JP2006035333A - 薄板リングの切出し装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイドリング23をマガジン部の外周に積層状態で取り付け、サイドリング23をマガジン部の軸方向へ押出して先頭の1番サイドリング23Aをマガジン部の先端部32から切り出し、2番サイドリング23Bはマガジン部に残す如くにサイドリング23を1枚ずつ切り出す装置である。1番サイドリング23Aを切出し位置P3まで送り出した際に、1番サイドリング23Aを2番サイドリング23Aへ向けて押圧し、かつ1番サイドリング23Aを2番サイドリング23Bから切り出すことを許容する押圧手段35を備える。
【選択図】図7
Description
オイルリングアッセンブリは、オイルリングと、このオイルリングの両側に配置した一対のサイドリングとからなる。
しかし、リングには防錆用のオイルを塗布するため、複数枚のリングを積層した際に、隣接するリング同士がオイルで付着して離れ難くなる虞がある。
2番目のリングから先頭のリングを切り出すために、ノズルのエア圧を高くすることが考えられる。しかし、ノズルのエア圧を高くすると、先頭のリングと一緒に2番目のリングも離れてしまう虞がある。
特に、リングがサイドリングのような薄板リングの場合には、その傾向が顕著に表れる。
このように、2番薄板リングを1番薄板リングで押圧することで、マガジン部から2番薄板リングが離れることを防ぐ。これにより、マガジン部に2番薄板リングを残して、1番薄板リングのみを確実に切り出すことができる。
これにより、薄板リングの品種の変更に合わせて、押圧手段を手間をかけないで簡単に交換することができる。
図1(a)は本発明に係る薄板リングの切出し装置で組み付けるサイドリングを示す分解斜視図、図1(b)はサイドリングをピストンに組み付けた状態を示す断面図である。
(a)に示すように、ピストン10は、外周11aにヘッド11側からスカート12側に向けて順にトップリング溝13、セカンドリング溝14およびオイルリング溝15を備える。
このオイルリングアッセンブリ20は、オイルリング21と、このオイルリング21の両側に配置する一対のサイドリング(薄板リング)23,23とからなる。
なお、図1においては、理解を容易にするために、オイルリング21の両端部21a、21bを離した状態で示す。
ここで、オイルリング21をエキスパンダといい、サイドリング23をレールともいう。
オイルリング溝15にオイルリング21を組み付けた後、サイドリング23,23を組み付け、組み付けたサイドリング23,23をオイルリング21の両側に配置する。
薄板リングの切出し装置30は、複数枚のサイドリング23…(…は複数枚を示す)を積層した状態で蓄え、かつ先端部32にピストン10を配置可能なマガジン部31と、このマガジン部31と平行に設け、マガジン部31に積層したサイドリング23…をピストン10に向けて送り出すことにより、先頭のサイドリング(1番薄板リングとしての1番サイドリング)23(23A)をマガジン部31の先端部32から送り出す送出し手段34と、サイドリング23…を1枚ずつ切り出すための押圧手段35(図3も参照)を備える。
ガイド体38は、複数枚のサイドリング23…を先端部39側から順次嵌め込むことで、外周42aに沿って複数枚のサイドリング23…を積層可能な本体42と、この本体42の外周42aに軸線43に沿って(すなわち、軸方向に)設けるとともに、外周42aから突出させたキープレート44とを備える。
本体42にキープレート44を備えることで、本体42にサイドリング23…を積層した際に、サイドリング23…の切断部24…(図1参照)をキープレート44に嵌め込む。
これにより、サイドリング23…の切断部24…の位置を所定位置に決めた状態で本体42に積層する。
カップ部材41は、外周48を、ガイド体38(すなわち、本体42)端部から上方に延びた下部外周48aと、下部外周48aから上方に延びた中央テーパ外周48bと、中央テーパ外周48bから上方に延びた上部外周48cとで形成したものである。
上部外周48cは、ガイド体38の外周、すなわち本体42の外周42aの外径より大きな外径で形成したストレート状の外周である。
中央テーパ外周48bは、下部外周48aから上部外周48cに向けて外径が漸次大きくなるように形成したテーパ状の外周である。
さらに、下部外周48aまで移動したサイドリング23…を、下部外周48aから中央テーパ外周48bを介して上部外周48cまで円滑に移動することができる。
ここで、サイドリング23…を上部外周48cに配置した際に、サイドリング23…は拡径された状態に弾性変形する。
載置板46を上昇することで、載置板46に積層したサイドリング23…を、マガジン部31の軸方向へ送り出してピストン10に向けて上昇する。
カップ部材41の先端部32から送り出された1番サイドリング23Aは、1番サイドリング23Aのばねによる復元力で縮径して2番サイドリング21Bから分離して切り出す。
押圧手段35は、カップ部材41の先端部32近傍に支持ブラケット61を設け、支持ブラケット61に一対のクランプ(市販品)62,62を設け、クランプ62,62で支持ブラケット61にプレート63を着脱自在に取り付け、このプレート63に一対の板ばね65,65を一定間隔をおいて取り付けたものである。
収納凹部67は、プレート63の外形より一回り大きく形成した矩形状の凹部であり、底部67a(図4参照)に一対の位置決めピン68,68(図10(b)も参照)を備える。収納凹部67の深さをプレート63の板厚と略同じに形成する。
収納凹部67の中央に形成した開口部(開口部)は、カップ部材41やピストン10の外径より大きな径で形成された円形状の孔である。
プレート63を収納凹部67に収納した際に、一対の位置決め孔72,72に位置決めピン68,68をそれぞれ差し込むことにより、位置決めピン68,68で開口部69を所定位置に位置決めする。
さらに、開口部69は、支持ブラケット61の開口部(図示せず)より小さな径で形成した孔である。
具体的には、一対の板ばね65,65の基端部65a,65aに保持片74,74を載せ、保持片74,74を支持ブラケット61にボルト75,75でねじ結合する。
一対の板ばね65,65の基端部65a,65aを、開口部69の周縁69a近傍に取り付ける。この状態で、一対の板ばね65,65の先端部65b、65b側が、開口部69の半径方向内側に向けて突出する。
一対のクランプ62,62は、トグル機構を利用したクランプである。
一対のクランプ62,62によれば、操作レバー77,77を支軸78,78を軸にして矢印aの如く上方に揺動することにより、押さえ部79,79が支軸81,81を軸に矢印bの如く上方に揺動する。
ロッド先端82,82をプレート63の表面から離すことで、プレート63を支持ブラケット61から外すことができる。
この際に、ある点を過ぎると反力の方向が逆向き(すなわち、下向きに)なり、セルフロック状態になる。
これにより、押さえ部79,79のロッド先端82,82が、新たなプレートに当接して、新たなプレートを収納凹部67内に保持する。
支持ブラケット61の収納凹部67にプレート63を配置し、プレート63に開口部69を形成し、開口部69の周縁69a近傍にねじ孔84を形成する。
プレート63と保持片74との間にシム85,86を介在させて板ばね65の基端部65aを挟み、保持片74の取付孔74aにボルト75を差し込む。
差し込んだボルト75を、シム86、板ばね65の基端部65aおよびシム85を貫通させて、ボルト75のねじ部をねじ孔84に臨ませる。このねじ孔84にボルト75のねじ部をねじ結合する。
すなわち、板ばね65を、カップ部材41の先縁32bの高さP2に対して所望の高さP1に位置決めすることができる。
オフセット量とは、カップ部材41の先縁32bの位置を基準して、1番サイドリング23Aが2番サイドリング23Bから分離する(離れる)直前の位置までの距離をいう。
具体的には、オフセット量Sは、サイドリング23の厚さtに対して、t×(1/4)≦S≦t×(3/4)である。
サイドリング23…をピストン10に向けて送り出すことにより、先頭の1番サイドリング23Aで板ばね65の先端部65bを押圧する。板ばね65の先端部65bを押圧することにより、先端部65bが矢印cの如く上方に弾性変形する。
板ばね65の先端部65bが矢印dの如く下方に戻ることで、先端部65bが2番サイドリング23Bに当接する。
ST01;サイドリング23…を送り出す。
ST02;先頭の1番サイドリング23Aを一対の板ばね65、65の先端部65b,65bに当接する。
ST03;1番サイドリング23Aを切出し位置P3(図7参照)まで送り出す。
ST05;一対の板ばね65,65が復元して、先端部65b,65bが2番サイドリング23Bに当接する。
以下、図6〜図9に基づいて薄板リングの切出し装置30でサイドリング23…を切り出す手順を詳しく説明する。
(a)において、図2に示すマガジン部31のガイド体38に複数枚のサイドリング23…を積層した後、支持ブラケット61の収納凹部67にプレート63を配置する。
このプレート63をクランプ62,62(図3参照)で固定して、一対の板ばね65,65を高さP1の位置に配置する。
ここで、一対の板ばね65,65は同じ部材であり、以下、理解の容易化を図るために1枚の板ばね65について説明する。
次いで、送出し手段34のサーボモータ56(図2参照)を駆動することにより、サイドリング23…を矢印eの如く送り出す。
板ばね65の先端部65bを押圧することにより、先端部65bが矢印fの如く上方に弾性変形する。
(a)において、1番サイドリング23Aが、カップ部材41の先縁32bの位置から、オフセット量Sにサイドリング23の厚さtを加えた距離(S+t)だけ上昇する。
1番サイドリング23Aが切出し位置P3に位置する。
一方、1番サイドリング23Aは拡径された状態でカップ部材41に積層されている。よって、1番サイドリング23Aがカップ部材41の先縁32bの位置から距離(S+t)だけ上昇すると、1番サイドリング23Aはばねの復元力により縮径しようとする。
このため、1番、2番のサイドリング23A,23Bとが一体的にカップ部材41の先端部32から離れてしまう虞がある。
これにより、1番サイドリング23Aで2番サイドリング23Bを押圧しながら、1番サイドリング23Aを切り出すことができる。
よって、2番サイドリング23Bをカップ部材41の先端部32に残した状態で、1番サイドリング23Aのみを確実に切り出すことができる。
(a)において、1番サイドリング23Aが切り出されて、板ばね65の先端部65bから離れる。
2番サイドリング23Bと、板ばね65の先端部65bとの間に隙間88が生じ、板ばね65の復元力で先端部65bが矢印jの如く下方に戻る。
ここで、2番サイドリング23Bから離れた1番サイドリング23Aは、ピストン10のオイルリング溝15に入り込み、オイルリング21の上側側面に組み付けられる。
なお、本実施の形態においては、オイルリング21の上側側面に、1番サイドリング23Aを組み付ける例について説明するが、オイルリング21の下側側面に1番サイドリング23Aを組み付けることも可能である。
1番サイドリング23Aをピストン10に組み付けた後、ピストン10をカップ部材41の嵌合凹部32aから矢印kの如く取り外す。
(a)において、ピストン100をカップ部材101の嵌合凹部101aに載置する。このピストン100は、オイルリング溝102にオイルリング103および一方のサイドリング104が組み付けられている。
ピストン100をカップ部材101の嵌合凹部101aに載置した後、マガジン部(図示せず)積層したサイドリング104…を矢印mの如く送り出す。
同時に、エアノズル106からエア107を噴射して、1番サイドリング104Aと2番サイドリング104Bとの間の隙間にエア107を吹き付ける。
しかし、1番サイドリング104Aと2番サイドリング104Bとの間の隙間には防錆用のオイルが介在され、1番サイドリング104Aと2番サイドリング104Bとが付着されている。
このため、1番サイドリング104Aがばねの復元力で縮径する際に、1番、2番のサイドリング104A,104Bとが一体的に矢印nの如く斜め上方に縮径する。
以下、カップ部材41を交換する手順を図10(a),(b)に基づいて説明する。
(a)において、クランプ62,62の操作レバー77,77を、支軸78,78を軸にして矢印pの如く上方に揺動して、押さえ部79,79を支軸81,81を軸に矢印qの如く上方に揺動する。
ロッド先端82,82をプレート63の表面から離すことで、プレート63を支持ブラケット61から外す。
プレート63を支持ブラケット61の収納凹部67から取り外すことで、カップ部材41をガイド体38から矢印sの如く取り外す。
この際に、新たなプレートの位置決め孔を位置決めピン68,68に嵌め込むことにより、新たなプレートを所定位置に位置決めする。
これにより、押さえ部79,79のロッド先端82,82で、新たなプレートを押圧し、新たなプレートを収納凹部67内に保持する。
これにより、カップ部材41を新たなカップ部材に交換する手順が完了する。
よって、サイドリング23の品種が変更になった場合に、プレート63および板ばね65,65(押圧手段35の一部構成部材)を外して、新たなサイドリングに対応するプレートおよび板ばね(新たな押圧手段の一部構成部材)を取り付けることができる。
これにより、サイドリング23の品種の変更に合わせて、押圧手段35を手間をかけないで簡単に交換することができる。
Claims (2)
- リングの一箇所に切断部を有する金属製の薄板リングを、マガジン部の外周に積層状態で取り付け、この積層した薄板リングをマガジン部の軸方向へ押出して先頭の1番薄板リングをマガジン部から切り出し、その次の2番薄板リングはマガジン部に残す如くに、薄板リングを1枚ずつ切り出す薄板リングの切出し装置において、
この切出し装置は、前記1番薄板リングを切出し位置まで送り出した際に、1番薄板リングを前記2番薄板リングへ向けて押圧し、かつ1番薄板リングを2番薄板リングから切り出すことを許容する押圧手段を備えたことを特徴とする薄板リングの切出し装置。 - 前記押圧手段を着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の薄板リングの切出し装置。
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