焼成ドロマイト製造用ロータリーキルンで燃料の一部として利用する。燃料として利用する方法としては、通常の気流輸送方式により、ランスあるいは専用バーナを用いてロータリーキルン内に廃プラスチック造粒物を吹き込めばよい。
その際、事前に廃プラスチック造粒物の灰分のガラス転移温度を測定し、ガラス転移温度が1250℃以上になるように無機化合物の添加率を調整する。廃プラスチック造粒物の灰分のガラス転移温度が1250℃以上の場合は、無機化合物を添加する必要はない。言い換えれば、本発明は、廃プラスチック造粒物の灰分のガラス転移温度が1250℃未満の場合に有効である。
ちなみに、廃プラスチックに含有される灰分に無機化合物を添加した場合の無機化合物添加率とガラス転移温度測定結果の関係を図4に示す。なお、添加率は廃プラスチックに含有される灰分に対する割合である。ガラス転移温度への影響(無機化合物の添加率に対するガラス転移温度の上昇量)は、添加する無機化合物により異なり、図4の傾きから以下となる。
MgO:134℃/10%添加、CaO:12℃/10%添加、SiO:22℃/10%添加
本発明の実施例について述べる。
[本発明例1]
図2のフローに従い、図3に示した造粒装置(リングダイ造粒装置)を用いて廃プラスチックを造粒し、プラスチック成型物(造粒物)を得た後、図1に示したロータリーキルン(生石灰焼成用ロータリーキルン)を用いて、石灰石を焼成した。
使用した廃プラスチックは一般家庭からの廃棄物であり、複数種類のプラスチックと異物とが混合された状態で、ポリエチレン32mass%、ポリプロピレン31mass%、ポリスチレン22mass%、ポリ塩化ビニル4mass%、その他(紙など)11mass%であり、塩素を1.32mass%含有するものであった。工業分析の結果、灰分は4.66%である。表1に廃プラスチックの化学組成を示す。この廃プラスチックを950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1210℃であった。
Figure 0005971154
廃プラスチックを1.0t/hおよびMgOを4.7kg/h(灰分に対して10%)の条件で造粒装置に供給して造粒した。造粒装置はリングダイ内径840mm、幅240mm、リングダイ厚み(ダイス長さ)60mm、転動ローラ径405mmで、ダイス径6mmの穴1万個であり、直径約6mm、長さ約10〜20mmの円筒形の粒状物を製造した。製造した廃プラスチックを950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1344℃であった。
このプラスチック造粒物を、500t/日の生石灰生産量の石灰焼成用ロータリーキルン(内径:3.2m、長さ:53m、傾斜角:1/1000)に吹き込んだ(主燃料は重油で、発熱量:9800kcal/kg)。ロータリーキルン出口の主燃料バーナの位置は炉中心であり、プラスチック造粒物の吹込み口(65A)は主バーナ上に0.2m(炉内への突き出し長さ:1.0m)に設置した。すなわち、前述した図4における吹込み条件(ロータリーキルン生石灰出口での吹込み口位置は炉中心から0.2m上方、炉内への突き出し長さは1.0m、キルン傾斜角度は1/1000)と同じである。なお、廃プラスチック吹込み角度は上向き0度とした。プラスチック造粒物のキャリアガス流速を26m/sとした。その結果、炉壁への付着物の生成はごく僅かであり、連続して60日間の安定操業が可能であった。
[本発明例2]
無機化合物として、MgOを2.3kg/h(灰分に対して5%)添加した以外は本発明例1と同様に行った。このプラスチック造粒物を950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1277℃であった。その結果、炉壁への付着物の生成はごく僅かであり、連続して45日間の安定操業が可能であった。
[本発明例3]
無機化合物として、CaOを18.6kg/h(灰分に対して40%)添加した以外は本発明例1と同様に行った。このプラスチック造粒物を950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1258℃であった。その結果、炉壁への付着物の生成はごく僅かであり、連続して50日間の安定操業が可能であった。
[本発明例4]
無機化合物として、CaOを23.3kg/h(灰分に対して50%)添加した以外は本発明例1と同様に行った。このプラスチック造粒物を950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1270℃であった。その結果、炉壁への付着物の生成はごく僅かであり、連続して50日間の安定操業が可能であった。
[本発明例5]
無機化合物として、SiOを9.3kg/h(灰分に対して20%)添加した以外は本発明例1と同様に行った。このプラスチック造粒物を950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1253℃であった。その結果、炉壁への付着物の生成はごく僅かであり、連続して45日間の安定操業が可能であった。
[比較例1]
無機化合物を添加しない以外は本発明例1と同様に廃プラスチック造粒物を製造し、ロータリーキルンに吹き込んだ。その際の落下位置の炉壁温度は約1280℃であり、廃プラスチックの灰分のガラス転移温度(1210℃)を超えていた。
そして、7日間、プラスチック造粒物を吹き込んだところ、炉前から5〜8mにキルンリングが生成し、付着物除去のためにプラスチック吹込みをやめ、ロータリーキルンを停止した。
[比較例2]
無機化合物として、MgOを0.9kg/h(灰分に対して2.0%)の条件以外は本発明例1と同様に廃プラスチック造粒物を製造し、ロータリーキルンに吹き込んだ。このプラスチック造粒物を950℃、空気中で灰化し、その灰分のガラス転移温度を示差熱分析計で昇温速度10℃/minで測定したところ、1237℃であった。
そして、14日間、プラスチック造粒物を吹き込んだところ、炉前から5〜8mにキルンリングが生成し、付着物除去のためにプラスチック吹込みをやめ、ロータリーキルンを停止した。キルンリングの高さは最大20cmとなり、キルン内径が2.8mに縮小された。
上記の本発明例1〜5と比較例1、2の実施条件(無機化合物の添加率等)と実施結果(ガラス転移温度)を表2に示す。
Figure 0005971154
1 ロータリーキルン
2 入口
3 原料(石灰石またはドロマイト)
4 出口
5 バーナ
6 廃プラスチック吹き込み口
7 主燃料の火炎
9 焼成物(生石灰または焼成ドロマイト)
10 ダイス孔
11 リングダイ
12(12a、12b) 転動ローラ
13 カッター
14 投入口
15 プラスチック造粒物
16 排出口
21 破砕工程
22 異物除去工程
23 造粒工程
24 吹き込み工程
25 焼成工程
A 主燃料
B 燃焼用空気
C 廃プラスチック

Claims (4)

  1. 焼成炉内の原料を燃料の燃焼により加熱して焼成品を製造する際に、前記燃料の一部として廃プラスチックを用いる方法であって、前記廃プラスチックに無機化合物を添加して廃プラスチックを造粒し、廃プラスチック中に含まれる灰分と添加した無機化合物の混合物のガラス転移温度を1250℃以上に高めることを特徴とする焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
  2. 前記無機化合物を添加して廃プラスチックを造粒するに際して、リングダイに廃プラスチックと前記無機化合物を同時に供給して造粒することを特徴とする請求項に記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
  3. 前記無機化合物が、シリカ、マグネシア、カルシアの内から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
  4. 前記焼成炉内の原料が石灰石またはドロマイトであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の焼成炉での廃プラスチックの利用方法。
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