JP5966448B2 - 改変されたマルチ銅オキシダーゼ及びこれを用いたケラチン繊維用染色剤 - Google Patents
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このような問題を解消するため、近年では過酸化水素に替えてマルチ銅オキシダーゼの一種であるラッカーゼを配合したケラチン繊維の酸化染色組成物や毛髪化粧料が使用されている(特許文献1、2)。
なお、CueOは、Escherichia coliのペリプラズム側の酵素を銅誘導型損傷から保護する働きをするタンパク質である。また、BODは、例えばミロセシウム(Myrothecium)属またはコプリナス(Coprinus)属に属する微生物等から得られ、ビリルビンの血中濃度が上昇する病気である黄疸の治療薬として使用されるタンパク質である(特許文献4)。
詳述すれば、双方がマイナスに強く帯電していれば染色工程においてオキシダーゼと頭髪は互いに反発するので、オキシダーゼは頭髪とは離れた位置に移動してから酸化染料を酸化することになり、結局、発色した酸化染料分子は頭髪からは遠く離れた位置に分布すると考えられる。その結果、発色した酸化染料が頭髪に吸収されにくくなり、染色後に薬液を洗い流す際に発色した酸化染料分子の多くが洗い流されてしまい染色性が低くなると推察される。
即ち本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、pHが高い環境で使用してもマイナスに荷電しにくいオキシダーゼを提供し、さらに使用時に毛髪や頭皮を損傷せず、かぶれが少ないだけでなく、染色性に優れたケラチン繊維用染色剤を提供することを目的とする。
本発明のマルチ銅オキシダーゼは、カルボキシル末端に塩基性アミノ酸を所定数付加するか、あるいは特定の酸性アミノ酸残基を塩基性アミノ酸に置換したことを特徴とする。
また、本発明のケラチン繊維用染色剤は上記のマルチ銅オキシダーゼが配合されることを特徴とする。
なお、配列番号1に示したrCueOは成熟タンパク質のものであるが、ベースになるアミノ酸配列は未成熟タンパク質のものであってもよいし、その他、当該アミノ酸配列のアミノ末端側やカルボキシ末端側には、酵素活性や本願発明の効果が損なわれない限り、ヒスチジンタグ等のアフィニティタグやシグナルペプチその他の構造が付加されていてもよい。
未成熟タンパク質のアミノ酸配列であってヒスチジンタグが付されたものを配列番号3に、そのDNAの塩基配列の例を配列番号4に示す。
上記の例と同様、本例のmCueOも未成熟タンパク質のアミノ酸配列であってよく、その他、アミノ酸配列のアミノ末端側やカルボキシ末端側には、酵素活性や本願発明の効果が損なわれない限り、ヒスチジンタグ等のアフィニティタグやシグナルペプチその他の構造を付加することができる。
上記10個のアミノ酸残基は配列番号13のwtBODにおいて、塩基性アミノ酸残基に置換すれば等電点が特に顕著に上昇するアミノ酸残基であり、これらのうち4つを塩基性アミノ酸(アルギニン)に置き換えたときの等電点が4.9になることが実験により明らかになった。また、置換するアミノ酸残基が多いほど等電点が高くなる。配列番号13のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列の例を配列番号14に示す。
配列番号13に示したwtBODの未成熟タンパク質のアミノ酸配列を配列番号15に、DNAの塩基配列の例を配列番号16に示す。配列番号15に示した未成熟タンパク質のアミノ酸配列では上記10個のアミノ酸残基は、それぞれ280番目のアスパラギン酸、283番目のアスパラギン酸、299番目のグルタミン酸、303番目のアスパラギン酸、323番目のアスパラギン酸、348番目のアスパラギン酸、360番目のアスパラギン酸、361番目のアスパラギン酸、366番目のアスパラギン酸、376番目のアスパラギン酸に相当する。
具体的には、基礎となるオキシダーゼをコードする塩基配列をPCR法で増幅する際に、3’側プライマーとして終止コドンの前に付加したい塩基配列が挿入されたものを用いればよい。
PCR法の反応条件は特に限定されないが、96℃で30秒の変性、55℃で1分間のアニーリング、72℃で1分間の伸長からなる単位を1サイクルとし、このサイクルを25回繰り返す条件を例示することができる。
また、酵母用の発現ベクターとして使用できるプラスミドとしては、pPIC9K、pPIC3.5K、pPIC6、pAO815、pGAPZ等を挙げることができる。このなかでもpPIC9Kが好ましい。
菌株も特に限定されないが、大腸菌を使用する場合は、XL1−Blue、BL21、JM109、NM522、DH5α、HB101、DH10Bが例示でき、このなかでもBL21が好ましい。メタノール資化酵母を使用する場合は、GS115、KM71、SMD1168が例示でき、このなかでもGS115が好ましい。
宿主がメタノール資化酵母の場合、使用できる培地としてはYPD培地、MD培地、MBB培地等の周知のものが例示できる。また、培地には塩化銅、メタノール、G418等の薬剤を添加してもよい。培養条件も特に限定されないが、20〜32℃、好ましくは30℃で2〜7日培養すればよい。また、必要に応じ、通気や攪拌を行ってもよい。
精製方法も特に限定されないが、塩析、溶媒沈殿、透析法、限外濾過法、ポリアクリルアミド電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、等電点電気泳動法等、公知の方法が全て好適に利用できる。
本発明のケラチン繊維用染色剤に用いられる酸化染料としては、上記のマルチ銅オキシダーゼにより酸化できるものであればどのようなものでも使用できる。具体的には、パラフェニレンジアミン、5−アミノオルトクレゾール、オルトアミノフェノール、メタアミノフェノール、パラアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,6−ジアミノピリジン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、N,N−ビス(β−ヒドロキシ)−パラフェニレンジアミン硫酸塩、パラニトロ−オルトフェニレンジアミン、パラニトロ−2′,4′−ジアミノアゾベンゼン硫酸ナトリウム、トルエン−2,5−ジアミン、5−アミノオルトクレゾール硫酸塩、パラアミノフェノール硫酸塩、オルトクロロ−パラフェニレンジアミン硫酸塩、4,4′−ジアミノジフェニルアミン硫酸塩、パラメチルアミノフェノール硫酸塩、パラフェニレンジアミン硫酸塩、メタフェニレンジアミン硫酸塩、トルエン−2,5−ジアミン硫酸塩、2,4−ジアミノフェノキシエタノール塩酸塩、トルエン−2,5−ジアミン塩酸塩、メタフェニレンジアミン塩酸塩、2,4−ジアミノフェノール塩酸塩、3,3′−イミノジフェノール、パラフェニレンジアミン塩酸塩、N−フェニル−パラフェニレンジアミン塩酸塩、N−フェニル−パラフェニレンジアミン酢酸塩、1,5−ジヒドロキシナフタレン、トリレン−3,4−ジアミン、パラメチルアミノフェノール、N,N′−ビス(4−アミノフェニル)−2,5−ジアミノ−1,4−キノンジイミン、オルトアミノフェノール硫酸塩、2,4−ジアミノフェノール硫酸塩、メタアミノフェノール硫酸塩が挙げられるが、基質特異性の関係でこの中でも特にパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、トルエン−2,5−ジアミンおよびこれらの塩等が好ましい。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
インドリン化合物としては特に限定されないが、例えば、インドリン、5,6−ジヒドロキシインドリン、N−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−エチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、N−ブチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、4−ヒドロキシ−5−メトキシインドリン、6−ヒドロキシ−7−メトキシインドリン、6,7−ジヒドロキシインドリン、4,5−ジヒドロキシインドリン、4−メトキシ−6−ヒドロキシインドリン、N−ヘキシル−5,6−ジヒドロキシインドリン、2−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、3−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、4−ヒドロキシインドリン、2,3−ジメチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、2−メチル−5−エチル−6−ヒドロキシインドリン、2−メチル−5−ヒドロキシ−6−β−ヒドロキシエチルインドリン、4−ヒドロキシプロピルインドリン、2−ヒドロキシ−3−メトキシインドリン、6−ヒドロキシ−5−メトキシインドリン、6−ヒドロキシインドリン、5−ヒドロキシインドリン、7−ヒドロキシインドリン、7−アミノインドリン、5−アミノインドリン、4−アミノインドリン、5,6−ジヒドロキシインドリンカルボン酸、1−メチル−5,6−ジヒドロキシインドリン、これらの塩類等を挙げることができる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
このようなタール色素としては、昭和41年8月31日公布の厚生省令第30号「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」によって指定されている色素が挙げられる。また、HC染料としては、HC青2、HC橙1、HC赤1、HC赤3、HC黄2、HC黄4等が挙げられ、塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤51、塩基性赤76、塩基性黄57等が挙げられ、直接染料としては、2−アミノ−6−クロロ−4−ニトロフェノール、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノール、2−アミノ−3−ニトロフェノール、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロフェノール等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
例えば、界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸ソルビタン等のノニオン性界面活性剤;セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、パルミチン酸セチル、パルミチン酸オクチル等の油剤;キサンタンガム、サクシノグルカン、ヒドロキシプロピルグァーガム、カチオン化グァーガム等のグァーガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース類等の増粘剤;1,3−BG、PG、DPG、グリセリン等の保湿剤;EDTA、EDTA−2Na、EDTA−4Na、ヒドロキシエタンジホスホン酸等のキレート剤:パラベン、メチルイソチアゾリノン等の防腐剤;エタノール、イソプロピルアルコール等の溶剤;香料等で、これらは必要に応じ、任意に組み合わせて適宜配合することができる。
剤型も液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、泡状、エアロゾル状等、任意の剤型とすることができ、容器も袋入り、瓶入り、ポンプ式容器入り、チューブ入り、噴霧缶入り等、どのようなものでも採用できる。
以下の手順により、本発明の改変されたマルチ銅オキシダーゼを調製した。
(1)6XArg付加型mCueO遺伝子の作製
rCueO発現プラスミドpUCCueO Δα5−7(特許文献3に記載されたpUC18−CueO Δα5−7と同じ。製造方法については同[0076]〜[0096]を参照)を鋳型に、配列番号25のCueO F(+)プライマーと、配列番号26の6XArgタグ導入プライマーを用いて、PCR法により配列番号8に記載された6XArg付加型mCueOの後半約0.7kbpの遺伝子断片を増幅した。
配列番号25のCueO F(+)プライマーは、rCueOのORF(配列番号4 )において748〜768番目の塩基配列に相当する。
配列番号26の6XArgタグ導入プライマー塩基配列に於いて、5 ’末端から側から3〜8番目の塩基(ggatcc)はBamHI切断部位、9〜11番目の塩基(tta)は終止コドンに対するアンチコドン、12〜29番目の塩基(acgacgacgacgacgacg)がArgのアンチコドンを6回繰り返したもの、30番目以降はCueOのカルボキシ末端領域コード配列の相補配列である。
(2)PCR反応液
Pwo Super Yield PCR Buffer 5.0μl
pUCCueO Δα5−7(10ng/μl) 1.0μl
CueO F(+)プライマー(10pmol/μl) 1.0μl
6XArgタグ導入プライマー(10pmol/μl) 1.0μl
dNTP mix. (2mM,東洋紡社製) 5.0μl
滅菌蒸留水 36.5μl
Pwo Super Yield DNA Polymerase 0.5μl
合計 50.0μl
1)95℃,5min予熱
2)95℃,1min変性
3)52℃,1minアニーリング
4)72℃,1min伸長
→2)に戻る(25サイクル)
5)72℃,5min伸長
上記反応終了後、反応液を1%アガロースゲル電気泳動に供して増幅断片を分離し、キアゲン社製QIAEXII Gel Extraction Kitを用いて増幅断片をゲルから抽出・精製した。操作はキアゲン社の説明書に従って行なった。
精製した増幅断片をプロメガ社のpGEM−T Easy Vectorと連結した。連結操作はプロメガ社の説明書に従って行なった。連結反応終了後,反応液5μlを用いて、E. coli XL10−Goldコンピテントセルを形質転換した。形質転換菌はアンピシリンを含むLB寒天培地を用いて37℃で一晩インキュベートした。
生育したコロニーからアルカリSDS法によってプラスミドを単離し、制限酵素NcoIとBamHIで消化した後、1%アガロースゲル電気泳動に供して消化断片を分離した。次いで、QIAEXII Gel Extraction Kitを用いて約0.7kbpの消化断片をゲルから抽出・精製した。
これとは別に、pUCCueO Δα5−7を制限酵素NcoIとBamHIで消化し、同様の操作で約3.4kbpの断片を精製した。
DNA Ligation Kit Ver. 2.1(タカラバイオ社製)を用い、タカラバイオ社の説明書に従って、上記生育したコロニーから得た約0.7kbpの消化断片とpUCCueO Δα5−7から得た約3.4kbpの断片を連結した。連結反応終了後、反応液5μlを用いて,E. coliXL10−Goldコンピテントセルを形質転換した。形質転換菌はアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布し37℃で一晩インキュベートした。
生育したコロニーから,アルカリSDS法によってプラスミドを単離し,得られたプラスミドの中に変異型遺伝子の配列を確認した。確認を終えたプラスミドをpUCCueO Δα5−7 6Rとする。pUCCueO Δα5−7 6Rのコードする6XArg付加型mCueOのアミノ酸配列を配列番号7に、成熟6XArg付加型mCueOのアミノ酸配列を配列番号5に示す。
(i)形質転換体の培養
E.coli BL21(DE3)コンピテントセルをpUCCueO Δα5−7 6Rで形質転換し、形質転換菌はアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布し37℃で一晩インキュベートした。生じたコロニーを以下の二段階で培養し、6XArg付加型mCueOを発現させた。
前培養(試験管):0.1mg/mlアンピシリンを含むLB培地4ml中、37℃で一晩震盪培養を行なった。
本培養(2Lバッフル付き三角フラスコ):1mM CuCl2 、0.5mM IPTGを添加した400mlの上記培地中、32℃で12時間震盪培養を行なった。
培養終了後、遠心分離により集菌し、0.85%の塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、直ちに以下の浸透圧ショックを行なった。
菌体を氷冷した20%ショ糖、10mM EDTAを含む100mM Tris−H2 SO4 緩衝液(pH7.5)に懸濁し氷水中で10分間静置後、遠心分離によって菌体を回収した。次に、プロテアーゼ阻害剤を含む氷冷蒸留水に懸濁し、氷水中で10分間静置後、遠心分離によって上清を回収した。得られた上清を、さらに90,000Xg、30分の超遠心分離に供し、その上清を粗酵素液とした。
上記粗酵素液に、終濃度が20mMとなるようにリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)を加え、同緩衝液で平衡化したTOYOPEARL SP−650M(東ソー社製)カラム(100ml)に重層し、同緩衝液で洗浄した。その後、0→500mMのNaCl直線濃度勾配(400ml)により吸着したタンパク質を容出させた。活性画分を集めて濃縮し,100mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)に透析した後、mCueOの精製標品とした。
以下の手順により、本発明の改変されたマルチ銅オキシダーゼの別例を調製した。
まず、特許第4437652号公報の[0022]及び[0023]に記載の方法により成熟BODをコードするDNA断片を得て、QuikChange法を用いて、配列番号13番における265番目、285番目、323番目、338番目のアミノ酸残基に相当するコドンをアルギニンのコドンagaに置換した。
その後、同公報[0024]〜[0031]の方法に準じて4残基置換型mBODの精製標品を得た。
特許文献3(再公表特許2007/063614号公報)の[0076]〜[0101]に記載されたmCueO(1)と同じ方法でrCueOの精製標品を得た。なお、得られたrCueOのアミノ酸配列は配列番号27に示されている。
特許第4437652号公報の[0022]〜[0031]に記載された方法により得られたBODを比較例2のwtBODとした。なお、得られたwtBODのアミノ酸配列は配列番号13に示されている。
染料中間体としてパラフェニレンジアミンを含む第1剤と、オキシダーゼを含む第2剤からなる2剤式のケラチン繊維用染色剤を作成した。
表1に示すように、第1剤はポリオキシエチレン硬化ひまし油2g、乳酸1g、ヒドロキシエチルセルロース1g、モノエタノールアミン0.9g、パラフェニレンジアミン1g、及び合計25gになるように精製水を加えて混合して調製した。なお、第1剤のpHは9.8である。
第2剤は実施例1で作られたmCueOの希釈液(使用時の濃度は0.5units/g)である。なお、本実施例に使用したmCueOの等電点(pI)は8.1である。
表1に示すように、第1剤にカップラーとしてレゾルシン0.5gが含まれる他は実施例3と同様にしてケラチン繊維用染色剤を作成した。
表1に示すように、第1剤に染料中間体としてパラアミノフェノール0.3gが含まれる他は実施例3と同様にしてケラチン繊維用染色剤を作成した。
表1に示すように、第1剤にカップラーとしてメタアミノフェノール0.3gが含まれる他は実施例3と同様にしてケラチン繊維用染色剤を作成した。
表1に示すように、第1剤にカップラーとして塩酸2,4ジアミノフェノキシエタノール0.2gが含まれる他は実施例3と同様にしてケラチン繊維用染色剤を作成した。
表1に示すように、第1剤にカップラーとしてpAOC(パラアミノオルトクレゾール)0.3gが含まれる他は実施例3と同様にしてケラチン繊維用染色剤を作成した。
表1に示すように、モノエタノールアミンに代えて28%アンモニア水3g用いた他は実施例8と同様にしてケラチン繊維用染色剤を作成した。
上記した実施例3〜9のケラチン繊維用染色剤を用い、ビューラックス製白髪毛の1g毛束に対して染毛試験を行った。
まず、前処理として、毛束を38℃の流水で30秒間水洗いして、1%SDS液で1分間もみ洗いし、再び38℃の流水で30秒間水洗いしてSDS液を洗い流した後、風乾した。
次に、第1剤0.5g及び第2剤1.5gを秤量してカップに入れて刷毛で混合し、混合液を刷毛で毛束に塗布した。毛束は扇状になるように広げ、できるだけ均一に塗布できるようにした。
塗布後、室温(26.5℃)で15分後放置した後、毛束を裏返して混合液を刷毛で均一に広げ、さらに室温で15分間放置した。
その後、毛束を38℃の流水で30秒間水洗いしてケラチン繊維用染色剤を洗い流し、1%SDS液を塗布してコームで20回櫛通しして泡立てた後、38℃の流水で流しながらコームで20回櫛通しして1%SDS液を洗い流した。洗浄後、水分をタオルで拭き取り、乾燥させた。
乾燥後、分光測色計(コニカミノルタ製、CM−2600d)でLab値を測定するとともに、未処理の白髪毛を基準とした色差ΔEを算出した。結果を表2に示す。
表2に示すとおり、毛束は様々な色に染め上げられ、使用者が求める所望の色に頭髪を染色可能であることがわかる。
第1剤のpHが9.0になるようにモノエタノールアミンの量を変更し、第2剤として、実施例1及び比較例1で得られた酵素の希釈液(使用時の濃度は0.25units/g)を用いた他は、実施例3と同様にして、実施例10及び比較例3のケラチン繊維用染色剤を作成した。
第1剤として、パラフェニレンジアミン(PPD)に代えて、5,6−ジヒドロキシインドール(5,6−DHI)0.3g配合したものを用い、第2剤として実施例2及び比較例2で得られた酵素の希釈液(使用時の濃度は0.25units/g)を用いた他は、実施例10と同様にして、実施例11及び比較例4のケラチン繊維用染色剤を作成した。
表3に示されるとおり、等電点が高いマルチ銅オキシダーゼを用いれば等電点が低い場合と比較して、染色性が優れていることがわかる。
キュベット(1.5mL UVディスポセル、Top社製)中で、200mM酢酸緩衝液(pH5.5)0.875mL、各酵素(rCueO、mCueO、wtBOD、rBOD)水溶液(0.5mg/mL)0.025mL、及び、各基質溶液0.1mLを混合し、分光光度計(UV−2459、SHIMADZU社製)を用いて、各測定波長での吸光度の変化量を測定した(測定波長はパラフェニレンジアミンは470nm、5,6−ジヒドロキシインドールは300nm)。
そして、既に判っている目標濃度(0.5及び0.25units/g)におけるwtCueO及びwtBODの吸光度の変化量と比較し、この吸光度の変化量と同じになるように各酵素水溶液を希釈して目標濃度の酵素液とみなした。
本発明のケラチン繊維用染色剤は、酸化染料を等電点が高いオキシダーゼで酸化するため、毛髪や頭皮の損傷、かぶれが少ないばかりでなく、頭髪とオキシダーゼの反発力が小さく、或いは逆に吸着するので頭髪の近傍に発色したオキシダーゼが分布するので染色性に優れる。
Claims (3)
- 配列番号13のアミノ酸配列において、265番目のアスパラギン酸、285番目のアスパラギン酸、323番目のアスパラギン酸、338番目のアスパラギン酸の4残基が塩基性アミノ酸に置換されたアミノ酸配列を含むことを特徴とするビリルビンオキシダーゼ。
- 塩基性アミノ酸がアルギニンであることを特徴とする請求項1に記載のビリルビンオキシダーゼ。
- 請求項1又は2に記載のビリルビンオキシダーゼが含有されていることを特徴とするケラチン繊維用染色剤。
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