本発明に係るオフタイマ付き装置の一例として、スキャン機能、印刷機能、及びコピー機能を有する画像形成装置(複合機)を例に挙げるが、他の機能を有する複合機に適用することができ、さらにはスキャナ装置、ファクシミリ装置、プリンタ、表示装置、映像再生機器、映像録画再生機器、チューナ機器(Set Top Box等)など、様々な装置にも適用することができる。
図1は、本発明によるオフタイマ付き装置の一例としての画像形成装置の一構成例を示すブロック図である。図1で例示する画像形成装置1は、オフタイマ15cを備えた装置であり、スキャン機能、印刷機能、及びコピー機能を有するものとする。
これらの機能の実現のために、画像形成装置1は、スキャナ部11、画像処理部12、印刷部13、通信部14、制御部15、操作部16、表示部17、及び記憶部18を備える。この例では、オフタイマ15cを制御部15の一部として設けている。
スキャナ部11は、図示していない原稿台に載置された原稿、若しくは自動原稿送り装置にセットされ順に送り出される原稿を、光学的に読み取り、電気信号の画像データへと変換を行う。画像処理部12は、スキャナ部11から入力された画像データに対して各種画像処理を施し、印刷部13や記憶部18に出力する。印刷部13は、画像処理部12から出力された画像データを紙等の媒体上に印刷を行う。通信部14は、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部装置と有線/無線LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続して通信を行う。
制御部15は、画像形成装置1の全体の制御を行うためのものであり、CPU(Central Processing Unit)、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)、及び、制御プログラムを記録したROM(Read Only Memory)やHDD(Hard disk drive)等の記憶装置などで構成される。ここで、制御プログラムとは、本発明に係る処理を含む画像形成装置1の処理を、CPUに実行させるためのプログラムである。なお、制御部15中の各部の処理については後述する。
操作部16は、接触接点を用いたハードキー群で構成されており、押下されたキーに応じた信号を制御部15に操作信号として伝える。ハードウェアキーとしては、例えば、画像形成装置1の電源のON/OFFを指示する電源キー、スキャナ部11により原稿を読み取り、記憶部18への記憶を指示するスキャナキー、スキャナ部11により原稿を読み取り、印刷部13にて印刷を指示するコピーキー、印刷部数を指示するための数字キーなどが挙げられる。
表示部17は、画像を表示する表示パネルでなり、例えば操作部16の一部としてのタッチパネルを搭載することも可能である。タッチパネルを搭載した場合、表示パネルにはユーザ操作を受け付ける各種のボタンや入力欄を含むGUI(Graphical User Interface)画像を表示するようにしておき、ユーザ操作を受け付けることで他のGUI画像への遷移も可能にしておけばよい。
記憶部18は、プリント情報18a、Webページ情報18b、及び設定情報18cを記憶する。換言すれば、記憶部18は、プリント情報記憶部、Webページ情報記憶部、及び設定情報記憶部を備えていると言える。
プリント情報18aは、スキャナ部11にて読み取った画像データや、通信部14を介して受信した画像データなどを指し、画像処理部12により画像処理が施された後のデータであってもよい。プリント情報18aは、操作部16からのユーザ操作や外部装置でのユーザ操作に基づく印刷指示により、後に呼び出され印刷部13にて印刷することが可能となっている。
Webページ情報18bは、通信部14での通信により外部装置から要求され得るWeb画面ページのデータを含む。このWeb画面ページのデータは、外部装置から例えば画像形成装置1のURL(Uniform Resource Locator)、つまりWebアドレスを指定することで要求されるものであり、その要求に対して返信するUI(User Interface)画像のデータを指す。
このWeb画面ページのデータは、画像形成装置1に格納されている情報であるため、画像形成装置1に特有の情報を含むことができる。例えば、Web画面ページには画像形成装置1の装置情報を示す画像が含まれ、この装置情報としては装置の機番や装置の現在の使用状況(用紙の使用枚数等)などが挙げられる。つまり、外部装置からはこれらの装置情報を確認(閲覧)することができるように、画像形成装置1を構成することができる。
設定情報18cは、画像形成装置1の各種設定内容を示す情報であり、基本的にジョブ毎にその情報が書き換えられる。設定情報18cとしては、外部装置から画像形成装置1に対して設定を行った結果を受信したものであっても、操作部16から設定を行った結果を受け付けたものであっても、両者を混合した情報(例えば外部装置からの設定の内容を優先)であってもよい。コピージョブやプリントジョブの設定情報18cの具体例としては、カラーモード(自動/フルカラー/モノクロ)、解像度(600×600bpi/300×300bpi)、部数、仕上げ(ソート/グループ)などを挙げることができる。
例えば、ユーザが外部装置から画像形成装置1で印刷設定を行いたい場合、(A)外部装置からプリンタドライバのUI画像データ(設定項目を含むUI画像のデータ)を画像形成装置1に対して要求するか、若しくは、(B)外部装置に組み込まれたプリンタドライバのUI画像データを表示させて設定情報18cを要求することになる。
上記(A)の場合、画像形成装置1は、Webページ情報18bとして記憶されている遠隔設定操作用のUI画像のデータ(Web画面ページのデータ)を読み出して、現在の設定情報18cを反映させてそのデータを外部装置に返信する。これにより、画像形成装置1の動作に関する設定を遠隔に設置された外部装置から行うことができる。この動作に関する設定としては、外部装置から印刷を指示する際の印刷設定に限らず、例えば、コピー実行時にカラーモードで実行するか白黒モードで実行するかなど、画像形成装置1における標準状態での動作設定であってもよい。上記(B)の場合、画像形成装置1は、要求された設定情報18cを返信すればよい。上記(A),(B)のいずれの場合でも、外部装置を用いたユーザは、画像形成装置1で設定を行い、それを設定情報18cに反映させることができる。
次に、制御部15の詳細について説明する。
オフタイマ15cは、待機状態に移行するためのタイマであり、通常の稼働状態で、通信部14で受信した外部からの処理要求や操作部16からの処理要求がなされてから時間の計測を開始し、新たに処理要求があった場合にリセットしながら、所定の移行時間が経過するまで計測を行い、制御部15(制御部15に設けた図示しない待機状態移行部)が計測終了時に待機状態(一部を除く電源オフ状態)にする。なお、後述するが、本発明ではこの移行時間の設定が可能になっている。
ここで、待機状態とは、通常の稼働状態より省電力で、外部からの処理要求、操作部16からの処理要求、内部タイマによる処理要求などを待ち受ける状態を指し、待機モードと呼ばれることもある。通常の稼働状態は、省電力で電力を抑えた待機状態とは異なり、画像形成装置1の全体に電源を供給して全ての部位を通常通り使用できるようにした状態を指し、通常状態、通常モード、処理モードなどとも呼ばれる。
そして、画像形成装置1は、待機状態で処理要求を受け付けたときに、待機状態を解除する待機状態解除部15aを備える。図1の例では制御部15の一部として待機状態解除部15aを設けている。画像形成装置1では、待機状態においては必要な部位だけ(この例では通信部14、操作部16、及び待機状態解除部15a)に電源が供給されているが、待機状態解除部15aは、待機状態を解除して通常状態へ移行するに際しては、画像形成装置1の全体(若しくは少なくとも受け付けた処理要求を実行するのに必要な部位)への電源供給を開始する。
また、画像形成装置1の各部は、受け付けた処理要求に応じて、その処理要求の内容に応じた処理を実行することになる。例えばプリント要求であれば、画像処理部12、印刷部13、記憶部18、及び制御部15がこの処理を実行することになる。なお、受け付けた処理要求のうち、例えば単なる接続確認など既に起動している通信部14のみで対応が可能な内容については、当然、待機状態を維持しておけばよい。
本発明の主たる特徴として、画像形成装置1は、処理要求の内容に応じて、オフタイマ15cにおける待機状態への移行時間を設定する移行時間設定部15bを備える。なお、図1の例では制御部15の一部として移行時間設定部15bを設けている。
画像形成装置1では、上述したように処理要求として複数の内容の処理要求が受け付け可能となっており、移行時間設定部15bでは、この処理要求(無論、待機状態を保ったままで応答できる処理要求は除く)が起動トリガとなって、この処理要求に応じた移行時間を演算し、演算された移行時間に設定する。換言すれば、移行時間設定部15bでは、待機状態から通常状態へ移行する起動トリガに応じてオフタイマ15cの移行時間の設定を変える。
ここで、移行時間を決めるトリガとなる処理要求は、画像形成装置1の外部から(外部装置から)受信した処理要求を含むことが好ましい。画像形成装置1の場合、外部からの処理要求としては、設定確認等の装置情報の送信要求や、プリント要求などが挙げられ、このような送信要求であった場合とプリント要求であった場合とで移行時間を異ならせる。移行時間の設定は、処理要求に係る処理が完了した時点で行ってもよいし、完了する前(例えば処理要求に係る処理の開始前)に行ってもよい。但し、オフタイマによる減算(カウントダウン)は、処理要求に係る処理を完了した時点で開始するようにしておけば、例えば同じプリント要求であっても印刷枚数が多い程、移行時間を増やすように設定することもできる。
上記送信要求については、その送信要求の内容に応じて移行時間を変えるようにすることが好ましい。そのため、要求内容判定部20は、例えば次の項目数抽出部21を有する。この項目数抽出部21は、処理要求の内容が画像形成装置1に記憶された装置情報の送信要求である場合(つまり、待機状態の解除が装置情報に関するデータの要求によるものである場合)で、且つその送信要求が装置情報として画像形成装置1における設定情報18cを送信する要求を含む場合に、その設定情報18cの設定項目数(装置情報の送信に、読み出しが必要となる設定項目数)を抽出する。また、より単純な処理として、この項目数抽出部21は、処理要求の内容が画像形成装置1に記憶された設定情報18cの送信要求である場合に、その設定情報18cの設定項目数を抽出してもよい。
そして、移行時間設定部15bは、項目数抽出部21にて抽出した設定項目数に応じて移行時間を設定する。より具体的には、抽出した設定項目数が多い程、移行時間を増やすように設定する。
上述のような送信要求は、例えばWebアドレスを用いてUI画像のデータを特定して行われる。具体的には、外部装置は、画像形成装置1に対してWebアドレスを指定してWeb画面ページを送信要求を行い、画像形成装置1は、記憶部18のWebページ情報18bのうち指定されたWebアドレスに格納されたWeb画面ページのデータを返信する。ここで、設定項目がWeb画面ページに含まれる場合、画像形成装置1は、設定情報18cを読み出してWeb画面ページの対応箇所に埋め込んでから、外部装置に返す。上記設定項目数とは、このWeb画面ページに含まれる設定項目数を指す。
また、要求内容判定部20は、Web画面ページがフロントページであるか否かを判定するページ判定部22を有するようにしてもよい。なお、1ページは、外部装置に設けられた表示部の表示領域より広い場合もあり、そのような場合にはスクロール操作や縮小表示操作などにより1ページを閲覧することはできる。
そして、移行時間設定部15bは、ページ判定部22での判定結果に応じて移行時間を設定する。より具体的には、送信要求されたWeb画像データがフロントページであった場合には2ページ以降であった場合に比べて、移行時間を増やすように設定する。
また、移行時間を決めるトリガとなる処理要求は、画像形成装置1に設けられた操作部16で受け付けた処理要求を含むことが好ましい。操作部16で受け付ける処理要求としては、コピー処理、スキャン処理、或いは各種設定変更処理などが挙げられるが、これらの間で移行時間を変えるようにすることが好ましい。
また、移行時間を決めるトリガとなる処理要求は、オンタイマ(図示せず)による復帰要求を含むことが好ましい。ここで、オンタイマとは、画像形成装置1を待機状態から通常の稼働状態に復帰させるためのタイマであり、待機状態に入ってから通常状態に移行するまでの移行時間が経過するまで、時間を計測する。待機状態解除部15aは、計測が終了した時点で通常状態に移行させる。
以下、図2〜図6を参照しながら、画像形成装置1における待機状態からの具体的な処理の一例を説明する。図2〜図4は、図1の画像形成装置における処理例を説明するためのフロー図である。また、図5は、図2〜図4の処理において、外部装置からの要求により図1の画像形成装置から読み出され、外部装置に表示される装置情報の一例を示す図であり、図6は、図2〜図4の処理において、外部装置からの要求により図1の画像形成装置から読み出され、外部装置に表示される装置情報の他の例を示す図である。
待機状態では、制御部15内の待機状態解除部15a(サブプロセッサ等で構成)と通信部14と操作部16が稼働しているものとする。このような待機状態において、待機状態解除部15aは、通信部14を介して外部装置からアクセスが有るかの判定を行い(ステップS1)、外部装置からのアクセスが有ると判定した場合(YESの場合)には、装置全体に電源を供給して処理モード(通常モード)へと移行させる(ステップS2)。一方、待機状態解除部15aは、アクセスが無いと判定した場合(ステップS1でNOの場合)、後述の図4のステップS28の処理を行う。
ステップS2に続き、要求内容判定部20は、外部装置からの処理要求の内容(アクセス内容)を判定する。まず、要求内容判定部20は、プリンタ機能に関するコマンドであるか否かを判定し(ステップS3)、プリント機能に関するものであると判定した場合(YESの場合)には、ステップS4へ進み、それ以外であれば後述の図3のステップS13へと進む。ここでのプリンタ機能に関するコマンドとは、印刷コマンド、ホールドコマンド、印刷及びホールドコマンドを指している。ホールドコマンドとは、画像形成装置1にプリント情報18aとして操作部16から印刷指示がなされるまで画像データを保持しておき、その印刷指示を受けた段階で印刷を実行するコマンドである。
ステップS4では、要求内容判定部20は、コマンドにホールドコマンドが含まれているか否かを判定する。ステップS4でYESの場合、つまりホールドコマンドを含んでいると判定した場合には、制御部15の制御に従って、通信部14が外部装置よりホールドするデータを受信し(ステップS5)、受信したホールドデータをプリント情報18aとして記憶部18に記憶する(ステップS6)。ステップS6の後、移行時間設定部15bは、ホールド処理後の待機状態に戻すまでの移行時間として、オフタイマ15cにおける移行時間を例えば10秒に設定する(ステップS7)。
ステップS7に続き、並びに、ステップS4でNOの場合、要求内容判定部20は、コマンドに印刷コマンドが含まれているか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8でNOの場合、つまり印刷コマンドを含んでいないと判定した場合には、後述の図3のステップS19に進む。一方で、ステップS8でYESの場合、つまり印刷コマンドを含んでいると判定した場合には、制御部15の制御に従って、通信部14が外部装置より印刷するデータを受信する(ステップS9)。なお、印刷及びホールドコマンドである場合には、既にステップS5にてデータを受信しているので、ステップS9をスキップさせることもできる。
ステップS9に続き、待機状態解除部15aは、待機状態にある印刷部13(及び画像処理部12)を起動して使用可能状態とし(ステップS10)、起動した印刷部13を用いてデータの印刷を行う(ステップS11)。ステップS11に続き、移行時間設定部15bは、オフタイマ15cにおける移行時間を例えば30秒に設定する(ステップS12)。このとき、ステップS7にてオフタイマ15cに10秒が設定されていたとしてもステップS12にて30秒を上書き設定する。これらの処理により、ホールドコマンド処理後にオフタイマに10秒、印刷コマンド、印刷及びホールドコマンド処理後にオフタイマに30秒が設定されることになる。
図3を参照しながら、ステップS3でNOの場合の処理について説明する。まず、通信部14で外部装置よりWebアドレスを受信する(ステップS13)。ここでのWebアドレスとは、記憶部18にWebページ情報18bとして記憶されているWeb画面ページを特定するためのアドレスである。ステップS13に続き、制御部15の制御により、外部装置より受信したWebアドレスに該当するWeb画面ページを、記憶部18のWebページ情報18bより呼び出し(ステップS14)、通信部14を介してそのWeb画面ページを外部装置へと返信する(ステップS15)。なお、ステップS14において、要求されているWeb画面ページに設定項目を含む場合には、設定情報18cから読み出して組み込む。
ステップS15に続き、要求内容判定部20は、Web画面ページ内に設定項目を含んでいるか否かを判定する(ステップS16)。図5のWeb画面ページ50は、装置情報を示す画像のデータの一例であり、設定項目を含むページの例である。Web画面ページ50の例では、コピージョブ及びプリントジョブについての設定情報18cの具体例に示したように、カラーモード、解像度、部数、及び仕上げが、設定項目として含まれている。Web画面ページ50は、例えば画像形成装置1のメンテナンス会社などが、画像形成装置1の使用状況を外部装置(外部のPCなど)から閲覧したい場合などに、画像形成装置1に要求して取得するものである。また、図6のWeb画面ページ60も、装置情報を示す画像のデータの一例であるが、設定項目を含まないページの例である。
まず、ステップS16でYESの場合、つまり設定項目を含んでいると判定した場合について説明する。この場合、移行時間設定部15bは、設定項目を含むWeb画面ページを表示する場合の基本のオフタイマ値(基本の移行時間)に設定する(ステップS23)。この例では、ステップS23で設定される基本の移行時間を例えば30秒とする。ステップS23に続き、項目数抽出部21が設定項目の数を抽出する(ステップS24)。図5のWeb画面ページ50の例では、4項目が設定項目として抽出されることになる。
ステップS24に続き、移行時間設定部15bは、抽出した設定項目数に応じた時間を演算する(ステップS25)。例えば、図5のWeb画面ページ50の例では、4項目が抽出されたことから、例えば10秒/1項目として40秒が演算される。設定項目が設けられている場合、設けられていない場合と比較して設定を行うために必要な時間を設け、設定中に画像形成装置1が待機モードに移行しないようにするための処理である。
ステップS25に続き、移行時間設定部15bは、先にステップS23にて設定した30秒と、演算された時間とを比較し、演算された時間の方が長いか否かを判定する(ステップS26)。演算された時間の方が長かった場合(ステップS26でYESの場合)、移行時間設定部15bは、その演算された時間をオフタイマ15cにおける移行時間として設定する(ステップS27)。一方、演算された時間の方が短かった場合(ステップS26でNOの場合)、オフタイマ15cにおける移行時間は、ステップS23にて設定した時間(つまり30秒)のままとする。
このように、外部装置から多数の設定項目が含まれるWeb画面ページにアクセスしたときには、オフタイマ15cにおける移行時間を長くしておくことで、外部装置でWeb UI上で設定を変更している最中に、待機状態(省エネルギー状態)に移行してしまい設定変更ができなくなり、設定内容がクリアされてしまって再度ログインを要求される、といった事態を防止することができる。
次に、ステップS16でNOの場合、つまり設定項目を含んでいないと判定した場合について説明する。この場合、ページ判定部22が、Web画面ページがTopページであるか否かを判定する(ステップS17)。移行時間設定部15bは、Web画面ページがTopページ(目次ページ等)である場合(ステップS17でYESの場合)、さらに他のページを要求される可能性があることから、その間の時間を設けて移行時間を設定する(ステップS18)。この例では、ステップS18で設定される移行時間を例えば20秒とする。一方で、Topページでない場合(ステップS17でNOの場合)には、制御部15が、直ぐに待機状態解除部15a、通信部14、及び操作部16以外への電源供給を遮断して待機モード(待機状態)へと移行させる(ステップS22)。ステップS22の後は、図2のステップS1へと戻ることになる。
なお、設定項目数やトップページか否かに応じて移行時間を変えた例を挙げたが、これに限らず、予めWeb画面ページ毎に、換言すれば保存先のURL毎に移行時間を設定しておき、アクセスされたURL名でオフタイマ時間を切り替えるようにしてもよい。
ステップS8でNOの場合の処理、ステップS12に続く処理、ステップS18に続き、並びにステップS27に続く処理について説明する。まず、制御部15は、オフタイマ15cで設定された移行時間からの時間の減算を開始する(ステップS19)。次に、制御部15は、新たなコマンドを受信したか否かを判定し(ステップS20)、受信した場合(YESの場合)には図2のステップS3へと戻る。一方で、受信しなかった場合(ステップS20でNOの場合)、制御部15は、オフタイマ15cの減算の結果としてオフタイマ15cが0秒となったか否かを判定する(ステップS21)。
0秒になっていない場合(ステップS21でNOの場合)、ステップS20へ戻り、新たなコマンドの受信を待つ。一方で、0秒になった場合(ステップS21でYESの場合)、制御部15が、待機状態解除部15a、通信部14、及び操作部16以外への電源供給を遮断して待機モードへと移行させる(ステップS22)。ステップS22の後は、図2のステップS1へと戻ることになる。
図4を参照しながら、図2のステップS1でNOの場合の処理について、つまり外部装置からのアクセスが確認できなかった場合の処理について、説明する。まず、待機状態解除部15aは、操作部16が操作されたか否かを判定し(ステップS28)、操作されていないと判定された場合(NOの場合)にはステップS1へと戻り、操作されたと判定した場合(YESの場合)には、ステップS2と同様に装置を処理モードへと移行させる(ステップS29)。ステップS29に続き、移行時間設定部15bは、画像形成装置1に対して直接操作が行われた場合の基本のオフタイマ値(基本の移行時間)に設定する(ステップS30)。この例では、ステップS30で設定される直接操作時の基本の移行時間を20秒としているが、当然、例えばステップS18での移行時間と異ならせてもよい。
ステップS30に続き、要求内容判定部20が、操作部16で操作された内容(どの機能を実行する操作がなされたか)を判定する(ステップS31)。ここでの例では、説明の簡略化のため、操作部16で待機状態で受け付ける操作が、スキャナ機能とコピー機能のいずれかの機能を実行する操作である場合を挙げる。なお、コピー機能とスキャナ機能とで共通の移行時間を採用した例を挙げているが、より時間のかかるコピー機能の場合に移行時間を長く設定してもよい。
ステップS31でコピー機能が操作された場合、制御部15の制御により、スキャナ部11を使用可能なように起動し(ステップS32)、原稿を読み取り(ステップS33)、読み取った原稿の画像データを印刷するために印刷部13を起動し(ステップS34)、印刷部13で印刷を実行する(ステップS35)。
ステップS31でスキャナ機能が操作された場合、制御部15の制御により、スキャナ部11を使用可能なように起動し(ステップS36)、原稿を読み取り(ステップS37)、読み取られた原稿データをプリント情報18aとして記憶部18に記憶する(ステップS38)。
ステップS35の後、並びにステップS38の後、オフタイマ15cで設定された移行時間からの時間の減算を開始する(ステップS39)。次に、制御部15は、新たな操作がなされたか否かを判定し(ステップS40)、新たな操作がなされた場合(YESの場合)にはステップS30へ戻り、再度20秒にオフタイマ15cを設定する。一方で、新たな操作がなかった場合(ステップS40でNOの場合)、制御部15は、オフタイマ15cの減算の結果としてオフタイマ15cが0秒となったか否かを判定する(ステップS41)。
0秒になっていない場合(ステップS41でNOの場合)、ステップS40へ戻り、新たな操作を待つ。一方で、0秒になった場合(ステップS41でYESの場合)、ステップS22と同様に制御部15が待機モード(待機状態)へと移行させる(ステップS42)。ステップS42の後は、図2のステップS1へと戻ることになる。
なお、ステップS7をはじめとして、ステップS12,S18,S23,S27,S30では、移行時間の設定を処理要求に係る処理が完了した時点で行っているが、処理要求に係る処理の開始前に移行時間の設定を行ってもよい。但し、ステップS19,S39におけるオフタイマによる減算(カウントダウン)は、処理要求に係る処理を完了した時点で開始することが好ましい。また、各処理要求の内容に応じた移行時間は、操作部16や外部装置からユーザ設定として設定可能としておくことが好ましい。
以上、本発明に係るオフタイマ付き装置によれば、待機状態からの起動のトリガとなったアクセス方法やユーザ操作等の処理要求の内容に応じて、オフタイマにおける移行時間の設定を変更しているため、当該装置の設置場所に居る必要もなく移行時間の設定が可能であり、且つ当該装置の稼働時間が不必要に長くなることを防止することや、逆に稼働時間が不足してしまうことを防止することができる。
以上、本発明に係るオフタイマ付き装置について、画像形成装置を例に挙げて説明したが、他の種類の装置に本発明を適用する場合について簡単に補足する。例えば、オフタイマ付き装置が映像記録再生機器であれば、予約録画機能による予約録画の開始時刻の到来によって予約録画終了時点からの待機状態への移行時間を設定するように構成することもできる。そして、その移行時間は、単にチャンネル変更操作に応じたチャンネル変更処理時点からの待機状態への移行時間とは異なるように設定しておけばよい。また、オフタイマ付き装置がファイルサーバであった場合には、外部装置からの要求に対してファイルサーバで管理されているファイルの一覧を示すWeb画面ページのデータを返し、外部装置でファイルの一覧を確認(閲覧)したり、或いは消去指示を出したりするように構成することもできる。その際、ファイルサーバで管理されているファイルのうち、一覧表示が要求されているファイルやフォルダの数に応じて、待機状態への移行時間を設定するようにしておけば、ユーザが閲覧に必要な時間に応じて移行時間が設定できる。