JP5960376B1 - 空気予熱器洗浄時期予測方法、及び空気予熱器洗浄時期予測装置 - Google Patents

空気予熱器洗浄時期予測方法、及び空気予熱器洗浄時期予測装置 Download PDF

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Abstract

差圧上昇が顕在化する前でも、空気予熱器の洗浄作業が必要な時期を予測することができる空気予熱器洗浄時期予測方法、及び空気予熱器洗浄時期予測装置を提供する。空気予熱器洗浄時期予測方法は、残留アンモニア濃度上昇カーブから得た将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率計画に応じた将来の排ガス量とから求めた酸性硫安生成量予測値を付着灰中の酸性硫安比率で除して付着灰生成量予測値を求め、付着灰生成量予測値を積算して現在の灰付着量に加算して将来の灰付着量予測値を求める。そして、灰付着量予測値が灰付着量制限値以上となる時期を、空気予熱器の洗浄必要時期として予測する。

Description

本発明は、石炭火力発電所における空気予熱器洗浄時期予測方法、及び空気予熱器洗浄時期予測装置に関する。
石炭火力発電所では、ボイラから排出される排ガス中に含まれる窒化酸化物(以下「NOx」とも称する)を除去する脱硝装置が用いられる。このような脱硝装置では、例えば、脱硝触媒に還元剤となるアンモニア(以下「NH」とも称する)を供給してNOxと反応させ、水と窒素とに分解している。また、石炭火力発電所においては、上述した脱硝装置でNOxが分解除去された排ガスの熱を利用して、ボイラに送る燃焼用空気を予熱するため、例えば、波状金属板を積層した熱交換エレメントで形成された空気予熱器が用いられる。
脱硝装置の出口から排出される排ガスが空気予熱器により冷却されると、排ガス中に含まれる未反応のNHと三酸化硫黄(以下「SO」とも称する)と水とが反応して硫酸水素アンモニウム(以下「NHHSO」、あるいは「酸性硫安」とも称する)が生成して液化して熱交換エレメント表面に結露し、結露したNHHSOに石炭灰が付着する。熱交換エレメント表面に付着灰が堆積すると、排ガスの流れを阻害することとなるため、計画的に発電を停止して空気予熱器を洗浄する必要がある。
特許文献1には、空気予熱器のガス側出入口及び空気側出入口に差圧計を設け、圧力損失の上昇特性を漏洩アンモニア濃度で補正して許容圧力損失到達時期を推定し、適正な水洗時期を表示する空気予熱器性能診断方法が記載されている。
特許第2710985号公報
空気予熱器の入口側と出口側との圧力損失の上昇(以下、「差圧上昇」とも称する)は、熱交換エレメント表面への付着灰の堆積により生じる。石炭火力発電所における定期点検は、例えば、数年に1回程度の頻度で行われる。空気予熱器の洗浄作業は、定期点検時に実施するのが効率的であるが、差圧上昇が顕在化した状態で空気予熱器の洗浄時期を予測する場合には、洗浄時期を予測した時点で既に相当量の付着灰が熱交換エレメント表面に堆積しているものと考えられ、予め計画した定期点検時期よりも前に洗浄作業を行う必要がある可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、差圧上昇が顕在化する前でも、空気予熱器の洗浄作業が必要な時期を予測することができる空気予熱器洗浄時期予測方法、及び空気予熱器洗浄時期予測装置を提供する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気予熱器洗浄時期予測方法は、アンモニアが添加されて脱硝触媒を通過した排ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行う空気予熱器への付着灰を除去する洗浄時期を予測する空気予熱器洗浄時期予測方法であって、前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度と排ガス量とから現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量を求めるステップと、前記酸性硫安生成量を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して現在の単位時間当たりの付着灰生成量を求めるステップと、前記付着灰生成量を積算して現在の灰付着量を求めるステップと、前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度に応じた将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率に応じた将来の排ガス量とから将来の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値を求めるステップと、前記酸性硫安生成量予測値を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値を求めるステップと、前記付着灰生成量予測値を積算して現在の前記灰付着量Mに加算して将来の灰付着量予測値を求めるステップと、前記灰付着量予測値が灰付着量制限値以上となる時期を、前記空気予熱器の洗浄必要時期として予測するステップと、を有する。
本発明の望ましい態様として、前記付着灰中の酸性硫安比率は、0.14よりも大きく、且つ、0.16よりも小さい。
本発明の望ましい態様として、前記空気予熱器の洗浄必要時期、前記付着灰生成量、前記灰付着量、前記付着灰生成量予測値、及び前記灰付着量予測値のうち、少なくとも前記空気予熱器の洗浄必要時期を出力する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気予熱器洗浄時期予測装置は、アンモニアが添加されて脱硝触媒を通過した排ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行う空気予熱器への付着灰を除去する洗浄時期を予測する空気予熱器洗浄時期予測装置であって、前記空気予熱器の洗浄時期予測処理を行い、当該洗浄時期予測処理における処理結果を出力する空気予熱器洗浄時期予測部と、前記処理結果を記憶する記憶部と、を備え、前記空気予熱器洗浄時期予測部は、前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度と排ガス量とから現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量を求め、前記酸性硫安生成量を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して現在の単位時間当たりの付着灰生成量を求めて前記記憶部に記憶し、前記付着灰生成量を積算して現在の灰付着量を求めて前記記憶部に記憶し、前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度に応じた将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率に応じた将来の排ガス量とから将来の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値を求め、前記酸性硫安生成量予測値を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値を求めて前記記憶部に記憶し、前記付着灰生成量予測値を積算して現在の前記灰付着量Mに加算して将来の灰付着量予測値を求めて前記記憶部に記憶し、前記灰付着量予測値が灰付着量制限値以上となる時期を、前記空気予熱器の洗浄必要時期として予測して前記記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記洗浄必要時期、前記付着灰生成量、前記灰付着量、前記付着灰生成量予測値、及び前記灰付着量予測値のうち、少なくとも前記空気予熱器の洗浄必要時期を出力する。
本発明の望ましい態様として、前記空気予熱器洗浄時期予測部は、前記付着灰中の酸性硫安比率が0.14よりも大きく、且つ、0.16よりも小さい値に設定されている。
本発明によれば、差圧上昇が顕在化する前でも、空気予熱器の洗浄作業が必要な時期を予測することができる空気予熱器洗浄時期予測方法、及び空気予熱器洗浄時期予測装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法の適用対象となる石炭火力発電所の概略図である。 図2は、熱交換エレメントの金属板表面における付着灰のTG−DTA分析結果の一例を示す図である。 図3は、図2に示す分析結果に基づいて推定した熱交換エレメントへの灰付着メカニズムを説明する図である。 図4は、酸性硫安の生成温度の一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測装置の機能ブロックの一例を示す図である。 図6は、空気予熱器洗浄時期予測対象となる石炭火力発電所の発電出力と排ガス量との関係を例示した図である。 図7は、時間経過に対する残留NH濃度の上昇カーブの一例を示す図である。 図8は、空気予熱器洗浄時期予測対象となる石炭火力発電所の利用率と発電出力との関係を例示した図である。 図9は、灰付着量と空気予熱器の前後における圧力損失(差圧)との関係を例示した図である。 図10は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法における空気予熱器洗浄時期予測処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法の適用対象となる石炭火力発電所の概略図である。石炭火力発電所100では、ボイラ2から排出された高温の排ガスは、ガスダクト4内で還元剤であるアンモニア(NH)が添加された後に脱硝装置3を通過することにより窒素酸化物(NOx)が分解された後、空気予熱器1を通過し、後段の図示しない集塵器においてダスト分が除去されて図示しない煙突から大気中に放出される。一方、燃焼用空気は、空気ダクト5を経て空気予熱器1で排ガスと熱交換され、ボイラ2に供給される。
脱硝装置3は、例えば主成分である酸化チタンに活性成分であるバナジウムやタングステン等が添加された脱硝触媒が内部に設けられている。この脱硝装置3は、ガスダクト4内で排ガス中に添加されたNHと排ガス中のNOxとを選択的に反応させ、水(HO)と窒素(N)とに分解する。
空気予熱器1は、例えば波状あるいはハニカム状の金属板が積層された熱交換エレメントが内部に設けられている。この空気予熱器1は、熱交換エレメントを介して、脱硝装置3の出口(以下、「脱硝出口」とも称する)から排出された高温の排ガスと低温の燃焼用空気との間で熱交換を行うことで、燃焼用空気の予熱を行う。
図1に示す石炭火力発電所100では、脱硝装置3における脱硝効率及びNHとNOxとのモル比(NH/NOx)を考慮して排ガス中に注入するNHの濃度が決められるが、脱硝触媒の劣化に伴って脱硝効率が低下し、脱硝装置3において反応しなかった残留NHが脱硝出口から排出される。この残留NHが排ガス中の三酸化硫黄(SO)と反応して酸性硫安(硫酸水素アンモニウム:NHHSO)が生成される。この酸性硫安が空気予熱器1で冷却されると、空気予熱器1の熱交換エレメントに結露し、熱交換エレメントの金属板表面に石炭灰が付着する可能性がある。以下、熱交換エレメントへの付着灰の分析結果と、その分析結果に基づき推定した熱交換エレメントへの灰付着メカニズムについて説明する。
図2は、熱交換エレメントの金属板表面における付着灰のTG−DTA分析結果の一例を示す図である。図2において、横軸は時間軸、縦軸はTG曲線における質量軸、DTA曲線における熱流量軸、試料温度における温度軸である。図2では、熱交換エレメントの付着灰11.77mgを試料とした分析結果を示し、時間の経過と共に温度を上昇させている。
図2の期間Aは、付着灰中の酸性硫安(硫酸水素アンモニウム:NHHSO)の分解過程を示しており、この酸性硫安の分解過程において減少する質量は、付着灰11.77mg中の1.93%を占めている。酸性硫安の分解反応は、以下の化学式で表される。
3NHHSO→NH+3SO+6HO+N
図2の期間Bは、付着灰中のピロ硫安(ピロ硫酸アンモニウム:(NH)の分解過程を示しており、このピロ硫安の分解過程において減少する質量は、付着灰11.77mg中の3.42%を占めている。ピロ硫安の分解反応は、以下の化学式で表される。
3(NH→2NH+6SO+9HO+2N
図2の期間Cは、付着灰中の硫酸アンモニウムアルミニウム(AlNH(SO)の分解過程、及び硫酸アンモニウムアルミニウムの分解反応により生成される硫酸アルミニウム(Al(SO)の分解過程を示しており、この硫酸アンモニウムアルミニウム及び硫酸アルミニウムの分解過程において減少する質量は、付着灰11.77mg中の8.79%を占めている。硫酸アンモニウムアルミニウムの分解反応及び硫酸アルミニウムの分解反応は、以下の化学式で表される。
6AlNH(SO→3Al(SO+4NH+3SO+6HO+N
Al(SO→Al+3SO
付着灰中の酸性硫安、ピロ硫安、及び硫酸アンモニウムアルミニウムはアンモニウム化合物であり、上記各化学式から分かるように、分解後の分子組成として全てNHが含まれている。つまり、付着灰中のアンモニウム化合物の分解反応により減少する質量の付着灰中に占める割合は、脱硝出口から漏洩する残留NHの量に比例する。
また、図2に示す例では、分析開始から硫酸アンモニウムアルミニウム(付随的に生成される硫酸アルミニウムを含む)が分解される期間C後までの過程で質量が15.03%減少している。また、酸性硫安の分解過程である期間A、ピロ硫安の分解過程である期間B、及び硫酸アンモニウムアルミニウム(付随的に生成される硫酸アルミニウムを含む)の分解過程である期間Cの合計期間で減少した質量は、付着灰11.77mg中の約14%程度である。また、図2に示す全分析過程で減少した質量は、付着灰11.77mg中の約16%程度である。
これらのことから、残留NHから生成されるアンモニウム化合物の分解反応により減少する質量は、付着灰中の14%〜16%程度であると推定することができる。
図3は、図2に示す分析結果に基づいて推定した熱交換エレメントへの灰付着メカニズムを説明する図である。図4は、酸性硫安の生成温度の一例を示す図である。
脱硝出口から排出された残留NHは、排ガス中に含まれるSO及び水(HO)と反応して酸性硫安が生成される。酸性硫安は、146.9℃〜490℃で液体であるのに対し、石炭火力発電所における空気予熱器の熱交換エレメントの温度は、一般に150℃〜350℃程度の温度域であるため、図4に示すように、温度に応じたモル比でNHとSOとが反応して酸性硫安が生成され、熱交換エレメント表面で液化して結露する(図3(a))。酸性硫安の生成反応は、以下の化学式で表される。
NH+SO+HO→NHHSO
熱交換エレメント表面に結露した酸性硫安に排ガス中の石炭灰が接触して付着すると(図3(b))、付着した石炭灰中のアルミニウム成分と酸性硫安とが反応し、硫酸アンモニウムアルミニウムが生成される。硫酸アンモニウムアルミニウムの生成反応は、以下の化学式で表される。
4NHHSO+Al→2AlNH(SO+3HO+2NH
2NHHSO+Al+2SO→2AlNH(SO+H
生成した硫酸アンモニウムアルミニウムがバインダとなり、付着した石炭灰同士を強く固着させる。さらに、熱交換エレメント表面に結露した酸性硫安は、以下の化学式で表される生成反応によりピロ硫安等のアンモニウム化合物を生成する。
2NHHSO→(NH+H
上述した現象を繰り返すことにより、熱交換エレメント表面上の付着灰が成長していく(図3(c))。
上記推定によれば、まず熱交換エレメント表面に酸性硫安が結露し、結露した酸性硫安と石炭灰の成分とが反応して各種アンモニウム化合物が生成する。すなわち、付着灰中に含まれる酸性硫安とアンモニウム化合物が生成した際に反応した酸性硫安との総質量は、図3(a)に示す過程で生成された酸性硫安の総質量に等しい。また、付着灰中に含まれる石炭灰成分の質量が図2に示す分析過程における残留物の質量と等価であるものと考えると、図2に示す分析過程において減少した質量は、図3(a)に示す過程で生成された酸性硫安の総質量と等価であると考えられる。すなわち、熱交換エレメント表面上の灰付着量に対する酸性硫安の生成量の割合は、14%〜16%程度であるものと考えられる。つまり、酸性硫安の生成量が分かれば、熱交換エレメント表面上の灰付着量を推定することができる。
単位時間当たりの酸性硫安生成量は、以下の各式を用いて算出することができる。
まず、1m当たりの酸性硫安の密度ρ[kg/Nm]を下記(1)式により求める。
ρ[kg/Nm
=((残留NH濃度[ppm])×10−6×115.11[kg/kmol])/22.4[Nm/kmol]・・・(1)
上記(1)式において、115.11[kg/kmol]は酸性硫安の式量である。
次に、(1)式で求めた1m当たりの酸性硫安の密度ρ[kg/Nm]に単位時間(1時間)当たりの排ガス量[Nm/h]を乗ずることにより、単位時間当たりの酸性硫安生成量Δm[kg/h]を得ることができる。
Δm[kg/h]
=ρ[kg/Nm]×(単位時間当たりの排ガス量[Nm/h])・・・(2)
熱交換エレメント表面上の灰付着量に対する酸性硫安の生成量の割合(以下、「付着灰中の酸性硫安比率」とも称する)は、上述したように14%〜16%程度である。ここで、付着灰中の酸性硫安比率を15%とすると、単位時間(1時間)当たりの付着灰生成量ΔM[kg/h]は、下記(3)式で表される。
ΔM[kg/h]=(Δm[kg/h]/(15/100))・・・(3)
なお、上記(3)式により求めた付着灰生成量ΔMのうち、一部は熱交換エレメントに付着せず空気予熱器1の外部に排出されることが考えられる。このため、熱交換エレメントへの灰付着率を考慮し、上記(3)式に灰付着率を乗じて付着灰生成量ΔM[kg/h]を求めるのがより好ましい。熱交換エレメントへの灰付着率を90%とすると、単位時間(1時間)当たりの付着灰生成量ΔM[kg/h]は、下記(4)式で表される。
ΔM[kg/h]
=(Δm[kg/h]/(15/100))×(90/100)・・・(4)
なお、上記(4)式では、熱交換エレメントへの灰付着率を90%としたが、熱交換エレメントへの灰付着率は石炭火力発電所や諸条件により異なることが考えられる。このため、熱交換エレメントへの灰付着率は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法を適用する石炭火力発電所の過去のデータに基づき任意に設定すればよい。
次に、熱交換エレメント表面への灰付着量に基づき空気予熱器の洗浄時期予測を行う空気予熱器洗浄時期予測装置について説明する。
図5は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測装置の機能ブロックの一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測装置10は、例えば、入力部11、出力部12、表示部13、記憶部14、空気予熱器洗浄時期予測部15、制御部16を有する。
入力部11は、空気予熱器洗浄時期予測装置10に対して情報を入力するための例えばキーボードである。
出力部12は、空気予熱器洗浄時期予測装置10の外部に情報を出力するための例えばプリンタである。
表示部13は、空気予熱器洗浄時期予測装置10に入力された情報を表示したり、空気予熱器洗浄時期予測装置10から出力される情報を表示したりするための例えばモニタである。
記憶部14は、例えば、第1の領域141、第2の領域142、及び第3の領域143を有する。記憶部14は、例えば、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ若しくはフラッシュメモリ等又はこれらを組み合わせたものである。
第1の領域141には、例えば、空気予熱器洗浄時期予測装置10を動作させるためのプログラムが記憶されている。第1の領域141には、更に、例えば、空気予熱器の洗浄時期予測を行うためのプログラム(以下、「空気予熱器洗浄時期予測プログラム」とも称する)が記憶されている。
第2の領域142には、空気予熱器洗浄時期予測プログラムにおいて用いられる各種情報が記憶されている。第2の領域142に記憶されている各種情報については後述する。
第3の領域143には、空気予熱器洗浄時期予測処理過程において求められる各種処理データが記憶される。第3の領域143に記憶される各種処理データについては後述する。
空気予熱器洗浄時期予測部15は、第2の領域142に記憶されている各種情報、及び外部から入力される外部情報に基づいて、空気予熱器洗浄時期予測処理を行う。外部から入力される外部情報については後述する。
制御部16は、第1の領域141に記憶された、例えば空気予熱器洗浄時期予測装置10を動作させるためのプログラムに基づいて、空気予熱器洗浄時期予測装置10の動作を制御する。また、制御部16が空気予熱器洗浄時期予測プログラムを起動することにより、空気予熱器洗浄時期予測部15により空気予熱器洗浄時期予測処理が実行される。
空気予熱器洗浄時期予測部15及び制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びメモリを組み合わせて構成することができる。
次に、図6乃至図9を用いて、第2の領域142に記憶されている各種情報、外部から空気予熱器洗浄時期予測部15に入力される外部情報、及び第3の領域143に記憶される各種処理データについて説明する。
図6は、空気予熱器洗浄時期予測対象となる石炭火力発電所の発電出力と排ガス量との関係を例示した図である。図7は、時間経過に対する残留NH濃度の上昇カーブの一例を示す図である。図8は、空気予熱器洗浄時期予測対象となる石炭火力発電所の利用率と発電出力との関係を例示した図である。図9は、灰付着量と空気予熱器の前後における圧力損失(差圧)との関係を例示した図である。
第2の領域142には、図6に示す石炭火力発電所の発電出力と排ガス量との関係がテーブルあるいは計算式として記憶されている。
また、第2の領域142には、図7に示す時間経過に対する残留NH濃度の上昇カーブがテーブルあるいは計算式として記憶されている。
また、第2の領域142には、空気予熱器洗浄時期予測対象となる石炭火力発電所の将来における利用率計画と共に、図8に示す石炭火力発電所の利用率と発電出力との関係がテーブルあるいは計算式として記憶されている。
また、第2の領域142には、図9に示す灰付着量と空気予熱器の前後における差圧との関係から求めた灰付着量制限値Mmaxが記憶されている。本実施形態では、熱交換エレメントが目詰まりを起こし閉塞に至る限界差圧よりも低い差圧閾値が設定されており、差圧閾値に対応した灰付着量を灰付着量制限値Mmaxとしている。
また、第2の領域142には、図2に示す分析結果から求めた付着灰中の酸性硫安比率と、後述する空気予熱器洗浄時期予測処理における処理周期tと、将来の予測を行う際の予測間隔T1と、予測値の表示を行う際の予測値表示間隔T2とが記憶されている。処理周期tと予測間隔T1と予測値表示間隔T2との大小関係は、t≦T1≦T2に設定されている。
空気予熱器洗浄時期予測部15には、外部から石炭火力発電所の発電電力と脱硝出口における残留NH3濃度が入力される。
なお、脱硝出口における残留NH濃度は、例えば特許第3616876号に記載されたガス採取方法等で分析することができる。このガス採取方法やNH濃度の分析方法により本発明が限定されるものではない。
第3の領域143には、上記した第2領域に記憶された各種情報及び外部から入力された外部情報を用いて、後述する空気予熱器洗浄時期予測処理過程において求められる、単位時間当たりの付着灰生成量ΔM、灰付着量M、予測値表示間隔T2経過毎の将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMn(pT2)、灰付着量予測値Mn(pT2)、及び空気予熱器の洗浄必要時期Qが記憶される。
次に、図10を用いて、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測装置10を用いた空気予熱器洗浄時期予測方法について説明する。図10は、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法における空気予熱器洗浄時期予測処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、nはステップS12においてインクリメントされる1以上の整数であり、pはステップS11においてインクリメントされる1以上の整数である。
空気予熱器洗浄時期予測部15は、操作者が入力部11を操作して空気予熱器洗浄時期予測装置10を起動することにより、第3の領域143に灰付着量Mの初期値「M=0」を設定する(ステップS1)。なお、当該空気予熱器洗浄時期予測処理フローでは、後述するステップS2乃至S16の処理を、上述した処理周期tで繰り返し実行するものとする。
空気予熱器洗浄時期予測部15は、外部から入力された残留NH濃度a及び図6に示す発電出力と排ガス量との関係から求められる排ガス量を用いて、下記(5)式により、現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量Δmを算出する(ステップS2)。下記(5)式は、上記(1)式及び(2)式を変形して得られる。
Δm[kg/h]
=(((外部から入力された残留NH濃度a[ppm]
)×10−6×115.11[kg/kmol])
/22.4[Nm/kmol])
×(単位時間当たりの排ガス量[Nm/h])・・・(5)
空気予熱器洗浄時期予測部15は、熱交換エレメント表面上の付着灰中の酸性硫安比率(ここでは、15/100=0.15)と、ステップS2で求めた現在における単位時間当たりの酸性硫安生成量Δmとを用いて、下記(6)式により、現在における単位時間当たりの付着灰生成量ΔMを求め、第3の領域143に記憶する(ステップS3)。あるいは、より好ましくは、熱交換エレメントへの灰付着率(ここでは、90%)を考慮し、下記(6)式に灰付着率を乗じた下記(7)式により、現在における単位時間当たりの付着灰生成量ΔMを求める。
ΔM[kg/h]=(Δm[kg/h]/(15/100))・・・(6)
ΔM[kg/h]
=(Δm[kg/h]/(15/100))×(90/100)・・・(7)
そして、空気予熱器洗浄時期予測部15は、現在における単位時間当たりの付着灰生成量ΔMに処理周期tを乗じて、第3の領域143に記憶された灰付着量Mに加算し、新たな灰付着量Mとして(ステップS4)、新たな灰付着量Mを第3の領域143に記憶すると共に、新たな灰付着量MをステップS6以降の予測処理における灰付着量予測値Mnの初期値として第3の領域143に記憶する(ステップS5)。
続いて、空気予熱器洗浄時期予測部15は、nT1経過後の残留NH濃度を予測する。具体的には、図7に示す時間経過に対する残留NH濃度の上昇カーブを用いて、現在における残留NH濃度aに対応する時間taから、nT1経過後の時間ta’に対応する残留NH濃度a’を求める。また、空気予熱器洗浄時期予測部15は、nT1経過後における石炭火力発電所の利用率計画、図8に示す石炭火力発電所の利用率と発電出力との関係、及び図6に示す発電出力と排ガス量との関係から、nT1経過後の発電出力を導出する。そして、空気予熱器洗浄時期予測部15は、nT1経過後の残留NH濃度a’及び排ガス量を用いて、下記(8)式により、nT1経過後の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値Δmnを算出する(ステップS6)。下記(8)式は、上記(1)式及び(2)式を変形して得られる。
Δmn[kg/h]
=(((nT1経過後の残留NH濃度a’[ppm])
×10−6×115.11[kg/kmol])
/22.4[Nm/kmol])
×(nT1経過後の単位時間当たりの排ガス量[Nm/h])・・・(8)
空気予熱器洗浄時期予測部15は、熱交換エレメント表面上の付着灰中の酸性硫安比率(ここでは、15/100=0.15)と、ステップS6で求めたnT1経過後の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値Δmnとを用いて、下記(9)式により、nT1経過後の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを求める(ステップS7)。あるいは、より好ましくは、熱交換エレメントへの灰付着率(ここでは、90%)を考慮し、下記(9)式に灰付着率を乗じた下記(10)式により、nT1経過後の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを求める。この場合、熱交換エレメントへの灰付着率は、予め第2の領域142に記憶されているものとする。
ΔMn[kg/h]=(Δmn[kg/h]/(15/100))・・・(9)
ΔMn[kg/h]
=(Δmn[kg/h]/(15/100))×(90/100)・・・(10)
そして、空気予熱器洗浄時期予測部15は、予測間隔T1経過後の付着灰生成量予測値ΔMnに予測間隔T1を乗じて、第3の領域143に記憶された灰付着量予測値Mnに加算し、新たな灰付着量予測値Mnとする(ステップS8)。
空気予熱器洗浄時期予測部15は、現在からの経過時間nT1がpT2以上となったか否かを判定する(ステップS9)。現在からの経過時間nT1がpT2未満である場合には(ステップS9;No)、ステップS12に移行する。現在からの経過時間nT1がpT2以上となると(ステップS9;Yes)、空気予熱器洗浄時期予測部15は、その時点(nT1≧pT2)における単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMn(pT2)及び灰付着量予測値Mn(pT2)を第3の領域143に記憶し(ステップS10)、pの値をインクリメントして(ステップS11)、ステップS12に移行する。
空気予熱器洗浄時期予測部15は、第3の領域143に記憶された灰付着量予測値Mnが第2の領域142に記憶されている灰付着量制限値Mmax以上となったか否かを判定する(ステップS12)。灰付着量予測値Mnが灰付着量制限値Mmax未満である場合には(ステップS12;No)、空気予熱器洗浄時期予測部15は、nの値をインクリメントして(ステップS13)、ステップS6の処理に戻り、ステップS6乃至S12の処理を繰り返し行う。灰付着量予測値Mnが灰付着量制限値Mmax以上となると(ステップS12;Yes)、空気予熱器洗浄時期予測部15は、現在から時間nT1経過後を空気予熱器の洗浄必要時期Qとして第3の領域143に記憶する(ステップS14)。
そして、空気予熱器洗浄時期予測部15は、現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔM及び灰付着量Mと、現在から予測値表示間隔T2経過毎の将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMn(pT2)及び灰付着量予測値Mn(pT2)と、空気予熱器の洗浄必要時期Qとを処理結果として表示部13に出力し(ステップS15)、n,pの各値をリセット(n=1,p=1)して(ステップS16)、ステップS2の処理に戻り、ステップS2乃至S15の処理を繰り返し行う。
上述した空気予熱器洗浄時期予測処理により、処理周期t毎の付着灰生成量ΔM×tが積算されて現在の灰付着量Mが得られ、予測間隔T1毎の付着灰生成量予測値ΔMn×T1が積算されて現在の灰付着量Mに加算されることで将来の灰付着量予測値Mnが得られる。そして、現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔM及び灰付着量M、現在から予測値表示間隔T2経過毎の将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMn(pT2)及び灰付着量予測値Mn(pT2)、及び空気予熱器の洗浄必要時期Qが処理周期t毎に更新され表示される。
なお、上記処理フローの各種処理結果は、操作者が入力部11を操作することにより出力部12から出力することも可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法は、脱硝出口から漏出する残留アンモニア濃度と排ガス量とから現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量Δmを求め、求めた現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量Δmを熱交換エレメント表面上の付着灰中の酸性硫安比率で除して現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔMを求め、求めた現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔMを積算して現在の灰付着量Mを求める。そして、脱硝出口から漏出する残留アンモニア濃度に応じた将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率に応じた将来の排ガス量とから将来の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値Δmnを求め、求めた単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値Δmnを熱交換エレメント表面上の付着灰中の酸性硫安比率で除して将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを求め、求めた将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを積算して現在の灰付着量Mに加算して将来の灰付着量予測値Mnを求め、求めた将来の灰付着量予測値Mnが灰付着量制限値Mmax以上となる時期を、空気予熱器1の洗浄必要時期Qとして予測する。これにより、熱交換エレメントへの現在の灰付着量に基づいて将来の灰付着量を予測することができ、空気予熱器1の圧力損失(差圧)が顕在化する前に、空気予熱器1の洗浄作業が必要な時期を予測することができる。その結果、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法が予測した洗浄作業が必要な時期に基づいて、洗浄作業を行う空気予熱器1の定期点検時期を予め計画することができる。
また、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法は、付着灰中の酸性硫安比率を、0.14よりも大きく、且つ、0.16よりも小さい値とした。この付着灰中の酸性硫安比率は、付着灰の分析結果に基づいて導出したものであるので、熱交換エレメント表面上に生成した現在の灰付着量Mを高精度に求めることができ、延いては、将来の灰付着量Mnを高精度に予測することができるので、空気予熱器1の洗浄必要時期Qの予測精度を高めることができる。
また、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測方法は、予測した空気予熱器1の洗浄必要時期Qに加え、現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔM、現在の灰付着量M、将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMn、及び将来の灰付着量予測値Mnを出力する。これにより、空気予熱器1の洗浄必要時期Qに至るまでの空気予熱器1の状態を把握することができる。また、脱硝触媒の状態を推測することができ、脱硝触媒の交換計画の立案にも寄与することができる。
また、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測装置は、空気予熱器1の洗浄時期予測処理を行い、当該洗浄時期予測処理における処理結果を出力する空気予熱器洗浄時期予測部15を備え、空気予熱器洗浄時期予測部15は、脱硝出口から漏出する残留アンモニア濃度と排ガス量とから現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量Δmを求め、求めた現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量Δmを熱交換エレメント表面上の付着灰中の酸性硫安比率で除して現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔMを求めて記憶部14に記憶し、求めた現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔMを積算して現在の灰付着量Mを求めて記憶部14に記憶する。そして、空気予熱器洗浄時期予測部15は、脱硝出口から漏出する残留アンモニア濃度に応じた将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率に応じた将来の排ガス量とから将来の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値Δmnを求め、求めた単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値Δmnを熱交換エレメント表面上の付着灰中の酸性硫安比率で除して将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを求めて記憶部14に記憶し、求めた将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを積算して現在の灰付着量Mに加算して将来の灰付着量予測値Mnを求めて記憶部14に記憶し、求めた将来の灰付着量予測値Mnが灰付着量制限値Mmax以上となる時期を、空気予熱器1の洗浄必要時期Qとして予測して記憶部14に記憶する。そして、空気予熱器洗浄時期予測部15は、記憶部14に記憶された現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔM、現在の灰付着量M、将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMn、将来の灰付着量予測値Mn、及び空気予熱器1の洗浄必要時期Qを出力する。これにより、熱交換エレメントへの現在の灰付着量に基づいて将来の灰付着量を予測することができ、空気予熱器1の圧力損失(差圧)が顕在化する前に、空気予熱器1の洗浄作業が必要な時期を予測することができ、予め計画した空気予熱器1の定期点検時期に併せて、空気予熱器1の洗浄作業を実施することができる。また、空気予熱器1の洗浄必要時期Qに至るまでの空気予熱器1の状態を把握することができ、さらに、脱硝触媒の状態を推測することができるので、脱硝触媒の交換計画の立案にも寄与することができる。
また、本実施形態に係る空気予熱器洗浄時期予測装置は、現在の単位時間当たりの付着灰生成量ΔM及び将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値ΔMnを求める際の付着灰中の酸性硫安比率が0.14よりも大きく、且つ、0.16よりも小さい値に設定されている。この付着灰中の酸性硫安比率は、付着灰の分析結果に基づいて導出したものであるので、熱交換エレメント表面上に生成した現在の灰付着量Mを高精度に求めることができ、延いては、将来の灰付着量Mnを高精度に予測することができるので、空気予熱器1の洗浄必要時期Qの予測精度を高めることができる。
1 空気予熱器
2 ボイラ
3 脱硝装置
4 ガスダクト
5 空気ダクト
10 空気予熱器洗浄時期予測装置
11 入力部
12 出力部
13 表示部
14 記憶部
15 空気予熱器洗浄時期予測部
16 制御部
100 石炭火力発電所

Claims (5)

  1. アンモニアが添加されて脱硝触媒を通過した排ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行う空気予熱器への付着灰を除去する洗浄時期を予測する空気予熱器洗浄時期予測方法であって、
    前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度と前記排ガスの排ガス量とから現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量を求めるステップと、
    前記酸性硫安生成量を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して現在の単位時間当たりの付着灰生成量を求めるステップと、
    前記付着灰生成量を積算して現在の灰付着量を求めるステップと、
    前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度に応じた将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率に応じた将来の排ガス量とから将来の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値を求めるステップと、
    前記酸性硫安生成量予測値を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値を求めるステップと、
    前記付着灰生成量予測値を積算して現在の前記灰付着量に加算して将来の灰付着量予測値を求めるステップと、
    前記灰付着量予測値が灰付着量制限値以上となる時期を、前記空気予熱器の洗浄必要時期として予測するステップと、
    を有する、
    空気予熱器洗浄時期予測方法。
  2. 前記付着灰中の酸性硫安比率は、0.14よりも大きく、且つ、0.16よりも小さい、
    請求項1に記載の空気予熱器洗浄時期予測方法。
  3. 前記空気予熱器の洗浄必要時期、前記付着灰生成量、前記灰付着量、前記付着灰生成量予測値、及び前記灰付着量予測値のうち、少なくとも前記空気予熱器の洗浄必要時期を出力する、
    請求項1に記載の空気予熱器洗浄時期予測方法。
  4. アンモニアが添加されて脱硝触媒を通過した排ガスと燃焼用空気との間で熱交換を行う空気予熱器への付着灰を除去する洗浄時期を予測する空気予熱器洗浄時期予測装置であって、
    前記空気予熱器の洗浄時期予測処理を行い、当該洗浄時期予測処理における処理結果を出力する空気予熱器洗浄時期予測部と、
    前記処理結果を記憶する記憶部と、
    を備え、
    前記空気予熱器洗浄時期予測部は、
    前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度と前記排ガスの排ガス量とから現在の単位時間当たりの酸性硫安生成量を求め、
    前記酸性硫安生成量を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して現在の単位時間当たりの付着灰生成量を求めて前記記憶部に記憶し、
    前記付着灰生成量を積算して現在の灰付着量を求めて前記記憶部に記憶し、
    前記脱硝触媒から漏出する残留アンモニア濃度に応じた将来の残留アンモニア濃度と発電所利用率に応じた将来の排ガス量とから将来の単位時間当たりの酸性硫安生成量予測値を求め、
    前記酸性硫安生成量予測値を前記付着灰中の酸性硫安比率で除して将来の単位時間当たりの付着灰生成量予測値を求めて前記記憶部に記憶し、
    前記付着灰生成量予測値を積算して現在の前記灰付着量に加算して将来の灰付着量予測値を求めて前記記憶部に記憶し、
    前記灰付着量予測値が灰付着量制限値以上となる時期を、前記空気予熱器の洗浄必要時期として予測して前記記憶部に記憶し、
    前記記憶部に記憶された前記洗浄必要時期、前記付着灰生成量、前記灰付着量、前記付着灰生成量予測値、及び前記灰付着量予測値のうち、少なくとも前記空気予熱器の洗浄必要時期を出力する、
    空気予熱器洗浄時期予測装置。
  5. 前記空気予熱器洗浄時期予測部は、
    前記付着灰中の酸性硫安比率が0.14よりも大きく、且つ、0.16よりも小さい値に設定されている、
    請求項4に記載の空気予熱器洗浄時期予測装置。
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