JPH0949610A - 燃焼装置 - Google Patents

燃焼装置

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JPH0949610A
JPH0949610A JP7201146A JP20114695A JPH0949610A JP H0949610 A JPH0949610 A JP H0949610A JP 7201146 A JP7201146 A JP 7201146A JP 20114695 A JP20114695 A JP 20114695A JP H0949610 A JPH0949610 A JP H0949610A
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exhaust gas
temperature
boiler
water
heat exchanger
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JP7201146A
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Takaharu Kurumachi
隆治 車地
Motoroku Nakao
元六 仲尾
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腐食性が強いNH4HSO4の析出を防止し、
腐食性のない(NH42SO4 を選択的に析出させて、
脱硝装置の後流側に配置される熱交換器の腐食を防止す
る。 【構成】 ボイラ1、スチームタービン2、スチームタ
ービン2に連結された発電機3、ガスタービン4、ガス
タービン4に連結された発電機5、ガスタービン4の排
ガスをボイラ1に供給する排ガス供給管6、脱硝装置
7、熱交換器である高圧給水加熱器8及び低圧給水加熱
器9、電気集塵器10、排気ポンプ11、煙突12、復
水器13、給水ポンプ14、水噴霧装置21、水噴霧装
置21に水を供給する給水ポンプ22とから燃焼装置を
構成する。水噴霧ノズル21aを、前記両加熱器8,9
間のNH4HSO4析出温度以上の温度域に配置して水噴
霧を行い、ボイラ排ガス温度を(NH42SO4 の析出
温度まで急冷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼装置に係り、特に、
イオウを含有する燃料を燃焼するボイラと、ボイラ排ガ
スを脱硝する脱硝装置と、ボイラ排熱を回収する熱交換
器とを備えた燃焼装置における熱交換器の腐食防止技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境の保護を図りつつ電力需要の増
大に対処するため、各種の高効率発電設備の開発が進め
られているが、既設の経年火力発電設備においても、発
電設備のコンバイン化による発電効率の改善、即ちリパ
ワリングが重要な技術的課題の1つになっている。リパ
ワリングの方式には、各種のものが提案されているが、
既設のスチーム発電設備にガスタービン発電設備をコン
バインし、ガスタービンの排ガスをボイラの燃焼用に使
用する排気再燃型コンバインドサイクルが主流である。
排気再燃型コンバインドサイクルとしては、排ガスの燃
焼が容易であることからガス焚ボイラを対象としたもの
がほとんどであるが、燃料供給上の制約から油焚きボイ
ラにガスタービンをコンバインしたものも考えられてい
る。
【0003】図6に、従来より提案されている油焚き排
気再燃システムの構成を模式的に示す。この図におい
て、1はボイラ、2はボイラ1にて発生する高温高圧の
蒸気で駆動されるスチームタービン、3はスチームター
ビン2に連結された発電機、4はガスタービン、5はガ
スタービン4に連結された発電機、6はガスタービン4
の排ガスをボイラ1に供給する排ガス供給管、7はボイ
ラ1の出口に設けられた脱硝装置、8は高圧給水加熱
器、9は低圧給水加熱器、10は電気集塵器、11は排
気ポンプ、12は煙突、13はスチームタービン2の出
口に設けられた復水器、14は復水器13より供給され
る水を前記高圧給水加熱器8及び低圧給水加熱器9を介
してボイラ1の水管に供給するポンプを示している。
【0004】本例の油焚き排気再燃システムは、ガスタ
ービン4に連結された発電機で発電を行うと共に、排ガ
ス供給管6を介してボイラ1内に供給されるガスタービ
ン4の排ガスを用いて重油を燃焼し、ボイラ1で発生さ
せた蒸気でスチームタービン2及び発電機3を回転し発
電を行う。ボイラ1から排出される排ガスは、排気ポン
プ11で吸引されて脱硝装置7に入り、窒素酸化物(N
Ox)が除去される。脱硝装置7を出た排ガスは、高圧
給水加熱器8及び低圧給水加熱器9を順次通過した後、
電気集塵器10にて燃焼灰が除去され、排気ポンプ11
を介して煙突12より大気中に放出される。高圧給水加
熱器8及び低圧給水加熱器9では、排ガスによる給水の
加熱が行われ、加熱された水はポンプ14によってボイ
ラ1の火炉を構成する水管に供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ボイラ排ガ
ス中には、重油などイオウを含有する燃料を燃焼させた
ときに発生するSO2 が燃料中のイオウ量に応じて数十
ppm〜数百ppmのオーダーで含まれると共に、SO
2 がボイラ火炉1内あるいは脱硝装置7内で酸化される
ことによって生成されるSO3 が数ppm〜数十ppm
のオーダーで含まれる。また、脱硝装置7では、NOx
を還元するために排ガス中にNH3 が供給されるので、
脱硝装置以降の排ガス中には、数ppm〜数十ppmの
SO3 とNH3 とが共存する。
【0006】SO3 とNH3 の反応についてみると、温
度条件に応じて、NH4HSO4(酸性硫安),(N
42SO4 (硫安),(NH4227という異なる
反応生成物が、選択的に析出してくる。図7(池田、小
谷田「酸露点計による酸性硫安生成機構の解明」、火力
原子力発電、Jan.1978参照)に、SO3 が2p
pm又は10ppmであり、NH3 が10ppm又は2
0ppmである場合の上記反応生成物の析出温度を示
す。図7から明らかなように、いずれの条件において
も、各反応生成物の析出温度は、NH4HSO4>(NH
42SO4>(NH4227 の順に高くなっている。
【0007】したがって、脱硝装置7の後流側に配置さ
れた高圧給水加熱器8及び低圧給水加熱器9において
は、熱交換によって排ガス温度が低下してくると、まず
下式の反応によって、NH4HSO4が析出してくる。
【0008】
【化1】
【0009】上式の反応は、NH31モルに対してSO3
が1モル反応するものであるので、余剰分のNH3ある
いはSO3は後流側に流れて行くが、上式の反応は反応
速度が大きいため、排ガス温度が220℃〜230℃の
温度域で、ほとんどがNH4 HSO4 として析出する。
ところが、NH4HSO4は融点が147℃であり、その
析出温度(220℃〜230℃)よりも低いため、高圧
給水加熱器8及び低圧給水加熱器9内では、析出と同時
に溶解が始まり、熱交換チューブの表面に水飴状になっ
て付着する。NH4HSO4は強い腐食性を有するので、
これを放置すると熱交換チューブに激しい腐食を生じ
る。
【0010】なお、排ガス中におけるNH3 濃度及びS
3 濃度は、ともに数ppm〜数十ppmのオーダーで
あるので、その析出は緩やかであるが、NH3 及びSO
3 の濃度がそれぞれ5ppmで、排ガス量が330万N
3 /h(100万KW級ボイラ)とすると、1日当た
りのNH4HSO4の析出量は約2トンにもなるので、そ
の減少を図ることは、熱交換チューブの腐食を防止する
上で重要である。
【0011】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、腐食性が強いNH4HSO4
析出を防止し、脱硝装置の後流側に配置される熱交換器
が腐食されにくい燃焼装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の目的を
達成するため、イオウを含有する燃料を燃焼するボイラ
と、ボイラ排ガス中にアンモニアを吹き込んで脱硝する
脱硝装置と、ボイラ排熱を回収する熱交換器とを備えた
燃焼装置において、前記熱交換器に、酸性硫安析出温度
以上の温度域で水噴霧を行い、ボイラ排ガス温度を硫安
析出温度以下まで急冷する水噴霧装置を設けるという構
成にした。
【0013】
【作用】前記したように、NH4HSO4と(NH42
4 との析出温度を比較すると、NH4HSO4の方が
(NH42SO4 よりも析出温度が高い。また、両者の
腐食性を比較すると、前者は強い腐食性を有するのに対
して、後者はほとんど腐食性をもたない。即ち、前出の
図7から明らかなように、NH3 濃度及びSO3 濃度が
共に10ppmの場合、NH4HSO4の析出温度が22
8℃であるのに対して(NH42SO4 の析出温度は2
12℃であり、排ガス温度を16℃急冷するだけで、腐
食性の強いNH4HSO4の析出を防止でき、ほとんど腐
食性をもたない(NH42SO4 を析出させることがで
きる。よって、熱交換器の腐食を確実に防止できる。但
し、固体状態の(NH42SO4 が大量に熱交換チュー
ブの表面に析出すると、伝熱性能が低下して熱交換効率
が低下するので、例えばスートブロア等の手段によって
チューブ表面に堆積した(NH42SO4 を払い落す等
の配慮が必要になる。この場合、(NH42SO4 の融
点は513℃と高く、熱交換チューブの表面に固体状態
で析出するので、スートブロア等によって容易に払い落
すことができる。
【0014】排ガスの急冷手段としては、排ガス中に水
噴霧を行い、その蒸発潜熱を利用する方法が工業的には
最適である。即ち、排ガス温度を16℃下げるのに必要
な水分量は、排ガス量が330万Nm3 /hの100万
KW級ボイラの場合、約24トン/hであり、十分工業
的に可能である。また、この水分量は、排ガス中の水分
量を水噴霧しない場合の10.0%から10.7%に増
加させる程度の値であるので、熱交換器の熱交換効率を
著しく劣化させることがないばかりか、水噴霧によって
燃焼灰の誘電率を上げることができるので、電気集塵器
による集塵効率の改善も期待できる。
【0015】
【実施例】実施例に係る燃焼装置を、図1及び図2に基
づいて説明する。図1は実施例に係る油焚き排気再燃シ
ステムを模式的に示す構成図であり、図2は本例システ
ムに適用される熱交換器の内部構成と当該熱交換器内を
流れる排ガスの温度分布とを示す説明図である。
【0016】図1において、符号21は水噴霧装置、符
号22は当該水噴霧装置21に噴霧水を供給するポンプ
を示し、その他前出の図6と対応する部分には、それと
同一の符号が表示されている。この図から明らかなよう
に、本例の油焚き排気再燃システムは、従来の油焚き排
気再燃システムに、水噴霧装置21と給水ポンプ22と
を設けたことを特徴とする。
【0017】図2に示すように、本例においては、高圧
給水加熱器8と低圧給水加熱器9とが同一のダクト23
内に設置されており、水噴霧装置21のノズル21a
が、高圧給水加熱器8と低圧給水加熱器9の間に取り付
けられている。ノズル21aとしては、必要に応じて任
意のノズルを適宜選択して用いることができるが、二流
体ノズルであって、平均水滴径が100μm程度のもの
が特に好ましい。ノズル21aの取付位置は、ダクト2
3内を流れる排ガスの温度がNH4HSO4の析出温度よ
りも高い位置に設定される。
【0018】即ち、高圧給水加熱器8の入口には、通常
350℃程度の排ガスが脱硝装置7より導入されるが、
熱交換器である高圧給水加熱器8を通過する過程で排ガ
スは順次冷却され、当該高圧給水加熱器8と次段の低圧
給水加熱器9との中間当たりでNH4HSO4の析出温度
である218℃〜230℃になる(図7参照)。したが
って、このNH4HSO4の析出を防止すべく、ノズル2
1aは、ダクト23内の排ガス温度が218℃〜230
℃になる位置よりも上流側に設定される。ノズル21a
は、排ガス温度がNH4HSO4の析出温度よりも高い任
意の位置に設定可能であるが、余り高温部に設定する
と、腐食性のない(NH42SO4 を析出させるための
排ガスの急冷が困難になり、反対に余り低温側に寄り過
ぎた位置に設定すると、ボイラ1の運転条件によっては
腐食性の強いNH4HSO4の析出を防止できない場合を
生じるので、これらを考慮して、図2に示すように、排
ガス温度が235℃〜240℃になる位置に設定するこ
とが好ましい。したがって、ノズル21aの取付位置
は、必ずしも高圧給水加熱器8と低圧給水加熱器9の中
間部に限定されるものではなく、排ガス温度がNH4
SO4の析出温度以上の適宜の位置に設定できるが、設
計時に高圧給水加熱器8の伝熱面積を適切に決めること
によって、高圧給水加熱器8出口の排ガス温度が235
℃〜240℃になるようにし、該部にノズル21aを設
定するようになすこともできる。
【0019】ノズル21aの配列や数量、それにノズル
21aから噴霧される水の水量や平均水滴径等について
は、図2に示すように、排ガス温度を、(NH42SO
4 の析出に好適な210℃〜215℃まで急冷できるよ
うに適宜調整される。
【0020】本例の燃焼装置は、高圧給水加熱器8と低
圧給水加熱器9の中間の排ガス温度がNH4HSO4の析
出温度よりも高い位置に水噴霧装置21のノズル21a
を設定し、排ガス温度を(NH42SO4 の析出に好適
な温度まで急冷するようにしたので、腐食性の強いNH
4HSO4の析出を防止でき、腐食性がほとんどない(N
42SO4 を選択的に析出させることができるので、
熱交換器である高圧給水加熱器8及び低圧給水加熱器9
の熱交換チューブの腐食を防止あるいは著しく緩和でき
る。また、(NH42SO4 は融点が高く、固体状態で
熱交換チューブに析出するので、チューブ表面に堆積し
ても、例えばスートブロア等によって容易に払い落すこ
とができ、伝熱性能の低下による熱交換効率の低下を防
止できる。また、排ガスの急冷手段として、水噴霧方式
を用いたので、排ガス温度を所要の温度まで容易に急冷
できると共に、水噴霧によって燃焼灰の誘電率を上げる
ことができるので、電気集塵器10による集塵効率の改
善も期待できる。
【0021】なお、本発明の要旨は、熱交換器に水噴霧
装置を設定し、熱交換器内の排ガス温度をNH4HSO4
の析出温度よりも低い温度に急冷することによって、腐
食性のない(NH42SO4 を選択的に析出させるよう
にしたことにあるのであって、他の部分については、前
記実施例の構成に限定されるものではない。例えば、前
記実施例においては、低圧給水加熱器9の後段に電気集
塵器10を設定したが、かかる構成に代えて、図3に示
すように、高圧給水加熱器8の直後に電気集塵器10を
設定することもできる。
【0022】以下、本発明の有効性を立証するための実
験例と比較例を、図4及び図5に基づいて説明する。図
4は実験例に係る装置の構成図、図5は比較例に係る装
置の構成図である。
【0023】これらの図において、31はダクト、32
は送風機、33は電気ヒータ、34はNH3 ボンベ、3
4aはNH3 噴出ノズル、35はSO2 ボンベ、35a
はSO2 噴出ノズル、36は白金ワイヤを網状に編んで
なる白金触媒、37は炭素鋼製のフィンチューブが多段
に設けられ、チューブ内に水が流通された熱交換器、3
8はダクト31の送風方向に沿って設定された複数個の
熱電対、39は実験例に係る装置に設定された水噴霧ノ
ズルを示している。これらの図から明らかなように、実
験例に係る装置には水噴霧ノズル39が設定され、比較
例に係る装置には水噴霧ノズル39が設定されていない
点を除いて、両装置は同一に構成されている。
【0024】まず、比較例に係る装置(図5)を用い
て、以下の手順で実験を行った。電気ヒータ33によ
り、送風機32から送られてきた空気を約300℃に加
熱し、NH3 ボンベ34及びSO2 ボンベ35より空気
中のNH3 及びSO2 濃度が夫々8〜10ppmと20
0〜250ppmになるように、NH3 とSO2 を添加
した。白金触媒36を用いてSO2 を酸化し、SO3
生成させた。ダクト31より白金触媒36の後流のガス
を一部取り出し、スパイラル管に凝縮させる方式でガス
中のSO3 量を測定したところ、約20ppmであるこ
とが確認された。熱電対38によりダクト内のガス温度
を継続的に測定しながら、前記の状態を100時間保持
し、しかる後にフィンチューブの腐食状況を調べた。ガ
ス温度が300℃〜230℃の上流域のチューブ3本に
ついては、全く腐食の痕跡が認められなかったが、4本
目のチューブには白い水飴状のものが付着し、5本目及
び6本目のチューブには付着物はなかった。4本目のチ
ューブの付着物を除去し、フィンの肉厚を数箇所にわた
って測定したところ、0.1mm〜0.15mmの減肉
が認められた。この減肉量は、年間量に換算すると、
0.9mm〜1.3mmに相当するものであり、非常に
大きな腐食速度であるといえる。また、上記の付着物を
X線回折法にて調べたところ、NH4HSO4であること
が分かった。
【0025】比較例の装置を用いた実験の結果、3本目
のフィンチューブと4本目のフィンチューブの間の温度
でNH4HSO4が析出することが分かったので、実験例
に係る装置を用いた実験では、図4に示すように、3本
目のフィンチューブと4本目のフィンチューブとの間に
水噴霧ノズル39を設けた。なお、水噴霧ノズル39と
しては、空気で水をアトマイズする二流体ノズルを用い
た。NH3 及びSO2 を注入するに先立ち、水噴霧ノズ
ル39より水噴霧を行い、蒸発が完了すると思われるノ
ズル39から1mm後流域のガス温度を測定して、ガス
温度が約210℃になるように水噴霧量を調整した。そ
の後、ダクト31内の温度、NH3 添加量、それにSO
2 添加量を先に行った実験と同一に調整し、その状態を
100時間保持した。100時間経過後、フィンチュー
ブの腐食状況を調べたところ、上流域のチューブ3本に
ついては、比較例と同様に全く腐食の痕跡が認められ
ず、付着物も見られなかった。水噴霧ノズル39の直後
の4本目のチューブには、白いさらさらした感じの付着
物が観察された。この付着物をX線回折法にて調べたと
ころ、(NH42SO4 であることが分かった。付着物
を除去した後、フィンの肉厚を数箇所にわたって測定し
たところ、腐食による減肉は認められなかった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱交換器間の排ガス温度がNH4HSO4の析出温度以上
の温度域に水噴霧ノズルを設定し、排ガス温度を(NH
42SO4 の析出に好適な温度まで急冷するようにした
ので、腐食性の強いNH4HSO4の析出を防止でき、腐
食性がほとんどない(NH42SO4 を選択的に析出さ
せることができるので、熱交換器の熱交換チューブの腐
食を防止あるいは著しく緩和できる。また、(NH42
SO4 は融点が高く、固体状態で熱交換チューブに析出
するので、チューブ表面に堆積しても、例えばスートブ
ロア等によって容易に払い落すことができ、伝熱性能の
低下による熱交換効率の低下を防止できる。また、排ガ
スの急冷手段として、水噴霧方式を用いたので、排ガス
温度を所要の温度まで容易に急冷できると共に、水噴霧
によって燃焼灰の誘電率を上げることができるので、電
気集塵器による集塵効率の改善も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る油焚き排気再燃システムの構成図
である。
【図2】実施例に係る油焚き排気再燃システムに適用さ
れる熱交換器の内部構成と当該熱交換器内を流れる排ガ
スの温度分布とを示す説明図である。
【図3】他の実施例に係る油焚き排気再燃システムの構
成図である。
【図4】実験例に係る装置の構成図である。
【図5】比較例に係る装置の構成図である。
【図6】従来より提案されている油焚き排気再燃システ
ムの構成図である。
【図7】排ガス成分と反応生成物の析出温度との関係を
示す表図である。
【符号の説明】
1 ボイラ 2 スチームタービン 4 ガスタービン 6 排ガス供給管 7 脱硝装置 8 高圧給水加熱器 9 低圧給水加熱器 10 電気集塵器 11 排気ポンプ 12 煙突 13 復水器 14 給水ポンプ 21 水噴霧装置 21a ノズル 22 給水ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオウを含有する燃料を燃焼するボイラ
    と、ボイラ排ガス中にアンモニアを吹き込んで脱硝する
    脱硝装置と、ボイラ排熱を回収する熱交換器とを備えた
    燃焼装置において、前記熱交換器に、酸性硫安析出温度
    以上の温度域で水噴霧を行い、ボイラ排ガス温度を硫安
    析出温度以下まで急冷する水噴霧装置を設けたことを特
    徴とする燃焼装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃焼装置において、前
    記熱交換器が、給水加熱器であることを特徴とする燃焼
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の燃焼装置において、前
    記熱交換器が、管型空気予熱器であることを特徴とする
    燃焼装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の燃焼装置において、前
    記水噴霧装置の直後に電気集塵器を設けたことを特徴と
    する燃焼装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の燃焼装置において、前
    記ボイラの燃料が重油であることを特徴とする燃焼装
    置。
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