JP5960680B2 - イソシアネートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イソシアネート、特に重合性基を有するイソシアネートを製造する方法に関する。イソシアネートは、尿素アゾリド部分を有する成分を、低温で強酸と反応させることによって得ることができる。
イソシアネート、特に2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル(MOI)は、汎用性の高い有機化合物であり、その製造には多くの異なる経路が知られている。
・ドイツ特許公開DE 1929581号に述べられるような2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム4−クロロフェニルスルホネートのホスゲン化によるもの、
・米国特許第2,821,544号に述べられるような2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;クロリドのホスゲン化によるもの、
・欧州特許公開EP 0 000 144号に述べられるようなイソプロペニル−オキサゾリジンのホスゲン化によるもの、
・日本特許公開JP 1990−145555号に述べられるようなオキサゾリドン(oxazolinidone)のホスゲン化によるもの、
・米国特許第2,718,516号に述べられるようなPClを用いたウレタンの開裂によるもの、
・欧州特許公開EP 0 849 258号に述べられるようなクロロシランを用いたウレタンの開裂によるもの、
・米国特許第5,457,229号に述べられるような塩化ホウ素を用いたウレタンの開裂によるもの、又は、
・国際特許公開WO 2005/092842号に述べられるような脱ハロゲン化水素によるもの。
しかしながら、上記に述べた方法の多くは、ホスゲンの使用を必要とするものであり、これはしばしば望ましくない。ホスゲンは反応性が高い気体であり、毒性を有すると考えられている。
更に、ホスゲンを使用して得られるイソシアネートは通常、かなり高い量の塩化物を含んでおり、これは望ましくないことが多い。更に、リン化合物若しくはシラン化合物又は飽和イソシアネートエステルなどの他の望ましくない夾雑物が見出されることが多い。これらの望ましくない夾雑物は時には除去が困難でもある。
日本特許公開JP 1990−129163号は、イミダゾール誘導体を塩化カルボニルと反応させ、得られた化合物をモノアルカノールアミンと反応させた後、得られた化合物を不飽和カルボン酸又はその塩化物若しくはエステルを用いてエステル化して不飽和カルボン酸のイソシアナトアルキルエステルを与える工程を含む方法に関するものである。この方法によれば、得られる化合物は、不飽和基から誘導されうる大量の副生成物を通常含んでいる(例えば不飽和基のHCl付加物)。これにより、低い反応収率、及び更なる精製が必要といった不利な点が生じる。
塩化物の含有量を低下させることを目的とした、幾つかの更なる方法が知られている。
・国際特許公開WO 2005/092842号に述べられるような第三級アミンを使用するもの、
・国際特許公開WO 2005/012237号に述べられるようなアミン及びエポキシドを使用するもの、
・日本特許公開JP 05−058982号に述べられるようなイミダゾールを使用するもの、
・欧州特許公開EP 0 936 214号に述べられるようなエポキシの存在下での蒸留によるもの。
しかしながら、上記の方法は時には複雑なものであり、更なる労力を必要とし、収率の低下を被る。
したがって、イソシアネートを製造するための代替的な方法、特に塩化物の含有量に関して不純物又は望ましくない副生成物が少ない生成物をもたらすことができる方法が求められている。
一態様に従うと、本発明は、イソシアネートを製造する方法であって、
a)尿素アゾリド部分を有する成分、及び必要に応じて溶媒を準備する工程と、
b)約40℃よりも低い温度で酸を加える工程と、
c)必要に応じて約70℃よりも高い温度に組成物を加熱する工程と、
d)必要に応じてイソシアネートを反応混合物から除去又は単離する工程と、を含む方法に関する。
本発明は、更に、本発明の説明文に述べられる方法にしたがって得ることが可能なイソシアネートであって、約1000ppm未満の塩化物を含むイソシアネートに関する。
しかしながら、本発明の方法は、幾つかの利点を与えることによって、従来方法に対し汎用性の高い代替手段を提供するものである。
本発明の方法によって得られるイソシアネートは、従来技術に述べられる方法によって得られるイソシアネートと比較した場合に塩素などの不純物の含有量が少ないことが分かった。これは、一定量の塩素が広範な後の反応に悪影響を与えうることがある点から有益である。したがって、塩素の含有量は少ないことが望ましいことがある。塩素の低い含有量としては、例えば、単離されたイソシアネートを分析した場合(例えば、処理工程d)の後で得られる)に測定して約1000ppm未満、又は約800ppm未満、又は約600ppm未満の量が挙げられる。したがって、得られたイソシアネートは、約1〜約1000ppm、又は約5〜約800ppm、又は約10〜約600ppmの量で塩素を含みうるに過ぎない。
本発明の方法は、取り扱いが一般的に容易でなく、多くの技術的知識、特殊な高価な安全装置、及び公的機関による承認を一般的に必要とする反応性の高い有毒なガスであるホスゲンの使用を必要としないという点において更なる利点がある。
本発明の方法は、トルエンなどの比較的安価な溶媒中で行いうることも見出されている。したがって、アセトニトリル又は酢酸エチルなどのより高価な溶媒を使用する必要がない。しかしながら、それにも関わらず、本発明の方法は、必要な場合にはこれらの又は他の溶媒中でも同様に行いうる。
本発明の方法は、トリエチルアミンなどの強塩基の使用も必要としない。イミダゾール−カルボニル−アミノエステルから所望のイソシアネートへの変換を、強塩基を使用せずに実現することができる。これらの塩基は良い匂いではないことが多く、容易に除去することができない。
更に、本発明は、中間体を単離する必要がなく、比較的高収率でイソシアネートを製造することを可能にする方法を提供する。
本発明の方法は更に、中温で行うことができる。これは、高温を適用すると、例えば生成物中に存在しうるC=C二重結合へのHClの付加が促進されうることから有益でありうる。これは、最終生成物中の塩素濃度の上昇にもつながりうる。高温はまた、一部の所望のイソシアネートの安定性に悪影響を与えることがある。不飽和のイソシアネートの場合には、昇温状態(例えば約200℃よりも高い、又は約160℃よりも高い、又は約120℃よりも高い)では重合が起こることがある。
説明文中において、以下の用語は一般的に以下の意味を有する。
「イソシアネート基」とは、構造−N=C=Oを有する基を意味する。
「アゾリド」なる用語は、アミド窒素(又はその1つ)が、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、及びそれらの置換誘導体などのアゾール環の一部であるような複素環式アミド、尿素、又はウレタンに関連する。より詳細な説明を、H.A.Staab 「Azolides in organic synthesis and biochemistry」,Wiley−VCH,1998 [ISBN:3−527−29314−0]に見ることができる。2量体のイミダゾール又はイミダゾール誘導体が存在しないことが好ましい。環は、置換又は非置換でよく、特にC1〜C4のアルキル基、フェニル基、又はF、Cl、Br、若しくはIなどのハロゲンで置換されたものであってよい。
「カルボニル−ビスアゾリド」なる用語は、両方の窒素原子が、アゾリドの定義において述べたようにアゾール環の一部であるような尿素に関連する。カルボニル−ビスアゾリドのよく知られた一例として、カルボニル−ジイミダゾール(CDI、CAS番号[530−62−1])がある。
「溶媒又は液体」は、周囲条件(例えば23℃)で別の成分を少なくとも部分的に分散する又は溶解することが可能な任意の溶媒又は液体である。
本文書の文脈において使用する場合の「阻害」なる用語は、イソシアネートを生成するための組成物の他の置換基若しくは成分の少なくとも1つ、又はイソシアネートを生成するための反応、又はその両方に対する上記のような置換基のあらゆる影響に関連して使用され、その影響は、尿素アゾリド生成物、又は尿素アゾリドから生成するイソシアネートのいずれか一方の性質にとって有害である。
「非反応性」なる用語は、物質が、選択された反応条件で新たな化学物質を生ずる別の物質との化学反応(すなわち、化学結合が形成される反応)を行わないことを意味する。
本文書の文脈において使用する場合の「有害な」なる用語は、前駆物質又は硬化物の目的とする用途におけるそれらの有用性に悪影響を与える性質の変化に関連する。
ある組成物又は溶液は、その組成物又は溶液が特定の成分を不可欠の要素として含有しているのでなければ、本発明の意味の範囲内において当該成分を「本質的又は実質的に含まない」とする。したがって、当該成分は、そのものとして、又は他の成分と組み合わせて若しくは他の成分の成分として、組成物又は溶液に意図的に添加されたものではない。組成物又は溶液は、このような成分をいっさい含有しないことが理想的である。しかしながら、少量の前記成分が存在することは、例えば、使用される原材料に含まれる不純物のために、時として不可避である。
本発明の意味の範囲内において「周囲条件」とは、本発明の溶液が保存時及び取り扱い時に通常曝される条件を意味する。周囲条件とは、例えば、約900〜約1100mba(約90〜約110kPa)の圧力、約−10〜約60℃の温度、及び約10〜約100%の相対湿度でありうる。実験室内では、周囲条件は、約23℃及び約1013mbar(101.3kPa)に調節される。
本明細書において使用するところの「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は互換可能に使用される。「含む」又は「含有する」なる用語、及びこれらの変化形は、これらの用語が説明文及び特許請求の範囲において用いられるかぎりにおいては限定的な意味を有しない。また、本明細書における端点による数の範囲の記載には、その範囲に包含されるすべての数が含まれる(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる)。
特に断らないかぎり、重量%は常に組成物全体の重量に対してのものである。
本発明の方法は、アゾリド、特に尿素アゾリドから各種のイソシアネートを製造するうえで有用である。
本発明の方法は、例えば、2−メチルアクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル(MOI)を製造するうえで特に有用である。この物質は一般的に合成が容易ではなく、純粋な形態では保存が困難であることが多い。これは主としてこの物質の重合する傾向によるものと考えられる。
一実施形態によると、本発明の方法によって製造又は得られるイソシアネートは、式(1)によって特徴付けられる。
G−K−NCO(1)
式中、Gは、アシロイル部分を含み、
Kは、C〜C12の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン又は芳香族残基、又はこれらの組み合わせ(1,2−エチリデン、1,2−プロピリデン、1,3−プロピリデン、1,4−ブチリデン、1,5−ペンチリデン、1,6−ヘキシリデン、1,8−オクチリデン、1,10−デシリデン、1,11−ウンデシリデン又は1,12−ドデシリデン残基など)であり、ただし、水素はハロゲン(例えばF、Cl、Br、I)により置換されてもよい。炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子が割り込んでいてもよい。これは、エーテル又はエステル部分が存在しうるということである。
好ましいイソシアネートとしては、
アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、
2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、
アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、
2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、
アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、
2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、
アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、
2−メチル−アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、
アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、
2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、
アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、
2−メチル−アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、
アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、
2−メチル−アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、
アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、
2−メチル−アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、
アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、
2−メチル−アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、
アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、
2−メチル−アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、
アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、
2−メチル−アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、
アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル,
2−メチル−アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、
アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、
2−メチル−アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、
アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステル、
2−メチル−アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステル
並びに、それらがラジカル重合可能な不飽和結合を含むことを条件にして、アクリル酸又は2−メチルアクリル酸以外の酸の誘導体、これらの混合物及び組み合わせが挙げられる。
アゾリド部分(時にはアゾリド又は尿素アゾリドとも呼ばれる)を含む成分は、下記に述べるような様々な方法によって製造可能である。
アミン化合物を、一般式(2)に基づく化合物と反応させるか、
Figure 0005960680
[式中、Aは、窒素原子を介してカルボニル基と結合したアゾール環を有する]
又は、
第1の工程においてアミン化合物を、必要に応じてHClを除去するためのトリアルキルアミンとともにホスゲンと反応させ、第2の工程においてアゾリドの生成下、アゾールと反応させることが好ましい。
ビスアゾリドをアミン又はその対応するアンモニウム塩と反応させることによって(尿素)アゾリドを製造することが好ましい。
一般的には、すべての種類のカルボニルビスアゾリドを尿素アゾリドの製造に使用することができる。
好ましい物質としては、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール(CDI)CAS番号:[530−62−1]、1,1’−カルボニル−ジベンズイミダゾールCAS番号:[14667−54−0]、1,1’−カルボニル−ジ−(1,2,4)−トリアゾールCAS−番号:[41864−22−6]、1,1’−カルボニル−ビス−(2−メチルイミダゾール)CAS番号:[13551−83−29)、1,1’−カルボニル−ジベンゾトリアゾールCAS番号:[68985−05−7]が挙げられる。これらの化合物は、単独で、又はそれらの内の2種以上の混合物として使用することができる。
反応は溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。
溶媒が使用される場合、アゾリド反応に対して不活性な溶媒でなければならない。特定の場合では、相溶化剤としてのTHF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、酢酸エチル又はトルエンが、カルボニルビスアゾリドとアミンとの促進された反応をもたらし得る。更なる好適な溶媒としては、シクロヘキサン、ジクロロメタン(dichloromethane hexane)ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、メチル第三級ブチルエーテル、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサン若しくはアセトニトリル、又はこれらの中の2つ以上の混合物が挙げられる。
縮合触媒は使用することもできるが必ずしも必要ではない。
アゾリドを製造するための反応温度は、一般的に約0〜約120℃でよい。反応は約5〜約70℃、又は約10〜約40℃の温度、又は溶媒が使用される場合には、通常の圧力(例えば約1025mbar(102.5kPa))で溶媒の沸点よりも低い温度で行われることが好ましい。
室温(約23℃)よりも低い温度を使用することもできるが、一般的には必要でない。最大で約80℃の昇温状態は反応を促進及び加速することが可能であり、プロセスが溶媒を使用せずに行われる場合には特に有利である。
多くの場合、生じる副生成物であるアゾール又はアゾリウム塩は、溶解した又は無溶媒尿素アゾリドから静置中に結晶化する。他の場合では、副生成物は蒸留又は昇華によって除去することも可能である。生成物は、他の任意の望ましい方法で濾過又は洗浄又は清浄化することができる。しかしながら、一般的には粗生成物の尿素アゾリドをそのまま多くの目的で使用することができる。
反応時間は異なりうる。反応は、約0.5〜約50時間、又は約1〜約30時間、又は約2〜約20時間、又は約5〜約10時間かけて行うことが有利であることが示されている。尿素アゾリドが単離されない場合、反応時間は、約80%又は約90%又は約95%又は約100%の転換率(H NMR分光法で測定した場合)が得られるまで自由に選択することができる。
本発明に基づく方法では、カルボニル−ビスアゾリドに対するアミノ基のモル比は、一般的には自由に選択することができる。しかしながら、カルボニル−ビスアゾリドに対するアミノ基のモル比が例えば約1:2〜約1:1の範囲にある場合に良好な結果が得られている。カルボニル−ビスアゾリドは高価である傾向があるため、約1:1のモル比が好ましく、この試薬の不必要な過剰は避けられるべきである。
CDIがビスアゾリドとして使用される場合、アミン成分又はその対応するアンモニウム塩との反応の通常の反応条件は以下のようなものである。
a)温度:約0℃〜約100℃、又は約10℃〜約70℃。
b)溶媒:トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム。
c)持続時間:約5分間〜約2000分間、約15分間〜約1000分間。
d)CDIに対するアミンのモル比:約1:1〜約1:1.2、又は約1:1〜約1:1.1。
特にCDIに対するアミンのモル比が約1:1.1よりも低い場合には、温度(約10℃〜約70℃)と溶媒(トルエン)との、又は温度(約10℃〜約70℃)と溶媒(酢酸エチル及び/又はトルエン)との反応条件の組み合わせが時には好ましい。このような組み合わせは、全体の収率を高めるうえで効果的でありうる。
尿素アゾリドは、第1の工程においてアミン又はアンモニウム塩をホスゲンと反応させることによってクロロカルバメートを得て、次いでこれを、当量のアゾールとHClスカベンジャーの両方を加えることによって尿素アゾリドに変換させて調製することもできる。
アミンの性質及び構造は、所望の反応生成物が得られるものであれば特に限定されない。
当該アミンは、以下の特徴の少なくとも1つ以上によって特徴付けることができる。
a)アミンが第一級アミン(−NH)である。
b)分子量:約50〜約1000、又は約55〜約500、又は約60〜約300。
c)−NH基に結合した炭素原子が好ましくは脂肪族性である任意のカーボファンクショナル主鎖にアミンが付加されうる。
d)存在しうる部分として、飽和部分及びC=C二重結合のような不飽和部分、特に活性化されたラジカル重合性二重結合、エステル部分、アミド部分、エーテル部分、第三級アミン部分、及び/又は芳香族炭素環式環が含まれる。
e)室温で尿素基中のNH−結合よりも速くイソシアネートと反応することが可能な求核付加反応を受ける基(additional nucleophilic functional groups)(例えばOH−、NH−、SH−、COOH−部分)が存在しない。
f)Si含有部分が存在しない。
g)統計学的分子量分布と、繰り返し単位とエンドキャップ残基を合わせたものの4倍よりも(then)小さい及び分子量とを有するポリマー主鎖が存在しない。
特徴a)、b)、c)及びd)、又はa)及びb)、又はb)及びd)、又はa)、b)及びd)の組み合わせは、特に工程中でアクリル又はメタクリルエステルが使用又は製造される場合に時として好ましい場合がある。
当該アミン化合物の典型的な化学構造は以下のようなものである。
G−K−NH (3)
式中、Gはアクリロイル部分(アクリロイル、メタクリロイル、及びクロチロイル残基を含む)を含み、
Kは、C〜C12の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン若しくは芳香族残基、又はこれらの組み合わせ(1,2−エチリデン、1,2−プロピリデン、1,3−プロピリデン、1,4−ブチリデン、1,5−ペンチリデン、1,6−ヘキシリデン、1,8−オクチリデン、1,10−デシリデン、1,11−ウンデシリデン、又は1,12−ドデシリデン残基を含む)、ただし、水素はハロゲン(例えばF、Cl、Br、I)により置換されてもよい。炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子が割り込んでいてもよい(エーテル架橋又はエステル架橋)。
2個又は3個のG基がKに結合することが好ましく、更に2個又は3個の−NH基がKに結合することもできる。
アミン−NH化合物の代わりに、対応するアンモニウム(−NH )塩が使用されることが好ましい場合もある。対応するアンモニウムの有用な対イオンとしては、Cl、Br、F、Iを含むハロゲン化物又は疑ハロゲン化物、又は、トルエンスルホネート(トシラート、CH−C−SO )、ベンゼンスルホネート(CSO 、メチルスルホネート(メシレート)(CHSO )などの有機対イオン、及び適用される条件下でアミンと容易にアミドを形成せず、本発明の説明文において述べられる方法で使用される非極性又は極性の非プロトン性有機溶媒に少なくとも部分的に可溶な塩を形成する酸の他の任意のアニオンが挙げられる。有用な溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチル第三級ブチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、又はこれらの組み合わせ及び混合物が挙げられる。
特に好ましいアミン又は対応するアンモニウム塩を式(3)に示す。
Figure 0005960680
Figure 0005960680
更なる好ましい化合物として、対応する2−アクリロイルオキシ−アンモニウム塩、2−クロトイルオキシ−エチル−アンモニウム塩、及びすべてのこれらのアシルオキシ−エチルアンモニウム塩(acyoxy-ethyl ammonium salts)誘導体のエチル−をプロピル−、ブチル−、ペンチル−、ヘキシル−、オクチル−、デシル−、ウンデシル−、及びドデシル−に置き換えたものがある。
式(3)又は(4)に基づく上記のアミンは、適当なアミノアルコールを、対応するアシロイル部分を有する試薬(例えば(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸クロリド)と反応させることによって製造することができる。
適当なアミノアルコールとしては、2−アミノ−エタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、3−アミノ−1−ブタノール、3−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−2−ブタノール、1−アミノ−3−ブタノール、1−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−メチル−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−5−ペンタノール、1−アミノ−2−メチル−4−ブタノール、1−アミノ−3−メチル−4−ブタノール、2−アミノ−5−ペンタノール、1−アミノ−4−ペンタノール、1−アミノ−3−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−エチル−3−プロパノール、2−アミノ−4−ペンタノール、1−アミノ−2−メチル−3−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−4−ブタノール、1−アミノ(anino)−3−メチル−3−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−4−ブタノール、1−アミノ−2−ペンタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、1−アミノ−3−メチル−2−ブタノール、2−アミノ−3−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−3−ペンタノール、3−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−3−メチル−3−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−3−ブタノール、1−アミノ−2−メチル−2−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−ブタノール、1−アミノ−6−ヘキサノール、2−アミノ−6−ヘキサノール、2−アミノ−5−ヘキサノール、1−アミノ−5−ヘキサノール、1−アミノ−4−ヘキサノール、1−アミノ−2−ヘキサノール、2−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2−シクロヘキサノール、1−アミノ−7−ヘプタノール、1−アミノ−8−オクタノール、1−アミノ−9−ノナノール、1−アミノ−10−デカノール、1−アミノ−11−ウンデカノール、1−アミノ−12−ドデカノールが挙げられる。
処理工程b)を行う前に、アゾリド部分を含む成分を溶媒に加えた混合物が一般的に与えられる。
一実施形態によれば、溶媒が最初に与えられ、尿素アゾリドが溶媒に加えられる。
アゾリド部分(例えばカルボニルビスアゾリド)を含む成分は、溶媒中に分散することができる。アゾリド部分を含む成分は、溶媒中に少なくとも部分的に可溶なものである必要がある。
溶媒中へのその固体の溶解度としては、約0.001重量%以上、約0.01重量%以上、又は約0.1重量%以上が好ましい。
ある成分は、23℃及び周囲気圧で、所定の溶媒中に攪拌下で約1時間以内に、肉眼に見える残渣をいっさい残さずに溶解する場合に可溶性であると分類できる。
別の実施形態では、アゾリド部分(例えばカルボニルビスアゾリド)を含む成分が、溶液として、分散液として、又は例えば純粋な形態でそのままで、純粋な、又は分散した、又は溶解したアミン又はアンモニウム塩に加えることができる。
本発明の方法は、通常、溶媒中で行われる。しかしながら溶媒の使用は任意である。
所望の反応生成物が得られるかぎり、使用可能な溶媒の性質及び構造も特に限定されない。
使用可能な溶媒は、以下の性質の少なくとも1つによって特徴付けることができる。
a)沸点:約30℃〜約250℃の範囲。
b)CDI、HCl、酸、塩基性化合物に対して非反応性又は不活性。
c)非プロトン性の挙動(すなわち、プロトンを供与できない溶媒)。
d)含水量:約1重量%よりも低い、又は約0.5重量%よりも低い、又は約0.1重量%よりも低い(「乾燥」溶媒)。
特に高い収率が望ましい場合には、特徴b)及びc)、又はb)及びd)、又はb)、c)及びd)の組み合わせが時には好ましい。
沸点が生成物の沸点と充分に違うことが好ましい。これにより、例えば蒸留による分離が容易になる。
使用可能な溶媒の例としては、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、トルエン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、メチル第三級ブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(tetrahydrofurane)、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、これらの組み合わせ及び混合物が挙げられる。
一般的に有用ではないことが示されている特定の溶媒としては、水、アルコール(例えばメタノール、エタノールなど)、アミン、これらの混合物及び組み合わせがある。
本発明の方法は、水又はプロトン性溶媒の非存在下、約40℃よりも低い温度で、約4よりも低いpKsを有する酸を加える処理工程b)を含む。この処理工程も、一般的にやはり溶媒中で行われる。
反応は基本的には、酸と、尿素アゾリド中に存在するアゾール部分との間の中和反応として述べることができる。
温度:可能な場合、酸の添加は、周囲温度(例えば約20〜約25℃)において行う必要がある。中和反応では組成物の温度は一般的に上昇することから、反応組成物の温度が確実に、約40℃又は約35℃又は約30℃又は約25℃を超えないように冷却が必要とされる場合もある。
この反応中、組成物は通常攪拌される。
持続時間として、酸は通常、約10分〜約60分の所定期間をかけて添加する。しかしながら、これは通常、反応体積に応じて決まる。約5Lよりも小さい体積では、添加は約20〜60分以内に行うことができる。
化学量論(Stoechiometry):酸は、通常、尿素イミダゾリド(urea imidiazolide)に対して若干過剰量で添加する。約1:1.01〜約1:1.5の範囲の比が好ましい場合がある(尿素イミダゾリド/酸の比)。
尿素アゾリドをイソシアネートに変換するために使用される酸の性質及び構造は、所望の反応生成物が得られるかぎり、特に限定されない。
通常は、強酸が必要とされる(例えば、約4よりも低い、又は約2よりも低い、又は約1よりも低いpKs値を有する酸)。
pKs値は、化学文献(例、「Lange’s Handbook of Chemistry」,James T.Speight,16th Ed.,McGraw−Hill 2005,Table section 1.69 page 1.330「Dissociation Constants of Inorganic Acids」and Table Section 2.59 page 2620〜2669「pK,Values of Organic Materials in Water」)から取り出すことができる。
酸は、固体、液体、又は気体の形態であってよい。
酸は好ましくは「乾燥」状態でなければならず、すなわち、酸の含水量が、約1重量%又は0.5重量%又は0.2重量%よりも低くなければならない。残留水分は、最終的なイソシアネート生成物の収率を低下させうるので有害となりうる。
使用可能な酸としては、気体状酸(塩化水素(HCl(気体)のような))、スルホン酸(例えば、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メチルスルホン酸、トリフロオロメタンスルホン酸)、これらの混合物及び組み合わせが挙げられる。
こうした酸は、上記反応条件で、ごくわずかに溶解性であるか又は本質的に不溶性の(an only slightly or essentially insoluble)塩をアゾールと形成できる場合に有用であることができる。このことは、反応全体を所望のイソシアネート生成物の方向に推し進めるのに役立つ。
処理工程c)(組成物を約70℃よりも高い温度に加熱すること)を行うかは任意であるが、所望の生成物の全体の収率を高めるのに役立つことができる。
この任意の処理工程において、生成したアゾリウム塩の結晶化が起こり、所望のイソシアネート生成物は液相中に残ることが観察されている。
温度:この処理工程を行うための一般的な温度範囲は、約70〜約100℃、又は約75〜約95℃、又は約80〜約90℃である。一般的に温度は使用される溶媒の沸点よりも低くなければならない。あるいは、更なる処理装置が必要とされる場合もある。
その温度は、所望の温度にまで反応混合物を加熱するか、あるいは処理工程1において使用した冷却装置を取り外すことによって実現することができる。
圧力:かける場合、処理工程c)を周囲気圧(例えば約950mbar〜約1050mbar(約95kPa〜約105kPa)の範囲内)で行うことができる。しかしながら、必要に応じて、処理工程c)はこれよりも高い、又は低い圧力で行うこともできる。これは一般的に、溶媒又は生成物の揮発性若しくは沸点に応じて決まる。
持続時間:行われる場合、処理工程c)は、数分間(例えば少なくとも約10、20又は30分)〜最大で数時間(例えば少なくとも約1又は少なくとも約2時間)の期間にわたって行うことができる。これは、主として、使用される溶媒及び酸、並びに、反応容器内に存在する反応成分の量、並びに反応媒体への反応物質の溶解度に応じて決まる。約10分間〜約10時間の期間が有用であることが分かっている。
処理工程d)(反応混合物からイソシアネートを除去すること)を行うことも任意である。
必要に応じて、反応混合物からのイソシアネートの除去を、様々な方法又は様々な方法の組み合わせによって行うことができる。それらの多くは当業者には周知のものである。これらの方法には、液相をデカントすることと、沈殿物を洗浄することと、必要に応じそれらの液相を混ぜ合わせて乾燥することと、必要に応じ、減圧下で溶媒を蒸発させることと、が含まれる。
これらの方法は、単離しようとするイソシアネートが使用された溶媒中に完全に可溶である場合に通常行われる。
しかしながら、単離しようとするイソシアネートが、処理工程a)において使用される溶媒に可溶でない場合には、別のより好適な溶媒を選択するか、あるいは、例えば沈殿物を溶解し反応混合物を濾過し、これによって不溶性のイソシアネートを濾過ケーキとして又は残渣として得る他の手段によって除去する必要がある。
得られたイソシアネートの構造に応じて、蒸留又は結晶化などの更なる精製工程を必要に応じて行うことができる。
具体的な成分である2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル(MOI)について、本発明の方法の具体的実施形態を以下のように述べることができる。
塩酸エタノールアミンをトルエン中でメタクリロイルクロリドによってアシル化する。得られた反応混合物を、通常的にCDIと直接反応させる(好ましくは周囲温度で)ことによって、2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルが塩酸イミダゾリウムとともに懸濁した溶液を得る。次に、HCl(気)を概ね約20〜約30℃で導入する。最終的に約80℃〜約100℃に約0.5〜約2時間、加熱することで通常、反応は完了してMOIが得られ、沈殿物及びトルエンを除去した後、これを蒸留することができる。
反応スキームは以下のように視覚化することができる。
Figure 0005960680
酸(例えばHCl(気))がアゾリドに低温(例えば周囲温度又は約30℃)、又は昇温状態(例えば約70〜約90℃)のいずれで加えられるかによって最終生成物が異なることが分かっている。
低温では酸(例えばHCl(気))が加えられる際に粘度の増大が認められる場合がある。加熱及び蒸留後に得られるイソシアネート(例えばMOI)は、通常、実質的に純粋であり、塩化物の含有量は通常約1000ppm未満である。
粘度の増大は、生成した尿素アンモニウム塩の沈殿によって引き起こされている可能性がある。尿素のアミン官能基への酸(例えばHCl(気))の付加によって、尿素が不安定化するものと考えられる。
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、この尿素の容易な開裂の別の説明として、イソシアネート(例えばMOI)と概ね逆反応できないイミダゾリウム塩が事前形成している可能性がある。
しかしながら、HClが昇温状態で加えられる場合には、蒸留後に得られるイソシアネート(MOI)は通常、低収率であり、蒸留物は通常、副生成物(例えば、2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−カルバモイルクロリドなどのカルバモイルクロリドと考えられる)又は別の塩素含有化合物を含んでいる。
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、1つの説明として以下のようなものが考えられる。
可能な説明として、塩が分解するか、あるいは昇温状態における反応性が生成物としての尿素塩に有利ではないことが考えられる。
カルバモイルクロリドは、トリエチルアミンのような強力な第三級塩基が存在する場合にのみ、イソシアネート(例えばMOI)に効率よく分解する。しかしながら、強塩基は、強塩基とイミダゾリウムクロリド副生成物との反応が、共有結合したカルバモイルクロリドとの反応よりも通常速いことから使用することができない。
しかしながら、イミダゾールが放出されると、通常は、既に生成された所望のイソシアネート(例えばMOI)からアゾリド(例えば2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル)が逆生成する。
したがって、この具体的実施例に関しては、例えば2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルを、周囲温度で乾燥塩化水素(HCl(気))と反応させることによって、2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;クロリドからMOIを生成することが可能であることが分かっている。塩酸イミダゾリウムの沈殿によって反応混合物からイミダゾールが除去され、溶液中にMOIが残り、これを溶液から分離することができる。
Figure 0005960680
特定の理論に束縛されることを望むものではないが、塩化水素は最初にクロロカルバメートを生成し、続いてこれが分解して所望のイソシアネートを与えるものと考えられる。
適度に安定なクロロカルバメートは、HCl及び対応するイソシアネートと平衡状態にあるものと考えられる。
したがって、尿素アゾリド(2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルなど)は、開裂温度が約110〜約130℃の範囲にあると予想されるものの、約100℃よりも低い温度で乾燥HClガスによってイソシアネート(MOIなど)に変換されうることが見出されている。
これに加えて、一般的に過剰量のHClを使用する又は使用することができるものの、蒸留物(すなわちイソシアネート)中の残留塩素含有量は通常、1000ppmよりも低い。
本発明の別の実施形態では、(例えばエチレン性不飽和)イソシアネートを、塩素含有化合物を使用せずに所定の方法に基づいて製造することが可能である。
例えば、ドイツ特許公開DE 1929581 A1号(米国特許第4,395,569号に対応)に述べられるように、有機スルホン酸(p−トルエンスルホン酸など)の存在下で(メタ)アクリル酸をアルカノールアミン(例えばエタノールアミン)によってエステル化することができる。
これは、高価で不安定なメタクリロイルクロリドの製造又は使用が避けられれば有利でありうる。
不飽和スルホネートをCDIと反応させて尿素イミダゾリド及びイミダゾリウム塩(例えばトシラート)を得ることができる。必要に応じて後者は除去することができる。
尿素アゾリドは、(有機)スルホン酸(p−トルエンスルホン酸)、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、置換ベンゼンスルホン酸、オリゴ官能性スルホン酸又はアルカンスルホン酸、これらの混合物及び組み合わせなど)によって処理することができる。この処理は通常、周囲温度で行われる(例えば約20〜約25℃)。フッ素化置換基を有するスルホン酸又は塩基性置換基を有するスルホン酸(タウリンなど)は一般的には使用されない。
次いで、反応混合物を加熱してMOI及びイミダゾリウム塩(例えばトシラート)を生成することができる。
MOIは、混合物から容易に分離することができる。単離された生成物(MOI)は、実質上塩素を含まない。開始物質(特にCDI)中の残留塩素含有量に応じて、塩素含有量は、約100ppmよりも低く、約10ppmよりも低く、又は更には約1ppmよりも低くなりうる。
必要に応じて、下記実施例の項において述べるようにして塩素含有量を分析することができる。
本発明の方法によって得ることが可能なイソシアネートは、様々な用途に広く用いることができる。これらの用途としては、電子製品、印刷、医療(歯科用途及び眼鏡用レンズ(ophthal lenses)を含む)、自動車、家庭用電化製品、及び建築材料が挙げられる。詳細には、以下のものの少なくとも1つを製造するための以下の使用が考えられ、ソルダレジスト、フィルムレジスト、接着剤、印刷版、ソフトコンタクトレンズ、歯科材料、コーティング、絶縁材料、セメントプライマー及び塗料又は表面処理である。
特に、2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル(MOI)は、歯科及び電子分野を含む様々な分野で使用することが可能な有益な原材料である。
本発明の方法を行うのに際して、一般的に以下の成分が存在する必要性はなく、特に以下の成分、強塩基(NEtを含む第三級アミンなど)、ホスゲン、強ルイス酸(例えばBF、BCl)の中の1つ以上を意図的に加える必要性はない。
更に、本発明の方法は、イミダゾール(塩基として)及びMOIを蒸留によって分離する処理工程を一般的に含まない。
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかであろう。上記の明細書、実施例、及びデータは、本発明の組成物及び方法の製造及び使用についての説明を与えるものである。本発明は、本明細書に開示される実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱ことなく本発明の多くの代替的実施形態を行うことが可能である点は認識されるであろう。以下の実施例は例示のために与えられるものであって、本発明の範囲を限定するものではない。特に断らないかぎり、部及び比率(%)はすべて重量基準である。
特に断らないかぎり、すべての部及び比率(%)は重量基準であり、すべての水は脱イオン水であり、すべての分子量は重量平均分子量である。更に、特に断らないかぎり、すべての実験は周囲条件(約23℃、約1013mbar(101.3kPa))で行った。
塩素含有量を以下のようにして測定した。
約2gの分析用試料を丸底フラスコ中に秤量した。100mLのメタノール/水混合物(体積基準で7:3)を加えた。混合物を還流下で約75〜80℃に約1時間加熱した。室温に冷却した後、1mLのHNO(2N)を加えた。塩素含有量は、0.0025NのAgNO/MeOH溶液を使用して滴定によって測定した(滴定処理装置(Titroprozessor))。塩素含有量は以下のように計算した。
Figure 0005960680
Figure 0005960680
Figure 0005960680
補助成分(Auxilliary)1:2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;クロリド(MOA)
エタノールアンモニウムクロリドをメタクリル酸無水物とシクロヘキサン中で反応させた。分離及び精製後、122.8g(理論値の62.3%)の所望の生成物が得られた。この白色の結晶質固体は、0.7%の水分含有量及び166.5g/molの塩素当量を示した。
補助成分2:2−イソプロピリデン−2−オキサゾリン
欧州特許公開EP 0 000 144号(米国特許第4,278,809号に対応)に述べられるようにして2−(α−ヒドロキシメチルエチル)−2−オキサゾリンからイソプロピリデンオキサゾリンを合成した。
比較例1:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
欧州特許公開EP 0 000 144号に述べられるようにして2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステルを合成した。既知の手順にしたがって2−イソプロピリデン−2−オキサゾリン及びホスゲンからメタクリロイルオキシエチルイソシアナト(MOI)を生成し、分離後に精留した。得られたMOIは純度96.3%(2.8%トルエン)であった。測定された残留塩素含有量は2050ppmであった。
実施例1:2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル
25.4g(0.17mol,>97% FLUKA)のCDIを、約150mLのTHF(テトラヒドロフラン)に室温で懸濁させた。部分的に溶解した時点で、懸濁液を約17℃にまで冷却した。約30分の攪拌後、25.9g(0.16mol)の2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウムクロリドを、氷冷下、約1時間かけて、反応混合物を約23℃に保ちながら複数の部分に分けてその混合物に加えた。黄色の懸濁液が得られた。約23℃で約3時間の攪拌後、懸濁液を濾過した。濾過ケーキをTHFで洗った。この透明な黄色の濾液に、約300mgのフェノチアジンを加えた。溶媒を蒸発させた。透明なオレンジ色の粘稠樹脂を得た(微量の残量溶媒を含む)。収率は定量的であり、H NMRによって所望の生成物であることが示された。
実施例2:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
丸底フラスコ中で、35.7g(156mmol,97.8%)の2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル(実施例1)を、約100mLのクロロホルムに室温で溶解させた(30分間)。この透明な黄色の溶液を約100mLのトルエンで希釈した。得られた濁った分散液に、約23℃で約30分以内に、11.5g(313mmol=理論値の200%)の乾燥塩化水素を冷却しながら加えた。第2の液相が形成された。反応混合物を更に1時間攪拌した。周囲気圧で、反応混合物から約69〜74℃で123gのクロロホルムを留出させた。この後、容器を約91〜92℃に約1時間維持した。その間に、塩酸イミダゾリウムが結晶化しはじめ、緑色がかった懸濁液を生じた。室温で約1時間の攪拌後、トルエン相をデカントし、沈殿物を更なるトルエンで洗った。透明な黄色の相を、遮光下にて、約40℃、約25mbar(約2.5kPa)で濃縮した。この粗生成物は(NMRによれば)、MOIと約18%の残留トルエンとから構成されていた。これを約48℃、約1.4mbar(約0.14kPa)で蒸留した。透明な生成物を200ppmのフェノチアジンによって安定化させた。蒸留した生成物において52%の収率が得られた。分析結果は、96.8%の純度(GC)及び400ppmの残留塩素を示した。
実施例3:2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラート
500mLの丸底フラスコ中で、104.6g(0.55mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物、43.05g(0.5mol)のメタクリル酸、30.55g(0.5mol)のエタノールアミン、150mgのフェノチアジン、及び約270mLのトルエンを混合した。反応混合物の温度は混合の間に約70℃に上昇し、p−トルエンスルホン酸がほぼ完全に溶解して透明な赤色の2相混合物を得た。この反応混合物をディーン・スターク・トラップを使用し、遮光下にて加熱還流(約110℃)した。約3時間後、更に150mgのフェノチアジンを加えた。約48時間以上が必要とされる充分な時間の後、18.5g(理論値18.9g)の水が分離された。この間に、微細に分散された固体の懸濁液が形成された。約45℃でトルエンを留去した。残った残渣を再結晶化させた。再結晶化した生成物を濾過し、更に250mLの冷たい酢酸エチルで洗った。この白色の結晶性生成物を真空下、約45℃で乾燥して113.1g(理論値の75%)を得た。測定された含水量0.15%、融点103℃、酸当量:296g/mol。
実施例4:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、35.5g(200mmol;97%)のCDI及び22.3mgのフェノチアジンを200mLの酢酸エチルに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。この間に温度は約21℃に下がり、CDIは一部が溶解した。攪拌した懸濁液に、61gの2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラート(200mmol;99%)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約30℃を超えないように複数の部分に分けて約30分以内に加えた。オフホワイト〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を酢酸エチルで洗った。遮光下にて、透明な黄色〜褐色の濾液から約40℃で溶媒を蒸留した。やや粘稠の透明な淡黄色〜褐色の樹脂が得られ、プロトンNMRによれば、2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル及び約16重量%の酢酸エチルから構成されていた。ディーン・スターク・トラップを使用して38.04g(200mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約500mLのトルエンとともに還流した。3.6gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この後、約300mLのトルエンを留去した。この溶液に、上記で合成した生成物を約50mLのトルエンに溶解してなる溶液を反応混合物の温度が約30℃を超えないように約30分以内に加えた。最初に分離した黄色味がかった油状物がその後結晶化し、約23℃で約3時間の攪拌後、白味がかった懸濁液が得られた。この懸濁液を約80℃に加熱し、その温度に約3時間維持した。沈殿物は消失し、イミダゾリウムトシラートが約15分以内に生成した。懸濁液をその温度で更に約5時間維持した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を約50mLのトルエンで洗った。黄色の濾液から約40℃、約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRによれば、この透明な黄色の液体は、MOI、トルエン、及び残留する未開裂の2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルから構成されることが示された。生成物を真空下で精留した。約43℃、約1mbar(約0.1kPa)で20gの生成物が得られた(理論値の64%)。この無色透明の液体は98%のMOIの純度を有していた(GC)。測定された残留塩素含有量は3ppmであった。
実施例5:2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;メタンスルホネート
この物質は、実施例3で述べた手順にしたがって合成した。メタンスルホン酸を70%水溶液として使用した。生成物は再結晶化させなかった。収率84%で白色の結晶性生成物が得られた。含水量:0.16%、融点:71℃、酸当量:215g/mol。
実施例6:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
この物質は、実施例4の第2の工程で述べた手順にしたがって合成した。実施例5からの2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルを使用した。乾燥メタンスルホン酸を使用してこの2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルをプロトン化して分解した。精留後、39.1gのMOIが得られた(理論値の62.1%)。純度97.5%、残留塩素:不検出。
実施例7:2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;ベンゼンスルホネート
この物質は、実施例3で述べた手順にしたがって合成した。ベンゼンスルホン酸を78%水溶液として使用した。生成物を酢酸エチルから再結晶化させた。収率85%で白色の結晶性生成物が得られた。含水量:0.16%、融点:136℃、酸当量:287g/mol。
実施例8:5−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−ペンチル−アンモニウム;トシラート
この物質は、実施例3で述べた手順にしたがって合成した。104.6g(0.5mol)の5−アミノ−1−ペンタノールを使用した。生成物を酢酸エチルから再結晶化させた。156gの収率で白色の結晶性生成物が得られた(理論値の91%)。含水量:0.07%、融点:127℃。
実施例9:2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、約47.5g(291mmol;97%)のCDI及び148mgのフェノチアジンを約115mLの酢酸エチルに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。攪拌した懸濁液に、100gの5−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−ペンチル−アンモニウム;トシラート(291mmol)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約30℃を超えないように複数の部分に分けて約30分以内に加えた。灰白色〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を酢酸エチルで洗った。遮光下にて、透明な黄色〜褐色の濾液から約40℃で溶媒を蒸留した。やや粘稠の透明な淡褐色の樹脂が得られ、プロトンNMRによれば、2−メチル−アクリル酸5−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−ペンチルエステルから構成されていた。ディーン・スターク・トラップを使用して55.4g(291mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約250mLのトルエンとともに還流した。5.2gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この溶液に、上記で合成した生成物を約50mLのトルエンに溶解した溶液を、反応混合物の温度が約30℃を超えないように約30分以内に加えた。最初に分離した黄色味がかった油状物がその後結晶化し、約23℃で約3時間の攪拌後、白味がかった懸濁液が得られた。この懸濁液を約80℃に加熱し、その温度に約3時間維持した。沈殿物は消失し、イミダゾリウムトシラートが生成した。懸濁液を約85℃で更に16時間維持した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物をトルエンで洗った。黄色の濾液から約40℃、約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRによれば、この透明で黄色の液体は、2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、トルエン、及び残留する未開裂の2−メチル−アクリル酸5−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−ペンチルエステルから構成されることが示された。生成物を真空下で精留した。約75℃、約0.20mbar(約0.02kPa)で37.3g(理論値の65%)の生成物が得られた。この無色透明の液体は99.6%のMOIの純度を有していた(GC)。測定された残留塩素含有量は75ppmであった。
実施例10:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、163g(999mmol)のCDI及び476mgのフェノチアジンを約500mLのトルエンに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。攪拌した懸濁液に、304gの2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラート(999mmol)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約30℃を超えないように複数の部分に分けて約30分以内に加えた。灰白色〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約24時間攪拌した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を500mLのトルエンで洗った。遮光下にて、透明な黄色〜褐色の濾液から約40℃で溶媒を蒸留した。やや粘稠の透明な淡黄色の樹脂が得られ、プロトンNMRによれば、2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステル及びトルエンから構成されていた。ディーン・スターク・トラップを使用して190.22g(1001mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約500mLのトルエンとともに還流させた。18gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この後、約300mLのトルエンを留去した。この溶液に、上記で合成した生成物を約50mLのトルエンに溶解した溶液を、反応混合物の温度が約30℃を超えないように約30分以内に加えた。最初に分離した黄色味がかった油状物がその後結晶化し、約23℃で約3時間の攪拌後、白味がかった懸濁液が得られた。この懸濁液を約250mLのトルエンで希釈した。この懸濁液を約85℃に加熱し、その温度に約3時間維持した。沈殿物は消失し、イミダゾリウムトシラートが約15分以内に生成した。懸濁液をその温度で更に約16時間維持した。反応混合物を濾過し、白色の沈殿物を約500mLのトルエンで洗った。黄色の濾液から、約40℃約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRによれば、この透明な黄色の液体は、MOI、トルエン、及び残留する未開裂の2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルから構成されることが示された。生成物を真空下、約43℃、約1mbar(約0.1kPa)で精留した。81gが得られた(理論値の52.3%)。この無色透明の液体は、95.1%のMOIの純度を有していた(残部はトルエン)。測定された残留塩素含有量は48ppmであった。
実施例11:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
実施例10の手順を繰り返した、ただし、フィルターを約500mLのトルエンで抽出し、濾液を母液と合わせた。蒸留及び精留後、92.6g(理論値の59.7%)のMOIが得られた。この無色透明の液体は、97%のMOIの純度を有していた(残部はトルエン;GC)。測定された残留塩素含有量は47ppmであった。
実施例12:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル
酢酸エチルからの再結晶化は行わないが、充分な量のトルエンで反応混合物から結晶化を行い、実施例3にしたがって調製した2−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−エチル−アンモニウム;トシラートを使用して実施例10の手順を繰り返した。実施例10の手順の最初の濾過工程は省略した。無水トルエンスルホン酸の溶液を懸濁液に直接加え、実施例10に述べられるようにして手順を継続した。蒸留及び精留後、92.6g(理論値の59.7%)のMOIが得られた。この無色透明の液体は、99.2%のMOIの純度を有していた(0.4%トルエン;GC)。測定された残留塩素含有量は16ppmであった。
実施例13:2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステルの試験的合成
実施例4にしたがって調製した2.25gの2−メチル−アクリル酸2−[(イミダゾール−1−カルボニル)−アミノ]−エチルエステルの試料を、0.07mbar(0.007kPa)で210℃に急速に加熱した。数滴の粘稠の蒸留物が回収された。蒸留物は蒸留凝縮器内で部分的かつ一時的に結晶化した。蒸留物を1H−NMR分光法によって分析した。約5%の2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステルが蒸留物中に存在し、残部は開始物質であった。このことは、所望の生成物及びイミダゾールが本方法において生成するものの、これらの成分は蒸留によって簡単に分離できないことを示している。
実施例14:3−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−プロピル−アンモニウム;トシラート
6000mLの反応器中で、837g(4.4mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物、517g(6mol)のメタクリル酸、300g(4.0mol)の3−アミノプロパノール、1262mgのフェノチアジン、及び約1985gのトルエンを混合した。反応混合物の温度は混合の間に約70℃に上昇し、p−トルエンスルホン酸がほぼ完全に溶解して透明な緑色の2相混合物を得た。この反応混合物をディーン・スターク・トラップを使用し、遮光下にて加熱還流(約110℃)した。約48時間以上の充分な時間の後、152gの水が分離された。この間に、透明なオレンジ色の、全体が液体の反応混合物が形成した。更に331gのトルエンを加え、反応混合物を室温にまで冷却した。結晶相が形成した。結晶化した生成物を濾過し、更に500mLの冷たいトルエンで洗った。この灰白色の生成物を真空下、約45℃で乾燥して1191.5g(理論値の94%)を得た。測定された含水量0.1%、融点121℃、酸当量:315g/mol。
実施例15:2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、67.3g(412mmol)のCDI及び197.3mgのフェノチアジンを約500mLのトルエンに懸濁させた。懸濁液を約23℃で約30分間攪拌した。攪拌した懸濁液に、130gの3−(2−メチル−アクリロイルオキシ)−プロピル−アンモニウム;トシラート(412mmol)を、充分に攪拌された反応混合物の温度が約40℃を超えないように複数の部分に分けて約10分以内に加えた。灰白色〜褐色がかった懸濁液が得られ、これを更に約24時間攪拌した。ディーン・スターク・トラップを使用して78.37g(412mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物を、約250mLのトルエンとともに還流した。18gの水(理論値の100%)が約4時間後に分離された。この後、約100mLのトルエンを留去した。この溶液を、反応混合物の温度が約45℃を超えないように、冷却下、25℃で5分以内にその懸濁液に加えた。懸濁液を約100mLのトルエンで希釈し、500mgのフェノチアジンを加えた。この懸濁液を約85℃に加熱し、その温度に約20時間維持した。反応混合物を室温にまで冷却し、濾過し、白色の沈殿物を約250mLのトルエンで洗った。黄色の濾液から約40℃、約50mbar(約5kPa)で溶媒を除去した。プロトンNMRにより、透明な黄色の液体は主として生成物及びトルエンから構成されることが示された。生成物を真空下、約70℃、約0.5mbar(約0.05kPa)で精留した。52.9gの生成物が得られた(理論値の76%)。この無色透明の液体は98.3%の2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステルを有していた(残部はトルエン;GC)。測定された残留塩素含有量は23ppmであった。
実施例16:3−(アクリロイルオキシ)−プロピル−アンモニウム;トシラート
1000mLの4つ口丸底フラスコ中で、105g(0.55mol)のp−トルエンスルホン酸一水和物、72g(1.0mol)のアクリル酸、37.56g(0.5mol)の3−アミノプロパノール、151mgのフェノチアジン、及び約350mlのトルエンを混合した。反応混合物の温度は混合の間に約70℃に上昇し、p−トルエンスルホン酸がほぼ完全に溶解して透明な緑色の2相混合物を得た。反応混合物を、ディーン・スターク・トラップを使用して遮光下にて加熱還流(約110℃)し、更に151mgのフェノチアジンを加えた。約48時間以上の充分な時間の後、19gの水が分離された。この間に、懸濁液として透明なオレンジ色の、全体が液体の反応混合物が生成した。反応混合物を室温に冷却した。結晶相が形成した。結晶化した生成物を濾過し、更に200mLの冷たいトルエンで洗った。この白色の生成物を真空下、約45℃で乾燥して146g(理論値の97%)が得られた。測定された含水量0.1%、融点106℃、酸当量:287g/mol生成物は、実施例15と同様の手順によってアクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステルに変換することができる。
本出願では、以下の態様が提供される。
1. イソシアネートを製造するための方法であって、a)アゾリド部分を有する成分、及び必要に応じて溶媒を供給する工程と、b)約40℃よりも低い温度で酸を加える工程と、c)必要に応じて約70℃よりも高い温度に前記組成物を加熱する工程と、d)必要に応じて前記イソシアネートを前記反応混合物から除去又は単離する工程と、を含む前記方法。
2. 前記処理工程b)が、以下の特徴、・温度が約10〜約40℃の範囲内であることと、・酸の量が前記アゾリド部分を有する成分に対して少なくとも化学量論量であることと、・持続時間として、酸の添加が約1時間以内であることの中の少なくとも1つ以上の特徴によって特徴付けられる、態様1に記載の方法。
3. 前記処理工程c)が、以下の特徴、・温度が約70〜約100℃の範囲内であることと、・持続時間が約1分〜約10時間であることの中の少なくとも1つ以上の特徴によって特徴付けられる、態様1又は2に記載の方法。
4. 前記処理工程d)が、以下の手順、すなわち、デカンテーション、洗浄、乾燥、蒸発、蒸留、結晶化、又はこれらの組み合わせの中の1つ以上の手順を含む、態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
5. 以下の特徴、・ホスゲンを使用しないことと、・単離されたイソシアネートの塩素含有量が約1000ppmよりも低い量であることの中の少なくとも1つ以上の特徴によって特徴付けられる、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記アゾリド部分を有する成分が、以下の構造:
Figure 0005960680
[式中、Aは、窒素原子を介してカルボニル基と結合したアゾール環を有する]に基づくアゾール含有化合物とアミンを反応させるか、又は、第1の工程においてアミン化合物をホスゲンと反応させ、かつ第2の工程においてアゾリドの生成下でアゾールと反応させることのいずれかによって得られる、態様1〜5のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記アゾリド部分を有する前記成分が、アゾール含有化合物を、アミン、対応するそのアンモニウム塩、又はそれらの混合物と反応させることによって得られ、前記アミンが、以下の構造:
G−K−NH
[式中、Gはアシロイル部分を含み、かつKはC 〜C 12 の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン若しくは芳香族残基、又はこれらの組み合わせであり、ただし、水素はハロゲンにより置換されてもよく、かつ前記炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子又はエステル部分が割り込んでいてもよい。]によって特徴付けられるものである、態様1〜6のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記アゾール含有化合物が、1,1’−カルボニル−ジイミダゾール、1,1’−カルボニル−ジベンズイミダゾール、1,1’−カルボニル−ジ−(1,2,4)−トリアゾール、1,1’−カルボニル−ビス−(2−メチルイミダゾール)、1,1’−カルボニル−ジベンゾトリアゾール、これらの組み合わせ及び混合物から選択される、態様6又は7に記載の方法。
9. 前記イソシアネートが、以下の構造:
G−K−NCO(1)
[式中、Gはアシロイル部分を含み、かつKはC 〜C 12 の飽和又は不飽和の直鎖、分枝鎖、環状のアルキリデン若しくは芳香族残基、又はこれらの組み合わせであり、ただし、水素はハロゲンにより置換されてもよく、かつ前記炭素鎖は、1個、2個、3個、又は4個の酸素原子が割り込んでいてもよい。]によって特徴付けられるものである、態様1〜8のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記酸が、前記必要に応じて使用される溶媒中にごくわずかに可溶である塩か又は本質的に不溶である塩をイミダゾールと形成できるように選択される、態様1〜9のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記酸が、約4よりも低いpKs値を有する、態様1〜10のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記酸が、気体状の酸、スルホン酸、これらの混合物及び組み合わせからなる群から選択される、態様1〜11のいずれか一項に記載の方法。
13. 前記必要に応じて使用される溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、ベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、メチル第三級ブチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、これらの組み合わせ及び混合物からなる群から選択される、態様1〜12のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記イソシアネートが、アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−エチルエステル、アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、2−メチル−アクリル酸2−イソシアナト−プロピルエステル、アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、2−メチル−アクリル酸3−イソシアナト−プロピルエステル、アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、2−メチル−アクリル酸4−イソシアナト−ブチルエステル、アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、2−メチル−アクリル酸5−イソシアナト−ペンチルエステル、アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、2−メチル−アクリル酸6−イソシアナト−ヘキシルエステル、アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、2−メチル−アクリル酸8−イソシアナト−オクチルエステル、アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、2−メチル−アクリル酸10−イソシアナト−デシルエステル、アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、2−メチル−アクリル酸11−イソシアナト−ウンデシルエステル、アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、2−メチル−アクリル酸12−イソシアナト−ドデシルエステル、アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、2−メチル−アクリル酸1−(2,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、2−メチル−アクリル酸2−(1,3−ジイソシアナト−プロピル)エステル、アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、2−メチル−アクリル酸1,2−(3−イソシアナト−プロピル)ジエステル、アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステル、2−メチル−アクリル酸1,3−(2−イソシアナト−プロピル)ジエステルの群から選択される、態様1〜13のいずれか一項に記載の方法。
15. 態様1〜14のいずれかに記載の方法にしたがって得ることが可能なイソシアネートであって、塩化物の含有量が約1000ppm未満である、イソシアネート。

Claims (1)

  1. イソシアネートを製造するための方法であって、
    a’)アゾール含有化合物を、アミン、対応するそのアンモニウム塩、又はそれらの混合物と反応させることによってアゾリド部分を有する成分を得る工程と、
    a)前記アゾリド部分を有する前記成分、及び溶媒を供給する工程と、
    b)40℃よりも低い温度で、4よりも低いpKs値を有する酸を加えて組成物を得る工程と、
    c)70℃よりも高い温度に前記組成物を加熱して反応混合物を得る工程と、
    d)前記イソシアネートを前記反応混合物から除去又は単離する工程と、
    を含み、
    前記アゾール含有化合物が以下の構造:
    Figure 0005960680
    [式中、Aは、窒素原子を介してカルボニル基と結合したイミダゾール又はベンズイミダゾールである。]によるものであり、前記アミンが、以下の構造:
    G−K−NH
    [式中、Gはアクリロイル又はメタクリロイルであり、かつKはC〜C12の直鎖又は分枝鎖のアルキリデンである。]によって特徴付けられるものであり、
    前記イソシアネートが、以下の構造:
    G−K−NCO (1)
    [式中、Gはアクリロイル又はメタクリロイルであり、かつKはC〜C12の直鎖又は分枝鎖のアルキリデンである。]によって特徴付けられるものであり、かつ
    前記酸が、気体状の酸、スルホン酸、これらの混合物及び組み合わせからなる群から選択される、前記方法。
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