図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダ)と、リモコン装置1にて構成されており、これらは、LAN100にて、無線、有線で互いに接続されている。本実施形態では、このカラオケシステム中、カラオケ装置2、リモコン装置1、カラオケ用ホスト5の少なくとも何れか、あるいは、複数が連携することで楽曲評価装置として機能することとなる。
店舗に設置されるカラオケ装置2は、リモコン装置1(例えば、1a、1b)によりユーザからの各種指示を受け付けることが可能となっている。また、リモコン装置1は表示部11と操作部17が共有されたタッチパネル表示画面を備え、ユーザに対して各種情報の提供や、操作入力することが可能とされている。リモコン装置1は、LAN100上に設置されたアクセスポイント110を介してカラオケ装置2と無線接続される。例えばカラオケ装置2にはリモコン装置1aと1bが対応付けられ、LAN100aを介して情報を送受信することが可能となっている。また、リモコン装置1a、1bとカラオケ装置2
とは赤外線通信部16などを利用した近距離通信を行うことも可能である。
さらに、本実施形態のカラオケシステムでは、ユーザに各種サービスを提供するためインターネットを介したカラオケ用ホスト5(サーバ装置)が設けられ、楽曲情報やユーザ情報、カラオケ投稿映像など、各種サービスに必要な情報を記憶している。そして、ルータ120を通じて、カラオケ装置2、又はリモコン装置1a、1bと、前述した情報の送受信が行うことができる。
カラオケ装置2は、全体を統括制御する制御部30を中心として機能し、主な機能として、演奏処理、楽曲予約処理、投稿処理、投稿映像選択処理、投稿映像視聴処理などを実行可能としている。演奏処理(再生処理)は、入力部21やリモコン装置1にて、ユーザにより指定された楽曲に対応する演奏情報をMIDI音源を含んで構成される音響制御部70にて演奏させ、スピーカー42から放音させる処理である。このとき、スピーカー42からは歌唱用マイク44a、44bから入力される音声も合わせて放音される。投稿処理は、演奏処理にあわせて録画・録音されたカラオケ用投稿映像をカラオケ用ホスト5に送信する処理である。また、投稿映像選択処理は、投稿処理にて送信されたカラオケ用投稿映像を視聴などを目的としてユーザに選択させる処理であって、投稿映像視聴処理は、選択されたカラオケ用投稿映像を視聴する処理である。
楽曲予約処理は、ユーザからの指定に基づいて楽曲を選択、予約するための処理である。本実施形態ではリモコン装置1と連携して実行することとなる。リモコン装置1の操作部17から入力されたユーザの指令は、赤外線通信部19、23、あるいは、LAN100を介してカラオケ装置2に伝達される。カラオケ装置2での処理結果は、リモコン装置1側の表示部11に表示され、ユーザは選曲のための各種情報を視認することが可能である。カラオケ装置2とリモコン装置1は、この楽曲指定処理に限らず、ユーザ個別のサービスを提供するためのログイン処理など各種処理を実行することが可能である。
図2は、本発明の実施形態に係るトップ画面、すなわち、リモコン装置1を起動した直後の画面を示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11に表示を行うことで、リモコン装置1を操作するユーザに対して各種情報を提供する。なお、リモコン装置1の操作部17としては、カーソルキーなどの各種機械的なスイッチの他、表示部11に表示されたボタン、アイコンなどを直接タッチして操作を行うタッチパネルを採用することができる。
本実施形態のカラオケシステムは、複数のユーザが各リモコン装置1のタッチパネル表示画面から必要な情報(後述するユーザ識別情報やパスワード)を入力し、ログインすることが可能となっている。ユーザのログインに関する情報は画面上方に常時表示される。ログインしたユーザの分身像(アバター)を表示するためのログインユーザ欄103が設けられている。なお、分身像としては、人、キャラクターを模した像の他、図形や記号など各種形態を採用することができる。
また、アカウントを有していないユーザのためのゲストアイコン102、ユーザを切り替えるためのユーザ切替スイッチ101が表示されている。ログインしたユーザは、ログインユーザ欄103に表示される分身像を選択、あるいは、ユーザ切替スイッチ101を操作することで、自分のユーザ情報を利用した各種サービスを受けることが可能となる。また、アカウントを有していないユーザは、ゲストアイコン102を操作することで、選曲など一般的なサービスを受けることが可能となっている。なお、ユーザの切替の際には、パスワードなど認証を行うこととしてもよいが、認証を行うことなく簡易に切り替えることとしてもよい。
図3は、各ユーザ毎に、ホスト5に記憶されているユーザ情報を説明するための図である。本実施形態では、ユーザ情報として、個人情報、十八番テーブル、履歴テーブル、歌唱者評価テーブルといった、ユーザに関する各種情報を含んで構成される。ユーザ情報は、カラオケ用ホスト5の記憶部51に予め記憶されている。また、ユーザ情報には、ユーザがリモコン装置1からカラオケ用ホスト5へログインしてこれら情報を利用するためのユーザ識別情報、パスワードが対応付けられている。個人情報には、ユーザ名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢、メールアドレスなどを含んで構成されている。また、これら各種情報は、リモコン装置1、あるいは、インターネットなどのネットワークに接続された図示しないパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などにてログインして設定することも可能である。
十八番テーブルは、ユーザによって登録された楽曲を記憶するテーブルであって、楽曲識別情報、音程情報、過去の採点情報(最高点)などを含んで構成されている。ユーザは、この十八番テーブルに基づいて、過去に登録したお気に入りの楽曲を呼び出して歌唱することが可能となる。その際、登録した音程情報を利用することで、自分の歌唱にあった音程で演奏(再生)を行うこともできる。
履歴テーブルは、ユーザが過去に演奏した楽曲に関する各種情報を記録した情報であって、本実施形態では、演奏した楽曲について、楽曲の楽曲識別情報、演奏した日時を示す歌唱日時、歌唱した店舗の識別情報、あるいは、歌唱した店舗の住所、もしくは、緯度経度などを示す位置情報、採点情報などを含んで構成されている。ユーザは、この履歴テーブルに基づいて、過去に演奏した楽曲を呼び出して歌唱することができる。
歌唱者評価テーブルは、本ユーザ情報のユーザの歌唱について、他のユーザによる歌唱評価情報を記録した情報であって、本実施形態では、歌唱評価の対象となった楽曲の楽曲識別情報、ポイント(数値)、コメントなどで構成された歌唱者評価情報、歌唱評価を行ったユーザ(評価者)のユーザ識別情報を含んで構成されている。本実施形態では、楽曲別、評価者別に歌唱者評価情報を記録しているが、例えば、歌唱者評価情報をポイントで構成した場合、楽曲毎に積算することで楽曲別の評価が、また、全てを積算することで、本ユーザ情報のユーザの歌唱評価を行うことが可能となっている。
図4は、このユーザ情報の送受信の様子を示した図である。カラオケ店舗に来店したユーザは、自己のユーザ識別情報とパスワードで構成された識別情報を入力、あるいは、リモコン装置1などに設けられたICカードリーダーでICカードに記憶されている識別情報を読み取らせることで認証処理S101を実行する。ユーザの識別情報を読み取った、カラオケ装置2あるいはリモコン装置1は、識別情報をカラオケ用ホスト5に送信し(S102)、識別情報を受信したカラオケ用ホスト5は記憶部51に記憶されたデータベースから、該当するユーザのユーザ情報を抽出し(S121)、問い合わせのあったカラオケ装置2あるいはリモコン装置1に対して送信する(S122)。
ユーザ情報を受信したカラオケ装置2側では(S103)、受信したユーザ情報に基づいて、選曲処理、演奏処理など各種サービス処理が提供される(S104)。ユーザによりログアウトが要求される(S105)とサービス処理を中断し、サービス処理中における各種履歴(ログ)、あるいは、ユーザによる設定変更を反映したユーザ情報をカラオケ用ホスト5に送信する(S106)。ここで、ユーザ情報は、全ての情報を送信することの他、更新された差分だけを送信してもよい。カラオケ用ホスト5では、受信したユーザ情報に基づいて記憶部1に記憶されたデータベースの更新を実行する(S124)。
以上、1ユーザが認証処理(ログイン処理)してから、ログアウトするまでの流れを説明したが、本実施形態のカラオケ装置2、リモコン装置1は、認証された複数人(認証ユ
ーザ)が同時にログインした状態で使用することが可能となっており、図2で説明したユーザインターフェイスを用いることで、サービスを提供するユーザ(以下、「アクティブユーザ」という)を切り替えて使用することが可能となっている。
図5は、本発明の実施形態に係るアクティブユーザトップ画面を示す図である。この図に示されるように、複数人がログインした状態ではログインユーザ欄103にログインしたユーザの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザ欄103中、右端に背景がハイライトで示されるユーザは、アクティブユーザ103eであって、図に示す状態では、このアクティブユーザ103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザ103eのユーザ情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。このアクティブユーザトップ画面では、「曲を探す」を選択することで、従来の歌本と同様、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。
図6には、アクティブユーザートップ画面にて「マイルーム」が選択されたときの画面であるマイルーム画面が示されている。このマイルーム画面には、図に示されるようにマイうた104、マイアーティスト105、りれき106といった操作ボタンが表示されており、これらを選択することでユーザー情報を利用した各種選曲方法を選択することが可能となっている。マイうた104が選択されたときにはマイうたテーブルを参照した選曲が、マイアーティスト105が選択されたときにはマイアーティストテーブルを参照した選曲が、そして、りれき106が選択されたときには履歴テーブルを参照した選曲が実行される。
アクティブユーザーとして楽曲を選択した場合、図7に示される楽曲確認画面にて、予約を行う楽曲に間違いがないか、楽曲名、歌手名、歌い出しなどを表示してユーザーに確認させる。このとき、選択した楽曲に対して自分の歌唱できる音程が予め分かっている場合には、「キー設定」を変更することで演奏する際のキー調整値を設定することが可能となっている。キー設定右下の「変更」ボタンを操作することで、キー設定用の画面が表示されキー調整値を設定することができる。また、本実施形態では「オプション」にて、カラオケ投稿映像についての設定することが可能とされている。具体的には、演奏時に録音・録画を実行することでカラオケ投稿映像を作成し、カラオケ用ホスト5に送信するか否か、そして、カラオケ用ホスト5に送信したカラオケ投稿映像の公開範囲などを設定することが可能とされている。
この楽曲確認画面にて「予約」ボタンが操作されると、リモコン装置1からカラオケ装置2に対して楽曲識別情報、ユーザ識別情報、投稿モードの選択状況などを含む予約情報が送信される。受信したカラオケ装置2では、予約情報を予約テーブルに順次追加して、演奏処理を実行する。
図8には、本発明の実施形態に係る演奏処理を示すフロー図が示されている。カラオケ装置2の電源投入後、演奏処理が開始されると、予約テーブルをチェック(S201)し、次に演奏する楽曲の有無が判定される(S202)。次の楽曲が予約されていた場合(S202:Yes)、予約された予約情報に基づいて、対応する楽曲の演奏が開始される(S203)。
演奏の開始後、演奏されている楽曲を予約したのはログインユーザか否かが判定される(S204)。この判定は、予約情報にユーザ識別情報が含まれているか否かで判定することが可能である。楽曲を予約したのがログインユーザである場合(S204:Yes)、カラオケ装置2に対して、ログインしている他のユーザの中から一人のログインユーザが抽出される(S205)。抽出されたログインユーザについて、そのユーザ情報を参照し、演奏されている楽曲がユーザ情報に関連する楽曲であるか否かが判定される。この関
連関係は、以下の何れかの関係を満たすか否かで判定される。
(1)演奏された楽曲がユーザ情報中の履歴テーブルに記録されている楽曲である。
(2)演奏された楽曲がユーザ情報中のマイうたテーブルに記録されている楽曲である。(3)演奏された楽曲の歌手(アーティスト)がマイアーティストテーブルに記録されたいる歌手である。
上述する関係を満たすと判定された場合(S206:Yes)、S205で抽出されたログインユーザは、演奏された楽曲に対して思い入れがある、あるいは、知識が深いと推定されるため、カラオケ装置2は、リモコン装置1に対して、楽曲・歌唱者評価催促通知を送信(S207)し、演奏されている楽曲に対して評価を可能とさせる。一方、演奏された楽曲がユーザ情報と関連していない場合(S206:No)には、この楽曲・歌唱者評価催促通知の送信を実行しない。S205〜S207の処理を、歌唱しているユーザ以外のログインユーザに対して実行することで、楽曲に思い入れがある、あるいは、知識の深いユーザに対して、楽曲並びに歌唱者に対する評価を行わせることが可能となっている。
一方、演奏されている楽曲を予約したのがログインユーザでない場合(S204:No)、すなわち、予約情報中にユーザ識別情報が含まれていない場合には、同様に、一人のログインユーザを抽出し、演奏されている楽曲がユーザ情報に関連する楽曲であるか否かの判定が行われる(S210)。演奏されている楽曲がユーザ情報に関連する楽曲である場合(S210:Yes)には、楽曲評価催促通知を送信(S211)し、演奏されている楽曲に対して評価を可能とさせる。この場合、演奏されている楽曲を歌唱しているユーザは、ログインしているユーザではないため、楽曲に対する評価のみとなる。S209〜S212の処理を、歌唱しているユーザ以外のログインユーザに対して実行することで、楽曲に思い入れがある、あるいは、知識の深いユーザに対して、楽曲に対する評価を行わせることが可能となっている。
図9には、本発明の実施形態に係る楽曲・歌唱者評価処理を示すフロー図が示されている。本実施形態では、この楽曲・歌唱者評価処理をリモコン装置1にて実行することとしている。S301にて楽曲・歌唱評価催促通知を受信したリモコン装置1では、現在、ログインしてリモコン装置1を使用しているアクティブユーザに対して、楽曲・歌唱評価の有無を問う(S302)。本実施形態では、図11に示されるアクティブユーザトップ画面にて評価催促を行うことで評価実行の有無を問いかけている。この画面では、楽曲・歌唱者評価を実行可能なメニューを有するマイルームの項目に、「曲を評価して下さい!」と記載された吹き出しを表示することで評価催促を行っている。
この評価催促は、楽曲の演奏中のみならず、演奏終了後、アクティブユーザに変更されたログインユーザに対して実行される。評価催促通知の条件としては、楽曲の演奏期間中にログインしていたユーザであって、楽曲の演奏、歌唱者の歌唱を聴いていると推定されるユーザである。なお、アクティブユーザとなったときに、まだ評価を行っていない複数の楽曲が演奏されていた場合、当該複数の楽曲に対して評価させることとしてもよい。
楽曲・歌唱者評価を行いたいユーザは、マイルームを選択した後、図6に示される「楽曲評価」を選択して、楽曲・歌唱者評価を実行する。対象となる楽曲は、ログインしているユーザ、すなわち、ユーザ情報を有しているユーザであるため、楽曲の評価に加えて、ユーザ(歌唱者)に対する歌唱評価を行うことを可能としている。図12には、本発明の実施形態に係る楽曲・歌唱者評価画面が示されている。この図に示されるように評価対象となる楽曲AAAについて、「盛り上がる曲」、「泣ける曲」、「笑える曲」、「癒される曲」、「季節に合う曲」、「懐かしい曲」という評価対象項目が設けられている。楽曲評価を行うユーザは、これら評価対象項目を選択(複数選択することも可)することで、
楽曲AAAに対する評価を行うことが可能となっている。
さらに本実施形態では、楽曲に対する評価としてコメントを付与することが可能となっている。図に示される「コメント入力」と表示されているコメント欄に文字を入力することで、評価情報についてコメントを含めることが可能となっている。コメント欄を選択すると図示しないソフトウェアキーボードが画面上に表示され、ユーザはこのソフトウェアキーボードにコメントを入力する。
一方、アバターと共に示される歌唱を行った歌唱者(Cさん)に対しては、「うまい」、「へた」、「そっくり」、「おもしろい」といった評価対象項目が設けられている。歌唱者評価を行うユーザは、これら評価対象項目を選択(複数選択することも可)することで、歌唱者(Cさん)に対する評価を行うことが可能となっている。
本実施形態では、楽曲、歌唱者のそれぞれについて、選択決定された評価対象項目に対してポイントを割り振ることで、楽曲評価情報、歌唱者評価情報を形成している。なお、ポイントについては、評価対象項目によって加算するのみならず減算するマイナスポイントを設けることとしてもよい。例えば、歌唱者の評価中「うまい」についてはプラスポイントとし、「へた」についてはマイナスポイントとすることが考えられる。このような形態では、評価情報を統合することで歌唱者に対する総合評価を適正に行うことが可能となる。楽曲の評価についても同様である。
楽曲に対するコメントがなされた場合には、楽曲評価情報にコメントが含められる。また、割り振られるポイントは、ユーザ情報を利用して重み付けを行うこととしてもよい。例えば、ユーザ情報中、履歴テーブルを参照することで、評価対象となる楽曲の歌唱回数を取得することができるが、この歌唱回数に基づいて、歌唱回数の多いユーザほど、各評価情報に対する重み付けを大きくすることで、当該楽曲に対して関心の高いユーザの評価を大きく反映させ、評価の信頼性を向上させることが可能である。このような形態以外に、マイうたテーブルに記録されている楽曲ついては重み付けを大きくする、マイアーティストテーブルに記録されている歌唱の楽曲であれば重み付けを大きくする、ことを付加するあるいは代えることとしてもよい。
例えば、ユーザが楽曲Aを評価する際、「盛り上る曲」を選択した場合、所定の条件(例えば、歌唱履歴にて楽曲Aに対する歌唱回数、あるいは、楽曲のリリース時期(配信時期など)からユーザが歌唱するまでの期間)を満たしていないユーザならば、楽曲Aについての評価対象項目「盛り上る曲」に、1ポイント(投票数:1)が加算される。一方、所定の条件を満たしているユーザによる評価では、「盛り上る曲」を選択すると、1ポイントに所定の重みを付与したポイント(例:1.5ポイント)が加算されることとなる。なお、この重み付けは、演奏回数が多いほど、歌唱するまでの期間が短いほど、重くなることとしてもよい。
また、あるユーザに対して、過去に評価した楽曲と同じ楽曲の評価を催促する場合も有り得る。この場合に、ユーザが例えば「盛り上る曲」を選択すると、通常のポイント数より低いポイント(例:0.5ポイント)が加算されることする。或いは、過去に評価した楽曲については、評価催促しないという処理も考え得る。
さらに楽曲評価情報には、評価を行ったユーザを関連づけておくこととしてもよい。この関連づけは、楽曲評価情報にユーザ情報のユーザ識別情報を含めておく、あるいは、ユーザ情報中の個人情報内の性別、年齢などを対応付けておくことで行われる。このようなユーザとの関連づけを行うことで、楽曲評価情報を利用する際、対象となるユーザの年齢、性別を選択することが可能となる。
評価を行うユーザは、楽曲、歌唱者それぞれについて、評価対象項目を選択した後、「決定」ボタンを操作することで評価が実行される。評価実行にて形成された楽曲評価情報は、カラオケ用ホスト5に送信される(S305)。一方、評価実行にて形成された歌唱者評価情報は、歌唱したユーザのユーザ情報中の歌唱者評価テーブルに記録される(S306)。
図8の演奏処理のフロー図に戻り、楽曲を予約したのがログインユーザでない場合、すなわち、ゲストユーザである場合(S204:No)には、S209〜S212の処理を実行することで、楽曲に対する評価のみを実行させる。図10には、この楽曲評価処理を示すフロー図が示されている。図9の楽曲・歌唱者評価処理の場合と同様、図11に示されるアクティブユーザトップ画面にて、楽曲に対する評価を催促する。ユーザにより評価実行が指定された場合(S312:Yes)には、図12に示される評価画面を表示させる(S313)。このとき画面下方に表示されている歌唱者に対する評価については、歌唱者がゲストユーザであるため表示させていない。評価実行により取得された楽曲評価情報は、カラオケ用ホスト5に送信される(S315)。カラオケ用ホスト5では、受信した楽曲評価情報を楽曲毎に集計し、各楽曲についての総合楽曲評価情報を形成する。
以上、本実施形態のカラオケシステムでは、複数のユーザがログインしている状況下において演奏された楽曲について、歌唱者以外の他のユーザが、楽曲並びに歌唱者について評価を行うことを可能としている。特に、ユーザ情報を使用することで、演奏された楽曲に関連するユーザのみ評価を行うことを可能としており、評価に対する信頼性を向上させている。
では、このように取得した楽曲、歌唱者の評価について、楽曲に対する評価結果の利用方法について説明する。図5に示されるアクティブユーザトップ画面では「ランキング」による楽曲検索を行うことが可能となっている。ユーザはこの「ランキング」を選択することで、楽曲評価情報の集計結果による検索を行うことが可能となっている。図13にはこのランキングによる条件選択画面が示されている。
この条件選択画面では、曲タイプ(第1条件)と、年代(第2条件)を指定して楽曲を検索することが可能となっている。ユーザは、曲タイプの選択において、図12の評価画面中における評価対象項目を選択する(複数選択することも可)ことが可能となっている。また、年代の選択において、「同席者の年代」、「全年代」の他、各年代を選択(複数選択することも可)することが可能となっている。ここで同席者とは、現在、リモコン装置1によってログインしている他のユーザのことをいう。当該他のユーザの個人情報中、年齢を利用して検索対象とする年代が指定される。ユーザは、曲タイプ、年代を選択して「検索実行」することで、リモコン装置1は、楽曲に付与されている総合楽曲評価情報を参照し、図14に示されるランキング表示結果画面を表示する。
図14に示されるランキング結果表示画面は、図13に示される検索条件「盛り上がる曲」、「同席者の年代」で検索指定された結果を示している。画面には、検索条件に対応する楽曲について、ポイントの高い順に、その楽曲名、歌手名が表示される。また、本実施形態では、楽曲評価を行う際、付与されたコメントを参照することが可能となっており、各楽曲の右に表示されている「コメント」ボタンを操作することで、コメント表示が実行される。また、図14のランキング結果表示画面にて、予約する楽曲を決定したユーザは、画面の「選曲」ボタンを操作することで、図7に示される楽曲確認画面に遷移し、当該楽曲の予約を行うことが可能となる。
図15には、図14において順位が1位の楽曲についてコメントを表示させたときの評
価コメント表示画面である。各コメントには、コメントを付与したユーザのニックネーム、コメントを投稿したとき、すなわち、評価を行ったときの日時が示されている。ユーザは、楽曲に対するコメントを参照することで選曲を行うことが可能となっている。コメント一覧については、コメント入力された時間情報をもとに、常に最新のコメントが一覧の上位にくるように制御してもよい。或いは、楽曲に対するユーザの重み付けの情報を利用し、より重み付けの重いユーザ、すなわち、楽曲に対して関心の高いユーザのコメントをより上位に表示する、という制御も考えられる。この場合、単純に重み付けだけを参照しても良いし、時間情報とあわせ、ある一定期間(一ヶ月、一週間)毎に、重み付けの重い順にコメント順を並び替えることとしてもよい。
このように本実施形態では、各楽曲に対して行われた評価を総合楽曲評価情報として集計し、これを用いることで各評価対象項目について、楽曲のランキング表示を行うことを可能としている。また、本実施形態では、図14に示されるランキング結果表示画面中、右下に表示された「歌唱可能曲を抽出」ボタンを操作することで、自己の歌唱可能な曲、具体的には、マイうたテーブルに登録された楽曲、マイアーティストテーブルに登録された歌手に対応する楽曲、履歴テーブルに記録されている楽曲など、自己のユーザ情報と関連する楽曲を、ランキング結果の中から抽出することを可能としている。ランキング結果の楽曲数が多い場合には、この「歌唱可能曲を抽出」ボタンを操作することで、自己に適した楽曲を抽出(フィルタリング)することが可能となっている。抽出された楽曲は、欄器具結果表示画面と同様、順位、楽曲名、歌手名、「コメント」ボタン、「選曲」ボタンを伴って表示される。
以上、楽曲の評価について、カラオケボックスなどに設置されたカラオケシステムを利用して評価を行う形態について説明したが、楽曲の評価は、カラオケシステムで録音・録画されたカラオケ投稿映像に対しても行うことが可能である。
では、このカラオケ投稿映像について、その投稿方法、再生方法、評価方法を説明する。図16には、本発明の実施形態に係る演奏処理を示すフロー図が示されている。ここで説明する演奏処理は、図7の楽曲確認画面中に表示されるオプション機能、すなわち、カラオケ投稿映像を使用可能とする場合について説明するためのフロー図である。
カラオケ装置2の電源投入後、演奏処理が開始されると、予約テーブルをチェック(S401)し、次に演奏する楽曲の有無が判定される(S402)。S403では、読み出された予約情報について、カラオケ投稿映像を作成するか、すなわち、投稿モードが選択されているか否かが判定される。投稿モードでないと判定された場合(S403:No)には、録音・録画を実行せずに、予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する演奏情報を音響制御部70に演奏させる通常演奏処理(S411)が実行される。
一方、投稿モードが選択されていると判定された場合(S403:Yes)には、予約情報に含まれる演奏情報の演奏を開始させ(S404)、それとほぼ同時にカメラ43から入力される映像情報の録画と、歌唱用マイク44から入力される歌唱音声情報の録音を開始する(S405)。本実施形態では歌唱音声情報のみを録音することとしており、再生時には、録音時に演奏した演奏情報を同期して再生させて再現することとしている。そのため、録音された歌唱音声情報には、録音に使用した楽曲の楽曲識別情報が付帯される。このような形態に変え、演奏された演奏情報を歌唱音声情報と一緒に録音しておき、それを再生することとしてもよい。S406では、楽曲の演奏が終了したか否かを監視し、演奏の終了が判定される(S406:Yes)と、S407にて録音・録画を終了し、録画情報、録音情報を含むカラオケ投稿映像が作成される。作成時には、作成時の各種状況に基づくメタデータである補助情報が付帯される。
この補助情報には、演奏した楽曲の楽曲識別情報、音程情報、ユーザ識別情報、投稿日時、投稿位置情報、採点が行われた場合には採点情報が含まれる。前述したように本実施形態では、歌唱音声情報のみを録音することとしているため、再生時には、補助情報に含まれる楽曲識別情報に対応した演奏情報を歌唱音声情報と同期して再生させる。また、音程変更が行われた場合には、音程情報に基づき演奏情報の音程を変更して再生させる。補助情報としての楽曲識別情報、ユーザ識別情報、投稿日時、投稿位置情報、採点情報は、カラオケ投稿映像を選択するときの指標として利用することが可能である。投稿位置情報としては、カラオケ装置2の識別情報、カラオケ装置2が設置されている店舗の識別情報、あるいは、住所、緯度経度など各種情報を利用することができる。カラオケ装置2の識別情報、あるいは、店舗の識別情報を利用する場合には、カラオケ用ホスト5にてデータベースと照らし合わせることで、実際の位置が判定されることとなる。
S408では、ユーザーに対し、S407の録音・録画終了時に作成されたカラオケ投稿映像とその補助情報について、カラオケ用ホスト5へのアップロードの可否が問われる。このとき、ユーザーに録音・録画したカラオケ投稿映像を試聴させて内容や写り具合などを確認させた後、アップロードの可否を選択させることとしてもよい。ユーザーによりアップロードが許諾された場合(S409:Yes)には、カラオケ投稿映像とその補助情報をカラオケ用ホスト5にアップロードする(S410)。一方、アップロードが許諾されなかった場合(S409:No)には、当該楽曲についての一連の処理を終了して、次の楽曲の演奏に進むこととなる。
図17は、本発明の実施形態に係るカラオケ用ホストの通信処理を示す模式図であって、カラオケ投稿映像と補助情報の通信状況を示した図となっている。本実施形態では、コマンダ2から送信されたカラオケ投稿映像とカラオケ投稿映像作成時に付帯される補助情報1は、インターネットあるいは専用線などのネットワーク網を介してカラオケ用ホスト5の記憶部51にてデータベース化される。データベース化されたこれら情報は、視聴(選択)端末にて利用することが可能とされる。
利用方法としては、カラオケ用ホスト5のWebサーバ52にて、インターネット網を介して接続されたパーソナルコンピュータ、あるいは、携帯情報端末から視聴することが可能とされている。また、カラオケ装置としてのコマンダ2からも視聴することが可能とされている。なお、コマンダ2では、視聴するだけでなく、楽曲演奏時にカラオケ投稿映像を再生し、過去に行われた歌唱と一緒に歌唱を楽しむことも可能とされている。そのときの歌唱状況を録音・録画してさらなるカラオケ投稿映像の作成に利用することとしてもよい。
また、この各種視聴端末でのカラオケ投稿映像の利用状況に基づいて、当該カラオケ投稿映像に対してメタデータとしての補助情報2を記録することとしてもよい。例えば、カラオケ投稿映像を再生した回数、あるいは、視聴端末にてユーザーが入力した評価情報が補助情報2として記憶部51中のデータベースに記録される。この補助情報2は、補助情報1と同様、カラオケ投稿映像を選択する際の指標として利用することができる。本実施形態では、各視聴端末に対してカラオケ投稿映像の評価を行わせるカラオケ用ホスト5が、楽曲評価装置として機能することとなる。
では、このようなカラオケ投稿映像の再生について、視聴端末で実行される再生処理を説明する。図18には、本発明の実施形態に係る視聴端末での再生処理を示すフロー図であり、カラオケ用ホスト5にて実行される処理である。ユーザがカラオケ投稿映像の再生画面を開きログインする(S501:Yes)ことで、ログインしたユーザに対してカラオケ投稿映像を選択する画面が提示される。図19には、投稿情報を選択する画面を示す図が示されている。ユーザは「歌手名から探す」など、各種検索条件を指定して、カラオ
ケ投稿映像を再生する。あるいは、オススメ動画としてサムネイル表示されているカラオケ投稿映像から選択して再生させることが可能となっている。
このような選択画面にてカラオケ投稿映像の閲覧が要求された場合(S502:Yes)、カラオケ用ホスト5では、閲覧要求されたカラオケ投稿映像に対応付けられている楽曲識別情報を抽出する(S503)。S504では、抽出された楽曲識別情報が、閲覧しているユーザのユーザ情報に関連しているか否かが判定される。この判定方法は、カラオケシステムで行った場合と同様、下記に示される条件に基づいて判定される。
(1)再生される楽曲がユーザ情報中の履歴テーブルに記録されている楽曲である。
(2)再生される楽曲がユーザ情報中のマイうたテーブルに記録されている楽曲である。(3)再生された楽曲の歌手(アーティスト)がマイアーティストテーブルに記録されたいる歌手である。
ユーザ情報に関連する楽曲であると判定された場合(S504:Yes)には、カラオケ投稿映像の視聴画面と評価入力画面を表示させる(S505)。図20には、本発明の実施形態に係るカラオケ投稿映像を視聴する画面(評価入力有り)が示されている。図19にてカラオケ投稿映像を選択すると、この画面に移動しカラオケ投稿映像の再生が開始される。ユーザーは、投稿映像の表示領域下方に表示された再生ツールを利用して一時停止、早送り、巻き戻し、音量調整を行うことが可能である。再生ツール下方には、カラオケシステムで説明した楽曲・歌唱者評価入力画面(図12)と同様の評価入力画面が示されている。さらに本実施形態では、評価入力画面の下方にカラオケ投稿映像の評価において投稿されたコメントが表示されており、カラオケ投稿映像に対するコメントを閲覧することが可能となっている。
このカラオケ投稿映像の視聴画面にて、ユーザから入力された楽曲、歌唱者に対する評価は、楽曲評価情報、歌唱者評価情報としてカラオケ用ホスト(S507、S508)に送信される。楽曲評価情報は、各楽曲の総合楽曲評価情報として集計される。一方、歌唱者評価情報は、カラオケ投稿映像を投稿したユーザのユーザ情報中、歌唱者評価テーブルに記録される。
一方、視聴するカラオケ投稿映像と対応する楽曲識別情報が、視聴しているユーザのユーザ情報と関連していない場合(S504:No)には、カラオケ投稿映像の視聴画面と、カラオケ投稿映像で使用された楽曲に対するコメントのみを表示させる。図21には、本発明の実施形態に係るカラオケ投稿映像を視聴する画面(評価入力無し)が示されている。図20の画面と比較して、評価入力画面が表示されていないことが分かる。
このように本実施形態では、視聴するカラオケ投稿映像に使用された楽曲が、視聴するユーザのユーザ情報に関連していることを条件として評価入力を行わせることとしている。したがって、楽曲に思い入れがある、あるいは、知識の深いユーザに対して、楽曲、歌唱者に対する評価を行わせることが可能となり、評価の信頼性向上を図ることが可能となっている。
以上、カラオケシステムでの評価、並びに、カラオケ投稿映像を視聴する際の評価を例にとって説明したが、楽曲、歌唱者に対する評価は、カラオケシステム、あるいは、視聴端末以外で行うこととしてもよい。例えば、カラオケシステムの利用後、すなわち、カラオケシステムからログアウトしたユーザについて、当日、あるいは、過去に歌唱された他のユーザの楽曲、そして歌唱者について、アンケート的に評価情報を入力させることとしてもよい。これは、そのユーザ情報(個人情報)に登録されているメールアドレスを利用し、当該ユーザが所持する携帯情報端末などに対し、評価入力画面に対応するWebリンクを送付することなどによって行うことが可能である。その場合においても、ユーザ情報
と関連する楽曲についてのみ評価情報を入力させるようにすることで、楽曲、並びに、歌唱者に対する評価の信頼性の向上が図られる。
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。