JP5970215B2 - 発光装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関し、特に半導体発光素子上に透光性部材が配置され、周囲に反射部材を備えた発光装置に関する。
特許文献1には、発光素子上に光透過部材を配置した発光装置が記載されている。発光素子と光透過部材の側面は光反射材料を含有する被覆部材により覆われ、被覆部材により光透過部材に効率よく光を導いて、光透過部材の上面を発光面とし、発光素子から出射される光の利用効率の高い発光装置を提供している。
特開2010−219324号公報
特許文献1のような発光装置においては、被覆部材を形成する際には、発光素子および光透過部材を包囲する枠体を基板上に設け、その内側に被覆部材を充填する構成をとっていた。
そのため、このような発光装置を用いた照明装置においては、照明装置の構成により、発光装置から出射された光の一部が照明装置内の構成部材(例えば、レンズやリフレクタなどの光学系、筐体)により発光装置側へ反射され、発光面である光透過部材の周囲の被覆部材や枠体でさらに反射される光(以下、本願において迷光と呼称する)が生じる場合があり、その場合に所望の配光特性を得るのが難しいという問題が生じていた。発光面となる光透過部材の周囲に、被覆部材と枠体とが形成されていることにより、照明装置内での戻り光を反射する領域が大きいためである。
また、発光面となる光透過部材の周囲に、被覆部材と枠体とが配置されているため、近年の小型化の要求に応じ難いという課題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決して、所望の配光特性を得やすく、発光素子から出射される光の利用効率の高い発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、基板と、基板上に搭載された発光素子と、発光素子上に形成された透光性板状部材と、発光素子の周囲に配置され、発光素子側面および透光性板状部材の側面を覆うとともに、基板上面を基板の端部まで覆うよう形成された光反射性部材と、を有する。そして、基板上には、発光装置の断面において、基板上面端部と透光性板状部材下面端部とを結ぶ直線を超える高さの構造物が配置され、光反射性部材は、構造物を覆い、透光性板状部材の側面に対して、外側に凸形状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の発光装置の製造方法は、(A)基板上に発光素子を搭載する工程と、(B)発光素子上に透光性板状部材を配置する工程と、(C)基板上の発光素子と基板上面端部との間に構造物を配置する工程と、(D)基板上の、発光素子の周囲に、光反射性樹脂を塗布および硬化して光反射性部材を形成する工程とを有する。そして、工程(C)において、構造物は、発光装置の断面において、基板上面端部と透光性板状部材とを結ぶ直線を超える高さを有し、工程(D)において、光反射性部材は、構造物および透光性板状部材の側面を覆うとともに、基板上面を前記基板の端部まで覆い、透光性板状部材の側面に対して、外側に凸形状に形成されることを特徴とする。
また、本発明の照明装置は、発光装置と、発光装置の投光方向前方に配されているレンズとを有し、発光装置として、上述の本発明の発光装置を用いることを特徴とする。
本発明の発光装置およびその製造方法によれば、基板上に構造物を配置することにより、発光素子の周囲に枠体を形成することなく、透光性板状部材の側面に該側面からの光漏出を抑制可能に十分な厚みを有する光反射性部材を配置することができる。それにより、発光面の周囲に形成される反射領域を小さくして迷光を抑制することができると共に、光漏出を抑制することができるため、所望の配光特性を得やすく、発光素子から出射される光の利用効率の高い発光装置を提供することができる。
また、本発明の照明装置によれば、所望の配光特性からのずれの少ない配光特性を有する照明装置を提供することができる。
本発明の実施例1の発光装置における要部の上面図である。 (a)図1のA−A線に沿う概略断面図、(b)図1のB−B線に沿う概略断面図である。 本発明の実施例1の発光装置における要部を示す説明図である。 (a)〜(e)本発明の実施例1の発光装置の製造工程を示す説明図である。 本発明の比較例1の発光装置における概略断面図である。 本発明の実施例2の発光装置における要部の上面図である。 本発明の実施例3の照明装置の概略断面図である。
以下、この発明の好適な実施形態を詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
以下に、本発明の実施例1に係る発光装置10について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る発光装置10を光放射面側から見た上面図である。図1においては、説明の明瞭化のため、本発明の実施例1に係る発光装置10について、光反射性部材16を省略して示している。図2(a)は、図1におけるA−A線に沿った断面図である。図2(b)は、図1におけるB−B線に沿った断面図である。図2では、図1において省略した光反射性部材16を図示している。
基板11上に実装された発光素子12の上面に、波長変換層14が形成され、波長変換層14の上には透光性板状部材15が搭載されている。基板11上面には、発光素子12、波長変換層14、および、透光性板状部材15の周囲に光反射性部材16が形成されている。基板11上には、発光素子12と基板11上面の端部との間に、Auバンプからなる構造物17が配置されており、構造物17は、光反射性部材16により覆われている。
基板11は、上面にAuなどの導電体で配線が形成されているセラミックなどの絶縁基板11であり、例えば、辺の長さがそれぞれ約1.4mm、約3.3mmの長方形のAlN基板11である。配線上にフリップチップタイプの発光素子12が複数のバンプ13を介して実装されている。
基板11は、発光装置10の小型化のため、発光素子12より一回り大きい程度の大きさであり、特に、基板11の短辺方向は、発光素子12の端部から基板11の端部までの距離が非常に短く、透光性板状部材15の端部から基板11の端部までの距離はさらに短い。尚、本実施例における基板11が長辺方向と短辺方向を有するのは、基板11の長辺方向における、発光素子12の端部から基板11の端部までの領域を、発光装置10のハンドリングのための領域、外部からの給電のための接続部を配置する領域、または保護素子など他の機能部品を配置する領域、として利用できるよう形成されているためである。
発光素子12は、例えば、一辺が約0.8mm、厚さ約110μmの青色発光(波長約430〜470nm)を出射する略正方形状のLED素子である。発光素子12は、その各辺が基板11の各辺と平行となるように配置されている。
波長変換層14は、発光素子12の上面と透光性板状部材15との間に形成されている。本実施例においては、波長変換層14の側面は、発光素子12の側面と透光性板状部材15の側面とを結ぶ傾斜面を形成しており、発光素子12の下面端部から透光性板状部材15の下面まで形成されている。この傾斜面により、発光素子12の側面から出射され波長変換層14に入射した光の一部は、傾斜面により上方へ反射され、発光素子12の内部に戻されて発光素子12に吸収されることがないため、光の取り出し効率を向上させることができる。
波長変換層14は、発光素子12上面に流動可能な状態で供給し、その上に透光性板状部材15を搭載し、透光性板状部材15の自重あるいは必要に応じて上面に荷重をかけて、発光素子12の側面の少なくとも一部を覆いつつ表面張力を保つことにより、発光素子12の側面と透光性板状部材15の下面を接続する傾斜面が形成し、その形状のまま硬化することにより形成することができる。
波長変換層14には、蛍光体粒子およびスペーサが分散されている。基材には、発光素子12および蛍光体粒子の発する光に対し透光性な材料が用いられ、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂を用いることができる。
波長変換層14に分散される蛍光体粒子は、発光素子12の発光により励起され、所望の波長の蛍光を発する蛍光体を用いる。例えば、青色発光LED素子に対し、青色光を励起光として黄色蛍光を発する蛍光体としてのYAG蛍光体を用いることができる。
波長変換層14に分散されるスペーサは、任意に添加されるものであり、蛍光体粒子の粒径より大きな粒径のものを用いる。例えば、SiO粒子を用いることができる。
発光素子12と透光性板状部材15との間に挟まれることにより、発光素子12の上面と透光性板状部材15との間隔を定めており、これにより波長変換層14の層厚を画定している。
透光性板状部材15は、発光素子12の上面に波長変換層14を介して一定の距離を保って配置されており、その上面が発光装置10の発光面を画定している。透光性板状部材15は、下面および上面の各辺が発光素子12の各辺と同一の方向に沿うように配置されており、発光素子12の上面より一回り大きく形成されている。透光性板状部材15は、発光素子12や蛍光体粒子の発する光を透過するもの、例えば、ガラスプレート、蛍光ガラスプレート、蛍光体原料を焼結して作製した蛍光セラミックプレートを用いることができる。
透光性板状部材15は、各辺が、上面視において、発光素子12の各辺と平行、かつ、基板11の各辺と平行となるように配置されている。
透光性板状部材15は、平坦な底面を有するが、巨視的に平坦であればよく、微視的に凹凸が形成されていてもよい。また、透光性板状部材15の上面には、適宜表面処理を施し、例えば凹凸やレンズが形成されていてもよい。
光反射性部材16は、非導電性で反射率の高い材料から構成されており、例えば、ベース部材に、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニア、窒化アルミニウムなどの反射性フィラーを分散させることにより構成される。ベース部材としては、樹脂(例えば、シリコーン樹脂)から構成することができる。
光反射性部材16は、発光素子12の周囲に、透光性板状部材15の側面および波長変換層14の側面に接してこれら側面を覆うように配置されている。光反射性部材16は、発光素子12、波長変換層14及び透光性板状部材15の側面からの光を反射して、光がこれら各部材の側方に漏れ出るのを防止する。
光反射性部材16は、透光性板状部材15の側面に対して、外側に凸形状に、略円弧状に形成されており、光反射性部材16の端部は、基板11上面の端部に位置している。透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状に形成することにより、内側に凸形状に形成した場合と比べて、透光性板状部材15の側面近傍に形成される光反射性部材16の厚み(透光性板状部材15の側面に対して垂直方向の厚み)を確保することができ、透光性板状部材15等の側方から光反射性部材16を通過してしまう光の漏出を抑制することができる。
透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状の光反射性部材16は、液状の反射性材料を基板11上へ供給し、表面張力により形成された凸形状を維持して硬化することにより形成することができる。また、流動状態の反射性材料の流れは、基板11上面の端部(縁)によって規制された状態で硬化されるため、光反射性部材16の端部は、基板11上面の端部(基板11上面と側面との境界)に位置している。尚、基板11の側面は上面に対して略直角な垂直面となっている。
構造物17は、基板11上の発光素子12の周りに、発光素子12の辺および透光性板状部材15の辺に沿うように配置されている。具体的には、発光素子12の辺(あるいは透光性板状部材15の辺)とその辺に平行な基板11の辺との間の領域に配置されている。また、構造物17は、少なくとも、発光素子12の辺(あるいは透光性板状部材15の辺)とその辺に平行な基板11の辺との間の領域のうち、間隔が狭い方の領域に形成されている。構造物17は、発光素子12、波長変換層14、および透光性板状部材15から離間して配置されており、構造物17と波長変換層14との間には光反射性部材16が充填されている。
構造物17は、任意の材料で構成することができ、反射率の高いものが好ましい。例えば、Auバンプなどの金属バンプから構成することができ、その他、保護素子、光反射性部材16を形成するための流動状態の反射性材料より高いチキソ性を有する樹脂、基板11上にループ形成された金属ワイヤ、基板11上に基板11と同じ材料で形成された突起などから構成することができる。
構造物17としてのバンプは、上面視において、透光性板状部材15の辺とこの辺に平行な基板11の辺との間に、複数配置されている。各バンプ17は、直径および高さが略同一であり、直径が約90μm、高さが約135〜150μmである。つまり、各バンプ17の上端は、透光性板状部材15の底面より高い位置に位置している。また、発光素子を搭載するためのバンプ13より高い高さで形成している。
構造物17は、光反射性部材16の形状を透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状に形成するための誘導部材として機能する。具体的には、基板11上に供給された流動状態の反射性材料が、基板11上面、波長変換層14側面、透光性板状部材15側面および構造物17表面に同時に作用する表面張力により、透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状に形成することができる。
特に、発光素子12と基板11上面の端部との間隔が短い場合、基板11上に流動状態の反射性材料を供給し、表面張力による透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状となる前に反射性材料が基板11上面端部から決壊して流出する場合があり、透過性板状部材の側面に対して外側に凸形状の形成が困難であるが、構造物17を配置することにより、反射性材料の構造物17表面に作用する表面張力を利用して、透過性板状部材15の側面に対して外側に凸形状の光反射性部材16を形成することができる。
構造物17は、光反射性部材16の形状を透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状に形成するための誘導部材として機能させるため、発光装置10の断面(構造物17を通過する断面)において、構造物17の一部が、基板11上面端部と透光性板状部材15下面端部とを結ぶ直線、つまり図2(a)に点線Cで示す直線を超える高さ領域に重なるように配置される。好ましくは、基板11上面端部と透光性板状部材15上面端部とを結ぶ直線、つまり図2(a)に点線Dで示す直線を超える高さ領域に重なるよう配置されている。
基板11上の発光素子12の周囲に供給された流動状態の反射性材料は、構造物17表面にも濡れ拡がることにより、表面が構造物17の上面より上に位置する光反射性部材16を形成することができるため、構造物17の高さを基板11上面端部と透光性板状部材15下面端部とを結ぶ直線を超える高さに形成することで、光反射性部材16の形状を容易に透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状とすることができる。
図3に示すように、構造物17を配置する領域Xは、上面視において、透光性板状部材15の辺に沿って配置される。また、図3に示すように、領域Xの隣接する透光性板状部材15の辺に沿う方向の長さxは、隣接する透光性板状部材15の辺の長さaより長くなるように、領域Xを配置することが好ましい。つまり、図3の直線Eと直線Fの外側にまで、構造物17が配置されることが好ましく、特に、直線E上および直線F上に構造物17が重なるように配置されることが好ましい。これにより、発光面(透光性板状部材15)の周囲全域にわたって、確実に透光性板状部材15の側面に対して外側に凸形状の光反射性部材16を形成することができる。
尚、構造物17を配置する間隔、各構造物17の大きさ、領域Xにおける占有率(面積、体積)は、構造物17の材料・配置手段、反射性材料の材料・硬度・配置手段等により適宜調整することができる。
本実施例の発光装置によれば、基板11上に構造物17が配置されているため、基板11が比較的小さくても、枠体を配置することなく、光反射性部材16を透光性板状部材の側面に対して、外側に凸形状に形成することができる。
そのため、透光性板状部材の側面からの光漏出は防止しつつ、従来の発光装置と比較して、発光面の周囲に形成される反射領域を小さくして、迷光を抑制することができる。また、枠体を配置することなく発光面の周囲に形成される反射領域を小さくすることができるため、発光装置の小型化ができる。
[本発明の実施例1の製造方法]
本発明の実施例1の半導体発光装置10の製造方法について図4(a)〜(e)を用いて説明する。
まず、図4(a)のように、基板11の上面の配線パターンに、フリップチップタイプの発光素子12の素子電極を接続するためのバンプ13と、構造物17としてのバンプ17を配置し、図4(b)のように素子電極接続用のバンプ13を用いて発光素子12を接合し、実装する。
次に、波長変換層14を形成する材料として、蛍光体粒子およびスペーサを分散した、未硬化のシリコーン樹脂14´を用意する。この波長変換層14形成用の未硬化樹脂14´を図4(c)のように、発光素子12の上面に所定量供給(塗布または滴下)し、発光素子12の上面より若干大きい透光性板状部材15を搭載する。図4(d)のように、透光性板状部材15の自重、もしくは、必要に応じて透光性板状部材15の上面に荷重をかけ、発光素子12上面と透光性板状部材15との間隔がスペーサによって定まるようにする。このとき、波長変換層14形成用の未硬化樹脂14´は、発光素子12の側面の少なくとも一部を覆いつつ表面張力を保つことによって、発光素子12の側面と透光性板状部材15の下面を接続する傾斜面が形成される。その後、波長変換層14形成用の未硬化樹脂14´を硬化して、波長変換層14を形成する。
続いて、光反射性部材16を形成する材料として、二酸化チタンを含有した未硬化のシリコーン樹脂を用意する。光反射性部材16形成用の未硬化樹脂を、図4(e)に示すように、基板11の上面に所定量供給する。このとき、光反射性部材16形成用の未硬化樹脂は、波長変換層14の側面(発光素子12の側面が一部露出している場合には、併せて発光素子12の側面)、透光性板状部材15の側面、および、構造物17の表面を覆いつつ表面張力を保つことによって、透光性板状部材15の上面端部から基板11上面端部を接続し、透光性板状部材15の側面に対し外側に凸形状の表面が形成される。その後、光反射性部材16形成用の未硬化樹脂を硬化して、光反射性部材16を形成する。尚、光反射性部材16の硬化後の硬度は、ショアA硬度10〜60程度が好ましく、本実施例では、ショアA53のものを用いた。
[比較例1]
比較例1として、構造物としてのバンプが形成されていない発光装置20を作製した。図5に断面図を示す。比較例1は、実施例1の発光装置10の製造方法と、構造物としてのバンプを形成しない以外は同様の製造方法を用いて作製した。つまり、比較例1の構成は、実施例1の構成と比較して、構造物としてのバンプがないこと、光反射性部材の形状が異なること以外は、各部材の大きさ・形状・配置等は同様の構成である。
しかし、比較例1の発光装置20において、光反射性部材18は、基板11短手方向の断面において、透光性板状部材15の側面に対して内側に凸形状の表面形状で形成された。そのため、比較例1の発光装置20の透光性板状部材15の側面における光反射性部材18の厚み(透光性板状部材15の側面に垂直な方向の厚み)は、実施例1の光反射性部材16ものと比較して薄いものとなった。これにより、発光素子を点灯した際に、透光性板状部材15の側面から光反射性部材18を通過する光の漏出が生じてしまい、発光面として予定した透光性板状部材15の上面からの放出光が実施例1の発光装置10と比較して減少し、発光素子から出射される光の利用効率が低下した。
以下に、本発明の実施例2に係る発光装置30について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施例2に係る発光装置30の上面図である。図6においては、説明の明瞭化のため、実施例2に係る発光装置30について、光反射性部材16を省略して示している。
実施例2に係る発光装置30は、構造物19が基板上の発光素子および透光性板状部材を囲むように連続して形成されている以外の構成に関しては、実施例1の発光装置10の構成と同一である。構造物19は、例えば、光反射性部材形成用の未硬化樹脂14´よりもチキソ性の高い未硬化樹脂をライン状に塗布して硬化することなどにより形成することができる。この場合、構造物19を構成する樹脂にも二酸化チタンなどを分散して、反射性を高めることが好ましい。
本実施例においても、構造物19を覆う光反射性部材16は、透光性板状部材15の側面に対して、外側に凸形状に形成することができた。つまり、実施例1の発光装置10では、構造物17として、複数のバンプを点在して配置したが、実施例2の発光装置30のように、一体的に帯状に形成した構造物19を配置してもよい。
また、実施例1の発光装置10では、構造物としてのバンプ17を、透光性板状部材15の辺とその辺に平行な基板の辺との間の領域のうち、間隔が狭い方の領域のみに配置しているが、実施例2の発光装置30の構造物ように、間隔が広い方の領域にも配置してもよい。
以下に本発明の実施例3に係る照明装置100について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施例3に係る照明装置100の概略断面図である。
実施例3に係る照明装置100は、実施例1の発光装置10を用いた照明装置である。本実施例の照明装置100は、金属基板111上に実施例1の発光装置10を所定の間隔で複数搭載し、発光装置10の投光方向前方にレンズ113を配置している。また、レンズ113は、金属基板111上にレンズ保持枠112を介して固定されている。各発光装置10は、個別に点灯制御され、配光可変型の照明装置100を構成している。
発光装置10とレンズ113との間には、各発光装置10による照射領域を明瞭に区画化するため、内周面に反射面が形成された複数の筒部を含むセパレータ114が配置されている。筒部の下端の開口に発光装置10の発光面が対向するよう配置され、筒部の上端の開口が出射口となる。
実施例3に係る照明装置100において、発光装置10の発光面からの出射光の一部は、レンズ113、レンズ保持枠112、セパレータ114などで発光装置側に反射されて戻り光を発生させるが、発光装置として実施例1の発光装置10を用いることにより、従来の発光装置を用いる場合と比較して、発光面の周囲の反射領域が極めて小さいため、迷光を小さく(すなわち、発生した戻り光の発光装置による再反射光量を小さく)することができる。これにより、照明装置100の配光特性について、所望の配光特性からのずれを抑制することができる。
10、20、30:発光装置
11:基板
12:発光素子
13:バンプ
14:波長変換層
15:透光性板状部材
16、18:光反射性部材
17、19:構造物
100:照明装置
111:金属基板
112:保持枠
113:レンズ
114:セパレータ

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に搭載された発光素子と、
    前記発光素子上に形成された透光性板状部材と、
    前記発光素子の周囲に配置され、前記発光素子側面および前記透光性板状部材の側面を覆うとともに、前記基板上面を前記基板の端部まで覆うよう形成された光反射性部材と、を
    有する発光装置において、
    前記基板上には、前記発光装置の断面において、前記基板上面端部と前記透光性板状部材下面端部とを結ぶ直線を超える高さの構造物が配置され、
    前記光反射性部材は、前記構造物を覆い、前記透光性板状部材の側面に対して、外側に凸形状に形成されていることを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光素子と前記透光性板状部材との間に、蛍光体粒子を含有した樹脂からなる波長変換層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光装置の断面において、前記構造物は、前記基板上面端部と前記透光性板状部材上面端部とを結ぶ線を超える高さであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記構造物は、前記波長変換層および前記透光性板状部材から離間して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  5. 発光装置と、
    前記発光装置の投光方向前方に配されているレンズと、を有する照明装置において、
    前記発光装置として、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発光装置を用いたことを特徴とする照明装置。
  6. (A)基板上に発光素子を搭載する工程と、
    (B)前記発光素子上に透光性板状部材を配置する工程と、
    (C)前記基板上の前記発光素子と前記基板上面端部との間に構造物を配置する工程と、
    (D)前記基板上の、前記発光素子の周囲に、光反射性樹脂を塗布および硬化して光反射性部材を形成する工程と、
    を含む発光装置の製造方法において、
    前記工程(C)において、前記構造物は、前記発光装置の断面において、前記基板上面端部と前記透光性板状部材とを結ぶ直線を超える高さを有し、
    前記工程(D)において、前記光反射性部材は、前記構造物および前記透光性板状部材の側面を覆うとともに、前記基板上面を前記基板の端部まで覆い、前記透光性板状部材の側面に対して、外側に凸形状に形成されることを特徴とする発光装置の製造方法。
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