JP5960680B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents
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Description
・米国特許第2,821,544号に述べられるような2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;クロリドのホスゲン化によるもの、
・欧州特許公開EP 0 000 144号に述べられるようなイソプロペニル−オキサゾリジンのホスゲン化によるもの、
・日本特許公開JP 1990−145555号に述べられるようなオキサゾリドン(oxazolinidone)のホスゲン化によるもの、
・米国特許第2,718,516号に述べられるようなPCl5を用いたウレタンの開裂によるもの、
・欧州特許公開EP 0 849 258号に述べられるようなクロロシランを用いたウレタンの開裂によるもの、
・米国特許第5,457,229号に述べられるような塩化ホウ素を用いたウレタンの開裂によるもの、又は、
・国際特許公開WO 2005/092842号に述べられるような脱ハロゲン化水素によるもの。
・国際特許公開WO 2005/092842号に述べられるような第三級アミンを使用するもの、
・国際特許公開WO 2005/012237号に述べられるようなアミン及びエポキシドを使用するもの、
・日本特許公開JP 05−058982号に述べられるようなイミダゾールを使用するもの、
・欧州特許公開EP 0 936 214号に述べられるようなエポキシの存在下での蒸留によるもの。
a)尿素アゾリド部分を有する成分、及び必要に応じて溶媒を準備する工程と、
b)約40℃よりも低い温度で酸を加える工程と、
c)必要に応じて約70℃よりも高い温度に組成物を加熱する工程と、
d)必要に応じてイソシアネートを反応混合物から除去又は単離する工程と、を含む方法に関する。
式中、Gは、アシロイル部分を含み、
Kは、C2〜C12の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン又は芳香族残基、又はこれらの組み合わせ(1,2−エチリデン、1,2−プロピリデン、1,3−プロピリデン、1,4−ブチリデン、1,5−ペンチリデン、1,6−ヘキシリデン、1,8−オクチリデン、1,10−デシリデン、1,11−ウンデシリデン又は1,12−ドデシリデン残基など)であり、ただし、水素はハロゲン(例えばF、Cl、Br、I)により置換されてもよい。炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子が割り込んでいてもよい。これは、エーテル又はエステル部分が存在しうるということである。
アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、
2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、
アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、
2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、
アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、
2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、
アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、
2−メチル−アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、
アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、
2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、
アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、
2−メチル−アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、
アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、
2−メチル−アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、
アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、
2−メチル−アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、
アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、
2−メチル−アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、
アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、
2−メチル−アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、
アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、
2−メチル−アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、
アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル,
2−メチル−アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、
アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、
2−メチル−アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、
アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステル、
2−メチル−アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステル
並びに、それらがラジカル重合可能な不飽和結合を含むことを条件にして、アクリル酸又は2−メチルアクリル酸以外の酸の誘導体、これらの混合物及び組み合わせが挙げられる。
又は、
第1の工程においてアミン化合物を、必要に応じてHClを除去するためのトリアルキルアミンとともにホスゲンと反応させ、第2の工程においてアゾリドの生成下、アゾールと反応させることが好ましい。
a)温度:約0℃〜約100℃、又は約10℃〜約70℃。
b)溶媒:トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム。
c)持続時間:約5分間〜約2000分間、約15分間〜約1000分間。
d)CDIに対するアミンのモル比:約1:1〜約1:1.2、又は約1:1〜約1:1.1。
式中、Gはアクリロイル部分(アクリロイル、メタクリロイル、及びクロチロイル残基を含む)を含み、
Kは、C2〜C12の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン若しくは芳香族残基、又はこれらの組み合わせ(1,2−エチリデン、1,2−プロピリデン、1,3−プロピリデン、1,4−ブチリデン、1,5−ペンチリデン、1,6−ヘキシリデン、1,8−オクチリデン、1,10−デシリデン、1,11−ウンデシリデン、又は1,12−ドデシリデン残基を含む)、ただし、水素はハロゲン(例えばF、Cl、Br、I)により置換されてもよい。炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子が割り込んでいてもよい(エーテル架橋又はエステル架橋)。
a)沸点:約30℃〜約250℃の範囲。
b)CDI、HCl、酸、塩基性化合物に対して非反応性又は不活性。
c)非プロトン性の挙動(すなわち、プロトンを供与できない溶媒)。
d)含水量:約1重量%よりも低い、又は約0.5重量%よりも低い、又は約0.1重量%よりも低い(「乾燥」溶媒)。
エタノールアンモニウムクロリドをメタクリル酸無水物とシクロヘキサン中で反応させた。分離及び精製後、122.8g(理論値の62.3%)の所望の生成物が得られた。この白色の結晶質固体は、0.7%の水分含有量及び166.5g/molの塩素当量を示した。
欧州特許公開EP 0 000 144号(米国特許第4,278,809号に対応)に述べられるようにして2−(α−ヒドロキシメチルエチル)−2−オキサゾリンからイソプロピリデンオキサゾリンを合成した。
欧州特許公開EP 0 000 144号に述べられるようにして2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステルを合成した。既知の手順にしたがって2−イソプロピリデン−2−オキサゾリン及びホスゲンからメタクリロイルオキシエチルイソシアナト(MOI)を生成し、分離後に精留した。得られたMOIは純度96.3%(2.8%トルエン)であった。測定された残留塩素含有量は2050ppmであった。
25.4g(0.17mol,>97% FLUKA)のCDIを、約150mLのTHF(テトラヒドロフラン)に室温で懸濁させた。部分的に溶解した時点で、懸濁液を約17℃にまで冷却した。約30分の攪拌後、25.9g(0.16mol)の2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウムクロリドを、氷冷下、約1時間かけて、反応混合物を約23℃に保ちながら複数の部分に分けてその混合物に加えた。黄色の懸濁液が得られた。約23℃で約3時間の攪拌後、懸濁液を濾過した。濾過ケーキをTHFで洗った。この透明な黄色の濾液に、約300mgのフェノチアジンを加えた。溶媒を蒸発させた。透明なオレンジ色の粘稠樹脂を得た(微量の残量溶媒を含む)。収率は定量的であり、1H NMRによって所望の生成物であることが示された。
丸底フラスコ中で、35.7g(156mmol,97.8%)の2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル(実施例1)を、約100mLのクロロホルムに室温で溶解させた(30分間)。この透明な黄色の溶液を約100mLのトルエンで希釈した。得られた濁った分散液に、約23℃で約30分以内に、11.5g(313mmol=理論値の200%)の乾燥塩化水素を冷却しながら加えた。第2の液相が形成された。反応混合物を更に1時間攪拌した。周囲気圧で、反応混合物から約69〜74℃で123gのクロロホルムを留出させた。この後、容器を約91〜92℃に約1時間維持した。その間に、塩酸イミダゾリウムが結晶化しはじめ、緑色がかった懸濁液を生じた。室温で約1時間の攪拌後、トルエン相をデカントし、沈殿物を更なるトルエンで洗った。透明な黄色の相を、遮光下にて、約40℃、約25mbar(約2.5kPa)で濃縮した。この粗生成物は(NMRによれば)、MOIと約18%の残留トルエンとから構成されていた。これを約48℃、約1.4mbar(約0.14kPa)で蒸留した。透明な生成物を200ppmのフェノチアジンによって安定化させた。蒸留した生成物において52%の収率が得られた。分析結果は、96.8%の純度(GC)及び400ppmの残留塩素を示した。
500mLの丸底フラスコ中で、104.6g(0.55mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物、43.05g(0.5mol)のメタクリル酸、30.55g(0.5mol)のエタノールアミン、150mgのフェノチアジン、及び約270mLのトルエンを混合した。反応混合物の温度は混合の間に約70℃に上昇し、p−トルエンスルホン酸がほぼ完全に溶解して透明な赤色の2相混合物を得た。この反応混合物をディーン・スターク・トラップを使用し、遮光下にて加熱還流(約110℃)した。約3時間後、更に150mgのフェノチアジンを加えた。約48時間以上が必要とされる充分な時間の後、18.5g(理論値18.9g)の水が分離された。この間に、微細に分散された固体の懸濁液が形成された。約45℃でトルエンを留去した。残った残渣を再結晶化させた。再結晶化した生成物を濾過し、更に250mLの冷たい酢酸エチルで洗った。この白色の結晶性生成物を真空下、約45℃で乾燥して113.1g(理論値の75%)を得た。測定された含水量0.15%、融点103℃、酸当量:296g/mol。
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、35.5g(200mmol;97%)のCDI及び22.3mgのフェノチアジンを200mLの酢酸エチルに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。この間に温度は約21℃に下がり、CDIは一部が溶解した。攪拌した懸濁液に、61gの2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラート(200mmol;99%)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約30℃を超えないように複数の部分に分けて約30分以内に加えた。オフホワイト〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を酢酸エチルで洗った。遮光下にて、透明な黄色〜褐色の濾液から約40℃で溶媒を蒸留した。やや粘稠の透明な淡黄色〜褐色の樹脂が得られ、プロトンNMRによれば、2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル及び約16重量%の酢酸エチルから構成されていた。ディーン・スターク・トラップを使用して38.04g(200mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約500mLのトルエンとともに還流した。3.6gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この後、約300mLのトルエンを留去した。この溶液に、上記で合成した生成物を約50mLのトルエンに溶解してなる溶液を反応混合物の温度が約30℃を超えないように約30分以内に加えた。最初に分離した黄色味がかった油状物がその後結晶化し、約23℃で約3時間の攪拌後、白味がかった懸濁液が得られた。この懸濁液を約80℃に加熱し、その温度に約3時間維持した。沈殿物は消失し、イミダゾリウムトシラートが約15分以内に生成した。懸濁液をその温度で更に約5時間維持した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を約50mLのトルエンで洗った。黄色の濾液から約40℃、約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRによれば、この透明な黄色の液体は、MOI、トルエン、及び残留する未開裂の2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルから構成されることが示された。生成物を真空下で精留した。約43℃、約1mbar(約0.1kPa)で20gの生成物が得られた(理論値の64%)。この無色透明の液体は98%のMOIの純度を有していた(GC)。測定された残留塩素含有量は3ppmであった。
この物質は、実施例3で述べた手順にしたがって合成した。メタンスルホン酸を70%水溶液として使用した。生成物は再結晶化させなかった。収率84%で白色の結晶性生成物が得られた。含水量:0.16%、融点:71℃、酸当量:215g/mol。
この物質は、実施例4の第2の工程で述べた手順にしたがって合成した。実施例5からの2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルを使用した。乾燥メタンスルホン酸を使用してこの2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルをプロトン化して分解した。精留後、39.1gのMOIが得られた(理論値の62.1%)。純度97.5%、残留塩素:不検出。
この物質は、実施例3で述べた手順にしたがって合成した。ベンゼンスルホン酸を78%水溶液として使用した。生成物を酢酸エチルから再結晶化させた。収率85%で白色の結晶性生成物が得られた。含水量:0.16%、融点:136℃、酸当量:287g/mol。
この物質は、実施例3で述べた手順にしたがって合成した。104.6g(0.5mol)の5−アミノ−1−ペンタノールを使用した。生成物を酢酸エチルから再結晶化させた。156gの収率で白色の結晶性生成物が得られた(理論値の91%)。含水量:0.07%、融点:127℃。
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、約47.5g(291mmol;97%)のCDI及び148mgのフェノチアジンを約115mLの酢酸エチルに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。攪拌した懸濁液に、100gの5−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−ペンチル−アンモニウム;トシラート(291mmol)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約30℃を超えないように複数の部分に分けて約30分以内に加えた。灰白色〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を酢酸エチルで洗った。遮光下にて、透明な黄色〜褐色の濾液から約40℃で溶媒を蒸留した。やや粘稠の透明な淡褐色の樹脂が得られ、プロトンNMRによれば、2−メチル−アクリル酸5−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−ペンチルエステルから構成されていた。ディーン・スターク・トラップを使用して55.4g(291mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約250mLのトルエンとともに還流した。5.2gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この溶液に、上記で合成した生成物を約50mLのトルエンに溶解した溶液を、反応混合物の温度が約30℃を超えないように約30分以内に加えた。最初に分離した黄色味がかった油状物がその後結晶化し、約23℃で約3時間の攪拌後、白味がかった懸濁液が得られた。この懸濁液を約80℃に加熱し、その温度に約3時間維持した。沈殿物は消失し、イミダゾリウムトシラートが生成した。懸濁液を約85℃で更に16時間維持した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物をトルエンで洗った。黄色の濾液から約40℃、約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRによれば、この透明で黄色の液体は、2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、トルエン、及び残留する未開裂の2−メチル−アクリル酸5−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−ペンチルエステルから構成されることが示された。生成物を真空下で精留した。約75℃、約0.20mbar(約0.02kPa)で37.3g(理論値の65%)の生成物が得られた。この無色透明の液体は99.6%のMOIの純度を有していた(GC)。測定された残留塩素含有量は75ppmであった。
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、163g(999mmol)のCDI及び476mgのフェノチアジンを約500mLのトルエンに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。攪拌した懸濁液に、304gの2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラート(999mmol)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約30℃を超えないように複数の部分に分けて約30分以内に加えた。灰白色〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を500mLのトルエンで洗った。遮光下にて、透明な黄色〜褐色の濾液から約40℃で溶媒を蒸留した。やや粘稠の透明な淡黄色の樹脂が得られ、プロトンNMRによれば、2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル及びトルエンから構成されていた。ディーン・スターク・トラップを使用して190.22g(1001mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約500mLのトルエンとともに還流させた。18gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この後、約300mLのトルエンを留去した。この溶液に、上記で合成した生成物を約50mLのトルエンに溶解した溶液を、反応混合物の温度が約30℃を超えないように約30分以内に加えた。最初に分離した黄色味がかった油状物がその後結晶化し、約23℃で約3時間の攪拌後、白味がかった懸濁液が得られた。この懸濁液を約250mLのトルエンで希釈した。この懸濁液を約85℃に加熱し、その温度に約3時間維持した。沈殿物は消失し、イミダゾリウムトシラートが約15分以内に生成した。懸濁液をその温度で更に約16時間維持した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を約500mLのトルエンで洗った。黄色の濾液から、約40℃約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRによれば、この透明な黄色の液体は、MOI、トルエン、及び残留する未開裂の2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルから構成されることが示された。生成物を真空下、約43℃、約1mbar(約0.1kPa)で精留した。81gが得られた(理論値の52.3%)。この無色透明の液体は、95.1%のMOIの純度を有していた(残部はトルエン)。測定された残留塩素含有量は48ppmであった。
実施例10の手順を繰り返した、ただし、フィルターを約500mLのトルエンで抽出し、濾液を母液と合わせた。蒸留及び精留後、92.6g(理論値の59.7%)のMOIが得られた。この無色透明の液体は、97%のMOIの純度を有していた(残部はトルエン;GC)。測定された残留塩素含有量は47ppmであった。
酢酸エチルからの再結晶化は行わないが、充分な量のトルエンで反応混合物から結晶化を行い、実施例3にしたがって調製した2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラートを使用して実施例10の手順を繰り返した。実施例10の手順の最初の濾過工程は省略した。無水トルエンスルホン酸の溶液を懸濁液に直接加え、実施例10に述べられるようにして手順を継続した。蒸留及び精留後、92.6g(理論値の59.7%)のMOIが得られた。この無色透明の液体は、99.2%のMOIの純度を有していた(0.4%トルエン;GC)。測定された残留塩素含有量は16ppmであった。
実施例4にしたがって調製した2.25gの2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルの試料を、0.07mbar(0.007kPa)で210℃に急速に加熱した。数滴の粘稠の蒸留物が回収された。蒸留物は蒸留凝縮器内で部分的かつ一時的に結晶化した。蒸留物を1H−NMR分光法によって分析した。約5%の2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステルが蒸留物中に存在し、残部は開始物質であった。このことは、所望の生成物及びイミダゾールが本方法において生成するものの、これらの成分は蒸留によって簡単に分離できないことを示している。
6000mLの反応器中で、837g(4.4mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物、517g(6mol)のメタクリル酸、300g(4.0mol)の3−アミノプロパノール、1262mgのフェノチアジン、及び約1985gのトルエンを混合した。反応混合物の温度は混合の間に約70℃に上昇し、p−トルエンスルホン酸がほぼ完全に溶解して透明な緑色の2相混合物を得た。この反応混合物をディーン・スターク・トラップを使用し、遮光下にて加熱還流(約110℃)した。約48時間以上の充分な時間の後、152gの水が分離された。この間に、透明なオレンジ色の、全体が液体の反応混合物が形成した。更に331gのトルエンを加え、反応混合物を室温にまで冷却した。結晶相が形成した。結晶化した生成物を濾過し、更に500mLの冷たいトルエンで洗った。この灰白色の生成物を真空下、約45℃で乾燥して1191.5g(理論値の94%)を得た。測定された含水量0.1%、融点121℃、酸当量:315g/mol。
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、67.3g(412mmol)のCDI及び197.3mgのフェノチアジンを約500mLのトルエンに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。攪拌した懸濁液に、130gの3−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−プロピル−アンモニウム;トシラート(412mmol)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約40℃を超えないように複数の部分に分けて約10分以内に加えた。灰白色〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約24時間攪拌した。ディーン・スターク・トラップを使用して78.37g(412mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約250mLのトルエンとともに還流した。18gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この後、約100mLのトルエンを留去した。この溶液を、反応混合物の温度が約45℃を超えないように、冷却下、25℃で5分以内にその懸濁液に加えた。懸濁液を約100mLのトルエンで希釈し、500mgのフェノチアジンを加えた。この懸濁液を約85℃に加熱し、その温度に約20時間維持した。反応混合物を室温にまで冷却し、濾過し、白色の沈殿物を約250mLのトルエンで洗った。黄色の濾液から約40℃、約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRにより、透明な黄色の液体は主として生成物及びトルエンから構成されることが示された。生成物を真空下、約70℃、約0.5mbar(約0.05kPa)で精留した。52.9gの生成物が得られた(理論値の76%)。この無色透明の液体は98.3%の2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステルを有していた(残部はトルエン;GC)。測定された残留塩素含有量は23ppmであった。
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、105g(0.55mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物、72g(1.0mol)のアクリル酸、37.56g(0.5mol)の3−アミノプロパノール、151mgのフェノチアジン、及び約350mlのトルエンを混合した。反応混合物の温度は混合の間に約70℃に上昇し、p−トルエンスルホン酸がほぼ完全に溶解して透明な緑色の2相混合物を得た。反応混合物を、ディーン・スターク・トラップを使用して遮光下にて加熱還流(約110℃)し、更に151mgのフェノチアジンを加えた。約48時間以上の充分な時間の後、19gの水が分離された。この間に、懸濁液として透明なオレンジ色の、全体が液体の反応混合物が生成した。反応混合物を室温に冷却した。結晶相が形成した。結晶化した生成物を濾過し、更に200mLの冷たいトルエンで洗った。この白色の生成物を真空下、約45℃で乾燥して146g(理論値の97%)が得られた。測定された含水量0.1%、融点106℃、酸当量:287g/mol生成物は、実施例15と同様の手順によってアクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステルに変換することができる。
本出願では、以下の態様が提供される。
1. イソシアネートを製造するための方法であって、a)アゾリド部分を有する成分、及び必要に応じて溶媒を供給する工程と、b)約40℃よりも低い温度で酸を加える工程と、c)必要に応じて約70℃よりも高い温度に前記組成物を加熱する工程と、d)必要に応じて前記イソシアネートを前記反応混合物から除去又は単離する工程と、を含む前記方法。
2. 前記処理工程b)が、以下の特徴、・温度が約10〜約40℃の範囲内であることと、・酸の量が前記アゾリド部分を有する成分に対して少なくとも化学量論量であることと、・持続時間として、酸の添加が約1時間以内であることの中の少なくとも1つ以上の特徴によって特徴付けられる、態様1に記載の方法。
3. 前記処理工程c)が、以下の特徴、・温度が約70〜約100℃の範囲内であることと、・持続時間が約1分〜約10時間であることの中の少なくとも1つ以上の特徴によって特徴付けられる、態様1又は2に記載の方法。
4. 前記処理工程d)が、以下の手順、すなわち、デカンテーション、洗浄、乾燥、蒸発、蒸留、結晶化、又はこれらの組み合わせの中の1つ以上の手順を含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
5. 以下の特徴、・ホスゲンを使用しないことと、・単離されたイソシアネートの塩素含有量が約1000ppmよりも低い量であることの中の少なくとも1つ以上の特徴によって特徴付けられる、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記アゾリド部分を有する成分が、以下の構造:
7. 前記アゾリド部分を有する前記成分が、アゾール含有化合物を、アミン、対応するそのアンモニウム塩、又はそれらの混合物と反応させることによって得られ、前記アミンが、以下の構造:
G−K−NH 2
[式中、Gはアシロイル部分を含み、かつKはC 2 〜C 12 の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン若しくは芳香族残基、又はこれらの組み合わせであり、ただし、水素はハロゲンにより置換されてもよく、かつ前記炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子又はエステル部分が割り込んでいてもよい。]によって特徴付けられるものである、態様1〜6のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記アゾール含有化合物が、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール、1,1’−カルボニル−ジベンズイミダゾール、1,1’−カルボニル−ジ−(1,2,4)−トリアゾール、1,1’−カルボニル−ビス−(2−メチルイミダゾール)、1,1’−カルボニル−ジベンゾトリアゾール、これらの組み合わせ及び混合物から選択される、態様6又は7に記載の方法。
9. 前記イソシアネートが、以下の構造:
G−K−NCO(1)
[式中、Gはアシロイル部分を含み、かつKはC 2 〜C 12 の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン若しくは芳香族残基、又はこれらの組み合わせであり、ただし、水素はハロゲンにより置換されてもよく、かつ前記炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子が割り込んでいてもよい。]によって特徴付けられるものである、態様1〜8のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記酸が、前記必要に応じて使用される溶媒中にごくわずかに可溶である塩か又は本質的に不溶である塩をイミダゾールと形成できるように選択される、態様1〜9のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記酸が、約4よりも低いpKs値を有する、態様1〜10のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記酸が、気体状の酸、スルホン酸、これらの混合物及び組み合わせからなる群から選択される、態様1〜11のいずれか一項に記載の方法。
13. 前記必要に応じて使用される溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、メチル第三級ブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、これらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択される、態様1〜12のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記イソシアネートが、アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、2−メチル−アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、2−メチル−アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、2−メチル−アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、2−メチル−アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、2−メチル−アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、2−メチル−アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、2−メチル−アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、2−メチル−アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、2−メチル−アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステル、2−メチル−アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステルの群から選択される、態様1〜13のいずれか一項に記載の方法。
15. 態様1〜14のいずれかに記載の方法にしたがって得ることが可能なイソシアネートであって、塩化物の含有量が約1000ppm未満である、イソシアネート。
Claims (1)
- イソシアネートを製造するための方法であって、
a’)アゾール含有化合物を、アミン、対応するそのアンモニウム塩、又はそれらの混合物と反応させることによってアゾリド部分を有する成分を得る工程と、
a)前記アゾリド部分を有する前記成分、及び溶媒を供給する工程と、
b)40℃よりも低い温度で、4よりも低いpKs値を有する酸を加えて組成物を得る工程と、
c)70℃よりも高い温度に前記組成物を加熱して反応混合物を得る工程と、
d)前記イソシアネートを前記反応混合物から除去又は単離する工程と、
を含み、
前記アゾール含有化合物が以下の構造:
G−K−NH2
[式中、Gはアクリロイル又はメタクリロイルであり、かつKはC2〜C12の直鎖又は分枝鎖のアルキリデンである。]によって特徴付けられるものであり、
前記イソシアネートが、以下の構造:
G−K−NCO (1)
[式中、Gはアクリロイル又はメタクリロイルであり、かつKはC2〜C12の直鎖又は分枝鎖のアルキリデンである。]によって特徴付けられるものであり、かつ
前記酸が、気体状の酸、スルホン酸、これらの混合物及び組み合わせからなる群から選択される、前記方法。
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