JP5968164B2 - ゴムローラーのゴム分離装置およびそのゴム分離方法 - Google Patents
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Description
このようなゴムローラーは、その使用破棄後、あるいは成型品として不具合がある場合などに金属シャフトとゴム材とに分離して、とくに金属シャフトをリサイクルすることが行われている。
上記フッ素ゴムは、その切裂き性が良好であることから、上述のようにカッターを用いて手作業で分離処理することが比較的容易であるが、NBRは、その切裂き性が悪く、分離処理に時間もかかるとともに、手作業では危険であり、さらには手作業であるために金属シャフトが傷つきやすいという問題がある。
いずれにしても、ゴム材の材質に関係なく、使用済みの、あるいは不具合品としてのゴムローラーからゴム材を短時間に分離処理することができるようになれば、金属シャフトさらにはゴム材のリサイクルにも好適であることから、分離処理の簡略化が要請されているという問題がある。
図1は、ゴムローラーのゴム分離装置1の一部断面平面図であって、ゴムローラー2は、断面円形状の金属シャフト3と、この金属シャフト3の周囲に円筒状かつ一体的に取り付けたゴム材4と、を有する。
ゴムローラー2のゴム分離装置1は、ゴムローラー2におけるゴム材4を金属シャフト3から分離するものであって、ベース台5と、ベース台5に固定した駆動シリンダー6と、駆動シリンダー6の側面部に位置してベース台5に固定したピン取付け台7に取り付けた拡張収縮用ピン8と、第1の可動台9と、第2の可動台10と、円周方向刃11と、径方向刃12と、を有する。
駆動シリンダー6のシリンダー可動部13は、第1の可動部9を有し、ハンドバルブ14の操作によりゴムローラー2の軸方向に第1の可動部9とともにこれを往復動可能としている。
たとえば、ハンドバルブ14のバルブ軸15のまわりにハンドバルブ14を図1中、時計方向(図中、実線の矢印)に回動操作すれば、シリンダー可動部13は、図1中、右から左方向に移動(往動)可能である(図中、実線の矢印)。
また、ハンドバルブ14を図1中、反時計方向(図中、点線の矢印)に回動操作すれば、シリンダー可動部13は、図1中、左から右方向に移動(復動)可能である(図中、点線の矢印)。
かくして、駆動シリンダー6のシリンダー可動部13は、第1の可動台9を駆動してこれを第2の可動台10方向に往復動可能である。
上述のように、第1の可動台9は、駆動シリンダー6のシリンダー可動部13にこれを取り付けており、その先端部に円周方向刃11および径方向刃12を着脱可能に取り付けているとともに、円周方向刃11が拡張収縮用ピン8と係脱するように往復動する。
たとえば、操作レバー17をレバー軸18のまわりに反時計方向に回動操作してその第1の回動位置(図1中、実線)にセットして第2の可動台10をスライド溝16(駆動シリンダー6)に沿って移動可能とし、時計方向に回動操作してその第2の回動位置(図1中、仮想線)にセットして第2の可動台10を第1の可動台9(シリンダー可動部13)に対して固定可能とし、第1の可動台9と第2の可動台10との間にセットするゴムローラー2(金属シャフト3)の長さに応じてその位置を調整可能である。
また、第2の可動台10は、第1の可動台9に対しゴムローラー2の軸方向に往復動して、金属シャフト3の長さに応じてその位置を調節可能であるとともに金属シャフト3の他端部3Bを着脱可能である。
とくに図4に示すように、拡張収縮用ピン8は、前記ピン取付け台7に固定する基端固定部19と、ピン本体20と、を有し、拡張収縮用ピン8(ピン本体20)は、第1の可動台9が第2の可動台10に向かう方向において、ピン本体20の先端部20Aをテーパー形状としている。
また、ピン本体20にはシャフト固定穴21を第2の可動台10方向に向けて開放形成してあり、このシャフト固定穴21に金属シャフト3の一端部3Aを挿入固定可能としている。
すなわち、円周方向刃11は、拡張収縮用ピン8の外周に位置可能な円筒状の基底部22と、この基底部22の先端方向において円周方向に分割している複数枚(図示の例では、四枚)の単位円周刃23と、を有する。
図5に図示した例では、単位円周刃23は、互いに円周方向に等角度間隔に四分割した状態で、それぞれ隣り合う境界部24で、円周方向刃11自体の金属材料の固有の弾性により開放および閉鎖状態に移行可能である。もちろん、任意の角度間隔で、かつ任意の数の単位円周刃23に分割しておくこともできる。
すなわち径方向刃12は、これを第1の可動台9に取り付けるとともに、金属シャフト3の径方向においてその外方に、少なくともゴム材の厚さ方向を切り裂くだけの長さをもって放射状(図示の例では、互いに直角な四枚による放射状)に、かつ円周方向刃11の基底部22方向に迫り上がるようにやや傾斜した状態で延びている。
径方向刃12は、円周方向刃11(単位円周刃23)と一体的にこれを形成しているとともに、その先端部の刃先は円周方向刃11の先端部の刃先と一致しており、ゴムローラー2の軸方向においてゴム材4の側端面に対して円周方向刃11と同じ位置に位置する。
かくして、円周方向刃11および径方向刃12は、ゴムローラー2におけるゴム材4の側端面側からこれに対向することができるもので、この対向姿勢においてゴム材4を切断分離可能としている。
具体的には、円周方向刃11が金属シャフト3の表面からゴム材4を剥離するように切り取るとともに、径方向刃12がゴム材4を金属シャフト3の軸方向に四本の筋状部材として分けながら切り裂いてゆくもので、円周方向刃11によりゴム材4を金属シャフト3の外表面から押しのけてゆく応力を開放し、両者による切断作用が協働して金属シャフト3からのゴム材4の円滑な切断分離を実現する。
なお、円周方向刃11および径方向刃12の材質としては、全体的に靱性があるとともに、その先端部(刃先)のみが所定の切れ味ないし剛性があるものが好ましい。
拡張収縮用ピン8もピン取付け台7に着脱可能とすることができるので、必要であれば、拡張収縮用ピン8もあわせて、ピン取付け台7および第1の可動台9における拡張収縮用ピン8、円周方向刃11および径方向刃12を金属シャフト3の直径に合わせたものに交換することができる。
ゴムローラー2のサイズ、たとえば、それぞれのゴムローラー2の長さが異なる場合には、第1の可動台9に対する第2の可動台10の相対的位置を調整することにより、ゴムローラー2を第1の可動台9および第2の可動台10の間にセット可能である。
図7は、本発明によるゴムローラーのゴム分離方法の手順を示すフローチャート図であって、ステップS1においてハンドバルブ14(図1)を反時計方向に回動操作し、駆動シリンダー6におけるシリンダー可動部13の第1の可動台9をその左端位置に初期セットする。
この初期セットにより、第1の可動台9における円周方向刃11の基底部22(図4)に拡張収縮用ピン8のピン本体20が嵌入し、ピン本体20のテーパー状の先端部20Aが円周方向刃11のそれぞれの単位円周刃23を押しのける結果、その境界部24が開いて単位円周刃23が解放状態となり、円周方向刃11がゴムローラー2の金属シャフト3の一端部3Aを受け入れ可能な状態となる。
ステップS3において、操作レバー17(図1)を図1中、実線で示す状態に回動操作して、ベース台5のスライド溝16で第2の可動台10を移動可能状態として、第2の可動台10を金属シャフト3の他端部3B方向(図1中、右方向)に移動し、金属シャフト3の他端部3Bを軸取付け部材28のシャフト受け部29に挿入し、この挿入位置で操作レバー17を図1中、仮想線で示す状態に回動操作して、この固定位置に取り付け固定する。
さらに、ステップS5において、第1の可動台9の第2の可動台10方向への移動にともなって、円周方向刃11および径方向刃12により、ゴム材4を金属シャフト3から切断分離する。
したがって、軸取付け部材28は円周方向刃11および径方向刃12の金属材料とは異なる、たとえば硬質ウレタンなどの硬質合成樹脂によりこれを構成しておくことが望ましい。
もちろん、ゴムローラー2(金属シャフト3)の長さに応じて、第1の可動台9の設定位置までの移動を検出するリミットスイッチ(図示せず)による制御、あるいはあらかじめ上記設定位置を設定するなどのその他の電気的な制御も可能である。
すなわち、先に金属シャフト3の他端部3Bをシャフト受け部29に挿入し、ついで、金属シャフト3の一端部3Aをシャフト固定穴21に挿入するように操作することもできる。
さらに、駆動シリンダー6としてエアシリンダーを採用すれば、電源を使用することなく、簡易な分離処理を実行可能である。
2 ゴムローラー
3 金属シャフト
3A 金属シャフト3の一端部
3B 金属シャフト3の他端部
4 ゴム材
5 ベース台
6 駆動シリンダー
7 ピン取付け台
8 拡張収縮用ピン
9 第1の可動台
10 第2の可動台
11 円周方向刃
12 径方向刃
13 駆動シリンダー6のシリンダー可動部
14 ハンドバルブ
15 バルブ軸
16 スライド溝
17 操作レバー
18 レバー軸
19 拡張収縮用ピン8の基端固定部
20 拡張収縮用ピン8のピン本体
20A ピン本体20のテーパー状の先端部(図4)
21 ピン本体20に形成したシャフト固定穴
22 円周方向刃11の円筒状の基底部
23 円周方向刃11の単位円周刃
24 隣り合う単位円周刃23の間の境界部
25 二股状のヨーク部
26 円周方向刃11(および径方向刃12)の取付けボルト
27 軸取付け部材28の取付けボルト
28 軸取付け部材
28A 軸取付け部材28の当接側面(図1)
29 シャフト受け部
D 径方向刃12がゴムローラー2の軸方向においてゴム材4に対して円周方向刃11よりわずかに突出している刃先間隔(図6)
Claims (12)
- 金属シャフトと、
この金属シャフトの周囲に一体的に取り付けたゴム材と、を有するゴムローラーにおけるこのゴム材を前記金属シャフトから分離するためのゴムローラーのゴム分離装置であって、
ベース台と、
このベース台に固定した駆動シリンダーと、
この駆動シリンダーのシリンダー可動部とは異なる位置において前記ベース台に固定した拡張収縮用ピンと、
前記金属シャフトの一端部を着脱可能であるとともに、前記駆動シリンダーの前記シリンダー可動部に取り付けた第1の可動台と、
この第1の可動台に対し当該ゴムローラーの軸方向に往復動して、前記金属シャフトの長さに応じてその位置を調節可能であるとともに前記金属シャフトの他端部を着脱可能な第2の可動台と、
前記第1の可動台に取り付けるとともに、前記拡張収縮用ピンに接離することにより、その円周方向の大きさを拡張収縮するように変更可能であってその収縮形態において前記金属シャフトの外周に密着可能な円周方向刃と、
前記第1の可動台に取り付けるとともに、前記金属シャフトの径方向においてその外方に延びて、この円周方向刃とともに前記ゴム材に対向可能な径方向刃と、
を有し、
前記駆動シリンダーにおける前記シリンダー可動部の当該ゴムローラーの軸方向に沿わせた駆動にともなって、前記円周方向刃および前記径方向刃により、前記ゴム材を前記金属シャフトから分離可能であることを特徴とするゴムローラーのゴム分離装置。 - 前記駆動シリンダーの前記シリンダー可動部は、前記第1の可動台を前記第2の可動台方向に往復動可能であることを特徴とする請求項1記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記拡張収縮用ピンは、前記第1の可動台が前記第2の可動台に向かう方向において、その先端部をテーパー形状としていることを特徴とする請求項1または2記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記拡張収縮用ピンは、その軸方向を当該ゴムローラーの軸方向に沿わせて配置していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記円周方向刃は、前記拡張収縮用ピンをその内方部に嵌合可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記円周方向刃は、
前記拡張収縮用ピンと係合する係合状態となる第1の位置では、前記金属シャフトの直径より大きく拡張し、
前記拡張収縮用ピンから離脱する離脱状態となる第2の位置では、前記金属シャフトの直径と同じ径に収縮することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。 - 前記円周方向刃は、
前記拡張収縮用ピンの外周に位置可能な基底部と、
この基底部の先端方向において円周方向に分割している単位円周刃と、を有するとともに、
この単位円周刃の外周に前記径方向刃を位置させていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。 - 前記径方向刃は、前記円周方向刃と一体的にこれを形成していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記径方向刃は、前記円周方向刃と別体的にこれを形成していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記径方向刃は、前記ゴム材に対して前記円周方向刃と同じ位置に位置することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 前記径方向刃は、前記ゴム材に対して前記円周方向刃より所定の刃先間隔分前記ゴム材の方向に突出していることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のゴムローラーのゴム分離装置。
- 金属シャフトと、
この金属シャフトの周囲に一体的に取り付けたゴム材と、を有するゴムローラーにおけるこのゴム材を前記金属シャフトから分離するゴムローラーのゴム分離方法であって、
ベース台と、
このベース台に固定した駆動シリンダーと、
この駆動シリンダーのシリンダー可動部とは異なる位置において前記ベース台に固定した拡張収縮用ピンと、
前記金属シャフトの一端部を着脱可能であるとともに、前記駆動シリンダーの前記シリンダー可動部に取り付けた第1の可動台と、
この第1の可動台に対し当該ゴムローラーの軸方向に往復動して、前記金属シャフトの長さに応じてその位置を調節可能であるとともに前記金属シャフトの他端部を着脱可能な第2の可動台と、
前記第1の可動台に取り付けるとともに、前記拡張収縮用ピンに接離することにより、その円周方向の大きさを拡張収縮するように変更可能であってその収縮形態において前記金属シャフトの外周に密着可能な円周方向刃と、
前記第1の可動台に取り付けるとともに、前記金属シャフトの径方向においてその外方に延びて、この円周方向刃とともに前記ゴム材に対向可能な径方向刃と、
を設け、
前記金属シャフトの一端部を前記円周方向刃を介して前記第1の可動台に取り付けるとともに、前記金属シャフトの他端部を前記第2の可動台に取り付け、
前記駆動シリンダーにおける前記シリンダー可動部の前記第2の可動台方向への駆動にともなって、前記円周方向刃を収縮させることにより前記金属シャフトの外周に密着させ、
前記シリンダー可動部のさらなる駆動にともなって、前記円周方向刃および前記径方向刃により、前記ゴム材を前記金属シャフトから分離することを特徴とするゴムローラーのゴム分離方法。
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