本発明においては、レール継目箇所やその他の箇所の落ち込みを矯正(整正としてもよい)するレール矯正装置において、レールの落ち込み箇所を引き上げることができるとともに、落ち込み箇所を引き上げ過ぎた場合に曲げ戻すことができるレール矯正装置を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づくレール矯正システム(レール整正システムとしてもよい)は、図1〜図9に示すように、レール矯正装置5と、曲げ戻し用のクランプ210、212と、ブロックユニット220と、作業車両400とを有している。
ここで、レール矯正装置(レール整正装置としてもよい)5は、図1〜図8に示すように構成され、本体部10と、第1脚部60と、第2脚部80と、整正シリンダ100と、クランプ支持部120と、クランプ140、170と、クランプシリンダ200と、クランプ210、212と、ブロックユニット220とを有している。なお、クランプ140とクランプ170とで、クランプ群(A2)を構成する。このレール矯正装置5は、レール継目落整正機としての機能を有するものである。
ここで、本体部10は、レール矯正装置5のフレーム状部分を構成するものであり、シリンダ収納部20と、吊下げ具30と、第1脚部支持部40と、第2脚部支持部50とを有している。第1脚部支持部40と第2脚部支持部50とにより脚部支持部群A1が構成される。
シリンダ収納部20は、略円柱状を呈していて、円柱状の本体部22の上端の周囲からフランジ24が外側に突出した形状を有している。
また、吊下げ具30は、横方向の板状部と該板状部の両端から上方に立設した板状部の立設部34、36を有し、立設部34、36は、略板状を呈し、上端が半円状になっている。立設部34には穴部34aが設けられるとともに、立設部36には穴部36aが設けられ、これらの穴部34a、36aにシャフトを挿通することによりレール矯正装置5を吊り下げることができる。立設部34の両側の面における穴部34aの周囲はリング状に突出し、立設部36の両側の面における穴部36aの周囲はリング状に突出している。また、板状部32には、ヘッドカバー104の上面に固定された突状部112(突状部112の周面にはネジ溝が形成されている)を挿通するための穴部が設けられている。
また、第1脚部支持部40は、シリンダ収納部20の横方向の一方向である右側面側から突出して形成され、第1脚部支持部40は、シリンダ収納部20の右側面側に形成されたフレーム部42と、フレーム部42の下端から下方に突出して形成された脚部取付部44、46とを有している。
ここで、フレーム部42は、正面視及び背面視において略直角三角形を呈し、略直角三角形状の板状部42aと、板状部42aと同大同形状で板状部42aと平行に設けられた板状部42bと、板状部42aと板状部42b間を連結する連結板部42cとを有している。
板状部42a、42bのシリンダ収納部20側の辺部と板状部42a、42bの下辺とは互いに直角となっていて、板状部42a、42bの下辺は水平に形成されている。板状部42a、42bのシリンダ収納部20側の辺部と下辺以外の辺部は、上端から右側面側にいくほど下方に傾斜する傾斜辺42a−1、42b−1と該傾斜辺の下端から下方に伸びた辺部42a−2、42b−2とを有している。
連結板部42cは、板状部42aの下辺と板状部42bの下辺とを連結する板状部42c−1と、傾斜辺42a−1、42b−1間及び辺部42a−2、42b−2間を連結する板状部42c−2とを有している。
また、脚部取付部44は、板状部42c−1の下面における正面側から下方に突出して形成され、脚部取付部44は、板状部42c−1の下面から下方に連設された板状部44aと、板状部44aの下端に左右方向に設けられた板状部44bと、板状部44aの正面側の面に上下方向に形成され、板状部42c−1から下方に連設された棒状部44cとを有している。また、板状部44aには、複数(具体的には、3つ)の貫通穴44Kが設けられ、板状部44aにおける貫通穴44Kの周囲は正面側に肉厚に形成されている。このように貫通穴44Kが3つ設けられているので、第1脚部60の取付け位置を左右方向に調整することができる。
また、脚部取付部46は、板状部42c−1の下面における背面側から下方に突出して形成され、脚部取付部44と前後対称に形成されている。
すなわち、脚部取付部46は、板状部42c−1の下面から下方に連設された板状部46aと、板状部46aの下端に左右方向に設けられた板状部46bと、板状部46aの背面側の面に上下方向に形成され、板状部42c−1から下方に連設された棒状部46cとを有している。また、板状部46aには、複数(具体的には、3つ)の貫通穴46Kが設けられ、板状部46aにおける貫通穴46Kの周囲は背面側に肉厚に形成されている。各貫通穴46Kは貫通穴44Kと対応した位置に設けられ、各貫通穴46Kは対応する貫通穴44Kと左右上下位置が一致して形成されている。このように貫通穴46Kが3つ設けられているので、第1脚部60の取付け位置を左右方向に調整することができる。
また、第2脚部支持部50は、シリンダ収納部20の左側面側から突出して形成され、第1脚部支持部40と左右対称に形成されている。すなわち、第2脚部支持部50は、シリンダ収納部20の左側面側に形成されたフレーム部52と、フレーム部52の下端から下方に突出して形成された脚部取付部54、56とを有している。
ここで、フレーム部52は、正面視及び背面視において略直角三角形を呈し、略直角三角形状の板状部52aと、板状部52aと同大同形状で板状部52aと平行に設けられた板状部52bと、板状部52aと板状部52b間を連結する連結板部52cとを有している。
板状部52a、52bのシリンダ収納部20側の辺部と板状部52a、52bの下辺とは互いに直角となっていて、板状部52a、52bの下辺は水平に形成されている。板状部52a、52bのシリンダ収納部20側の辺部と下辺以外の辺部は、上端から左側面側にいくほど下方に傾斜する傾斜辺52a−1、52b−1と該傾斜辺の下端から下方に伸びた辺部52a−2、52b−2とを有している。
連結板部52cは、板状部52aの下辺と板状部52bの下辺とを連結する板状部52c−1と、傾斜辺52a−1、52b−1間及び辺部52a−2、52b−2間を連結する板状部52c−2とを有している。
また、脚部取付部54は、板状部52c−1の下面における正面側から下方に突出して形成され、脚部取付部54は、板状部52c−1の下面から下方に連設された板状部54aと、板状部54aの下端に左右方向に設けられた板状部54bと、板状部54aの正面側の面に上下方向に形成され、板状部52c−1から下方に連設された棒状部54cとを有している。また、板状部54aには、複数(具体的には、3つ)の貫通穴54Kが設けられ、板状部54aにおける貫通穴54Kの周囲は正面側に肉厚に形成されている。このように貫通穴54Kが3つ設けられているので、第2脚部80の取付け位置を左右方向に調整することができる。
また、脚部取付部56は、板状部52c−1の下面における背面側から下方に突出して形成され、脚部取付部54と前後対称に形成されている。
すなわち、脚部取付部56は、板状部52c−1の下面から下方に連設された板状部56aと、板状部56aの下端に左右方向に設けられた板状部56bと、板状部56aの背面側の面に上下方向に形成され、板状部52c−1から下方に連設された棒状部56cとを有している。また、板状部56aには、複数(具体的には、3つ)の貫通穴56Kが設けられ、板状部56aにおける貫通穴56Kの周囲は背面側に肉厚に形成されている。各貫通穴56Kは貫通穴54Kと対応した位置に設けられ、各貫通穴56Kは対応する貫通穴54Kと左右上下位置が一致して形成されている。このように貫通穴56Kが3つ設けられているので、第2脚部80の取付け位置を左右方向に調整することができる。
また、第1脚部60は、略四角柱状を呈し、下側位置にクランプを取り付けるための穴部66が設けられている。この第1脚部60は、脚部取付部44、46に着脱自在となっている。
すなわち、第1脚部60は、脚部本体62と、脚部本体62の下端から下方に突出した突状部68、70を有している。
脚部本体62は、略四角柱状を呈し、正面板部62aと、背面板部62bと、右側面板部62cと、左側面板部62dと、底面部62eと、上面部により四角柱状に形成されている。
脚部本体62の下部には、穴部66が設けられている。すなわち、正面板部62aに設けられた円形の開口部と背面板部62bに設けられた円形の開口部に円筒状67の部材を設けることにより穴部66が設けられている。該円筒状の部材67は、正面板部62aの正面側と背面板部62bの背面側に若干突出して形成されている。この穴部66には、継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際に取り付けるクランプに挿通するボルトが挿通され、該ボルトにナットが螺合されてクランプが第1脚部60に取り付けられる。
また、脚部本体62の上部には、第1脚部60を取り付ける際に脚部取付部44、46に挿通されるピン(軸部としてもよい)72を挿通するために穴部64(取付け用穴部)(図6参照)が設けられている。つまり、穴部66と同様の構成の穴部が脚部本体62の上側にも設けられている。
また、突状部68は、左右方向に設けられた板状部材であり、底面部62eの下面の正面側の端部位置に左右方向に固定して設けられ、突状部70は、左右方向に設けられた板状部材であり、底面部62eの下面の背面側の端部位置に左右方向に固定して設けられている。
なお、レール継目等の落ち込み箇所を引き上げる際に、底面部62eをレールの上面に載置することから、突状部68と突状部70間の間隔は、レールの幅よりも若干大きく形成されている。
第1脚部60は、貫通穴44K、46K及び第1脚部60の上側に設けられた穴部64にピン72を挿通することにより、第1脚部支持部40に吊り下げられる。
また、第2脚部80は、略四角柱状を呈し、下側位置にクランプを取り付けるための穴部86が設けられている。この第2脚部80は、脚部取付部54、56に着脱自在となっている。
すなわち、第2脚部80は、第1脚部60と同一の構成となっている。すなわち、第2脚部80は、脚部本体82と、脚部本体82の下端から下方に突出した突状部88、90を有していて、脚部本体82は脚部本体62と同一の構成であり、突状部88、90は突状部68、70と同一の構成である。
すなわち、脚部本体82は、略四角柱状を呈し、正面板部82aと、背面板部82bと、右側面板部82cと、左側面板部82dと、底面部82eと、上面部により四角柱状に形成されている。
脚部本体82の下部には、穴部86が設けられている。すなわち、正面板部82aに設けられた円形の開口部と背面板部82bに設けられた円形の開口部に円筒状87の部材を設けることにより穴部86が設けられている。該円筒状の部材87は、正面板部82aの正面側と背面板部82bの背面側に若干突出して形成されている。この穴部86には、継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際に取り付けるクランプに挿通するボルトが挿通され、該ボルトにナットが螺合されてクランプが第2脚部80に取り付けられる。
また、脚部本体82の上部には、第2脚部80を取り付ける際に脚部取付部54、56に挿通されるピン(軸部としてもよい)92を挿通するために穴部(取付け用穴部)(図示せず)が設けられている。つまり、穴部86や穴部64と同様の構成の穴部が脚部本体82の上側にも設けられている。
また、突状部88は、左右方向に設けられた板状部材であり、底面部82eの下面の正面側の端部位置に左右方向に固定して設けられ、突状部90は、左右方向に設けられた板状部材であり、底面部82eの下面の背面側の端部位置に左右方向に固定して設けられている。
なお、レール継目等の落ち込み箇所を引き上げる際に、底面部82eをレールの上面に載置することから、突状部68と突状部70間の間隔は、レールの幅よりも若干大きく形成されている。
第2脚部80は、貫通穴54K、56K及び第2脚部80の上側に設けられた穴部にピン92を挿通することにより、第2脚部支持部50に吊り下げられる。
また、整正シリンダ(第1シリンダ)100は、図7に示すように、シリンダチューブ102と、ヘッドカバー104と、ロッドカバー106と、ピストン108と、ロッド110とを有している。
シリンダチューブ102は、円筒状右を呈し、シリンダ収納部20の内側の面に沿ってシリンダ収納部20の内側の面に固定して設けられている。
また、ヘッドカバー104は、シリンダチューブ102の上端にシリンダチューブ102の上端を被覆して設けられ、ヘッドカバー104は、円板状の本体部104aと、本体部104aの外周部から上方に突出するとともに本体部104aの外周よりも外側に突出した環状板部104bとを有する形状を有し、ヘッドカバー104は全体で一体に形成されている。ヘッドカバー104の環状板部104bは、シリンダ収納部20のフランジ24にボルトとナットにより固定されている
なお、ヘッドカバー104の上面には、略円柱状の突状部112が上方に突出して形成されている。この突状部112は、円板状のベース部とベース部の上面から上方に突出した円柱状部とを有し、円柱状部にはボルト116を挿通するための穴部が設けられている。また、該円柱状部を板状部32の穴部に挿通した状態で、円筒状の固定部114(この固定部114には、ボルト116を挿通するための穴部が設けられている)に円柱状部を挿通し、ボルト116を固定部114の穴部と円柱状部の穴部に挿通して、ナット118を螺着することにより、吊下げ具30が本体部10の上端に固定される。
また、ロッドカバー106は、シリンダチューブ102の下端に設けられ、シリンダチューブ102の下端を被覆する。なお、ロッドカバー106には、ロッドを挿通するための穴部が設けられている。
ピストン108は、シリンダチューブ102の内側にシリンダチューブ102の内側の面に沿って摺動可能に形成されている。
ロッド110は、ピストン108の下面に固定されていて、ロッド110は、棒状のロッド本体110aと、ロッド本体110aの下端に設けられた筒状部110bを有している。筒状部110bの軸心方向は左右方向に形成されている。
クランプ支持部120は、クランプ140を支持するものであり、支持板部122、124と、支持板部122、124を連結する連結部126、128と、支持板部122、124の穴部に挿通するとともにロッド110の筒状部110bに挿通したピン(軸部としてもよい)130とを有している。
支持板部(第1支持板部)122は、上下方向に形成された板状部であり、両側の面が左右方向を向いて設けられ、縦長の板状を呈している。支持板部(第2支持板部)124は、支持板部122と同大同形状に形成され、支持板部122の左側面側に支持板部122と間隔を介して支持板部122と平行に設けられている。
また、連結部126は、支持板部122と支持板部124とを連結して設けられ、支持板部122と支持板部124間に設けられた円筒状のスペーサ126aと、該スペーサ126aに挿通されたボルト126bと、ボルト126bに螺着されたナット126cを有している。連結部126は、支持板部122、124における上側の正面側に左右方向に設けられている(例えば、スペーサ126aの軸心は左右方向を向いている)。
また、連結部128は、支持板部122と支持板部124とを連結して設けられ、支持板部122と支持板部124間に設けられた円筒状のスペーサ128aと、該スペーサ128aに挿通されたボルト128bと、ボルト128bに螺着されたナット128cを有している。連結部128は、支持板部122、124における上側の背面側に左右方向に設けられている(例えば、スペーサ128aの軸心は左右方向を向いている)。
また、クランプ(第1クランプ)140は、クランプ本体142と、クランプ本体142を支持板部122、124に軸支する軸部150と、クランプ本体142をクランプシリンダ200に軸支するための軸部154と、クランプ本体142に着脱するクランプ爪160を有している。
ここで、クランプ本体(第1クランプ本体)142は、アーム状部(第1アーム状部)144と、アーム状部144の先端に設けられた膨出部146、148と、膨出部146、148における周設部146a、148aを連結する連結部149とを有している。
アーム状部144は、屈曲したアーム状を呈し、屈曲した形状の板状部144a、144bと、2つの板状部144a、144bを連結する連結板部144cとを有している。板状部144aにおける両側の面と板状部144bにおける両側の面は左右方向を向いており、板状部144aと板状部144bとは左右方向に間隔を介して互いに平行に設けられている。
連結板部144cは、板状部144a、144bの外側の辺部に沿って設けられ、方形状の切欠部144Kを設けた方形状の板状部を板状部144a、144bの屈曲に応じて湾曲させた形状を有している。
膨出部(第1右側先端部)146は、アーム状部144の下端から下方に伸びるとともに、右側面側に突出して形成され、アーム状部144から連設された周設部146aと、周設部146aの右側面側に設けられた板状部146bと、周設部146aの内側に板状部146bと平行に設けられた板状部146c(図6参照)とを有している。
周設部146aは、略四角筒状を呈し、アーム状部144における板状部144aの先端(下端)側の端部と連結板部144cの先端(下端)側の端部から連設され、周設部146aにおける領域において、板状部144aから連設された第1領域R1の左右方向の幅L11が第1領域R1以外の領域で他方の膨出部148の周設部148aと間隔が設けられた第2領域R2及び連結部149と連結された第3領域R3における左右方向の幅L12よりも短く形成されている(図5参照)。
この周設部(第1周設部)146aは、略四角筒状を呈するが、特に、下面側に平面部146a−1を有している。継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際にこの平面部146a−1がブロック222の平面部222eに接する領域(接触面としてもよい)(つまり、曲げ戻し用のブロックと接するための接触面)となる。
また、板状部(第1板状部)146bは、周設部146aの右側面側をカバーするように形成されていて、ピン(軸部としてもよい)162を挿通するための2つの穴部が形成されている。また、板状部146cは、板状部146bの下側の領域に対応した領域に板状部146bと平行に設けられ(つまり、板状部146cは、第2領域R2と第3領域R3の下側の領域と接続している)、ピン162を挿通するための2つの穴部が形成されている。
膨出部(第1左側先端部)148は、アーム状部144の下端から下方に伸びるとともに、左側面側に突出して形成され、アーム状部144から連設された周設部148aと、周設部148aの左側面側に設けられた板状部148bと、周設部148aの内側に板状部148b及び板状部146cと平行に設けられた板状部148c(板状部146cと対称の構成の板状部)とを有している。膨出部148は、膨出部146と左右対称に形成されている。
周設部148aは、略四角筒状を呈し、アーム状部144における板状部144bの先端(下端)側の端部と連結板部144cの先端(下端)側の端部から連設され、板状部144bから連設された第1領域の左右方向の幅が第1領域以外の領域で他方の膨出部146の周設部146aと間隔が設けられた第2領域及び連結部149と連結された第3領域における左右方向の幅L22よりも短く形成されている。
この周設部(第2周設部)148aは、略四角筒状を呈するが、特に、下面側に平面部148a−1を有している。継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際にこの平面部148a−1がブロック222の平面部222eに接する領域(接触面としてもよい)(つまり、曲げ戻し用のブロックと接するための接触面)となる。
また、板状部(第2板状部)148bは、周設部148aの左側面側をカバーするように形成されていて、ピン162を挿通するための2つの穴部が形成されている。また、周設部148aの内側に板状部148b及び板状部146cと平行に設けられた板状部は、板状部148bの下側の領域に対応した領域に板状部148bと平行に設けられ(つまり、板状部148cは、第2領域R2と第3領域R3の下側の領域と接続している)、ピン162を挿通するための2つの穴部が形成されている。板状部146cと板状部148cの間にクランプ爪160が設けられる。
また、連結部149は、周設部146aにおける領域において、板状部144aから連設された第1領域以外の領域において、クランプ爪160をクランプ本体142に取り付けた際に邪魔とならない範囲(これが第3領域となる)と、周設部148aにおける領域において、板状部144bから連設された第1領域以外の領域において、クランプ爪160をクランプ本体142に取り付けた際に邪魔とならない範囲(これが第3領域となる)とを連結するものである。
また、クランプ爪(第1クランプ爪)160は、図8に示すように、略台形形状の板状を呈し、クランプ爪160は、本体部160aと、本体部160aから突出し、レールに係止するための突状部160bを有し、本体部160aには、クランプ本体142に取り付けるための軸部を挿通するための穴部160cを有している。
なお、第2領域における膨出部146と膨出部148間の間隔は、切欠部144Kの左右方向の幅と同じとなっていて、クランプ爪160をクランプ本体142に取り付けた際に、連結板部144cの切欠部144Kと膨出部146と膨出部148間に設け、2つのピン162を膨出部146、148の穴部とクランプ爪160の穴部160cに挿通することによりクランプ爪160がクランプ本体142に取り付けられる。
また、クランプ(第2クランプ)170は、クランプ本体172と、クランプ本体172を支持板部122、124に軸支する軸部152と、クランプ本体172をクランプシリンダ200に軸支するための軸部156と、クランプ本体172に着脱するクランプ爪190を有している。クランプ170は、クランプ140と前後対称に形成されている。
ここで、クランプ本体(第2クランプ本体)172は、アーム状部174と、アーム状部174の先端に設けられた膨出部176、178と、膨出部176、178の内側の領域を連結する連結部179とを有している。
アーム状部(第2アーム状部)174は、屈曲したアーム状を呈し、屈曲した形状の板状部174a、174bと、2つの板状部174a、174bを連結する連結板部174cとを有している。板状部174aにおける両側の面と板状部174bにおける両側の面は左右方向を向いており、板状部174aと板状部174bとは左右方向に間隔を介して互いに平行に設けられている。
連結板部174cは、板状部174a、174bの外側の辺部に沿って設けられ、方形状の切欠部174Kを設けた方形状の板状部を板状部174a、174bの屈曲に応じて湾曲させた形状を有している。
膨出部(第2右側先端部)176は、アーム状部174の下端から下方に伸びるとともに、右側面側に突出して形成され、アーム状部174から連設された周設部176aと、周設部176aの右側面側に設けられた板状部176bと、周設部176aの内側に板状部176bと平行に設けられた板状部176c(図6参照)とを有している。
周設部(第3周設部)176aは、略四角筒状を呈し、アーム状部174における板状部174aの先端(下端)側の端部と連結板部174cの先端(下端)側の端部から連設され、周設部176aにおける領域において、板状部174aから連設された第1領域R1の左右方向の幅が第1領域以外の領域で他方の膨出部178の周設部178aと間隔が設けられた第2領域及び連結部179と連結された第3領域における左右方向の幅よりも短く形成されている。
この周設部176aは、略四角筒状を呈するが、特に、下面側に平面部176a−1を有している。継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際にこの平面部176a−1がブロック222の平面部222eに接する領域(接触面としてもよい)(つまり、曲げ戻し用のブロックと接するための接触面)となる。
また、板状部(第3板状部)176bは、周設部176aの右側面側をカバーするように形成されていて、ピン(軸部としてもよい)192を挿通するための2つの穴部が形成されている。また、板状部176cは、板状部176bの下側の領域に対応した領域に板状部176bと平行に設けられ(つまり、板状部176cは、第2領域R2と第3領域R3の下側の領域と接続している)、ピン(軸部としてもよい)192を挿通するための2つの穴部が形成されている。
膨出部(第2左側先端部)178は、アーム状部174の下端から下方に伸びるとともに、左側面側に突出して形成され、アーム状部174から連設された周設部178aと、周設部178aの左側面側に設けられた板状部178bと、周設部178aの内側に板状部178b及び板状部176cと平行に設けられた板状部178c(板状部176cと対称の構成の板状部)とを有している。を有している。膨出部178は、膨出部176と左右対称に形成されている。
周設部178aは、略四角筒状を呈し、アーム状部174における板状部174bの先端(下端)側の端部と連結板部174cの先端(下端)側の端部から連設され、板状部174bから連設された第1領域の左右方向の幅が第1領域以外の領域で他方の膨出部176の周設部176aと間隔が設けられた第2領域及び連結部179と連結された第3領域における左右方向の幅よりも短く形成されている。
この周設部(第4周設部)178aは、略四角筒状を呈するが、特に、下面側に平面部を有している。継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際にこの平面部がブロック222の平面部222eに接する領域(接触面としてもよい)(つまり、曲げ戻し用のブロックと接するための接触面)となる。
また、板状部(第4板状部)178bは、周設部178aの左側面側をカバーするように形成されていて、ピン192を挿通するための2つの穴部が形成されている。また、板状部178cは、板状部178bの下側の領域に対応した領域に板状部178bと平行に設けられ(つまり、板状部178cは、第2領域R2と第3領域R3の下側の領域と接続している)、ピン192を挿通するための2つの穴部が形成されている。板状部176cと板状部178cの間にクランプ爪190が設けられる。
また、連結部179は、周設部176aにおける領域において、板状部174aから連設された第1領域以外の領域において、クランプ爪190をクランプ本体172に取り付けた際に邪魔とならない範囲(これが第3領域となる)と、周設部178aにおける領域において、板状部174bから連設された第1領域以外の領域において、クランプ爪190をクランプ本体172に取り付けた際に邪魔とならない範囲(これが第3領域となる)とを連結するものである。
また、クランプ爪(第2クランプ爪)190は、図8に示すように、略台形形状の板状を呈し、クランプ爪190は、本体部190aと、本体部190aから突出し、レールに係止するための突状部190bを有し、本体部190aには、クランプ本体172に取り付けるための軸部を挿通するための穴部190cを有している。クランプ爪190は、クランプ爪160と同一に構成されている。
なお、第2領域における膨出部176と膨出部178間の間隔は、切欠部174Kの左右方向の幅と同じとなっていて、クランプ爪190をクランプ本体172に取り付けた際に、連結状部174cの切欠部174Kと膨出部176と膨出部178間に設け、2つのピン192を膨出部176、178の穴部とクランプ爪190の穴部190bに挿通することによりクランプ爪190がクランプ本体172に取り付けられる。
なお、クランプ本体142、172に取り付けられるクランプ爪としては、上記クランプ爪160、190の形状に限らず他の形状であってもよい。例えば、図17(b)に示すように、クランプ爪160(190)の本体部160a(190a)を突状部160b(190b)側に向けて細く形成するようにしてもよい。すなわち、本体部160a(190a)における外側の面(突状部160b、190b側とは反対側の面)がクランプ爪の基端側から先端側への略中間位置において急激に内側に向けて傾斜し、これにより、クランプ爪の基端から先端側への方向を上下方向とした場合に、左右方向の幅がクランプ爪の基端側から先端側への略中間位置において短くなるように形成されている。
これは、図17(a)に示すように、整正しようとするレールの近傍に他のレールがある場合に、該レールをクランプする際に、他のレールにクランプ爪が接触しないような形状としているものである。
また、クランプシリンダ(第2シリンダ)200は、シリンダチューブ202と、ヘッドカバー204と、ロッドカバー(図示せず)と、ピストン(図示せず)と、ロッド208とを有している。また、ヘッドカバー204には、クランプ本体142を軸部154により軸支するための軸部154を挿通する挿通穴が設けられた支持部212が設けられてる。また、ロッド208の先端は、クランプ本体172を軸部156により軸支するために円筒状部210aが形成されている。この円筒状部には挿通穴が設けられている。シリンダチューブ202とヘッドカバー204とロッドカバーとピストンとでシリンダ本体が構成される。
つまり、アーム状部144の基端(第1基端部)に設けられた穴部と支持部212に設けられた挿通穴に軸部154が挿通されることにより、アーム状部144が支持部212に対して回動自在に軸支され、アーム状部174の基端(第2基端部)に設けられた穴部とロッドの先端の円筒状部210aの挿通穴に軸部156が挿通されることにより、アーム状部174がロッド208に対して回動自在に軸支されている。
次に、クランプ(曲げ戻し用クランプ)210は、継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際に第1脚部60や第2脚部80に取り付けて使用するものであり、図15(a)に示すように構成され、略板状のクランプ本体210aの先端に横方向に突出したクランプ爪210bを設けたものであり、クランプ210の左右方向の長さL3は、クランプ210の上端から下端まで略同一に形成されている。このクランプ210は、レール300に直接係止するものである。
クランプ爪210bの先端は、レールの側面に係止する形状を有している。すなわち、クランプ爪210bは、先端にいくほど上下方向の幅が狭くなるように形成され、クランプ爪210bの先端の形状が、レール300の頭部302の下面から柱部304の側面(具体的には、柱部304の側面上部)にかけての形状と一致するように形成され、特に、クランプ爪210bの先端の上面が頭部302の下面と係止するようになっている。なお、図15において、レール300は、頭部302と、頭部302の下端から連設された柱部304と、柱部304の下端から連設された底部306とから構成されている。
クランプ210の上側には、第1脚部60や第2脚部80に取り付ける際にボルト230を挿通するための貫通穴210cが設けられている。
また、クランプ(曲げ戻し用クランプ)212は、継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際に第1脚部60や第2脚部80に取り付けて使用するものであり、図15(b)に示すように構成され、略板状のクランプ本体212aの先端に横方向に突出したクランプ爪212bを設けたものであり、クランプ212の左右方向の長さL3は、クランプ212の上端から下端まで略同一に形成されている。このクランプ212は、レールの継目板(レール用継目板)310に係止するものである。
クランプ爪212bの先端は、継目板310の側面に係止する形状を有している。すなわち、クランプ爪212bは、先端にいくほど上下方向の幅が狭くなるように形成され、クランプ爪212bの先端の形状が、継目板310の頭部312において外側に突出した突出部312aの下面から柱部314の側面にかけての形状と一致するように形成され、特に、クランプ爪212bの先端の上面が頭部312の突出部312aの下面と係止するようになっている。なお、継目板310は、2つのレール同士を接続するために2つのレールの境界領域の側面に取り付けるものであり(すなわち、一方のレールの端部領域から他方のレールの端部領域にまで設けられる)、頭部312と、頭部312の下端から連設された柱部314と、柱部314の下端から連設された底部316とから構成されている。
クランプ212の上側には、第1脚部60や第2脚部80に取り付ける際にボルト230を挿通するための貫通穴(貫通穴210cと同様の構成の貫通穴)が設けられている。
なお、クランプ210、212の上下方向の長さや上側の穴部は、クランプ爪210b(212b)によりレールをクランプした際に、第1脚部60や第2脚部80の底面部62e(82e)に接しないように設定されている。
なお、クランプ210とクランプ212のいずれを取り付けるかについては、継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しを行なう際に、クランプを取り付けた場合のクランプ爪の位置に継目板が存在するか否かにより決定し、継目板が設けられている場合には、クランプ212を取り付け、継目板が設けられていない場合には、クランプ210を取り付ける。なお、基本的には、継目板はレールの両側面に設けられるので、ある脚部(第1脚部60や第2脚部80)には同じ構成のクランプを取り付けることになる。つまり、脚部の正面側にクランプ212を取り付ける場合には、脚部の背面側にもクランプ212を取り付けることになり、脚部の正面側にクランプ210を取り付ける場合には、脚部の背面側にもクランプ210を取り付けることになる。なお、レール300と継目板310の上位概念をレール構成部とした場合(つまり、レール構成部は、レールと継目板のいずれかを示すものである)には、クランプ210、212は、いずれもレール構成部に係止するものといえる。
次に、ブロックユニット220は、継目等の落ち込み箇所の曲げ戻しの際にレールに設置するものであり、図13、図14に示すように、一対のブロック222と、一対のブロック222を連結する連結部224とを有している。
ここで、ブロック222は、板状を呈し、図16に示すように、一対の底面部(下面部としてもよい)222aと、一対の底面部222a間に設けられた凹部222bと、底面部222aにおける外側の辺部(凹部222b側とは反対側の辺部)から連設された下側傾斜面部222cと、下側傾斜面部222cの底面部222a側とは反対側の辺部から連設された側面部222dと、側面部222dの上端(すなわち、側面部222dの下側傾斜面部222c側とは反対側の辺部)から連設された平面部222eと、平面部222eの内側の辺部(側面部222d側とは反対側の辺部)から連設された上側傾斜面部222fと、一対の上側傾斜面部222f間に設けられた上面部222gとを有している。
ここで、凹部222bは、レール300の上部の形状に対応して形成され、凹部222bをレール300上に載置することによりブロック222をレール300上に設置することができる。つまり、凹部222bが、「底面側(下面側としてもよい)に設けられた凹部で、レールの上部を配置するための凹部」となる。
底面部222aと凹部222bと下側傾斜面部222cと側面部222dと平面部222eと上側傾斜面部222fと上面部222gは、ブロック222の右側面側の面(表面)222−1及び右側面側の面と反対側の左側面側の面(裏面)と直角をなしている。右側面側の面222−1と左側面側の面とは互いに平行であり、ブロック222は板状を呈している。また、ブロック222は前後対称(右側面側の面を正面とすれば、左右対称)に形成されている。
また、ブロック222の幅(右側面側の面と左側面側の面の間の幅)は、クランプ140の膨出部146における一方の平面部146a−1の左右方向の幅(つまり、幅L12)やクランプ140の膨出部148における他方の平面部148a−1の左右方向の幅(つまり、幅L22)や、クランプ170の膨出部178の一方の平面部176a−1の左右方向の幅や、クランプ170の膨出部178における他方の平面部と略同一となっている。
また、ブロック222の前後方向の中央には、右側面側の面222−1から左側面側の面まで貫通する貫通穴(ボルト挿通用穴部)が設けられている。この貫通穴は、略円柱状を呈している。
また、連結部224は、ボルト224aとボルト224aに螺着するナットとを有し、ボルト224aの軸部は、2つのブロック222の貫通穴に挿通され、軸部の先端は、頭部側のブロックと異なるブロックの貫通穴から突出し、該突出した軸部にナット224bが螺着されることにより、2つのブロック222を連結している。
ブロックユニット220は以上のように構成されているので、ブロック222はボルトの軸部に沿ってスライドすることができ、2つのブロックの間隔を調整することができるので、膨出部の下面側の平面部に対応した位置にブロック222を適切に配置することができる。
上記レール矯正装置5は、図9に示す作業車両400に取り付けて使用する。すなわち、作業車両400は、車両本体402と、車両本体402に取り付けられた支持部460とを有し、支持部460の先端にレール矯正装置5が取り付けられる。レール矯正装置5と作業車両400により、レール矯正ユニット1が構成される。
ここで、車両本体402は、走行体410と、運転室460とを有している。運転室460は、走行体410における本体部420の上側に固定して設けられている。
走行体410は、クローラーによる走行と車輪による走行とを切換え可能に形成され、レール上を車輪により走行し、レール以外の地上をクローラーによる走行する。すなわち、走行体410は、本体部420と、本体部420の両側に設けられたクローラー走行体430と、レール走行体440、450とを有し、本体部420には、クローラー走行体430における駆動輪432を駆動するためのエンジンや、レール走行体440における油圧シリンダ444を駆動するための油圧ポンプ等が設けられる。つまり、車両本体402は、軌陸車である。
また、クローラー走行体430は、クローラー走行体430の前端に設けられた駆動輪432と後端に設けられた遊動輪434と、駆動輪432や遊動輪434の外周に係合して設けられた履帯436と、履帯436の内側に設けられた転輪(図示せず)を有していて、駆動輪432が回転することにより、履帯436が回転駆動するようになっている。
また、レール走行体440は、車輪ユニット442と、車輪ユニット442を回動させる油圧シリンダ444とを有し、車輪ユニット442は、本体部420に回動自在に設けられた車輪支持部442aと、車輪支持部442aに回転自在に支持された車輪442bとを有している。また、油圧シリンダ444のロッドの先端は、車輪支持部442aに取り付けられ、油圧シリンダ444のロッドが伸縮することにより、車輪支持部442aが回動軸P1を中心に回動する。つまり、ロッドが伸びることにより車輪442bが下降し、ロッドが縮むことにより車輪442bが上昇する。
また、レール走行体450は、レール走行体440と前後対称の構成であり、車輪ユニット452と、車輪ユニット452を回動させる油圧シリンダ454とを有し、車輪ユニット452は、本体部420に回動自在に設けられた車輪支持部452aと、車輪支持部452aに回転自在に支持された車輪452bとを有している。また、油圧シリンダ454のロッドの先端は、車輪支持部452aに取り付けられ、油圧シリンダ454のロッドが伸縮することにより、車輪支持部452aが回動軸P2を中心に回動する。つまり、ロッドが伸びることにより車輪452bが下降し、ロッドが縮むことにより車輪452bが上昇する。
また、支持部460は、本体部420に取り付けられ、レール矯正装置5を支持する(具体的には、吊下げ支持する)ものである。すなわち、支持部460は、ブーム461と、油圧シリンダ462と、アーム470と、油圧シリンダ472と、接続部480と、アーム490と、油圧シリンダ492とを有している。
ここで、ブーム461は、本体部420に対して回動軸P3を中心に回動し、油圧シリンダ462のロッドが伸縮することにより回動する。なお、油圧シリンダ462は、本体部420に対して回動軸P4を中心に回動するように構成され、ロッドの先端はブーム461に接続されている。
また、アーム470は、ブーム461に対して回動軸P5を中心に回動し、油圧シリンダ472のロッドが伸縮することによりブーム461に対して横方向に回動する。また、接続部480は、回動軸P6を中心に回動し、油圧シリンダ472のロッドが伸縮することによりアーム470に対して横方向に回動する。接続部480は、ブーム461と横方向において同じ方向を向くように(つまり、上面視において、同じ方向を向くように)構成されている。
また、アーム490は、接続部480に対して回動軸P7を中心に回動し、油圧シリンダ492のロッドが伸縮することにより回動する。油圧シリンダ492は、接続部480に対して回動軸P8を中心に回動するように構成され、ロッドの先端はアーム490に接続されている。
アーム490の先端には、レール矯正装置5が取り付けられている。つまり、吊下げ具30がアーム490の先端に回転中心P9を中心に回転自在に設けられている。すなわち、アーム490の先端に設けられたシャフト491を吊下げ具30の穴部34a、36aに挿通することによりレール矯正装置5がアーム490の先端に取り付けられて、吊下げ支持されている。
上記構成のレール矯正装置5及びこれを有するレール矯正ユニット1の使用状態について説明する。
まず、レールの落ち込み箇所の引上げ動作について説明する。レール矯正装置5をレールの落ち込み箇所(例えば、レール継目落箇所)の上方に設ける。なお、レールの落ち込み箇所とは、レールが下方に凹状に歪んだ箇所であり、例えば、レールの継目落箇所が挙げられる。
矯正すべき落ち込み箇所が継目落箇所である場合について説明すると、図10における2つのレール300の継目位置300Kを継目落箇所とした場合に、該継目落箇所の上方にレール矯正装置5を設ける。
すなわち、レール矯正ユニット1(すなわち、レール矯正装置5を取り付けた作業車両400)をレール300上を走行させ、レール矯正装置5をレール継目落箇所の上方に設ける。なお、作業車両400をレール300上を走行させるには、車輪442b、452bをクローラー走行体430の下端よりも下方に突出させて、車輪442b、452bをレール300上に配置してレール300上を走行でき、レール矯正装置5を継目落箇所まで容易に運ぶことができる。
次に、レール矯正装置5を下降させて、第1脚部60と第2脚部80をレール300上に設置する。つまり、第1脚部60の底面部62eがレール300に接し、レール300の両側に突状部68と突状部70があるようにし、第2脚部80の底面部82eがレール300に接し、レール300の両側に突状部88と突状部90があるようにする。
なお、レール矯正装置5を下降させる際には、クランプ140、170が接しないように、整正シリンダ100によりクランプ140、170を上方に位置させておくとともに、クランプ140、170を開いた状態としておく。クランプ140、170を開いた状態とするには、クランプシリンダ200のロッドを縮め、これにより、クランプ爪160とクランプ爪190間の間隔が大きくなる。
その後、整正シリンダ100によりクランプ支持部120及びクランプ140、170を下降させ、レール300の継目に設けられた継目板310の側方にクランプ爪160、190を位置させる。その後、クランプ140、170を閉じた状態として、クランプ爪160、190が継目板310にクランプした状態(つまり、係止した状態)とする。
第1脚部60及び第2脚部80がレール300上に設置され、クランプ爪160、190が継目板310にクランプした状態は、図11、図12に示すようになる。この状態で、整正シリンダ100を動作させて、ロッド110を引き上げることにより、クランプ支持部120及びクランプ140、170が引き上げられるので、継目落箇所が引き上げられて、レールの継目落が整正される。つまり、第1脚部60と第2脚部80がレール300に接しているので、その状態で、クランプ140、170を引き上げることにより、継目落の箇所が引き上げられる。
なお、矯正すべき落ち込み箇所が継目落箇所以外の箇所である場合にも、上記と同様にして落ち込み箇所の引き上げを行なう。すなわち、レール矯正装置5を落ち込み箇所の上方に設け、第1脚部60と第2脚部80とをレール上に設置し、クランプ140、170により落ち込み箇所を引き上げる。なお、落ち込み箇所が継目落以外の箇所である場合には、通常は、落ち込み箇所には継目板が設けられていないので、クランプ爪160、190は、レールの側面にクランプした状態とする。つまり、図15に示すレール300を例にとると、クランプ爪160、190がレール300の頭部302の下面と柱部304の側面(具体的には、柱部304の側面上部)に接するようにして、クランプ爪160、190をレールにクランプ(つまり、係止)させる。また、継目板が長い場合のように、落ち込み箇所が継目落箇所でない場合でも落ち込み箇所に継目板が存在する場合には、当然、クランプ爪160、190は、継目板にクランプさせることになる。
次に、レールの落ち込み箇所を曲げ戻す動作について説明する。この曲げ戻し作業は、主として、上記の落ち込み箇所の引上げ作業において落ち込み落箇所を引き上げ過ぎた場合に行われる。つまり、落ち込み箇所の曲げ戻しとは、落ち込み箇所の引上げ作業において落ち込み箇所を引き上げ過ぎた場合に、該箇所を曲げ戻すことをいう。
まず、レール300の落ち込み箇所(例えば、継目位置)にブロックユニット220を設置する。すなわち、2つのブロック222の凹部222bをレール300上に載置し、2つのブロック222は、間隔を介して設ける。
なお、2つのブロック222の間隔は、膨出部146の下面の平面部146a−1が一方のブロック222における一方の平面部(第1押圧面)222eに接するとともに、膨出部176の下面の平面部176a−1が一方のブロック222における他方の平面部(第2押圧面)222eに接し、膨出部148の下面の平面部148a−1が他方のブロック222における一方の平面部(第3押圧面)222eに接するとともに、膨出部178の下面の平面部178a−1が他方のブロック222における他方の平面部(第4押圧面)222eに接することにより、各膨出部における各平面部がブロック222における平面部222eを押すことができるとともに、クランプ爪160、190がブロック222に接しないように設定する。すなわち、該間隔は、クランプ爪160、190の厚みL5よりも大きく、平面部146a−1の右側面側の端部と平面部148a−1の左側面側の端部間の長さ(同時に、平面部176a−1の右側面側の端部と平面部178a−1の左側面側の端部間の長さ)L6よりも小さい長さとし、好適には、クランプ爪160、190の厚みよりも若干長い長さとする。
次に、レール矯正装置5の第1脚部60と第2脚部80にクランプを取り付ける。例えば、取り付けるクランプをクランプ210とした場合には、クランプ210を第1脚部60の正面板部62a側と背面板部62b側に取り付ける(正面側に取り付けられたクランプが第1曲げ戻し用クランプ、背面側に取り付けられたクランプが第2曲げ戻しクランプとなる)とともに、クランプ210を第2脚部80の正面板部82a側と背面板部82b側に取り付ける(正面側に取り付けられたクランプが第3曲げ戻し用クランプ、背面側に取り付けられたクランプが第4曲げ戻しクランプとなる)。クランプ210の第1脚部60や第2脚部80への取付けに際しては、ボルト230とナット232を用いる。
すなわち、第1脚部60の正面側と背面側にクランプ210をクランプ爪210bを内側にして配置し(つまり、クランプ爪が互いに対向するように配置する)、クランプ210の貫通穴210cと第1脚部60の穴部66にボルト230の軸部を挿通し、ボルト230の頭部の反対側に突出した軸部にナット232を螺着して2つのクランプ210を第1脚部60に取り付ける。
第2脚部80についても同様に、第2脚部80の正面側と背面側にクランプ210をクランプ爪210bを内側にして配置し(つまり、クランプ爪が互いに対向するように配置する)、クランプ210の貫通穴210cと第2脚部80の穴部86にボルト230の軸部を挿通し、ボルト230の頭部の反対側に突出した軸部にナット232を螺着して2つのクランプ210を第2脚部80に取り付ける。
なお、クランプ210を第1脚部60や第2脚部80に取り付ける際には、図15(a)に示すように、クランプ爪210bがレール300の側面にクランプした状態とする。この状態では、第1脚部60の底面部62eと第2脚部の底面部82eはレールの上面に接しないようになっている。
なお、クランプ210を第1脚部60や第2脚部80に取り付ける際には、クランプ140、170はブロック222に接しないように、整正シリンダ100により上方に移動させておく。
次に、整正シリンダ100によりクランプ140、170を下降させ、各膨出部の平面部146a−1、148a−1、176a−1、178a−1をブロック222の平面部222eに接するようにし、その後、クランプ140、170を下降させることによりレール300の落ち込み箇所が下方に曲げられる(つまり、曲げ戻しが行われる)。つまり、ブロック222を下方に押すことにより、第1脚部60と第2脚部80がクランプ210によりレール300にクランプされているので、その反力により、落ち込み箇所が下方に曲げられる。
なお、クランプ210の代わりにクランプ212を用いる場合も、クランプ210の場合と同様の作業を行なう。なお、第1脚部60や第2脚部80に取り付けられたクランプ212は、継目板にクランプされることになる。
以上のように、本実施例のレール矯正システムによれば、レールの落ち込み箇所(例えば、継目落の箇所)を引き上げることができるとともに、落ち込み箇所を引き上げ過ぎた場合に曲げ戻すことができる。